JPH09132621A - コンタクトレンズ材料 - Google Patents

コンタクトレンズ材料

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JPH09132621A
JPH09132621A JP29151696A JP29151696A JPH09132621A JP H09132621 A JPH09132621 A JP H09132621A JP 29151696 A JP29151696 A JP 29151696A JP 29151696 A JP29151696 A JP 29151696A JP H09132621 A JPH09132621 A JP H09132621A
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JP
Japan
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meth
component
acrylate
contact lens
lens material
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JP29151696A
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English (en)
Inventor
Katsuichi Machida
克一 町田
Teruo Sakagami
輝夫 阪上
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い透明性と良好な酸素透過性を有するコン
タクトレンズ材料の提供。 【解決手段】 (A)成分と(B)成分との付加反応生
成物を、(C)成分と共重合反応させて得られる共重合
体。 (A):アクリロイルイソシアナートまたはメタクリロ
イルイソシアナート (B):式(I)又は式(II)のシリコン化合物又は少
なくとも一つ以上の水酸基又はアミノ基を有するふっ素
含有化合物 (C):アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基
変性アルキル(メタ)アクリレート、ふっ素化アルキル
(メタ)アクリレート、ケイ素原子含有(メタ)アクリ
レート、多官能(メタ)アクリレート及び芳香族化合物
の群より選ばれた少なくとも1種の単量体 Zは水酸基又はアミノ基、Rはメチル基又はトリメチル
シロキシ基を、mは1〜6の、nは2〜20の整数を示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンタクトレンズ材
料、特に高い透明性と良好な酸素透過性を有するコンタ
クトレンズ材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に視力矯正の手段として、眼鏡レン
ズと共にコンタクトレンズが使用されるに至っている。
しかしながら、実際には眼鏡レンズに比してコンタクト
レンズの着用者は比較的少ないのが現状である。その理
由は、従来のコンタクトレンズ材料そのものに問題があ
るからであると考えられる。従来から広く使用されてき
たコンタクトレンズ材料としてはポリメチルメタクリレ
ートを挙げることができる。このポリメチルメタクリレ
ートは、機械加工が容易でしかも光学的に高い透明性を
有し、且つ優れた耐久性を有する重合体であるが、この
材料によって得られるコンタクトレンズは、硬度が高い
ために装用感が悪く、また酸素透過率が低いために長時
間装用することができないなどの欠点を有する。
【0003】一方、このようなハードタイプのコンタク
トレンズ材料に対し、含水タイプのいわゆるソフトコン
タクトレンズ材料が開発されている。このコンタクトレ
ンズ材料は、良好な酸素透過性を有していて良好な装用
感が得られるが、機械的強度が小さく、また菌類の培地
となり易いなどの欠点を有し、更に光学的に不正確にな
りやすいという欠点が指摘される。
【0004】そこで最近においては、両者の長所を兼ね
備えたものとして、良好な酸素透過性を有するハードコ
ンタクトレンズ材料を得るための研究が行われている。
この種のコンタクトレンズ材料としては、良好な酸素透
過性を有することが知られているケイ素原子やふっ素原
子を含む重合体よりなるものが多く提案されており、例
えば特開昭57−93315号、特開昭58−1940
14号、特開昭58−127914号、特開昭60−1
46219号、特開昭60−165617号などの公報
に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ケイ素
原子やふっ素原子を含有するラジカル重合性単量体を重
合させて得られる重合体は、良好な酸素透過性を有する
ものであることが知られている。しかしながら、上記の
ようなケイ素原子やふっ素原子を含有するラジカル重合
性単量体を合成するためには、エステル化反応やアミド
化反応などの、好適な反応条件の設定および反応の制御
が困難な化学合成反応を行うことが必要であり、しかも
得られる反応生成物を精製することが必要であるため、
結局、そのようなコンタクトレンズ材料は相当にコスト
の高いものとなる。本発明の目的は、ケイ素原子および
/またはふっ素原子を含有し、しかも有利に製造するこ
とができる共重合体よりなり、十分に高い透明性と良好
な酸素透過性を有するコンタクトレンズ材料を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るコンタクト
レンズ材料は、下記(A)成分と下記(B)成分との付
加反応生成物を、下記(C)成分と共重合反応させるこ
とにより得られる、当該(C)成分の割合が30〜95
重量%である共重合体よりなることを特徴とする。 (A)成分:アクリロイルイソシアナートまたはメタク
リロイルイソシアナート (B)成分:下記構造式(I)または構造式(II)で示
されるシリコン化合物および少なくとも一つ以上の水酸
基またはアミノ基を有するふっ素含有化合物の少なくと
も一方
【0007】
【化2】
【0008】(各式中、Zは水酸基またはアミノ基、R
はメチル基またはトリメチルシロキシ基を示し、mは1
〜6の整数、nは2〜20の整数を示す。) (C)成分:前記(A)成分と共重合可能な単量体であ
って、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基変
性アルキル(メタ)アクリレート、ふっ素化アルキル
(メタ)アクリレート、ケイ素原子含有(メタ)アクリ
レート、多官能(メタ)アクリレートおよび芳香族化合
物からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明においては、(A)成分と(B)成分と
の付加反応によってケイ素原子およびふっ素原子の少な
くとも一方を含有するウレタン単量体を合成し、このウ
レタン単量体(付加反応生成物)を、前記(A)成分の
ラジカル重合性を利用して、特定の共重合性単量体より
なる(C)成分と共重合反応させ、これによって得られ
る共重合体によりコンタクトレンズ材料を提供する。な
お、この明細書において、『ウレタン単量体』とは、分
子中にカルバミン酸エステル結合(−HNCOO−)を
有するもののほか、ウレイレン基(−HNCONH−)
を有するものをもいうものとする。
【0010】本発明において、(A)成分としてはアク
リロイルイソシアナート(CH2 =CHCO−NCO)
またはメタクリロイルイソシアナート(CH2 =C(C
3)CO−NCO)(以下「(メタ)アクリロイルイ
ソシアナート」と記す。)が用いられる。
【0011】この(A)成分と反応される(B)成分と
しては、少なくとも一つの水酸基またはアミノ基を有す
る化合物、すなわち活性水素含有基を有する、シリコン
化合物またはふっ素含有化合物が用いられる。本発明に
おいて(B)成分として用いられるシリコン化合物また
はふっ素含有化合物は、水酸基またはアミノ基を二つ以
上有する化合物であってもよい。このような複数の活性
水素含有基を有する化合物を(B)成分として用いた場
合には、当該複数の活性水素含有基の分子内における離
隔状態によって重合体の架橋密度が異なったものとなる
が、酸素透過性が大きく犠牲とされることなしに、高い
耐薬品性および高い耐熱性並びに良好な加工性を有する
コンタクトレンズ材料を得ることができるので有利であ
る。
【0012】本発明において(B)成分として用いられ
るシリコン化合物としては、前記の構造式(I)または
構造式(II)で示される化合物が用いられる。また、本
発明において(B)成分として用いられるふっ素含有化
合物の具体例としては、例えば2,2,3,3−テトラ
フルオロ−1−プロパノール、2,2,3,4,4,4
−ヘキサフルオロブタノール、2−(パーフルオロ−n
−ヘキシル)エタノール、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロ−2−プロパノール、1,1,2,3,3
−ペンタヒドロパーフルオロノナン−1,2−ジオー
ル、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタン
ジオール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−
1,5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,
5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、
ペンタフルオロフェノール、3,5−ビス(トリフルオ
ロメチル)フェノール、2,4−ジフルオロアニリン、
4−トリフルオロメチルアニリン、水酸基末端パーフル
オロポリエーテルなど、並びにこれらの化合物と類似の
構造を有するアミン類を挙げることができる。
【0013】以上に掲げた化合物は例示であり、本発明
において用いられる(B)成分がこれらの化合物のみに
限定されるものではない。また、この水酸基またはアミ
ノ基を有するシリコン化合物またはふっ素含有化合物
は、1種のみでなく、最終的に得られるコンタクトレン
ズ材料に求められる特性に応じて、2種以上を用いるこ
ともできる。
【0014】上記(A)成分と(B)成分との付加反応
は、(A)成分のイソシアナート基と(B)成分の水酸
基またはアミノ基の活性水素とによるウレタン化反応で
ある。この付加反応において、(A)成分と(B)成分
との割合は、(A)成分におけるイソシアナート基のモ
ル量〔NCO〕に対する、(B)成分における水酸基ま
たはアミノ基の活性水素のモル量〔H〕の割合〔H〕/
〔NCO〕(以下この割合を「活性水素当量」という)
の値が1に近い割合とされることが望ましい。特に本発
明においては、この活性水素当量の値が0.9以上であ
ってしかも1.5以下であることが好ましい。この活性
水素当量の値が1以上であると、(B)成分が過剰とな
り、得られるコンタクトレンズ材料が高い親水性を有す
るものとなる点では好ましいが、1.5を超えると、重
合体の高分子鎖に結合されない低分子量のアルコールや
アミンが多量に残存することとなるので好ましくない。
一方、この活性水素当量の値が0.9未満である場合に
は、重合体中に未反応のイソシアナート基が残留するこ
ととなり、その結果、得られるコンタクトレンズ材料が
経時的に変質するようになるので望ましくない。
【0015】上記(A)成分と(B)成分との付加反応
は、両者の混合物を加温することのみによっても生ずる
が、反応時間を短縮するために、例えばジブチルチンジ
ラウレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ヒドロキシピペリジン、スタナスオクトエート、ジメチ
ルチンジクロライドなどの通常のポリウレタンの製造に
使用される反応開始剤を用いることが好ましい。この反
応開始剤の使用量は、用いられる(A)成分に対して
0.001〜3.0重量%の範囲内であることが望まし
い。
【0016】この付加反応においては、最終的に得られ
る重合体の機械的強度、硬度、耐熱性、耐薬品性、加工
性などを調節するために、他のジオールまたはポリオー
ルなどの複数の水酸基を有する化合物を加えて共に反応
させることも可能である。
【0017】本発明においては、上記(A)成分と
(B)成分との付加反応によって得られるウレタン単量
体を、特定の共重合性単量体よりなる(C)成分と共に
共重合反応させ、これによって共重合体を得る方法によ
ってコンタクトレンズ材料が製造される。この方法によ
り、下記のような効果を得ることができる。 (イ)機械的強度および硬度の一層高い共重合体を得る
ことができ、従って機械的強度の大きいコンタクトレン
ズ材料を得ることができる。 (ロ)屈折率が一層高いコンタクトレンズ材料を得るこ
とができる。 (ハ)親水性が一層高い共重合体を得ることができるた
め、角膜上の涙液となじみのよいコンタクトレンズを得
ることができる。 (ニ)酸素透過性が一層優れたコンタクトレンズ材料を
得ることができる。
【0018】本発明において、このような共重合性単量
体よりなる(C)成分は、重合反応に供される全単量体
の30重量%以上95重量%以下の範囲となる割合で用
いられるが、特に30重量%以上50重量%以下である
ことが好ましい。本発明のコンタクトレンズ材料を得る
ために使用される(C)成分は、前記(A)成分と共重
合可能な単量体であって、アルキル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシ基変性アルキル(メタ)アクリレート、
ふっ素化アルキル(メタ)アクリレート、ケイ素原子含
有(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート
および芳香族化合物から選ばれた化合物である。
【0019】(1)アルキル(メタ)アクリレートの具
体例としては、メチル (メタ) アクリレート、tert
−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。 (2)ヒドロキシ基変性アルキル(メタ)アクリレート
の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシプロピル (メタ)アクリレー
ト、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トなどを挙げることができる。
【0020】(3)ふっ素化アルキル(メタ)アクリレ
ートの具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,
2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)ア
クリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アク
リレートなどを挙げることができる。 (4)ケイ素原子含有(メタ)アクリレートの具体例と
しては、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプ
ロピル(メタ)アクリレート、メチルジ(トリメチルシ
ロキシ)シリルプロピルグリセロール(メタ)アクリレ
ート、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルプロピ
ル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0021】(5)多官能(メタ)アクリレートの具体
例としては、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ネオぺンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
トなどを挙げることができる。 (6)芳香族化合物の具体例としては、スチレン、α−
メチルスチレン、フェニル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリロキシポリエトキシベンゼン、ビニル安息香
酸などを挙げることができる。 本発明に使用される(C)成分としての共重合性単量体
は、上記に掲げた化合物に限定されるものではなく、ま
た1種のみではなく2種以上の共重合性単量体を使用す
ることができる。
【0022】本発明においては、上記(C)成分以外の
共重合性単量体を併用することができ、そのような共重
合性単量体の具体的としては、ビニルピロリドン、酢酸
ビニルなどのビニル化合物類、フタル酸ジアリル、アリ
ルアルコール、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネートなどのアリル化合物類、フマル酸ジiso−プロ
ピル、フマル酸ジtert−ブチル、フマル酸ジ2−エ
チルヘキシルなどのフマル酸エステル類、例えば(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、2−カルボ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル
(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テトラフルオ
ロエチルビニルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘ
キサフルオロプロピルアリルエーテルなどのふっ素含有
アルコールのビニルエーテル類およびアリルエーテル
類、パーフルオロヘキシルエチレン、1−パーフルオロ
ヘキシル−2−メチル−1−プロペンなどのふっ素含有
不飽和脂肪族化合物類などを挙げることができる。そし
て、(C)成分またはそれ以外の共重合性単量体として
水溶性単量体を用いる場合には、得られるコンタクトレ
ンズ材料に一層高い親水性を付与することができるので
好ましい。
【0023】本発明に係るコンタクトレンズ材料を製造
する方法においては、先ず(A)成分と(B)成分との
付加反応が行われる。この付加反応のために適当な溶媒
を用いることができる。そしてこの付加反応による生成
物を精製することにより、ケイ素原子またはふっ素原子
を含有し、しかもラジカル重合性を有するウレタン単量
体を分離して得ることができる。
【0024】このウレタン単量体は、既述のように
(C)成分である特定の共重合性単量体と共重合され
る。この場合においては、上記(A)成分と(B)成分
との付加反応を、共重合されるべき(C)成分の存在下
において行い、更に生成したウレタン単量体を精製分離
することなしにそのまま共重合反応に供することができ
る。そしてこの方法によれば、コンタクトレンズ材料の
製造の工程を大幅に簡略化することができるので、非常
に有利である。またこの方法は、(A)成分と(B)成
分との反応生成物であるウレタン単量体が、通常、相当
に高い粘稠性を有するものとなるにもかかわらず、その
ことが実際上障害とならない点で有利な方法である。す
なわち、上記の付加反応によって生成するウレタン単量
体が粘稠で混合や溶解させることが困難なものであって
も、この方法によれば、反応生成物はウレタン単量体が
(C)成分に溶解した状態で得られるため、ウレタン単
量体と(C)成分とを混合溶解する工程が事実上不要で
あり、従って当該反応生成物をそのまま所期の共重合反
応に供することができる。
【0025】本発明のコンタクトレンズ材料によるコン
タクトレンズは、上記の共重合反応に供されるべき単量
体またはその組成物を、コンタクトレンズとしての形状
を有するモールド内に注入し、その状態で共重合反応を
行うことによって直接的に製造することが可能である。
このようにして得られたコンタクトレンズに対して、更
に既知の技術を用いて機械加工あるいは研磨加工を施す
ことができる。勿論、本発明に係る共重合体をブロック
状あるいはシート状のものとして得、これを切断加工お
よび研磨加工などを施すことによって、所望のコンタク
トレンズを製造することも可能である。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るコンタクト
レンズ材料は、特定のラジカル重合性イソシアナート化
合物よりなる(A)成分と、少なくとも一つ以上の水酸
基またはアミノ基を有する特定のシリコン化合物および
ふっ素含有化合物の少なくとも一方よりなる(B)成分
とを付加反応させることによって得られるウレタン単量
体を、特定の共重合性単量体である(C)成分と共重合
させて得られる共重合体よりなるものである。
【0027】以上において、上記(A)成分と(B)成
分との付加反応は通常のウレタン化反応であるため、好
適な反応条件の設定および反応の制御が容易であると共
に、この付加反応によって得られる反応生成物を精製す
ることなしにこれをそのまま共重合反応に供することも
可能であり、従ってきわめて簡単な方法によって、また
低いコストで、ケイ素原子あるいはふっ素原子が含有さ
れた共重合体よりなるコンタクトレンズ材料を得ること
ができる。
【0028】また、本発明のコンタクトレンズ材料は、
(A)成分が分子構造の簡単な化合物であるため、共重
合体はケイ素原子やふっ素原子が比較的高い比率で含有
されるものとなって高い酸素透過率を有するものとな
り、従ってこの共重合体よりなるコンタクトレンズは、
装着された状態において当該コンタクトレンズを通じて
角膜に十分な酸素が供給されるため、長期間に亘って支
障なく装用することが可能である。また当該重合体はウ
レタン結合を含有するものであるため、特殊な添加剤な
どを用いなくとも適度な柔軟性を有するものであり、従
って機械的強度が大きく、優れた柔軟性および可撓性を
有していて装用感がきわめて良好なコンタクトレンズを
得ることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれらによって限定されるものではない。 実施例1 メタクリロイルイソシアナート24gと、ジ(ヒドロキ
シプロピル)ポリジメチルシロキサン100gとをイソ
プロピルエーテルよりなる溶媒中でウレタン化反応さ
せ、その後溶媒を除去することにより、下記の構造式で
示される化合物の混合物であってpの平均値が10.1
であるオリゴシロキサン誘導体を得た。なお、このウレ
タン化反応における活性水素当量の値は1.0である。
【0030】
【化3】
【0031】上記のオリゴシロキサン誘導体6.0g
と、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメ
タクリレート3.0gと、α−メチルスチレン0.5g
と、ジエチレングリコール0.5gとを混合し、この混
合物に重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピ
バレート0.1gを添加したものを試験管内に注入し、
45℃で8時間、60℃で4時間、80℃で2時間、9
0℃で1時間の昇温プログラムに従って共重合反応を行
った。その後、成形された共重合体を試験管より取り出
して厚み5.0mmの円板状にスライスし、表面を研磨
して、しなやかでかつ無色透明の共重合体よりなる本発
明のコンタクトレンズ材料を得た。
【0032】このコンタクトレンズ材料について、「ヘ
ーズメーター(HAZEMETER)TC−HIII 」
(東京電色社製)によって平行光線透過率を測定したと
ころ、95%以上であった。またこのコンタクトレンズ
材料について、製科研式酸素透過率計を用いて厚さ20
0μmのサンプルの酸素透過率を測定したところ、温度
35℃において81×10-11 cc・cm/cm2 ・s
ec・mmHgと高い値を示した。
【0033】実施例2 実施例1において用いたものと同じオリゴシロキサン誘
導体5.0gと、トリス(トリメチルシロキシ)シリル
プロピルメタクリレート3.5gと、2,2,3,4,
4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート1.0g
と、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.
5gとを混合し、この混合物にtert−ブチルパーオ
キシピバレート0.1gを添加したものを試験管内に注
入して実施例1と同様にして共重合反応を行い、無色透
明の共重合体よりなる本発明のコンタクトレンズ材料を
得た。このコンタクトレンズ材料について、実施例1と
同様にして平行光線透過率および酸素透過率を測定し
た。結果は次のとおりである。 平行光線透過率:95%以上 酸素透過率:85×10-11cc・cm/cm2 ・se
c・mmHg
【0034】実施例3 メタクリロイルイソシアナート2.25gと、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−
1,6−ジオール1.62gと、既述の構造式(II)に
おいてZがアミノ基、mが3、nが5であるシリコン化
合物2.13gと、トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピルメタクリレート3.0gと、tert−ブチ
ルメタクリレート0.5gと、ネオペンチルグリコール
ジメタクリレート0.5gと、ジブチルチンジラウレー
ト0.02gとを試験管内に入れ、60℃で1時間ウレ
タン化反応を行った。このウレタン化反応における活性
水素当量の値は1.0である。反応終了後、tert−
ブチルパーオキシピバレート0.1gを添加して試験管
内において実施例1と同様にして共重合反応を行い、無
色透明の共重合体よりなる本発明のコンタクトレンズ材
料を得た。このコンタクトレンズ材料について、実施例
1と同様にして平行光線透過率および酸素透過率を測定
した。結果は次のとおりである。 平行光線透過率:95%以上 酸素透過率:102×10-11 cc・cm/cm2 ・s
ec・mmHg
【0035】実施例4 メタクリロイルイソシアナート2.36gと、既述の構
造式(II)においてZがアミノ基、mが3、nが9であ
るシリコン化合物3.96gと、グリセリン0.68g
と、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメ
タクリレート2.0gと、1,6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート0.5gと、tert−ブチルメタクリ
レート0.5gと、ジブチルチンジラウレート0.02
gとを試験管内に入れ、60℃で1時間ウレタン化反応
を行った。このウレタン化反応における活性水素当量の
値は1.49 である。反応終了後、tert−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.1gを添加
し、試験管内において50℃で8時間、60℃で2時
間、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で
0.5時間の昇温プログラムに従って共重合反応を行
い、無色透明の共重合体よりなる本発明のコンタクトレ
ンズ材料を得た。このコンタクトレンズ材料について、
実施例1と同様にして平行光線透過率および酸素透過率
を測定した。結果は次のとおりである。 平行光線透過率:95%以上 酸素透過率:73×10-11 cc・cm/cm2 ・se
c・mmHg
【0036】実施例5 メタクリロイルイソシアナート3.01gと、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン−
1,6−ジオール2.71gと、1,1,2,3,3−
ペンタフルオロパーフルオロノナン−1,2−ジオール
1.28gと、パーフルオロヘキシルエチルメタクリレ
ート1.5gと、tert−ブチルメタクリレート1.
5gと、ジブチルチンジラウレート0.02gとを試験
管内に入れ、60℃で1時間ウレタン化反応を行った。
このウレタン化反応における活性水素当量の値は1.0
である。反応終了後、tert−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート0.1gを添加して試験管内に
おいて実施例4と同様にして共重合反応を行い、無色透
明の共重合体よりなる本発明のコンタクトレンズ材料を
得た。このコンタクトレンズ材料について、実施例1と
同様にして平行光線透過率および酸素透過率を測定し
た。結果は次のとおりである。 平行光線透過率:95%以上 酸素透過率:57×10-11 cc・cm/cm2 ・se
c・mmHg
【0037】実施例6 メタクリロイルイソシアナート1.04gと、既述の構
造式(II)においてZがアミノ基、mが3、nが9であ
るシリコン化合物3.96gと、ペンタメチルジシロキ
サニルプロピルメタクリレート3.0gと、ネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート0.5gと、tert−
ブチルメタクリレート1.0gと、ジブチルチンジラウ
レート0.02gとを試験管内に入れ、60℃で1時間
ウレタン化反応を行った。このウレタン化反応における
活性水素当量の値は1.0である。反応終了後、ter
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.
1gを添加して試験管内において実施例4と同様にして
共重合反応を行い、無色透明の共重合体よりなる本発明
のコンタクトレンズ材料を得た。このコンタクトレンズ
材料について、実施例1と同様にして平行光線透過率お
よび酸素透過率を測定した。結果は次のとおりである。 平行光線透過率:95%以上 酸素透過率:92×10-11 cc・cm/cm2 ・se
c・mmHg
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02C 7/04 G02C 7/04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分と下記(B)成分との付
    加反応生成物を、下記(C)成分と共重合反応させるこ
    とにより得られる、当該(C)成分の割合が30〜95
    重量%である共重合体よりなることを特徴とするコンタ
    クトレンズ材料。 (A)成分:アクリロイルイソシアナートまたはメタク
    リロイルイソシアナート (B)成分:下記構造式(I)または構造式(II)で示
    されるシリコン化合物および少なくとも一つ以上の水酸
    基またはアミノ基を有するふっ素含有化合物の少なくと
    も一方 【化1】 (各式中、Zは水酸基またはアミノ基、Rはメチル基ま
    たはトリメチルシロキシ基を示し、mは1〜6の整数、
    nは2〜20の整数を示す。) (C)成分:前記(A)成分と共重合可能な単量体であ
    って、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基変
    性アルキル(メタ)アクリレート、ふっ素化アルキル
    (メタ)アクリレート、ケイ素原子含有(メタ)アクリ
    レート、多官能(メタ)アクリレートおよび芳香族化合
    物からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005015748A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd 繊維用処理剤およびその処理方法

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JPS59102914A (ja) * 1982-10-12 1984-06-14 チバ−ガイギ−・アクチエンゲゼルシヤフト シリコ−ン含有ポリマ−並びにその用途
JPS62298595A (ja) * 1986-06-19 1987-12-25 Nippon Paint Co Ltd ケイ素含有重合性単量体ならびにその製法
JPH02269106A (ja) * 1989-04-10 1990-11-02 Kureha Chem Ind Co Ltd コンタクトレンズ材料

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