JPH0681786B2 - シリコーン含有ポリマー - Google Patents

シリコーン含有ポリマー

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JPH0681786B2
JPH0681786B2 JP58190617A JP19061783A JPH0681786B2 JP H0681786 B2 JPH0681786 B2 JP H0681786B2 JP 58190617 A JP58190617 A JP 58190617A JP 19061783 A JP19061783 A JP 19061783A JP H0681786 B2 JPH0681786 B2 JP H0681786B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は(A)少くとも2個の末端基または懸垂基、ウ
レタン、チオウレタン、尿素またはアミドの部分を介し
てポリシロキサンに結合する重合性ビニル基を含有する
線状または分岐状ポリシロキサンマクロマー及び(B)
ビニルまたはジビニルモノマーまたはモノマーの混合物
で85ないし100%が水不溶性のものの共重合によって得
られ、軟質または硬質のコンタクトレンズ、特に硬質レ
ンズの製造に有用な透明で高強度の架橋ポリマーに関す
るものである。
コンタクトレンズは通常“硬質”または“軟質”と呼ば
れる二つの主要な範疇に入るがそれらが眼になじむ態様
で一そうよく特徴づけられる。硬質レンズは該レンズと
角膜との間の涙液交換を容易にするようにやゝ緩めのな
じみ方をする;“ロッキング‐チェア”運動によってこ
れを行ない、それによってレンズと眼の表面の間の空間
から涙液を連続的に汲み出す。このような涙液交換はポ
リメチルメタクリレート(PMMA)で作られた従来の硬質
コンタクトレンズをつけた人の角膜にすべての重要な酸
素が供給される唯一の道である。硬質PMMAレンズは、少
くとも当初は、またゝきする目蓋が硬いふちに当たるの
で着用者にとり不快で腹立たしいものであるがそれでも
レーシング(lathing)や研磨によって非常に正確に作
ることができるので一般的に通用している。このことは
不均整デザインのレンズによる乱視の補整にとり特に重
要である。もう一つの利点はそれらが非常に清潔に保ち
やすく殺菌を要しないということである。
一方、軟質コンタクトレンズは角膜に密着するので着用
者にとっては一そう快よい。これらでは涙液の交換が限
られるので僅か数時間の着用でも、眼を損なはないだけ
の十分な酸素透過性を持たなければならない。すべての
市販の軟質レンズにおいて、この酸素透過性はそれらの
水分含有量、即ち、それらのヒドロケル性の作用による
ものである。その上、水分は可塑剤として作用し、レン
ズに柔軟性と角膜にはりつくよりは角膜上に浮き、そし
て回転するに必要な親水性に与える。角膜にはりつくこ
とはシリコンゴムレンズのような疎水性の軟質レンズに
とって主要な問題点であり、これがなければ非常に魅力
的である。ヒドロゲルソフトレンズは着け心地のよい点
で代表的なものであるが水膨潤による歪みが避けられな
いので精度で妥協しなければならない;それらは眼球上
で回転しやすいのでレンズの非点収差も解決すべきさら
に困難な問題である。そのうえ、蛋白質の吸着と消毒が
心配な点で着け心地がよい長所が更に複雑なレンズ‐ケ
ア方法のより大きな不便によって甚だしく割引きされ
る。
コンタクトレンズの技術における次の大きな進歩は日
夜、数週間までも引続いて着用されるべきレンズの製造
であった。睡眼中の眼の閉じられら状態ではすべての酸
素が血液の通った目蓋から角膜に供給されるので、この
目的のためにはレンズの酸素透過性が何倍にも増加され
なければならない。この点に関して満足のゆくほどには
成功しなかったが、解決のためのいくつかの接近のなか
に次のものがある:(1)70%水分までの高含水ヒドロ
ゲル;その欠点は機械的強度の低いことである;そのた
め厚く作らなければならず、従って、酸素透過性が減少
する;及び(2)極端な疎水性のために、終始、目的に
合はなかったシリコンラバーレンズ;これらは吸引カッ
プのように角膜に付着し眼をひどく傷つける結果となっ
た。これを防ぐに十分な程シリコン‐ラバーレンズの表
面を親水性にしようとする試みは、多くは処理された表
面部分があまりに薄くて永久性がないので大して成功し
なかった。例えばダウコーニング(DOW CORNING)によ
って、商標“シルコン(SILCON)”及び“シルソフト
(SILSOFT)”のもとに製造されたレンズは‐Si-OH表面
層を形成するように処理されるが、あまりに薄くて、特
に硬質レンズでは容易に磨滅する。本発明は表面が永久
的に濡れやすいシリコン含有硬質レンズの提供を目的と
するものである。100%シリコンラバーコンタクトレン
ズのもう一つの不都合は、エツジを仕上げ、磨き、そし
てそれによって着用者に快感を与えるようにすることが
困難なことにある。このことはすべての弾性の高すぎる
物質に固有のことである。本発明は更に、コンタクトレ
ンズ用語を用いると、“軟質”から“硬質”に亘る、但
しすべて容易に研磨することのできるシリコン含有高分
子物質の提供を目的とするものである。
シリコン含有疎水性ポリマーの最近の例は米国特許第4,
153,641号、第4,189,546号及び第4,195,030号に記載さ
れてあり、それらは重合または共重合した高分子量ポリ
シロキサンまたはポリパラフィン‐シロキサンジアクリ
レート及びメタクリレートよりなっている。得られたポ
リマーは疎水性である。米国特許第4,217,038号にはそ
の表面を親水性にする表面処理についての記載がある。
他のポリシロキサン含有コンタクトレンズ物質が米国特
許第4,208,362号;第4,208,506号;4,254,248号;4,259,4
67号;4,277,595号;4,260,725号及び4,276,402号に記載
されている。すべてのこれらの特許は線状ポリシロキサ
ンジオールのビス‐メタアクリレートエステルをベース
としている。線状ポリシロキサンの軟かな性質のために
それらは硬質コンタクトレンズに必要な硬く曲げ難い物
質を作るに適しない。米国特許第4,136,250号には上記
線状ポリシロキサン‐ジオールのビスメタアクリレート
のほかにジオール及びトリオールのビス‐及びトリス‐
メタアクリレートで、官能基が末端でなくポリシロキサ
ン主鎖に懸垂し、そして更にビス‐ウレタン結合を介し
てポリシロキサンに結合される化合物が記載されてい
る。しかしすべての組成物がヒドロゲルであり、そのま
ゝでは軟質コンタクトレンズに適するに過ぎない。
硬質のシリコン含有硬質レンズは米国特許第4,152,508
号に記載されてあり、オリゴシロキサニル‐アルキルア
クリレートとジメチルイタコネート及びメチルメタアク
リレートのような各種のモノマーとのコポリマーからな
っている。3ないし50×10-10cm3(STP)・cm/cm2sec・
cm・Hgの酸素透過率をクレームしているが9より高い酸
素透過率を得るに必要な多量(>40%)のオゴシロキサ
ン置換メタアクリレートは同時に、ポリマーを軟質にし
すぎて硬質レンズとしては有用でなくなる。Si-モノマ
ーがポリマーの25%以下を構成している場合にのみ、ポ
リマーの硬度が硬質コンタクトレンズとしての応用に十
分高いものとなる。シロキサン含量はまた湿潤性に逆に
作用するので、ポリマー中のSiをできるだけ少く,必要
な酸素透過率を得るに十分なだけのSiを使用することが
有利であることは言うまでもない。
放射線硬化のための被覆組成物製造に有用なシロキサン
ウレタンアクリレート化合物が米国特許第4,130,708号
に記載されている。これらのシロキサンウレタンアクリ
レート化合物は紫外線による放射線硬化被覆組成物に通
常見出される他の成分と混合することができる。このよ
うな物質をコンタクトレンズに利用することはこの特許
に記載されてもなく、示唆されてもいない。この特許に
記載されてある被覆組成物はいかなる親水性モノマーの
成分も包含するものではない。
英国特許第2,067,213号にもまた、光硬化性被覆組成物
の製造に有用なシロキサンウレタンアクリレート化合物
が記載されてある。このような物質のコンタクトレンズ
のための利用は開示されてない。この特許に記載された
被覆組成物はいかなる親水性モノマー成分も、また本発
明に記載された疎水性コノモノマーをも包含するもので
ない。
SiO(CH3はもしそれが低分子量の側基の一部にすぎ
ないものであるよりも、シロキサンポリマーの形で存在
するならば一層有効な酸素透過体となることは知られて
いる。しかし米国特許第4,153,641号及び関連特許の組
成物に存在する長鎖ポリシロキサンは剛性を甚しく減少
し、その結果ゴム状の軟かな物質となる。その上、ポリ
メタアクリレートのような縁のないポリマーとの相溶性
が乏しく、高分子量ポリマーのブレンドに典型的な相分
離が起り、多少に拘らず不透明な製品となる。
さて、はからずも本発明者等は、もし当量が例えば5000
を超えなくて、ビスウレタン結合を介して少くとも2個
の末端基または側基のビニル基に結合している多官能性
高分子量ポリシロキサンを架橋ビニルコポリマーと混合
するならば、従来の最善の組成物の4倍までも高い優れ
た酸素透過性を有し、50%を超えるシロキサン含量でも
硬質コンタクトレンズの要求をみたすに十分な硬さを有
する硬くて、剛性がありそして透明な製品の得られるこ
とを発見した。さらに全く予期しなかったことに、本発
明のシロキサン含有ポリマーがその高いポリシロキサン
含有量にも拘らず従来のPMMA硬質レンズよりもよい湿潤
性をもったものとされ得ることを発見した。
硬質コンタクト‐レンズ物質の剛性に好ましいマクロマ
ーは、(a)SiO(CH312単位当り少くとも1個
のウレタン結合基を含有するもの、(b)ポリシロキサ
ン主鎖に側基として接続している少くとも2個の重合性
ビニル基を含有し、それ故少くとも2個の末端Si(CH
3単位を含有するもの;及び(c)かさばった環
状脂肪族のジイソシアネートから誘導されたウレタン基
を含有するものである。ポリシロキサンマクロマーに結
合されるコモノマーで好ましいものは、自らが重合した
ときに高いガラス転移温度をもった硬質のホモポリマー
を与えるアクリレート及びメタアクリレート、例えばメ
チルメタアクリレート、イソプロピル‐、イソブチル
‐、第三ブチル‐、シクロヘキシル‐またはイソボルニ
ルメタアクリレートである。
本発明は第一に硬質コンタクト‐レンズ材料を目的とす
るものであるが、本発明者等は透明で強いゴム状のポリ
マーもつくり得ることを発見した。生体に拒否されない
移植片、傷の手当のための包帯または軟質コンタクトレ
ンズのような各種の用途に有用な、このようなポリマー
はかくして本発明の他の目的である。このように、強く
てしかも柔軟でかつゴム状のポリマーのもとゝとなるコ
モノマーを用いることが本発明の範囲に含まれる。
本発明は架橋共重合生成物からなるポリマーであって、 (A) 該架橋共重合生成物の15ないし60重量%の線状
または分岐状のポリシロキサンマクロマーまたはその混
合物で、末端基分析またはゲル透過クロマトグラフイに
より測定した約400ないし100,000の分子量を有し、各々
分子量5000のポリシロキサン単位当り少くとも2個の末
端基または側基の重合性オレフイン基を含有し、該オレ
フイン基が少くとも2個のウレタン、チオウレタン、尿
素またはアミド結合を介してポリシロキサンに接続し、
該マクロマーが後に詳記するA1またはA2の構造を有する
ものと、 (B) 該架橋共重合生成物の85ないし40重量%の水溶
性及び水不溶性モノマーまたは水不溶性モノマーで、モ
ノオレフィン、ジオレフィンまたはモノオレフィンとジ
オレフィンの混合物で、全モノマーの85ないし100重量
%が水不溶性であり、全モノマーの重量の25ないし0%
がジオレフィン性であるものとの架橋共重合生成物であ
って、下記マクロマーA1またはA2中のY基中の末端ビニ
ル基と下記モノマーB中のビニル基との反応により生成
する架橋共重合生成物からなるポリマーに関するもので
ある。
1.ポリシロキサン マクロマー(A) 本発明の線状または分岐ポリシロキサンは下記の一般構
造A1またはA2の一つで表わされる。
[式中、 R1は2ないし6個の炭素原子を持つ直鎖状または分岐鎖
状アルキレン基または次式G: (式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、そして
nは1ないし50の整数を表わす。)で表わされるポリオ
キシアルキレン基を表わし、 そしてR2、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rjお
よびRkはメチル基を表わし、 x1とx2は1ないし500の整数を表わすが、ただしx1とx2
の合計は7ないし1000であり、 y1は0ないし14であり、そしてy2は1ないし13である
が、ただし 70を越えないものであり、 Xは式Cで表わされる二価の基: −Z1−CO−NH−R4−NH−CO− (C) (式中、Z1は酸素原子、硫黄原子またはNR5を表わし、
そしてR5は水素原子または炭素原子数1ないし4の低級
アルキル基を表し、Z1がR1に結合しており; そしてR4は脂肪族または脂環族ジイソシアナートからNC
O基を除くことにより得られる二価の基を表す。)を表
し; Yは次式の基: 〔式中、R6は水素原子、メチル基または−COOR5(式
中、R5は水素原子または炭素原子数1ないし4の低級ア
ルキル基を表す。)を表し、 Z2は酸素原子または−NR5−を表わし、 R7とR8は直鎖状または分枝鎖状の2ないし10個の炭素原
子を持つアルキレン基を表す。〕を表わす。]で 表わされる。
(A1)および(A2)の構造を有する化合物はこのように
アクリル基またはメタクリル基、フマル基、マレイン
基、またはイタコン基(Y構造:D)、アリル基(Y構
造:E);またはビニルエーテル基(Y構造:Fのまま)で
あり得るビニル基にジイソシアナート結合によって結合
されるポリシロキサンである。
本発明のポリマーで好ましいものにおいては、 ホリシロキサンの式A1とA2において、 R1が炭素原子数3または4のアルキレン基を表わし、 x1とx2の合計が10ないし100であり、 y1が0ないし2であり、 y2が1ないし3であり、 R4が炭素原子数6ないし10の脂肪族または脂環族ジイソ
シアナートの二価の基であり そして式(D)の基中、R6が水素原子を表わし、R8がエ
チレン基を表わしそしてZ2が−O−または −NC(CH3−を表わす。
最も好ましいポリマーは構造:(A2)で表わされるポリ
シロキサンを含有し、式中、 R4がイソホロンジイソアナートより誘導される二価の基
を表わし、 Z1およびZ2が各々−O−基を表わし、そしてy2が1また
は2を表わす。
2.ビニルモノマー(B) 本発明において有用な水不溶性のビニルモノマー(B1
は: 式:CH2=CR3COOR12のアクリレートまたはメタクリレー
ト、 式:CH2=CR3CONHR12のアクリルアミドまたはメタクリル
アミド、 式:R12OCOCH=CHCOOR12のマレエイトまたはフマレイ
ト、 式:R12OOCC(=CH2)CH2COOR12のイタコネート、 式:R12COOCH=CH2のビニルエステル または式:CH2=CHOR12のビニルエーテル (式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、そしてR
12は炭素原子1ないし21個を含む直鎖状または分枝鎖状
の脂肪族、脂環族または芳香族アルキル(aromatic alk
yl)基であって、エーテル基またはチオエーテル結合ま
たは−CO−基を含有していてもよい基であるか: または酸素、硫黄または窒素原子を含有する複素環置換
アルキル基、 または2ないし50個の繰り返しアルコキシ単位を含むポ
リプロピレンオキシドまたはポリ−n−ブチレンオキシ
ド基を表わすか、または1ないし12個の炭素原子を持つ
ペルフルオル化アルキル基を表わし、 但し、上記ビニルモノマーが独占的に上記式: CH2=CR3COOR12で表わされ、R3が水素原子でありそして
R12が分枝鎖状の脂肪族基である場合は、R12は炭素原子
数3ないし7個又は9ないし21個を含む分枝鎖状の脂肪
族基である。)から選択されているか、またはアクリロ
ニトリル、スチレンまたはα−メチル−スチレンであ
る。
有用なモノマーのなかに含まれるものは: メチル‐;エチル‐;プロピル‐;イソプロピル;ブチ
ル‐;イソブチル‐;第三ブチル‐;エトキシエチル
‐;メトキシエチル‐;ベンジル‐;フエニル‐;シク
ロヘキシル‐;トリメチルシクロヘキシル‐1;イソボル
ニル‐;ジシクロペンタジエニル‐;ノルボニルメチル
‐;シクロドデシル‐;1;1,1,3,3-テトラメチルブチル
‐1;n-ブチル‐;n-オクチル‐;2-エチルヘキシル‐;デ
シル‐;ドデシル‐;トリデシル‐;オクタデシル‐;
グリシジル‐;エチルチオエチル‐;フルフリル‐;ヘ
キサフロロイソプロピル‐;1,1,2,2-テトラヒドロペル
フルオロドデシル‐;トリ‐,テトラまたはペンタ‐シ
ロキサニルプロピル‐アクリレート及びメタアクリレー
ト、ならびに対応するアミド;N-(1,1-ジメチル‐3-オ
キソブチル)アクリルアミド;モノ‐及びジメチルフマ
レート、マレエート及びイタコネート;ジエチルフマレ
ート;イソプロピル及びジイソプロピルフマレート及び
イタコネート;メチルビニルエーテル及びメトキシエチ
ルビニルエーテル;ビニルアセテート、ビニルプロピオ
ネート、ビニルベンゾエート、アクリロニトリル、スチ
レン及びアルフアメチルスチレン。
コンタクト‐レンズに利用するために必要な高透明度を
得るためには対応ポリマーの溶解性指標(δ)及び/ま
たは屈折率(RI)の値がポリジメチルシロキサンの値
(δ=15;R1=1.43)によく釣合うコモノマーまたはコ
モノマー混合物を用いるのが特に有利である。このよう
なモノマーは、例えばイソボルニルメタアクリレート、
第三ブチルメタアクリレート及びハイドロカーボンメタ
アクリレート(RI1.46)のヘキサフルオロイソプロピル
メタアクリレート;トリフルオロエチルメタアクリレー
ト;アルキル基が5ないし12個の炭素原子からなる炭素
鎖である1,1,2,2-テトラヒドロペルフルオロアルキルメ
タアクリレートまたは4-チア‐6-ペル‐フルオロアルキ
ル‐ヘキシルメタアクリレートのような弗素含有モノマ
ー(1.38ないし1.40のRI)(δ<15)との混合物であ
る。そのうえ、ペルフルオロアルキル基含有モノマーは
ポリシロキサンとの相乗作用にポリマーの酸素透過性を
大いに強める;このような理由でそれらは特に好ましい
コモノマーである。
硬質レンズを製造するために好ましいコモノマー含有量
は全ポリマーの50ないし85重量%であり、好ましいコモ
ノマーはメチルメタアクリレート、シクロヘキシルメタ
アクリレート、イソボルニルメタアクリレート、イソプ
ロピルメタアクリレート、イソブチルメタアクリレー
ト、第三ブチルメタアクリレートまたはヘキサフルオロ
イソプロピルメタアクリレートまたはその混合物であ
る。
最も好ましいコモノマーはメチルメタアクリレート、イ
ソボルニルメタアクリレート、イソプロピルメタアクリ
レート、イソブチルメタアクリレートまたはシクロヘキ
シルメタアクリレートまたはその混合物である。
また、メチルメタアクリレート及び/またはイソボルニ
ルメタアクリレートと全モノマーの1ないし25重量%の
短鎖架橋剤、ネオペンチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメチルアクリレートまたは1
モルのイソホロンジイソシアネートと2モルの2-ヒドロ
キシエチルメタアクリレートとの反応生成物との混合物
も最も好ましい。
硬質レンズを製造するための他の最も好ましいコモノマ
ー系は、ビニルアセテート/ジメチルマレエート(2/1
ないし5/1のモル比)に上に列記した好ましいメタアク
リレートモノマーを加えたものである。
軟質レンズを製造するために好ましいコモノマーは、2-
エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタア
クリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタアク
リレート、n-オクチルアクリレート、n-オクチルメタア
クリレート、n-デシルアクリレート、n-デシルメタアク
リレート、ペルフルオロアルキル(炭素原子数6ないし
10)置換アルキルアクリレートまたはメタアクリレート
またはその混合物である。
本発明のポリマーから製造されたコンタクトレンズはフ
イラーを含まず、加水分解せず、菌類に対し不活性で透
明であり、人の角膜の要求に見合う十分な酸素の輸送を
許すに十分な酸素透過性を有する。
本発明において有用な水溶性ビニルモノマー(B2)で好
ましいものは一般式: で表わされるアクリレート及びメタアクリレート、 (式中、R13は1個またはより多くの水溶性化基、例え
ばカルボキシ基、ヒドロキシ基または第三アミノ基によ
り置換された炭素原子1個ないし10個を有する炭化水素
基または2ないし100の繰返し単位をもったポリエチレ
ンオキシド基、またはサルフエート、ホスフエート、ス
ルネートまたはホスホネート基を含有する基を表わ
す。)である。
次式: (式中、R14はR13またはR5を表わす。)で表わされるア
クリルアミドまたはメタアクリルアミド、 次式: で表わされるアクリルアミドまたはメタアクリルアミ
ド、 次式: で表わされるマレエートまたはフマレート、 次式: H2C=CH-OR13 で表わされるビニルエーテル、 N-ビニル‐2-ピロリドンのようなN-ビニル‐ラクタムで
ある。
有用な水溶性モノマーの中に包含されるものは: 2-ヒドロキシエチル‐;2-及び3-ヒドロキシプロピル
‐、2,3-ジヒドロキシプロピル‐;ポリエトキシエチル
‐;及びポリエトキシプロピル‐アクリレート及びメタ
アクリレートならびに対応するアクリルアミド及びメタ
アクリルアミド。
サクローズ‐、マノーズ‐、グルコーズ‐、ソルビトー
ル‐アクリレート及びメタアクリレート。
アクリルアミド及びメタアクリルアミド;N-メチルアク
リルアミド及びメタアクリルアミド、ビスアセトン‐ア
クリルアミド;2-ヒドロキシエチルアクリルアミド;ジ
メチル‐アクリルアミド及びメタアクリルアミド;メチ
ロールアクリルアミド及びメタアクリルアミド。
N,N-ジメチル‐及びN,N-ジエチル‐アミノエチルアクリ
レート及びメタアクリレートならびに対応するアクリル
アミド及びメタアクリルアミド;N-第三ブチルアミノエ
チルメタアクリレート及びメタアクリルアミド;2-及び4
-ビニルピリジン;4-及び2-メチル‐5-ビニルピリジン;N
-メチル‐4-ビニルピペリジン;1-ビニル‐及び2-メチル
‐1-ビニル‐イミダゾール;ジメチルアミン及びメチル
ジアリルアミン。パラ‐及びオルト‐アミノスチレン;
ジメチルアミノエチルビニルエーテル;N-ビニルピロリ
ドン;2-ピロリジノエチルメタアクリレート。
アクリル及びメタアクリル酸; イタコン‐、シナミン‐、クロトン‐、フマール‐マレ
イン酸及びその低級ヒドロキシアルキルモノ‐及びジエ
ステル、例えば2-ヒドロキシエチル‐及びジ(2-ヒドロ
キシ)エチルフマレート、‐マレエート及びイタコネー
ト及び3-ヒドロキシプロピル‐ブチルフマレート及びジ
‐ポリアルコキシアルキル‐フマレート、マレエート及
びイタコネート。
無水マレイン酸; ナトリウムアクリレート及びメタアクリレート、2-メタ
アクリロイルオキシエチルスルホン酸、2-アクリルアミ
ド‐2-メチルプロパンスルホン酸、2−ホスフアトエチ
ルメタアクリレート、ビニルスルホン酸、ナトリウムビ
ニルスルホネート、p−スチレンスルホン酸、ナトリウ
ムp−スチレンスルホネート及びアリルスルホン酸。
ハロゲン化炭化水素、例えばメチルアイオダイド、ベン
ジルクロライドまたはヘキサデシルクロライドのような
選ばれたアルキル化剤による四級化によって得られた陽
イオン性モノマーの四級化誘導体;グリシドール、エピ
クロルヒドリン、エチレンオキサイドのようなエポキシ
ド;メチルサルフエート;プロパンサルトンもまた包含
される。
本発明の関係で有用な水溶性モノマーの一層完全なリス
トは、アール・エツチ・ヨカム(R・H・Yocum)、イ
ー・ビー・ニキスト(E・B・Nyquist)、機能性モノ
マー(Functional Monomers);第1巻、第424-440頁
〔エム・デッカー(M・Dekker)ニューヨーク1973〕に
含まれている。
好ましいモノマーは: (B1):メチルメタアクリレート、シクロヘキシルメタ
アクリレート、イソボルニルメタアクリレート;t-ブチ
ル及びイソブチルメタアクリレート、イソプロピルアク
リレート、ヘキサフルオロイソプロピルメタアクリレー
ト。
(B2):2-ヒドロキシエチルメタアクリレート;N,N-ジメ
チルアクリルアミド;アクリル及びメタアクリル酸;N-
ビニル‐2-ピロリドン。
広範囲のジビニル化合物がモノビニル化合物に添加して
使用することができる。実際、全モノマーBの1ないし
25重量%がジオレフィン性モノマー(Bx)であり得る。
ジオレフィン性モノマーの例としては:アリルアクリレ
ートおよびメタクリレート、エチレングリコール‐、ジ
エチレングリコール‐、トリエチレングリコール‐、テ
トラエチレングリコール‐、および一般的にポリエチレ
ンオキシドグリコールジアクリレートおよびジメタクリ
レート;1,4-ブタンジオールおよびポリ‐n-ブチレンオ
キシドグリコールジアクリレートおよびジメタクリレー
ト;プロピレングリコールおよびポリプロピレンオキシ
ドグリコールジアクリレートおよびジメタクリレート;
チオジエチレングリコールジアクリレートおよびジメタ
クリレート;ジ(2-ヒドロキシエチル)スルホンジアク
リレートおよびジメタクリレート;ネオペンチレングリ
コールジアクリレートおよびジメタクリレート;トリメ
チロールプロパントリ‐およびテトラアクリレート;ペ
ンタエリスリトールトリ‐およびテトラアクリレート;
ジビニルベンゼン;ジビニルエーテル;ジビニルスルホ
ン;ジシロキサニル−ビス‐3-ヒドロキシプロピルジア
クリレートまたはメタクリレートおよび関連した化合
物;ビスフェノールAジアクリレートまたはジメタクリ
レート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート
またはジメタクリレート;メチレンビスアクリルアミド
またはメタクリルアミド、ジメチレンビスアクリルアミ
ドまたはメタクリルアミド;N,N′‐ジヒドロキシエチレ
ンビスアクリルアミドまたはメタクリルアミド;ヘキサ
メチレンビスアクリルアミドまたはメタクリルアミド;
デカメチレンビスアクリルアミドまたはメタクリルアミ
ド;アリル‐およびジアルキルマレエート、トリアリル
メラミン、ジアリルイタコネート、ジアリルフタレー
ト、トリアリルホスファイト、ポリアリルサッカロー
ス、サッカロースジアクリレート、グルコースジメタク
リレート;更に不飽和ポリエステル例えばポリ(アルキ
レングリコールマレエート)およびポリ(アルキレング
リコールフマレート)、同様にポリ(プロピレングリコ
ールマレエート)およびポリ(ポリアルキレンオキシド
グリコールマレエート)が挙げられる。
また、架橋剤としても有用なものは、構造式OCN-R4-(N
CO)または(式中、R4は下記のものと同様の意味を
表わす。)で表わされるジ‐またはトリ‐イソシアネー
ト1モルと、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメ
タクリレート、またはヒドロキシアルキルビニルエーテ
ルまたはアリルアルコール、またはN-第三ブチルアミノ
エチルメタクリレート、またはビス−ヒドロキシエチル
マレエートまたは下記の活性水素を含む化合物の任意の
もの2または3モルとを反応させることにより得られる
反応生成物が挙げられる。
好ましいジオレフィン性モノマー(Bx)としてはアリル
アルコール、炭素原子2個ないし6個を含む直鎖状また
は分岐鎖状アルキレングリコール、ポリ(エチレンオキ
シド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコ
ール、ポリ(n-ブチレンオキシド)グリコール、チオジ
エチレングリコール、ネオペンチレングリコール、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトールのアクリレ
ートまたはメタクリレート;または構造式OCN-R4-(NC
O)v(式中、R4は上記において定義されたものと同じ
意味を表わし、そしてvは1または2である。)で表わ
されるジ‐またはトリ‐イソシアネート1モルと、ヒド
ロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート2ま
たは3モルとを反応させることにより得られる反応生成
物が挙げられる。
最も好ましい二官能性コモノマー(Bx)としては、ネオ
ペンチレングリコールの全モノマーに対して1ないし25
重量%、イソホロンジイソシアネート1モルと2-ヒドロ
キシエチルメタクリレート、またはエチレングリコール
ジメタクリレート2モルとの反応生成物が挙げられる。
上記モノマーは単独またはランダム共重合が起ることを
確実にするために共重合パラメータに必要な注意を向け
ながら、互いに組み合せて使用することができる。更
に、もし本発明のポリマーをコンタクトレンズのために
使用するときは、高い透明度および無色であることが適
当なモノマーの組み合せを選ぶために重要である。
本発明の好ましい具体例としては、成分AがA1またはA2
のポリシロキサン構造を表わし、R1が炭素原子数3ない
し4のアルキレン基を表わし、R2,Ra,Rb,Rc,Rd,Re,Rf,R
g,Rh,Ri,RjおよびRkが各々メチル基を表わし、X1+X2
10ないし100であり、Y1が0ないし2であり、Y2が1な
いし3であり、mは1であり、E1,E2,E3,T1およびT2
各々直接結合またはジイソシアネートの二価残基を含
み、ポリシロキサン単位を含む重縮合物鎖を表わし、そ
してウレタン基によりR1に結合しており、そしてE1,E2
およびE3またはT1およびT2の少なくとも一つは直接結合
を表わさず、Xは‐Z1-CONH-R4-NHCO-基(式中、Z1は‐
O-基または‐NH-基を表わす。)を表わし、そしてR4
炭素原子6個ないし10を含む脂肪族または脂環族ジイソ
シアネートの二価の基を表わし、そしてYは次式: [式中、R6は水素原子を表わし、R8はエチレン基を表わ
し、R9は直接結合を表わし、11は1であり、そしてZ2
‐O-基または‐NC(CH33-基を表わし、そして成分B
が、アリルアルコール、炭素原子数2ないし6の直鎖状
または分岐鎖状アルキレングリコール、ポリ(エチレン
オキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グ
リコール、ポリ(n−ブチレンオキシド)グリコール、
チオジエチレングリコール、ネオペンチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、またはペンタエリスリト
ールのアクリレートまたはメタクリレート;または構造
式OCN-R4-(NCO)v(式中、R4は上記において定義され
たものと同じ意味を表わし、そしてvは1または2であ
る。)で表わされるジ‐またはトリ‐イソシアネート1
モルをヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリ
レート2または3モルと反応させることにより得られる
反応生成物を表わすジオレフィン性モノマー(Bx)を全
モノマーに対して1ないし25%含むポリマーが挙げられ
る。
マクロマー(A)のための出発物質として有用な多官能
性ポリシロキサンは構造式IまたはII: [式中、R1,R2,Ra,Rb,Rc,Rd,Re,Ra,Rf,Rg,Rh,Ri,Rj,Rk,
Z1,x1,x2,y1およびy2は上記と同じ意味を表わす。]で
表わされる。
プレポリマー中間体を作るとのに有用なジ‐またはトリ
‐イソシアネートとして下記の構造式: OCN-R4(NCO)または[そして下記の化合物を含
む:エチレンジイソシアネート、1,2-ジイソシアネナト
プロパン、1,3-ジイソシアナトプロパン、1,6-ジイソシ
アナトヘキサン、1,2-ジイソシアナトシクロヘキサン、
1,3-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4-ジイソシアナ
トシクロヘキサン、o-ジイソシアナトベンゼン、m-ジイ
ソシアナトベンゼン、p-ジイソシアナトベンゼン、ビス
(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4-イ
ソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4-イソシア
ナトフェニル)メタン、トルエンジイソシアネート、3,
3-ジクロロ‐4,4′‐ジイソシアナトビフェニル、トリ
ス(4-イソシアナトフェニル)メタン、1,5-ジイソシア
ナトナフタレン、水素化トルエンジイソシアネート、1-
イソシアナトメチル‐5-イソシアナト‐1,3,3-トリメチ
ルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート)、
1,3,5-トリス(6-イソシアナトヘキシル)ビユレット、
1,6-ジイソシアナト‐2,2,4-(2,4,4)‐トリスメチル
ヘキサン、2,2′‐シイソシアナトジエチルフマレー
ト、1,5-ジイソシアナト‐1-カルボキシペンタン;1,2-,
1,3-,1,5-,1,6-,1,7-,1,8-,2,7-および2,3-ジイソシア
ナトナフタレン;2,4-および2,7-ジイソシアナト‐1-メ
チルナフタレン;1,4-ジイソシアナト‐メチルシクロヘ
キサン;1,3-ジイソシアナト‐6(7)−メチルナフタ
レン;4,4′‐ジイソシアナトビフェニル;4,4′‐ジイソ
シアナト‐3,3′‐ジメトキシビフェニル;3,3′‐およ
び4,4′‐ジイソシアナト‐2,2′‐ジメチルビフェニ
ル;ビス(4-イソシアナトフェニル)エタン;ビス(4-
イソシアナトフェニル)エーテル]で表わされる脂肪
族、脂環族または芳香族ポリイソシアネートが挙げられ
る。
ジイソシアネートは単独または互いに組み合せて使用す
ることができる。
ポリシロキサンポリイソシアネートの末端を塞ぐために
有用な活性水素を含むモノマーとしては下記の構造式で
表わされる化合物: [式中、R3,R6,R8,R9およびZ2は上記と同じ意味を表わ
し、従つて活性水素を含むアクリレート、メタクリレー
ト、同様にジ‐およびトリアクリレートおよびメタクリ
レート;フマレート、マレエートおよび対応するアミド
例えば:2-ヒドロキシエチル‐;2-および3-ヒドロキシプ
ロピル‐;2,3-ジヒドロキシプロピル‐;ポリエトキシ
エチル‐;ポリエトキシプロピル‐;ポリプロキシ‐プ
ロピル‐アクリレートおよびメタクリレート、同様に対
応するアクリリル‐およびメタクリルアミド;2-ヒドロ
キシエチルおよびビス(2-ヒドロキシエチル)フマレー
ト、およびイタコネート;ヒドロキシプロピルブチルフ
マレート;N-(2-ヒドロキシエチル)マレイミドおよびN
-(2-ヒドロキシエトキシ‐エチル)マレイミド;第三
ブチルアミノエチルメタクリレート、ペンタエリスリト
ールモノ‐、ジ‐、およびトリアクリレートを表わ
す。]が挙げられる。
他の有用な化合物の群としてはアリルアルコールおよび
メタリルアルコールおよびジアリルアミンの様なアリル
性モノマー;および下記の構造式: H2C=CH−O−R7−OH [式中、R7は上記と同じ意味を表わす。]で表わされる
ビニルエーテル例えば4-ヒドロキシブチルビニルエーテ
ルが挙げられる。
本発明に関して有用なモノマーの一覧表はR.H.Yocum,E.
B.Nyquist;官能性モノマー(Functional Monomers),Vo
l.1,p.424〜440(M.Dekker,N.Y.1973)中に記載されて
いる。
ポリシロキサン‐ポリイソシアネートプレポリマーは、
塩基または金属触媒を使用し、そしてCO2の放出を伴う
アミド結合によって不飽和酸によってもまた末端を塞ぐ
ことができる。有用な酸としては:アクリル酸、メタク
リル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、桂皮酸が
挙げられる。
モノマーB1およびB2、ジイソシアネートおよびAのため
の多官能性ポリシロキサン出発物質は市販の大きな品目
である。
ポリシロキサンマクロマーは対応する多官能性ポリシロ
キサンより2段階合成によって都合よく得られる。これ
は最も好ましい場合はジオールまたはポリオールである
がしかし、これらはまたアミノ官能性またはメルカプト
官能性ポリシロキサンであり得る。第一段階として、ポ
リシロキサンをバルクまたは溶液中で慣用の触媒のいず
れかの存在下で、ジ‐またはトリイソシアネートの所定
量と反応させる。これらの触媒は例えばトリエチルアミ
ン、ピリジンまたはジアミノビシクロオクタンのような
化合物を含む第三アミノ化合物群、またはジブチル錫ジ
ラウレートまたはスタナスオクトエートのような金属系
触媒であり得る。反応は乾燥窒素ブランケットの下で室
温または高温で行われ、そしてNCO-滴定またはIR分析に
より都合よく確認することができる。ジイソシアネート
の場合は、%NCOは元の値より算出されたパーセントに
減少し、そして第一段階の反応生成物はポリシロキサン
ジイソシアネートよりなる。第一反応段階の間のOH基に
対するNCO基のモル比は1:1.5ないし1:3であり得るもの
であり、そして好ましくは1:2.05〜1:2.1の範囲であ
る。
反応の第2段階は、ヒドロキシまたはアミノ官能性ビニ
ル化合物、最も一般的には2-ヒドロキシエチルメタクリ
レートによって上記のポリイソシアネートの末端を塞ぐ
ことよりなる。末端閉塞モノマーは少なくともわずかに
過剰量、すなわちOH,SH,NH/NCOの典型的なモル比で1.05
/1またはより多量に使用するのが好都合である。良好な
湿潤特性を付与するために最終ポリマーに水溶性モノマ
ーの少量を加えることが好ましい実施態様なので、ヒド
ロキシまたはアミノ官能性モノマーの大過剰の存在は不
利益なものとはならない。反応は追加の触媒の必要もな
く数時間にわたって室温または高温で進行する。通常被
毒物が全く存在しないようにするため、酸素を除去し
た、窒素ブランケットが必要欠くべかざるものである。
反応の終点は‐NCO基を確認することによりIRによって
容易に決定される。
例えば非常な高粘性物質の場合は、最終的な所望のポリ
マー組成物に対応するモノマー溶液中でマクロマー合成
の第二段階を行うことが、しばしば現実的である。
1当量の反応性ポリシロキサンを約2当量のジイソシア
ネートと反応させることにより、イソシアネートで末端
を塞いだポリシロキサンを得ることが好ましいが、重縮
合速度論の法則に従って一定量の鎖が延長した生成物
(末端を塞がれたポリマーはジイソシアネート単位によ
り結合した2つのポリシロキサン鎖を含む。)が生成し
得るものであり、そして例えばゲルパーミエーシヨンク
ロマトクラフィーによって分析することができる。重縮
合特にポリウレタンの化学における当業者により通常使
用される鎖延長反応により構造式IおよびIIで表わされ
るポリシロキサンより得られるポリシロキサンプレポリ
マーを使用することもまた本発明の範囲に入る。上記の
鎖延長は例えば前述のポリシロキサンジオール、ジチオ
ールまたはジアミンと:二酸塩化物または無水物または
二無水物例えばテレフタロイルクロリド、アジピン酸ク
ロリド、マレイン酸無水物、フタル酸無水物またはベン
ゾフェノン‐テトラカルボン酸および二無水物;上記構
造のジイソシアネートとの重縮合により行うことがで
き、この場合は前述のNCO-閉塞マクロマーの製造のため
の合成段階は‐OH;-SHまたは‐NH2基に対してNCOを2:1
過剰よりも少なく用いて簡単に行われ;同様にヒドロキ
シ‐ビニル化合物によって行われる最終閉塞段階の前に
得られるNCO-末端プレポリマーはポリウレタン技術にお
ける公知方法に基づいてジオールまたはジアミン例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ヘキサンジオール、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシドまたはn-ブチレンオキシド繰り返し単位を
含むポリエーテルジオール;ポリエステルジオール;エ
チレンジアミン、ヘキサンジアミンおよび一般的にポリ
アルキレンオキシドより誘導されるジアミンを含むジ第
一またはジ第二アミンを用いて鎖延長が可能である。こ
れらの鎖延長反応による程度に応じて、添加アミド、ウ
レタンまたは尿素基は構造中に導入され、これらは水素
結合によってポリマーの剛性および透明性に寄与する。
しかしながら、前述の種類の鎖延長はプレポリマーの総
てにわたるポリシロキサン含有量を希釈し、従って最終
ポリマーにおける高い酸素透過性を維持するためには上
記プレポリマーの多量が必要である。
本発明の透明で、硬くそして酸素透過性のポリマーはバ
ルクまたは溶媒の少量の存在下でフリーラジカル共重合
により最終合成段階で製造される。重合は好ましくはフ
リーラジカル発生開始剤の存在下で、例えば約40℃ない
し約105℃の範囲の温度に加熱することにより都合好く
行われ、好ましい温度範囲は約50℃および約100℃の間
である。これらの開始剤は重合温度において少なくとも
20分の半減期を有する過酸化物またはアゾ触媒である。
典型的な有用な過酸化化合物としては:イソプロピルペ
ルカーボネート、第三ブチルペルオクトエース、ベンゾ
イルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、デカノイ
ルペルオキシド、アセチルペルオキシド、こはく酸ペル
オキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、第三ブチ
ルペルオキシアセテート、プロピルオニルペルオキシ
ド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、第三ブチル
ペルオキシピバレート、ペラルゴニルペルオキシド、2,
5-ジメチル‐2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキ
シ)ヘキサン、p-クロロベンゾイルペルオキシシド、第
三ブチルペルオキシブチレート、第三ブチルペルオキシ
マレイン酸、第三ブチルペルオキシイソプロピルカーボ
ネート、ビス(1-ヒドロキシシクロヘキシル)ペルオキ
シド;アゾ化合物としては:2,2′‐アゾ‐ビス‐イソブ
チロニトリル):2,2′‐アゾ‐ビス(2,4-ジメチルパレ
ロニトリル);1,1′‐アゾ‐ビス(シクロヘキサンカー
ボニトリル)、2,2′‐アゾ‐ビス(2,4-ジメチル‐4-
メトキシパレロニトリル)が挙げられる。
他のフリーラジカル発生機構としては例えばX線、電子
ビームによる照射およびUU-照射などを用いることがで
きる。コンタクトレンズの製造は、光開始剤例えばジエ
トキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2,2-ジメトキシ‐2-フェニルアセトフエ
ノン、フェノチアジン、ジイソプロピルキサントゲンジ
スルフイドの存在下でのUV照射によっては失敗し、ベン
ゾインおよびベンゾイン誘導体を用いる方法が好まし
い。
開始剤の量はモノマーおよびマクロマーの重量に対して
0.002%から1%まで変えることができるが、しかし好
ましくは0.03ないし0.3重量%である。
シリンダー形状のポリマーを製造するための好ましい実
験室的方法は、マクロマー、モノマーおよび触媒の好ま
しい組成物を用いて可撓性ポリマー円筒を充填し、そし
て80℃で約2時間混合物を反応させることによりなる。
最終物品は、円筒を軸方向に切り開き、そしてポリマー
物品よい剥ぎ取ることにより除去する。
ポリマーを製造するための別の好ましい方法は光開始剤
の存在下で、そしてUV透過性のプラスチック成形型例え
ばポリプロピレン製の成形型を使用して紫外線で照射す
る方法である。
反応は、もし開放成形型中で行われる場合は、好ましく
は不活性雰囲気中で行われる。酸素は重量を妨げ、そし
て重合時間を延長せしめる。もし密閉成形型が物品を作
るために使用されるときは、成形型は低酸素透過性およ
び非粘着性を有する不活性素材で作られる。適する成形
型の素材の例としてはポリ(テトラフルオロエチレン)
例えばテフロン (Teflon )、シリコンゴム、ポリエ
チレン、ポリプロピレンおよびポリエステル例えばマイ
ラー (Mylar )が挙げられる。もし適する成形型剥
離剤が用いられるときはガラスおよび金属製成形型も使
用し得る。
本発明の透明で酸素透過性のポリマーはビニルコモノマ
ー成分(B)30〜92%と共重合させたマクロマー(A)
8〜70%よりなる。
好ましくは、ポリマーはマクロマー(A)15〜60%とビ
ニル化合物85〜40%よりなる。
本発明のポリマーは硬質コンタクトレンズ素材または硬
質コンタクトレンズ素材として有用であるように調製す
ることができる。異なるコモノマーおよび異なる水準の
ポリシロキサンマクロマーがどちらかのコンタクトレン
ズの型に関して所望の性能を付与するために必要であ
る。
ハードコンタクトレンズ組成物用にポリシロキサンおよ
びビニルモノマーを選択するには、充分な寸法安定性と
酸素透過性を有する透明なポリマーを与えるであろう混
合物に到達することが勿論重要である。時には、コモノ
マーの混合は、相分離とそれによる不透明化を避けるの
に有利である。また、高分子量のポリシロキサンでより
も比較的低分子量のポリシロキサンで透明製品を得るこ
とが容易である。二つの架橋結合間が短い鎖長のポリシ
ロキサンは、またより硬く、更に寸法安定性のポリマー
を与える。しかしながら、これらのものの酸素透過率
は、長い鎖長を有しそのため低い架橋密度のポリシロキ
サンに比べて減少する。モノマーとポリシロキサンマク
ロマーの適切な選択によって、本発明のシリコーンポリ
マーの物性及び酸素透過率を可成りの程度に仕立て上げ
ることができる。
ハードコンタクトレンズを作るために、好ましいポリマ
ーは、(A)ポリシロキサンマクロマー約15ないし約35
重量%および(B)水不溶性モノマー(B1)、水溶性モ
ノマー(B2)並びにジオレフィンモノマー(Bx)の混合
物約85ないし65重量%の架橋共重合生成物からなる(こ
の場合、モノマーの全重量に対する重量%では、B1は約
60ないし95%、B2は約15ないし0%、そしてBxは約25な
いし約5%である)。好ましい水不溶性モノマーB1は、
メチルメタクリレート、イソピロピルメタクリレート、
イソブチルメタクリレート、第3ブチルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタ
クリレートまたはこれらの混合物である。好ましい水溶
性モノマーB2の例は、2-ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、N,N-ジメチルアクリルアミド、アクリル酸、メタク
リル酸、N-ビニル‐2-ピロリドンまたはこれらの混合物
である。好ましいジオレフインモノマーBxは、ネオペン
チレングリコールジアクリルレート、エチレングリコー
ルジメタクリレートまたはイソホロンジイソシアネート
1モルと2-ヒドロキシエチルメタクリレート2モルとの
反応生成物である。
ソフトコンタクトレンズを作るために、好ましいポリマ
ーは、(A)ポリシロキサンマクロマー約40ないし約60
重量%および(B)水不溶性モノマー(B1)、水溶性モ
ノマー(B2)並びにジオレフインモノマー(BX)の混合
物約60ないし約40重量%の架橋共重合組成物からなる。
この場合モノマーの全重量に対する重量%で、B1は約75
ないし100%、B2は約25ないし0%、そしてBXは約5な
いし0%である。好ましい水不溶性モノマー(B1)は、
エチルアクリレートまたはメタクリレート、n-ブチルア
クリレートまたはメタクリレート、n-ヘキシルアクリレ
ートまたはメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレ
ートまたはメタクリレート、n-オクチルアクリレートま
たはメタクリレート、n-デシルアクリレートまたはメタ
クリレートまたはこれらの混合物並びにこれらの混合物
とメチルまたはイソボルニルメタクリレートとの混合物
である。好ましい水溶性モノマー(B2)およびジオレフ
インモノマー(BX)はハードコンタクトレンズの製造用
に上記したものである。
ハードコンタクトレンズを作るための好ましいポリマー
の例は、(A)構造A2(但し、R4はイソホロンジイソシ
アネートから誘導されるジラジカルを表わし、Z1および
Z2はそれぞれ‐O-を表わし、y2は2を表わす)で表わさ
れるポリシロキサン30重量%および(B)モノマー(こ
の場合、全モノマーに対する重量%で、B1はメチルメタ
クリレート71.4%であり、B2は2-ヒドロキシエチル5.7
%であり、そしてBxはネオペンチレングリコールジアク
リレート22.9%である。)70重量%からなる。
ソフトコンタクトレンズを作るための好ましいポリマー
の例は、(A)構造A2(但しR4はイソホロンジイソシア
ネートから誘導されるジラジカルを表わし、Z1およびZ2
はそれぞれ‐O-を表わし、y2は2を表わす)で表わされ
るポリシロキサン50重量%および(B)モノマー(但
し、全モノマーを基準とする重量%で、B1はメチルメタ
クリレート/2-エチルヘキシルアクリレートの50/50混合
物80%であり、B2は2-ヒドロキシエチルメタクリレート
20%である。)50重量%からなる。
本発明は、第1には硬い、寸法安定性のコンタクトレン
ズの製造に向けられてはいるが、硬く剛性のあるものか
らゴムのような弾性のあるそして軟い、広い範囲の物性
を有する丈夫な、O2-透過性のポリマーを作るために前
記のモノマーのいずれかを使用することは本発明の範囲
内のものである。そのようなソフトポリマーは、例え
ば、包帯として、またはソフトコンタクトレンズとし
て、それらを疎水性の表面の湿潤性を増加するのに使用
される通常用いられる方法、例えばプラズマ処理や放射
性グラフトおよび酸化処理のいずれかによって処理した
とき、特に有用である。
これらの良好な組織(tissue)適合性(Compatibilit
y)と酸素透過率および強度と弾性のために、本発明の
ポリマーは温血動物の筋肉内のおよび皮下組織内の移植
材(implant)として、およびコンタクトレンズ材料し
て特に適する。同じ理由から、本発明の材料は、代用血
管または体外シヤント(shunts)に形成することもでき
る。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、比酸素透過率(O2DK)は空気‐
飽和水性環境下で35℃にてポーラログラフ電極で溶解酸
素の透過率を測定することによって決定され、そして次
の単位で表わされる。
湿潤性は、36℃のオクタンで飽和した蒸留水中に浸漬し
た1mmの試料シートの下面に立上がったn-オクタンの液
滴の接触角を測定することによって決定する。この測定
においては、大きな数は大きな湿潤性を意味する。
硬度は、シヨア−D型押込硬度計を用いて、直径10mm、
高さ8mmのセンターカットボタンの磨き面で測定する。
実施例1 ポリシロキサンマクロマー(macromer)の調製 機械的撹拌器、温度計、冷却器および窒素導入管を備え
た容量1の三首フラスコに、ワイプドフイルムエバポ
レーター(wiped-film evaporator)を通して揮発分を
蒸留除去したポリジメチルシロキサン‐トリオール(ダ
ウコーニング(DOW CORNING)社製、液体1248)186.6g
(0.03モル)を入れる。それから、1-イソシアナトメチ
ル‐5-イソシアナト‐1,3,3-トリメチルシクロヘキサン
(イソホロンジイソシアネート、IPDI)21.0g(0.0945
モル)を、触媒としてのジブチルスズジラウレート0.02
5gと一緒に加える。その後、この混合物を窒素雰囲気下
温度調節された水浴上で50℃にて5時間撹拌する。その
とき、滴定による測定でNCO含量が1.94%(理論値は2.0
0%)になった。
それから、上記で作られたポリジメチルシロキサントリ
イソシアネートプレポリマー169,4gをヒドロキシエチル
メタクリレート(HEMA)10.2gで希釈し、そして赤外ス
ペクトルでイソシアネートバンドが無くなることによっ
て測定されるように、全NCO基が反応してしまうまで窒
素雰囲気下室温にて撹拌する。得られた生成物はメタク
リレート末端ポリシロキサン>99.9%と成る程度の連鎖
延が起ったことを示す少量のHEMA-末端閉塞IPDIとから
なる。このことはまたゲル透過クロマトグラフイーによ
っても確認される。
実施例2〜17 ポリマー試料の調製 実施例1で作ったポリシロキサンクロマーの各30gを表
1に示した割合でコモノマーと混合する。1-ヒドロキシ
シクロヘキシルフエニルケトン(紫外線(UV)重合開始
剤A)を加え、それぞれの混合物を充分に脱ガスし、そ
れから窒素雰囲気下で貯蔵する。各混合物の一部をシラ
ン処理したガラス板の間で厚さ0.1mmのフイルムを作る
のに使用する。厚さ0.1mmのマイラー(MYLAR)(デュポ
ン社製のポリエステルフイルム)をスペーサーとして用
い、そして成形型をクランプで一体的に保持する。成形
型をブラックライトブルー〔シルバニア(SYLVANIA)〕
ランプからのUV光に3時間曝らす。その後、ポリマーを
酸素透過率の測定に使用するために成形型からとり出
す。
同じ方法で、各モノマー‐マクロマー混合物から1mm厚
のシートを注型し、湿潤性の測定に使用する。
各モノマー‐マクロマー混合物の残りの部分は、定容量
注射器で直径14mm、高さ8mmのポリプロピレン製型内に
充填され、ゆるく止められる凸状ポリプロピレン製カバ
ーによってシールされる。各型をトレーの中に入れ、窒
素散布箱内で上記ランプを用いて照射する。照射は最初
混合物がゲル化するまで(15分間)下からのみ行い、次
に上下から全3時間照射する。その後、各型を開き、ポ
リマーのボタンを取り出す。いくつかのボタンは円形表
面に対して平行方向と垂直方向の両方で半分に切断さ
れ、そして切断面は硬度測定のために研磨される。
下記の表の数値は、選ばれたコモノマーのO2・DK、湿潤
性および硬度についての効果を示す。これらのポリマー
は、ヤング率>1(GPa)の値を有する。
下記の実施例はO2DKおよび湿潤性についてのポリシロキ
サン‐マクロマー含量の効果を示す。
実施例18〜26 前記実施例2〜17の実施例に記載した手順にしたがっ
て、実施例1で作ったマクロマーを表2に示した種々の
量のモノマーと混合し、混合物を0.1mm厚と1.0mm厚のフ
イルムに重合した。各ポリマーについて、前記のように
して、酸素透過率および湿潤性を試験した。
実施例27〜29 下記の実施例は、親水性コモノマー(ジメチルアクリル
アミド)の使用による効果を示す。実施例18〜26に記載
したと同じ手順で行われる。
実施例30〜34 下記の実施例は追加の架橋剤のO2DK、湿潤性および硬度
についての効果を示す。
実施例2〜17に記載した手順にしたがって、実施例1で
得たマクロマーを下表に示した割合でコモノマーと混合
した。混合物は前記と同様にして重合され、試験され
た。
実施例35〜38 実施例1の手順を繰返すが、イソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)の量を0.0945モル(NCO/OHの5%モル過剰に
相当)から 0.105モル(NCO 16.7%モル過剰) 実施例35 0.166モル(NCO 84.4%モル過剰) 〃 36 0.243モル(NCO 170.0%モル過剰) 〃 37 0.335モル(NCO 272.2%モル過剰) 〃 38 に増加させて行う。
NCO-末端プレポリマーとHEMAとの反応ののち、メタクリ
レート末端ポリシロキサン30部、HEMA 4部およびHEMA 2
モルとIPDI 1モルとの反応生成物(IPDI-dihema)1,5,1
0並びに16部とからなる混合物が得られ、この組成はゲ
ル透過クロマトグラフイーによって測定される。
混合物はメチルメタクリレートで希釈され、下記の比率
で透明なボタン、シートおよびフイルムに注型される。
下記の実施例はソフトコンタクトレンズとして使用する
ための透明で柔い酸素透過性ポリマー(ヤング率<1を
有する)を製造するに際してのポリシロキサン‐ウレタ
ン‐メタクリレートの有用性を示す。
実施例39〜44 実施例1のポリシロキサンマクロマーを種々のコモノマ
ーとUV-重合開始剤0.1%で希釈し、実施例2〜17に記載
したようにして紫外線照射して重合する。組成および物
性を下表に示す。
実施例45〜48 実施例1のポリシロキサンマクロマーを種々のコモノマ
ーとUV-重合開始剤0.2%で希釈し、実施例2〜17に記載
したようにして紫外線を照射することによって重合させ
る。透明なポリマーが得られる。この組成と物性を下表
に示す。
下記の実施例はポリシロキサンプレポリマーを製造する
ためのHEMA以外の活性水素含有モノマーの有用性を示
す。
実施例49〜55 実施例1の手順を繰返すが、但しHEMAの代りに他の活性
水素含有ビニルモノマーの相当量をNCO-末端ポリシロキ
サンプレポリマーの末端閉塞(end-cap)のために使用
する。最終閉塞段階の完了をIR-スペクトロスコピーに
よって立証する。この方法で下記のビニル‐末端ポリシ
ロキサンが透明な粘稠液体として調製される。
下記の実施例は透明で硬いそしてO2-透過性のポリマー
の製造における、メタクリリルを有するポリシロキサ
ン、ビニルエーテルおよびフマレート不飽和物の有用性
を示す。
実施例56〜60 実施例45〜47のビニル‐末端ポリシロキサンをモノマー
で希釈し、重合開始剤としてUV-重合開始剤0.02%を使
用して、透明なフイルムおよびボタンの形に重合させ
る。その組成および物理特性を下表に示す。
実施例61 実施例1の手順にしたがって、ポリジメチルシロキサン
トリオール(ダウコーニング社製液体“1248")をイソ
ホロンジイソシアネートで末端閉塞する。10モル%過剰
のメタクリル酸をナフテン酸コバルト0.05%と一緒に加
える。CO2を発生させ、そして混合物を50℃で6時間保
持し、その後NCOパーセント値は殆んどゼロに落ちてい
た。混合物をメチルメタクリレート70%で希釈し、UV-
重合開始剤0.1%を加え、実施例2に記載したようにし
てポリマーシートおよびフイルムを作る。ポリマーはか
すんだ白色であり、O2DK 68、オクタン/水接触角103゜
を有する。
実施例62 実施例1および2の手順にしたがって、IPDIの代りに2,
2,4(2,4,4)‐トリメチルヘキサン‐1,6-ジイソシアネ
ートを使用してポリマーを調製する。実施例2のポリマ
ーと実質的に同一の物性を有するポリマーが得られる。
下記の実施例は、本発明の透明で酸素透過性のポリマー
の製造においての弗素化コモノマーの有用性を示す。
実施例63〜68 実施例1および2の手順にしたがって、下記のポリマー
を調製し、その酸素透過率を測定する。弗素化コモノマ
ー中の略語MAはメタクリレートを意味する。
下記の実施例は、シリコーンを全く含まない同様な組成
物が相溶性のない混合物と弱い不透明なポリマーを与え
ることから実施例63〜68のポリマーの透明性を期待でき
ないことを示している。
実施例69 実施例1のシロキサンマクロマーを、ポリテトラメチレ
ンオキシドジオール(分子量2000)1モルとイソホロン
ジイソシアネート2モルとを反応させ、その後過剰のHE
MAで末端閉塞して得た同様なマクロマで置き換えるほか
は実施例63を繰返す。放置中および重合中に相分離する
非相溶性の混合物が得られる。得られたポリマーシート
は、不透明で脆く非常に弱い。
下記の実施例は、本発明のポリマーの製造において、他
のポリシロキサンの使用を示す。
実施例70 実施例1の手順にしたがって、ポリジメチルシロキサン
ジオール(ダウコーニング液体Q-43557)21.7g(0.025
モル)をイソホロンジイソシアネート11.7g(0.0526モ
ル)と反応させる。窒素雰囲気下、50℃で5時間撹拌し
たのち、NCO含量は、6.80%(理論値6.90%)に落ち
る。
その後、このポリジメチルシロキサンジイソシアネート
プレポリマー22.3gを2-ヒドロキシエチルメタクリレー
ト5.2gで希釈し、全NCOが反応するまで窒素雰囲気下で
室温にて撹拌する。透明なメタクリレート末端閉塞ポリ
シロキサンが窒素雰囲気下冷状態で貯蔵される。このも
のはメタクリレート末端ポリシロキサン98.2%と未反応
HEMA1.8%とからなる。
続いて、このようにして得たポリシロキサン‐ジメタク
リレートプレポリマーをメチルメタクリレート20gで希
釈する。UV-重合開始剤0.04gを混合し、混合物を減圧下
ガスを除く。実施例2に記載した手順を使用して、厚さ
0.1mmおよび1.0mmのフイルムおよびシート並びに直径14
mmの円柱状ボタンの形に試料を注型した。得られた透明
なポリマーは下記の物性を有する。
O2DK; 8 シヨア‐D硬度; 95 オクタン/水接触角(゜); 125 実施例71 実施例1の手順にしたがって、966当量を有するPEO-PDM
S-PEO構造のポリジメチルシロキサン(PDMS)‐ポリエ
チレンオキサイド(PEO)ブロックコポリマー(ダウコ
ーニング液体Q4-3667)28.98g(0.015モル)をイソホロ
ンジイソシアネート(IPDI)6.80g(0.0306モル)と反
応させる。窒素雰囲気下、50℃で1時間撹拌したのち、
50℃で1時間撹拌したのち、NCO含量は3.87%(理論値
3.65%)(または‐NCO 0.380当量)を示す。
このNCO-閉塞プレポリマー28.72gをt-6.10g(0.033モ
ル)と混合し、窒素雰囲気下室温にて全NCOが反応され
るまで撹拌する。反応の終了をIR-スペクトルによって
立証する。透明、粘稠なメタクリレート‐末端閉塞PDMS
プレポリマーをメチルメタクリレート35.2gで希釈し、U
V-重合開始剤0.14gを加える。充分に混合したのち、そ
のものをシートおよびフイルムの形に注型し、UV光に曝
すことによって重合させる。
透明で丈夫なポリマーは、メタクリレート‐閉塞ポリシ
ロキサンプレポリマー50%とメチルメタクリレート50%
とからなり、その平衡膨潤は、9%の水を含み、酸素透
過率:O2DKは12.3(H2O9%時)と24.3(乾燥時)を有す
る。
実施例72 実施例1の手順にしたがい、1367当量のポリジメチルシ
ロキサン(PDMS)‐ジチオール(ダウコーニングX2-802
4)41.0g(0.015モル)をIPDI 6.80g(0.0306モル)
と、触媒としてトリメチルアミン0.02mgを使用して、反
応させる。窒素雰囲気下1-1/2時間24〜28℃にて撹拌し
たのち、NCO含量は2.83%(理論値2.74%)に低下す
る。
その後、このNCO-末端閉塞プレポリマをt-ブチルアミノ
エチルメタクリレート5.96gと混合し、そして全NCOが反
応するまで窒素雰囲気下室温にて撹拌する。反応の完了
をIR-スペクトルスコピーによって立証する。透明、粘
稠なメタクリレート末端閉塞PDMS-プレポリマーをHEMA
0.5gとメチルメタクリレート115gで希釈し、UV-重合開
始剤0.1gを添加する。充分に混合したのち、混合物をシ
ートおよびフイルムの形に注型し、UV-光で照射するこ
とによって重合させる。
得られた透明なポリマーは、メタクリレート閉塞ポリシ
ロキサンプレポリマー69%、MMA30.7%およびHEMA0.3%
からなり、下記の物性を有する。
O2・DK: 23 シヨア‐D硬度: 75 オクタン/水接触角(゜): 110 下記の実施例は連鎖延長ポリシロキサンを有するポリマ
ーの合成を示す。
実施例73 実施例1の手順にしたがい、1367当量のポリジメチルシ
ロキサン(PDMS)‐ジチオール(ダウコーニングX802
4)54.66g(0.02モル)を2,2,4-トリメチルヘキサン‐
1,6-ジイソシアネート(TMDI)2.10g(0.01モル)と、
触媒としてトリメチルアミン0.020gを用いて、反応させ
る。窒素雰囲気下、室温にて一夜撹拌したのち、IR走査
はポリジメチルシロキサンジチオール2分子とTMDI1分
子との連鎖延長が生じたことを示す全イソシアネート基
が反応したことを示す。この連鎖延長したジチオール5
6.8g(0.01モル)をIPDI4.53g(0.0204モル)と反応さ
せる。反応混合物を24℃にて1 1/2時間撹拌すると、そ
の時‐NCO含量は1.49%(理論値1.43%)に低下する。
このNCO-閉塞プレポリマー57.2gをt−ブチルアミノエ
チルメタクリレート3.75gと混合し、そしてIR-スペクト
ルスコピーで確認して全NCOが反応するまで、24℃にて
撹拌する。
メタクリレート末端閉塞PDMSプレポリマー15gをメチル
メタクリレート35gとUV-重合開始剤0.05gと混合する。
混合物をシート、フイルムまたはボタンの形に注型し、
そして実施例2に記載したようにUV光に曝すことによっ
て重合させる。僅かにかすんだポリマーは次の物性を有
する。
O2DK: 34 シヨア‐D硬度: 67 オクタン/水接触角(゜): 110 下記の実施例は、ウレタン基を含まないポリマーに対す
るウレタン基を含むポリマーの優越性を示す。
実施例74〜76 主鎖に吊下し、カルビノール‐エステル結合を介して結
合しているメタクリレート基を有するポリジメチルシロ
キサン‐メタクリレート;このものは下記のコード名で
ペトラーチケミカルカンパニー(PETRACH Chem.Co.)で
市販している:実施例 コード名 当量 74 PS-486 1058 75 PS-429 2735 をHEMA4%とシクロヘキシルメタクリレート66%で30%
に希釈する。それぞれにUV-重合開始剤0.1%を加え、そ
して混合物をUV光に曝して0.1mm厚と1.0mm厚のフイルム
およびシートの形に重合した。得られたものを下記表に
示す。
ポリジメチルシロキサン‐トリオール(1248)とメタク
リロイルクロライドとのエステル化によって製造され、
そしてそれ故ウレタン基が存在しないほかは実施例1の
ポリシロキサン‐メタクリレートと同様であるところの
メタクリレートエステルは、フオーミュレートしたとき
および上記方法で重合したとき同様に不透明で弱いポリ
マーを与える。(実施例76)。
下記の実施例は、従来技術の材料に対し本発明のポリマ
ーから作られたハードコンタクトレンズの有用性並びに
優越性を示す。
参考例7,7 実施例2の方法で注型した直径15mm、高さ8mmの実施例3
0および33の円柱状のポリマーボタンを、ハードコンタ
クトレンズの慣用技術を用いて旋削し研磨して、コンタ
クトレンズの形に成形する。切削性、表面光沢、硬度、
耐引っかき性および寸法安定性並びに透明性は全試料と
もすぐれており、そして水和にもとずくわん曲変形は全
く見られなかった。
実施例30のポリマーボタンの1つを酸素透過率測定装置
の電極に適合する形に切削加工する。O2-透過率を測定
し、そして良好な寸法安定性を有し、酸素透過性のハー
ドコンタクトレンズ材料として提供されている従来技術
の材料と比較する。
本発明のポリマーによって達成することができような高
い酸素透過率それと同時に切削および研磨のために必要
な硬度を有するSi-含有コンタクトレンズ製造用材料を
作ることを、他の合成によって試みられている例はな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウオルタ−・エル・プランクル アメリカ合衆国10598ニユ−ヨ−ク・ヨ− クタウン・ハイツ47ス・ロレツタ・ストリ −ト26 (56)参考文献 特開 昭57−76016(JP,A) 特開 昭54−80396(JP,A) 特開 昭56−86924(JP,A)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)末端基分析またはゲルパーミエーシ
    ョンクロマトグラフィーにより測定された約400ないし1
    00 000の分子量を有し、ポリシロキサンの各5000分子
    量単位当り末端または懸垂重合性オレフィン基を少なく
    とも2個含み、上記の基はウレタン、チオウレタン、尿
    素またはアミド結合を少なくとも2個介してポリシロキ
    サンに結合しており、下記の構造式A1またはA2: [式中、 R1は2ないし6個の炭素原子を持つ直鎖状または分枝鎖
    状アルキレン基または次式G: (式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、そして
    nは1ないし50の整数を表わす。)で表わされるポリオ
    キシアルキレン基を表わし、 そしてR2、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rjお
    よびRkはメチル基を表わし、 x1とx2は1ないし500の整数を表わすが、ただしx1とx2
    の合計は7ないし1000であり、 y1は0ないし14であり、そしてy2は1ないし13である
    が、ただし 70を越えないものであり、 Xは式Cで表わされる二価の基: −Z1−CO−NH−R4−NH−CO (C) (式中、Z1は酸素原子、硫黄原子またはNR5を表わし、 そしてR5は水素原子または炭素原子数1ないし4の低級
    アルキル基を表し、Z1がR1に結合しており; そしてR4は脂肪族または脂環族ジイソシアナートからNC
    O基を除くことにより得られる二価の基を表す。)を表
    し; Yは次式の基: 〔式中、R6は水素原子、メチル基または−COOR5(式
    中、R5は水素原子または炭素原子数1ないし4の低級ア
    ルキル基を表す。)を表し、 Z2は炭素原子または−NR5−を表わし、 R7とR8は直鎖状または分枝鎖状の2ないし10個の炭素原
    子を持つアルキレン基を表す。〕を表わす。]を有する
    直鎖状または分枝鎖状ポリシロキサンマクロマー(macr
    omer)の架橋共重合生成物に対する15ないし60重量%
    と; (B)水溶性モノマーB2と水不溶性モノマーB1の混合物
    または水不溶性モノマーB1またはそれらの混合物からな
    るビニルモノマーであって、 該モノマーはモノオレフィン性モノマー、ジオレフィン
    性モノマーBxまたはそれらの混合物、または該モノオレ
    フィン性モノマーとジオレフィン性モノマーの混合物で
    あり、全モノマーの重量の85ないし100%が水不溶性で
    あり、全モノマーの重量の82ないし0%がジオレフィン
    性であり、 該モノオレフィン性モノマーB1は、 式:CH2=CR3COOR12のアクリレートまたはメタクリレー
    ト、 式:CH2=CR3CONHR12のアクリルアミドまたはメタクリル
    アミド、 式:R12OCOCH=CHCOOR12のマレエイトまたはフマレイ
    ト、 式:R12OOCC(=CH2)CH2COOR12のイタコネート、 式:R12COOCH=CH2のビニルエステル または式:CH2=CHOR12のビニルエーテル (式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、そしてR
    12は炭素原子1ないし21個を含む直鎖状または分枝鎖状
    の脂肪族、脂環族または芳香族アルキル(aromatic alk
    yl)基であって、エーテル基またはチオエーテル結合ま
    たは−CO−基を含有していてもよい基であるか: または酸素、硫黄または窒素原子を含有する複素環置換
    アルキル基、 または2ないし50個の繰り返しアルコキシ単位を含むポ
    リプロピレンオキシドまたはポリ−n−プチレンオキシ
    ド基を表わすか、または1ないし12個の炭素原子を持つ
    ペルフルオル化アルキル基を表わし、 但し、上記ビニルモノマーが独占的に上記式: CH2=CR3COOR12で表わされ、R3が水素原子でありそして
    R12が分枝鎖状の脂肪族基である場合は、R12は炭素原子
    数3ないし7個又は9ないし21個を含む分枝鎖状の脂肪
    族基である。)から選択されているか、またはアクリロ
    ニトリル、スチレンまたはα−メチル−スチレンであ
    り; 該オレフィン性モノマーB2は、 式:CH2=CR3COOR13のアクリレートまたはメタクリレー
    ト、 式:CH2=CR3CONHR14または 式:CH2=CR3CON(R5のアクリルアミドまたはメタク
    リルアミド、 式:R13OCOCH=CHCOOR13のマレエイトまたはフマレイ
    ト、 式:C2=CHOR13のビニルエーテル、またはN−ビニルラ
    クタム(式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、
    R5は水素原子または炭素原子数1ないし4の低級アルキ
    ル基を表わし、R13は1個またはそれ以上の水溶解性の
    カルボキシ基、ヒドロキシ基またはtert−アミノ基によ
    り置換された炭素原子数1ないし10の炭化水素基、また
    は2ないし100個の繰り返し単位を含むポリエチレンオ
    キシド基を表わし、そしてR14はR13としてまたはR5とし
    て定義される。)から選択され; そして該ジオレフィン性のモノマーBxはアリルアルコー
    ルのアクリル酸またはメタクリル酸エステル、炭素原子
    数2ないし6の直鎖状のまたは分枝鎖状のアルキレング
    リコールの、.ポリ(エチレンオキシド)グリコール
    の、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールの、ポリ
    (n−ブチレンオキシド)グリコールの、チオジエチレ
    ングリコールの、ネオペンチレングリコールの、トリメ
    チロールプロパンの、またはペンタエリスリトールのジ
    アクリル酸エステルまたはジメタクリル酸エステル、ま
    たは構造式:OCN−R4−(NCO)v(式中、R4は上と同じ
    に定義されそしてvは1または2を表わす。)のジ−ま
    たはトリイソシアナートの1モルをヒドロキシアルキル
    アクリレートまたはメタクリレートの2または3モルと
    反応させることにより得られる反応生成物から選択され
    ているビニルモノマーの該共重合生成物に対して85ない
    し40重量%との架橋共重合生成物よりなり; そして該架橋共重合生成物は、マクロマーA1とA2のY基
    中に存在する末端ビニル基とモノマーBのビニル基との
    反応により形成されることを条件とするポリマー。
  2. 【請求項2】上記において、構造式A1またはA2により表
    わされるポリシロキサンにおいてR1が炭素原子数3また
    は4のアルキレン基を表わし、x1とx2の合計が10ないし
    100であり、y1が0ないし2であり、y2が1ないし3で
    あり、R4が炭素原子数6ないし10の脂肪族または脂環族
    ジイソシアナートの二価の基でありそして式(D)の基
    中、R6が水素原子を表わし、R8がエチレン基を表わしそ
    してZ2が−O−または−NC(CH3−を表わす特許請
    求の範囲第1項記載のポリマー。
  3. 【請求項3】ポリシロキサンが構造式A2で表わされ、R4
    がイソホロンジイソシアナートより誘導される二価の基
    を表わし、Z1およびZ2が各々−O−基を表わし、そして
    y2が1または2である特許請求の範囲第2項記載のポリ
    マー。
  4. 【請求項4】水不溶性モノマーB1が、メチルメタクリレ
    ート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタク
    リレート、第三ブチルメタクリレート、イソボルニルメ
    タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヘキサ
    フルオロイソプロピルメタクリレートおよびそれらの混
    合物よりなる群より選択される特許請求の範囲第1項記
    載のポリマー。
  5. 【請求項5】成分Bがモノマー成分Bの全重量に基づい
    て、ジオレフィン性モノマーBx1ないし25%を含有する
    特許請求の範囲第1項記載のポリマー。
  6. 【請求項6】成分Bがメチルメタクリレートおよび全モ
    ノマーの1ないし25重量%のネオペンチレングリコール
    ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート
    またはイソホロンジイソシアナート1モルと2−ヒドロ
    キシエチルメタクリレート2モルの反応生成物の混合物
    である特許請求の範囲第1項記載のポリマー。
  7. 【請求項7】水不溶性モノマーB1が、ビニルアセテート
    およびジメチルマレエートの2/1ないし5/1モル比に、更
    にメチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
    ト、イソブチルメタクリレート、第三ブチルメタクリレ
    ート、シクロヘキシルメタクリレートまたはヘキサフル
    オロイソプロピルメタクリレートまたはそれらの混合物
    を加えた混合物である特許請求の範囲第1項記載のポリ
    マー。
  8. 【請求項8】水不溶性モノマーB1が、2−エチルヘキシ
    ルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチ
    ルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オ
    クチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−
    デシルメタクリレート、炭素原子数6ないし10のペルフ
    ルオロアルキル置換されたアルキルアクリレートまたは
    メタクリレート;およびそれらの混合物、およびそれら
    と2−エチルヘキシルアクリレートとの混合物よりなる
    群より選択される特許請求の範囲第1項記載のポリマ
    ー。
  9. 【請求項9】水溶性モノマーB2が2−ヒドロキシエチル
    メタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、アク
    リル酸、メタクリル酸およびN−ビニル−2−ピロリド
    ンよりなる群より選択される特許請求の範囲第1項記載
    のポリマー。
  10. 【請求項10】(A)構造式A2で表わされるポリシロキ
    サンマクロマー(式中、R4がイソホロンジイソシアナー
    トから誘導された二価の基を表わし、 Z1とZ2が各々−O−を表わし、そして、y2が1または2
    を表わし、そして他の記号が特許請求の範囲第1項にお
    いて与えられた意味を持つ。)の15ないし35重量%と、 (B)水不溶性モノマー(B1)、水溶性モノマー(B2
    およびジオレフィン性モノマー(Bx)の混合物(ここ
    で、モノマーの全重量に対する重量パーセントに基づい
    て、 B1はメチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
    ト、イソブチルメタクリレート、第三ブチルメタクリレ
    ート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメ
    タクリレートおよびそれらの混合物よりなる群より選択
    される水不溶性モノマーの60ないし95%であり、 B2は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N−ジメ
    チルアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、N−
    ビニルピロリドンおよびそれらの混合物よりなる群から
    選択される水溶性モノマーの15ないし0%であり、 そしてBxはネオペンチレングリコールジアクリレート、
    エチレングリコールジメタクリレートおよびイソホロン
    ジイソシアナート1モルと2−ヒドロキシエチルメタク
    リレート2モルとの反応生成物よりなる群から選ばれる
    ジオレフィン性モノマーの25ないし5%である。)の85
    ないし65重量%とよりなる特許請求の範囲第1項記載の
    ポリマー。
  11. 【請求項11】(A)構造式A2で表わされるポリシロキ
    サンマクロマー(式中、R4はイソホロンジイソシアナー
    トより誘導される二価の基を表わし、Z1およびZ2は各々
    −O−基を表わし、そして、y2は1または2であり、そ
    して他の記号は特許請求の範囲第1項中で与えられた意
    味を持つ。)の40ないし60重量%と、 (B)水不溶性モノマー(B1)、水溶性モノマー(B2
    およびジオレフィン性モノマー(Bx)の混合物(ここ
    で、モノマーの全重量に対する重量パーセントに基づい
    て、B1はエチルアクリレートまたはメタクリレート、n
    −ブチルアクリレートまたはメタクリレート、n−ヘキ
    シルアクリレートまたはメタクリレート、2−エチルヘ
    キシルアクリレートまたはメタクリレート、n−オクチ
    ルアクリレートまたはメタクリレート、n−デシルアク
    リレートまたはメタクリレートおよびそれらの混合物お
    よびメチルまたはイソボルニルメタクリレートとそれら
    の混合物とからなる群から選択される水不溶性モノマー
    75ないし100%であり B2は2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N−ジメ
    チルアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、N−
    ビニル−2−ピロリドンおよびそれらの混合物よりなる
    群より選択される水溶性モノマーの25ないし0%であ
    り、 そしてBxはネオペンチレングリコールジアクリレート、
    エチレングリコールジメタクリレートおよびイソホロン
    ジイソシアナート1モルと2−ヒドロキシエチルメタク
    リレート2モルとの反応生成物よりなる群から選ばれる
    ジオレフィン性モノマーの5ないし0%である。)の60
    ないし40重量%とよりなる特許請求の範囲第1項記載の
    ポリマー。
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