JP3322898B2 - 酸素透過性を改良した硬質コンタクトレンズ - Google Patents

酸素透過性を改良した硬質コンタクトレンズ

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JP3322898B2
JP3322898B2 JP01834392A JP1834392A JP3322898B2 JP 3322898 B2 JP3322898 B2 JP 3322898B2 JP 01834392 A JP01834392 A JP 01834392A JP 1834392 A JP1834392 A JP 1834392A JP 3322898 B2 JP3322898 B2 JP 3322898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】硬質コンタクトレンズは、それ自
体だけが乱視のような比較的重度の視覚障害を矯正する
のに必要な精度で製造することができるので、コンタク
ト市場の重要な部門である。
【0002】
【従来の技術】元来、硬質レンズはポリ(メチルアクリ
ラート)から作られ、酸素の透過はなかった;硬質の気
体透過性コンタクトレンズ(RGP)は、1970年代
前半に初めて開発され、長期の装着と優れた快適性の可
能性を提供したもので、米国特許第3,808,178
号明細書に開示されている;これは10ないし25バリ
アの酸素透過性を有するオリゴシロキサニル−アルキル
メタクリラート類の共重合体である;続いて、RGPポ
リマーは、例えば米国特許第4,486,577;4,
605,712;4,734,475号の各明細書に記
載されており、オリゴシロキサン−モノ−メタクリラー
ト類のみならず重合体のジメチルシロキサン−ジ−及び
ポリ−メタクリラート類に基づくものであり、大きな靭
性と35バリアまでの酸素透過性DKを特徴とする。
【0003】これらのDKレベルは、角膜への酸素流動
を確保するに十分な高さであり、酸素の欠乏による発病
と苦痛を軽減するものではあるが、真に長期間の装着な
いし夜通しの装着のためには、角膜の腫張を最小にする
ために更に高度の透過性が要求される。比較的最近にな
って、ケイ素を含有する組成物の他に、フッ素化したモ
ノマーをポリマーに組み入れることで高い透過性が達成
された;このような組成物は日本特許第82−1308
36号明細書に記載されており、トリフルオロエチルメ
タクリラートをオリゴシロキサニル−アルキルメタクリ
ラート型のRGP処方に添加するものであり、米国特許
第4,486,577号明細書には、ヘキサフルオロイ
ソプロピルメタクリラートをポリ(ジメチルシロキサ
ン)マクロマー型のRGP処方に組み入れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような複合ポリマ
ーで、60までのO2 DK値が達成されてきている。し
かしながら、ケイ素及びフッ素を含有するモノマーの割
合を増加することは、その他の物理的な性質、例えば有
効なレベルにおける硬さ、寸法安定性及び靭性を維持す
る要求と相反する。例えばオリゴシロキサニル−モノマ
ー系を用い、フッ素化したモノマーの量が30%を超過
する場合、次第に脆性ポリマーが得られ、その高い酸素
透過性にも拘らずコンタクトレンズとしての機械加工又
は操作で必ず破壊が起こる。一方、ポリシロキシマクロ
マー系を用い、フッ素化モノマー又はシロキサン−マク
ロマーの何れかを、あるパーセント以上に増加させる場
合、相分離が起こり許容できない曇りを生じ、ポリマー
の硬さは、ポリマー及びレンズの機械加工及び研磨がで
きなくなり寸法安定性が犠牲にされるレベルにまで低下
する。
【0005】フッ素及びケイ素を含むRGP処方に、ポ
リ(ジメチルシロキサン)マクロマーを1ないし15%
を組み入れる場合、生成したポリマーは、他の方法で達
成されたものを遥かに凌駕する靭性、硬さ及び酸素透過
性の組合せを有することを、今回計らずも発見した。
【0006】同様なポリマーは、米国特許第4,48
6,577;4,605,712;4,734,405
及び4,923,906号各明細書に記載されている
が、何れの場合にもこれらのポリマーは、ポリ(シロキ
サン)マクロマーを少なくとも15重量%、一般的には
25%以上を含むものであり、これらのポリマーの諸性
質の組合せは本発明のポリマーのそれよりも劣ってい
る。オリゴシロキサンメタクリラート、フッ素化メタク
リラート及びポリ(シロキサン)マクロマーの諸単位を
結合した、本発明のポリマーのような高い酸素透過性及
び硬さを有する硬質コンタクトレンズ素材の記載はな
い。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明の硬質かつ靭性
で、高度に酸素透過性のあるポリマーは: (A)数平均分子量Mn が約1000ないし8000の
直鎖又は分岐状ポリ(ジメチルシロキサン)マクロマー
であり、Si−C結合によってポリ(シロキサン)鎖に
結合している少なくとも2個の末端又は懸垂重合性オレ
フィン基を有する該マクロマーの1ないし15重量%、
(B)ケイ素原子数2ないし10のオリゴシロキサニル
−アルキルアクリラート又はメタクリラートの10ない
し50重量%、(C)アルキル基に3ないし21のフッ
素原子を含む、フッ素置換アルキルアクリラート又はメ
タクリラートの10ないし50重量%、(D)ホモポリ
マーが少なくとも85のショアD硬さを有する共重合性
ビニルモノマーの0ないし30重量%、(E)分子量1
00ないし1000のジ−又はポリビニル架橋モノマー
の1ないし25重量%、及び(F)水溶性で共重合可能
なビニルモノマーの0ないし15%、からの共重合体生
成物である。
【0008】欧州公開特許第A−455587号明細書
の実施例15、16及び17に開示されている以下の三
種のポリマーを、本発明のポリマーより除外する: (A)ポリ(ジメチルシロキサン)ジ(アルキレン−オ
ール)と、イソホロンジイソシアナート2当量、その後
ヒドロキシエチルメタクリラート2当量との反応生成物
の10重量%、(B)トリス(トリメチルシロキシ)シ
リルプロピルメタクリラートの40重量%、(C)トリ
フルオロエチルメタクリラートの29重量%、(D)
3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリラート
の3重量%、(E)3,5−ビス(3−メタクロイルオ
キシプロピル)−3,5−ビス(トリメチルシロキシ)
−1,1,1,7,7,7−ヘキサメチルテトラシロキ
サンの9重量%、及び(F)メタクリル酸の9重量%、
からの共重合生成物であるポリマー;並びに(A)ポリ
(ジメチルシロキサン)ジ(アルキレン−オール)と、
イソホロンジイソシアナート2当量、その後ヒドロキシ
エチルメタクリラート2当量との反応生成物の10重量
%、(B)トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
ルメタクリラートの35重量%、(C)トリフルオロエ
チルメタクリラートの35重量%、(D)3,3,5−
トリメチルシクロヘキシルメタクリラートの5重量%、
(E)3,5−ビス(3−メタクロイルオキシプロピ
ル)−3,5−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,
1,7,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサンの5重
量%、及び(F)メタクリル酸の10重量%、からの共
重合生成物であるポリマー;並びに(A)ポリ(ジメチ
ルシロキサン)ジ(アルキレン−オール)と、イソホロ
ンジイソシアナート2当量、その後ヒドロキシエチルメ
タクリラート2当量との反応生成物の5重量%、(B)
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリ
ラートの30重量%、(C)ヘキサフルオロイソプロピ
ルメタクリラートの39重量%、(D)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキシルメタクリラートの3重量%、
(E)3,5−ビス(3−メタクロイルオキシプロピ
ル)−3,5−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,
1,7,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサンの14
重量%、及び(F)メタクリル酸の9重量%、からの共
重合生成物であるポリマー。
【0009】共重合を行なう組成物において、(A)の
好ましい量は3ないし15重量%;(B)の好ましい量
は25ないし45重量%;(C)の好ましい量は20な
いし45重量%;(D)の好ましい量は20ないし45
重量%;(E)の好ましい量は1ないし20重量%;及
び(F)の好ましい量は3ないし15重量%である。好
適なポリマーは、(A)3ないし15重量%、(B)2
5ないし45重量%、(C)20ないし45重量%、
(D)0ないし15重量%、(E)1ないし20重量
%、及び(F)3ないし15重量%からの共重合生成物
である。
【0010】好適には、(A)は式(A−1)ないし
(A−6)のポリ(ジメチルシロキサン)−ポリオー
ル、ポリチオール、ポリアミン、ポリ酸又はポリオキシ
ランと、アクリラート類、メタクリラート類、アクリル
アミド類、メタクリルアミド類、マレアート類、イタコ
ナート類、ビニルエーテル類、スチレン又はアリルを含
む化合物よりなる群から誘導されたビニル不飽和の反応
性モノマーとの反応生成物であり、(A−1)は式:
【0011】
【化7】
【0012】[式中、Xは酸素、硫黄、−NH−又は
(炭素原子がR1 と結合する)−COO−;R1 は炭素
数2ないし7の直鎖又は分岐状アルキレン基;x1 は1
0ないし100の整数;yは0ないし4である]のポリ
(ジメチルシロキサン)−ポリオール、ポリチオール、
ポリアミン又はポリ酸; (A−2)は式:
【0013】
【化8】
【0014】(式中、x1 は前記と同義である)のポリ
(ジメチルシロキサン)テトロール;(A−3)は式:
【0015】
【化9】
【0016】(式中、x1 は前記と同義であり、y1
1ないし5である)のポリ(ジメチルシロキサン)ポリ
アミン; (A−4)は式:
【0017】
【化10】
【0018】(式中、y2 は2ないし6、X及びR1
前記と同義である)のポリ(ジメチルシロキサン)−ポ
リオール、ポリチオール、ポリアミン又はポリ酸(Xは
好適には酸素である); (A−5)及び(A−6)は式:
【0019】
【化11】 及び
【化12】
【0020】(式中、R1 、x1 、y及びy2 は前記と
同義であり、zは0又は1である)のポリ(ジメチルシ
ロキサン)ポリオキシランである。
【0021】好適なポリマーは、(A)3ないし15重
量%、(B)25ないし45重量%、(C)20ないし
45重量%、(D)0ないし15重量%、(E)1ない
し20重量%、及び(F)3ないし15重量%の共重合
生成物であり、ここで、(A)は上記の式(A−1)か
ら(A−6)までのポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ
オール、ポリチオール、ポリアミン、ポリ酸又はポリオ
キシランと、アクリラート類、メタクリラート類、アク
リルアミド類、メタクリルアミド類、マレアート類、イ
タコナート類、ビニルエーテル類、スチレン又はアリル
を含む化合物よりなる群から誘導されたビニル不飽和の
反応性モノマーとの反応生成物である。
【0022】式(A−1)、(A−2)、(A−3)、
(A−4)、(A−5)及び(A−6)のポリ(ジメチ
ルシロキサン)マクロマーにおいて、添字x1 のサブユ
ニット及び添字y、y1 又はy2 のサブユニットはマク
ロマー中に、無作為に分布し、式が示すように二つのブ
ロックとして必ずしも存在するものではない。
【0023】ビニル不飽和の反応性モノマーという用語
は、本発明の関連において、選ばれたポリ(シロキサ
ン)の反応基と反応することができる反応基を含む上記
の群のビニルモノマーを意味し、ヒドロキシ、アミノ、
カルボキシ、オキシラン、チオール、酸無水物又はイソ
シアナート基であり得る。
【0024】(A)は、数平均分子量Mn が約1000
ないし5000、式(A−1)、(A−2)、(A−
3)、(A−4)、(A−5)又は(A−6)のポリ
(ジメチルシロキサン)と、アクリラート類、メタクリ
ラート類、スチレン又はアリルを含む化合物よりなる群
から誘導されたビニル不飽和の反応性モノマーとの反応
によって得られる末端又は懸垂重合性オレフィン基を有
する直鎖又は分岐状ポリ(ジメチルシロキサン)マクロ
マー、(B)は、トリス(トリメチルシロキシ)シリル
プロピルメタクリラート、(C)は、ヘキサフルオロイ
ソプロピルメタクリラート又はトリフルオロエチルメタ
クリラート、(D)は、メチルメタクリラート、シクロ
ヘキシルメタクリラート、トリメチルシクロヘキシルメ
タクリラート又はイソボルニルメタクリラート、(E)
は、分子量が100ないし1000のジ- 若しくはトリ
アクリラート若しくはメタクリラート、ジビニルベンゼ
ン、3,5−ビス(3−メタクロイルオキシプロピル)
−3,5−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,1,
7,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサン、1,3−
ビス(3−メタクロイルオキシプロピル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、又はヒドロキシ若
しくはアミノ官能性ビニル化合物と、ジシアナート若し
くはシアナート置換ビニル化合物との当量の反応生成
物、及び(F)は、アクリル若しくはメタクリル酸、
N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチ
ルアクリラート若しくはメタクリラート、マレイン酸若
しくはイタコン酸の無水物、又はN−ビニルピロリド
ン、であるポリマーがさらに好適である。
【0025】(A)は、式(A−1)、(A−2)、
(A−3)又は(A−4)のポリ(ジメチルシロキサ
ン)- ポリオール又はポリアミンと、アクリラート類、
メタクリラート類、スチレン又はアリルを含む化合物よ
りなる群から誘導されたオキシラン若しくはイソシアナ
ト置換ビニルモノマーとの反応生成物であるポリマー;
(A)は、式(A−5)又は(A−6)のポリ(ジメチ
ルシロキサン)- ポリオキシランと、アクリラート類、
メタクリラート類、スチレン又はアリルを含む化合物よ
りなる群から誘導されたカルボキシ、アミノ、メルカプ
ト若しくはヒドロキシ置換ビニルモノマーとの反応生成
物であるポリマー;(A)は、式(A−1)又は(A−
4)のポリ(ジメチルシロキサン)- ポリチオールと、
グリシジルメタクリラート又はイソシアナート置換ビニ
ルモノマーとの反応生成物であるポリマー;及び(A)
は、式(A−1)又は(A−4)のポリ(ジメチルシロ
キサン)- ポリ酸と、グリシジルメタクリラート又はヒ
ドロキシ若しくはアミノ置換ビニルモノマーとの反応生
成物であるポリマーも好適である。
【0026】(A)は、式(A−1)、(A−2)又は
(A−4)のポリ(ジメチルシロキサン)- ポリオール
と、イソシアナト置換ビニルモノマー、又はヒドロキシ
若しくはアミノ官能性ビニル化合物と脂肪族若しくは脂
環式ジイソシアナートとの等モル量の反応生成物との反
応生成物であり、(E)は、分子量100ないし100
0のジ- 若しくはトリアクリラート若しくはメタクリラ
ート、ジビニルベンゼン、又はヒドロキシ若しくはアミ
ノ官能性ビニル化合物と、脂肪族若しくは脂環式ジイソ
シアナート若しくはイソシアナト置換ビニル化合物との
当量の反応生成物であるポリマー類は、最も好適であ
る。
【0027】(A)は、式(A−1)、(A−2)又は
(A−4)のポリ(ジメチルシロキサン)−ポリオール
又はポリアミンの反応生成物であり、イソシアナト置換
ビニルモノマーは、2−イソシアナトエチルメタクラー
ト、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイ
ソシアナート、又は2−ヒドロキシエチルメタクリラー
ト、N−t−ブチル−2−アミノエチルメタクリラート
若しくはアリルアルコールと、イソホロンジイソシアナ
ート若しくは3,3,4(4,4,3)トリメチルヘキ
サン−1,6−ジイソシアナートとの等モル量の反応生
成物であり、(E)は、分子量100ないし1000の
ジ−若しくはトリアクリラート若しくはメタクリラー
ト、ジビニルベンゼン、又は2−ヒドロキシエチルメタ
クリラート、N−t−ブチル−2−アミノエチルメタク
リラート若しくはアリルアルコールと、イソホロンジイ
ソシアナート若しくは3,3,4(4,4,3)トリメ
チルヘキサン−1,6−ジイソシアナートとの、若しく
は2−イソシアナトエチルメタクラート若しくはm−イ
ソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナー
トとの等モル量の反応生成物であるポリマー類も、最も
好適である。
【0028】(A)は、式(A−1)(式中、Xは酸素
又は−NH−、yはゼロ、x1 は20ないし50であ
る)のポリ(ジメチルシロキサン)−ジオール又はジア
ミンの反応生成物であり、イソシアナト置換ビニル化合
物は2−イソシアナトエチルメタクラート、m−イソプ
ロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート、
又は2−ヒドロキシエチルメタクリラート、N−t−ブ
チル−2−アミノエチルメタクリラート若しくはアリル
アルコールと、イソホロンジイソシアナート若しくは
3,3,4(4,4,3)トリメチルヘキサン−1,6
−ジイソシアナートとの等モル量の反応生成物、(B)
は、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタ
クリラート、(C)は、ヘキサフルオロイソプロピルメ
タクリラート、(D)は、トリメチルシクロヘキシルメ
タクリラート、(E)は、分子量100ないし1000
のジ−若しくはトリアクリラート若しくはメタクリラー
ト、ジビニルベンゼン、又は2−ヒドロキシエチルメタ
クリラート、N−t−ブチル−2−アミノエチルメタク
リラート若しくはアリルアルコールと、イソホロンジイ
ソシアナート若しくは3,3,4(4,4,3)トリメ
チルヘキサン−1,6−ジイソシアナートとの、若しく
は2−イソシアナトエチルメタクラート若しくはm−イ
ソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナー
トとの等モル量の反応生成物、及び(F)は、メタクリ
ル酸である、ポリマー類は特に好適である。
【0029】その他の有用なポリマーは、(A)が、式
(A−2)のポリ(ジメチルシロキサン)−テトロール
と、アクリラート類、メタクリラート類、スチレン若し
くはアリルを含む化合物よりなる群から誘導されたイソ
シアナト置換ビニルモノマー、又は好ましいイソシアナ
ト置換ビニルモノマーである2−イソシアナトエチルメ
タクラート若しくはm−イソプロペニル−α,α−ジメ
チルベンジルイソシアナートとの反応生成物であるポリ
マーである。
【0030】(A)は、式(A−1)、(A−3)又は
(A−4)のポリ(ジメチルシロキサン)−ポリアミン
と、アクリラート類、メタクリラート類、スチレン若し
くはアリル基を含む化合物よりなる群から誘導されたイ
ソシアナト置換ビニルモノマー、又は最も好適なイソシ
アナト置換ビニルモノマーである2−イソシアナトエチ
ルメタクリラート若しくはm−イソプロペニル−α,α
−ジメチルベンジルイソシアナートとの反応生成物であ
るポリマーも好ましい。
【0031】(A)は、式(A−4)のポリ(ジメチル
シロキサン)−ポリオールと、アクリラート類、メタク
リラート類、スチレン若しくはアリル基を含む化合物よ
りなる群から誘導されたイソシアナト置換ビニルモノマ
ー、2−イソシアナトエチルメタクラート若しくはm−
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナ
ートとの反応生成物、又はヒドロキシ若しくはアミノ官
能性ビニル化合物と、最も好適なイソシアナト置換ビニ
ルモノマーである脂肪族若しくは脂環式ジイソシアナー
トとの等モル量の反応生成物であるポリマーも好まし
い。
【0032】かくて、ポリ(ジメチルシロキサン)マク
ロマー類(A)は、Si−C結合によってポリシロキサ
ン鎖に結合し、ポリシロキサン鎖に結合した多数のアク
リラート、メタクリラート、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、ビニルエーテル、マレイン酸、イタコン酸、
スチリル又はアリル基を含み、ポリ(ジメチルシロキサ
ン)ポリアルカノール類、ポリアミン類、ポリチオール
類、ポリ酸類又はポリエポキシド類と、ビニル不飽和
酸、相当する酸塩化物、マレイン酸若しくはイタコン酸
の無水物、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト若しくはカ
ルボキシ置換ビニル化合物、又はアクリラート、メタク
リラート、ビニルエーテル、アリル若しくはスチレンの
基から誘導されたオキシラン若しくはイソシアナト置換
ビニルモノマーとの反応によって得られ、例えば米国特
許第4,136,250;4,189,546;4,2
08,362;4,276,402;4,486,57
7;4,605,712;4,837,289号の各明
細書に記載されている。
【0033】有用なマクロマー類(A)の代表的な例と
しては、上記の式を有するポリ(ジメチルシロキサン)
−アルカノール類及びアミン類と、アクリル酸若しくは
メタクリル酸、相当する酸塩化物、又はビニル置換イソ
シアナートとの反応生成物が挙げられる。ポリ(ジメチ
ルシロキサン)−アルカノール類も、グリシジルメタク
リラート及びマレイン酸若しくはイタコン酸の無水物と
反応して共重合性マクロマーを形成することができる。
上記の式のポリ(ジメチルシロキサン)−酸類と、グリ
シジルメタクリラート、2−ヒドロキシエチルアクリラ
ート若しくはメタクリラートのようなヒドロキシ置換ア
クリラート類若しくはメタクリラート類、ビニルエーテ
ルのようなビニルエーテル類、又はN−t−ブチルアミ
ノエチルメタクリラートのようなアミノ置換ビニルモノ
マーとの反応生成物;上記の式のポリ(ジメチルシロキ
サン)−チオール類と、グリシジルメタクリラート又は
ビニル置換イソシアナートとの反応生成物;及び、式
(A−5)及び(A−6)のポリ(ジメチルシロキサ
ン)−エポキシド類と、アクリル酸若しくはメタクリル
酸、若しくは2−ヒドロキシエチルアクリラート若しく
はメタクリラートのようなヒドロキシ置換アクリラート
類若しくはメタクリラート類、ビニルエーテルのような
ビニルエーテル類との、又はN−t−ブチルアミノエチ
ルメタクリラートのようなアミノ置換ビニルモノマーと
の反応生成物も有用である。
【0034】ケイ素原子数2ないし10のオリゴシロキ
サニル−アルキルアクリラート又はメタクリラートにお
いて、アルキル部分は炭素数8以下であるのが好まし
く、炭素数3以下が更に好ましい。
【0035】オリゴシロキサニル−アルキルアクリラー
ト類及びメタクリラート類(B)の代表的な例として
は、トリス(トリメチルシロキシ)シリル−プロピル
(メタ)アクリラート、トリフェニルジメチル−ジシロ
キサニルメチル(メタ)アクリラート、ペンタメチル−
ジシロキサニル−メチル(メタ)アクリラート、t−ブ
チル−テトラメチル−ジシロキサニルエチル(メタ)ア
クリラート、メチルジ(トリメチルシロキシ)シリル−
プロピル−グリセリル(メタ)アクリラート、ヘプタメ
チル−シクロテトラシロキシメチルメタクリラート;ヘ
プタメチル−シクロテトラシロキシ−プロピルメタクリ
ラート;(トリメチルシリル)−デカメチル−ペンタシ
ロキシ−プロピルメタクリラート;ウンデカメチルペン
タシロキシプロピルメタクリラートが挙げられる。好適
なモノマーは、トリス(トリメチルシロキシ)−シリル
−プロピルメタクリラートである。
【0036】フッ素置換アルキルアクリラート類及びメ
タクリラート類(C)の例としては、ヘキサフルオロイ
ソプロピルアクリラート及びメタクリラート、ペルフル
オロシクロヘキシルアクリラート及びメタクリラート、
並びに式:
【0037】
【化13】
【0038】[式中、Rf は -( CF2)t CF3 ;R3
は水素又はメチル;Xは酸素又は−NR4-(R4 は炭素
数1ないし5のアルキル基);rは1ないし4の整数;
tは0ないし7の整数;Wは直接結合又は式 -NR4-O
C−;−NR4 SO2-( CH2)r-;−NR4 SO2-;−
S-(CH2)r-;−NR4-( CH2)r-NR4 SO2-又は−
NHCO−の基である]のアクリラート又はメタクリラ
ートエステル類又はアミド類が挙げられる。
【0039】代表例は、1,1,2,2−テトラヒドロ
ペルフルオロオクチルアクリラート及びメタクリラー
ト、1,1−ジヒドロペルフルオロブチルアクリラート
及びメタクリラート、並びに1,1,2,2−テトラヒ
ドロペルフルオロブチルメタクルアミド又はアクリルア
ミドである。
【0040】式 HO-(CH2)r-W−Rf(式中、r、
W及びRf は前記と同義である)のアルコール類のフマ
ラート類及びイタコナート類も有用である。その他の有
用なフッ素化モノマーの例としては、C715CON(
25)C24 OH のようなフルオロアルキル置換
アミド−アルコール のアクリラート類及びメタクリラ
ート類;C81724 SO2 N( CH3)C48
H及びC817SO2 N( C25)C24 OH のよ
うなスルホンアミド−アルコール類のアクリラート類及
びメタクリラート類;C37-O( C36 O)2CF(
CF3)−CH2 OH又は( CF3)2 CF−O( CF2
2)2-CH2 CH2 OHのようなペルフルオロエーテル
アルコール類のアクリラート類及びメタクリラート類;
そして、式CF3(CF2)t CH2 CH2 SCH2 CH2
CH2 OH(式中、tは前記と同義である)のフッ素化
チオエーテルアルコール類のアクリラート類及びメタク
リラート類;Rf SO2 N( CH3)CH2 CH2 N( C
3)( CH2)3 NH2 及びRf CH2 SO2 NH( CH
2)2 NH2 のようなスルホンアミドアミン類のアクリラ
ート類及びメタクリラート類;Rf CONH( CH2)2
NH2 (式中、Rf は前記と同義である)のようなアミ
ドアミン類のアクリラート類及びメタクリラート類;並
びに上記のフッ素化アルコール類及びアミン類と、2−
イソシアナトエチルアクリラート類若しくはメタクリラ
ート類、又はm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベ
ンジルイソシアナートとの反応で得られるビニルモノマ
ー類が挙げられる。
【0041】ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラー
ト及びトリフルオロエチルメタクリラートは好適であ
り、ヘキサフルオロメタクリラートは最も好適である。
【0042】ホモポリマーが少なくとも85のショアD
硬さを有するコモノマー類(D)の代表例としては、メ
チルメタクリラート;シクロヘキシル−、トリメチルシ
クロヘキシル−、イソボルニル−、シクロペンタジエニ
ル−、t−ブチル−、フェニル−、及びベンジルメタク
リラート類とアクリラート類、及びイソプロピルメタク
リラート;スチレン、α−メチルスチレン及びt−ブチ
ルスチレンが挙げられる。好適にはメチル、シクロヘキ
シル、イソボルニル及びトリメチルシクロヘキシルメタ
クリラート類であり、トリメチルシクロヘキシルメタク
リラートは最も好適である。
【0043】本発明の好適な実施態様において、コモノ
マー類(D)の量は0重量%、すなわちコモノマー
(D)は存在しない。別の好適な実施態様において、コ
モノマー(D)が30重量%以下の量で存在する場合、
該コモノマー(D)には、欧州特許第A−455587
号明細書に開示されている嵩張った炭化水素置換基は無
い。従って、上記の好適な実施態様において、欧州特許
第A−455587号明細書に嵩張った置換基を有する
疏水性のビニル組成物(該特許出願のモノマーd)とし
て記載されているコモノマー類は、本特許出願のコモノ
マー類(D)の請求の範囲から除外される。しかしなが
ら、本発明の別な好適な実施態様において、欧州特許第
A−344487号明細書に記載されている嵩張った置
換基を有する疏水性のビニル組成物は、コモノマー
(D)として用いることができる、但しこれらの場合、
マクロマー(A)は、イソホロンジイソシアナート又は
トリレン−2,4−ジイソシアナートと、次いでアクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はフマール酸の、ア
ルキルの炭素数2ないし4のヒドロキシアルキルエステ
ル類及びアルキルの炭素数2ないし4のヒドロキシアル
キルビニルエーテル類から選ばれたヒドロキシ化合物と
反応させた、分子量が400ないし8000の式(A−
1)(式中、yはゼロである)のポリシロキサンジオー
ルとは異っている。
【0044】ポリビニル架橋コモノマー類(D)の代表
例としては、1,2−エチレングリコール、1,2−及
び1,3−プロパンジオール、1,3−及び1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−
ヘキサンジオールのジアクリラート類及びジメタクリラ
ート類;ジエチレン−、トリエチレン−及び テトラエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジ(2−
ヒドロキシエチル)スルホン及びチオジエチレングリコ
ールのジアクリラート類及びジメタクリラート類;トリ
メチロールプロパントリアクリラート及びトリメタクリ
ラート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリラー
ト、ペンタエリトリトールテトラアクリラート及びテト
ラメタクリラート、ジペンタエリトリトールモノヒドロ
キシペンタアクリラート;ビスフェノール−A−及びエ
トキシ化ビスフェノール−A−ジメタクリラート、トリ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアク
リラート;アリルメタクリラート、ジビニルベンゼン及
びブタンジオールジビニルエーテルが挙げられる;さら
に、ビニル不飽和のイソシアナート類の脂肪族、脂環式
及び芳香族ジイソシアナート類と、ヒドロキシ又はアミ
ノ置換アクリラート類及びメタクリラート類との当量の
反応生成物、例えばヘキサメチレン−1,6−ジイソシ
アナート、3,3,4(4,4,3)−トリメチルヘキ
サン−1,6−ジイソシアナート、4,4’−ジイソシ
アナトジフェニルメタン又はイソホロンジイソシアナー
トと、2モルの2−ヒドロキシエチル−若しくはN−t
−ブチル−2−アミノエチルアクリラート若しくはメタ
クリラート、又は3−ヒドロキシプロピルメタクリルア
ミドとの反応生成物、又は1モルの2−イソシアナトエ
チルメタクリラートと、1モルのヒドロキシエチル−又
はN−t−ブチル−2−アミノエチルアクリラート若し
くはメタクリラート、又は3−ヒドロキシプロピルメタ
クリラートとの反応生成物が有用である。シリコーンを
含むジアクリラート類又はジメタクリラート類、例えば
ビス(3−メタクリルオキシプロピル)テトラメチルジ
シロキサン及びビス(3−メタクリルオキシプロピル)
−テトラ(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、及びフ
ッ素化化合物、例えば2−(1−チア−2,2,3,3
−テトラヒドロ)トリデカフルオロノニルブタン−1,
4−ジオールジ(メタ)アクリラートも有用である。
【0045】好適な架橋したコモノマー類(E)は、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリラート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリラート、及び2−ヒドロ
キシエチルアクリラート並びにメタクリラート、又はN
−t−ブチル−3−アミノプロピルメタクリラートと、
イソホロンジイソシアナート若しくは3,3,4(4,
4,3)トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアナー
ト、又は2−イソシアナトエチルメタクリラート若しく
はm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソ
シアナートとの当量の反応生成物であり;1,3−ジ
(3−メタクロイルオキシプロピル)−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン及び1,3−ジ(3−メタ
クロイルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラ
(トリメチルシロキシ)ジシロキサンも好適である。2
−ヒドロキシエチルメタクリラート又はN−t−ブチル
−3−アミノプロピルメタクリラートと、イソホロンジ
イソシアナートとの反応生成物は最も好適である。
【0046】水溶性の共重合性コモノマー類(F)の代
表例は、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピ
ル、2,3−ジヒドロキシプロピル、エトキシエチル、
ジエトキシエチル、トリエトキシエチルアクリラート及
びメタクリラート;3−ヒドロキシプロピルメタクリル
アミド;N−ビニルピロリドン、ビニルアセタミド、N
−メチルアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N
−ジメチルアルリルアミド及びメタクリルアミド;N,
N−ジメチル−2−アミノエチルメタクリラート及び
N,N−ジメチル−3−アミノプロピルメタクリルアミ
ド;アクリル酸及びメタクリル酸;スチレンスルホン酸
及び3−メタクリルアミド−1−メチルプロパンスルホ
ン酸及びビニルホスホン酸である。また、本発明の本文
における、有用なコモノマー類(F)は、マレイン酸及
びイタコン酸の無水物、及びグリシジルメタクリラート
であり、その無水物とオキシラン基は重合の後、容易に
水溶性の部分に加水分解され得る。
【0047】好適な水溶性のコモノマー(F)は、メタ
クリル酸、N,N−ジメチルアクリルアミド及び2−ヒ
ドロキシエチルメタクリラートであり、メタクリル酸は
最も好適である。
【0048】エステルであるポリビニル不飽和のポリ
(ジメチルシロキサン)マクロマー類は、相当するポリ
オール類及びポリアミン類から、通常のエステル化又は
エステル交換反応により、アクリル酸又はメタクリル
酸、又は相当する酸塩化物、又はメチルエステルとの反
応によって合成することができる。
【0049】好適なポリ(ジメチルシロキサン)マクロ
マー類は、はじめにシロキサンジオール又はジアミン
を、1当量以上の脂肪族、芳香族又は脂環式ジイソシア
ナートと反応させ、次いで懸垂イソシアナート基を、ヒ
ドロキシ又はアミノ官能性アクリラート又はメタクリラ
ートのようなイソシアナートと反応するビニルモノマー
と反応させて未端化する二段階の工程で、反応性のポリ
(シロキサン)から合成される。このようなマクロマー
類の合成は、米国特許第4,486,577;4,73
4,475;4,734,405及び4,923,90
6号各明細書に記載されている。
【0050】この合成の望ましい変法として、ポリ(ジ
メチルシロキサン)マクロマー類は、式(A−1)(式
中、x1 は20ないし50であり、yはゼロである)の
ポリ(ジメチルシロキサン)−ジオール類又はジアミン
類から、少なくとも4モルのイソホロンジイソシアナー
トのようなジイソシアナートとの反応、次いで第二段階
で過剰のイソシアナート基と、2−ヒドロキシエチルメ
タクリラートのようなビニル不飽和のイソシアナートに
反応する化合物との反応により合成される;同時に、望
ましい架橋剤(E)であるジウレタン−ジビニルモノマ
ーが副生物として形成され、靭性組成物として、予期し
ないことであるが、酸素透過性を増進する組成物として
作用する。合成の第一段階で、過剰のジイソシアナート
を用いる結果、最終のマクロマーは、最終の硬質レンズ
ポリマーの相容性と硬さを限定する内在性のウレタン又
はユリア基を有する高分子量の鎖の伸張した分子を含ま
ない。
【0051】または、分子量分布が狭く、鎖の伸張のな
いマクロマー類は、ポリシロキサンジオール又はジアミ
ンと、略当量のビニル不飽和のイソシアナートとの反応
によって合成され得る;イソシアナート類の代表例とし
ては、2−イソシアナトエチルメタクリラート、2−イ
ソシアナトエチルアクリラート、3−イソシアナトプロ
ピルメタクリラート、1−メチル−2−イソシアナトエ
チルメタクリラート、及び1,1−ジメチル−2−イソ
シアナトエチルアクリラートが挙げられる。このような
化合物とそれらの製法は、例えば、米国特許第2,71
8,516号明細書及び英国特許第1,252,099
号明細書に記載されている。又このようなマクロマー類
は、米国特許第4,605,712及び4,837,2
98号の各明細書に記載されている。
【0052】その他の有用なイソシアナートには、スチ
レンイソシアナート及びm−イソプロペニル−α,α−
ジメチルベンジルイソシアナートがある。
【0053】有用なジイソシアナートの例としては、エ
チレンジイソシアナート、1,2−ジイソシアナトプロ
パン、1,3−ジイソシアナトプロパン、1,6−ジイ
ソシアナトヘキサン、1,2−ジイソシアナトシクロヘ
キサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,
4−ジイソシアナトベンゼン、ビス(4−イソシアナト
シクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトシク
ロヘキセニル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニ
ル)メタン、2,6−及び2,4−トルエンジイソシア
ナート;3,3’−ジクロロ−4,4’−ジイソシアナ
トビフェニル;トリス(4−イソシアナトフェニル)メ
タン、1,5−ジイソシアナトナフタレン、水素化され
たトルエンジイソシアナート;1−イソシアナトメチル
−5−イソシアナト−1,3,3−トリメチルシクロヘ
キサン(=”イソホロンジイソシアナート”);1,
3,5−トリス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレー
ト、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサン−
1,6−ジイソシアナート、2,2’−ジイソシアナト
ジエチルフマラート;1,5−ジイソシアナト−1−カ
ルボキシペンタン;1,2−、1,3−、1,6−、
1,7−、1,8−、2,7−及び2,3−ジイソシア
ナトナフタレン;2,4−及び2,7−ジイソシアナト
−1−メチルナフタレン;4,4’−ジイソシアナトビ
フェニル;4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメ
トキシ−6(7)−メチルナフタレン;4,4’−ジイ
ソシアナト−2,2’−ジメチルビフェニル;ビス(4
−イソシアナトフェニル)エタン及びビス(4−イソシ
アナトフェニル)エーテルが挙げられる。
【0054】マクロマー合成の第二段階を行なうのに有
用なイソシアナート反応性の、活性水素を含むビニル化
合物は、例えば2−及び3−ヒドロキシプロピルアクリ
ラート及びメタクリラート;4−ヒドロキシブチルアク
リラート及びメタクリラート;グリセロールジメタクリ
ラート;ヒドロキシエチルマレエート及びフマラート;
2−ヒドロキシエチル−及び4−ヒドロキシブチルビニ
ルエーテル;N−(3−ヒドロキシプロピル)メタクリ
ルアミド;ビニルベンジルアルコール及びアリルアルコ
ールである。
【0055】反応は、塊状又は溶液の何れかで、室温又
は僅かに高い温度で行なわれる;ウレタン結合形成に
は、トリメチルアミン、ジブチルジラウリルスズなどの
ような触媒を使用するのが好ましい。
【0056】分散度D(D=MWw /MWn )を測定し
て、ヒドロキシ−又はアミノ官能性ポリ(ジメチルシロ
キサン)反応成分と本質的に同じ分子量分布を有するポ
リ(シロキサン)マクロマー類を、該ヒドロキシ−又は
アミノ官能性ポリ(ジメチルシロキサン)反応成分と、
少なくとも4倍モル量のジイソシアナートを反応させ、
次いでイソシアナート反応性ビニルモノマー、例えばヒ
ドロキシ−又はアミノ官能性ビニルモノマーと反応させ
て合成するのは、本発明の別な実施態様である。
【0057】ジイソシアナートは、好適には脂肪族又は
脂環式ジイソシアナート、最も好適にはイソホロンジイ
ソシアナートであり;イソシアナート反応性ビニルモノ
マーは、好適には2−ヒドロキシエチルメタクリラー
ト、N−t−ブチル−3−アミノエチルメタクリラート
又はアリルアルコール、最も好適には2−ヒドロキシエ
チルメタクリラート又はN−t−ブチル−3−アミノエ
チルメタクラートである。
【0058】本発明のさらに別の実施態様は、ヒドロキ
シ−又はアミノ官能性ポリ(ジメチルシロキサン)を脂
肪族又は脂環式ジイソシアナートと、少なくとも4モル
のジイソシアナートに対して官能性ポリ(ジメチルシロ
キサン)1モルのモル比で反応させ、次いで残余のイソ
シアナート基を当量の活性水素を含むビニルモノマーと
反応させることよりなる、ヒドロキシ−又はアミノ官能
性ポリ(シロキサン)の分子量分布Dと同じか低いポリ
(シロキサン)ポリビニルマクロマーの製造法である。
【0059】該製造法において、脂肪族又は脂環式ジイ
ソシアナートと、少なくとも4モルのジイソシアナート
に対して官能性ポリ(ジメチルシロキサン)1モルのモ
ル比で反応し、次いで残余のイソシアナート基を当量の
イソシアナート反応性ビニルモノマーと反応する、ヒド
ロキシ−又はアミノ官能性ポリ(ジメチルシロキサン)
は、式(A−1)(式中、yはゼロである)であるのが
好ましい。
【0060】上記の製造法において、ジイソシアナート
がイソホロンジイソシアンート又は3,3,4(4,
4,3)トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアナー
トであり、イソシアナート反応性ビニルモノマーが2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート又はN−t−ブ
チル−2−アミノエチルメタクリラートであるのが好ま
しい。
【0061】最終的なポリマーは、好適には、適当量の
マクロマーとコモノマー類を混合し、遊離基を発生する
開始剤を添加し、脱酸素した混合物を、通常、モールド
に入れて重合が終了するまで紫外線照射又は熱の何れか
に作用させて合成される。このモールドは、ボタンブラ
ンク又はボタンが最終の機械加工でコンタクトレンズに
仕上げられる円形の棒又は扁平の薄板を作るためのプラ
スチック製カップよりなる。または、レンズは、表面の
両方又は片方だけの何れかが光学的に正当なレンズ注型
用モールドの中で成形されることもある。
【0062】典型的な熱的に活性化される重合開始剤
は、有機過酸化物、ヒドロペルオキシド及びアゾ化合物
である。このような重合開始剤の代表例としては、ベン
ゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾアー
ト、ジイソプロピルペルオキシジカーボナート、クメン
ヒドロペルオキシド、アゾビス(イソブチロニトリル)
などが挙げられる。一般には、熱重合開始剤は、約0.
01ないし5重量%が用いられる。
【0063】熱重合は、反応の過剰な発熱及び随伴的に
起こるシュリーレンその他のゆがみのような光学的な欠
陥を回避するため、非常に遅い速度、すなわち低温で長
時間、通常24時間以上で行なわれる。
【0064】紫外線照射で開始される重合は光重合開始
剤を用いて行なわれる。このような開始剤は重合の技術
分野で周知であり、例えば Calvert と Pitts 著 ”P
hotoch emistry ”の第二章、 John Wiley & Sons 出
版(1966)に記載されている。好適な重合開始剤
は、組成物を照射した場合に重合を促進する光重合開始
剤である。このような光重合開始剤の代表例としては、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ゾインイソブチルエーテル及びα−メチルベンゾインの
ようなアシロイン及びその誘導体;ベンジル、ジアセチ
ルなどのようなジケトン類;アセトフェノン、α,α,
α−トリブロモアセトフェノン、α,α−ジエトキシア
セトフェノン(DEAP)、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニル−1−プロパノン、o−ニトロ−α,
α,α−トリブロモアセトフェノン、ベンゾフェノン及
びp,p’−テトラメチルジアミノ−ベンゾフェノンの
ようなケトン類;ベンジル(O−エトキシカルボニル)
−α−モノオキシムのようなα−アシロキシムエステル
類;ベンゾフェノン/N−メチルジエタノールアミン、
ベンゾフェノン/トリブチルアミン及びベンゾフェノン
/ミヒラーケトンのようなケトン/アミンの組合せ;並
びに、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケ
タール及び2,5−ジクロロベンジルジメチルケタ−ル
のようなベンジルケタールが挙げられる。通常、光重合
開始剤は、全モノマー組成物の約0.01ないし5重量
%が用いられる。
【0065】好適には、約0.1ないし1.0%の光重
合開始剤が、重合を行なう組成物に用いられる。
【0066】紫外線照射で開始される重合は、数時間又
は混合物がゲルになるまで、低い強度の紫外線の初期位
相(1×10-2μW/cm2 )、硬化終了前には高い強
度(12×10-2μW/cm2 )を用いて行なう。 初
期の遅い熱硬化サイクルと高い強度の紫外線照射硬化と
を組み合わせることも可能である。
【0067】重合の終了後、ポリマーは、100℃で1
時間、真空オーブンデ加熱して焼なまし、後硬化を行な
い、室温まで徐々に冷却する。
【0068】全体のポリマー合成を、以下の実施例によ
って更に明瞭に記述する。これらの実施例において、数
平均分子量MWn は末端基の滴定により、分子量分散度
D=MWw /MWn はゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーにより定量した。
【0069】酸素透過性は、酸素透過率計モデル201
−T(Createch社)により、電解質として緩衝塩溶液
(pH=7)を用いて25℃の温度、厚さ0.25mm
の試料で測定し、単位を次式で表した: O2 ・DK(バリア)=(cm3(STP)cm10-10)/(cm2sec c
m Hg)
【0070】物理工学測定は、厚さ0.6ないし1mm
のシートについて、INSTRON試験装置、モデル1
123で行なった。硬さは、ショアD硬さ試験機で測定
した。
【0071】ケイ素分析は、燃焼法による原子吸光フッ
素分析法により行なった。
【0072】
【実施例】以下の実施例は、単に例示のためであって決
して本発明の性質及び範囲を限定するものではない。温
度はセ氏度で表した。実施例1〜11は、ポリ(ジメチ
ルシロキサン)[PDMS]ウレタン−若しくはユリア
ビニルマクロマーの合成を記載した。
【0073】実施例1 ポリ−シロキサンビス−ウレタンメタクリラートマクロ
マーの製法 撹拌器、温度計、コンデンサー及び窒素導入管を備えた
300ml容の三頚フラスコに、予めロータリエバポレ
ータを通して揮発分を除去したポリ(ジメチルシロキサ
ン)ジオール[式(A−1):y=0,R1 =プロピ
ル、MW=2706;Shinetsu A-1000 ]112.18
gを入れた。1−イソシアナトメチル−5−イソシアナ
ト−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン(イソホロ
ンジイソシアナート、IPDI)19.5g(0.08
77モル)を、触媒のジブチルジラウリルスズ0.14
gと共に加えた。次いで、混合物を、窒素下、温度制御
された水浴上50℃で、5時間撹拌した。その時間経過
後、滴定で定量したNCO含量は初期の値の約1/2に
低下し、イソシアナート末端プリポリマーの形成を示し
た。上記で得られたポリジメチルシロキサンジイソシア
ナートプリポリマー126.5gに、2−ヒドロキシエ
チルメタクリラート(HEMA)12.17g(0.0
935モル)を加え、窒素下、NCO基が全部反応し終
わるまで混合物を室温で撹拌し、赤外スペクトルでイソ
シアナートの吸収線の消失を確認した。得られた生成物
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分析に
より、分散度1.7を有するメタクリラート末端のポリ
シロキサン及び幾らかの鎖の伸張が行なわれたことを示
す小量のHEMA末端IPDIより構成されていた。
【0074】実施例2 過剰のジイソシアナートを有し、分散度の低いマクロマ
ー類の合成 実施例1の軽質分を除去したPDMS−ジオール(MW
n =2706)9.96g(0.0037モル)とヘキ
サフルオロイソプロピルメタクリラート(F6MA)1
2.5gを100ml容の三頚丸底フラスコに入れ、フ
ラスコに撹拌器、温度計及びガス導入アダプターを設置
し、乾燥空気を通じた。イソホロン−ジイソシアナート
(IPDI)7.39g(0.0332モル)を加え
て、撹拌し、透明な溶液となし;ジブチルジラウリルス
ズ(DBTL)0.0350g(2滴)を加え、5.5
時間撹拌して透明な溶液を得た。この溶液を、乾燥空気
の雰囲気下、氷水浴にて15℃に冷却し、撹拌しなが
ら、新たに蒸留した2−ヒドロキシエチルメタクリラー
ト(HEMA)8.08g(0.0621モル)を加え
た。15分後、氷水浴を取り去ると、混合物はIPDI
−HEMA二付加物を形成して濁るが、乾燥空気の雰囲
気下、反応混合物を室温で一夜撹拌した。乳濁した白色
の液体を褐色瓶に入れ冷蔵庫で保存した。この液体は、
分散度D1.4のマクロマー33%、IPDI−ジ−H
EMA[IP(HE)2 ]33%及びF6 MA33%よ
り構成されていた。
【0075】実施例3 PDMS−ユリア/ウレタン−ジメタクリラートマクロ
マーの合成 イソホロンジイソシアナート23.8g(0.107モ
ル)とヘキサフルオロイソプロピルメタクリラート(F
6 MA)40.14g を100ml容の三頚丸底フラ
スコに入れ、フラスコに撹拌器、温度計及びガス導入ア
ダプターを設置し、乾燥空気下、氷水浴で冷却した。ポ
リ(ジメチルシロキサン)ジアミン〔式(A−1);y
=0,R1 =プロピル、MW=2628、Goldschmidt
GmbH社〕31.52g(0.012モル)を、撹拌下、
冷溶液に徐々に加えると透明な粘性の混合物を生成した
が、更に3.5時間撹拌した。この溶液を乾燥空気下、
氷水浴で15℃に冷却した。撹拌しながら、新たに蒸留
した2−ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)
25.9g(0.199モル)を加え、15分経過して
から氷水浴を取り除いた。混合物はIPDI−HEMA
二付加物を形成して濁るが、乾燥空気の雰囲気下、室温
で一夜撹拌した。
【0076】実施例4〜6 それぞれ実施例2及び3の方法により、PDMS−マク
ロマーは、PDMS−ジオール及びPDMS−ジアミン
と、各種量の過剰なイソホロンジイソシアナートを用い
て作られた。これらのマクロマー及び上記の実施例のマ
クロマーを、分子量分散度及びIPDI−diHEMA
付加物の百分率を共に表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】Dで表した分子量分布は、大過剰のIPD
I(実施例1、2、4)で作られたマクロマーでは狭
く;実施例3、5及び6のD値は、鎖が伸張していない
マクロマーに対して計算された理論値に近く、実施例3
では1.7、実施例5では1.5、実施例6では1.6
であった。
【0079】実施例7a 実施例2の方法と同様に、イソホロンジイソシアナート
の代わりに、等量の3,3,4(4,4,3)−トリメ
チルヘキサン−1,6−ジイソシアナートを用い、2−
ヒドロキシエチルメタクリラートの代わりに、N−t−
ブチルアミノエチルメタクリラートを最終のイソシアナ
ートでの末端化段階で用い、透明な粘性のPDMS−マ
クロマー溶液を得た。
【0080】実施例7b 実施例2の方法と同様に、2−ヒドロキシエチルメタク
リラートの代わりに、アリルアルコールを最終のイソシ
アナートでの末端化段階で用い、透明な粘性のPDMS
−マクロマー溶液を得た。
【0081】実施例8 テトラ(ウレタン)末端ポリ(ジメチルシロキサン)の
合成 x1 が約48である式(A−2)(MW3805)のポ
リ(シロキサン)ジアルキルテトロール20.02g
(0.021ヒドロキシ当量)を、100ml容フラス
コ中で2−イソシアナトエチルメタクリラート(IE
M;DOW Chem. 社)3.25g(0.021当量)及び
DBTL0.053gと混合した。この混合物を、乾燥
空気下、24℃でNCOの全部が消失するまで撹拌し、
赤外スペクトルで消失を確認した。両末端がウレタンと
結合したエチルメタクリラートのポリシロキサンよりな
る透明で粘性の反応生成物を、窒素下暗所に保存した。
【0082】実施例9 PDMS−ジオール類及びジアミン類並びに2−イソシ
アナトエチルメタクリラートからのPDMS−ジビニル
マクロマー類の合成 ポリ(ジメチルシロキサン)ジアルカノール[式(A−
1);R1 =プロピル、y=0、MW=2438;Shin
-Etsu X-61-504A ]21.19g(0.005モル)
と、2−イソシアナトエチルメタクリラート1.552
g(0.01モル)とを触媒としてジブチルジラウリル
スズ0.01gを用い、25℃で6時間反応させた。2
749の理論MWを有する透明で粘性の樹脂を得た。
【0083】実施例10 α,ω−ジプロピルアミノポリ(ジメチルシロキサン)
[式(A−1);R1=プロピル、y=0、MW=17
70、Shin-Etsu No. X-22-161A ] 56.62g(3
2.1ミリモル)を、撹拌器、ガス導入管、温度計を備
えた100ml容三頚丸底フラスコに入れ、氷水浴で冷
却し乾燥空気の雰囲気とした。2−イソシアナトエチル
メタクリラート(IME)9.97g(64.3ミリモ
ル)を加え、反応混合物を撹拌した。30分後、氷水浴
を取り去り、更に4時間撹拌した。この透明で淡黄色の
粘性の液体のIRは、2350cm-1にNCOのピーク
を示さなかった。
【0084】実施例11 ユリア−スチリル末端のPDMS−マクロマーの合成及
び尿素架橋剤 実施例10のアミノプロピル末端PDMS6.6g
(2.45ミリモル)とヘキサフルオロイソプロピルメ
タクリラート7.61gとを、撹拌器、ガス導入管、温
度計を備えた100ml容三頚丸底フラスコに入れ、氷
水浴で冷却し乾燥空気の雰囲気とした。撹拌下に、m−
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナ
ート(TMI)4.98g(24.76ミリモル)を加
え、15分後に氷水浴を取り去り、更に1時間撹拌し
た。内容物を氷水浴で冷却し、N−t−ブチルアミノエ
チルメタクリラート3.64g(19.66ミリモル)
をゆっくり加え、1時間後に氷水浴を取り去り、反応混
合物を更に3時間撹拌し、α−メチルスチレン末端ポリ
(ジメチルシロキサン)33.3%、N−(m−イソプ
ロペニル−1,1−ジメチルベンジル)−N’−t−ブ
チル−N’−メタクリルオキシエチルユリア33.3
%、及びヘキサフルオロイソプロピルメタクリラート3
3.3%よりなる溶液を生成した。
【0085】ポリマーサンプルの調製 実施例12 実施例1で得られたポリシロキサンマクロマー30g
を、ヘキサフルオロイソプロピルメタクレラート17.
5g、エチレングリコールジメタクリラート9.4g及
びメタクリル酸5.6gと混合し、DARACURE 1173 (UN
IROYAL 社)0.06gを加えて、混合物を完全に脱気
し、次いで窒素下に保存した。この混合物の一部を、MY
LAR で裏打ちされたガラス板の間で、スペーサーとして
シリコーンコードを用いクランプで挟み、厚さ1.0m
mのシートを作るのに使用した。このモールドを、Blac
k Light Blue(SYLVANIA)ランプで3時間、紫外線照射
し、ポリマーをモールドから取出し、試験に供した。モ
ノマー−マクロマー混合物の他の部分は、定容量シリン
ジを用いて、直径14mm、高さ8mmの円形ポリプロ
ピレンモールドに満たし、余裕のある凸状のポリプロピ
レンのカバーで封をした。このモールドをトレイに入
れ、窒素ガスを通した箱の中で上記のランプを使用し
て、最初には下からのみ1×10-2μW/cm2 の強
度、次に上部と下から12×10-2μW/cm2 の強度
で更に3時間照射した。モールドを開き、ボタン状のポ
リマーを取出し、100°で1時間焼きなまし、室温に
冷却した。数個のボタンを、丸い表面に平行と縦の両方
に半分に切り、切断した表面を研磨して硬さを測定し
た。別のボタンからは、厚さ0.2mmの薄片を切り取
り酸素透過性の測定に使用した。
【0086】実施例13〜16 実施例12と同様に、各種の組成物を有するポリマー
を、シート及びボタン状に作成した。それらの組成物及
び性質を、実施例12のポリマー、Fluoroperm-92 ,市
販のRGPレンズ素材と共に表2及び表3に示した。
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】非常に低い伸びから判るように、何れかの
マクロマーを含まないポリマーは極端に脆性である:厚
さ0.2mmのディスクは、いかなる度合いにも曲げら
れない(B=vb、脆性大)が、それに反して他のポリ
マーは破壊することなくある程度曲げることができる。
【0090】実施例17〜22 実施例12と同様に、以下のポリマーは実施例1のマク
ロマーを用いて合成した:
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】総てのポリマーは、高いケイ素及びフッ素
含有率にも拘らず、それらの伸びから判るように脆性が
なく、破壊することなく曲げることができた。
【0094】実施例23〜32 実施例12と同様に、実施例番号のマクロマーを用い
て、ポリマーを合成した(総てのポリマーは9%のメタ
クリル酸コモノマーを含む):
【0095】
【表6】
【0096】
【表7】
【0097】実施例33 実施例31と同様に、トリメチルシクロヘキシルメタク
リラートの代わりに同量のメチルメタクリラートを使用
し、ショアD硬さ78、酸素透過性DK73を有する透
明なポリマーを得た。
【0098】実施例34 実施例31と同様に、トリメチルシクロヘキシルメタク
リラートの代わりに同量のイソボルニルメタクリラート
を使用し、ショアD硬さ79、酸素透過性DK75を有
する透明なポリマーを得た。
【0099】実施例35 実施例31と同様に、トリメチルシクロヘキシルメタク
リラートの代わりに同量のt−ブチルスチレンを使用
し、ショアD硬さ75、酸素透過率DK76を有する透
明なポリマーを得た。
【0100】実施例36 実施例31と同様に、トリメチルシクロヘキシルメタク
リラートの代わりに同量のシクロヘキシルメタクリラー
トを使用し、ショアD硬さ78、酸素透過率DK73を
有する透明なポリマーを得た。
【0101】実施例37 実施例21と同様に、実施例7bのアリル末端のマクロ
マーを使用し、ショアD硬さ75、酸素透過率DK74
を有する透明なポリマーを得た。
【0102】実施例38 実施例21と同様に、実施例8のテトラメタクリラート
末端のマクロマーを使用し、ショアD硬さ77、酸素透
過率DK73を有する透明なポリマーを得た。
【0103】実施例39 実施例26と同様に、実施例11のユリア−スチリルマ
クロマー及びスチリルメタクリラート架橋コモノマーを
使用し、ショアD硬さ79、酸素透過率DK80を有す
る透明なポリマーを得た。
【0104】実施例40 実施例21と同様に、マクロマーとして式(A−5)の
α,ω−ジオキシランポリ(ジメチルシロキサン)とア
クリル酸との反応で得られたα,ω−ジメタクリラート
(TEGOMER V-Si2150;MWn =1100;Goldschmidst
AG 社)を使用し、ショアD硬さ79、酸素透過率DK
78を有する透明なポリマーを得た。
【0105】実施例41 α,ω−ジ−オキシラン−ポリ(ジメチルシロキサン)
[式(A−5):z=1、R1 =プロピル、y=0、M
W=2400;Goldschmidt AG社、TEGOMER E-Si2330]
24gを、撹拌器、ガス導入管、温度計を設置した10
0ml容の3頚丸底フラスコに入れ、乾燥空気下、40
℃で撹拌しながらN−t−ブチル−2−アミノエチルメ
タクリラート3.1g(20.6ミリモル)を徐々に加
えた。反応混合物を24時間撹拌し、透明なメタクリラ
ート官能性ポリ(ジメチルシロキサン)マクロマーを得
た。このマクロマー10gを、実施例21のUV重合性
コモノマー組成物を作るのに使用した;重合後、ショア
−D硬さ76、酸素透過率DK85を有する、透明な硬
質ポリマーを得た。
【0106】実施例42 乾燥空気下、イソホロンジイソシアナート(IPDI)
174g(0.785モル)及びジブチルジラウリルス
ズ180μlを、サーモスタットにより20℃に調温し
た1l容のフラスコ中で機械的に撹拌した。ポリ(ジメ
チルシロキサン)ジオール[式(A−1);y=0;R
1-XH=CH2-CH2-CH( CH3)OH;MW=196
3;Th. Goldschmidt AG社のTEGOMER H-Si2312]700
g(0.713モルOH)を、20ないし30時間かけ
て徐々に加えた。反応混合物をさらに18時間撹拌し、
25℃に昇温して、新たに蒸留した2−ヒドロキシエチ
ルメタクリラート(HEMA)135g(1.03モ
ル)を加え、赤外スペクトルのイソシナート吸収線の消
失を確認しながらNCO基が全部反応し終わるまで撹拌
した。得られた生成物は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーの分析によって、分散率1.4、過剰のI
PDIに起因する少量のHEMA末端IPDIを含むポ
リシロキサンマクロマーより構成されていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル シー ボクニック アメリカ合衆国 ニューヨーク 10701 ヨンカース リンドン ストリート 33 (72)発明者 ハロー ミューラー ファン デー ヘ ーゲン ドイツ連邦共和国 8752 ラウファッハ ベルクシュトラーセ 23 (56)参考文献 特開 昭63−258917(JP,A) 特開 昭63−85719(JP,A) 特開 昭61−285425(JP,A) 特開 昭61−285426(JP,A) 特開 昭62−294201(JP,A) 特開 平4−23819(JP,A) 特開 平3−12416(JP,A) 特開 平3−223321(JP,A) 特開 平5−306309(JP,A) 特開 昭62−296118(JP,A) 特開 平5−70546(JP,A) 特開 平4−154825(JP,A) 特開 平4−145108(JP,A) 特開 平3−257420(JP,A) 特開 平3−240021(JP,A) 特開 平3−12415(JP,A) 特開 昭59−229524(JP,A) 特表 昭62−501781(JP,A) 米国特許4766189(US,A) 国際公開91/10155(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 G02B 1/04 G02C 7/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均分子量Mn が1000ない
    し8000の直鎖又は分岐状ポリ(ジメチルシロキサ
    ン)マクロマーであり、Si−C結合を介してポリ(シ
    ロキサン)鎖に結合している少なくとも2個の末端又は
    懸垂重合性オレフィン基を有する該マクロマーの1ない
    し15重量%、 (B)ケイ素原子数2ないし10のオリゴシロキサニル
    −アルキルアクリラート又はメタクリラートの10ない
    し50重量%、 (C)アルキル基が3ないし21個のフッ素原子でフッ
    素置換されたアルキルアクリラート又はメタクリラート
    の10ないし50重量%、 (D)ホモポリマーが少なくとも85のショアD硬さを
    有する共重合性ビニルモノマーの0重量%、 (E)分子量100ないし1000のジ−又はポリビニ
    ル架橋モノマーの1ないし25重量%、及び (F)水溶性の共重合性ビニルモノマーの0ないし15
    重量%、 からの共重合生成物であって、 ここで(A)は、式(A−1)〜(A−4)で示される
    ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリオール、ポリチオー
    ル又はポリアミンと、イソシアナト置換ビニルモノマー
    との反応生成物であり、 該イソシアナト置換ビニルモノマーが、2−イソシアナ
    トエチルメタクリラート、m−イソプロペニル−α,α
    −ジメチルベンジルイソシアナート、又は等モル量の2
    −ヒドロキシエチルメタクリラート、N−t−ブチル−
    2−アミノエチルメタクリラート若しくはアリルアルコ
    ールと、イソホロンジイソシアナート若しくは3,3,
    4(4,4,3)−トリメチルヘキサン−1,6−ジイ
    ソシアナートとの反応生成物であり、 ここで、(A−1)は、式: 【化1】 (式中、Xは、酸素、硫黄又は−NH−であり、 R1 は、炭素原子数2ないし7の直鎖又は分岐状アルキ
    レン基であり、 x1 は、10ないし100の整数であり、 yは、0ないし4である) で示されるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリオール、
    ポリチオール又はポリアミンであり、 (A−2)は、式: 【化2】 (式中、x1 は、前記と同義である) で示されるポリ(ジメチルシロキサン)テトラオールで
    あり、 (A−3)は、式: 【化3】 (式中、x1 は、前記と同義であり、y1 は、1〜5で
    ある) で示されるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリアミンで
    あり、 (A−4)は、式: 【化4】 (式中、y2は、2〜6であり、x1、X、R1は、前記
    と同義である) で示されるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリオール、
    ポリチオール又はポリアミンであり、 (E)は、分子量100ないし1000のジ−又はトリ
    アクリラート又はメタクリラート、ジビニルベンゼン、
    3,5−ビス(3−メタクリロイルオキシプロピル)−
    3,5−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,1,
    7,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサン、1,3−
    ビス(3−メタクリロイルオキシプロピル)−1,1,
    3,3−テトラメチルジシロキサン、及び等モル量の2
    −ヒドロキシエチルメタクリラート、N−t−ブチル−
    2−アミノエチルメタクリラート又はアリルアルコール
    と、イソホロンジイソシアナート、3,3,4(4,
    4,3)−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアナ
    ート、2−イソシアナトエチルメタクリラート又はm−
    イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナ
    ートとの反応生成物から選択されるモノマーであり、 (F)は、アクリル若しくはメタクリル酸、N,N−ジ
    メチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリラ
    ート若しくはメタクリラート、マレイン酸若しくはイタ
    コン酸の無水物、及びN−ビニルピロリドンから選択さ
    れるモノマーである、 硬質、かつ高靭性で、高酸素透過性であるポリマー。
  2. 【請求項2】 (A)3ないし15重量%、(B)25
    ないし45重量%、(C)20ないし45重量%、
    (D)0重量%、(E)1ないし20重量%、及び
    (F)3ないし15重量%、からの共重合生成物であ
    る、請求項1記載のポリマー。
  3. 【請求項3】 (B)が、トリス(トリメチルシロキ
    シ)シリルプロピルメタクリラートであり、そして (C)が、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラート
    又はトリフルオロエチルメタクリラートである、請求項
    1記載のポリマー。
  4. 【請求項4】 (A)が、Xが酸素であり、yが0であ
    り、x1が20〜50である式(A−1)のポリ(ジメ
    チルシロキサン)ジオールと、イソシアナト置換ビニル
    モノマーとの反応生成物であり、 該イソシアナト置換ビニルモノマーが、2−イソシアナ
    トエチルメタクリラート、m−イソプロペニル−α,α
    −ジメチルベンジルイソシアナート、又は等モル量の、
    2−ヒドロキシエチルメタクリラート、N−t−ブチル
    −2−アミノエチルメタクリラート若しくはアリルアル
    コールと、イソホロンジイソシアナート若しくは3,
    3,4(4,4,3)−トリメチルヘキサン−1,6−
    ジイソシアナートとの反応生成物であり、 (B)が、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
    ルメタクリラートであり、 (C)が、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラート
    であり、 (E)が、分子量100ないし1000のジ−又はトリ
    アクリラート又はメタクリラート、ジビニルベンゼン、
    及び等モル量の2−ヒドロキシエチルメタクリラート、
    N−t−ブチル−2−アミノエチルメタクリラート若し
    くはアリルアルコールと、イソホロンジイソシアナー
    ト、3,3,4(4,4,3)−トリメチルヘキサン−
    1,6−ジイソシアナート、2−イソシアナートエチル
    メタクリラート若しくはm−イソプロペニル−α,α−
    ジメチルベンジルイソシアナートとの反応生成物から選
    択されるモノマーであり、そして (F)が、メタクリル酸である、 請求項2記載のポリマー。
  5. 【請求項5】 (A)が、Xが−NH−であり、yが0
    であり、x1が20〜50である式(A−1)のポリ
    (ジメチルシロキサン)ジアミンと、イソシアナト置換
    ビニルモノマーとの反応生成物であり、 該イソシアナト置換ビニルモノマーが、2−イソシアナ
    トエチルメタクリラート、m−イソプロペニル−α,α
    −ジメチルベンジルイソシアナート、又は等モル量の2
    −ヒドロキシメタクリラート、N−t−ブチル−2−ア
    ミノエチルメタクリラート若しくはアリルアルコール
    と、イソホロンジイソシアナート若しくは3,3,4
    (4,4,3)−トリメチルへキサン−1,6−ジイソ
    シアナートとの反応生成物であり、 (B)が、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
    ルメタクリラートであり、 (C)が、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラート
    であり、 (E)が、分子量100ないし1000のジ−又はトリ
    アクリラート又はメタクリラート、ジビニルベンゼン、
    及び等モル量の2−ヒドロキシエチルメタクリラート、
    N−t−ブチル−2−アミノエチルメタクリラート若し
    くはアリルアルコールと、イソホロンジイソシアナー
    ト、3,3,4(4,4,3)−トリメチルへキサン−
    1,6−ジイソシアナート、2−イソシアナトエチルメ
    タクリラート若しくはm−イソプロペニル−α,α−ジ
    メチルベンジルイソシアナートとの反応生成物から選択
    されるモノマーであり、そして、 (F)が、メタクリル酸である、 請求項2記載のポリマー。
  6. 【請求項6】 (A)が、式(A−2)のポリ(ジメチ
    ルシロキサン)テトラオールと、2−イソシアナトエチ
    ルメタクリラート又はm−イソプロペニル−α,α−ジ
    メチルベンジルイソシアナートとの反応生成物である、
    請求項1記載のポリマー。
  7. 【請求項7】 (A)が、式(A−1)、(A−3)又
    は(A−4)のポリ(ジメチルシロキサン)ポリアミン
    と、2−イソシアナトエチルメタクリラート又はm−イ
    ソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナー
    トとの反応生成物である、請求項1記載のポリマー。
  8. 【請求項8】 (A)が、式(A−4)のポリ(ジメチ
    ルシロキサン)ポリオールと、2−イソシアナトエチル
    メタクリラート又はm−イソプロペニル−α,α−ジメ
    チルベンジルイソシアナートとの反応生成物である、請
    求項1記載のポリマー。
  9. 【請求項9】 マクロマーとコモノマーの適当量を混合
    し、遊離基を発生する重合開始剤を添加し、脱酸素した
    混合物を、有利には、モールド中で、重合が完了するま
    で紫外線照射又は加熱の何れかにさらす、請求項1記載
    のポリマーの製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のポリマーを含むコンタ
    クトレンズ。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のポリマーを含むコンタ
    クトレンズの製造法。
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