JP2619095B2 - 酸素透過性材料 - Google Patents

酸素透過性材料

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JP2619095B2
JP2619095B2 JP2017864A JP1786490A JP2619095B2 JP 2619095 B2 JP2619095 B2 JP 2619095B2 JP 2017864 A JP2017864 A JP 2017864A JP 1786490 A JP1786490 A JP 1786490A JP 2619095 B2 JP2619095 B2 JP 2619095B2
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恒夫 保木
邦雄 福田
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な酸素透過性材料に関するものであ
る。さらに詳しくいえば、本発明は、硬質でありながら
弾力性に富み割れにくく、かつ酸素透過性、光学的特性
及びその他の機械的特性に優れ、ハードコンタクトレン
ズ材料として好適な材料に関するものである。
従来の技術 ハードコンタクトレンズは、眼に装用した際に角膜へ
十分な量の酸素を供給することが必要であり、最近では
睡眠の際にも外す必要がなく、一週間程度連続して装用
しうる高酸素透過性コンタクトレンズに対する要望が強
く、その開発研究が積極的になされている。
従来、酸素透過性ハードコンタクトレンズの材料とし
ては、例えばシロキサニル(メタ)アクリレート単量体
を主体とし、さらに望ましい加工性や機械的性質を付与
するために、アルキル(メタ)アクリレート単量体やフ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート単量体を含有させ
た重合体などが知られている(特公昭52−33502号公
報、特公昭62−8769号公報、特公昭62−36646号公報、
特公昭62−61928号公報)。
しかしながら、このようなハードコンタクトレンズ材
料においては、酸素透過性を高めようとして、該シロキ
サニル(メタ)アクリレート単量体単位の含有量を多く
すると、それに反比例して硬度、曲げ強さ、衝撃強さな
どの機械的性質が低下するのを免れない上、涙液などに
よる汚れも付着しやすくなるなどの問題が生じ、これま
で酸素透過性の高い実用的なハードコンタクトレンズは
得られていないのが実状である。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような事情のもとで、酸素透過性が高
く、硬質でありながら弾力性に富み割れにくく、かつ曲
げ強さや衝撃強さなどの機械的性質及び光学的特性に優
れる上、涙液中のタンパク質や脂質などに汚れにくい耐
汚れ付着性を有し、ハードコンタクトレンズ材料として
好適な酸素透過性材料を提供することを目的としてなさ
れたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する酸素透過
性材料を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造を
有する一官能性有機シロキサン単量体と含フッ素単量体
とを所定の比率で使用し、これらの単量体と所定量の特
定構造を有する二官能性有機シロキサン単量体と場合に
より用いられる共重合可能な他の単量体との混合物を重
合させて得られる共重合体から成る材料により、その目
的を達成しうることを見い出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)一般式 (式中のR1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基、
lは1〜5の整数、mは1〜3の整数である) で表わされる一官能性有機シロキサン単量体と、 (B)一般式 (式中のR3は水素原子又はメチル基、R4はフルオロア
ルキル基である) で表わされる含フッ素単量体とを重量比81:19ないし95:
5の割合で含有し、かつ全単量体の重量に基づき、
(C)一般式 (式中のR5及びR6はそれぞれ水素原子又はメチル基、
X1、X2、X2、X4、X5及びX6はそれぞれ同一又は異なるメ
チル基又はトリメチルシロキサニル基、p及びqはそれ
ぞれ同一又は異なる1〜5の整数、nは0又は1〜10の
整数である) で表わされる二官能性有機シロキサン単量体0.1〜10重
量%を加えた単量体混合物又はこれら(A)成分、
(B)成分及び(C)成分にさらに共重合可能な他の単
量体の少なくとも1種を加えた単量体混合物を重合させ
て得られる共重合体から成る酸素透過性材料を提供する
ものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の酸素透過性材料として用いられる共重合体に
おいては、(A)単量体成分として、前記一般式(I)
で表わされる一官能性有機シロキサン単量体が用いられ
る。該一般式(I)におけるR1及びR2は、それぞれ水素
原子又はメチル基であって、それらは同一であってもよ
いし、たがいに異なっていてもよく、lは1〜5の整
数、mは1〜3の整数である。lが5より大きくなると
得られる共重合体は軟らかくなりすぎて、レンズ加工が
困難となる傾向がみられる。R1はメチル基であるものの
方が硬度が高く、耐加水分解性、耐熱性に優れるため好
ましく、またlは3であるものが化学的に安定で、得ら
れる共重合体の物性バランスが良いので好ましい。さら
に、mは1よりは3の方が酸素透過性が高くなるので好
ましく、R2が水素原子でmが2のものは得られる共重合
体の硬度が高く、寸法安定性が良くなるので好ましい。
このような単量体としては、例えばトリス(トリメチ
ルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、ビス(ト
リメチルシロキシ)メチルシリルプロピルメタクリレー
ト、トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルメタク
リレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルブチル
メタクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリル
ヘプチルメタクリレート、ビス(トリメチルシロキシ)
シリルプロピルメタクリレート及びこれらのアクリレー
トなどが挙げられるが、これらの中でトリス(トリメチ
ルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートが酸素透過
性及び硬度の物性バランスが良く、好適である。前記単
量体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
該共重合体においては、(B)成分として前記一般式
(II)で表わされる含フッ素単量体が用いられる。一般
式(II)におけるR3は水素原子又はメチル基であるが、
このR3がメチル基であるものは、得られる共重合体の硬
度が高く、かつ耐加水分解性及び耐熱性が良好であるの
で好ましい。また、R4は完全にフッ素化されたアルキル
基、部分的にフッ素化されたアルキル基のいずれでもよ
く、好ましいのはフッ素原子3〜21個を有する炭素数2
〜10のフルオロアルキル基である。この炭素数が10より
大きいものは共重合体が軟らかくなりすぎてレンズ加工
が困難になるおそれがあるし、フッ素原子数が3未満の
ものでは汚れ付着の防止効果が十分に発揮されなくなる
傾向がある。さらに、該R4は直鎖状であってもよいし、
分岐鎖状であってもよいが、ラジカル重合しやすい点か
ら直鎖状のものが好ましく、特に炭素数2〜5で、トリ
フルオロメチル基を末端に有するものと、酸素透過性、
硬度、耐汚れ付着性に優れた共重合体になるので好適で
ある。
このような単量体としては、例えば2,2,2−トリフル
オロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ
プロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロ
ピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブ
チルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオ
ロペンチルメタクリレート及びこれらに対応するアクリ
レートが挙げられるが、これらの中で2,2,2−フルオロ
エチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロ
ピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピル
メタクリレートが、酸素透過性、硬度のバランスに優れ
ており好ましい。前記単量体は1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、(C)単量体成分として、前記一般式(III)
で表わされる二官能性有機シロキサン単量体が用いられ
る。一般式(III)におけるR5及びR6は、それぞれ水素
原子又はメチル基であって、それらは同一であってもよ
いし、たがいに異なっていてもよいが、両方ともメチル
基の方が、得られる共重合体は硬度が高く、かつ耐加水
分解性及び耐熱性に優れており好ましい。X1ないしX
6は、それぞれメチル基又はトリメチルシロキサニル基
であって、それらは同一であってもよいし、たがいに異
なっていてもよいが、トリメチルシロキサニル基の方
が、得られる共重合体の酸素透過性及び硬度が高くなる
ので有利である。p及びqは、それぞれ1〜5の整数で
あって、それらは同一であってもよいし、たがいに異な
っていてもよいが、p又はqが5を超えると得られる共
重合体が軟らかくなりすぎる傾向がみられる。p及びq
が共に3であるものが化学的に安定で得られる共重合体
の物性バランスが良好であるので好ましい。また、mは
0又は1〜10の整数であり、nが大きいほど得られる共
重合体は酸素透過係数が高くなるものの、10を超えると
軟らかくなりすぎ、かつ脂質に対して汚れやすくなる
上、該単量体と他の単量体との相溶性が低下し、共重合
しにくくなる。したがって、nが6以下、特に0のもの
が物性バランスがよく、好適である。
このような単量体としては、例えば1,3−ビス(3−
メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピ
ル)テトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、
1,5−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−1,1,3,3,
5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,3−ビス(2−メ
タクリロキシエチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサン、1,7−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−
1,7−テトラキス(トリメチルシロキシ)−3,5−テトラ
メチルテトラシロキサン及びこれらのに対応するアクリ
レートなどが挙げられる。これらの単量体は1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における共重合体は、前記(A)単量体成分と
(B)単量体成分とを重量比81:19ないし95:5の割合で
含有し、かつ全単量体の重量に基づき(C)単量体成分
0.1〜10重量%及び場合によってはさらに(D)少なく
とも1種の共重合可能な単量体を含有する単量体混合物
を重合させることによって得られる。該(A)単量体成
分の使用量が、(A)単量体成分と(B)単量体成分と
の合計量に基づき81重量%未満では、得られる共重合体
は酸素透過性及び衝撃強さが不十分であるし、95重量%
を超えると該共重合体は耐汚れ付着性が低下するととも
に、軟らかくなる傾向がみられる。また、該(C)成分
の使用量が全単量体の重量に基づき0.1重量%未満では
得られる共重合体は弾力性に劣り、曲げ強さや衝撃強さ
が不十分であるし、10重量%を超えるとその量の割には
共重合体の弾力性を向上させる効果はあまり認められ
ず、むしろ共重合体が軟らかくなる傾向がみられる。こ
の(C)単量体成分の使用量は酸素透過性、硬度、曲げ
強さ、衝撃強さ、耐汚れ付着性などの物性バランスの点
から、3〜7重量%の範囲で選ぶのがよい。
該共重合体においては、場合により(D)成分とし
て、前記の(A)、(B)、(C)の各単量体と共重合
可能な他の単量体、少なくとも1種を用いることができ
る。この共重合可能な他の単量体としては、例えば共重
合体の親水性を高めて水濡れ性を向上させる単量体、硬
度を高め加工性をよくする単量体、架橋度を増して寸法
安定性をよくする単量体などが挙げられる。親水性を高
める単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸などの共重合性不飽和カルボン酸、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、グリセロールメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールメタクリレートなどのアクリル酸やメタクリル酸の
ヒドロキシアルキルエステル及びN,N′−ジメチルアク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−ビニルピ
ロリドンなどが挙げられる。これらの単量体は1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、そ
の使用量は本発明材料の使用目的に応じて適宜選ばれる
が、該材料をコンタクトレンズに使用する場合には、涙
液による水濡れ性をよくして、装用時の異物感を少なく
し、かつ装用中のレンズの乾燥を防ぐために、全単量体
の重量に基づき、通常5〜15重量%の範囲で選ばれる。
この量が5重量%未満では水濡れ性の向上効果が十分に
発揮されないし、15重量%を超えると含水性が増し、柔
軟性が大きくなりすぎる傾向がみられる。
また、硬度を高める単量体としては、例えばメチルメ
タクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルア
クリレートなどのアクリル酸やメタクリル酸のアルキル
エステル及びイタコン酸やクロトン酸のアルキルエステ
ル、メチレン、グリシジルメタクリレート、グリシジル
アクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどが挙げら
れる。これらの単量体は1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよく、その使用量は、本発明材
料の使用目的に応じて適宜選ばれるが、通常全単量体の
重量に基づき0.1〜20重量%の範囲で選ばれる。この量
が0.1重量%未満では硬度の向上効果が十分に発揮され
ないし、20重量%を超えると酸素透過性、弾力性、耐汚
れ付着性などが低下する傾向がみられ、好ましくない。
一方、架橋度を増す単量体としては、例えばエチレン
グリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ
メタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジ
メタクリレート及びこれらに対応するアクリレート、ビ
ニルメタクリレート、アリルメタクリレート、アリルア
クリレートなどが挙げられる。これらの単量体は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、
その使用量は、本発明材料の使用目的に応じて適宜選ば
れるが、通常全単量体の重量に基づき0.1〜20重量%の
範囲で選ばれる。この量が0.1重量%未満では架橋度を
高める効果が十分に発揮されないし、20重量%を超える
と酸素透過性や耐汚れ付着性などが低下するとともに、
硬くなるものの、もろくなる傾向がみられ好ましくな
い。
なお、本発明材料をコンタクトレンズに応用する場合
には、前記の硬度を高める単量体と架橋度を増す単量体
との合計使用量は、全単量体の重量に基づき0.1〜20重
量%の範囲で選ぶことが好ましい。
本発明材料に用いられる共重合体としては、前記
(A)単量体成分60〜75重量%と、(B)単量体成分4
〜14重量%と(C)単量体成分0.1〜10重量%と(D)
共重合性不飽和カルボン酸5〜15重量%及び場合により
用いられる少なくとも1種の共重合可能な他の単量体0.
1〜20重量%との単量体混合物を重合させて得られる共
重合体が機械的特性、光学的特性、酸素透過性、耐汚れ
付着性のバランスに優れ好ましく、特に前記(D)単量
体成分として、全単量体の重量に基づき、共重合性不飽
和カルボン酸5〜15重量%、硬度を高める単量体0〜10
重量%及び架橋度を増す単量体0.1〜10重量%の組合せ
を用いて得られる共重合体が好適である。
本発明における共重合体は、前記単量体混合物を当該
技術分野において、通常用いられている重合方法、例え
ばラジカル重合開始剤を使用して、室温ないし120℃程
度の温度で所定時間加熱する方法、光増感剤及び場合に
よりラジカル重合開始剤を用いて、室温ないし60℃程度
の温度で所定時間紫外線を照射する方法などにより、重
合させることによって製造することができる。また、重
合を適当な容器中で行い、平板状、ブロック状、角柱
状、丸棒状、円盤状などの形状を有する共重合体を得る
ことができる。
この際、用いられるラジカル重合開始剤としては、例
えばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イドなどのパーオキサイド類、アゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合
物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよく、その使用量は単
量体の種類や混合比率、重合温度、重合容器などにより
異なるが、通常単量体混合物100重量部当り、0.01〜1
重量部の範囲で選ばれる。
本発明の酸素透過性材料からコンタクトレンズを製造
する方法については特に制限はなく、通常の方法によっ
て製造することができる。例えば単量体混合物をコンタ
クトレンズの形状に対応した型の中に入れ、重合させて
直接コンタクトレンズ形状に成形したのち、これに必要
に応じ機械加工により仕上げ処理を施す方法、前記した
ような種々の形状の共重合体を、切削加工、研磨加工な
どにより、所望形状のコンタクトレンズに加工する方法
などによって製造することができる。
また、本発明材料には、所望により着色剤、紫外線吸
収剤などの添加剤を含有させることができる。
発明の効果 本発明の酸素透過性材料は、特定構造を有する一官能
性有機シロキサン単量体と含フッ素単量体と二官能性有
機シロキサン単量体と場合により用いられる共重合可能
な他の単量体との混合物を重合させて得られる共重合体
から成るものであって、酸素透過性が高く、硬質であり
ながら弾力性に富み割れにくく、かつ曲げ強さや衝撃強
さなどの機械的性質及び光学的特定に優れる上、涙液中
のタンパク質や脂質などに汚れにくい耐汚れ付着性を有
し、例えばハードコンタクトレンズ材料として好適に用
いられる。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、各物性は次のようにして求めた。
(1)酸素透過係数 理化精機工業株式会社製の気体透過率測定装置K−31
5−Nを用いた。試料片は直径10mm、厚さ0.3mmの円盤状
のものを測定に供し、得られたチャート上の直線の傾き
から、酸素透過係数を計算によって求めた。測定は25℃
の恒温室内、試料片セット場所35℃で実施した。
(2)ビッカース硬度 株式会社明石製作所製の軽荷重微少硬度計MVK−1Sを
用いた。試料片は直径12.7mm、厚さ約4mmの円盤状のも
のの測定面を鏡面ができるまで研磨してから測定に供し
た。測定は25℃の恒温室内で実施された。
(3)接触角 協和界面科学株式会社製、Contact Angle Meter CA−
Aを用いた。試料片は直径12.7mm、厚さ約4mmの円盤状
のものを測定の前に鏡面研磨を施し界面活性剤を使って
表面の汚れを落としたのち、生理食塩水中に24時間浸せ
きしてから測定に供した。測定は試料片を純水中に静置
し、シリンジにより直径1.5〜2.0mmの気泡を試料片下面
に接触させ、その気泡と試料片が形成する角度を読み取
り、計算によって接触角を求めた。
(4)曲げ強度 株式会社今田製作所製の万能引張圧縮試験機SV−50を
用いた。試料片は直径12.7mm、厚さ2.0mmの円盤状の表
面を研磨したキズなどの欠陥のないものを使用した。
測定は試料片を垂直面に対し5゜だけ傾くように、上
向きに固定し(つかみ厚さ5mm)、上方から歪速度6cm/m
inの条件で圧縮し、破断したときの最大荷重を曲げ強度
とした。なお、測定は25℃の恒温室内で実施した。
(5)落球衝撃強度 JIS 7211を参考に50%破壊高さを求めた。試験片は直
径12.7mm、厚さ2.0mmの円板形とし、4.47gの鋼球を重錘
として使用して測定した。なお、測定は25℃の恒温室内
で実施した。
(6)耐汚れ性 切削研磨により機械加工したコンタクトレンズを、
「日コ・レ誌」第24巻、第277〜283ページに記載の方法
に従い、リゾチウム0.5重量%溶液及びレシチン1重量
%溶液に浸せきし、染色法により付着汚れの有無を判定
した。また、汚れをクリーナーで洗浄したのち、汚れの
洗浄され程度を評価した。
実施例1 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタク
リレート(以下、SiMAと略す)69重量部、2,2,2−トリ
フルオロエチルメタクリレート(以下、3FMと略す)13
重量部、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)−
1,1,3,3−テトラジメチルシロキサン(以下、SiDMAと略
す)4重量部、メタクリル酸(以下、MAAと略す)10重
量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート(以
下4EDMAと略す)4重量部及びα,α′−アゾビスイソ
ブチロニトリル(以下AIBNと略す)0.01重量部をビーカ
ーに入れ、マグネチックスターラーにて1時間かきまぜ
均一に混合した。次いで、この混合物を洗浄・乾燥した
ポリプロピレン製試験管に充てんし、減圧にして脱気し
たのち、栓をした。これを循環式恒温水槽に入れ、55℃
で16時間、65℃で24時間重合し、さらに循環熱風乾燥器
中にて、90℃で72時間、110℃で5時間重合したのち、
ポリプロピレン製容器から抜き出し、120℃で真空乾燥
した。次いで、この共重合体を切削研磨による機械加工
を実施して硬質コンタクトレンズを作製した。
このようにして得られたコンタクトレンズは、曲げ強
さに優れ、弾力性があり、白色家ウサギの眼に連続装用
させたところ、角膜表面においてなんらの異常も認めら
れず、組織学的所見においても、対照眼との間に形態的
に有意な変化は全く認められず、極めて良好な装用性を
示した。
また、膜凝汚れ試験を実施したところ、タンパク質の
付着が少なく、汚れが少ないことが認められ、しかも僅
かに付着する汚れも容易に洗浄されるなど、耐汚れ性に
優れていた。
さらに、円板状の試験片で物性を測定した結果、酸素
透過係数は130×10-11(cm2/sec)(mlO2/ml×mmHg)、
ビッカース硬度は5.0、接触角はは56゜、曲げ強度は25k
g、落球衝撃強度(H50)は76.8cmであった。
比較例1 SiMAを65重量部、3FMを16重量部、SiDMAを5重量部、
MAAを10重量部、4EDMAを4重量部とした以外は、実施例
1と同様の方法で共重合体を得た。このものの酸素透過
係数は68×10-11で、ビッカース硬度6.2、接触角57゜、
曲げ強度は33kg、落球衝撃強度は45.6cmであった。
実施例2〜4、比較列2、3 各モノマーの使用比率を表に示すように変更した以外
は、実施例1と同様の方法で共重合体を得た。この共重
合体の物性測定結果を該表に示す。
この表から、本発明に係わる共重合体は、酸素透過性
に優れ、かつ硬度が機械加工に適する範囲にあって加工
性に優れる上、曲げ強度や落球衝撃強度に優れているこ
とが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220:06)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 (式中のR1及びR2はそれぞれ水素原子又はメチル基、l
    は1〜5の整数、mは1〜3の整数である) で表わされる一官能性有機シロキサン単量体と、 (B)一般式 (式中のR3は水素原子又はメチル基、R4はフルオロアル
    キル基である) で表わされる含フッ素単量体とを重量比81:19ないし95:
    5の割合で含有し、かつ全単量体の重量に基づき、
    (C)一般式 (式中のR5及びR6はそれぞれ水素原子又はメチル基、
    X1、X2、X3、X4、X5及びX6はそれぞれ同一又は異なるメ
    チル基又はトリメチルシロキサニル基、p及びqはそれ
    ぞれ同一又は異なる1〜5の整数、nは0又は1〜10の
    整数である) で表わされる二官能性有機シロキサン単量体0.1〜10重
    量%を加えた単量体混合物を重合させて得られる共重合
    体から成る酸素透過性材料。
  2. 【請求項2】単量体混合物が、さらに共重合可能な他の
    単量体を含有する請求項1記載の酸素透過性材料。
  3. 【請求項3】単量体混合物が、(A)成分60〜75重量%
    と(B)成分4〜14重量%と(C)成分0.1〜10重量%
    と(D)共重合性不飽和カルボン酸5〜15重量%及び場
    合により用いられる少なくとも1種の共重合可能な他の
    単量体0.1〜20重量%とから成る請求項1記載の酸素透
    過性材料。
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