JP2019019883A - 防腐食構造及び防腐食工法、並びに防腐食構造用部材 - Google Patents

防腐食構造及び防腐食工法、並びに防腐食構造用部材 Download PDF

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Abstract

【課題】施工が容易なシリコーン系部材を用いた防腐食構造及び防腐食工法、並びに防腐食構造用部材を提供する。【解決手段】金属製配管10、20と、金属製配管の接続部に巻回された、自己融着型のシリコーン系部材40と、が備えられた防腐食構造。金属製配管の接続部に巻回された非シリコーン系のシールテープと、シールテープの上に重ねて巻回された自己融着型のシリコーン系部材と、が備えられた防腐食構造。シリコーン系部材のJIS K 6253で規定される国際ゴム硬さ(IRHD硬度)が10〜50である防腐食構造。シリコーン系部材のJIS K 6253で規定されるデュロメータ硬度(A)が10〜50である防腐食構造。【選択図】図3

Description

本発明は、配管の接続部の腐食を防ぐことを目的とした、防腐食構造及び防腐食工法、並びに防腐食構造用部材に関する。
従来、鉄道施設、工場、ビル等に敷設される鉄製の配管において、金属部が露出している接続部の腐食を防止するために、ペトロラタムを含むコンパウンドやこのコンパウンドが基材に担持されてなる防食テープが用いられることがある。ペトロラタムは、石油の潤滑油留分を溶剤脱蝋して得られる軟質のワックスに、潤滑油の重質留分を練り合わせた半固体状混合物であり、撥水性に優れ、水分の透過を抑制する効果に優れる。しかし、軟化温度が低いので、夏季や高温環境下では溶け出し、液体成分が表面に滲出する現象(ブリードアウト現象)が問題となる。また、常温においても、ペトロラタムはベトベトした粘ちょう性を呈するため、防食テープの表面に土埃が付着して汚損されやすい。これらの問題の解決を図った発明として、ペトロラタムに替えて特定のボイル油と無機充填剤を含む防食テープが提案されている(特許文献1参照)。
特許第6027795号公報
しかしながら、特許文献1の防食テープは以下の問題を有する。まず、施工時には乾燥していないので、土埃による汚損を防いだ状態で施工後24〜72時間程度の乾燥時間を要し、施工期間の長期化が問題となる。また、難燃剤としての無機粒子を含むが、本質的には油を含浸した不織布であるため、防火性の点で懸念がある。さらに、乾燥後に硬化した高分子化合物となる成分を添加することが好ましいとされており、この場合、経年劣化が速く、耐用年数が鋼管等対象金属の寿命よりも短くなるが、後で防食テープを取り外して保守点検を行うことが難しい場合がある。
本発明は、施工が容易なシリコーン系部材を用いた防腐食構造及び防腐食工法、並びに防腐食構造用部材を提供する。
[1] 金属製配管と、前記金属製配管の接続部に巻回された、自己融着型のシリコーン系部材と、が備えられた防腐食構造。
[2] 前記金属製配管の接続部に巻回された非シリコーン系のシールテープと、前記シールテープの上に重ねて巻回された前記自己融着型のシリコーン系部材と、が備えられた、[1]に記載の防腐食構造。
[3] 前記シリコーン系部材のJIS K 6253で規定される国際ゴム硬さ(IRHD硬度)が10〜50である、[1]又は[2]に記載の防腐食構造。
[4] 前記シリコーン系部材のJIS K 6253で規定されるデュロメータ硬度(A)が10〜50である、[1]又は[2]に記載の防腐食構造。
[5] 前記シリコーン系部材は、テープ状であり、前記接続部に対してらせん状に巻回されている、[1]〜[4]の何れか一項に記載の防腐食構造。
[6] 金属製配管の接続部に、テープ状の自己融着型のシリコーン系部材をらせん状に巻回する防腐食工法であって、前記シリコーン系部材のJIS K 6253で規定される国際ゴム硬さ(IRHD硬度)が10〜50であり、前記シリコーン系部材の巻き付け前の幅W1と、巻き付け後の幅W2の比(W2/W1)が0.5〜0.8となるように巻回する、防腐食工法。
[7] JIS K 6253で規定される国際ゴム硬さ(IRHD硬度)が10〜50である自己融着型のシリコーン系部材からなり、金属製配管の接続部に巻回される防腐食構造用部材。
[8] 前記自己融着型のシリコーン系部材が透明である、[7]に記載の防腐食構造用部材。
本発明の防腐食構造においては、金属製配管の接続部に、自己融着型のシリコーン系部材が巻回されているため、腐食の原因となる水や酸素が接続部に接触することを防止して、防腐食性、耐候性、耐久性に優れる。また、防火性の点からも油を含浸した従来の防食テープに比べて有利である。さらに、施工後にベタベタした粘ちょう性を呈さないので、土埃の多い環境においても接続部の汚損を防止できる。また、必要に応じて施工後のシリコーン系部材を容易に取り外すことができる。
本発明の防腐食工法においては、粘ちょう性を呈さないシリコーン系部材を接続部に巻回して施工を完了できるため、乾燥時間が必要なく、簡便に短期間で施工を完了できる。また、必要に応じて施工後のシリコーン系部材を容易に取り外すことができるので、配管の接続部の保守点検を容易に行うことができる。
本発明の防腐食構造用部材は、上記の防腐食構造及び防腐食工法において有用である。
金属製配管の接続部の一例を示す側面図である。 金属製配管の接続部にシールテープをらせん状に被覆した一例を示す側面図である。 金属製配管の接続部にシールテープが巻回され、さらにシリコーン系部材を重ねてらせん状に被覆した一例を示す側面図である。
《防腐食構造》
本発明の第一態様は、金属製配管と、前記金属製配管の接続部に巻回されたシリコーン系部材と、が備えられ、前記シリコーン系部材が自己融着型のシリコーン系部材である、防腐食構造である。前記シリコーン系部材は、前記接続部に対して、直接に巻回されていてもよいし、別の部材を介して間接的に巻回されていてもよい。
以下、図面を参照して本発明にかかる実施形態を例示する。
<金属製配管>
図1に示すように、金属製配管10のねじ切り部Aは、第1の配管10の端部において雄ねじの溝11が形成された部分であり、一般に腐食が起こり易い部分である。雄ねじ11には、第2の配管20の雌ねじが累合されていてもよく、この場合のねじ切り部Aは配管の接続部と呼ばれる。
金属製配管の接続部は、ねじ切りに限らず、溶接して接続した部分でもよい。
第1の配管10及び第2の配管20の長手方向の形状は特に限定されず、直線状でもよいし、屈曲状でもよい。また、その長手方向の長さも特に限定されず、例えば30cm〜1m程度が挙げられる。第1の配管10及び第2の配管20の直径は特に限定されず、例えば1cm〜1m程度が挙げられる。第1の配管10及び第2の配管20のねじ切り部A以外の管壁は樹脂で被覆されていても構わない。
<第一実施形態>
図2に示すように、第一実施形態の防腐食構造には、金属製配管10のねじ切り部Aにらせん状に巻回された非シリコーン系のシールテープ30が備えられている。さらに、図3に示すように、シールテープ30の上に重ねて巻回された自己融着型のシリコーン系部材40、が備えられている。図3の例においては、シールテープ30は、自己融着型のシリコーン系部材40によって完全に被覆されており、外部に露出していない。
以下、自己融着型のシリコーン系部材40を単にシリコーン系部材40ということがある。
図2のシールテープ30は、自己融着型のシリコーン系部材によって置換されてもよい。この場合、ねじ切り部Aには、自己融着型のシリコーン系部材が直接に巻回された構造になる。この自己融着型のシリコーン系部材の上に、更に重ねて別の自己融着型のシリコーン系部材を巻回してもよい。
第1の配管10及び第2の配管20のねじ切り部(接続部)Aは金属製である。シールテープ30及び自己融着型のシリコーン系部材40が巻回された状態においては、ねじ切り部Aがシールテープ30及びシリコーン系部材40によって被覆されて、腐食の原因となる酸素や水分から保護されている。一方、シールテープ30及びシリコーン系部材40が取り外された状態(図1参照)においては、ねじ切り部(接続部)Aの金属の少なくとも一部が露出する。
シールテープ30の幅と、シリコーン系部材40の幅の関係は特に限定されず、例えば、両方とも幅1cm〜3cm程度のテープ状であってもよいし、何れか一方が他方のテープ状よりも幅広の、例えば幅4cm〜20cmの、テープ状又はシート状であってもよい。ここで、テープ状部材の長さはそのテープ状部材の幅よりも長く、シート状部材の長さはそのシート状部材の幅と同じか又はその幅よりも長い。
テープ状部材の幅及び長さは、ねじ切り部Aの長さに合わせて適宜設定され、例えば、ねじ切り部Aの配管(直径5cm)の長手方向に沿う長さが15cmである場合、テープ状部材の幅1cm〜3cm、長さ20cm〜30cm程度が挙げられる。
本実施形態の防腐食構造の防腐食性、耐久性、密着性等を向上させる観点から、シールテープ30は、ねじ切り部Aに対してらせん状に巻回されていることが好ましい。また、シリコーン系部材40は、シールテープ30のテープ状よりも幅広の、シート状又はテープ状であり、シールテープ30の全体を被覆するように巻回されていることがより好ましい。特に、ねじ切り部Aの全体を被覆できる幅及び長さのシート状のシリコーン系部材40が巻回されていると、防腐食構造の厚みを低減しつつ、シールテープ30を補強し、防食性、耐久性を向上させることができる。
本実施形態の防腐食構造によれば、金属製配管10,20のねじ切り部Aに対してシールテープ30が直接に巻回されているため、ねじ切り部Aに対してシールテープ30が充分に密着している。さらに、耐水性、耐久性、耐候性に優れるシリコーン系部材40が重ねて巻回されているので、シールテープ30のねじ切り部Aに対する密着性をより高めるとともに、シールテープ30を外部の風雨、塵埃、太陽光線等から保護することができるので、ねじ切り部Aの防腐食性、耐候性、耐久性が充分に得られる。
シリコーン系部材40は自己融着型であり、巻回する前から硬化しているので、ベタベタした粘ちょう性を呈さない。さらに、巻回したシリコーン系部材40をねじ切り部Aの長手方向に沿ってカッター等で切断することにより、必要に応じて施工後に容易に取り外すことができる。
(シールテープ)
本実施形態で用いられるシールテープは非シリコーン系の材料からなるシール用のテープである。通常、シールテープの総質量に対して50質量%以上の主成分としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含まれる。本実施形態のシールテープは、JIS K 6885:2005で規定されたシール用四ふっ化エチレン樹脂未焼成テープ(生テープ)であることが好ましい。
(自己融着型シリコーン系部材)
本実施形態で使用可能な自己融着型シリコーン系部材は、自己融着性シリコーンゴムからなる部材であることが好ましい。自己融着性シリコーンゴムは、使用時の硬化処理を必要とせず、予め硬化された状態で使用される。自己融着性シリコーンゴムとしては、例えば、特開2016−114180号公報に開示されている、下記の平均組成式(I)で示されるジオルガノポリシロキサンとホウ酸化合物とを含有するシリコーン組成物を硬化させた硬化物が挙げられる。
SiO(4−n) ・・・(I)
[式(I)中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基を表し、nは1.98〜2.02の範囲の任意の数を表す。]
式(I)におけるRとしては、炭素数1〜10、好ましくは1〜8の炭化水素基である。炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
は、前記炭化水素基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基等で置換された基でもよい。
シリコーン組成物を硬化させる際に、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物で硬化を促進させる場合には、Rがアルケニル基又はアルケニル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基で置換された基が好ましい。
式(I)におけるnは、自己融着性を充分に得る観点から、1.98〜2.02であることが好ましい。
ジオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度は、100〜100,000,000cStであることが好ましく、100,000〜10,000,000cStであることがより好ましい。ジオルガノポリシロキサンの25℃における動粘度が前記範囲内であると、硬化後の機械的物性に優れるため好ましい。
前記ホウ酸化合物としては、例えば、無水ホウ酸、ピロホウ酸、オルトホウ酸等のホウ酸類;ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、トリメトキシボロキシン等の無水ホウ酸の誘導体等が挙げられる。また、前記ホウ酸化合物として、例えば、ジメチルジメトキシシラン又はジメチルジエトキシシラン等のオルガノアルコキシシランと無水ホウ酸とを縮合させて得たポリオルガノボロシロキサンを用いることもできる。
前記ホウ酸化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
自己融着型シリコーン系部材における前記ホウ酸化合物の含有割合は、ジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。ホウ酸化合物の含有割合が前記下限値以上であれば、充分な自己融着性を確保でき、前記上限値以下であれば、機械的物性の低下を抑制することができる。
自己融着型シリコーン系部材を構成するジオルガノポリシロキサン及びホウ酸化合物の種類及び配合量を適宜調整することにより、下記の硬度、引張強さ、引張伸び率を有する自己融着型シリコーン系部材が得られる。
自己融着型シリコーン系部材の国際ゴム硬さ(IRHD硬度)は、10〜50が好ましく、20〜45がより好ましく、30〜40がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると機械的強度が高まり、上記範囲の上限値以下であるとねじ切り部に対する密着性が向上する。
上記国際ゴム硬さ(IRHD硬度)は、JIS K 6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第2部:国際ゴム硬さ(10 IRHD〜100 IRHD)」で規定された、M法によって、先端球の直径がφ0.395mmのプランジャを使用して測定された値である。
自己融着型シリコーン系部材のデュロメータ硬度(A)は、10〜50が好ましく、15〜45がより好ましく、20〜30がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると機械的強度が高まり、上記範囲の上限値以下であるとねじ切り部に対する密着性が向上する。
上記デュロメータ硬度(A)は、JIS K 6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」で規定された方法によって、タイプAの試験機を使用して測定された値である。
自己融着型シリコーン系部材の引張強さ(単位:N)は、100N以下が好ましく、より好ましくは50〜70Nである。
引張強さが50〜100N以下であると、ねじ切り部に巻き付ける際に自己融着型シリコーン系部材を断裂させずに適度に伸ばすことができ、ねじ切り部に対してより密着した構造となり易い。
上記引張強さは、テンシロンを使用して、試験片(幅25mm、厚さ1.0mmのテープ状)を、互いに30mm離間した1対のチャックに挟んで固定し、引張速度500mm/分、20℃の条件で、テープの長手方向に沿って測定された値である。
上記テンシロンは、JIS B 7721「引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法」に基づいて校正された試験機である。上記テンシロンとして、例えば、株式会社エー・アンド・デイ製の材料試験機が挙げられる。
自己融着型シリコーン系部材の引張伸び率(単位:%)は、700%以上が好ましく、750%以上がより好ましく、800%以上がさらに好ましい。上限値は特に限定されず、例えば1000%程度を目安にすることができる。
引張伸び率が700%以上であると、ねじ切り部に巻き付ける際に自己融着型シリコーン系部材の断裂を防ぎつつ、幅を縮小しながら引き伸ばした状態でねじ切り部に対して巻回できるので、より密着した構造となり易い。
上記引張伸び率は、上記テンシロンを使用して、試験片(幅25mm、厚さ1.0mmのテープ状)を、互いに30mm離間した1対のチャックに挟んで固定し、引張速度500mm/分、20℃の条件で、テープの長手方向に沿って測定された値である。
上記の物性、特に硬度、を満たす自己融着型シリコーン系部材は、密着性、耐久性、取り扱い性に優れ、さらに水没時の耐久性に優れるため、金属製配管の接続部に巻回される防腐食構造用部材として極めて有用である。
防腐食構造用部材としての自己融着型シリコーン系部材は透明であることが好ましい。透明であることにより、巻回された自己融着型シリコーン系部材を透視して、防腐食構造内部の接続部の様子を観察することができる。防腐食構造を除去せずに接続部の様子を観察できるので、その接続部を含む配管のメンテナンスの要否を容易に検討することができる。
《防腐食工法》
本発明の第二態様は、金属製配管の接続部に、テープ状の自己融着型のシリコーン系部材をらせん状に巻回する防腐食工法である。この工法によって、第一態様の防腐食構造を形成することができる。
前記シリコーン系部材のJIS K 6253で規定される国際ゴム硬さ(IRHD硬度)は10〜50であることが好ましい。また、前述したその他の物性を満たすことがより好ましい。
前記シリコーン系部材の巻き付け前の幅W1と、巻き付け後の幅W2の比(W2/W1)が0.5〜0.8となるように、好ましくは0.5〜0.7となるように、巻回することにより、優れた防腐食構造を形成することがより容易となる。
上記比が0.5以上であると、自己融着型シリコーン系部材の断裂を抑制しつつ、接続部に対してらせん状に巻回することができる。
上記比が0.8以下であると、自己融着型シリコーン系部材には伸縮性及び弾性を利用して、自己融着型シリコーン系部材を引き伸ばしながら、接続部に対してらせん状に巻回することによって、その密着性をより一層向上させることができる。
第二態様において、防腐食構造を形成する金属製配管の長手方向に見て、ねじ切り部のねじ溝が形成されている領域の長さをL1として、上記比(W2/W1)が0.5〜0.8となるように巻回する領域の長さをL2とする。このとき、両方の長さの比(L2/L1)は、2〜6が好ましく、3〜5がより好ましい。つまり、ねじ切り部の全長に渡って、上記比(W2/W1)の好適な範囲で自己融着型シリコーン系部材を巻回することが最も好ましい。
[実施例1]
まず、ポリエチレン被覆鋼管(φ24.7mm)のねじ切り部に対して、自己融着型のシリコーンゴムテープ(信越ポリマー社製、幅25mm)をらせん状に巻き付けて、図2の様にねじ切り部を被覆した。この際、前記比(W2/W1)=0.68となるように巻き付けた。これにより鋼管のねじ切り部に防腐食構造を形成した。同様の試験体を3つ作製した。
ここで使用した自己融着性シリコーンゴムテープについて、前述した方法で測定された物性値は次の通りである。
・引張強さ=54.8N
・引張伸び率=780%
・硬度(IRHD)=30
・デュロメータ硬度(A)=24
上記の防腐食構造に対して、JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験で、1000時間後、防腐食構造の変化の有無を目視で確認した。
その結果、防腐食構造を形成するシリコーン系部材の表面に少量の塩分が析出していた。次に、カッターで切り裂いて防腐食構造を除去し、金属製ねじ切り部を露出させて目視で確認したところ、3つの試験体の何れにも錆の発生は無かった。
以上の結果から、実施例1の防腐食構造の防腐食性、耐候性、耐久性の評価は良好であった。
[実施例2]
まず、ポリエチレン被覆鋼管(φ24.7mm)のねじ切り部に対して、前記JIS規格に準拠したシールテープ(幅20mm)をらせん状に巻き付けて、図2の様にねじ切り部を被覆した。続いて、シリコーン系部材として実施例1と同じ自己融着型のシリコーンゴムテープ(信越ポリマー社製、幅25mm)を、シールテープに重ねてらせん状に巻き付けて、図3の様にねじ切り部を被覆した。これにより鋼管のねじ切り部に防腐食構造を形成した。同様の試験体を3つ作製した。
上記の防腐食構造に対して、JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験で、1000時間後、防腐食構造の変化の有無を目視で確認した。
その結果、防腐食構造を形成するシリコーン系部材の表面に少量の塩分が析出していた他は特に変化は無く、3つの試験体の何れにおいても剥離は起きていなかった。次に、カッターで切り裂いて防腐食構造を除去し、金属製ねじ切り部を露出させて目視で確認したところ、3つの試験体の何れにも錆は生じていなかった。
以上の結果から、実施例2の防腐食構造の防腐食性、耐候性、耐久性の評価は、実施例1と同様に良好であった。
[実施例3]
自己融着型のシリコーンゴムテープを下記に変更したこと以外は、実施例1と同様に防腐食構造を形成し、塩水噴霧試験を行った。その結果、実施例1と同様の良好な結果であった。
ここで使用した自己融着性シリコーンゴムテープについて、前述した方法で測定された物性値は次の通りである。
・引張強さ=67.2N
・引張伸び率=871%
・硬度(IRHD)=40
・デュロメータ硬度(A)=26.6
[実施例4]
自己融着型のシリコーンゴムテープを実施例3で使用したものに変更したこと以外は、実施例2と同様に防腐食構造を形成し、塩水噴霧試験を行った。その結果、実施例2と同様の良好な結果であった。
[実施例5]
自己融着型のシリコーンゴムテープを下記に変更したこと以外は、実施例1と同様に防腐食構造を形成し、塩水噴霧試験を行った。
その結果、実施例1と異なり、3つの試験体のうち1つにおいて、部分的な緩みや剥がれが発生した。カッターで切り裂いて防腐食構造を除去し、金属製ねじ切り部を露出させて目視で確認したところ、3つの試験体のうち1つにおいて、少し錆が生じていた。
ここで使用した自己融着性シリコーンゴムテープ(信越ポリマー株式会社製、水漏れ御用)について、前述した方法で測定された物性値は次の通りである。
・引張強さ=138.3N
・引張伸び率=733%
・硬度(IRHD)=61
・デュロメータ硬度(A)=61.8
以上から、実施例5の防腐食構造は、防腐食性、耐候性、耐久性を有するが、実施例1〜4に比べると劣ることが分かった。
[比較例1]
実施例1と同じポリエチレン被覆鋼管のねじ切り部に防腐食構造を形成せず、ねじ切り部が露出した状態で実施例1と同様に塩水噴霧試験を行った。
その結果、3つの試験体の何れにおいても金属製のねじ切り部分の広い範囲に錆が生じていた。
[比較例2]
実施例1と同じポリエチレン被覆鋼管のねじ切り部に対して、前記シールテープをらせん状に巻き付けて、図2の様にねじ切り部を被覆した。続いて、先に巻回したシールテープの上に、更に別のシールテープをらせん状に巻き付けて、図3の様にねじ切り部を被覆した。同様の試験体を3つ作製した。
上記の試験体に対して塩水噴霧試験を実施例1と同様に行った。
その結果、試験体の表面に少量の塩分が析出していた他、3つの試験体のうち3つにおいて、らせん状に巻回したシールテープの一部に剥がれが生じていた。次に、カッターで切り裂いてシールテープを除去し、金属製ねじ切り部を露出させて目視で確認したところ、3つの試験体のうち3つにおいて、錆が生じていた。
以上から、比較例2のシールテープを2重に巻回した構造は、防腐食性、耐候性、耐久性について、実施例1〜5よりも劣る結果であった。
10 雄ねじを有する金属製配管
20 雌ねじを有する金属製配管
A ねじ切り部
11 ねじ切り部Aを構成する溝
30 シールテープ
40 シリコーン系部材

Claims (8)

  1. 金属製配管と、前記金属製配管の接続部に巻回された、自己融着型のシリコーン系部材と、が備えられた防腐食構造。
  2. 前記金属製配管の接続部に巻回された非シリコーン系のシールテープと、
    前記シールテープの上に重ねて巻回された前記自己融着型のシリコーン系部材と、が備えられた、請求項1に記載の防腐食構造。
  3. 前記シリコーン系部材のJIS K 6253で規定される国際ゴム硬さ(IRHD硬度)が10〜50である、請求項1又は2に記載の防腐食構造。
  4. 前記シリコーン系部材のJIS K 6253で規定されるデュロメータ硬度(A)が10〜50である、請求項1又は2に記載の防腐食構造。
  5. 前記シリコーン系部材は、テープ状であり、前記接続部に対してらせん状に巻回されている、請求項1〜4の何れか一項に記載の防腐食構造。
  6. 金属製配管の接続部に、テープ状の自己融着型のシリコーン系部材をらせん状に巻回する防腐食工法であって、
    前記シリコーン系部材のJIS K 6253で規定される国際ゴム硬さ(IRHD硬度)が10〜50であり、
    前記シリコーン系部材の巻き付け前の幅W1と、巻き付け後の幅W2の比(W2/W1)が0.5〜0.8となるように巻回する、防腐食工法。
  7. JIS K 6253で規定される国際ゴム硬さ(IRHD硬度)が10〜50である自己融着型のシリコーン系部材からなり、金属製配管の接続部に巻回される防腐食構造用部材。
  8. 前記自己融着型のシリコーン系部材が透明である、請求項7に記載の防腐食構造用部材。
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