JPH0686221U - 電線の防水構造 - Google Patents
電線の防水構造Info
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- JPH0686221U JPH0686221U JP027086U JP2708693U JPH0686221U JP H0686221 U JPH0686221 U JP H0686221U JP 027086 U JP027086 U JP 027086U JP 2708693 U JP2708693 U JP 2708693U JP H0686221 U JPH0686221 U JP H0686221U
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- H01B7/285—Preventing penetration of fluid, e.g. water or humidity, into conductor or cable by completely or partially filling interstices in the cable
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 直接水がかかる端子から電線に伝わる浸水を
防止する。 【構成】 車体等に直接固定される端子および非防水コ
ネクに装着される端子等からなる非防水端子11に接続
される電線12において、上記端子との接続位置から最
初の分岐位置P−1までの間の一部で、絶縁被覆14を
除いて素線13を露出させ、該素線間に防水材16を埋
め込み、その外周部に絶縁防水被覆材18を巻き付けて
いる。
防止する。 【構成】 車体等に直接固定される端子および非防水コ
ネクに装着される端子等からなる非防水端子11に接続
される電線12において、上記端子との接続位置から最
初の分岐位置P−1までの間の一部で、絶縁被覆14を
除いて素線13を露出させ、該素線間に防水材16を埋
め込み、その外周部に絶縁防水被覆材18を巻き付けて
いる。
Description
【0001】
本考案は自動車用ワイヤハーネスにおける電線の防水構造に関し、詳しくは、 直接に水滴が当たるに位置に取り付けられる端子あるいは非防水コネクタに装着 される端子に接続される電線の防水を簡単に図るものである。
【0002】
車両において、例えば、図5に示すように、エンジンルーム側に配線するワイ ヤハーネスWには直接に水がかかりやすく、特に、ワイヤハーネスWの電線に接 続した端子(LA端子)Tが車体パネル等に直接ボルト止めされる場合、あるいは 、非防水コネクタCに端子が装着される場合、これら非防水端子の部分より接続 した電線の素線間に毛細管現象により水が侵入しやすい。 このように、電線に侵入した水は図5中に矢印で示すように室内側に伝わり、 室内側に設置したコネクタ(図示せず)まで進み、コネクタに収容した端子に腐食 を生じさせる問題があった。
【0003】 従来、上記したような水が電線を伝わって侵入することを防止するため、図6 に示すように、非防水端子Tと接続した本線W1から支線W2,W3が分岐する 位置P−1,P−2に図7に示すような防水処理を施こすことが提案されている 。 上記防水処理は分岐部において本線1および支線2,3の被覆の一部を剥離し 、該剥離部分およびその前後を二つ折りの防水フィルム4で包み、該防水フィル ムに貼着しているシール剤5の内部に上記本線1および支線2,3を埋め込み、 ついで、別の防水フィルム6を巻き付けた構成としている。
【0004】 あるいは、図8に示すような、電線Wの端子Tとの圧着部に、シール剤5'を 塗布したブチルシート等の防水シート7を巻き付けた構成としたもの、さらには 、図10に示すようにワイヤハーネスWをプロテクタ8で囲って矢印方向から水 がかかるのを防止するものも提案されている。
【0005】 さらに、非防水コネクタに端子を装着する場合には、非防水コネクタをゴムブ ーツ等で覆うか、あるいは、コネクタの端子収容部にグリス等を封入して簡易防 水処理をはかると、端子から水が電線に侵入することを防止できる。
【0006】
しかしながら、まず、非防水コネクタをゴムブーツで覆う場合、コストアップ になると共に、相手側コネクタとの嵌合がやりづらくなる。また、コネクタの端 子収容部にグリスを封入する方法では、経年劣化によりグリスが雨水や路面から のスプラッシュにより洗い流がされてしまう問題がある。
【0007】 また、上記図6および図7に示すような、端子と接続する本線から支線が分岐 する部分を防水処理する方法では、分岐する部分の全部に防水処理を施す必要が あり、作業手数がかかることとなる。かつ、該防水処理で用いるシリコン、ブチ ルゴム等の防水材が高価であるため、防水処理を要する部分が増加するという点 からもコスト高になる。 さらにまた、防水材は電線間に充填されるのみで、端子Tより電線の素線間に 水が毛細管現象で侵入した場合に、該水の侵入を防止することが出来ない。 さらに、上記防水処理を施すと、当該部分が膨らみ、コルゲートチューブへ挿 入できない場合や、クリップを周方向に巻いて取り付けることが出来ない、プロ テクタに入らない等の問題が生じる。
【0008】 また、図10に示すように、ワイヤハーネスWをプロテクタ8で覆っても、端 子Tに水がかかると、上記したように、端子Tから水を吸い上げて、毛細管現象 により電線の素線間を通る水の侵入を防止できない。
【0009】 よって、図11に示すように、端子Tの取付部9もプロテクタ8'で囲み、端 子Tをプロテクタ8'の内部で且つ垂直壁面に設けると、端子Tに直接に水滴が かからないようにすることが出来る。しかしながら、その場合には、プロテクタ 8'が大形化してコストアップとなると共に、端子の取付作業性からは電線が長 い程良いが、その場合には電線に余剰分が生じて垂れる問題があり、一方、電線 を短くすると作業性が悪くなる問題がある。また、端子の取付部をプロテクタで 覆うと端子の取付忘れが発生しやすいと共に、端子の締付が途中までしか行われ ない場合も生じやすい。
【0010】 また、前記図8に示すように、端子Tとの圧着部に防水シート7を取り付ける 方法では、該防水シート取付部分が膨らみ、よって、端子のボルト穴にボルトB を通してナットNを締め付ける時に、接触面積が確保できない問題がある。
【0011】 本考案は上記した問題に鑑みてなされたもので、非防水端子に接続した本線か ら支線への水の伝わりを防止出来るようにすると共に、従来の方法で発生してい た問題を解消することを目的としている。
【0012】
上記目的を達成するため、本考案は、車体等に直接固定される端子および非防 水コネクタに装着される端子等からなる水を吸い込みやすい非防水端子に接続さ れる電線において、 上記端子との先端接続位置から最初の分岐位置までの間の一部で、絶縁被覆を 除いて素線を露出させ、該素線間に防水材を埋め込み、その外周部に絶縁防水被 覆材を巻き付けていることを特徴とする電線の防水構造を提供するものである。
【0013】 上記電線の絶縁被覆を除く方法は、皮剥により行ってもよいし、あるいは皮寄 せで行なってもよく、素線を長さ方向で所要距離露出させれば良い。 また、露出させた素線間への防水材の埋め込みは、液状ゴムのシリコンあるい は有機溶剤に溶かしてゴム糊状としたアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR) 等からなるゴム系統材料、光硬化樹脂、熱硬化樹脂を素線へ注入し、その後、硬 化させる方法が好適に用いられる。あるいは、半田処理により素線間へ半田を浸 透させても良い。また、超音波熱溶着で素線表面を溶融して素線間の隙間に溶融 部を浸透させて隙間を埋め込んでもよい。
【0014】 上記素線間の隙間に防水材を埋め込んだ状態で被覆する絶縁防水被覆材として は、ブチルシート等が好適に用いられる。
【0015】
上記のように、直接に水が当たりやすい非防水端子に接続され、該端子に付着 した水が素線間に毛細管現象で浸透する電線において、非防水端子との先端接続 位置から最初の分岐位置までの間の適宜な位置で、電線の被覆を除いて素線を露 出させ、素線間の隙間を防水材で充填して、毛細管現象による水の浸透を遮断し ている。よって、非防水端子側から電線に浸透する水は、最初の分岐位置に達す るまでの上記防水材を充填した部分で遮断される。 このように、最初の分岐位置に達するまでに、既に水の浸透が遮断されている ため、全ての分岐位置において防水処理を施す必要が全くなく、1箇所の防水処 理だけでよくなる。
【0016】 また、端子の取付位置とは離れた位置に上記防水処理を施すと、端子の電気接 触部を被電気接触部と密着させることができ、接触面積を確保することが出来る 。
【0017】 さらに、防水処理部分は、1本の電線の絶縁被覆を除いた状態で防水材を充填 してブチルシート等の絶縁防水材で被覆しているだけであるため、 元の電線の外 径と略同程度あるいは少し大きい程度にすることが出来る。 よって、 コルゲートチュープやプロテクタの内部に挿通させることが出来ると 共にクランプ材を取り付けることも出来る。
【0018】
以下、本考案を図面に示す実施例により詳細に説明する。 図1において、端子11は直接に水が当たる位置で車体パネル(図示せず)にボ ルト(図示せず)で直接固定される非防水端子であり、該端子11の芯線バレル1 1aに電線12の先端に露出させた素線13が圧着されていると共に絶縁バレル 11bに絶縁被覆14が圧着されている。 尚、電線12は最初の分岐位置P−1より下流側に順次分岐位置P−2,・・・が あり、これら分岐位置より分岐した支線12'の先端に圧着した端子(図示せず) は防水コネクタ15に装着される。 即ち、端子11は車両において、エンジンルーム側に位置し、防水コネクタは 室内側に位置する。
【0019】 上記電線12の端子接続側先端と最初の分岐位置P−1の間の適宜の位置Zに おいて、図2から図4に示す如く防水処理を施している。 即ち、図2(a)に示す素線13を絶縁被覆14で被覆している電線12を、( b)に示すように、上記位置Zにおいて、絶縁被覆14を所要長さ皮剥して、皮 剥部20を設け、素線13を露出させている。 ついで、(c)に示すように、露出させた素線13の部分に防水材となる液状ゴ ムのシリコン16を吐出機17より供給し、(d)に示すように、素線13の間の 隙間および素線群の外周にシリコン16を充填させる。 尚、本実施例にいては、上記シリコン16として空中水分で数分で半固化状を 呈する東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSE9176を用いている 。尚、上記液状ゴムのシリコン16に代えて有機溶剤に溶かしてゴム糊状にした アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を用いても良い。 上記のように素線13にシリコン16を供給したのち、(e)に示すように、絶 縁防水被覆材となるブチルシート18をシリコン16を封入するように被せ、該 ブチルシート18の両端部を、両側の絶縁被覆14の外周面に接着する。
【0020】 上記防水処理部分Zは、図3に示す構造となり、素線13の間の隙間にはシリ コン16が漏れなく充填されると共に素線群の外周もシリコン16で囲まれる。 さらに、シリコノ16の外周にはブチルシート18が密着しており、よって、こ の防水処理部分では毛細管現象によっても水が浸透する隙間は存在しない。
【0021】 よって、たとえ、端子11に圧着した素線13の隙間から水が毛細管現象によ り浸透してきても、上記防水処理部分Zに達すると、水の浸透は遮断され、最初 の分岐位置P−1側への水の浸透はない。よって、当然のことながら、第2、第 3・・・の分岐位置においても防水処理を施さなくても分岐位置から分岐する支線 への水の浸透を防止出来る。
【0022】 図4は上記防水処理工程の具体例を示し、シート供給部21から連続したブチ ルシート18'を供給して所要サイズにカットし、このカットしたブチルシート 18をテーピングロール22の上側に供給する。 上記テーピングロール22には上面開講のスリット22aが設けられており、 該スリット22a上のブチルシート18に対して、シリコン吐出機17よりシリ コン16を吐出する。
【0023】 ついで、予め上記Z部分の絶縁被覆を皮剥ぎした電線12を、その皮剥ぎ部分 において露出させた素線13が上記スリット22a上に吐出されたシリコン16 に埋設するように載置し、さらに、押圧して、ブチルシート18と共にスリット 22aに押し込む。この状態でテーピングロール22を回転してブチルシート1 8を前記図2および図3に示すように巻き付ける。 尚、ブチルシート18は図中上面側には粘着材が塗布されており、よって、テ ーピングロール22の回転により半固化状態のシリコン16の外周面に隙間なく 接着し、かつ二重巻き状態で接着すると共に、電線12の両側の絶縁被覆14の 外周面に対しても隙間なく接着する。
【0024】 上記実施例においては、防水材としてシリコンを用いているが、シリコンに代 えて光硬化樹脂、熱硬化樹脂を用いることも出来る。
【0025】 さらに、半田を用いて、皮剥ぎ部で露出させた素線の間に半田を浸透させても よいと共に、素線自体を熱溶着あるいは超音波容着して、溶融部を隙間に充填さ せても良い。
【0026】
以上の説明より明らかなように、本考案によれば、直接的に水がかかる非防水 端子に接続する電線を、該非防水端子との先端接続部と最初の分岐位置との間の 適宜な位置で、素線間に防水材を充填して防水処理を施しているため、端子との 接続部側より素線間の隙間を伝って毛細管現象で浸透してくる水を最初の分岐位 置に達するまでに遮断することが出来る。 よって、当然のことながら、各分岐位置でそれぞれ防水処理を施す必要がなく 、防水処理箇所は1箇所だけでよくなる。
【0027】 また、該防水処理は1本の電線に対して、その絶縁被覆を皮剥ぎして素線間に 防水材を充填した後、絶縁防水被覆材を被せるだけの極めて簡単な構造であるた め、安価に実施することが出来ると共に、皮剥ぎしていない電線の外径より余り 膨らまない。よって、コルゲートチューブやプロテクタの内部に容易に挿通させ ることが出来ると共に、クリップの取り付けも可能となる等の利点を有するもの である。
【図1】 本考案の防水構造とする部分を示す概略図で
ある。
ある。
【図2】 上記防水構造とする工程を示す概略図であ
る。
る。
【図3】 防水構造とした部分の断面図である。
【図4】 上記防水構造とする工程の具体例を示す斜視
図である。
図である。
【図5】 車両用ワイヤハーネスにおいて、本考案が問
題としている部分を示す概略図である。
題としている部分を示す概略図である。
【図6】 従来の防水処理方法を示す概略図である。
【図7】 従来の防水処理部の断面図である。
【図8】 従来の他の防水処理方法を示す平面図であ
る。
る。
【図9】 図8に示す防水処理方法を用いた場合の問題
点を示す概略図である。
点を示す概略図である。
【図10】 従来の他の防水処理方法を示す概略図であ
る。
る。
【図11】 図10の方法を用いた場合の問題点を示す
概略図である。
概略図である。
11 端子 12 電線 13 素線 14 絶縁被覆 16 シリコンからなる防水材 18 ブチルシートからなる絶縁防水被覆材 20 皮剥ぎ部 P−1 最初の分岐位置
Claims (1)
- 【請求項1】 車体等に直接固定される端子および非防
水コネクタに装着される端子等からなる非防水端子に接
続される電線であって、 上記端子との接続位置から最初の分岐位置までの間の一
部で、絶縁被覆を除いて素線を露出させ、該素線間に防
水材を埋め込み、その外周部に絶縁防水被覆材を巻き付
けていることを特徴とする電線の防水構造。
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JP1993027086U Expired - Lifetime JP2584507Y2 (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 電線の防水構造 |
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