JPH07185000A - 注射器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用が容易で、使用者がその使用に際し訓練
を受ける必要のない改良された注射器を提供することを
提供することを目的としている。 【構成】 注射液（１２）を収容したカートリッヂ（１
１）を保持する注射器。カートリッヂがリセットばね
（１５７）の力に抗して注射器（１０）内を身体側方向
に変位可能である。長さが調節可能なタペット（８０）
がばね（５３）によって身体側方向に付勢され、注射器
内を身体側端部位置と反身体側位置との間で変位可能で
あり、且つ、調節部材（１５）のねじ（１７）で案内さ
れてカートリッヂ内に設けられたプランジャ（２３）に
作用するねじ付スピンドル（１９）と、該スピンドルと
組み合されると共に該スピンドルに対して相対回転不能
に固定され且つ軸方向に変位可能に該スピンドルに連結
された案内部材（６７）とを有する。案内部材（６７）
は、注射器（１０）のハウジング（１００）に対して、
タペット（８０）が反身体側端部位置にあるときは回転
可能である一方、タペットが身体側端部位置にあるとき
は回転不能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カートリッジを収容す
る注射器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の注射器として、例えば、多数回の
注射に対して通常は十分な注射液を内部に有するカート
リッジを収容するもので、このカートリッジは付勢用ば
ねの力に抗して身体側に変位可能であり、且つばねによ
って身体側方向に作用力が与えられ、注射器内で身体側
端部位置と反身体側端部位置との間で変位可能であり、
且つカートリッジ内に設けられたプランジャに作用する
案内部材のねじで案内されるねじ付きスピンドルを有す
る長さが調節可能なタペットを備え、案内部材が前記ね
じ付きスピンドルと組み合わせられ、相対回転不能で、
軸方向に変位可能となるようにねじ付きスピンドルに連
結されているものがある。

【０００３】このような注射器の一つは、欧州特許0 34
9 592 B1号により知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の注射器は、使用が容易であるが、使用者側でかなり
の思考を働かせる必要があると共に、使用者はその使用
に際し訓練を受ける必要があるという問題点があった。

【０００５】本発明は、このような従来の問題点を解決
するために為されたもので、使用が容易で、使用者がそ
の使用に際し訓練を受ける必要のない改良された注射器
を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、複数回の注射を行うのに通常は十分な量
の注射液（１２）を収容したカートリッヂ（１１）を保
持する注射器であって、前記カートリッヂ（１１）がリ
セットばね（１５７）の力に抗して前記注射器（１０）
内を身体側方向に変位可能である注射器において、ばね
（５３）によって身体側方向に作用力を与えられる長さ
が調節可能なタペット（図３：８０）であって、注射器
（１０）内を身体側端部位置（図７）および反身体側位
置（図１０）間で変位可能であり、且つ、調節部材（１
５）のねじ（１７）で案内されて前記カートリッヂ（１
１）内に設けられたプランジャ（２３）に作用するねじ
付スピンドル（１９）と、該ねじ付スピンドル（１９）
と組み合されると共に該スピンドルに対して相対回転不
能に固定され且つ軸方向に変位可能に該スピンドルに連
結された案内部材（６７）とを有する前記タペット（８
０）を備え、前記案内部材（６７）は、前記注射器（１
０）のハウジング（１００）に対して、前記タペット
（８０）が前記反身体側端部位置（図１０）にあるとき
は回転可能である一方、前記タペット（８０）が前記身
体側端部位置（図７）にあるときは回転不能であること
を特徴とする注射器を提供する。

【０００７】この構成により、実際の注射過程、すなわ
ち液体の注射は、針が皮膚を貫くまで生じない。注射
後、注射器は、使用者の側でリセット過程を必要としな
い位置にある。これによって、機能をより簡単にしてい
る。

【０００８】注射液を注射するために、調節部材をタペ
ットの身体側端部位置において案内部材に対して相対回
転させることが手動でなされ得るが、好ましくは、調節
部材を回転させることにより緊張され得るばねがハウジ
ングと調節部材との間に設けられており、そして、タペ
ットの反身体側端部位置に、調節部材のかかる回転を一
方向においてのみ可能にし且つ反対方向の回転を阻止す
る阻止装置が設けられている。

【０００９】従って、このばねは、調節部材を案内部材
に対して相対回転させ且つ注射液の注射を実行するため
に、反身体側端部位置で緊張され且つその身体側端部位
置で緩めることができる。

【００１０】注射器が、複数回の注射を行なうのに通常
は十分な量の注射液を含むカートリッジを保持するため
に設けられている。このカートリッジは注射器内でリセ
ットばねの付勢力に抗して身体側方向に変位可能であ
る。長さが調節可能なタペットは、その身体側方向にば
ねの作用力を受けており、このタペットは注射器内で身
体側端部位置と反身体側端部位置との間で変位可能であ
り且つ該タペットはカートリッジ内に設けられたプラン
ジャに作用する調節部材のねじで案内されるねじ付きス
ピンドルを含んでいる。案内部材がねじ付きスピンドル
と組み合せられ且つ相対回転不能に固定され、且つ軸方
向に変位可能となるように該スピンドルに連結されてい
る。案内部材は、注射過程で起こるカートリッジの身体
側への変位の間、このカートリッジに又はこれを収容す
るカートリッジホルダに、直接に作用し且つこれを変位
させるように構成されている。

【００１１】カートリッジ（及びこれに連結され、前記
過程で患者の肉体を貫く針）の確実な変位がこのように
達成される。このことにより、ドイツ特許38 42 317 A1
号に応じたいわゆるひらき針注射器を使用することによ
り、注射前に血を抜くためにも注射器を使用することが
可能になる。

【００１２】案内部材を、回転可能で、軸方向に変位不
能に調節部材に連結すると有利である。このことは、案
内部材の調節部材に対する所定の軸方向位置を与える
が、これは、カートリッジのこの種の確実変位のために
実用的である（当然に、カートリッジはカートリッジホ
ルダ内で変位可能であり、そしてそのときホルダは案内
部材により変位される。）注射器が、複数回の注射を行
なうのに通常十分な量の注射液を収容するカートリッジ
を保持するために設けられている。該カートリッジは注
射器内でリセットばねの付勢力に抗して身体側方向に変
位可能である。長さが調節可能なタペットは、その身体
側方向にばねの作用力を受けており、このタペットは注
射器内で身体側端部位置と反身体側端部位置との間で変
位可能であり且つ該タペットは、カートリッジ内に設け
られたプランジャに作用する調節部材のねじで案内され
るねじ付きスピンドルを含んでいる。案内部材がねじ付
きスピンドルと組み合わせられ且つ相対回転不能に固定
され、軸方向に変位可能となるように該スピンドルに連
結されている。案内部材は、注射過程で起こるカートリ
ッジの身体側への変位の間、このカートリッジに又はこ
れを収容するカートリッジホルダに、直接に作用力を与
え、且つこれを変位させるように構成されている。この
案内部材は、注射器のハウジングに対して、タペットの
反身体側端部位置においては、相対的に回転可能にあ
る。その反身体側端部位置においては相対回転不能であ
る。

【００１３】カートリッジの確実な変位が、斯くして、
注射針が患者の皮膚を既に貫いたときにのみ注射と共に
達成される。

【００１４】本発明の別の面に依れば、注射器が、複数
回の注射を行なうのに通常は十分な量の注射液を含むカ
ートリッジを保持するために設けられている。該カート
リッジは注射器内でリセットばねの付勢力に抗して身体
側方向に変位可能である。長さが調節可能なタペット
は、その身体側方向にばねの作用力を受けており、この
タペットは注射器内で身体側端部位置と反身体側端部位
置との間で変位可能であり且つ該タペットは、カートリ
ッジ内に設けられたプランジャに作用する調節部材のね
じで案内されるねじ付きスピンドルを含んでいる。案内
部材がねじ付きスピンドルと組み合わせられ且つ相対回
転不能に固定され、軸方向に変位可能となるように該ス
ピンドルに連結されている。設定部材が、注射量を設定
するために反身体側端部位置に設けられている。目盛が
設定された注射量の読み取りを可能にする。タペットの
身体側端部位置の領域内で、予め設定された注射量を自
動的に発射させ且つ設定部材を目盛に関して零（０）に
自動的にリセットする手段が設けられている。

【００１５】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。下記の説明において、用語「身体側(proxima
l)」及び「反身体側(distal)」は、医学において一般的
な意味で使用されている。すなわち、身体側は患者の側
に置かれていることを意味し、反身体側は患者から離れ
た側に置かれていることを意味している。左、右、頂
部、及び底部の各用語は、図面の適切な形状を表してい
る。

【００１６】図１７〜２０は、本発明に係る完全に組立
られた注射器１０の好適な実施例を使用中の種々の位置
で示している。図１８は、目盛として役立つように１cm
を示している。この目盛は、図１６、１９及び２０にも
当てはまる。完成した注射器は、およそ大きめの万年筆
の形状であり、図１７の基本位置において、注射針の先
端から測ると、例えばおよそ１６.１cmの全長を有して
いる。この注射器には、注射針のある注射器の身体側端
部のためのカバーキャップ（図示略）が追加され、その
結果その全長がおよそ１７cmになる。円筒部の直径は例
えば１.６cmである。換言すると、注射器は取り扱いが
非常に簡単であり、下記の説明が明らかにするように、
その使用は非常に単純で且つきわめて簡単である。

【００１７】図１７〜２０は理解するのが難しいので、
下記の説明は、注射器が工場でその個々の部品からどの
ように組立られるかという見地から注射器を説明してお
り、この説明によってその構造及び機能を実質的により
理解し易くしている。

【００１８】注射器１０は、注射される投薬量をセット
し且つ注射処置を実行するのに役立つ反身体側部分Ａ
（図１７）と、注射される液体が入ったカートリッヂ
（アンプル）１１を収容する身体側部分Ｂとを有してい
る。その両部Ａ及びＢは、ねじ１３によって互いにねじ
結合されており、且つその結果、例えば、その内容物１
２が使用された空のカートリッヂ１１をその内容物がい
っぱいのカートリッヂと交換するために、及び注射器を
新しいカートリッヂに応じて設定するために、互いにね
じを緩めてはずすことができる。

【００１９】反身体側部分Ａの構造が最初に図１〜１４
に基づいて説明され、次に身体側部分Ｂが図１５及び１
６に基づいて説明される。

【００２０】図１は、注射投薬量が設定されるときに回
転され且つ従って調節スリーブ又は位置決めスリーブと
呼ばれる部品１５を示している。図５が示すように、部
品１５は連続する円筒形状の溝（通孔）１６を有してお
り、この溝の左側端部にはねじ付きスピンドル１９のお
ねじ１８に螺合するめねじ１７が設けられている。スピ
ンドル１９の身体側自由端２２はいくらか拡径されてお
り且つカートリッヂ１１のプランジャ２３（図１７）に
作用するのに役立つ。このプランジャ２３は代表的には
ある適切なラバーでできており且つここでは概略的にの
み示されている。

【００２１】おねじ１７及びこれに対して補足的なめね
じ１８は、好ましくは、０.５cmのねじ外径を有し、１c
m当たり略２つのねじの筋が形成された矩形で急勾配の
ピッチねじである。図１に示されるように、ねじ付きス
ピンドル１９には２つの色がつけられている。その前
側、すなわち身体側部分２４はねじ付きスピンドル１９
の身体側端部から測って１.５cmの長さに亘って白であ
る。残りの部分２５は、図１で点により表されている赤
のような異なる色がついている。

【００２２】図１７が示すように、身体側部分Ｂは、使
用者がカートリッヂ１１の内容物（その残量）をチエッ
クし得る窓２７を有している。

【００２３】ねじ付きスピンドル１９の赤色部分が窓２
７内に十分見えるようになると、使用者はカートリッヂ
を交換する時期が来たことを知る。

【００２４】図１７において、一例として、ねじ付きス
ピンドル１９はまだ窓２７内に全く見えておらず、換言
すると、このときカートリッヂ１１の中身はいっぱいで
あり、数回の注射の後にプランジャ２３はカートリッヂ
１１の身体側端部により近づく方向に動き、且つこれに
対応してねじ付きスピンドル１９が調節スリーブ１５か
ら次第に出る方向にさらに回転され、且つこのときねじ
付きスピンドル１９が窓２７内に見えるようになる（図
１でねじ付きスピンドル１９は実際の長さより短く示さ
れており、図５はこのスピンドル１９の実際の長さを示
している。図５はまた、ねじ付きスピンドル１９のおね
じ１８をこのスピンドル１９の身体側端部から所定の距
離まで設ける必要のないことを示している。）。

【００２５】おねじ１８に加えて、ねじ付きスピンドル
１９は、図８及び９で示すように、径方向に対抗する位
置にある２つの縦溝２９、３０を有している。単一の縦
溝、例えば縦溝２９だけでも本質的に十分であるが、ね
じ付きスピンドル１９は好ましくはプラスチック樹脂で
できているので、２つの対称な縦溝２９、３０を設ける
のがより好ましい。その理由は、樹脂射出成型処理後に
ねじ付きスピンドル１９を型から取り外したとき、スピ
ンドル１９が反ったり、又は換言すると、曲がったりし
ないからである。

【００２６】ねじ付きスピンドル１９は、その反身体側
端部に小径部３２を有し、この小径部３２には、円筒形
状のスリーブ３３が組立後に例えば接着剤又は熱変形に
より固定される。ねじ付きスピンドル１９が動いてめね
じ１７の反身体側端部３４（図５）に当たると、スリー
ブ３３は、ねじ付きスピンドル１９が調節スリーブ１５
からさらに外れる方向に回転するのを防止する。換言す
れば、スリーブ３３はストッパとして作用する。

【００２７】もし調節スリーブ１５及びねじ付きスピン
ドル１９を互いに相対的に回転するならば、このように
形成された、タペットとも呼ばれ得るこの両者の組立体
は、相対回転の方向により短く又は長くなったりする。
各注射の前に、前記組立体を注射中にどのくらい長くす
べきかについてセッティングがなされ、このセッティン
グは注射の前に注射による投薬量を設定する。

【００２８】調節スリーブ１５は、その反身体側端部に
小径の円筒形状部３７を有している。この円筒形状部３
７には、組立後に作動ノブ３８（例えば、図６及び図
７）が例えばねじ、スナップ連結、又は強固な接着によ
って取り付けられている。円筒形状部３７には、これよ
り多少大きな径の円筒形状部４０が身体側に隣接してい
る。この円筒形状部４０の反身体側部位には、図１４に
おいて断面で示されているラチェット歯４２が設けられ
ている。本実施例では等間隔に１８個の歯があり、これ
によって１８の異なる投薬量をセットすることができ
る。これらの歯は、調節スリーブ１５の周囲の略３３０
度を占めている。これらの歯の隙間には、縦方向の溝４
３及び幅の広い矩形断面のストッパ４４がある。このス
トッパ４４は、円筒形状部４０の反身体側端部までラチ
ェット歯４２を反身体側に過ぎて延びている。すなわ
ち、図１においてラチェット歯４２の右側には、円筒形
状部４０の歯のない部分４０´があり、この部分内にス
トッパ４４が延びている。このことが図１で明瞭に示さ
れている。

【００２９】歯４２自体は、作動ノブ３８の反身体側端
部を見て、このノブの時計方向の回転を許し、その反時
計方向の回転を許さないように形成されているのが好ま
しい。作動ノブ３８に、注射の投薬量を設定するための
目盛４６を設けることができ（図６を参照）、固定の目
盛マーク４７（図６を参照）は、ハウジング１１６上で
目盛４６に一致する。

【００３０】代わりに、目盛マーク４７を、設定部材と
して役立つ作動ノブ３８上にもうけることができる。一
方、その場合には、目盛４６は固定のハウジンング１１
６上にある。このような構成によれば、目盛４６の数字
をより大きくすることができ、その結果その数字がより
読み易くなるという利点が得られる。この変形例は図面
で示されていない。

【００３１】円筒形状部４０の身体側端部において、こ
の円筒形状部は径方向に突出したフランジ部４８に変化
している。このフランジ部４８には、つる巻きばね５３
の身体側端部５２を受けるための非連続形状が与えられ
ている（図３）。フランジ部５５は、環状溝５４により
フランジ部４８から分離されており、且つ調節スリーブ
１５の身体側端部上のフランジ部５７は環状溝５６によ
りフランジ部５５から分離されている（図１）。調節ス
リーブ１５は、好ましくはある適当なプラスチック樹脂
からできた射出成型品である（図１及び図５を参照）。

【００３２】図３に示すように、環状溝５４はつめ部材
５９を受けるのに役立つ。このつめ部材５９は、略逆Ｕ
字形状を有し且つ小さな渦巻きばね６０により環状溝５
４の半径方向外側に付勢されている。その実際のつめ突
部に符号６２が付されている。

【００３３】環状溝５６（図１）は、プラスチック樹脂
製である弾性の半割りの殻６３、６４を受けるのに役立
つ。両半割りの殻６３、６４が環状溝５６内に配置され
たとき、この両殻６３，６４の外周部に、案内部材６７
の円筒形状の内部凹所６６（図５）がすべらせて配置さ
れる。組立工程において、部材６７が好ましくは半割の
殻６３、６４に接着により固定され、これによって両殻
６３、６４が案内部材６７を位置決めスリーブ１５の身
体側端部に堅固に保持する。

【００３４】弾性の半割りの殻６３、６４は多数の機能
を有している。すなわち、 （ａ）これらの殻は、案内部材６７を調節スリーブ１５
の身体側端部に堅固に保持する。すなわち、１２ニュー
トン（Ｎ）又はそれ以上の力が案内部材を引き離すのに
必要である。 （ｂ）他方、これらの殻は、案内部材６７の非常に簡単
な支持アセンブリを可能にする。 （ｃ）これらの殻は、案内部材６７を調節スリーブ１５
に対して回転可能にする。発明の背景において、この回
転は、弾力のある半割りの殻６３、６４の摩擦の作用の
ために、従って両殻６３、６４はこの回転に所望量だけ
制動を与えるように構成され得るので、故意に簡単にさ
れるべきではない。例えば、前記両殻６３、６４の内側
に、環状溝５６の底部の対応する係止つめ（図示略）等
に係合する小さな突部を設けてもよい。

【００３５】もちろん、案内部材６７は、当業者が考え
付く他の方法で調節スリーブ１５の身体側端部に回転自
在に固定され得る。しかしながら、図示された実施例の
ものは、非常に簡単であるために好ましい。

【００３６】案内部材６７は、ねじ付きスピンドル１９
用の軸方向の孔６８（図１）を有しており、この軸方向
の孔６８には径方向内方に突出した案内突部６９が設け
られている。組立後、この案内突部６９は、図３に示す
ように、ねじ付きスピンドル１９の縦方向の溝２９に係
合する。従って、もしねじ付きスピンドル１９が例えば
手で回転されると、この回転により案内部材６７も回転
し、且つもし案内部材６７が回転を阻止されると、容易
に理解されるように、このときスピンドル１９も同様に
回転を阻止される。

【００３７】このようにねじ付きスピンドル１９を自由
に回転できるようにしたことは、新しいカートリッヂ１
１を装填した後、スピンドル１９を手動で戻り回転させ
て調節スリーブ１５内に通すために利用される。

【００３８】このために、調節スリーブ１５は、案内部
材６７が自由に回転できる間、拘束されている。

【００３９】投薬量を設定するために、調節スリーブ１
５、案内部材６７及びねじ付きスピンドル１９の全て
が、後述されるように同じ方向に前方に回転される。す
なわち、これら３つの部材の全てが、同じ角度、例えば
使用者が臨む３０度だけ回転する。

【００４０】ばね５３の両端部５２、８７は互いに相対
的に回転され、スプリング５３はねじられてピンとされ
るか又はねじりによる付勢力が増加される。

【００４１】なお、この明細書中で全ての部材が「前方
に」回転されると述べらるとき、前方に回転とは、注射
器１０の反身体側端部を見て、この実施例において時計
方向の回転を意味する。同様に、「後方に」回転とは、
反時計方向の回転を意味する。

【００４２】次に、設定された量の液体を注射するため
に、案内部材６７は、その身体側端部位置において注射
器１０のハウジング内で回転を阻止され（図７）、且つ
調節スリーブ１５は予め設定された角度、例えば上述し
た３０度だけばね５３の捩じり力により反時計方向に回
転される。その結果、ねじ付きスピンドル１９はめねじ
１７から出る方向に対応する距離だけ回転移動し、この
過程で、スピンドル１９がカートリッヂ１１内でプラン
ジャ２３を変位させ、設定された液体の投薬量をカート
リッヂから発射させる。

【００４３】次の説明により、実際上自動的に且つ非常
に速く進むこれらの過程が、より一層明確になるであろ
う。

【００４４】案内部材６７には、肩部７１まで反身体側
に延びる１組の軸方向の歯７２がその外周部に設けられ
ている。実際には、この１組の軸方向の歯７２の直径
は、身体側に多少減少している。すなわち、その歯の高
さが、身体側方向において略０.５ないし１％ずつ減少
している。その場合、１組の軸方向の歯７２は、非常に
僅かだがさい頭円錐形（frustoconical)に見える。この
ことが、これらの歯の機能をより容易にする。軸方向の
歯を有する部分７２には、より小さい直径を有する円筒
形状部７３が接離し、該部分７３は注射過程において、
注射針７４がその身体側に固定されたカートリッヂ１１
を変位させ、これによってその針７４を患者に注射させ
る機能を有する。この過程が図１９に示されている。こ
の過程が、図２０で示されている設定された量の液体の
発射の前に起こる。

【００４５】図１で示された部品が組み立てられると、
半割の殻６３、６４が先ず環状溝５６内に挿入される。
次に、案内部材６７の内部凹部６６が半割りの殻６３、
６４の外周部に圧接され、その結果、案内部材６７が図
２に示された位置をとり且つ調節スリーブ１５上で回転
可能になるが、そのスリーブ１５に対して変位できな
い。その理由は、案内部材６７は、その反身体側端部７
５が、この端部と一緒に軸方向のすべり軸受を形成する
フランジ５５の身体側側面７６に当接しているからであ
る（図１を参照）。

【００４６】一旦案内部材６７が組立られると、ねじ付
きスピンドル１９の反身体側端部が開口部６８内に、そ
の端部が調節スリーブ１５のめねじ１７に係合し且つこ
のめねじ１７に螺合するまで挿入される。次に、円筒形
状のスリーブ３３（図５）がねじ付きスピンドル１９の
部分３２に固定され、その結果、スピンドル１９をめね
じ１７からねじを緩めてはずすことができなくなり、仮
にこのような試みがなされると、スリーブ３３がストッ
パとして機能する。

【００４７】上述したようにタペット８０とも呼ばれ得
る組立られた部分は、図３に示される形状を有してい
る。

【００４８】図３によれば、既に説明されたつめ部材５
９がばね６０と一緒に環状溝５４内に挿入され、次い
で、ばね５３がこのタペット８０の反身体側端部上に押
しはめられる。ばね５３の身体側端部５２は凹部４９に
係合し、その結果、該端部５２はばねからのトルクを調
節スリーブ１５に伝達することができ、且つばね５３が
相応にねじられて緊張していれば、ばね５３から調節ス
リーブ１５へ軸力を伝達することができる。

【００４９】本実施例のばね５３は調節スリーブ１５に
かかる軸力を発生するだけでなく、この調節スリーブを
回転させるためにトルクをも発生するということを指摘
するのが適切である。

【００５０】一旦ばね５３が取り付けられると、プラス
チック樹脂製のスリーブ８２が調節スリーブ１５の外周
にその反身体側端部から押しはめられる。このスリーブ
８２は、その中間部において、比較的幅のある軸方向に
延びた縦溝８３を有している。この溝８３は、その身体
側端部で幅の狭い縦溝８４として延び且つその反身体側
端部で幅の狭い縦溝８５として延びている。

【００５１】幅の広い縦溝８３は、つめ部材５９の係止
舌部６２を収容するのに役立つ。換言すると、図４で示
されるように、この係止舌部６２は幅の広い縦溝８３か
ら外に突出しており且つばね６０の付勢力に抗して径方
向内方に押圧され得る。

【００５２】ばね５３の反身体側端部８７は、スリーブ
８２の幅の狭い縦溝８５内に突出しており、この溝８５
内で端部８７が回転および軸方向変位の両方共不能に固
定される。このことが図５においても非常に明確に示さ
れている。

【００５３】スリーブ８２は、その反身体側端部に、径
方向内方に突出したフランジ９０を有しており、このフ
ランジ９０によりスリーブ８２はラチェット歯４４上を
滑動可能である（図５を参照）。このフランジ９０は、
ばね５３の反身体側部分を係止するのに役立つ。スリー
ブ８２は、その身体側端部に、径の小さい部分９１を有
している。

【００５４】スリーブ状の部材９２は、前記部分９１上
にその身体側端部から圧入される。この部材９２には、
外歯７２にその身体側領域で噛み合う内歯９３が設けら
れている。一方、部材９２は、その反身体側領域に円筒
形状の内側凹部９４を有している。この凹部９４は、前
記部分９１の外径に略一致し且つ好ましくは部材９２の
突部（見えない）が前記幅の狭い縦溝８４と係合するこ
とにより規定される１つの所定回転位置においてのみ部
分９１上に圧入され得る。接着剤が部分９１と９４との
間に施され、その結果、これらの部分が互いに接着によ
り結合される。本実施例の場合、緊張状態のばね５３の
軸力が、案内部材６７をその外歯７２がスリーブ状部材
９２の内歯９３に噛み合うように付勢しており、且つ図
４及び図５に示されているように、案内部材６７は、そ
の外歯７２が内歯９３からある程度外に突出している。

【００５５】前記内歯９３の反身体側端部にある肩部９
５（図５）は、注射中、外歯７２の反身体側端部にある
肩部７１（図１）に対する軸方向のストッパとして作用
し、部材９２に対する案内部材６７の身体側端部位置を
正確に規定する。

【００５６】このような組立過程により、図４及び５に
示されるような組立体９６ができる。もし図４において
組立体９６のスリーブ８２がしっかり保持され且つねじ
付きスピンドル１９がその部位３７で回転されるなら
ば、そのときスピンドル１９は、その回転方向に応じ
て、調節スリーブ１５の外にでる方向又はその中に入る
方向のいずれか一方に回転される。この過程で、つめ部
材５９は環状溝５４内で回り、一方案内部材６７は内歯
９３によりスリーブ９２に対して回転不能に固定されて
いる。

【００５７】なお、ここで、案内部材６７は、その身体
側端部位置において、（ａ）ハウジングに対して所定の
軸方向位置を執らなければならず、且つ（ｂ）回転不能
に阻止されなければならないということを指摘する。

【００５８】これらのことを達成するために、当然に多
数の選択がある。例えば、案内部材６７がその身体側端
部位置で部材９２の対応する反身体側肩部（肩部９５に
類似する）に対する肩部７１に類似する身体側の肩部で
十分な摩擦力で単に当接することも可能であり、又はこ
れらの肩部に適当な突部及びこれに相補的なぎざぎざを
設けることも可能であり、この位置で部材９２に対する
案内部材６７の回転を確実に阻止することができる。こ
の選択は、図において特に示されていない。

【００５９】前記組立体９６は、図４及び５で示された
その形状において、注射器１０のハウジング内に直ちに
取り付けることができる。図６に示すように、このハウ
ジングは、例えばアルミニウムでできた筒１００の形状
の部分を有し、該部分は前記組立体９６の外径に適合し
且つ遊びなしにこの組立体９６を収容し得る円筒形状の
孔１０２を有する。筒１００の反身体側部分にある環状
の肩部１０３は、スリーブ８２の反身体側端部に対する
ストッパとして作用する（図７を参照）。

【００６０】組立体９６は、筒１００の矩形の横方向の
開口部１０４が幅の広い縦溝８３と整合するように、筒
１００の円筒形状の孔１０２内に挿入される。このよう
に、もし調節スリーブ１５が、ばね５３が緊張される過
程で、引っ張られて変位されるならば、そのとき前記係
止舌部６２が、図１０、１３及び１８で示されているよ
うに、開口部１０４内に入って所定位置に係止され得
る。この位置が、投薬量が全くむらなく設定され得るよ
うに注射前に執られなければならない注射器１０の準備
（cocked）位置である。この位置において、ばね５３
は、緊張されており、その結果、針７４を患者内に挿入
するために必要なエネルギを蓄えている。

【００６１】従って、前記組立体９６がこの位置で筒１
００内に挿入され、且つこの位置においてスリーブ８２
が、例えば接着、止めねじを用いて、又は他の適当な方
法によって筒１００内に永久的に固定される。

【００６２】筒１００は、その反身体側端部に縮径した
外側円筒形状部１０３を有しており、且つその内部に縮
径した円筒形状部１３４を有している。この円筒形状部
１３４は、肩部１３３から反身体側方向に肩部１０５ま
で延びており、この肩部１０５の位置で筒１００の反身
体側端部まで延びる、幾らかより縮径した円筒形状部１
０６に変化している（図７）。

【００６３】一旦前記組立体９６が組み立てられると、
弾性のクリップ部１０９及び環状部１１０を有するクリ
ップ１０８が、狭い半径方向の凹部１０７が設けられて
いる円筒形状部１０３の外周にすべり嵌めされる。環状
部１１０の円筒形状の孔１１３が円筒形状部１０３の外
周に遊びなく嵌合する。クリップ１０８は、半径方向に
延びた凹部１１４を有しており、この凹部１１４は組み
立てられた状態で筒１００の横方向の凹部１０７に整合
する。この整合位置において、環状部１１０が、例えば
接着によって円筒形状部１０３に固定される。これに代
えて、環状部１１０を円筒形状部１０３に圧力嵌めによ
って固定してもよい。

【００６４】次に、クリップ部分１０９に対する矩形の
凹部１１７を有する筒状のカバーリング１１６が筒１０
０の円筒形状部１０３の外周及び環状部１１０の外側に
すべり嵌めされ、且つこの位置で例えば接着により固定
される。このカバーリング１１６の具体的な形状が、例
えば図７に示されている。

【００６５】一旦カバーリング１１６が固定されると、
回転可能なノブ３８が、既に説明したように、調節スリ
ーブ１５の部分３７に固定される。

【００６６】ラチェット歯４２又はストッパ４４との係
合のために、つめ１１８が設けられており、このつめ１
１８の断面形状が図７及び図９に示されている。図８及
び９の図面は、発明をより理解しやすくするために、図
７よりも大きく拡大したものである。

【００６７】つめ１１８は、単に凹部１１４、１０７内
に上から単に挿入されるが、この挿入は、ノブ３８が時
計方向に（注射器１０の反身体側から見て）所定の角度
だけ回転されて、ばね５３が所定のトルクまでねじられ
て緊張されるようになった後に行われる。このために
は、ノブ３８を半回転させれば十分である。この準備位
置において、つめ１１８がギロチンのように凹部１１
４、１０７内に落とされ、その結果、つめ１１８が円筒
形状部４０の部分４０´でその内側端部に当接するよう
になる（図７及び９）。

【００６８】この状態では、ノブ３８は緩んだ状態にさ
れ、且つばね５３の予め与えられた付勢力によって、突
部又はストッパ４４が図９で示すようにつめ１１８を押
圧している。

【００６９】つめ１１８の上方には、小さならせんばね
１２０が取り付けられ、且つこのばね１２０の上部に
は、蓋体１２２が互いに平行な２つの溝１２４、１２４
´に押し込まれ、これによってばね１２０の相応な付勢
力を予め与える（図９）。

【００７０】以上のようにして、注射器１０の部分Ａは
完全に組み立てられ使用できる状態となる。これは、使
用方法が異例な程に簡単になるので、驚異的なメカニッ
クである。

【００７１】部分Ａの作動 図７は基本位置にある部分Ａを示しており、図１０は注
射投薬量が設定された後に準備位置にある部分Ａを示し
ている。

【００７２】図７の基本位置において注射投薬量を設定
する試みがなされると何が起きるか？。

【００７３】その場合、案内部材６７の外歯７２が内歯
９３と又は換言すると注射器のハウジングと係合してい
る。その結果、案内部材６７はこの位置で回転できな
い。

【００７４】ストッパ４４（例えば図９を参照）は、作
動ノブ３８を注射器１０の反身体側端部から見て時計方
向の回転のみ可能にする。このような回転の結果、ねじ
付きスピンドル１９が調節スリーブ１５にねじ込まれこ
とになる。すなわち、図３で示されるタペット８０がよ
り長くなるのではなく、より短くなる。作動ノブ３８が
このように回転されると、ばね５３が更にねじられて緊
張する。もし作動ノブ３８がそのまま回転させるなら
ば、ばね５３が作動ノブ３８を回転させてその元の位置
に戻す。この位置において、ストッパ４４が、図９に示
すように、つめ１１８に当接し且つねじ付きスピンドル
１９が同様に前の位置をとる。

【００７５】従って、基本位置（図７）において投薬量
を設定するための試みが無駄になることが証明され、そ
してこの過程でタペット８０（図３）がより長くならず
により短くなる。その結果、基本位置においてタペット
（図３）の長さを増加することは不可能であり且つその
結果安全目的のために何らの追加手段も与える必要もな
いので、非常に短い注射器を作ることが可能である。

【００７６】一旦部分Ａが図１０に示されるように緊張
されると、係止舌部６２が筒１００の凹部１０４内に入
って所定位置係止し、且つこの緊張過程によりばね５３
がより強く付勢される。

【００７７】図１０により明確に示すように、案内部材
６７の外歯７２がこの位置で部分９２の内歯９３との係
合から外れ、その結果、案内部材６７がスリーブ８２の
内部で直ちに自由に回転でき且つ邪魔されない。このよ
うな摩擦のない且つ邪魔されない回転が注射投薬量を正
しく設定するために必要であり、その結果、設定過程の
間、調節スリーブ１５と案内部材６７との間の相対回転
が確実に回避される。これによって、最初に述べたよう
に、もしある最小のトルクがこのような相対回転を可能
にするために必要とされるならば、有利である。

【００７８】図１０に示された位置において、つめ１１
８が、形状が図１４ではっきりしており且つ既に説明さ
れた歯４２を有する部分に係合している。回転時に、つ
め１１８は各歯４２の背後にぱちんと嵌まり且つその際
に、使用者により数えられ得る且つ使用者が盲人又は視
覚障害のある人であれば、投薬量に関する音の情報を与
え得るクリック音を発生する。図１４は、一例として、
３つのラチエット歯４２に対応して矢印１２８の方向へ
５４度ずつ回転することを示している。（本実施例で
は、１８０度につき１０個のラチエット歯４２が設けら
れている。すなわち、２つのラチエット歯４２の角度間
隔αは、本実施例では１８度である。）調節スリーブ１
５だけでなくこの位置で自由に動く案内部材６７、且つ
ねじ付きスピンドル１９が正確に５４度ずつ回転する。
換言すると、この設定過程の結果、タペット８０（図
３）の全長は全く変化しない。タペット８は、これ以上
長くはならない。その場合に、どのように何かが注射で
きるのか？。

【００７９】この状態で弾性のクリップ部１０９が注射
過程を始めるのに役立つ。クリップ部１０９には、内方
に突出した突出部１３０が設けられており、この突出部
１３０は、開口部１０４に面し且つ圧力がクリップ部１
０９に矢印１３１の方向に指で加えられると開口部１０
４内に突入し得る（図１０）。

【００８０】突出部１３０の突入により係止舌部６２が
内方へ押され、これによってこの舌部６２が準備位置に
あるタぺット８０をもはや係止せず、その結果、タペッ
トが緊張されたばね５３によって身体側に変位される。
この変位により、図１９に示すように、患者の肉体に注
射針１４を刺すようにする。

【００８１】この変位により案内部材６７が滑動してそ
の外歯７２が内歯９３に係合する。図１１は、これらの
歯がラチエット歯４２と同じピッチ（本実施例では１８
度）を有しており、その結果、調節スリーブ１５がいか
なる係止位置にあるときでも、外歯７２が容易に滑動し
て難なく内歯９３内に係合し得ることを示している。
（上述したように、部分９２はスリーブ８２に適当な、
所定の回転位置で固定される。）従って、外歯７２が内
歯９３内に円滑に滑り込んで噛み合い、これによって案
内部材６７がハウジング（部分Ａの筒１００）に対して
回転するのを確実に阻止している間、つめ１１８がラチ
エット歯４２を有する領域から出て調節スリーブ１５の
領域４０´内に入る。これによって重なりが起こる。す
なわち、外歯７２が内歯９３に噛み合うまでは、つめ１
１８はラチエット歯４２から離れて滑動しない。

【００８２】一旦つめ１１８がラチエット歯４２から完
全に離れると、つめ１１８は、もはや、ねじりにより緊
張されたばね５３によっては調節スリーブ１５の回転を
阻止できず、このばね５３が調節スリーブ１５を予め設
定された角度だけ再び戻し側に逆回転させる。すなわ
ち、作動ノブ３８の反身体側端部を見て、このノブ３８
は、それが図７の位置に再び達すると、予め設定された
角度だけ（投薬量が設定されたとき）反時計方向に再び
回転して戻される。３つのラチエット歯４２が５４度を
占めている図１４の実施例では、調節スリーブ１５は、
従って５４度だけ回転して戻される。案内部材６７は、
この過程ではハウジング（筒１００）に対して回転不能
であるので、最初にねじ付きスピンドル１９を調節スリ
ーブ１５のめねじ１７から噛み合いをはずし、次に、設
定された投薬量の発射を行なわせるのは、調節スリーブ
１５のこの回転である。

【００８３】本実施例によれば、下記の利点が得られ
る。

【００８４】（ａ）注射過程の終了直前まで、タペット
８０（図３）はそれ以前の長さを維持し、且つ注射過程
の終了近くでのみタペット８０は長さが長くなる。容易
に理解されるように、このことにより注射器の長さを非
常に短くすることができる。

【００８５】（ｂ）設定された投薬量の発射が、針が患
者の肉体に刺されるまで起こらない。

【００８６】（ｃ）カートリッヂ１１内に幾らか空気が
あったとしても、注射される液体は失われない。カート
リッヂ１１内の空気は実際そこでばねのように作用し且
つ注射過程を遅らせない。患者は、注射過程が終了する
まで、単に針７４を刺された状態に維持しているだけで
よい。患者は、このことを注射器に関する訓練コースで
教えられるであろう。

【００８７】（ｄ）注射後、注射器１０はその零（０）
位置にある。すなわち、目盛４６（図６）上の値「０」
が、患者に何もさせることなく、再び自動的にカバーリ
ング１１６上に設けられたハウジングマーク４７に対向
する。

【００８８】（ｅ）その結果、注射が下記の簡単なステ
ップにより短縮される。

【００８９】準備する、投薬量を設定する、注射器を肉
体に当てる、及び実行する。

【００９０】この短縮されたステップにより、家畜の治
療に使用される場合には、時間を節約でき、人体の治療
に使用される場合には、患者は実際に誤りを全く犯すこ
とがないので、誤った使用が事実上回避される。患者が
せいぜい自分の注射投薬量を設定し忘れるぐらいのこと
で、その場合には何も注射されない。当然そうなること
は避けられない。その理由は、注射器自体は、そのとき
患者が必要とし且つしばしば患者が直前に自分で設定し
ていたであろう投薬量を推測することができないからで
ある。しかしながら、必要により注射器１０の実行が、
欧州特許0 349592 B1号で開示されているように、位置
「０」で阻止され得るようにしてもよく、これにより、
患者が注射を実行する前に注射投薬量を設定することを
患者に思い出させることになる。

【００９１】また、「０」投薬量位置で注射を実行する
ことを選択した場合は、ドイツ特許38 42 317 A1で示さ
れ且つ開示されたような特別の針が使用される場合に、
血を抜くために使用され得ると云う利点がある。この針
では、針用の殺菌したカバーが通常の場合と同様に使用
されるが、このカバーは血を抜くためにその身体側端部
に小さなひらき針を有している。「０」投薬量位置にお
いて、本発明による装置は、このひらき針を患者に痛み
なしに挿入するために使用され得る。このことは、
「０」投薬量設定位置で、装置は注射液を全く発射せ
ず、且つ針７４又はこの場合にはひらき針が、上述の欧
州特許0 349 592 B1号の場合のようにねじ付きスピンド
ル１９によってではなく、案内部材６７の部分７３によ
って駆動されるからである。このような針の「直接駆
動」は、以下で詳細に説明するように、実際上きわめて
有利であり且つ従って患者により十分な安全性を与え
る。その理由は、装置が「０」投薬量位置に設定されて
いるときはいつも、患者が注射液を注射する可能性を除
外するからである。

【００９２】部分Ｂ （図１５及び１６） 図１５は、部分Ｂの種々の部品を示しており、且つ図１
６は組立状態にある部分Ｂを縦断面で示している。

【００９３】部分Ａに対する連結のために、筒状部１３
５上におねじ１３が使用されている。この筒状部１３５
は例えばアルミニウムでできている。

【００９４】おねじ１３で始まる部分１３５は、先ず、
好ましくは筒１００と同じ直径を有する円筒形状部１３
６を有する。肩部１３７を介して、部分１３６が幾らか
直径の小さい円筒形状部１３８に変化し、さらに肩部１
３９を介してより小さい直径の部分１４０に変化する。
この部分１４０の身体側領域にはおねじ１４３が設けら
れている。

【００９５】部分１４０は、互いに向き合った２つの長
手の孔１４４、１４５を有している。この２つの孔は、
本実施例では、製造上の理由により互いに軸方向にオフ
セットされている。すなわち、長手の孔１４５は図１６
で明確に示されているように、長手の孔１４４よりも筒
状部の身体側端部により近い位置にある。

【００９６】部分１４０は、また、既に説明し且つカー
トリッヂ１１の残量を観察するために使用される２つの
直径方向に対向した観察窓２７を有している。（このこ
とは図１５で示されていない。）部分１４０の円筒形状
の内側凹部が符号１４１で指示されている（図１６）。

【００９７】カートリッヂホルダ１４８は、筒状部１３
５内に収容されるように形成されており且つ図１６で示
されているように、カートリッヂ１１を受容するのに役
立つ。このホルダ１４８は、典型的にはアルミニウムの
ような金属でできているが、頑強なプラスチック樹脂で
も作れる。

【００９８】筒状部１３５内で変位可能なカートリッヂ
ホルダ１４８は、その身体側端部にテーパが施されてお
り且つこの端部に半径方向内方に突出し且つ挿入された
カートリッヂ１１の身体側端部１５０が当接するフラン
ジ１４９が形成されている。カートリッヂホルダ１４８
の身体側端部には、おねじ１５２が設けられており、こ
のおねじには、その中に針７４が固定されたスリーブ１
５３が螺合し得る。通常の方法では、カートリッヂ１１
はその身体側端部に薄い弾性膜を有している。この膜に
は、針７４の反身体側端部が貫通している。針７４は、
当業者にとって周知であるように、注射後に簡単に交換
され得る。

【００９９】カートリッヂホルダ１４８は、また、略円
筒形状の外形部１５５を有し、この外形部１５５は外歯
１５２に反身体側で隣接し且つカートリッヂホルダ１４
８の反身体側端部で環状の肩部１５６まで延びている。
この環状の肩部１５６は、らせんばね１５７のための当
接部として役立つ。このばね１５７は、取付状態でカー
トリッヂホルダ１４８の周囲に配置され、且つその取付
状態で他端部が環状の肩部１３９の反身体側端部に当接
する。

【０１００】カートリッヂホルダ１４８の円筒形状の内
側凹部が符号１５８で指示されている。この内側凹部の
反身体側端部には、めねじ１６０が設けられており、こ
のめねじには、取付状態において、外側にローレットが
切られているねじ１６２のおねじ１６３が噛み合ってお
り、これによって図１６に示すようにカートリッヂ１１
を内側凹部１５８内にしっかりと保持している。ローレ
ット付きねじ１６２は、カートリッヂ１１の内側と略同
じ直径を有する中央開口部１６１を有している。この開
口部１６１を、ねじ付きスピンドル１９が、図１６で示
されているように、邪魔されずに挿通し得る。これに対
して、例えば図１９が示すように、ねじ１６２は、注射
の開始時に、ばね５３が案内部材６７の部分７３を身体
側方向へ動かすとき、この部分７３がねじ１６２の反身
体側端部に当接し且つこのねじ１６２を、図１９の矢印
１６４示されているように、ばね１５７の付勢力に抗し
て身体側へ変位させるように設計されており、これによ
って、実際にねじ付きスピンドル１９が作動状態になり
且つ予め設定された量の液体をカートリッヂ１１から発
射させる前に、針７４を患者の肉体に刺すようになる。

【０１０１】その結果、ばね１５７がカートリッヂホル
ダ１４８上に摺動し、該ホルダ１４８は筒状部１３５の
円筒形状の内側凹部１４１内に摺動する。

【０１０２】カートリッヂホルダ１４８は、その外側
に、半径方向外方に突出した２つの突部１６８、１６９
を有し、各突部は夫々弾性のある舌部１７０、１７１上
に配置されている。これらの突部１６８、１６９は、２
つの長手の孔１４４、１４５と同じ量だけ互いにオフセ
ットされており且つ組立時に両突部は内側に幾らか押さ
れ、組立後に各突部が夫々対応する長手の孔に嵌まり込
む。すなわち、突部１６８が長手の孔１４４に、突部１
６９が長手の孔１４５に夫々嵌まり込む。このように両
突部１６８、１６９が筒状部１３５内のカートリッヂホ
ルダ１４８の軸方向変位を両方向で制限する。

【０１０３】針７４が患者の肉体に刺さるとき、突部１
６８、１６９は関係する長手の孔１４４及び１４５の身
体側端部の位置まで変位され、その結果、これらの突部
は針７４が患者に刺さる深さを制限する。新しいカート
リッヂ１１が挿入されたとき、前記両突部はカートリッ
ヂホルダ１４８の反身体側方向への動き又は換言すると
筒状部１３５から外に出る方向への動きを制限する。そ
のとき、例えばカートリッヂ１１を取り外すため又は新
しいのを挿入するために、ねじ１６２のローレット付き
部を指で握持してねじを緩めるのを容易に行なうことが
できる。（カートリッヂホルダ１４８のこの位置が図１
６で示されていない。）カートリッヂホルダ１４８は長
手の形状を有する２つの観察孔１７５（図１６）及び１
７６（図１５）を有しており、この両孔は筒状部１３５
の観察開口部２７に面しており且つカートリッヂ１１の
残量を、最初に説明したようにねじ付きスピンドル１９
の位置に応じて絶えず監視できるようにしている。容易
に理解されるように、使用時にカートリッヂホルダ１４
８は部分１３５内に変位されるので、その観察孔１７
５、１７６は観察開口部２７よりも長くなっている必要
がある。

【０１０４】カートリッヂホルダ１４８を筒状部１３５
内に挿入した後、筒状部１７４は直ちに取付可能であ
る。この筒状部１７４には、互いに直径方向の反対側に
ある２つの観察孔１７７、１７７´（図１５）が同様に
設けられている。これらの観察孔１７７、１７７´は、
２つの小さな板１７９（図１５）を担持している透明な
プラスチック樹脂製のクリップ１７８によって内側から
塞がれている。これらの板１７９は、組立後に観察孔１
７７、１７７´に正確に嵌合し且つダストが入らないよ
うにこれらの観察孔を塞ぎ、その結果、外部の異物又は
ほこりが注射器１０内に侵入することができず、その機
能を妨げることができない。クリップ１７８が設けられ
ている筒状部１７４は、筒状部１３５の円筒形状部１３
８上にすべり嵌めされ且つ例えば接着によって円筒形状
部３８に固定される。この筒状部１７４は、筒１００と
同じ外形寸法を有している。

【０１０５】次に、肉体への刺し込み深さを設定するた
めの筒１８２が、その反身体側端部に設けられためねじ
１３５によって筒状部１３５のおねじ１４３に螺合され
る。筒１８２は、例えばアルミニウムでできている。め
ねじ１８３は、筒１８２の縮径部１８４上に配置されて
おり、且つこの部分１８４は組立時に筒状部の身体側端
部の下方でねじ止めされている。筒１８２を回転させる
ことによって、針７４の差し込み深さが使用者により変
更され得る。すなわち、もし筒１８２が身体側方向へね
じ込まれると、針７４のねじ込み深さがより浅くなる。

【０１０６】注射装置１０の作動 新しいカートリッヂ１１を装填するために、部分Ａ及び
部分Ｂがねじ結合部１３で互いに緩められねじ係合が解
かれる。ローレット付きねじ１６２が緩められてカート
リッヂホルダ１４８からはずされ、古いカートリッヂが
取り外され、且つ新しいカートリッヂが装填され、ロー
レット付きねじ１６２が再び締め付けられる。

【０１０７】部分Ａ及び部分Ｂは、最初は分離されたま
まであり、部分Ａはいま図１０で示された準備位置に置
かれている。この位置で、ねじ付きスピンドル１９は、
手動で回転されることにより、調節スリーブ１５内に螺
合されていき、又は換言すると図１０で示された状態よ
りも一層深く螺合される。次に、部分Ａが、スリップ１
０９を押圧することにより起動され、図７で示される位
置を執る。

【０１０８】この状態では、部分Ａ及び部分Ｂは（ねじ
１３によって）再びねじ結合され得、図１７で示す状態
になる。すなわち、注射器はその基本位置にある。

【０１０９】この位置において、案内部材６７の部分７
３がローレット付きねじ１６２を押圧しその結果ばね１
５７を多少押す。ここで使用者は試験注射を適当に行な
う。すなわち、使用者が注射器１０を図１８の準備位置
に押すと、その結果、ローレット付きねじ１６２がばね
１５７によって部分Ａの部分９２と接触するようにな
る。

【０１１０】注射器が準備された後、使用者は投薬量を
設定するために作動ノブ３８を回転させる。図１８で
は、このことが既に行なわれ且つ従って破線で示された
回転矢印１９０によって指示されている。投薬量設定の
この過程は、部分Ａの作動を説明する際に既に詳細に説
明した。

【０１１１】図１９において、注射器が次に起動され
る。これによって案内部材６７の部分７３を身体側へ動
かし且つローレット付きねじ１６２を押圧する。このこ
とが図１９で矢印１６７によって示されている。このこ
ともまた既に詳細に説明した。ばね５３よりも弱いばね
１５７がこの過程で圧縮され、そして、針７４がスリー
ブ１８２から突出し始める。この試験において、針７４
は、それが上方を向くように適当に保持され、その結
果、この過程で妨げになり得る空気泡がカートリッヂ１
１から確実に取り除かれる。

【０１１２】ばね５３と１５７との力の比が、この過程
を最良に実行する上で重要であることがわかった。特
に、ばね１５７は、弱すぎてはいけない。実際には、ば
ね５３もトルクを発生する機能を有しているので、この
ばね５３は主としてその目的で設計されなければなら
ず、従って軸方向の力を発生できる能力に関しては十分
強い。ばね１５７は、従って針７４の刺し込みがあまり
に速く進んで血腫を引き起こし且つ特に年配の患者にと
って注射器１０を準備するのが難しくなるのを防止する
ように、ばね５３に対抗して作用しなければならない。
この意味で、準備過程において互いに対抗して作用する
２つのばねの力の差が重要な役割を演じる。

【０１１３】実際例においては、緊張状態にある、換言
すれば図１０で示されるような長さを有するばね５３
は、１８ニュートン（Ｎ）の力を有し、また緊張状態に
ある、換言すれば図１７で示されるような長さを有する
ばね１５７は６ニュートン（Ｎ）の力を有している。す
なわち、両力の比は、圧縮状態において３：１である。
具体的な値は個々のケースにおいて経験のみにより設定
され得る。その理由は、両ばねは、その外側及び内側の
両方で、注射器の部品をこすり且つこれらの摩擦因子は
特定され得ないので経験的に、すなわち試行錯誤により
確かめられなけらばならないからである。６Ｎ及び１８
Ｎの値は、大きさの程度を示唆するものとして理解され
るべきであり、摩擦力なしに、適当な長さまで測定装置
内で圧縮され且つそこで測定されたばねに当てはまる値
である。これらのばねが注射器に装着された後は、その
測定値は、摩擦力があるためにより小さくなる。本発明
の範囲内において、ばね５３の２つの機能、すなわち針
の刺し込みのための軸方向の力を発生すること及び注射
されるべき量の液体を発射させる過程のためのトルクを
発生することが、２つの異なるばねが夫々１つの機能を
持つように該２つの異なるばねに分配され得るというこ
とを当然除外して考えてはならない。

【０１１４】もし、試験注射において針７４が図１９で
示されるようにその注射位置にあれば、針が患者の肉体
内に正常に導入され、次いでカートリッジ１１から液体
（及びおそらく空気）を発射させる実際の過程が図２０
で示されているように起こる。この過程も部分Ａの作動
の説明において既に詳細に説明している。作動ノブ３８
は、調節スリーブ１５と共に図２０の矢印１９１、１９
２の方向に回転し、一方、案内部材６７の外歯７２は部
分９２で回転を阻止されている。その結果、ねじ付きス
ピンドル１９は、矢印１９３の方向へ身体側に動き且つ
カートリッジ１１内でプランジャ２３を身体側に変位さ
せ、このスピンドル１９は注射器１０のハウジング内で
それ以上身体側に変位できない。その理由は、カートリ
ッジホルダ１４８の突部１６８、１９が長手の孔１４
４、１４５の身体側端部と既に接触しているからであ
る。その結果、予め設定された投薬量に応じた量の注射
液体が針７４から発射される。使用者は、これを見て且
つ注射器１０がいま使用可能であり且つ空気がそこから
取り除かれたことを知る。

【０１１５】使用者は、図１７〜２０で示されているよ
うに、再び同じことを行なうことができ、その際に必要
な投薬量を自身に注射することができる。

【０１１６】非常に多数の変形が、本発明の範囲内で本
質的に可能である。

【０１１７】例えば、ハウジング部は、アルミニウムの
代わりにある適当なプラスチック樹脂で作ることもで
き、逆に注射器１０の内部で強いひずみを受ける部品を
金属で作ることもできる。多くの場合、例えば、肩部４
８に対してよりも部分７５に対して直径をより小さく選
択することが実際的であり、その結果、部分７５が投薬
量を設定する過程においてどこかで擦るという危険がな
いであろう。本発明による注射器は、全体として見る
と、例えば使用者は１００ＩＵのインシュリンを含む１
つのカートリッジ１１から、新しいカートリッジが装填
されるまでに２０回以上の注射を与えることができ且つ
注射の過程が非常に単純で且つ簡単であるという非常に
多くの利点を特にいわゆる集中的なインシュリン治療に
対してもたらす。言うまでもなく、本発明の注射器はイ
ンシュリンに対してだけでなく、注射すべき他の液体、
例えば貧血症の治療で使用されるビタミンＢ１２に対し
ても適用可能である。

【０１１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、使
用が容易で、使用者がその使用に際し訓練を受ける必要
のない改良された注射器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る注射器の内部部品を示
す斜視図で、組立前の状態を示す図である。

【図２】図１の部品が組立られた状態を示すの斜視図で
ある。

【図３】図２に、注射器のさらに別の部品を付けた組立
前の状態を示す斜視図である。

【図４】図３に示す部品が組立られた状態を示す斜視図
である。

【図５】図４の縦断面図である。

【図６】図４に、注射器のさらに別の部品を付けた組立
前の状態を示す斜視図である。

【図７】図６の組立状態を示す縦断面図で、部品が図１
７と同様に非準備位置にある状態を示す図である。

【図８】図７のVIII-VIII 線に沿った断面図である。

【図９】図７のIX-IX 線に沿った断面図である。

【図１０】図７と同様の縦断面図で、図１８と同様に部
品が準備位置にある状態を示す図である。

【図１１】図１０のXI-XI線に沿った断面図である。

【図１２】図１０のXII-XII線に沿った断面図である。

【図１３】図１０のXIII-XIII線に沿った断面図であ
る。

【図１４】図１０のXIV-XIV線に沿った断面図である。

【図１５】注射されるべき液体を保持するカートリッジ
を収容するのに役立つ注射器の一部を示す斜視図であ
る。

【図１６】図１５に示す部品が組み立てられた状態を示
す斜視図である。

【図１７】本発明の一実施例に係る注射器を示す縦断面
図で、基本位置にある状態を示す図である。

【図１８】図１７に示す注射器が準備位置にある状態を
示す縦断面図である。

【図１９】図１７に示す注射器の針が突出した状態を示
す縦断面図である。

【図２０】図１７に示す注射器が、注射液を発射してい
る状態を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 注射器 １１ カートリッジ １２ 注射液 １５ 調節部材 １７ ねじ １９ ねじ付きスピンドル ２３ プランジャ ５３ ばね ６７ 案内部材 ８０ タペット

Claims (27)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数回の注射を行うのに通常は十分な量
   の注射液（１２）を収容したカートリッヂ（１１）を保
   持する注射器であって、前記カートリッヂ（１１）がリ
   セットばね（１５７）の力に抗して前記注射器（１０）
   内を身体側方向に変位可能である注射器において、 ばね（５３）によって身体側方向に作用力を与えられる
   長さが調節可能なタペット（図３：８０）であって、注
   射器（１０）内を身体側端部位置（図７）および反身体
   側位置（図１０）間で変位可能であり、且つ、調節部材
   （１５）のねじ（１７）で案内されて前記カートリッヂ
   （１１）内に設けられたプランジャ（２３）に作用する
   ねじ付スピンドル（１９）と、該ねじ付スピンドル（１
   ９）と組み合されると共に該スピンドルに対して相対回
   転不能に固定され且つ軸方向に変位可能に該スピンドル
   に連結された案内部材（６７）とを有する前記タペット
   （８０）を備え、 前記案内部材（６７）は、前記注射器（１０）のハウジ
   ング（１００）に対して、前記タペット（８０）が前記
   反身体側端部位置（図１０）にあるときは回転可能であ
   る一方、前記タペット（８０）が前記身体側端部位置
   （図７）にあるときは回転不能であることを特徴とする
   注射器。
2. 【請求項２】 ばね（５３）が前記ハウジング（１０
   ０）と前記調節部材（１５）との間に設けられ、該ばね
   の付勢力は前記調節部材（１５）の回転により変化可能
   であり、 且つ前記タペット（８０）の前記反身体側端部位置にお
   いて阻止装置（４２，１１８）が設けられ該阻止装置
   （４２，１１８）は前記調節部材（１５）の前記回転を
   所定の方向においてのみ可能にし反対方向においては該
   回転を阻止することを特徴とする請求項１記載の注射
   器。
3. 【請求項３】 前記阻止装置（４２，１１８）は前記タ
   ペット（８０）が前記身体側端部位置にあるときは作動
   しないことを特徴とする請求項２記載の注射器。
4. 【請求項４】 前記調節部材（１５）は、前記タペット
   （８０）が前記反身体側端部位置（図１０）にあると
   き、所定の回転位置（ストッパ４４）で開始される回転
   によって調節可能であり、前記身体側端部位置（図７）
   における前記調節部材（１５）の回転は、前記反身体側
   端部位置における方向とは逆方向に行われると共に、前
   記所定の回転位置（ストッパ４４）に達したとき制限さ
   れることを特徴とする請求項２記載の注射器。
5. 【請求項５】 前記阻止装置は、前記ハウジング（１０
   ０）上に配されるかまたは前記調節部材（１５）に接続
   されたつめ（１１８）と、前記調節部材（１５）に接続
   されるかまたは前記ハウジング（１００）上に配された
   ラチェット歯（４２）とを備え、前記つめ（１１８）は
   前記タペットの前記反身体側端部位置で前記ラチェット
   歯（４２）と係合することを特徴とする請求項２記載の
   注射器。
6. 【請求項６】 前記案内部材（６７）は前記調節部材
   （１５）に回転可能に且つ軸方向に変位不能に連結され
   ていることを特徴とする請求項１記載の注射器。
7. 【請求項７】 少なくとも１つの弾性変形可能な要素
   （６３，６４）が前記案内部材（６７）と前記調節部材
   （１５）との間に設けられ、該要素（６３，６４）は前
   記案内部材（６７）および前記調節部材（１５）間を付
   勢して配され且つこれら２つの部材（１５，６７）の少
   なくとも一方に連結されていることを特徴とする請求項
   ６記載の注射器。
8. 【請求項８】 前記案内部材（６７）には少なくとも１
   つの係合要素（７２）が設けられ、該係合要素（７２）
   は前記タペット（図３：８０）が前記身体側端部位置
   （図７）にあるときはこれと略相補的な前記注射器（１
   ０）の少なくとも１つの係合要素（９３）と係合し且つ
   前記ハウジングに構造的に接続されていることを特徴と
   する請求項６記載の注射器。
9. 【請求項９】 前記案内部材（６７）の前記係合要素は
   第１の組の縦歯（７２）と、前記第１の組と組み合わさ
   れる前記ハウジングに構造的に接続された対応する第２
   の組の縦歯（９３）とから成り、前記第２の組の縦歯
   （９３）は少なくとも前記タペット（図３：８０）の前
   記身体側端部位置（図１）において前記第１の組（７
   ２）と係合することを特徴とする請求項８記載の注射
   器。
10. 【請求項１０】 前記阻止装置は、前記ハウジング（１
    ００）上に配されるかまたは前記調節部材（１５）に接
    続されたつめ（１１８）と、前記調節部材（１５）に接
    続されるかまたは前記ハウジング（１００）上に配され
    たラチェット歯（４２）とから成り、前記つめ（１１
    ８）は前記タペットの前記反身体側端部位置において前
    記ラチェット歯（４２）と係合し、前記ラチェット歯
    （４２）と前記縦歯（７２）は互いに適合可能な歯ピッ
    チ（図１１および図１４：角度α）を有することを特徴
    とする請求項９記載の注射器。
11. 【請求項１１】 前記ラチェット歯（４２）の歯ピッチ
    と前記縦歯（７２）の歯ピッチはより大きい方の値がよ
    り小さい方の値で割り切れるような値を有することを特
    徴とする請求項１０記載の注射器。
12. 【請求項１２】 前記第１の組の縦歯（７２）の歯は、
    前記タペット（図３：８０）がその反身体側端部位置
    （図１０）からその身体側端部位置（図７）への移動時
    に前記タペット（８０）および前記案内部材（６７）の
    略回転自由な直線運動が可能となるように前記ラチェッ
    ト歯（４２）に組み合わされた前記つめ（１１８）に相
    対的に配されていることを特徴とする請求項１０記載の
    注射器。
13. 【請求項１３】 前記ねじ付スピンドル（１９）はプラ
    スチック樹脂から形成されると共に、前記案内部材（６
    ７）の案内要素（６９）と係合可能な互いに対称的に配
    された複数の縦溝（２９，３０）を有することを特徴と
    する請求項１記載の注射器。
14. 【請求項１４】 前記ねじ付スピンドル（１９）は、２
    つの視認可能な領域（２４，２５）に縦方向に分割され
    ていることを特徴とする請求項１記載の注射器。
15. 【請求項１５】 前記ねじ付スピンドル（１９）の一方
    の領域（２５）は着色されていることを特徴とする請求
    項１４記載の注射器。
16. 【請求項１６】 前記案内部材（６７）は、前記カート
    リッヂ（１１）および／またはそれを受容するカートリ
    ッヂホルダ（１４８，１６２）と直接接触することによ
    り注射過程の間該カートリッヂ（１１）または該カート
    リッヂホルダ（１４８，１６２）を身体側方向（図１
    ９：矢印１６４）に変位させるようにされていることを
    特徴とする請求項１記載の注射器。
17. 【請求項１７】 前記阻止装置（４２，１１８）は、前
    記タペット（図３：８０）のその反身体側端部位置（図
    １０）からその身体側端部位置（図７）への移動時に、
    前記調節部材（１５）の前記反対方向への回転を、少な
    くとも前記案内部材（６７）が前記ハウジング（１０
    ０）に対して自由回転可能な間、阻止するようにされて
    いることを特徴とする請求項２記載の注射器。
18. 【請求項１８】 前記調節部材（１５）は前記ハウジン
    グ（１００）の外側に位置された作動装置（３８）に連
    結され、該作動装置（３８）は、前記タペット（図３：
    ８０）のその身体側端部位置（図７）からその反身体側
    端部位置（図１０）への調節を可能にすると同時に、前
    記タペット（８０）と組み合わされた前記ばね（５３）
    を緊張させると共に、且つ前記作動装置（３８）は、前
    記反身体側端部位置（図１０）において、所望の注射量
    をあらかじめ選択する（図６：４６）ための前記作動装
    置（３８）の回転をも可能にすることを特徴とする請求
    項１記載の注射器。
19. 【請求項１９】 解除可能な係止装置（５９，１０４）
    が前記タペット（図３：８０）と組み合わされて該タペ
    ットを前記反身体側端部位置（図１０）の所定位置に係
    止するようにされていることを特徴とする請求項１８記
    載の注射器。
20. 【請求項２０】 複数回の注射を行うのに通常は十分な
    量の注射液（１２）を収容したカートリッヂ（１１）を
    保持する注射器であって、前記カートリッヂ（１１）が
    リセットばね（１５７）の力に抗して前記注射器（１
    ０）内を身体側方向に変位可能である注射器において、 ばね（５３）によって身体側方向に作用力を与えられる
    長さが調節可能なタペット（図３：８０）であって、注
    射器（１０）内を身体側端部位置（図７）および反身体
    側位置（図１０）間で変位可能であり、且つ、調節部材
    （１５）のねじ（１７）で案内されて前記カートリッヂ
    （１１）内に設けられたプランジャ（２３）に作用する
    ねじ付スピンドル（１９）と、該ねじ付スピンドル（１
    ９）と組み合されると共に該スピンドルに対して相対回
    転不能に固定され且つ軸方向に変位可能に該スピンドル
    に連結された案内部材（６７）とを有する前記タペット
    （８０）を備え、 前記案内部材（６７）は、注射過程で生じる前記カート
    リッヂ（１１）の身体側方向への変位の間前記カートリ
    ッヂ（１１）、またはこれを受容するカートリッヂホル
    ダ（１４８，１５２）に直接的に作用力を及ぼし（図１
    ９：矢印１６４）且つそれを変位させるようにされてい
    ることを特徴とする注射器。
21. 【請求項２１】 前記案内部材（６７）は、前記調節部
    材（１５）上に該部材に対して相対回転可能に且つ軸方
    向には変位不能に配置されていることを特徴とする請求
    項２０記載の注射器。
22. 【請求項２２】 複数回の注射を行うのに通常は十分な
    量の注射液（１２）を収容したカートリッヂ（１１）を
    保持する注射器であって、前記カートリッヂ（１１）が
    リセットばね（１５７）の力に抗して前記注射器（１
    ０）内を身体側方向に変位可能である注射器において、 ばね（５３）によって身体側方向に作用力を与えられる
    長さが調節可能なタペット（図３：８０）であって、注
    射器（１０）内を身体側端部位置（図７）および反身体
    側位置（図１０）間で変位可能であり、且つ、調節部材
    （１５）のねじ（１７）で案内されて前記カートリッヂ
    （１１）内に設けられたプランジャ（２３）に作用する
    ねじ付スピンドル（１９）と、該ねじ付スピンドル（１
    ９）と組み合されると共に該スピンドルに対して相対回
    転不能に固定され且つ軸方向に変位可能に該スピンドル
    に連結された案内部材（６７）とを有する前記タペット
    （８０）を備え、 前記案内部材（６７）は、注射過程で生じる前記カート
    リッヂ（１１）の身体側方向への変位の間前記カートリ
    ッヂ（１１）、またはこれを受容するカートリッヂホル
    ダ（１４８，１５２）に直接的に作用力を及ぼし（図１
    ９：矢印１６４）且つそれを変位させるようにされてお
    り、 前記案内部材（６７）は、前記注射器（１０）のハウジ
    ングに対して、前記タペット（８０）が反身体側端部位
    置（図１０）にあるときは相対回転可能である一方、前
    記タペット（８０）が身体側端部位置（図７）にあると
    きは相対回転不能であることを特徴とする注射器。
23. 【請求項２３】 ばね（５３）が前記ハウジング（１０
    ０）と前記調節部材（１５）との間に設けられ、該ばね
    （５３）の付勢力は前記調節部材（１５）の回転により
    変化するようにされ、更に阻止装置（４２，１１８）が
    前記タペットの前記反身体側端部位置（図１０）に設け
    られ、該装置は、前記調節部材（１５）の前記回転を所
    定の方向においてのみ可能としその反対方向においては
    阻止することを特徴とする請求項２２記載の注射器。
24. 【請求項２４】 前記阻止装置（４２，１１８）は前記
    タペット（８０）の前記身体側端部位置（図１０）では
    非作動にされることを特徴とする請求項２３の注射器。
25. 【請求項２５】 複数回の注射を行うのに通常は十分な
    量の注射液（１２）を収容したカートリッヂ（１１）を
    保持する注射器であって、前記カートリッヂ（１１）が
    リセットばね（１５７）の力に抗して前記注射器（１
    ０）内を身体側方向に変位可能である注射器において、 ばね（５３）によって身体側方向に作用力を与えられる
    長さが調節可能なタペット（図３：８０）であって、注
    射器（１０）内を身体側端部位置（図７）および反身体
    側位置（図１０）間で変位可能であり、且つ、調節部材
    （１５）のねじ（１７）で案内されて前記カートリッヂ
    （１１）内に設けられたプランジャ（２３）に作用する
    ねじ付スピンドル（１９）と、該ねじ付スピンドル（１
    ９）と組み合されると共に該スピンドルに対して相対回
    転不能に固定され且つ軸方向に変位可能に該スピンドル
    に連結された案内部材（６７）とを有する前記タペット
    （８０）と、 注射量を前記タペット（８０）の反身体
    側端部位置（図１０）において設定する設定部材（３
    ８）と、 前記設定された注射量を読み取るための目盛（図６：４
    ６）と、 前記タペット（８０）の身体側端部位置（図１７）にお
    いて、前記予め設定された注射量を自動的に発射し、且
    つ前記設定部材（３８）を前記目盛（４６）に関して零
    にリセットする手段（４０′，４４，５３，１１８）と
    を備えることを特徴とする注射器。
26. 【請求項２６】 前記手段（４０′，４４，５３，１１
    ８）は前記タペット（図３：８０）の軸方向位置により
    制御されることを特徴とする請求項２５記載の注射器。
27. 【請求項２７】 前記設定部材（３８）の前記目盛（図
    ６：４６）に関する零設定の運動過程は前記予め設定さ
    れた注射量の発射時に生じるそれと同一であることを特
    徴とする請求項２５記載の注射器。