JP4438162B2 - 眼用レンズ用ポリマーの製造法および眼用レンズ - Google Patents

眼用レンズ用ポリマーの製造法および眼用レンズ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンタクトレンズ、眼内レンズおよび人工角膜などの眼用レンズに好適に用いられる眼用レンズ用ポリマーの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年高い酸素透過性を有する眼用レンズ用ポリマーとして、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートなどのシロキサニル基含有メタクリレートや変性ポリシロキサンを一成分とするポリマーが開発され利用されている(特開昭60−142324号公報および特開昭54−24047号公報)。
【0003】
しかしながら、これらのモノマーないしマクロマーからなるポリマーは、酸素透過性を向上させる目的で導入されているシロキサニル基ないしポリシロキサン成分の影響で、表面の水濡れ性が悪く、眼用レンズ用ポリマーとしては好ましいものではなかった。
【0004】
また、その水濡れ性を向上させるために、(メタ)アクリル酸(またはその金属塩)のような吸水性の高いモノマーと前記モノマーないしマクロマーとを共重合させたポリマーの場合には、含水率が極端に上がり、結果として酸素透過性が低下するという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点を解決しようとするものであり、高い酸素透過性を有するとともに表面の水濡れ性に優れた眼用レンズ用ポリマーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の眼用レンズ用ポリマーの製造方法は、下記一般式(I)で表される群から選ばれた少なくとも1種のモノマー(a)を必須重合成分とするポリマーを、酸無水物、一般式(III)で表される化合物および一般式(IV)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種である親水性成分(b)と反応させる眼用レンズ用ポリマーの製造方法である。
【化5】
Figure 0004438162
[式(I)中、Xは下記(x1)で表される基を、Rは下記一般式(II)で表される基を表す。A〜A11はそれぞれが互いに独立にHまたはメチル基を表す。kは0〜10の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜10の整数を表すが、k=a=b=c=0の場合を除く。またdは1または2である。]
【化6】
Figure 0004438162
[式(x1)中、RはHまたはメチル基を、R11は、−COO−を表す。]
【化7】
Figure 0004438162
[式(II)中、gは0〜3の整数、lは0〜1の整数、iは0〜10の整数を表す。]
【化8】
Figure 0004438162
[式(III)および(IV)中、rは0〜500の整数、R41は水素またはアルキル基、mは1〜500の整数、Yは2官能以上のイソシアナート化合物からNCO基を除いた残基、R42 はアルキル基を表す。]
【0007】
また、本発明の眼用レンズは、一般式(I)で表される群から選ばれた少なくとも1種のモノマー(a)を必須重合成分とするポリマーと、酸無水物、一般式(III)で表される化合物および一般式(IV)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の親水性成分(b)とが化学結合したポリマーを含有することを特徴とする眼用レンズである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の眼用レンズ用ポリマーの製造方法は、オルガノシロキサン基および重合可能な炭素炭素不飽和結合を有する基を有するモノマー(a)を必須重合成分とするポリマーを、親水性成分(b)と反応させることを特徴とする。また、本発明のモノマー(a)と親水性成分(b)とは、互いに反応可能な基を有することを特徴とする。
【0013】
本発明に用いるモノマー(a)としては、下記式(I)で示される化合物が好適である。
【0014】
【化7】
Figure 0004438162
【0015】
[式(I)中、Xは下記一般式(x1)で示される基を、Rはエーテル結合を含んでいても良く置換されていても良いアルキル基を表す。A〜A11はそれぞれが互いに独立にHまたはメチル基を表す。kは0〜10の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜10の整数を表すが、k=a=b=c=0は除く。またdは1または2の整数を表す。
【0016】
【化9】
Figure 0004438162
【0017】
[式(x1)中、R 1はH
またはメチル基を、R11は、−COO−を表す。]
【0019】
式(I)中のRは、下記一般式(II)で表される基が好適に用いられる。
【0020】
【化9】
Figure 0004438162
【0021】
[式(II)中、gは0〜3の整数、lは0〜1の整数、iは0〜10の整数を表す。]
中でも、直接結合、−CH2−CH(OH)CH2O−(CH23−、
−(CH23−が好ましく用いられる。
【0022】
オルガノシロキサン基中のA〜A11はそれぞれが互いに独立にHまたはメチル基を表す。
【0023】
【化10】
Figure 0004438162
【0024】
[式(V)中、pは0〜10の整数、qは0〜200の整数、R51は水素原子または炭素数1〜10アルキル基を表す。]
中でも好ましいのはH、メチル基、エチル基、フェニル基、(CH23OH、(CH23O(CH2CH2O)Hである。
【0025】
式(I)中のkは0〜10の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜10の整数を表すが、k=a=b=c=0は除く。特に好適に用いられるオルガノシロキサン基は、k=a=b=c=1のトリス(トリメチルシロキシ)シリル基、トリス(ジメチルシロキシ)シリル基、トリス(ヒドロキシプロピルジメチルシロキシ)シリル基、トリス(ヒドロキシエトキシプロピルジメチルシロキシ)シリル基や、a=0、k=b=c=1のビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル基、ビス(ジメチルシロキシ)メチルシリル基、ビス(ヒドロキシプロピルジメチルシロキシ)メチルシリル基、ビス(ヒドロキシエトキシプロピルジメチルシロキシ)メチルシリル基である。
【0026】
モノマー(a)と親水性成分(b)とが、互いに反応可能な基を有するとは、例えばいずれか一方が水酸基やチオール基の様な活性水素を有する基を有し、他方がイソシアナート基や酸無水物基を有している場合、あるいは一方が−SiH基を有し、他方がヒドロシリル化反応が可能なアリル基等を有している場合があげられる。、中でもモノマー(a)が水酸基や−SiH基を有している場合が好ましい。モノマー(a)にこれらを導入するために、式(I)中のRとして−CH2−CH(OH)CH2O−(CH23−、式(I)中のA1〜A11としてHや(CH23OH、(CH23O(CH2CH2O)Hを、また式(x1)および(x2)中のR31として水酸基を有する置換基を好適に用いることができる。
【0027】
上記で表されるモノマー(a)の中でも、酸素透過性や水濡れ性改良のバランスの点で好適なものを例示すると、下記式(m1)〜(m12)で表されるモノマーである。これらのなかでもより好適なものは式(m1)〜(m4)および(m10)〜(m12)で表されるモノマーである。
【0028】
【化11】
Figure 0004438162
【0029】
【化12】
Figure 0004438162
【0030】
【化13】
Figure 0004438162
【0031】
[式(m1)〜(m12)中、R61はHまたはメチル基を表す。R62はH、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基から選ばれた置換基を表す。hは1〜3の整数を、fは1〜10の整数を表す。]
62の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシペンチル基、5−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシヘキシル基、6−ヒドロキシヘキシル基、3−メトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−エトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、フェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基が挙げられるが、水酸基を有する置換基は、親水性成分(b)との反応の点から好ましく用いられる。
【0032】
本発明に用いるポリマーは、前記モノマー(a)の他に、親水性成分(b)との反応が可能な活性基を含まず、オルガノシロキサン基および重合可能な炭素炭素不飽和結合のみを有する基とを有する化合物を構成成分として含んでいても良い。この様な成分の好適な例として、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートやビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレンをあげることができる。さらに、本発明に用いるポリマーは、シロキサンマクロモノマーを構成成分として含むことも可能である。
【0033】
さらに、本発明に用いるポリマーは、モノマー(a)や、他のオルガノシロキサン基含有成分以外のモノマーを構成成分として含んでもよい。その場合のモノマーとしては、共重合さえ可能であれば何ら制限はなく、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリル基、ビニル基およびその他の重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを使用することができる。以下、その例をいくつか挙げるがこれらに限定されるものではない。(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールビス(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−メチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニルモノマー、マレイミド類、N−ビニルピロリドンなどのヘテロ環ビニルモノマー、N−ビニルカルボン酸アミドなどである。これらは複数種類を同時に使用してもよい。
【0034】
本発明に用いるポリマーにおいては、良好な機械物性が得られ、消毒液や洗浄液に対する良好な耐性が得られるという意味で、1分子中に2個以上の重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを構成成分として含むことが好ましい。1分子中に2個以上の重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーの共重合比率は0.01重量%〜10重量%が好ましい。
【0035】
本発明に用いるポリマー中におけるモノマー(a)および他のオルガノシロキサン基含有モノマーの合計の共重合比率は、高酸素透過性と高親水性、水濡れ性を両立させるという点から、好ましくは30重量%〜99重量%、より好ましくは50重量%〜98重量%、最も好ましくは60重量%〜95重量%である。このうち、モノマー(a)は、全体の0.1〜50重量%が望ましい。なおこのモノマー(a)や他のオルガノシロキサン基含有モノマーは複数種類を同時に使用してもよい。
【0036】
本発明に用いるポリマーにおいて、親水性モノマーを共重合させた場合には、含水することによって柔軟な物性を有するヒドロゲルが得られる。共重合モノマーとして、疎水性のモノマーを用いた場合には、硬質でかつ酸素透過性に優れる素材が得られる。
【0037】
本発明に用いるポリマーは、紫外線吸収剤や色素、着色剤などを含むものでもよい。また重合性基を有する紫外線吸収剤や色素、着色剤を、共重合した形で含有してもよい。
【0038】
本発明に用いるポリマーを重合により得る際は、重合をしやすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表される熱重合開始剤や、光重合開始剤を添加することが好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対して最適な分解特性を有するものを選択して使用する。一般的には10時間半減期温度が40〜120℃のアゾ系開始剤および過酸化物系開始剤が好適である。光重合開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または混合して用いられ、およそ1重量%くらいまでの量で使用される。
【0039】
本発明に用いるポリマーを重合により得る際は、重合溶媒を使用することができる。溶媒としては有機系、無機系の各種溶媒が適用可能であり特に制限は無い。例を挙げれば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、安息香酸メチル等のエステル系溶剤、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、石油系溶剤等各種のものであり、これらは単独あるいは混合して使用することができる。
【0040】
本発明に用いるポリマーの重合方法、成形方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、一旦、丸棒や板状等に重合、成形しこれを切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピンキャスト重合法などである。
【0041】
本発明の眼用レンズ用ポリマーの製造方法は、上記の様にして得られたモノマー(a)を構成成分として含有するポリマーを、モノマー(a)中に含まれる活性基との反応が可能な基を有する親水性成分(b)と反応させることによって、水濡れ性に優れた眼用レンズ用ポリマーを得る方法である。
【0042】
本発明に用いられる親水性成分(b)は、酸無水物、一般式(III)で表される化合物および一般式(IV)で表される化合物から選択される少なくとも1種が好ましい。
【0043】
【化14】
Figure 0004438162
【0044】
[式(III)および(IV)中、rは0〜500の整数、nは1または2の整数、R41は水素またはアルキル基、Yは2官能以上のイソシアナート化合物からNCO基を除いた残基、mは1〜500の整数、R42 はアルキル基を表す。]
酸無水物としては、環状の酸無水物が水酸基等と反応してエステルを形成すると共に、もう一つのカルボキシル基を形成するので、水濡れ性が大きく改良されるため好ましく用いられる。好適な環状酸無水物の例をあげれば、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、グルタル酸無水物、フタル酸無水物などである。
【0045】
式(III)で示される親水性成分としては、(アルコキシ)ポリエチレングリコールのモノアリルエーテルが好ましく用いられ、ヒドロシリル化反応の触媒である白金化合物の存在下で、−SiH基と反応させて、良好な水濡れ性を得ることが可能である。
【0046】
また式(IV)で示される親水性成分としての好ましい例としては、イソホロンジイソシアナートやキシリレンジイソシアナートの様な二官能以上のイソシアナート化合物と、(アルコキシ)ポリエチレングリコールとを反応させ、一つのイソシアナート基を残存させた化合物をあげることができる。
【0047】
これらの親水性成分(b)を反応を妨害しない溶媒に溶解または分散させた溶液に、モノマー(a)を含有するポリマーを接触させることによって、親水化処理を行い、眼用レンズ用ポリマーを製造することができる。そのより具体的な方法としては、例えば親水性成分(b)を含有する溶液にポリマーを浸漬する方法、ポリマーに該溶液を噴霧する方法、ポリマーに該溶液をヘラ、刷毛等で塗布する方法、ポリマーに該溶液をスピンコート法やディップコート法で塗布する方法などを挙げることができる。最も簡便に大きな改質効果が得られる方法は、ポリマーを親水性成分(b)を含有する該溶液に浸漬する方法である。
【0048】
ポリマーを親水性成分(b)を含有する溶液に浸漬する際の温度は特に限定されないが、通常−50℃〜200℃程度の温度範囲内で行われる。作業性を考えれば−10℃〜150℃の温度範囲がより好ましく、−5℃〜80℃が最も好ましい。
【0049】
ポリマーを該溶液に浸漬する時間については、温度によっても最適時間は変化するが、一般には100時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、12時間以内が最も好ましい。接触時間が長すぎると、作業性および生産性が悪くなるばかりでなく、酸素透過性の低下などの悪影響が出る場合がある。
【0050】
該溶液の溶媒としては、反応を妨害しないものであれば何でも良い。また完全に溶解しなくても分散した状態でもよく、各種溶媒が使用できる。例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタントリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。これらの中でもジエチレングリコールジアルキルエーテルなどのエーテル化合物や、イソプロピルアルコールなどのアルコール化合物が、水と混和しやすく後の工程で除去しやすいことから、好ましく用いられる。溶媒としては、2種類以上の物質の混合物も使用可能である。
【0051】
上記の処理において使用される親水性成分(b)含有溶液は、親水性成分(b)および溶媒以外の成分を含んでいてもよい。
【0052】
ポリマーは、該溶液処理の後、洗浄により、モノマー(a)と反応していない余剰の親水性成分(b)を除くことができる。洗浄溶媒としては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタントリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。洗浄溶媒としては、2種類以上の溶媒の混合物を使用することもできる。洗浄溶媒は、溶媒以外の成分、例えば無機塩類、界面活性剤、および洗浄剤を含有してもよい。
【0053】
本発明のポリマーを眼用レンズとして使用する場合は、水濡れ性は純水に対する動的接触角(前進時、浸漬速度0.1mm/sec)が110゜以下が好ましく、90゜以下がより好ましく、80゜以下が最も好ましい。ソフトコンタクトレンズの様なヒドロゲルの眼用レンズの場合には、含水率は5%〜70%が好ましく、10%〜65%がより好ましく、20%〜60%が最も好ましい。酸素透過性は、酸素透過係数[(cm2/sec)(mLO2/(mL・hPa))]
45×10-11以上が好ましく、50×10-11以上がより好ましく、60×
10-11以上が最も好ましい。ヒドロゲルの眼用レンズの場合には柔軟性が重視されることから引張弾性率は0.1〜2MPaが好ましい。
【0054】
本発明の眼用レンズ用ポリマーの製造方法は、特に水濡れ性と酸素透過性に優れたコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズ用ポリマーの製造に特に好適である。
【0055】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔測定方法〕
本実施例における各種測定は、以下に示す方法で行った。
(1)プロトン核磁気共鳴スペクトル
日本電子社製のEX270型を用いて測定した。溶媒にクロロホルム−dを使用した。
(2)赤外吸収スペクトル
BIORAD社製のFTS−7型を用いて測定した。岩塩板による液膜法で測定した。
(3)動的接触角
サンプルとして、コンタクトレンズ形状のものから切り出した5mm×10mm×0.2mm程度のサイズのフィルム状のものを使用し、レスカ社製のWET−6000型を用いて、純水に対する前進時の動的接触角を測定した。浸漬速度は0.1mm/秒、浸漬深さは7mmとした。
(4)酸素透過係数
理化精機工業社製の製科研式フィルム酸素透過率計を用いて35℃の水中にて酸素透過係数を測定した。
(5)弾性率(引張弾性率)
規定の打抜型を用いてコンタクトレンズ形状のものから切り出したサンプル〔幅(最小部分)5mm、長さ14mm、厚さ0.2mm程度〕を使用し、オリエンテック社製のテンシロンRTM−100型を用いて測定した。引張速度は
100mm/minとし、つかみ間距離は5mmとした。
(6)含水率
サンプルとしてコンタクトレンズ形状のものを使用した。サンプルを真空乾燥器で40℃、16時間乾燥し、サンプルの重量(Wd)を測定した。その後、純水に浸漬して40℃恒温槽に一晩以上おいて含水させた後、表面水分をキムワイプで拭き取って重量(Ww)を測定した。次式にて含水率を求めた。
【0056】
含水率(%)=100×(Ww−Wd)/Ww
〔合成例1〕
冷却管、撹拌装置および滴下ロートを備えた200ml三ツ口フラスコに、式(J1)の化合物(信越化学工業社製、101.0g)、ハイドロキノン(0.24g)および水酸化カリウム(1.95g)を入れ、ここへ窒素雰囲気下、室温で撹拌しながらメタクリル酸(51.7g)を約30分間かけて滴下した。滴下終了後撹拌しながら100℃で8時間反応を行った。一晩放置した後、ヘキサン(50ml)を加えて室温で2時間撹拌した。不溶物をろ過で除き、ヘキサン溶液を0.5M水酸化ナトリウムで数回洗浄後、さらに飽和食塩水で3回洗浄した。無水硫酸マグネシウムを加えて脱水を行った後、硫酸マグネシウムを濾過で除き、ロータリーバキュームエバポレーターによって溶媒を留去した。さらに減圧下60℃で4時間かけて揮発成分を除去し、無色透明液体(57.7g)を得た。プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析した結果、0.1ppm付近(21H)、0.4ppm付近(2H)、1.6ppm付近(2H)、1.9ppm付近(3H)、2.6ppm付近(1H)、3.3〜4.3ppm付近(7H)、5.6ppm付近(1H)および6.1ppm付近(1H)にピークが検出されたことから主成分は式(M1)で表されるケイ素基含有モノマーであることを確認した。
【0057】
【化15】
Figure 0004438162
【0058】
〔合成例2〕
撹拌装置および滴下ロートを備えた1l三ツ口フラスコに、ヘキサン(50g)、メタノール(50g)および水(100g)を入れた。フラスコを氷浴に浸漬し、スリーワンモーターでフラスコ内を激しく攪拌しつつ、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(J2)(74.5g)およびジメチルクロロシラン(170g)からなる混合物を約1時間かけて滴下した。滴下終了後、5〜20℃において3時間攪拌を続けた。水(約200ml)を加えると2層に分かれたので、分液ロートにより上層を分取した。これを飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水を、この順に用いて洗浄した。無水硫酸ナトリウムにより脱水を行った後、ロータリーバキュームエバポレーターで溶媒を留去した。減圧蒸留により精製し、無色透明液体(106.4g)を得た。プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析した結果、主成分は式(M2)で表される3−メタクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シランであることを確認した。
【0059】
【化16】
Figure 0004438162
【0060】
〔合成例3〕
攪拌装置および環流コンデンサーを備えた500ml三ツ口フラスコに、上記合成例2で得られた式(M2)を主成分とする化合物(40g)、エチレングリコールモノアリルエーテル(40g)、イソプロピルアルコール(100g)、酢酸カリウムの10%エタノール溶液(1g)、塩化白金酸の0.5%イソプロピルアルコール溶液(1g)を入れた。イソプロピルアルコールを環流させつつ、7時間加熱した。ロータリーバキュームエバポレーターによりイソプロピルアルコールを留去した後、酢酸エチル200mlと飽和食塩水を加えると2層に分かれたので分液ロートにより、上層を分取した。これを飽和食塩水で5回洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより脱水した。さらにロータリーバキュームエバポレーターにて溶媒を留去して、無色透明な液体(32.6g)を得た。赤外吸収スペクトルにより、2200cm-1付近の−SiHによる吸収が消滅していることを確認し、式(M3)で表される化合物が主成分であることを確認した。
【0061】
【化17】
Figure 0004438162
【0062】
〔合成例4〕
攪拌装置および環流コンデンサーを備えた1l三ツ口フラスコに、式(J3)で示されるイソホロンジイソシアナート(17.6g)、分子量約2000のメトキシポリエチレングリコール(160g)、モレキュラーシーブで脱水したジエチレングリコールジメチルエーテル(240g)およびラウリン酸ジブチルスズ0.035gを入れ、窒素雰囲気下で60℃、12時間加熱して反応させ、式(M4)で示される化合物を得た。赤外吸収スペクトルにより、2290cm-1付近のイソシアナート基による吸収が半減していることを確認し、イソホロンジイソシアナートとメトキシポリエチレングリコールが反応したことを確認した。
【0063】
【化18】
Figure 0004438162
【0064】
〔実施例1〕
合成例1で得たオルガノシロキサン基含有モノマー(30重量部)、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(30重量部)N、N−ジメチルアクリルアミド(40重量部)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製”ブレンマー”PDE600、1重量部)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(20重量部)を均一に混合し、重合開始剤として”ダロキュア”1173(CIBA社製、0.5重量部)を添加した後、このモノマー混合物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照射(1mW/cm2、30分間)して重合し、レンズ状サンプルを得た。
【0065】
得られたレンズ状サンプルを、合成例4で得られた溶液中に浸漬し、60℃にて12時間加熱した。反応終了後、順次濃度を低下させたジエチレングリコールジメチルエーテルの水溶液に浸漬し、最後に純水に浸漬してヒドロゲルレンズを得た。これを、ホウ酸緩衝液(pH7.1〜7.3)を満たしたバイアル瓶中に密封し、121℃で30分間煮沸処理した。放冷後、レンズ状サンプルをバイアル瓶から取出し、純水に浸漬した。得られたサンプルと未処理のサンプルの物性値を下表に示す。未処理に比べ、接触角が低減し、改良効果がみられることがわかった。
【0066】
【表1】
Figure 0004438162
【0067】
〔実施例2〕
合成例1で得たオルガノシロキサン基含有モノマー(40重量部)、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(20重量部)N、N−ジメチルアクリルアミド(20重量部)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製”ブレンマー”PDE600、1重量部)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(20重量部)を均一に混合し、実施例1と同様にしてレンズ状サンプルを得た。
【0068】
得られたレンズ状サンプルを、トリエチルアミン20g、無水コハク酸0.4gおよびピリジン0.16gの混合液中に浸漬し、室温で9時間、ゆっくり攪拌した。反応終了後、実施例1と同様にして順次液を置換してヒドロゲルレンズを得、同様に121℃で30分間煮沸処理した。得られたサンプルと未処理のサンプルの物性値を下表に示す。未処理に比べ、接触角が大きく低減し、顕著な改良効果がみられることがわかった。
【0069】
【表2】
Figure 0004438162
【0070】
〔実施例3〕
合成例2で得られたオルガノシロキサン基含有モノマー(10重量部)、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(55重量部)N、N−ジメチルアクリルアミド(35重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(0.5重量部)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(20重量部)を均一に混合し、実施例1と同様にしてレンズ状サンプルを得た。
【0071】
得られたレンズ状サンプルを、分子量が約1500のポリエチレングリコールモノアリルエーテル20g、モレキュラーシーブで脱水したジエチレングリコールジメチルエーテル80gおよび塩化白金酸0.02gの混合液中に浸漬し、60℃で9時間反応させた。反応終了後、実施例1と同様にして順次液を置換してヒドロゲルレンズを得、同様に121℃で30分間煮沸処理した。得られたサンプルと未処理のサンプルの物性値を下表に示す。未処理に比べ、接触角が大きく低減し、顕著な改良効果がみられることがわかった。また、他の物性とのバランスも優れていることがわかった。
【0072】
【表3】
Figure 0004438162
【0073】
〔実施例4〕
合成例3で得られたオルガノシロキサン基含有モノマー(10重量部)、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(55重量部)N、N−ジメチルアクリルアミド(35重量部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(0.5重量部)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(20重量部)を均一に混合し、実施例1と同様にしてレンズ状サンプルを得た。
【0074】
得られたレンズ状サンプルを、実施例1と同様に、合成例4で得られたイソホロンジイソシアナートと分子量約2000のメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートとの等モル付加物のジエチレングリコールジメチルエーテル溶液中にラウリン酸ジブチルスズを0.035g追加した後に浸漬し、60℃にて7時間加熱した。反応終了後、実施例1と同様にして順次液を置換してヒドロゲルレンズを得ると共に、30分間煮沸処理した。得られたサンプルと未処理のサンプルの物性値を下表に示す。未処理に比べ、接触角が大きく低減し、顕著な改良効果がみられることがわかった。また、他の物性とのバランスも優れていることがわかった。
【0075】
【表4】
Figure 0004438162
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、高酸素透過性であって、かつ水濡れ性に優れた眼用レンズ用ポリマーを得ることができる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)で表される群から選ばれた少なくとも1種のモノマー(a)を必須重合成分とするポリマーを、酸無水物、一般式(III)で表される化合物および一般式(IV)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種である親水性成分(b)と反応させる眼用レンズ用ポリマーの製造方法。
    Figure 0004438162
    [式(I)中、Xは下記(x1)で表される基を、Rは下記一般式(II)で表される基を表す。A〜A11はそれぞれが互いに独立にHまたはメチル基を表す。kは0〜10の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜10の整数を表すが、k=a=b=c=0の場合を除く。またdは1または2である。]
    Figure 0004438162
    [式(x1)中、RはHまたはメチル基を、R11は、−COO−を表す。]
    Figure 0004438162
    [式(II)中、gは0〜3の整数、lは0〜1の整数、iは0〜10の整数を表す。]
    Figure 0004438162
    [式(III)および(IV)中、rは0〜500の整数、R41は水素またはアルキル基、mは1〜500の整数、Yは2官能以上のイソシアナート化合物からNCO基を除いた残基、R42 はアルキル基を表す。]
  2. 上記一般式(I)で表される群から選ばれた少なくとも1種のモノマー(a)を必須重合成分とするポリマーと、酸無水物、上記一般式(III)で表される化合物および上記一般式(IV)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の親水性成分(b)とが化学結合したポリマーを含有することを特徴とする眼用レンズ。
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