JP5402065B2 - シールド線の端末止水方法および端末止水部を備えたシールド線 - Google Patents

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本発明は、シールド線の端末止水方法および端末止水部を備えたシールド線に関し、特に、車両のエンジンルーム等の防水領域に配線するシールド線において、該シールド線の端末からシールド線のシースとドレン線およびコア線との隙間に浸水が生じるのを防止するものである。
自動車に配索される電線のうち、特にノイズに対する遮蔽が要求される配線領域にシールド電線が用いられている。このシールド電線1としては、例えば、図5(A)に示すように、複数本の信号線となる絶縁被覆電線からなるコア線2とアース用のドレン線3とを金属箔や金属メッシュチューブ等からなるシールド層4で被覆し、該シールド層4を絶縁樹脂材料からなるシース5で順次被覆してなるものが用いられる(特開2002−208321号公報参照)。
前記ドレン線3は多数本の導電性の素線からなり、絶縁被覆がされておらず、前記シールド層4と接触させている。
このように、シールド電線1の端末に端子を取り付けてコネクタハウジングを接続するために、図5(B)に示すように、シールド電線1の端末で、シース5とシールド層4を約80〜200mmにわたって皮剥ぎ処理し、露出したコア線2の端末を更に皮剥ぎして端子金具を圧着している。ドレン線3にも同様に端子を圧着接続し、各端子をコネクタハウジング内に挿入して、相手側機器との機械的接続を可能としている。
シールド線1では、前記シース5とシールド層4、シールド層4とコア線2およびドレン線3との間には隙間が存在し、該隙間に端末の皮剥端面から浸水が発生しやすいため、シールド線1の端末に止水部を設ける必要がある。
そのため、従来、シールド線の端末の皮剥端部で、シース5の端面からコア線2およびドレン線3の外周面にかけてペースト状のブチルゴムやシリコーンからなる止水材を取り付けて止水処理し、端末の皮剥位置からの浸水を防止している場合が多い。
例えば、特開2007−109684号公報(特許文献2)に開示されたシールド線では、図6に示すように、シールド線1の端末皮剥位置から引き出したドレン線3にアース線7を接続し、該ドレン線3およびアース線7と、コア線2とを導電性フィラーを有するブチルゴムからなる止水剤8で被覆し、該止水剤8の外周にさらに導電性を有する外被9を巻き付け、シールド性の保持と止水とを図っている。
しかしながら、コア線2とシース5との熱収縮率の相違により端末で、コア線2よりシース5が縮みやすく、コア線2とシース5との間にズレが発生しやすい。例えば、50℃から120℃に温度を昇降させたサーマルショック試験では、シース5はコア線2より10mm縮んでいる。このコア線2とシース5とのズレにより前記ブチルゴム等からなる止水剤8とシース5との間に剥離が発生して隙間が生じ、該隙間からシース5の内周面側に存在する隙間に浸水が発生しやすい問題がある。
さらに、前記特許文献2のように、導電性フィラーを充填したブチルゴムからなる止水剤8を外被9でシールド線の端末剥離位置に巻き付けた構成とすると、該端末位置で外径が肥大化する問題がある。このように、シールド線の端末皮剥端で肥大化すると、シールド線を多数本有するセンサ系の回路が重なるワイヤハーネスでは、コルゲートチューブ等のチューブ類で外装する際に、該チューブ内に収まらない問題が生じる。
特開2002−208321号公報 特開2007−109684号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、前記サーマルショックでシースと止水材との間に剥離が発生しないようにして止水性能を高め、かつ、止水処理部での肥大化を抑制することを課題としている。
前記課題を解決するために、第1の発明として、シールド線の端末のシースのみを皮剥ぎして、金属線の編組タイプのシールド層とコア線とを端末から露出させて引き出し、
前記露出させたシールド層の外周に、エポキシ樹脂粉末を固めて形成した1個のリング状固形防水剤を被せると共に該リング状固形防水剤の端面を前記シースの皮剥端面に接触させ、
ついで、熱収縮チューブを前記リング状固形防水剤に被せた後に加熱し、該加熱で熱収縮チューブを収縮すると共に、前記リング状固形防水剤を溶融し、溶融したエポキシ樹脂を前記シースの皮剥端面および該皮剥端面に接する外周面、前記シールド層の網目および該シールド層とコア線の隙間に流動させ、
該状態で前記溶融したエポキシ樹脂を硬化させ、シース端末から引き出したシールド層とコア線から前記シースの外周面および皮剥端面にかけて、硬化させたエポキシ樹脂を連続的に固着していることを特徴とするシールド線の端末止水方法を提供している。
また、第2の発明として、自動車のエンジンルームに搭載されるECUのコネクタ嵌合部に嵌合する防水コネクタに接続されるシールド線の端末止水方法であって、
前記シールド線の端末のシースとシールド層を皮剥してコア線とドレン線とを皮剥端面から露出させて引き出し、
エポキシ樹脂粉末を固めて形成した1個の切り欠きの無いリング状固形防水剤の中空部に前記露出させたコア線およびドレン線を先端から通し、該リング状固形防水剤の端面を前記シースの皮剥端面に接触させると共に前記コア線およびドレン線に密着して外嵌して位置決め保持して取り付け、
ついで、熱収縮チューブを前記コア線およびドレン線の先端側から被せていき、前記皮剥端面に接する前記シースの外周面、前記リング状固形防水剤の外周面および、前記コア線およびドレン線の先端から少なくとも80mmを離した外周を、前記熱収縮チューブで覆い、
その後、加熱し、該加熱で熱収縮チューブを収縮すると共に、前記リング状固形防水剤を溶融し、溶融したエポキシ樹脂を前記シールド線の内部の隙間、シースの皮剥端面および該皮剥端面に接する外周面および露出させたコア線とドレン線の間の隙間に流動させ、
該状態で前記溶融したエポキシ樹脂を硬化させ、前記シース端末から引き出したコア線およびドレン線の外周面、前記シースの皮剥端面および該皮剥端面に接する外周面にかけて、硬化させたエポキシ樹脂を連続的に固着していることを特徴とするシールド線の端末止水方法を提供している。
前記のように、第1の発明および第2の発明とも、止水剤として用いるエポキシ樹脂を粉末として1個のリング状に固めて固形の防水剤として用いるため、該リング状固形防水剤の中空部にシースから突出させたコア線とドレン線、あるいはシールド層を通すだけで、簡単に定量の防水剤を取り付けることができる。かつ、シースの皮剥端面にリング状固形防水剤を接触させて取り付けて位置決め保持できるため、シースの皮剥長さを短くすることができ、シールド線のシールド性能を高めることができる。さらに、シースから露出したコア線及びドレン線、あるいはシールド層に対して流動性のある止水剤を供給する場合は、上方あるいは下方からの一方側からの塗布であるが、リング状の固形防水剤とすると外周全体から防水剤を均一に供給することができる。
前記第2の発明では、複数本のコア線と1本のドレン線をまとめて1個の切り欠きのないリング状固形防水剤の中空部に通している。また、第1、第2の発明とも、1個のリング状固形防水剤を取り付ければ良いだけであるため、止水剤の供給操作を簡単に行える。
前記リング状固形防水剤の外径はシースの外径より若干大きくしておくことが好ましい。これにより、シースの皮剥端の外周側に溶融した防水剤を流動させ、シース外周面に防水剤を固着することができる。
また、該リング状固形防水剤は、露出したコア線およびドレン線の長さは、150mm以下であるため、第2の発明では先端からリング状固形防水剤の中空部に通している
第1の発明では、リング状固形防水剤に軸線方向に貫通した切欠部分を設けておき、該切欠部分に軸直角方向の側方からリング状固形防水剤を取り付けてもよい。
前記熱収縮チューブはリング状固形防水剤の外周面を覆う部分より前後長さ方向を延長した長さ寸法とし、シースの皮剥端面の外周端から所要寸法を前記熱収縮チューブで覆い、かつ、リング状固形防水剤で覆われた部分から引き出されているコア線とドレン線を所要寸法で覆う長さとしている。なお、コア線およびドレン線は先端から少なくとも80mmは熱収縮チューブで覆わないようにしている。
このように、熱収縮チューブによりリング状固形防水剤の前後両側も覆うことにより、加熱時に溶解するエポキシ樹脂が熱収縮チューブ内に収まるようにしている。
前記熱収縮チューブとしては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等からなる住友電工ファインポリマー(株)製のスミチューブが好適に用いられる。
前記方法で形成したシールド線の端末止水部では、硬化したエポキシ樹脂からなる止水剤がシースから引き出したコア線およびドレン線の外周面からシースの外周面にかけて連続し固着されている。あるいはシースから引き出したシールド層の外周面からシースの外周面にかけて固着されている。よって、コア線とシースとがサーマルショックでシースが縮んでズレが発生しても、シースの外周面に硬化した止水剤が、シースの皮剥端面から引き出されたコア線およびドレン線の外周面から連続して設けられているため、止水剤とシースの皮剥端面との間に剥離が発生するのを防止できる。その結果、剥離箇所から浸水が生じるのを防止でき、止水性能を保持できる。
また、リング状固形防水剤の外周面に熱収縮チューブを外装しているだけであり、リング状固形防水剤は溶融してシース内周面やコア線とドレン線の隙間に充填されるため、最終的に端末止水部は熱収縮チューブを被せただけとなり、止水部の外径を肥大化させない。よって、例えば、特許文献2に記載のブチルゴムおよび外皮を被覆した場合と比較して50%程度小径化することができる。このように、シールド線の端末止水部の肥大化を抑制できるため、複数本のシールド線が集束されたワイヤハーネスをコルゲートチューブ内に収容することができる。
また、シールド線の端末で、シースのみを皮剥し、編組タイプのシールド層をコア線と共に露出させ、リング状固形防水剤をシースの皮剥端面に当接させてシールド層の外周に取り付け、その外周に熱収縮チューブを被せて前記止水処理を行うと、編組シールド層の網目の隙間に止水剤が浸透し、シール性を高めることができる。
本発明は前記方法で形成された端末止水部を備えたシールド線を自動車のエンジンルームを含む被水領域に配索しているシールド線の配索構造を提供している。
上述したように、本発明のシールド線の端末止水部では、シースの皮剥点を挟んで、引き出したコア線とドレン線の外周面、あるいはシールド層の外周面からシースの外周面にかけて連続的に硬化させた止水剤を固着している。よって、熱が急激に変化するサーマルショックでコア線とシースとの間にズレが発生しても、止水剤とシースとの間に剥離が発生するのを防止でき、止水性能の信頼性を高めることができる。
かつ、端末止水部では、エポキシ樹脂粉末を固めて形成したリング状固形防水剤をコア線およびドレン線に被せてシースの皮剥端面に接触させ、その後、熱収縮チューブを被せて加熱すると、熱収縮チューブの収縮とリング状固形防水剤のエポキシ樹脂の溶融とを同時に行うことができ、作業効率を高めることができる。さらに、止水部には熱収縮チューブを被せただけの状態となり、端末止水部での外径の肥大化を抑制することができる。
さらに、本発明では固形とした1つのリング状防水剤を用いているため、液状の止水剤を直接に塗布する場合と比較して取り扱いやすいものとなる。かつ、止水処理に従来用いられているシリコーンの吐出機等を必要とせず、設備費を削減することができる。
本発明の実施形態の端末止水部を備えたシールド線を示し、(A)は一部断面正面図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は(A)のC−C線断面図、(D)は(A)のD−D線断面図である。 (A)〜(C)は止水部の形成工程を示す図面である。 本発明の第一実施形態で用いるリング状固形防水剤を示す図面である。 (A)〜(C)は第二実施形態を示す図面である。 (A)(B)はシールド線を示す図面である。 従来例を示す図面である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
実施形態のシールド線10は自動車のエンジンルームの防水領域に配線され、該シールド線10の端末をコネクタに接続し、該コネクタを防水領域に配置するECU(図示せず)のコネクタ収容部に嵌合している。前記シールド線10には端末位置に止水部20を設けている。
図1に示すように、シールド線10は、本実施形態では、2本の信号線となる絶縁被覆電線からなるコア線12と1本のドレン線11とを、シールド層13で囲み、該シールド層13の外周を絶縁被覆材からなるシース14で被覆し、シールド層13にドレン線11を接触させて導通している。
前記ドレン線11は金属素線からなり、被覆層は備えていない。また、シールド層13は金属箔テープを巻き付けて形成している。なお、金属線の編チューブでもよい。
図1乃至図3に示す第一実施形態では、シールド線10は、先端から120mm程度の最短寸法L1の皮剥点Pでシース14およびシールド層13を切断剥離してドレン線11とコア線12とを引き出している。各コア線12およびドレン線11の端末には、コネクタに挿入係止される端子(図示せず)が圧着接続される。
前記シールド線10の皮剥点Pを挟んで、皮剥方向に寸法L2(約45mm)の位置から反対方向に寸法L3(約10mm)までを止水領域Sとして、前記止水部20を設けている。
即ち、前記寸法L2の位置では引き出したドレン線11、コア線12の外周、前記寸法L3の位置ではシース14の外周に熱収縮チューブ30で囲んだ止水部20を設けている。
前記止水部20では、図1(C)(D)に示すように、止水剤とするエポキシ樹脂21が硬化した状態で、シース14の皮剥端面14aから引き出された前記寸法L2の部分のドレン線11およびコア線12の外周および隙間に充填され、かつ、シース14の皮剥端面14aからシース14の内周面の隙間に充填され、さらに、シース14の外周に前記寸法L3の部分に充填される。
前記シースの皮剥端面14aに接すると共にコア線12およびドレン線11の隙間に充填されたエポキシ樹脂21a、シース内周面の隙間に充填されたエポキシ樹脂21b、シース外周面に充填されたエポキシ樹脂21cは連続した状態で固着している。
前記硬化したエポキシ樹脂21の外周は収縮した熱収縮チューブ30で密着して囲んでいる。
前記シールド線10の端末の止水部20の形成方法を、図2(A)〜(C)および図3を参照して、以下に説明する。
まず、シールド線10の端末でシース14およびシールド層13を前記寸法L1で剥離して、コア線12とドレン線11とを切断されたシース14の皮剥点Pより引き出す。
図2の参考例に示すように、エポキシ樹脂21の粉末を固めたリング状固形防水剤32を1個用い、該リング状固形防水剤32に形成した軸線方向に貫通した切欠部32aを通してコア線12、ドレン線11をリング状固形防水剤32の中空部32b内に挿入してもよい。
本実施形態では、該エポキシ樹脂粉末を固めて形成したリング状固形防水剤32は図3の示すように、切欠部が無い円筒状としている。露出させたドレン線11とコア線12の先端をリング状固形防水剤32の中空部に通して、シースの皮剥端面14aと接する位置にリング状固形防水剤32を位置させている。
該リング状固形防水剤32の長さL4は10mmとし、外径はシース14の外径より1mm程度大きくしている。内径はドレン線11およびコア線12をまとめた外径に略等しくし、リング状固形防水剤32をドレン線11およびコア線12に被せた状態で密着し、自由に移動できない大きさとしている。
リング状固形防水剤32をドレン線11およびコア線12に被せた後、該リング状固形防水剤32の一端面32cをシース14の皮剥端面14aに接触させる。この位置で、前記のように、リング状固形防水剤32はドレン線11およびコア線12に密着して外嵌しているため、位置決め保持される。
次ぎに、熱収縮チューブ30をドレン線11およびコア線12の先端側から被せていき、リング状固形防水剤32の外周面、およびその前後両側のシース14の外周面14bおよびドレン線11、コア線12に被せる。該熱収縮チューブ30の長さは前記止水部20の長さより若干長くし、収縮状態で止水部20の長さと同一になるものである。
ついで、熱収縮チューブ30を被せたシールド線10を水平方向に配置して、熱収縮チューブ30を収縮させる温度で加熱する。該加熱温度は130〜140℃で10〜15分程度加熱する。この加熱でエポキシ樹脂21が溶融する。
この加熱により熱収縮チューブ30は収縮すると共に、該熱収縮チューブ30内に収容している前記リング状固形防水剤32のエポキシ樹脂21が溶融する。
溶融したエポキシ樹脂21は流動すると共に、熱収縮チューブ30の収縮による加圧で、ドレン線11とコア線12の隙間に流動して浸透し、かつ、シース皮剥端面14aからシース14の内周面の隙間へと流動して浸透し、さらに、シース14の外周面14bにも流動する。
この状態で、シールド線10を水平状態に保持して静止しておく。該静止時間はエポキシ樹脂21が硬化するまでである。
所要時間経過後にエポキシ樹脂21は硬化され、該硬化したエポキシ樹脂21はシースの皮剥端面14aに接した位置からコア線12、ドレン線11の外周面および隙間で硬化した部分21a、シース14の内周面の隙間で硬化された部分21b、シース14の外周面で硬化された部分21cが連続した状態で固着する。
前記のように、エポキシ樹脂21が硬化した後、エポキシ樹脂21が熱収縮チューブ30の長さ方向両端からはみ出している場合は、両端に粘着テープを巻き付けている。
このように、シールド線10の端末に止水部20を形成しているため、前記のように硬化したエポキシ樹脂21をシース14の外周面から皮剥端面14aに密に固着できるとともに、皮剥端面14aから引き出したコア線12およびドレン線11の外周面および隙間に密に固着でき、しかも、皮剥点Pを挟んで硬化したエポキシ樹脂21を連続させることができる。
前記のように、シールド線10の端末に設けた止水部20では、シース14の皮剥点Pを挟んで、引き出したコア線12およびドレン線11の外周面からシース14の外周面にかけて連続的に硬化させたエポキシ樹脂21が固着している。よって、熱が急激に変化するサーマルショックでコア線12とシース14との間にズレが発生しても、エポキシ樹脂21とシース14との間に剥離が発生するのを防止でき、止水性能の信頼性を高めることができる。かつ、エポキシ樹脂は熱硬化性であるため、車両上でシールド線の温度が上昇しても状態変化が生じる恐れがなく硬化状態を保持することができる。
かつ、止水部20では、熱収縮チューブ30を被せているだけであるため、止水部20での外径の肥大化を抑制することができる。その結果、端末に止水部20を備えたシールド線10が複数本集束されたワイヤハーネスにコルゲートチューブを外装しても、該コルゲートチューブ内に止水部20を備えたシールド線10を収容することができる。
図4(A)〜(C)に、第二実施形態を示す。
第二実施形態では、シールド線10の端末で、シース14のみを皮剥して、コア線12を被覆したシールド層13をシース14の皮剥端面から露出させている。シールド層13は金属線を編組した編組タイプとし、該シールド層13の編組した金属線の端末をアース接続しており、ドレン線は備えていない。
前記第一実施形態ではシールド層13もシース14と共に剥離しているが、第二実施形態ではシールド機能を高めるために、シールド層13は剥離していない。他の構成は第一実施形態と同様である。
即ち、前記1個のリング状固形防水剤32を図4(A)に示すように、シース14の皮剥端面14aに当接させてシールド層13の外周面に取り付ける。ついで、図4(B)に示すように、該リング状固形防水剤32の外周に熱収縮チューブ30を被せる。
その後、熱収縮チューブ30が収縮すると共にリング状固形防水剤32が溶融する温度で加熱する。
前記加熱により、図4(C)に示すように、溶融したリング状固形防水剤32は露出させた編組タイプのシールド層13の網目に浸透し、シールド層13の止水機能も高めることができると共に、シールド層13によるシールド機能も高めることができる。
10 シールド線
11 ドレン線
12 コア線
13 シールド層
14 シース
20 止水部
21 エポキシ樹脂
30 熱収縮チューブ
32 リング状固形防水剤
P 皮剥点
S 止水領域

Claims (3)

  1. シールド線の端末のシースのみを皮剥ぎして、金属線の編組タイプのシールド層とコア線とを端末から露出させて引き出し、
    前記露出させたシールド層の外周に、エポキシ樹脂粉末を固めて形成した1個のリング状固形防水剤を被せると共に該リング状固形防水剤の端面を前記シースの皮剥端面に接触させ、
    ついで、熱収縮チューブを前記リング状固形防水剤に被せた後に加熱し、該加熱で熱収縮チューブを収縮すると共に、前記リング状固形防水剤を溶融し、溶融したエポキシ樹脂を前記シースの皮剥端面および該皮剥端面に接する外周面、前記シールド層の網目および該シールド層とコア線の隙間に流動させ、
    該状態で前記溶融したエポキシ樹脂を硬化させ、シース端末から引き出したシールド層とコア線から前記シースの外周面および皮剥端面にかけて、硬化させたエポキシ樹脂を連続的に固着していることを特徴とするシールド線の端末止水方法。
  2. 自動車のエンジンルームに搭載されるECUのコネクタ嵌合部に嵌合する防水コネクタに接続されるシールド線の端末止水方法であって、
    前記シールド線の端末のシースとシールド層を皮剥してコア線とドレン線とを皮剥端面から露出させて引き出し、
    エポキシ樹脂粉末を固めて形成した1個の切り欠きの無いリング状固形防水剤の中空部に前記露出させたコア線およびドレン線を先端から通し、該リング状固形防水剤の端面を前記シースの皮剥端面に接触させると共に前記コア線およびドレン線に密着して外嵌して位置決め保持して取り付け、
    ついで、熱収縮チューブを前記コア線およびドレン線の先端側から被せていき、前記皮剥端面に接する前記シースの外周面、前記リング状固形防水剤の外周面および、前記コア線およびドレン線の先端から少なくとも80mmを離した外周を、前記熱収縮チューブで覆い、
    その後、加熱し、該加熱で熱収縮チューブを収縮すると共に、前記リング状固形防水剤を溶融し、溶融したエポキシ樹脂を前記シールド線の内部の隙間、シースの皮剥端面および該皮剥端面に接する外周面および露出させたコア線とドレン線の間の隙間に流動させ、
    該状態で前記溶融したエポキシ樹脂を硬化させ、前記シース端末から引き出したコア線およびドレン線の外周面、前記シースの皮剥端面および該皮剥端面に接する外周面にかけて、硬化させたエポキシ樹脂を連続的に固着していることを特徴とするシールド線の端末止水方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の方法で形成された端末止水部を備えるシールド線を、自動車のエンジンルームを含む被水領域に配索しているシールド線の配索構造
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