JPH07330535A - 化粧品における給湿剤としてのエクトインおよびエクトイン誘導体 - Google Patents

化粧品における給湿剤としてのエクトインおよびエクトイン誘導体

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JPH07330535A
JPH07330535A JP6308705A JP30870594A JPH07330535A JP H07330535 A JPH07330535 A JP H07330535A JP 6308705 A JP6308705 A JP 6308705A JP 30870594 A JP30870594 A JP 30870594A JP H07330535 A JPH07330535 A JP H07330535A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 化粧品における給湿剤としての式Iaまたは
Ib 〔式中、Rは水素原子または(C〜C)−アルキ
ルであり;Rは水素原子、−COOH,−CO−O−
(C〜C)−アルキルまたは−CO−NH−R
あり;R,Rは水素原子または−OHであり;R
は水素原子、(C〜C)−アルキル、アミノ酸残
基、ジペプチド基またはトリペプチド基である〕で示さ
れるエクトインおよびエクトイン誘導体化合物、ならび
にそれらの製造方法。 【効果】 この化合物は老化した、乾燥したまたは炎症
を起し易い皮膚を保護するための化粧品の製造に使用さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−
メチル−4−ピリミジンカルボン酸(エクトイン)が、
極端に、好塩性微生物において見出されそしてそれが、
これらの微生物の浸透度調節における役割を果たすとい
うことは知られている〔E.A.Galinski等、Eur. J. Bioc
hem., 149 (1985),135〜139頁〕。化粧品の主な役目
は、皮膚の通常な状態の保存または回復である。安定化
という他の基準のほかに、皮膚の湿気含量は、重要な役
割を果す。通常の条件下においては、皮膚は、それ自
体、その湿気含量を調節することができる。例えば、冷
たい乾燥した大気のような外部環境の変化は、非常に急
速に、皮膚の表面が乾き切った状態を生ずる。皮膚の表
面は、はがれやすくなりそして僅かにひびがきれる傾向
がある。皮膚は、化学的および物理的因子に対して高度
に感受性である。アトピーの患者においては、これらの
皮膚症候は年令に関係なく観察されるけれども、健康な
ヒトにおいては、年をとるにつれて、皮膚疾患はより顕
著になる〔B. Idson. Cosmetics & Toiletries, 107 (1
992), 69〜78頁〕。この皮膚疾患は、適当な給湿製剤を
使用することによって予防ならびに反作用することがで
きる。
【0002】給湿製剤においてこの目的に使用される成
分は、2つの異なる作用原理に関して異なっている。閉
塞物質(例えばパラフィン油)は、皮膚の表面上に、水
蒸気を通さない障壁を形成し、それによって皮膚の経皮
的水損失(TEWL)を防止する。これに反して、グリセ
ロールのような皮内物質は、皮膚中に水を拘束する。式
IaまたはIbの化合物の少なくとも1種の化合物を含
有する化粧製剤は、ヒトの皮膚の水化を改善または安定
化するということが見出された。
【0003】本発明は、化粧品を製造するための式Ia
またはIb
【化7】 の化合物および(または)式IaまたはIbの化合物の
生理学的に許容し得る塩および(または)式Iaまたは
Ibの化合物の立体異性体の少なくとも1種の化合物の
使用に関するものである。
【0004】上記式において、R1は、(a)水素原子ま
たは(b)(C1〜C4)−アルキルであり、R2は、(a)
水素原子、(b) −COOH、
【化8】 (式中、R5は、(1)水素原子、(2)(C1〜C4)−ア
ルキル、(3)アミノ酸基、(4)ジペプチド基または(5)
トリペプチド基である)であり、R3およびR4は、相互
に独立して、(a)水素原子または(b)−OHであり、n
は、1、2または3である。
【0005】式IaまたはIbの化合物は、光学異性
体、ジアステレオマー、ラセミ体、双性イオン、陽イオ
ンの形態でまたはこれらの混合物の形態で化粧品中に存
在することができる。R1が、(a)水素原子または(b)
メチルであり、R2が、(a)水素原子または(b)−CO
OHであり、R3およびR4が、相互に独立して、(a)水
素原子または(b)−OHであり、そしてnが2である式
IaまたはIbの化合物の少なくとも1種の化合物の使
用が好ましい。さらに、本発明は、(S)−1,4,5,6
−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン
酸および(または)(S,S)−1,4,5,6−テトラヒド
ロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカル
ボン酸を含有する化粧品に関するものである。
【0006】さらに、本発明は、式IaまたはIbの化
合物を製造する方法に関するものであり、そしてこの方
法は、(A) アルコールの存在下において、式II
【化9】 (式中、R1は式Iaにおける通りである)の化合物を
式III
【化10】 (式中R3、R4およびnは式Iaにおいて定義した通り
でありそしてR2は水素原子または−COOHである)
の化合物と反応させて式IaまたはIbの化合物を得、
または(B) R2が−COOHである式IaまたはIb
の化合物をハロゲン化アルキルと反応させて式Iaまた
はIbの化合物の相当するカルボン酸エステルを得、ま
たは(C) R2が活性化カルボン酸エステルである式I
aまたはIbの化合物を式NH2−R5のアミンと反応さ
せて、式IaまたはIbの化合物の相当するカルボキサ
ミドを得ることからなる。
【0007】“アミノ酸”なる用語は、次の化合物の立
体異性体、例えばDおよびL形態を意味するものと理解
されるべきである。アスパラギン、アルギニン、アスパ
ラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、β−アラニン、
γ−アミノブチレート、Nε−アセチルリジン、Nδ−
アセチルオルニチン、Nγ−アセチルジアミノブチレー
ト、Nα−アセチルジアミノブチレート、ヒスチジン、
イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニ
ン、セリン、スレオニンおよびチロシン。L−アミノ酸
が好ましい。アミノ酸基は、相当するアミノ酸から誘導
される。
【0008】次のアミノ酸基が好ましい。Gly、Al
a、Ser、Thr、Val、β−Ala、γ−アミノ
ブチレート、Asp、Glu、Asn、Gln、Nε−
アセチルリジン、Nδ−アセチルオルニチン、Nγ−ア
セチルジアミノブチレート、Nα−アセチルジアミノブ
チレート。アミノ酸は、一般的な慣例により略される。
ジ−またはトリ−ペプチド基は、化学性性質によれば酸
アミドでありそして加水分解によって2個または3個の
アミノ酸に壊変する。ジ−またはトリ−ペプチド基にお
けるアミノ酸は、相互にアミド結合により結合されてい
る。
【0009】式IaまたはIbの化合物の適当な生理学
的に許容し得る塩の例は、例えばアルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩またはアンモニウム塩、例えばナトリウ
ム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ト
リエチルアミン塩またはトリス(2−ヒドロキシ−エチ
ル)アミン塩である。式IaまたはIbの化合物の他の
生理学的に許容し得る塩は、無機酸、例えば塩酸、硫酸
および燐酸または有機カルボン酸またはスルホン酸、例
えば酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル
酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸との反応から
得られる。カルボキシル基またはアミノ基のような同数
の塩基性基および酸性基が存在する式IaまたはIbの
化合物は、内部塩を形成する。
【0010】さらに、本発明は、(a) C−末端遊離カ
ルボン酸基またはその活性化された誘導基を有するセグ
メントをN−末端遊離アミノ基を有するセグメントと反
応させるか、または(b) ジ−またはトリペプチドを段
階的に合成し、そして必要に応じて、(a)または(b)に
より得られた化合物中において他の官能基を保護するた
めに一時的に導入された1個または2個以上の保護基を
除去しそして必要に応じて、得られた化合物をその生理
学的に許容し得る塩に変換することからなるジ−または
トリ−ペプチドまたはその塩の製法に関するものであ
る。
【0011】ジ−またはトリ−ペプチドは、ペプチド化
学の一般的方法〔Houben-Weyl, Methoden der Organisc
hen Chemie(Methods in Organic Chemistry), Volume 1
5/1,2〕にしたがって、C−末端から出発して段階
的にまたはセグメントをカップングすることにより製造
される。ペプチドカップング工程は、例えば、特に−1
0℃〜溶剤の沸点、好ましくは−5℃〜40℃の反応温
度で、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロ
キシサクシンイミド、3−ヒドロキシ−4−オキソ−
3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン、N−
ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボクス
イミドのような反応を促進しそしてラセミ化を防止する
物質を添加して、さらに1−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールの活性誘導体または燐酸、ホスホン酸およびホスフ
ィン酸の無水物を使用して、混合無水物法によって、活
性基またはアジドによってまたはカルボジイミド法によ
って行うことができる。
【0012】適当な溶剤は、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドンまたはジメ
チルスルホキシドである。反応剤が十分に可溶性である
場合は、塩化メチレン、クロロホルムまたはテトラヒド
ロフランのような溶剤もまた使用することができる。二
次的な反応を防止することが必要である場合または特定
のペプチドの合成に対して必要である場合は、アミノ酸
の側鎖にある官能基は、適当な保護基によって、さらに
保護される。次のものが主に使用される。
【0013】Arg(Tos)、Arg(Mts)、Arg
(Mtr)、Arg(PMV)、Asp(OBzl)、Asp
(OBut)、Cys(4−MeBzl)、Cys(As
m)、Cys(SBut)、Glu(Obzl)、Glu(O
but)、His(Tos)、His(Fmoc)、His
(Dnp)、His(Trt)、Lys(Cl−Z)、Lys
(Boc)、Met(O)、Ser(Bzl)、Ser(Bu
t)、Thr(Bzl)、Thr(But)、Trp(Mt
s)、Trp(CHO)、Tyr(Br−Z)、Tyr(Bz
l)またはTyr(But)。
【0014】使用される好ましいアミノ保護基は、接触
水素添加により除することのできるベンジルオキシカル
ボニル(Z)基、弱酸により除去することのできる2−
(3,5−ジメチルオキシフェニル)プロピル(2)オ
キシカルボニル(Ddz)基またはトリチル(Trt)
基および第2アミンにより除去することのできる9−フ
ルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基であ
る。改変法(A)においては、操作はメタノール、エタ
ノールまたはイソプロパノールのような不活性溶剤にお
いて絶えず撹拌しながら、等モル量または3倍までの過
剰の量の式IIの化合物を式IIIの化合物(ジ塩酸塩形
態)と反応させて式IaまたはIbの化合物を得ること
によって、もっともよく実施される。反応温度は、30
℃〜90℃または30℃〜溶剤の沸点、好ましくは40
℃〜70℃、特に55℃付近である。
【0015】反応時間は、15分〜48時間、好ましく
は30分〜3時間、特に好ましくは1〜2時間である。
反応の終了は、例えばHPLCにより測定することがで
きる。式IaまたはIbの反応生成物を単離および精製
するために、溶剤を留去し、乾燥した反応混合物を脱イ
オン水中において酸または塩基で中和しそして双性イオ
ン性生成物を、溶離剤として脱イオン水を使用してイオ
ン遅滞カラム(例えば、型BIORADR AG11A
8)上で精製することができる。陽イオン性生成物を精
製するために、生成物をH形態の陽イオン交換体に結
合させそして例えば過塩素酸勾配を使用して溶離するこ
とができる。
【0016】R2が−COOHである式IaまたはIb
の得られた化合物は、例えば式IaまたはIbの化合物
の塩酸塩1gをメタノール中の0.2N HCl 20ml
に溶解し、混合物を2時間還流しそして次にそれを減圧
下で蒸発することによって、相当するカルボン酸エステ
ルに変換される(改変法(B))。ニトロフェニルエステ
ルの場合におけるように、エステル化反応は、水−結合
剤として等モル量のジシクロヘキシルカルボジイミドを
添加することにより促進される。式IaまたはIbの相
当するカルボキサミド(改変法(C))は、式Iaまたは
Ibの化合物の活性化されたカルボン酸エステル(例え
ばp−ニトロフェニルエステル)1gをジクロロメタン
250mlに溶解しそして混合物を、ガス状NH3とまた
は相当するアミノ酸とまたはジ−またはトリ−ペプチド
(トリエチルアミンを添加して)と反応させることによ
り得ることができる。反応は、黄色を発生するp−ニト
ロフェノレートの助けによって監視することができる。
【0017】改変法(A)の出発化合物は、既知である
かまたは商業的に得ることができる。(S)−1,4,5,
6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボ
ン酸または(S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−
ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸も
また微生物学的に得ることができる(Severin等、 J.Ge
n. Microb. (1992), 138, 1629〜1638)。化粧品は、式
IaまたはIbの化合物および(または)式Iaまたは
Ibの化合物の生理学的に許容し得る塩の少なくとも1
種の化合物を、必要に応じて、補助剤および(または)
担体物質と一緒に、処方して適当な処方物とすることに
よって製造される。補助剤および担体物質は、担体、防
腐剤および他の慣用の補助剤の群のものである。式Ia
またはIbの化合物を基にした化粧品は、外部的に使用
される。
【0018】使用形態の例は、溶液、懸濁液、乳濁液、
ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、
石鹸、界面活性剤−含有クレンザー、油およびスプレー
である。式IaまたはIbの化合物のほかに、何れの所
望の慣用の担体物質、補助剤そして必要に応じて、他の
活性物質も、製品に加えることができる。好ましい補助
剤は、防腐剤、抗酸化剤、安定剤、可溶化剤、ビタミ
ン、着色剤および香り改善剤の群のものである。式Ia
またはIbの化合物のほかに、軟膏、ぺースト、クリー
ムおよびゲルは、慣用の担体物質、例えば動物および植
物脂肪、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガントゴ
ム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリ
コーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛
またはこれらの物質の混合物を含有することができる。
【0019】式IaまたはIbの化合物のほかに、粉末
およびスプレーは、慣用の担体物質、例えばラクトー
ス、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシ
ウム、およびポリアミド粉末またはこれらの物質の混合
物を含有することができる。スプレーは、さらに、慣用
の発射剤、例えばクロロフルオロ炭化水素、フロパン/
ブタンまたはジメチルエーテルを含有することができ
る。
【0020】式IaまたはIbの化合物のほかに、溶液
および乳濁液は、慣用の担体物質、例えば溶剤、可溶化
剤および乳化剤、例えば水、エタノール、イソプロパノ
ール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、
安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブ
チルグリコール、油、特に綿実油、落花生油、とうもろ
こし胚種油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリ
セロール脂肪エステル、ポリエチレングリコールおよび
ソルビタンの脂肪酸エステルまたはこれらの物質の混合
物を含有することができる。
【0021】式IaまたはIbの化合物のほかに、懸濁
液は、慣用の担体物質、例えば液体の希釈剤、例えば
水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁剤、
例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオ
キシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエ
チレンソルビタンエステル、微小結晶性セルローズ、メ
タ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラ
ガントゴム、またはこれらの物質の混合物を含有するこ
とができる。
【0022】式IaまたはIbの化合物のほかに、石鹸
は、慣用の担体物質、例えば脂肪酸のアルカリ金属塩、
脂肪酸半エステルの塩、脂肪酸蛋白加水分解物、イセチ
オネート、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物エ
キス、グリセロール、糖またはこれらの物質の混合物を
含有することができる。
【0023】式IaまたはIbの化合物のほかに、界面
活性剤−含有クレンザー製品は、慣用の担体物質、例え
ば脂肪アルコールサルフェートの塩、脂肪アルコールエ
ーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、脂
肪酸蛋白加水分解物、イセチオネート、イミダゾリニウ
ム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸
アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイ
ン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタ
ノールアミド、植物および合成油、ラノリン誘導体、エ
トキシル化グリセロール脂肪酸エステルまたはこれらの
物質の混合物を含有することができる。
【0024】式IaまたはIbの化合物のほかに、顔用
油および体用油は、慣用の担体物質、例えば合成油、例
えば脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーン油、
天然油、例えば植物油および油性植物エキス、パラフィ
ン油、ラノリン油またはこれらの物質の混合物を含有す
ることができる。美容術における他の特有の使用形態
は、棒口紅、くちびる軟膏棒、まつ毛染め、アイライナ
ー、ブラッシャー、化粧下用粉末、化粧下用乳濁液、化
粧下用ワックス、そしてまた、日光保護および日光浴後
製剤である。
【0025】本発明による化粧品中における式Iaまた
はIbの化合物の活性濃度は、0.1〜10重量%、好
ましくは0.1〜3重量%である。さらに、本発明は、
乾燥したおよび(または)炎症を起し易い皮膚および乾
燥したはげ落ちやすい頭皮の保護および予防用の、特に
皮膚の湿気含量を増加および(または)安定化するため
の化粧品の製造に対する式IaまたはIbの化合物の使
用に関するものである。
【0026】実施例1 (S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−
ピリミジンカルボン酸の製造 オルトギ酸トリメチル60mlを、メタノール400mlに
溶解しそして絶えず撹拌しながら、55℃でL−ジアミ
ノ酪酸×2HCl 30gと反応させる。2時間の反応
時間の後に、溶剤を減圧下で蒸発し、残った粗製生成物
を脱イオン水50mlに溶解しそして溶液をNaOHを使
用して中和する。次に、化合物を、溶離剤として脱イオ
ン水を使用してイオン遅滞カラム型BIORADAG11A8(Bi
o-Rad Laboratories, GmbH, Munich, Germany)上で精
製しそして生成物を乾燥しそしてメタノールから再結晶
する。得られた化合物は、高圧液体クロマトグラフィー
(HPLC);(例えば、E. Merck, Darmstadt, German
y, Lichro CARTR 125-NH25μ、溶離剤:80%アセト
ニトリル)により確認することができそして次の13C−
NHRデータ:176.8、161.2、53.8、37.
9、22.0、18.7ppm(TMSに関して);(Galin
ski E.A., Pfeiffer H.P., Trueper H.G. (1985) Eur.
J. Biochem. 149, 135〜139)により特徴づけられる。
【0027】実施例2 化粧品活性 (A) 水分吸収能 実施例1の化合物の水分吸収能は、65%相対大気湿度
において測定される。使用した比較対照物質は、それぞ
れの場合において、グリセロールおよびプロピレングリ
コールである。それぞれの場合において、無水物質1g
を、重量が一定になるまで密閉室中で保持する。水分吸
収能は、次の通りにして計算される。
【0028】
【数1】 エクトインは、25%の水吸収を有しそしてグリセロー
ルまたはプロピレングリコール(それぞれ60%および
45%)に比較して顕著でない吸湿行動を示す。しかし
ながら、吸湿剤としての使用に関して、過度に高いグリ
セロール濃度から知られている脱水作用は、除外するこ
とができる。
【0029】(B) ヒト皮膚の水化(hydration) 水化は、CorneometerR CM 820(Courage & Khazaka Ele
ctronic GmbH)を使用して電気容量的に測定する。水の
比較的高い誘電率を利用する。センサーの末端面は、測
定キャパシターを含有する。測定ヘッドを皮膚に対して
押し当てた場合、角質層がキャパシター界のスキャッタ
ー面積に達する。電気容量の変化は、水含量の機能とし
て相違する。短い測定時間は、皮膚の変形または蒸発増
強により起る誤差を除外する。
【0030】7人の被試験者の前腕を、(S)−1,4,
5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカ
ルボン酸(実施例1の化合物、エクトイン)を含有する
乳濁液を使用して14日間毎日1回処理する。比較とし
て、相当する偽薬乳濁液を他の前腕に適用する。Corneo
meterによって測定したデータは、本発明による乳濁液
で処理したヒト皮膚の水化が、偽薬乳濁液による直接的
な比較より約10%高いことを示す。これはヒトの皮膚
の水化が著しく改善されそして偽薬乳濁液を使用して達
成される水化より有意に高いことを意味する。乳濁液の
組成は、表1、表2に示される通りである。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/02 A 7/032 7/06 7/42 7/48 31/415 ADA 31/505 31/55 38/00 C07D 233/06 233/28 233/32 239/06 243/04 247/02 C07K 5/078 8318−4H 5/097 8318−4H 5/117 8318−4H (72)発明者 ハンスユルゲン・ドリラー ドイツ連邦共和国デー−40789モンハイム. ベルタ−フオン−ズトナー−シユトラーセ 6 (72)発明者 エルヴイン・ガリンスキー ドイツ連邦共和国デー−53127ボン.メル プヴエーク36アー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧品を製造するための式IaまたはI
    b 【化1】 の化合物および(または)式IaまたはIbの化合物の
    生理学的に許容し得る塩および(または)式Iaまたは
    Ibの化合物の立体異性体の少なくとも1種の化合物の
    使用。上記式において、 R1は、(a)水素原子または(b)(C1〜C4)−アルキ
    ルであり、 R2は、(a) 水素原子、(b) −COOH、 【化2】 (式中、R5は、(1)水素原子、(2)(C1〜C4)−ア
    ルキル、(3)アミノ酸基、(4)ジペプチド基または(5)
    トリペプチド基である)であり、 R3およびR4は、相互に独立して、(a)水素原子または
    (b)−OHであり、 nは、1、2または3である。
  2. 【請求項2】 R1が、(a)水素原子または(b)メチル
    であり、 R2が、(a)水素原子または(b)−COOHであり、 R3およびR4が、相互に独立して、(a)水素原子または
    (b)−OHであり、そしてnが2である式IaまたはI
    bの化合物を使用する請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 (S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2
    −メチル−4−ピリミジンカルボン酸および(または)
    (S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ
    −2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸を使用する請
    求項1または2記載の使用。
  4. 【請求項4】 化粧品を、溶液、懸濁液、乳濁液、ペー
    スト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、石
    鹸、界面活性剤−含有クレンザー、油、棒口紅、くちび
    る軟膏棒、まつ毛染め、アイライナー、ブラッシャー、
    化粧下用粉末、化粧下用乳濁液または化粧下用ワック
    ス、日光保護および日光浴後製剤またはスプレーの形態
    で使用する請求項1〜3の何れかの項記載の式Iaまた
    はIbの化合物の使用。
  5. 【請求項5】 老化した、乾燥したおよび(または)炎
    症を起し易い皮膚および乾燥したはげ落ちやすい頭皮の
    保護および予防用の化粧品を製造するための請求項1〜
    4の何れかの項記載の式IaまたはIbの化合物の使
    用。
  6. 【請求項6】 皮膚の湿気含量が増加および(または)
    安定化される請求項1〜5の何れかの項記載の使用。
  7. 【請求項7】 互変異性体式IaまたはIb 【化3】 〔式中、 R1は、(a)水素原子または(b)(C1〜C4)−アルキ
    ルであり、 R2は、(a) 水素原子、(b) −COOH、 【化4】 (式中、R5は、(1)水素原子、(2)(C1〜C4)−ア
    ルキル、(3)アミノ酸基、(4)ジペプチド基または(5)
    トリペプチド基である)であり、 R3およびR4は、相互に独立して、(a)水素原子または
    (b)−OHであり、 nは、1、2または3である〕の化合物および(また
    は)式IaまたはIbの化合物の生理学的に許容し得る
    塩および(または)式IaまたはIbの化合物の立体異
    性体。但し、化合物(S)−1,4,5,6−テトラヒドロ
    −2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸または(S,
    S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−
    2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸を除く。
  8. 【請求項8】 R1が、(a)水素原子または(b)メチル
    であり、 R2が、(a)水素原子または(b)−COOHであり、 R3およびR4が、相互に独立して、(a)水素原子または
    (b)−OHであり、そしてnが2である請求項7記載の
    式IaまたはIbの化合物。
  9. 【請求項9】 (A) アルコールの存在下において、式
    II 【化5】 (式中、R1は請求項1記載の通りである)の化合物を
    式III 【化6】 (式中R3、R4およびnは請求項1記載の式Iaにおい
    て定義した通りでありそしてR2は水素原子または−C
    OOHである)の化合物と反応させて請求項1記載の式
    IaまたはIbの化合物を得、または(B) R2が−C
    OOHである請求項1記載の式IaまたはIbの化合物
    をハロゲン化アルキルと反応させて式IaまたはIbの
    化合物の相当するカルボン酸エステルを得、または(C)
    2が活性化カルボン酸エステルである請求項1記載
    の式IaまたはIbの化合物を式NH2−R5のアミンと
    反応させて、式IaまたはIbの化合物の相当するカル
    ボキサミドを得ることからなる式IaまたはIbの化合
    物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の式IaまたはIbの化
    合物および(または)式Iaまたは式Ibの化合物の生
    理学的に許容し得る塩の少なくとも1種の化合物を、必
    要に応じて補助剤および(または)担体物質と一緒に、
    処方して適当な化粧品処方物を得ることからなる化粧品
    の製造方法。
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