JP2002128829A - モノマー、ポリマーおよびそれを用いた眼用レンズ - Google Patents
モノマー、ポリマーおよびそれを用いた眼用レンズInfo
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Abstract
性で、かつ低い弾性率を有するモノマーを提供するこ
と。 【解決手段】下記一般式(a)で表されるモノマー(A
はシロキサニル基を表す。R1はHまたはメチル基を表
す。XはN−Y、OおよびSから選ばれた基を表す。Y
はH、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル
基および置換されていてもよい炭素数6〜20のアリー
ル基からなる群から選ばれた置換基を表す。mおよびn
はそれぞれ互いに独立に1〜20の整数を表す。)。 【化1】
Description
マーに関するもので、該モノマーおよびポリマーはコン
タクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズ
として特に好適に用いられる。
イ素基を有するモノマーが知られている。
シ)シリル]プロピルメタクリレートが眼用レンズ用モ
ノマーとして広く用いられている。この3−[トリス
(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレー
トを重合して得られるポリマーは高酸素透過性という特
長を有するが、弾性率が高いため、例えばコンタクトレ
ンズとして使用した場合、装用感が悪いという欠点があ
った。
して得られるポリマーが高酸素透過性で、かつ低い弾性
率を有するモノマーおよびそれを用いたポリマー、眼用
レンズ、コンタクトレンズを提供することを目的とす
る。
めに、本発明は下記の構成を有する。 (1)下記一般式(a)で表されるモノマー。
たはメチル基を表す。XはN−Y、OおよびSから選ば
れた基を表す。YはH、置換されていてもよい炭素数1
〜20のアルキル基および置換されていてもよい炭素数
6〜20のアリール基からなる群から選ばれた置換基を
表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数を表
す。) (2)上記(1)項に記載のモノマーを重合成分として
含むことを特徴とするポリマー。 (3)上記(2)項に記載のポリマーを用いてなる眼用
レンズ。 (4)上記(2)項に記載のポリマーを用いてなるコン
タクトレンズ。
換基について説明する。
なくとも1つのSi−O−Si結合を有する基を表す。
シロキサニル基としては下記式(b)で表される置換基
が原料の入手しやすさや合成の容易さの点で好ましく使
用される。
いに独立にH、置換されていてもよい炭素数1〜20の
アルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のア
リール基のいずれかを表す。nは0〜200の整数を表
し、a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整
数を表す。ただしn=a=b=c=0の場合は除く。] 式(b)中、A1からA11はそれぞれが独立にH、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル
基、オクチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチ
ル基などのアリール基を挙げることができる。これらの
中で最も好ましいのはメチル基である。
が、好ましくは0〜50,さらに好ましくは0〜10で
ある。a、b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の
整数であるが、好ましくはa、b、cがそれぞれ互いに
独立に0〜5の整数である。n=0の場合、好ましい
a、b、cの組み合わせはa=b=c=1、a=b=1
かつc=0である。
に比較的安価に入手できることから特に好適なものはト
リス(トリメチルシロキシ)シリル基、ビス(トリメチ
ルシロキシ)メチルシリル基、トリメチルシロキシジメ
チルシリル基、ポリジメチルシロキサン基、ポリメチル
シロキサン基、ポリ−コ−メチルシロキサン−ジメチル
シロキサン基などである。
選ばれた基を表すが、原料入手の容易さの点からより好
ましいのはN−YおよびSであり、スルホニル基のS原
子との結合の強さも考慮すると最も好ましいのはN−Y
である。
置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基およ
び置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基か
らなる群から選ばれた置換基を表すが、その好適な例と
してはH、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニ
ル基、ナフチル基などであり、中でも好ましいのはH、
メチル基、エチル基、フェニル基であり、最も好ましい
のはHである。
0の整数を表すが、高酸素透過性を得るためには、好ま
しくは1〜7であり、合成の容易さについても考慮に入
れると、最も好ましくは3〜5である。
るモノマーを単独で重合して得ることも、他のモノマー
と共重合して得ることも可能である。共重合する場合の
他のモノマーとしては、共重合可能であれば特に制限は
なく、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリル
基、ビニル基、および他の重合可能な炭素・炭素不飽和
結合を有するモノマーを使用することができる。
はこれらに限定されるものではない。(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、メチル
(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレ
ート類、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの(メ
タ)アクリルアミド類、スチレンなどの芳香族ビニルモ
ノマーなどである。
物性が得られ、消毒液や洗浄液に対する良好な耐性が得
られるという意味で、1分子中に2個以上の共重合可能
な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーを共重合成分と
して用いることが好ましい。1分子中に2個以上の共重
合可能な炭素炭素不飽和結合を有するモノマーの共重合
比率は0.1重量%以上が好ましく、0.3重量%以上
がより好ましく、0.5重量%以上がさらに好ましい。
ただし、本発明のモノマー単独で重合する場合はその重
量を、また他のモノマーと共重合する場合は本発明のモ
ノマーと共重合モノマーの合計重量を100重量%と
し、以下も同様である。
表されるモノマーの(共)重合比率は、高酸素透過性と
高親水性を両立させるという点から30〜100重量
%、より好ましくは40〜99重量%、最も好ましくは
50〜95重量%である。
素、着色剤などを含むものでもよい。また重合性基を有
する紫外線吸収剤や色素、着色剤を共重合した形で含有
してもよい。
重合をしやすくするために過酸化物やアゾ化合物に代表
される熱重合開始剤や、光重合開始剤を添加することが
好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応温度に対し
て最適な分解特性を有するものを選択して使用する。一
般的には10時間半減期温度が40℃〜120℃のアゾ
系開始剤および過酸化物系開始剤が好適である。光重合
開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合
物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、および金属塩などを
挙げることができる。これらの重合開始剤は単独または
混合して用いられ、およそ1重量%くらいまでの量で使
用される。
重合溶媒を使用することができる。溶媒としては有機
系、無機系の各種溶媒が適用可能であり特に制限はな
い。例を挙げれば、水、メタノール、エタノール、プロ
パノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−
ブタノールなどの各種アルコール系溶剤、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素系溶剤、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、
ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭
化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなどの各種ケトン系溶剤、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチル
などの各種エステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアル
キルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テト
ラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレ
ングリコールジアルキルエーテルなどの各種グリコール
エーテル系溶剤であり、これらは単独あるいは混合して
使用することができる。
しては通常の方法を使用することができる。たとえば一
旦、丸棒や板状に成形し、これを切削加工等によって所
望の形状に加工する方法、モールド重合法、およびスピ
ンキャスト法などである。一例として本発明のポリマー
をモールド重合法により得る場合について、次に説明す
る。
のモールドの空隙に充填する。そして光重合あるいは熱
重合を行ってモールドの形状に賦型する。モールドは樹
脂、ガラス、セラミックス、金属等で製作されている
が、光重合の場合は光学的に透明な素材が用いられ、通
常は樹脂またはガラスが使用される。ポリマーを製造す
る場合には、多くの場合、2枚の対向するモールドによ
り空隙が形成されており、その空隙にモノマー組成物が
充填されるが、モールドの形状やモノマーの性状によっ
てはポリマーに一定の厚みを与え、かつ、充填したモノ
マー組成物の液もれを防止する目的を有するガスケット
を併用してもよい。続いて、空隙にモノマー組成物を充
填したモールドは、紫外線のような活性光線を照射され
るか、オーブンや液槽に入れて加熱されて、モノマーを
重合する。光重合の後に加熱重合したり、逆に加熱重合
後に光重合するなど、両者を併用する方法もあり得る。
光重合の場合は、例えば水銀ランプや捕虫灯を光源とす
る紫外線を多く含む光を短時間(通常は1時間以下)照
射するのが一般的である。熱重合を行う場合には、室温
付近から徐々に昇温し、数時間ないし数十時間かけて6
0℃〜200℃の温度まで高めていく条件が、ポリマー
の光学的な均一性、品位を保持し、かつ再現性を高める
ために好まれる。
種々の方法で改質処理を行うことができる。表面の水濡
れ性を向上させる改質処理を行うことが好ましい。
含む)照射、プラズマ照射、蒸着およびスパッタリング
などのケミカルベーパーデポジション処理、加熱、塩基
処理、酸処理、その他適当な表面処理剤の使用、および
これらの組み合わせを挙げることができる。これらの改
質手段の中で、簡便であり好ましいのは塩基および酸処
理である。
形品を塩基性または酸性溶液に接触させる方法、成形品
を塩基性または酸性ガスに接触させる方法等が挙げられ
る。そのより具体的な方法としては、例えば塩基性また
は酸性溶液に成形品を浸漬する方法、成形品に塩基性ま
たは酸性溶液または塩基性または酸性ガスを噴霧する方
法、成形品に塩基性または酸性溶液をヘラ、刷毛等で塗
布する方法、成形品に塩基性または酸性溶液をスピンコ
ート法やディップコート法などを挙げることができる。
最も簡便に大きな改質効果が得られる方法は、成形品を
塩基性または酸性溶液に浸漬する方法である。
際の温度は特に限定されないが、通常−50℃〜300
℃程度の温度範囲内で行われる。作業性を考えれば−1
0℃〜150℃の温度範囲がより好ましく、−5℃〜6
0℃が最も好ましい。成形品を塩基性または酸性溶液に
浸漬する時間については、温度によっても最適時間は変
化するが、一般には100時間以内が好ましく、24時
間以内がより好ましく、12時間以内が最も好ましい。
接触時間が長すぎると、作業性および生産性が悪くなる
ばかりでなく、酸素透過性の低下や機械物性の低下など
の悪影響が出る場合がある。
カリ土類金属水酸化物、各種炭酸塩、各種ホウ酸塩、各
種リン酸塩、アンモニア、各種アンモニウム塩、各種ア
ミン類およびポリエチレンイミン、ポリビニルアミン等
の高分子量塩基などが使用可能である。これらの中で
は、低価格であることおよび処理効果が大きいことから
アルカリ金属水酸化物が最も好ましい。
各種無機酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、フェノール等の各
種有機酸、およびポリアクリル酸、ポリスチレンスルホ
ン酸などの各種高分子量酸が使用可能である。これらの
中では、処理効果が大きく他の物性への悪影響が少ない
ことから高分子量酸が最も好ましい。
機、有機の各種溶媒が使用できる。例えば、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、
ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの各種ア
ルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種
芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィン
などの各種脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン類、酢
酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオ
クチルなどの各種エステル類、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジア
ルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエー
テル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テ
トラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチ
レングリコールジアルキルエーテルなどの各種エーテル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノ
ン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルス
ルホキシドなどの各種非プロトン性極性溶媒、塩化メチ
レン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒、および
フロン系溶媒などである。中でも経済性、取り扱いの簡
便さ、および化学的安定性などの点で水が最も好まし
い。溶媒としては、2種類以上の物質の混合物も使用可
能である。
性溶液は、塩基性または酸性物質および溶媒以外の成分
を含んでいてもよい。
浄により塩基性または酸性物質を除くことができる。
が使用できる。例えば、水、メタノール、エタノール、
プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリンなどの各種アルコール類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、
ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭
化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどの各種ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチルなどの各種エ
ステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジ
エチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレン
グリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコ
ールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジア
ルキルエーテルなどの各種エーテル類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン、ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホス
ホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどの各種
非プロトン性極性溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、
ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレ
ンなどのハロゲン系溶媒、およびフロン系溶媒などであ
る。
合物を使用することもできる。洗浄溶媒は、溶媒以外の
成分、例えば無機塩類、界面活性剤、および洗浄剤を含
有してもよい。
もよく、例えば表面のみに行うなど成形品の一部のみに
行ってもよい。表面のみに改質処理を行った場合には成
形品全体の性質を大きく変えることなく表面の水濡れ性
のみを向上させることができる。
Pa以下が好ましい。酸素透過性は、酸素透過係数[×
10-11(cm2/sec)mLO2/(mL・hPa)]70以上が好まし
い。
眼内レンズ、人工角膜などの眼用レンズとして特に好適
である。
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。 <測定方法>本実施例における各種測定は、以下に示す
方法で行った。 (1)プロトン核磁気共鳴スペクトル 日本電子社製のEX270型を用いて測定した。溶媒に
クロロホルム−dを使用した。 (2)酸素透過係数 理化精機工業社製の製科研式フィルム酸素透過率系を用
いて35℃の水中にてコンタクトレンズ状サンプルの酸
素透過係数を測定した。 (3)引張弾性率 サンプルとして、コンタクトレンズ状サンプルから型抜
きを用いて切り出した中央付近の幅5mm程度のサイズ
のアレイ型のフィルム状のものを使用し、(株)東洋ボ
ールドウイン製のテンシロンRTM100型を用いて測
定した。引張速度は100mm/minとし、つかみ間
距離は5mmとした。
ロピルのカリウム塩24.63g(0.1mol)、塩
化チオニル35.70g(0.3mol)を加え、90
℃で3時間攪拌した。反応溶液からエバポレータを用い
て減圧下で過剰の塩化チオニルを留去し、得られた高粘
度の液体を酢酸エチルで希釈した。別途用意した200
mLのナスフラスコに3−アミノプロピルトリス(トリ
メチルシロキシ)シラン23.59g(0.067mo
l)、トリエチルアミン6.75g(0.067mo
l)、酢酸エチル50mLを加えて0℃に冷却し、その
溶液に先程の高粘度の溶液を攪拌しながら滴下した。反
応溶液を室温で30分攪拌した後、沈殿をろ過し、ろ液
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で4回、飽和食塩水で
1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレータ
で減圧下溶媒を留去した。得られた液体をシリカゲルの
ショートカラム(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精
製した。収量は28.71g、収率は79%であった。
得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し
分析した結果、0.1ppm付近(27H)、0.5p
pm付近(2H)、1.6ppm付近(2H)、1.9
ppm付近(3H)、2.2ppm付近(2H)、3.
1ppm付近(4H)、4.3ppm付近(2H)、
5.6ppm付近(1H)、6.1ppm付近(1H)
にピークが検出されたことから下式(M1)で表される
化合物であることを確認した。
ピルのカリウム塩11.62g(55mmol)、塩化
チオニル19.63g(165mmol)、重合禁止剤
としてBHT12.1mg(55mmol)を加え、9
0℃で3時間攪拌した。エバポレータを用いて過剰の塩
化チオニルを留去し、得られた高粘度の液体を酢酸エチ
ルで希釈した。別途用意した200mLのナスフラスコ
に3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シ
ラン17.69g(50mmol)、トリエチルアミン
5.57g(55mmol)、酢酸エチル50mLを加
えて0℃に冷却し、その溶液に先程の高粘度の溶液を攪
拌しながら滴下した。反応溶液を30分攪拌した後、沈
殿をろ過し、ろ液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3
回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、エバポレータを用いて減圧下で溶媒を留去した。得
られた液体を減圧下で加熱(3×10-3Pa、67℃)
することにより低沸点の不純物を除去し、さらにシリカ
ゲルのショートカラム(ヘキサン/酢酸エチル=1/
1)で精製した。収量は8.9 g、収率は34 %で
あった得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを
測定し分析した結果、0.1ppm付近(27H)、
0.5ppm付近(2H)、1.6ppm付近(2
H)、2.2ppm付近(2H)、3.1ppm付近
(4H)、4.3ppm付近(2H)、5.8ppm付
近(1H)、6.1ppm付近(1H)、6.4ppm
付近(1H)にピークが検出されたことから下式(M
2)で表される化合物であることを確認した。
ンの代わりに3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル
プロパンチオールを用いて実施例1と同様の合成を行っ
た。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定し分析した結果、0.1ppm付近(27H)、0.
5ppm付近(2H)、1.6ppm付近(2H)、
1.9ppm付近(3H)、2.2ppm付近(2
H)、2.4ppm付近(2H)、3.1ppm付近
(2H)、4.3ppm付近(2H)、5.6ppm付
近(1H)、6.1ppm付近(1H)にピークが検出
されたことから下式(M3)で表される化合物であるこ
とを確認した。
ンの代わりに3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル
プロパンチオールを用いて実施例2と同様の合成を行っ
た。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定し分析した結果、0.1ppm付近(27H)、0.
5ppm付近(2H)、1.6ppm付近(2H)、
2.2ppm付近(2H)、3.1ppm付近(4
H)、4.3ppm付近(2H)、5.8ppm付近
(1H)、6.1ppm付近(1H)、6.4ppm付
近(1H)にピークが検出されたことから下式(M4)
で表される化合物であることを確認した。
0mLのナスフラスコにアリルアルコール30g(0.
52mol)を加え、0℃で撹拌しながらヘキサメチル
ジシラザン41.58g(0.26mol)を滴下し
た。反応溶液を室温で5時間撹拌した後、減圧下でアン
モニアを除去した。得られた液体をそのまま次の反応に
用いた。 (2)300mLのナスフラスコに上記(1)で得た液
体57.43g(0.44mol)、トルエン100m
L、BHT97mg(0.44mmol)、トリス(ト
リメチルシロキシ)シラン130.79g(0.44m
ol)、塩化白金酸(IV)六水和物228mg(0.4
4mol)を加え、80℃で24時間加熱した。反応溶
液を酢酸エチルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧
下で溶媒を留去した。得られた留分に酢酸/メタノール
1/1溶液を加え、室温で15分放置した。溶液を酢酸
エチルで抽出、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で4回洗
浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し
た。得られた留分を減圧蒸留し無色透明の液体を得た。
この液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析
した結果、0.1ppm付近(27H)、0.5ppm
付近(2H)、1.6ppm付近(2H)、3.5pp
m付近(2H)にピークが検出されたことから下式(M
5)で表される化合物であることを確認した。
チルシロキシ)シランの代わりに上記(2)で得られた
化合物(M5)を用いて実施例1と同様の合成を行っ
た。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定し分析した結果、0.1ppm付近(27H)、0.
5ppm付近(2H)、1.6ppm付近(2H)、
1.9ppm付近(3H)、2.2ppm付近(2
H)、3.1ppm付近(2H)、4.1ppm付近
(2H)、4.3ppm付近(2H)、5.6ppm付
近(1H)、6.1ppm付近(1H)にピークが検出
されたことから下式(M6)で表される化合物であるこ
とを確認した。
ンの代わりに上記実施例5の(2)で得られた化合物
(M5)を用いて実施例2と同様の合成を行った。得ら
れた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析
した結果、0.1ppm付近(27H)、0.5ppm
付近(2H)、1.6ppm付近(2H)、3.1pp
m付近(2H)、4.1ppm付近(4H)、4.3p
pm付近(2H)、5.8ppm付近(1H)、6.1
ppm付近(1H)、6.4ppm付近(1H)にピー
クが検出されたことから下式(M7)で表される化合物
であることを確認した。
オールを用いて上記実施例5の(1)、(2)と同様の
合成を行った。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペ
クトルを測定し分析した結果、0.1ppm付近(27
H)、0.5ppm付近(2H)、1.6ppm付近
(4H)、2.4ppm付近(2H)、3.4ppm付
近(2H)にピークが検出されたことから下式(M8)
で表される化合物であることを確認した。
チルシロキシ)シランの代わりに上記(1)で得られた
化合物(M8)を用いて実施例1と同様の合成を行っ
た。得られた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測
定し分析した結果、0.1ppm付近(27H)、0.
5ppm付近(2H)、1.6ppm付近(4H)、
1.9ppm付近(3H)、2.2ppm付近(2
H)、2.4ppm付近(2H)、3.1ppm付近
(2H)、4.1ppm付近(2H)、4.3ppm付
近(2H)、5.6ppm付近(1H)、6.1ppm
付近(1H)にピークが検出されたことから下式(M
9)で表される化合物であることを確認した。
ンの代わりに上記実施例7の(1)で得られた化合物
(M8)を用いて実施例2と同様の合成を行った。得ら
れた液体のプロトン核磁気共鳴スペクトルを測定し分析
した結果、0.1ppm付近(27H)、0.5ppm
付近(2H)、1.6ppm付近(4H)、1.9pp
m付近(3H)、2.2ppm付近(2H)、2.4p
pm付近(2H)、3.1ppm付近(2H)、4.1
ppm付近(2H)、4.3ppm付近(2H)、5.
8ppm付近(1H)、6.1ppm付近(1H)、
6.4ppm付近(1H)にピークが検出されたことか
ら下式(M10)で表される化合物であることを確認し
た。
部)、N,N−ジメチルアクリルアミド(35重量
部)、トリエチレングリコールジメタクリレート(1重
量部)、ダロキュア1173(CIBA社、0.2重量
部)、ジグライム10重量部を混合し撹拌した。均一で
透明なモノマー混合物が得られた。このモノマー混合物
をアルゴン雰囲気下で脱気した。窒素雰囲気下のグロー
ブボックス中で透明樹脂(ポリ4−メチルペンテン−
1)製のコンタクトレンズ用モールドに注入し、捕虫灯
を用いて光照射(1mW/cm2、10分間)して重合
し、コンタクトレンズ状サンプルを得た。
後、5重量%ポリアクリル酸(分子量約15万)水溶液
に浸漬し、40℃で8時間改質処理を行った。改質処理
後、精製水で十分洗浄し、バイアル瓶中のホウ酸緩衝液
(pH7.1〜7.3)に浸漬しバイアル瓶を密封し
た。該バイアル瓶をオートクレーブに入れ、120℃で
30分間煮沸処理を行った。放冷後、レンズ状サンプル
をバイアル瓶から取り出し、ホウ酸緩衝液(pH7.1
〜7.3)に浸漬した。
た。このサンプルを水和処理したときの酸素透過係数は
79×10-11(cm2/sec)mLO2/(mL・hPa)、引張弾性率は
262kPaであり、高い透明性、高酸素透過性および
低い弾性率を有していた。
の方法でコンタクトレンズ状サンプルを得た。得られた
サンプルはいずれも透明で濁りがなかった。これらのサ
ンプルを水和処理したときの酸素透過係数[×10-11(c
m2/sec)mLO2/(mL・hPa)]および引張弾性率[kPa]は
下表の通りであり、どのポリマーも高い透明性、酸素透
過性および低い弾性率を有していた。
プロピルを用い、実施例9と同様の方法でコンタクトレ
ンズ状サンプルを得た。得られたサンプルは透明で濁り
がなかった。このサンプルを水和処理した時の酸素透過
係数[×10-11(cm2/sec)mLO2/(mL・hPa)]および引張弾
性率[kPa]は下表の通りであった。
ポリマーが高酸素透過性で、かつ低い弾性率を有するモ
ノマーが提供される。
Claims (8)
- 【請求項1】下記一般式(a)で表されるモノマー。 【化1】 (Aはシロキサニル基を表す。R1はHまたはメチル基
を表す。XはN−Y、OおよびSから選ばれた基を表
す。YはH、置換されていてもよい炭素数1〜20のア
ルキル基および置換されていてもよい炭素数6〜20の
アリール基からなる群から選ばれた置換基を表す。mお
よびnはそれぞれ互いに独立に1〜20の整数を表
す。) - 【請求項2】一般式(a)において、シロキサニル基
(A)が下記式(b)で表される置換基であることを特
徴とする請求項1記載のモノマー。 【化2】 [式(b)中、A1 〜A11はそれぞれが互いに独立に
H、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル
基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基
のいずれかを表す。nは0〜200の整数を表し、a、
b、cはそれぞれが互いに独立に0〜20の整数を表
す。ただしn=a=b=c=0の場合は除く。] - 【請求項3】一般式(a)において、シロキサニル基
(A)がトリス(トリメチルシロキシ)シリル基、ビス
(トリメチルシロキシ)メチルシリル基、トリメチルシ
ロキシジメチルシリル基から選ばれた置換基であること
を特徴とする請求項1または2記載のモノマー。 - 【請求項4】一般式(a)において、XがN−Yを表す
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモノ
マー。 - 【請求項5】一般式(a)において、Aがトリス(トリ
メチルシロキシ)シリル基、あるいはビス(トリメチル
シロキシ)メチルシリル基を表し、XがN−Yを表し、
mおよびnがそれぞれ互いに独立に3〜5の整数を表す
ことを特徴とする請求項4に記載のモノマー。 - 【請求項6】請求項1〜5いずれかに記載のモノマーを
重合成分として含むことを特徴とするポリマー。 - 【請求項7】請求項6記載のポリマーを用いてなる眼用
レンズ。 - 【請求項8】請求項6記載のポリマーを用いてなるコン
タクトレンズ。
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