JP3982114B2 - 眼用レンズ用モノマー、眼用レンズ用ポリマーおよびそれを用いたコンタクトレンズ - Google Patents

眼用レンズ用モノマー、眼用レンズ用ポリマーおよびそれを用いたコンタクトレンズ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼用レンズ用モノマーおよび眼用レンズ用ポリマーに関するものであり、該眼用レンズ用モノマーおよび眼用レンズ用ポリマーはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズとして特に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年高い酸素透過性を有する眼用レンズ用ポリマーとして3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレートなどのシロキサニル基含有メタクリレートや、変性ポリシロキサンを一成分とするポリマーからなるものが開発され利用されている(特開昭60−142324号、特開昭54−24047号)。
【0003】
しかしながらこれらのモノマー(マクロマー)からなるポリマーは、酸素透過性を向上させる目的で導入されているシリコーンが持つ性質、即ち疎水性と分子間相互作用が小さいという性質のために表面が疎水性となりやすく水をはじいたり汚れが付きやすいという物性上の欠点が存在していた。
【0004】
また、これらのモノマー(マクロマー)は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのような親水性モノマーとの相溶性が悪く、ポリマーの親水性向上のためにこのような親水性モノマーを共重合させた場合には相分離が起こり透明なポリマーが得られないという欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのような親水性モノマーと共重合しても高い透明性を有し、しかも高酸素透過性および高い水濡れ性を有する眼用レンズ用モノマーおよび眼用レンズ用ポリマーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の眼用レンズ用モノマーおよび眼用レンズ用ポリマーは、下記の構成を有する。
「〔1〕下記式(a)で表されることを特徴とする眼用レンズ用モノマー。
【0007】
【化3】
Figure 0003982114
【0008】
[式(a)中、XはN−Y、OおよびSから選ばれた基を表す。
【0009】
YはH、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基および置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。
【0010】
1はHおよびメチル基から選ばれた基を表す。
【0011】
シロキサニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基およびシロキサニル基で置換された炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。
【0012】
XがN−Yを表す場合、YとR2は互いに結合してNを含む環を形成してもよい。]
〔2〕上記〔1〕に記載の眼用レンズ用モノマーを重合成分として含むことを特徴とする眼用レンズ用ポリマー。
〔3〕上記〔2〕のポリマーを用いてなるコンタクトレンズ。」
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
本発明の眼用レンズ用モノマーは下記式(a)で表されることを特徴とする。
【0015】
【化4】
Figure 0003982114
【0016】
[式(a)中、XはN−Y、OおよびSから選ばれた基を表す。
【0017】
YはH、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基および置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。
【0018】
1はHおよびメチル基から選ばれた基を表す。
【0019】
シロキサニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基およびシロキサニル基で置換された炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。
【0020】
XがN−Yを表す場合、YとR2は互いに結合してNを含む環を形成してもよい。]
式(a)中、XはN−Y、OおよびSから選ばれた基を表す。
【0021】
YはH、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基および置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。
【0022】
以下にYとして好適な置換基の例を挙げる。
【0023】
置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基としては直鎖状であっても分枝状であっても特に限定されるものではないが、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシペンチル基、5−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシヘキシル基、6−ヒドロキシヘキシル基、3−メトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−エトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル基、3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル基、3−[トリメチルシロキシジメチルシリル]プロピル基、シアノエチル基および下記式(y1)および(y2)で表される置換基を挙げることができる。
【0024】
【化5】
Figure 0003982114
【0025】
[式(y1)および(y2)中、R22〜R24はそれぞれ独立に、H、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。またR23とR24は互いに結合してN原子を含む環を形成してもよい。]
式(y1)および(y2)で表される置換基をさらに具体的に例示するなら、下記式(y1−1)〜(y1−14)および(y2−1)〜(y2−15)で表される置換基が挙げられる。
【0026】
【化6】
Figure 0003982114
【0027】
【化7】
Figure 0003982114
【0028】
[式(y1−10)および(y1−13)中、iは3〜8の整数を表す。]
置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基としては特に限定されるものではないが、炭素数6〜20のものが好ましく、具体的にはフェニル基、ナフチル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基などが挙げられる。
【0029】
式(a)中、R1はHおよびメチル基から選ばれた基を表す。
【0030】
式(a)中、Rシロキサニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基およびシロキサニル基で置換された炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。
【0034】
以下、シロキサニル基で置換されたアルキル基およびシロキサニル基で置換されたアリール基についてさらに説明を加える。
【0035】
本明細書において、シロキサニル基とは、少なくとも1つのSi−O−Si結合を有する基を表す。シロキサニル基としては下記式(A)で表される置換基が好ましく使用される。
【0036】
【化8】
Figure 0003982114
【0037】
[式(A)中、A1〜A11はそれぞれが互いに独立にH、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。kは0〜200の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整数を表す。ただしk=a=b=c=0の場合は除く。]
式(A)中、A1〜A11はそれぞれが互いに独立にH、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基が、その具体的な例としてはH、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基を挙げることができる。これらの中で最も好ましいのはメチル基である。
【0038】
式(A)中、kは0〜200の整数であるが、好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜10である。a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整数であるが、好ましくはa、b、cがそれぞれが互いに独立に0〜5の整数である。k=0の場合、好ましいa、b、cの組み合わせはa=b=c=1、a=b=1かつc=0、およびa=1かつb=c=0である。
【0039】
式(A)で表される置換基の中で、工業的に比較的安価に入手できることから特に好適なものは、トリス(トリメチルシロキシ)シリル基、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル基、トリメチルシロキシジメチルシリル基、ポリジメチルシロキサン基、ポリメチルシロキサン基およびポリ−コ−メチルシロキサン−ジメチルシロキサン基などである。
【0040】
シロキサニル基で置換されたアルキル基およびシロキサニル基で置換されたアリール基として好適なものは、シロキサニル基で置換されたメチル基、シロキサニル基で置換されたプロピル基、およびシロキサニル基で置換されたフェニル基であり、これらの中でも特に好適なものは3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル基、3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル基、3−[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]プロピル基、トリス(トリメチルシロキシ)シリルメチル基、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルメチル基およびトリメチルシロキシジメチルシリルメチル基である。
【0041】
式(a)中、XがN−Yを表す場合、YとR2は互いに結合してNを含む環を形成してもよいが、その場合、下記構造(E1)
【0042】
【化9】
Figure 0003982114
【0043】
で示される部分の具体例としては、下記式(e1)〜(e7)を挙げることができる。
【0044】
【化10】
Figure 0003982114
【0045】
式(a)で表される眼用レンズ用モノマーの合成法の一例としては、以下の方法を挙げることができる。すなわち、式(b1)
【0046】
【化11】
Figure 0003982114
【0047】
で表される化合物と式(b2)
【0048】
【化12】
Figure 0003982114
【0049】
で表される化合物を反応させた後、分離精製を行って式(a)で表される眼用レンズ用モノマーを得る方法である。
【0050】
また式(a)で表される眼用レンズ用モノマーの合成法の別の例としては、以下の方法を挙げることができる。すなわち、式(b4)
【0051】
【化13】
Figure 0003982114
【0052】
で表される化合物と式(b5)
【0053】
【化14】
Figure 0003982114
【0054】
で表される化合物を反応させた後、分離精製を行って式(a)で表される眼用レンズ用モノマーを得る方法である。
【0055】
なお、以上のような方法でどうして式(a)で表される眼用レンズ用モノマーが得られるかについては詳細は不明である。推定ではあるが、一旦下記式(b3)
【0056】
【化15】
Figure 0003982114
【0057】
で表される化合物が生成し、次にその少なくとも一部が分子内エステル交換反応で異性化することによって式(a)で表される眼用レンズ用モノマーが生成する機構が考えられる。
【0058】
本発明の眼用レンズ用ポリマーは、式(a)で表される眼用レンズ用モノマーを単独で重合して得ることも、他のモノマーと共重合して得ることも可能である。他のモノマーと共重合する場合の共重合モノマーとしては、共重合さえ可能であれば何ら制限はなく、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリル基、ビニル基および他の共重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを使用することができる。
【0059】
以下、その例をいくつか挙げるがこれらに限定されるものではない。(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールビス(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(メタ)アクリレート、両末端に炭素炭素不飽和結合を有するシロキサンマクロマーなどの多官能(メタ)アクリレート類、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N,N−ジn−ブチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−メチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族ビニルモノマー、マレイミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルオキサゾリドン、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピラジンなどのヘテロ環ビニルモノマー、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルカルボキサミド類、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル(メタ)アクリレート、3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、3−[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリレート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル(メタ)アクリルアミド、3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル(メタ)アクリルアミド、3−[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]プロピル(メタ)アクリルアミド、[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]メチル(メタ)アクリレート、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]メチル(メタ)アクリレート、[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]メチル(メタ)アクリレート、[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]メチル(メタ)アクリルアミド、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]メチル(メタ)アクリルアミド、[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]メチル(メタ)アクリルアミド、[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]スチレン、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]スチレン、[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]スチレン、N−〔3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル〕カルバミン酸ビニル、N−〔3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル〕カルバミン酸ビニル、N−〔3−[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]プロピル〕カルバミン酸ビニルおよび下記式(c1)〜(c19)の化合物などである。
【0060】
【化16】
Figure 0003982114
【0061】
【化17】
Figure 0003982114
【0062】
【化18】
Figure 0003982114
【0063】
【化19】
Figure 0003982114
【0064】
【化20】
Figure 0003982114
【0065】
[式(c1)〜(c19)中、R11はHまたはメチル基を表す。R12はH、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基から選ばれた置換基を表す。R13およびR14はそれぞれ独立にH、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基から選ばれた置換基を表し、R13とR14が互いに結合してNを含む環を形成していてもよい。aは0〜3の整数を表す。]
以下に式(c1)〜(c19)中における、各置換基の具体例を述べる。
【0066】
11はHまたはメチル基を表す。
【0067】
12はH、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基から選ばれた置換基を表すが、好適な具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシペンチル基、5−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシヘキシル基、6−ヒドロキシヘキシル基、3−メトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−エトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、フェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基
および下記式(d1)〜(d10)で表される置換基が挙げられる。
【0068】
【化21】
Figure 0003982114
【0069】
[式(d1)〜(d10)中、mは2〜20の整数を表す。]
13およびR14はそれぞれ独立にH、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアリール基から選ばれた置換基を表し、R13とR14が互いに結合してNを含む環を形成していてもよいが、好適な具体例としては、前述のR12の好適な具体例と同様の置換基を挙げることができる。また、R13とR14が互いに結合してNを含む環を形成している場合、下記構造(E2)で示される部分の具体例としては、
【0070】
【化22】
Figure 0003982114
【0071】
下記式(e1)〜(e7)を挙げることができる。
【0072】
【化23】
Figure 0003982114
【0073】
本発明の眼用レンズ用ポリマーにおいては、良好な機械物性が得られ、消毒液や洗浄液に対する良好な耐性が得られるという意味で、1分子中に2個以上の共重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを共重合成分として用いることが好ましい。1分子中に2個以上の共重合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーの共重合比率は0.1重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がより好ましい。
【0074】
また、高酸素透過性と高い水濡れ性を両立させるという点からは、本発明の眼用レンズ用ポリマーはシロキサニル基含有モノマーを(共)重合して用いることが好ましく、その場合のシロキサニル基含有モノマーの(共)重合比率は30重量%〜100重量%、より好ましくは50重量%〜99重量%、最も好ましくは60重量%〜95重量%である。式(a)で表される眼用レンズ用モノマーがシロキサニル基を含有する場合、式(a)で表される眼用レンズ用モノマーが該シロキサニル基含有モノマーの全部または一部であってもよい。
【0075】
本発明の眼用レンズ用ポリマーは、紫外線吸収剤や色素、着色剤などを含むものでもよい。また重合性基を有する紫外線吸収剤や色素、着色剤を、共重合した形で含有してもよい。
【0076】
本発明の眼用レンズ用ポリマーの重合方法、成形方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、一旦、丸棒や板状等に重合、成形しこれを切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピンキャスト重合法などである。
【0077】
本発明の眼用レンズ用ポリマーを(共)重合により得る際は、重合をしやすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表される熱重合開始剤や、光重合開始剤を添加することが好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対して最適な分解特性を有するものを選択して使用する。一般的には10時間半減期温度が40〜120℃のアゾ系開始剤および過酸化物系開始剤が好適である。光重合開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または混合して用いられ、およそ1重量%くらいまでの量で使用される。
【0078】
本発明の眼用レンズ用ポリマーを(共)重合により得る際は、重合溶媒を使用することができる。溶媒としては有機系、無機系の各種溶媒が適用可能であり特に制限は無い。例を挙げれば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、安息香酸メチル等のエステル系溶剤、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロへキサン、エチルシクロへキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、石油系溶剤等各種のものであり、これらは単独あるいは混合して使用することができる。
【0079】
本発明の眼用レンズ用ポリマーの重合方法、成形方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、一旦、丸棒や板状等に重合、成形しこれを切削加工等によって所望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピンキャスト重合法などである。
【0080】
一例として本発明の眼用レンズ用ポリマーをモールド重合法により得る場合について、次に説明する。
【0081】
モノマー組成物を一定の形状を有する2枚のモールドの空隙に充填する。そして光重合あるいは熱重合を行ってモールドの形状に賦型する。モールドは、樹脂、ガラス、セラミックス、金属等で製作されているが、光重合の場合は光学的に透明な素材が用いられ、通常は樹脂またはガラスが使用される。眼用レンズ用ポリマーを製造する場合には、多くの場合、2枚の対向するモールドにより空隙が形成されており、その空隙にモノマー組成物が充填されるが、モールドの形状やモノマーの性状によっては眼用レンズ用ポリマーに一定の厚みを与えかつ充填したモノマー組成物の液モレを防止する目的を有するガスケットを併用してもよい。空隙にモノマー組成物を充填したモールドは、続いて紫外線のような活性光線を照射されるか、オーブンや液槽に入れて加熱されて重合される。光重合の後に加熱重合したり、逆に加熱重合後に光重合する両者を併用する方法もありうる。光重合の場合は、例えば水銀ランプや捕虫灯を光源とする紫外線を多く含む光を短時間(通常は1時間以下)照射するのが一般的である。熱重合を行う場合には、室温付近から徐々に昇温し、数時間ないし数十時間かけて60℃〜200℃の温度まで高めて行く条件が、眼用レンズ用ポリマーの光学的な均一性、品位を保持し、かつ再現性を高めるために好まれる。
【0082】
本発明の眼用レンズ用ポリマーは、種々の方法で改質処理を行うことができる。表面の水濡れ性を向上させるためには、該改質処理を行うことが好ましい。
【0083】
眼用レンズ用ポリマーの具体的な改質方法としては、電磁波(光を含む)照射、プラズマ照射、蒸着およびスパッタリングなどケミカルベーパーデポジション処理、加熱、塩基処理、酸処理、その他適当な表面処理剤の使用、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。これらの改質手段の中で、簡便であり好ましいのは塩基処理である。
【0084】
塩基処理の一例としては、眼用レンズ用ポリマーを塩基性溶液に接触させる方法、眼用レンズ用ポリマーを塩基性ガスに接触させる方法等が挙げられる。そのより具体的な方法としては、例えば塩基性溶液に眼用レンズ用ポリマーを浸漬する方法、眼用レンズ用ポリマーに塩基性溶液または塩基性ガスを噴霧する方法、眼用レンズ用ポリマーに塩基性溶液をヘラ、刷毛等で塗布する方法、眼用レンズ用ポリマーに塩基性溶液をスピンコート法やディップコート法で塗布する方法などを挙げることができる。最も簡便に大きな改質効果が得られる方法は、眼用レンズ用ポリマーを塩基性溶液に浸漬する方法である。
【0085】
眼用レンズ用ポリマーを塩基性溶液に浸漬する際の温度は特に限定されないが、通常−50℃〜300℃程度の温度範囲内で行われる。作業性を考えれば−10℃〜150℃の温度範囲がより好ましく、−5℃〜60℃が最も好ましい。
【0086】
眼用レンズ用ポリマーを塩基性溶液に浸漬する時間については、温度によっても最適時間は変化するが、一般には100時間以内が好ましく、24時間以内がより好ましく、12時間以内が最も好ましい。接触時間が長すぎると、作業性および生産性が悪くなるばかりでなく、酸素透過性の低下や機械物性の低下などの悪影響が出る場合がある。
【0087】
塩基としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、各種炭酸塩、各種ホウ酸塩、各種リン酸塩、アンモニア、各種アンモニウム塩、各種アミン類などが使用可能である。
【0088】
塩基性溶液の溶媒としては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタントリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。中でも経済性、取り扱いの簡便さ、および化学的安定性などの点で水が最も好ましい。溶媒としては、2種類以上の物質の混合物も使用可能である。
【0089】
本発明において使用される塩基性溶液は、塩基性物質および溶媒以外の成分を含んでいてもよい。
【0090】
本発明において、眼用レンズ用ポリマーは、塩基処理の後、洗浄により塩基性物質を除くことができる。
【0091】
洗浄溶媒としては、無機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタントリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などである。
【0092】
洗浄溶媒としては、2種類以上の溶媒の混合物を使用することもできる。洗浄溶媒は、溶媒以外の成分、例えば無機塩類、界面活性剤、および洗浄剤を含有してもよい。
【0093】
該改質処理は、ポリマー全体に対して行っても良く、例えば表面のみに行うなどポリマーの一部のみに行ってもよい。表面のみに改質処理を行った場合にはポリマー全体の性質を大きく変えることなく表面の水濡れ性のみを向上させることができる。
【0094】
本発明の眼用レンズ用ポリマーは、水濡れ性は純水に対する動的接触角(前進時、浸漬速度0.1mm/秒)が90゜以下が好ましい。酸素透過性は、酸素透過係数[ml(STP)cm・cm-2・sec-1・mmHg-1]60×10-11以上が好ましく、70×10-11以上がより好ましく、80×10-11以上が最も好ましい。
【0095】
本発明の眼用レンズ用モノマーおよび眼用レンズ用ポリマーはコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズとして特に好適に用いられる。
【0096】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔測定方法〕
本実施例における各種測定は、以下に示す方法で行った。
(1)プロトン核磁気共鳴スペクトル
日本電子社製のEX270型を用いて測定した。溶媒にクロロホルム−dを使用し、クロロホルムのピークを内部標準(7.26ppm)とした。
(2)高速液体クロマトグラフィーおよびLC−MS
装置としては高速液体クロマトグラフィー(Hewlett Packard 1050),UV検出器およびMS装置(Finnigan LCQ)を組み合わせたものを使用した。高速液体クロマトグラフィーカラムからの流出液はUV検出器とMS装置に約10/1の比で分配した。MS装置は electrospray ionizationモードで使用した。サンプルは0.5体積%のアセトニトリル溶液として分析に供した。高速液体クロマトグラフィー条件は下記のとおりである。
【0097】
18(オクタデシル化シリカ)カラム(75mm×2.0mm)。
【0098】
グラジエント
水/アセトニトリル/イソプロピルアルコール=40/55/5
→ 水/アセトニトリル/イソプロピルアルコール=2/48/50
(3)酸素透過係数
理化精機工業社製の製科研式フィルム酸素透過率系を用いて35℃の水中にてフィルム状サンプルの酸素透過係数を測定した。
(4)動的接触角
サンプルとして、5mm×10mm×0.2mm程度のサイズのフィルム状のものを使用し、レスカ社製のWET−6000型を用いて、純水に対する前進時の動的接触角を測定した。浸漬速度は0.1mm/秒、浸漬深さは7mmとした。
〔実施例1〕
(1)1Lのナス型フラスコにメチルアクリレート(48g,0.56mol)、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(200g,0.56mol)、酢酸エチル(250ml)を加えて室温で7日間撹拌した。反応終了後、ロータリーバキュームエバポレーターを用いて溶媒を除去した後、減圧蒸留を行ない透明な液体を得た。この液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析した結果、0.1ppm付近(27H)、0.4ppm付近(2H)、1.5ppm付近(3H)、2.4〜2.7ppm付近(4H)、2.9ppm付近(2H)および3.7ppm付近(3H)にピークが検出されたことから下記式(h1)
【0099】
【化24】
Figure 0003982114
【0100】
で表される化合物であることを確認した。
(2)200mlのナス型フラスコに、式(h1)の化合物(38.1g)およびグリシジルメタクリレート(13.6g)を加えて60℃で74時間撹拌した。反応終了後、減圧下、90℃で8時間かけて揮発成分を除去して無色透明液体を得た。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法[展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=3/1(v/v)]により分離精製し無色透明液体を得た。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析した結果、0.1ppm付近(27H)、0.4ppm付近(2H)、1.5ppm付近(2H)、2.3〜3.0ppm付近(8H)、3.6ppm付近(3H)、3.8ppm付近(2H)、5.0ppm付近(1H)、5.6ppm付近(1H)および6.1ppm付近(1H)にピークが検出されたこと、LC−MSによる分子量が581であることから下記式(M1)
【0101】
【化25】
Figure 0003982114
【0102】
で表される眼用レンズ用モノマーであることを確認した。
〔実施例2〕
200mlのナス型フラスコに、ジブチルアミン(30.0g)およびグリシジルメタクリレート(36.3g)を加えて60℃で17時間撹拌した。反応終了後、減圧下、90℃で8時間かけて揮発成分を除去して無色透明液体を得た。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法[展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=3/1(v/v)]により分離精製し、無色透明液体を得た。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析した結果、6.1ppm付近(1H)および5.6ppm付近(1H)にCH2=C由来のピーク、1.9ppm付近(3H)にC=C−CH3由来のピーク、1.2〜1.5ppm付近(8H)にC−CH2CH2−C由来のピーク、0.9ppm付近(6H)にブチル基末端のCH3由来のピークなどが観測された。また5.0ppm付近には下記式(M2)
【0103】
【化26】
Figure 0003982114
【0104】
の化合物に特徴的なピークが観測された。次に高速液体クロマトグラフィーで分析したところ2つのピーク(ピーク面積比約1/1)が観測された。またLC−MSによると該2つのピークの分子量はどちらも271であった。
【0105】
これらの結果から、得られたのは式(M2)の眼用レンズ用モノマーと下記式(N2)
【0106】
【化27】
Figure 0003982114
【0107】
で表される化合物の約1/1混合物であることが分かった。
〔実施例3〕
冷却管、撹拌装置および滴下ロートを備えた300ml三ツ口フラスコに、式(h2)
【0108】
【化28】
Figure 0003982114
【0109】
の化合物(信越化学工業製、50.0g)、ハイドロキノン(0.12g)および水酸化カリウム(0.97g)を入れ、ここへ窒素雰囲気下、室温で撹拌しながらアクリル酸(21.48g)を約30分間かけて滴下した。滴下終了後撹拌しながら100℃で8時間反応を行った。一晩放置した後、ヘキサン(85ml)を加えて室温で2時間撹拌した。析出物をろ過で除き、ヘキサン溶液を0.5M水酸化ナトリウムで数回洗浄後、さらに飽和食塩水で3回洗浄した。無水硫酸マグネシウムを加えて脱水を行った後、硫酸マグネシウムを濾過で除き、ロータリーバキュームエバポレーターによって溶媒を留去した。さらに減圧下60℃で4時間かけて揮発成分を除去し、無色透明液体(35.0g)を得た。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法[展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=3/1(v/v)]により分離精製し、無色透明液体を得た。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析した結果、6.4ppm付近(1H)、6.1ppm付近(1H)および5.8ppm付近(1H)にアクリロイル基由来のピーク、1.6ppm付近(2H)にC−CH2−C由来のピーク、0.5ppm付近(2H)に−CH2−Si由来のピーク、0ppm付近(21H)にSi−CH3由来のピークなどが観測された。また5.0ppm付近には下記式(M3)
【0110】
【化29】
Figure 0003982114
【0111】
の化合物に特徴的なピークが観測された。次に高速液体クロマトグラフィーで分析したところ2つのピーク(ピーク面積比約2/1)が観測された。またLC−MSによると該2つのピークの分子量はどちらも408であった。
【0112】
これらの結果から、得られたのは式(M3)の眼用レンズ用モノマーと下記式(N3)
【0113】
【化30】
Figure 0003982114
【0114】
で表される化合物の約2/1混合物であることが分かった。
〔実施例4〕
冷却管、撹拌装置および滴下ロートを備えた300ml三ツ口フラスコに、式(h2)
【0115】
【化31】
Figure 0003982114
【0116】
の化合物(信越化学工業製、50.0g)、ハイドロキノン(0.12g)および水酸化カリウム(0.97g)を入れ、ここへ窒素雰囲気下、室温で撹拌しながらメタクリル酸(25.57g)を約30分間かけて滴下した。滴下終了後撹拌しながら100℃で8時間反応を行った。一晩放置した後、ヘキサン(85ml)を加えて室温で2時間撹拌した。析出物をろ過で除き、ヘキサン溶液を0.5M水酸化ナトリウムで数回洗浄後、さらに飽和食塩水で3回洗浄した。無水硫酸マグネシウムを加えて脱水を行った後、硫酸マグネシウムを濾過で除き、ロータリーバキュームエバポレーターによって溶媒を留去した。さらに減圧下60℃で4時間かけて揮発成分を除去し、無色透明液体(35.0g)を得た。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法[展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=3/1(v/v)]により分離精製し、無色透明液体を得た。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析した結果、6.1ppm付近(1H)および5.6ppm付近(1H)にCH2=C由来のピーク、1.9ppm付近(3H)にC=C−CH3由来のピーク、1.6ppm付近(2H)にC−CH2−C由来のピーク、0.4ppm付近(2H)に−CH2−Si由来のピーク、0ppm付近(21H)にSi−CH3由来のピークなどが観測された。また5.0ppm付近には下記式(M4)
【0117】
【化32】
Figure 0003982114
【0118】
の化合物に特徴的なピークが観測された。次に高速液体クロマトグラフィーで分析したところ2つのピーク(ピーク面積比約3/1)が観測された。またLC−MSによると該2つのピークの分子量はどちらも422であった。
【0119】
これらの結果から、得られたのは式(M4)の眼用レンズ用モノマーと下記式(N4)
【0120】
【化33】
Figure 0003982114
【0121】
で表される化合物の約3/1混合物であることが分かった。
〔実施例5〕
実施例1で得た式(M1)の化合物(85重量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(14重量部)、アクリル酸(1重量部)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)を均一に混合し、重合開始剤としてダロキュア1173(CIBA社、0.5重量部)を添加した後、このモノマー混合物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照射(1mW/cm2、10分間)して重合し、レンズ状サンプルを得た。
【0122】
得られたレンズ状サンプルを水和処理した後、1M水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、25℃で4時間改質処理を行った。改質処理後、純水に浸漬し、超音波洗浄器による洗浄(5分間)を2回行った。純水は洗浄が終了する度に交換した。
【0123】
得られたサンプルは透明で濁りが無かった。このサンプルを水和処理したときの酸素透過係数は94×10-11ml(STP)cm・cm-2・sec-1・mmHg-1、動的接触角は66゜であり、高い透明性、高酸素透過性および高い水濡れ性を有していた。
〔実施例6〕
実施例2で得た式(M2)の眼用レンズ用モノマーと式(N2)の化合物の混合物(19重量部)、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート(80重量部)、アクリル酸(1重量部)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)を均一に混合し、重合開始剤としてダロキュア1173(CIBA社、0.5重量部)を添加した後、このモノマー混合物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照射(1mW/cm2、10分間)して重合し、レンズ状サンプルを得た。
【0124】
得られたレンズ状サンプルを1M水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、40℃で24時間改質処理を行った。改質処理後、純水に浸漬し、超音波洗浄器による洗浄(5分間)を2回行った。純水は洗浄が終了する度に交換した。
【0125】
得られたサンプルは透明で濁りが無かった。このサンプルを水和処理したときの酸素透過係数は120×10-11ml(STP)cm・cm-2・sec-1・mmHg-1、動的接触角は89゜であり、高い透明性、高酸素透過性および高い水濡れ性を有していた。
〔実施例7〕
実施例3で得た式(M3)の眼用レンズ用モノマーと式(N3)の化合物の混合物(85重量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(14重量部)、アクリル酸(1重量部)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)を均一に混合し、重合開始剤としてダロキュア1173(CIBA社、0.5重量部)を添加した後、このモノマー混合物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照射(1mW/cm2、10分間)して重合し、レンズ状サンプルを得た。
【0126】
得られたレンズ状サンプルを水和処理した後、1M水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、25℃で4時間改質処理を行った。改質処理後、純水に浸漬し、超音波洗浄器による洗浄(5分間)を2回行った。純水は洗浄が終了する度に交換した。
【0127】
得られたサンプルは透明で濁りが無かった。このサンプルを水和処理したときの酸素透過係数は90×10-11ml(STP)cm・cm-2・sec-1・mmHg-1、動的接触角は75゜であり、高い透明性、高酸素透過性および高い水濡れ性を有していた。
〔実施例8〕
実施例4で得た式(M4)の眼用レンズ用モノマーと式(N4)の化合物の混合物(85重量部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(14重量部)、アクリル酸(1重量部)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)を均一に混合し、重合開始剤としてダロキュア1173(CIBA社、0.5重量部)を添加した後、このモノマー混合物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照射(1mW/cm2、10分間)して重合し、レンズ状サンプルを得た。
【0128】
得られたレンズ状サンプルを水和処理した後、1M水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、25℃で4時間改質処理を行った。改質処理後、純水に浸漬し、超音波洗浄器による洗浄(5分間)を2回行った。純水は洗浄が終了する度に交換した。
【0129】
得られたサンプルは透明で濁りが無かった。このサンプルを水和処理したときの酸素透過係数は92×10-11ml(STP)cm・cm-2・sec-1・mmHg-1、動的接触角は70゜であり、高い透明性、高酸素透過性および高い水濡れ性を有していた。
〔実施例9〕
実施例1で得た式(M1)の化合物(60重量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(40重量部)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(1重量部)を均一に混合し、重合開始剤としてダロキュア1173(CIBA社、0.5重量部)を添加した後、このモノマー混合物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照射(1mW/cm2、10分間)して重合し、レンズ状サンプルを得た。
【0130】
得られたレンズ状サンプルを水和処理した。
【0131】
得られたサンプルは透明で濁りが無かった。
〔比較例1〕
3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート(60重量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(40重量部)、エチレングリコールジメタクリレート(1重量部)を混合し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(0.3重量部)を添加した後、実施例1と同様に重合して眼用レンズ用ポリマーのフィルム状サンプルを得た。
を均一に混合し、重合開始剤としてダロキュア1173(CIBA社、0.5重量部)を添加した後、このモノマー混合物をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気のグローブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯を用いて光照射(1mW/cm2、10分間)して重合し、レンズ状サンプルを得た。
【0132】
得られたレンズ状サンプルを水和処理した。
【0133】
該サンプルは白濁しており不透明であった。
【0134】
【発明の効果
−ヒドロキシエチルメタクリレートのような親水性モノマーと共重合しても高い透明性を有し、しかも高酸素透過性および高い水濡れ性を有する眼用レンズ用モノマーおよび眼用レンズ用ポリマーが提供される。

Claims (5)

  1. 下記式(a)で表されることを特徴とする眼用レンズ用モノマー。
    Figure 0003982114
    [式(a)中、XはN−Y、OおよびSから選ばれた基を表す。
    YはH、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基および置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。
    はHおよびメチル基から選ばれた基を表す。
    シロキサニル基で置換された炭素数1〜20のアルキル基およびシロキサニル基で置換された炭素数6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。
    XがN−Yを表す場合、YとRは互いに結合してNを含む環を形成してもよい。
  2. シロキサニル基が下記式(A)で表される置換基であることを特徴とする請求項に記載の眼用レンズ用モノマー。
    Figure 0003982114
    [式(A)中、A〜A11はそれぞれが互いに独立にH、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。kは0〜200の整数を表し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整数を表す。ただしk=a=b=c=0の場合は除く。]
  3. 式(a)においてRが3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル基、3−[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル]プロピル基、3−[(トリメチルシロキシ)ジメチルシリル]プロピル基、トリス(トリメチルシロキシ)シリルメチル基、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルメチル基およびトリメチルシロキシジメチルシリルメチル基から選ばれた置換基であることを特徴とする請求項に記載の眼用レンズ用モノマー。
  4. 請求項1〜いずれかに記載の眼用レンズ用モノマーを重合成分として含むことを特徴とする眼用レンズ用ポリマー。
  5. 請求項記載のポリマーを用いてなるコンタクトレンズ。
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