JPH11305172A - 含水性ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

含水性ソフトコンタクトレンズ

Info

Publication number
JPH11305172A
JPH11305172A JP10106791A JP10679198A JPH11305172A JP H11305172 A JPH11305172 A JP H11305172A JP 10106791 A JP10106791 A JP 10106791A JP 10679198 A JP10679198 A JP 10679198A JP H11305172 A JPH11305172 A JP H11305172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
contact lens
soft contact
acrylate
oxygen permeability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10106791A
Other languages
English (en)
Inventor
Kanji Katagiri
寛司 片桐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP10106791A priority Critical patent/JPH11305172A/ja
Publication of JPH11305172A publication Critical patent/JPH11305172A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高強度と高酸素透過性の両立を実現した、角膜
への影響が少なく安全な含水性ソフトコンタクトレンズ
を提供する。 【解決手段】N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミ
ドと、一般式(1) 【化1】 (式中、xは10〜100の整数、nは1〜12の整数
を示す)で表わされるポリシロキサン含有高分子アゾ化
合物と、を必須成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度が大き
く、十分な酸素透過性を有するコンタクトレンズに関す
る。特に、ポリシロキサン含有高分子アゾ化合物を必須
成分として含有することで、高強度と高酸素透過性の両
立を実現した、高品質な含水性ソフトコンタクトレンズ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の含水性ソフトコンタクトレンズ素
材としては、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主
成分とするものが主流であるが、その他の素材としてN
−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアクリル
アミドを主成分とするコンタクトレンズも上市されてい
る。
【0003】一般に、含水性ソフトコンタクトレンズ
は、ハードコンタクトレンズに比べて酸素透過性が小さ
く、長期間の装用を行うと角膜への負担が大きい。酸素
透過性を大きくするためには、含水率を上昇させること
が有効であるが、一般的に含水率の上昇に伴って強度は
低下する。さらに含水性ソフトコンタクトレンズの問題
点としては、レンズケアが煩雑なこと、柔軟なため装用
時に角膜上で形状が変化し易く、期待通りの光学性能が
得られない点が指摘されている。
【0004】含水性ソフトコンタクトレンズの酸素透過
性を向上させる手段として、特開昭63−293520
号公報、特開平2−70713号公報には、N,N−ジ
メチルアクリルアミドとフルオロアルキル(メタ)アク
リレートを主成分とした共重合体からなるコンタクトレ
ンズが開示されている(以下、アクリレートおよびメタ
クリレートを併せて(メタ)アクリレート、アクリルア
ミドおよびメタクリルアミドを併せて(メタ)アクリル
アミドと略す)。
【0005】また、特開平7−56126号公報では、
親水性モノマー、シリコン含有(メタ)アクリレート、
フルオロアルキル(メタ)アクリレートに加え、共重合
性を向上させる目的で、特定の親水性モノマーを含有さ
せたソフトコンタクトレンズが開示されている。
【0006】さらに、主にハードコンタクトレンズ素材
として、シリコン含有マクロマーを、強度および酸素透
過性向上成分として含有させる、技術も報告されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の含水ソフトコンタクトレンズにあっては、高強度と
高酸素透過性の両立が実現できないこと、レンズケアが
煩雑なこと、柔軟であるため装用時に角膜上で形状が変
化し易く、期待通りの光学性能が得られないこと等の問
題点を有していた。
【0008】酸素透過性は、コンタクトレンズに要求さ
れる最も重要なファクターの1つであり、これが十分で
ないと、角膜に必要な酸素が欠乏し、長時間装用によっ
て充血、さらには角膜代謝機能障害を引き起こしたりも
する。
【0009】これら含水ソフトコンタクトレンズの問題
点に着目し、特開昭63−293520号公報、特開平
2−70713号公報記載のコンタクトレンズは、酸素
透過性の向上に関しては改善がなされているものの、特
開昭63−293520号公報記載のコンタクトレンズ
は、含水率が低いためにレンズの柔軟性が小さく、装用
感が良くない。また、特開平2−70713号公報記載
のコンタクトレンズは、酸素透過性をさらに向上するた
めに、共重合性ビニルモノマーとしてシリコン含有(メ
タ)アクリレートを選択できるとあるが、このシリコン
含有(メタ)アクリレートは、他成分との相溶性あるい
は共重合性が悪いために、得られたコンタクトレンズが
白濁する現象が見られ、光学材料としては適さない。
【0010】さらに、特開平7−56126号公報記載
のコンタクトレンズは、特定の親水性モノマーを含有さ
せることで、相溶性の悪い、親水性モノマーとシリコン
含有(メタ)アクリレートとの共重合性を改善したもの
である。これにより、レンズとしての光学性能と酸素透
過性は向上し、強度も共重合性の改善に伴って向上した
が、さらにそれ以上の強度を有するコンタクトレンズへ
の要求が強い。
【0011】その他、強度および酸素透過性向上成分と
して、シリコン含有マクロマーを含有させる技術につい
ては、それを溶解するモノマーとして疎水性モノマーを
選択した場合、強度および酸素透過性の改善が見られる
ものの、親水性モノマーを選択した場合は、やはり相溶
性の悪さから、得られる含水性ソフトコンタクトレンズ
の強度は向上しない。
【0012】以上、現状の含水性ソフトコンタクトレン
ズの抱える問題点について述べてきたが、本発明は、高
強度と高酸素透過性の両立を実現することを主眼にお
き、かつ耐汚染性に優れ、しかも十分な光学性能を有す
る含水性ソフトコンタクトレンズを作ることを課題とし
たものである。すなわち、コンタクトレンズ装用におい
て、角膜への影響が少なく、洗浄等のレンズの取り扱い
において、容易に破損することのない安全なコンタクト
レンズ組成物を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の含水性ソフトコンタクトレンズは、
N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドと、一般式
(1)で表わされるポリシロキサン含有高分子アゾ化合
物と、を必須成分とすることを特徴とする。
【0014】本発明者らは、上記目的を達成するため、
鋭意検討を重ねた結果、親水成分であるN,N−ジアル
キル(メタ)アクリルアミドと、一般式(1)で表わさ
れるポリシロキサン含有高分子アゾ化合物とを混合し、
これを加熱すると、主鎖中にあるアゾ基が開裂してラジ
カルを生成し、これを起点として重合が開始されるた
め、ポリシロキサンとN,N−ジアルキル(メタ)アク
リルアミドとのブロック共重合体を形成し、マクロ的に
は均一で、分子量も大きくなるため、強度が向上し、さ
らに酸素透過性を発現するポリシロキサンセグメント
が、ブロック共重合体を形成しているため、酸素透過性
も向上することを知見した。
【0015】こうして、高強度と高酸素透過性の両立が
実現でき、角膜への影響の少ない安全な含水性ソフトコ
ンタクトレンズが得られることを見出し、本発明をなす
に至った。
【0016】請求項2記載の含水性ソフトコンタクトレ
ンズは、請求項1記載の含水性ソフトコンタクトレンズ
において、前記必須成分と、その他のラジカル重合可能
なモノマーと、を共重合して得られることを特徴とす
る。
【0017】上記構成によれば、含水率の制御、強度の
向上、酸素透過性の向上、対汚染性の向上、あるいは光
学性能の向上等、種々のコンタクトレンズに必要な機能
を付与させるために、それぞれの機能を有するラジカル
重合可能なモノマーを、前記必須成分と共重合すること
で、達成することができる。
【0018】請求項3記載の含水性ソフトコンタクトレ
ンズは、請求項2記載の含水性ソフトコンタクトレンズ
において、前記ラジカル重合可能なモノマーが、フルオ
ロアルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とす
る。
【0019】上記構成によれば、含水性ソフトコンタク
トレンズの表面および内部にフルオロアルキル基が存在
することで、酸素透過性がさらに向上し、また、対汚染
性も改善される。
【0020】請求項4記載の含水性ソフトコンタクトレ
ンズは、請求項1乃至3のいずれかに記載の含水性ソフ
トコンタクトレンズにおいて、前記必須成分以外に、5
重量%未満の架橋剤を含むことを特徴とする。
【0021】上記構成によれば、架橋剤の添加によっ
て、得られる共重合体が3次元ネットワークを組み、そ
の結果、コンタクトレンズとしての形状安定性および耐
熱性が向上する。
【0022】さらに、本発明を詳細に説明する。親水性
モノマーである、N,N−ジアルキル(メタ)アクリル
アミドについて説明する。本成分は、ソフトコンタクト
レンズを親水性にするための基本骨格であり、比較的親
水性の大きい、非イオン性モノマーである。N,N−ジ
アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えばN,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチ
ル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらを単独
もしくは2種以上を混合して使用することができる。特
に、N,N−ジメチルアクリルアミドを使用した場合、
それによって得られる含水性ソフトコンタクトレンズ
は、柔軟で伸びが大きいため、破損しにくくなる。
【0023】本成分の使用量が相対的に多い場合には、
得られるソフトコンタクトレンズのの含水率が上昇し、
それに伴って酸素透過性が向上するが、強度および耐汚
染性が低下し、さらに光学性能も低下する恐れがある。
一方、使用量が少ない場合には、伸びが小さくなり、装
用感が悪くなるため好ましくない。具体的な使用量とし
ては、20〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは
40〜70重量%である。
【0024】次に、一般式(1)
【0025】
【化2】
【0026】(式中、xは10〜100の整数、nは1
〜12の整数を示す)で表わされるポリシロキサン含有
高分子アゾ化合物について説明する。本成分は、ポリジ
メチルシロキサンを含有し、主鎖中に複数のアゾ基をも
つ重合開始剤である。本成分を、ラジカル重合可能なモ
ノマーに添加して重合を行うと、ポリシロキサンで構成
されるブロックセグメントと、モノマーが共重合して構
成されるブロックセグメントを有するブロック共重合体
が得られる。本成分を使用することで、一般的に他のモ
ノマーとの相溶性が悪いとされている、ポリシロキサン
をコンタクトレンズ素材の中に、均一に存在させること
が可能となる。
【0027】式中xは、ポリシロキサン部の鎖長を表
し、言い換えると、得られるコンタクトレンズ素材中
の、ポリシロキサンで構成されるブロックセグメントの
大きさを、示している。xの値が小さくなると、酸素透
過性が低下し、逆にxの値が大きくなると、他成分との
相溶性が悪くなるため好ましくない。
【0028】また、式中nは、一般式(1)に示す構造
式の繰り返し単位の回数を表し、言い換えると、本成分
の重合度を示している。nの値が大きくなると、他成分
との相溶性が悪くなるため好ましくない。
【0029】続いて、必須成分以外に使用できる、ラジ
カル重合可能なモノマーについて説明する。本成分は、
一般にハードコンタクトレンズあるいはソフトコンタク
トレンズに使用されているモノマーであり、具体的に
は、その分子中にビニル基、アリル基、または(メタ)
アクリル基を1個以上含む化合物を示す。さらに具体的
には、アルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキ
ル(メタ)アクリレート、シロキサニル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポ
リアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、多
価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、スチレン
の誘導体、N−ビニルラクタム類等が挙げられ、これら
を単独もしくは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0030】これら、ラジカル重合可能なモノマーの
内、フルオロアルキル(メタ)アクリレートは、酸素透
過性および対汚染性を改善する機能を有するため、特に
好ましい。フルオロアルキル(メタ)アクリレートは、
下記一般式(2)で示されるものを挙げることができ
る。
【0031】
【化3】
【0032】(式中、Rは水素原子またはメチル基、
−C2i+1−jは直鎖状または分岐状のフッ
素含有基を示し、iは1〜18の整数、jは1〜2iの
整数を示す) iの値が大きくなると、また分岐が多くなるほど酸素透
過性が高く、耐汚染性が向上するが、それに伴って形状
安定性が低下する上に、製造が困難となるため好ましく
ない。また、jが大きくなると、すなわちフッ素原子が
少なくなると、酸素透過性が低下し、一方jが0の場合
はモノマーの化学的安定性が悪くなるため、jは1〜2
iであることが好ましい。
【0033】前記一般式(2)で示されるフルオロアル
キル(メタ)アクリレートの例としては、2,2,2−
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2
−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル(メ
タ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,5−ヘプ
タフルオロペンチル(メタ)アクリレート、3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル
(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル
(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプ
タデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、1,1,
2,2−テトラヒドロパーフルオロオクタデシル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサ
デカフルオロノニル(メタ)アクリレート、2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウ
ンデシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを
単独もしくは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0034】主要な成分としては以上であるが、この他
に架橋剤を添加することが好ましく、これを添加するこ
とで、コンタクトレンズとしての形状安定性および耐熱
性を向上させることができる。架橋剤の例としては、多
官能アルコールのジ(メタ)アクリレートあるいはトリ
(メタ)アクリレート等が挙げられ、具体的には、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレー
ト、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、およびト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価
アルコールと(メタ)アクリル酸との多価エステル等が
挙げられ、これらを単独もしくは2種以上を混合して使
用することができる。架橋剤の使用量は、架橋剤を除く
全成分中、0.1〜5重量%が適当である。0.1重量
%未満では、含水率のコントロールが難しくなるため好
ましくない。また、5重量%を越えると、含水率の低下
に伴い柔軟性および酸素透過率が低下するため好ましく
ない。
【0035】またこれら以外に、染色剤、着色剤、紫外
線防止剤等の添加剤を加えることができるものである。
【0036】次にこれらの、共重合体の重合方法につい
て述べる。各成分を、混合、溶解したモノマーを、ガラ
スあるいはポリプロピレン等の樹脂製の重合管や、コン
タクトレンズ形状のキャビティを有する樹脂型等に注入
し、加熱して熱重合させることが好ましい。一般式
(1)で表されるポリシロキサン含有高分子アゾ化合物
は、その主鎖中に重合開始点であるアゾ基を含有してお
り、これが熱により開裂し、重合が開始される。
【0037】また、場合によっては、通常コンタクトレ
ンズ素材の重合に使用される、ラジカル重合開始剤を添
加することでき、その例としては、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジ
イソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)等が挙げられる。
【0038】この後、重合収縮、重合熱によりポリマー
中に歪が生じた場合、これを解消するために、加熱アニ
ールすることが望ましい。また、こうして得られたドラ
イ状態のコンタクトレンズは、生理食塩水等に浸すこと
により含水させ、含水性ソフトコンタクトレンズが得ら
れる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は、下記の実施の形態に限定され
るものではない。
【0040】(実施例1)N,N−ジメチルアクリルア
ミド60重量%、ポリシロキサン含有高分子アゾ化合物
(数平均分子量:約30,000、ポリシロキサン部分
の分子量約5,000)20重量%、メチルメタクリレ
ート19重量%、エチレングリコールジメタクリレート
1重量%、をよく混合し、脱気、窒素置換を繰り返した
後、ガラス製重合管に注入した。この重合管を温水重合
槽に投入し、30℃から70℃まで12時間かけて昇温
して重合した後、大気炉中にて100℃、2時間のアニ
ールを行い、円筒状のバー材を得た。このバー材からレ
ースカット法によってドライ状態のコンタクトレンズを
作製し、得られたレンズを純水中で膨潤させ、洗浄、抽
出を行った後、生理食塩水に置換した。
【0041】こうして得られた含水性ソフトコンタクト
レンズは、含水率が55%で光学性能、装用感に優れ、
強度試験の結果、破断強度285g/mm、破断伸度
340%で十分な強度を有していた。また、酸素透過性
は31×10−11ml・cm/cm・sec・mm
Hgであった。
【0042】なお、含水率、強度、酸素透過性の評価
は、以下に示す方法にて実施した。
【0043】(1)含水率 含水性ソフトコンタクトレンズを数枚準備し、その合計
重量(w)をすばやく測定した後、レンズを純水で置
換、真空乾燥器にて72時間乾燥し、乾燥レンズの合計
重量(d)を測定した。含水率は、次式により算出し
た。
【0044】含水率=(w−d)÷w×100 (2)強度 得られたバー材より、生理食塩水による含水状態で厚さ
0.1mm、幅8mmとなる、プレート状のテストピー
スを作製した。このテストピースを、生理食塩水中で1
0mm間隔にて上下端を挟んで引き伸ばして行き、破断
した時の荷重(破断強度)とその時の支点間の距離(伸
び)を測定した。なお、破断強度については、断面積当
たりの荷重(g/mm)で表し、伸びについては、引
き伸ばす前の支点間の距離と破断時の支点間の距離より
算出した伸度(%)で表した。
【0045】(3)酸素透過係数(Dk値) 理化精機(株)製製科研式フィルム酸素透過率計を用
い、35℃の生理食塩水中にて、得られたバー材より作
製した直径12.7mmの厚みを変えたサンプルについ
て、その厚さと電流値(i∞)を測定した。厚さをx軸
にとり、n・F・A・P・i∞をy軸にとって、最小自
乗法にて回帰直線(y=ax+b)を求め、この勾配の
逆数(1/a)をもってDk値とした。ここで、nは電
極反応に関与する電子数、Fはファラデー定数、Aは白
金電極の面積、Pは大気圧を示す。
【0046】(実施例2〜8)実施例2〜8を表1に示
す。表1の組成にて、実施例1と同様の方法によって重
合を行い、それによって得られた含水性ソフトコンタク
トレンズの評価試験を実施した。
【0047】
【表1】
【0048】なお、表中におけるモノマーの略称は以下
の通りである。
【0049】DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド PSPA:ポリシロキサン含有高分子アゾ化合物 F3MA:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレ
ート F17MA:3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフ
ルオロデシル(メタ)アクリレート MMA:メチルメタクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート (比較例1)実施例1において、ポリシロキサン含有高
分子アゾ化合物を全く含有せず、その代わりにトリス
(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート
20重量%を用い、さらに重合開始剤として2,2’−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3
重量%を添加し、それ以外は実施例1と同様に行い、含
水性ソフトコンタクトレンズを得た。
【0050】こうして得られたコンタクトレンズは、含
水率が53%で、破断強度242g/mm、破断伸度
300%であり、実施例1に比べて強度が小さく、酸素
透過性は29×10−11ml・cm/cm・sec
・mmHgであった。
【0051】(比較例2)実施例1において、N,N−
ジメチルアクリルアミドを全く含有せず、その代わりに
2−ヒドロキシエチルメタクリレート60重量%を用い
たが、各成分の相溶性が悪く、装用可能なコンタクトレ
ンズが製造できなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明による含水性ソフトコンタクトレ
ンズによれば、高強度と高酸素透過性の両立が実現さ
れ、装用において、容易に破損することがなく安全で、
角膜への影響が少ないことが期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08F 293/00 220:56)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミ
    ドと、一般式(1) 【化1】 (式中、xは10〜100の整数、nは1〜12の整数
    を示す)で表わされるポリシロキサン含有高分子アゾ化
    合物と、を必須成分とすることを特徴とする含水性ソフ
    トコンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の含水性ソフトコンタクトレ
    ンズにおいて、 前記必須成分と、その他のラジカル重合可能なモノマー
    とを共重合して得られることを特徴とする含水性ソフト
    コンタクトレンズ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の含水性ソフトコンタクトレ
    ンズにおいて、 前記ラジカル重合可能なモノマーが、フルオロアルキル
    (メタ)アクリレートであることを特徴とする含水性ソ
    フトコンタクトレンズ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の含水性
    ソフトコンタクトレンズにおいて、 前記必須成分以外に、5重量%未満の架橋剤を含むこと
    を特徴とする含水性ソフトコンタクトレンズ。
JP10106791A 1998-04-16 1998-04-16 含水性ソフトコンタクトレンズ Withdrawn JPH11305172A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10106791A JPH11305172A (ja) 1998-04-16 1998-04-16 含水性ソフトコンタクトレンズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10106791A JPH11305172A (ja) 1998-04-16 1998-04-16 含水性ソフトコンタクトレンズ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11305172A true JPH11305172A (ja) 1999-11-05

Family

ID=14442727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10106791A Withdrawn JPH11305172A (ja) 1998-04-16 1998-04-16 含水性ソフトコンタクトレンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11305172A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001201723A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Asahi Kasei Aimii Kk 連続装用ソフトコンタクトレンズ
JP2010521561A (ja) * 2007-03-15 2010-06-24 ザ ポリマー テクノロジー グループ インコーポレイテッド 新規なpdms−pvpブロックコポリマー
JP2015525254A (ja) * 2012-05-25 2015-09-03 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッドJohnson & Johnson Vision Care, Inc. ポリマー及びナノゲル材料並びにその作製方法及び使用方法
US10301465B2 (en) 2010-05-06 2019-05-28 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Non-reactive, hydrophilic polymers having terminal siloxanes and methods for making and using the same
US10386545B2 (en) 2011-05-04 2019-08-20 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Medical devices having homogeneous charge density and methods for making same
US10502978B2 (en) 2012-05-25 2019-12-10 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Polymers and nanogel materials and methods for making and using the same

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001201723A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Asahi Kasei Aimii Kk 連続装用ソフトコンタクトレンズ
JP2010521561A (ja) * 2007-03-15 2010-06-24 ザ ポリマー テクノロジー グループ インコーポレイテッド 新規なpdms−pvpブロックコポリマー
US10301465B2 (en) 2010-05-06 2019-05-28 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Non-reactive, hydrophilic polymers having terminal siloxanes and methods for making and using the same
US11067720B2 (en) 2011-05-04 2021-07-20 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Medical devices having homogeneous charge density and methods for making same
US10386545B2 (en) 2011-05-04 2019-08-20 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Medical devices having homogeneous charge density and methods for making same
JP2018040010A (ja) * 2012-05-25 2018-03-15 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッドJohnson & Johnson Vision Care, Inc. 架橋コポリマーを含む両親媒性ナノゲル材料を含む組成物
US10073192B2 (en) 2012-05-25 2018-09-11 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Polymers and nanogel materials and methods for making and using the same
US10502978B2 (en) 2012-05-25 2019-12-10 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Polymers and nanogel materials and methods for making and using the same
US10502867B2 (en) 2012-05-25 2019-12-10 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Polymers and nanogel materials and methods for making and using the same
US10871595B2 (en) 2012-05-25 2020-12-22 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Polymers and nanogel materials and methods for making and using the same
US11029539B2 (en) 2012-05-25 2021-06-08 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Polymers and nanogel materials and methods for making and using the same
JP2015525254A (ja) * 2012-05-25 2015-09-03 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッドJohnson & Johnson Vision Care, Inc. ポリマー及びナノゲル材料並びにその作製方法及び使用方法
US11782296B2 (en) 2012-05-25 2023-10-10 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Polymers and nanogel materials and methods for making and using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5162469A (en) Composition for rigid gas permeable contact lenses
US20140171544A1 (en) Contact lens
JP2003268055A (ja) 表面ぬれ性シリコーンヒドロゲル
JP3167229B2 (ja) 眼用レンズ材料
JP2007009060A (ja) 単量体組成物及びコンタクトレンズ
JP3056546B2 (ja) 眼用レンズ材料
KR20160140702A (ko) 실리콘 아크릴아미드 공중합체
JP4772939B2 (ja) 重合性単量体組成物およびコンタクトレンズ
JP6023899B2 (ja) 眼用レンズ
JPH11305172A (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ
JP3453224B2 (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ材料
WO1992018548A1 (en) Novel composition for contact lenses
JP2619095B2 (ja) 酸素透過性材料
TW202233704A (zh) 隱形眼鏡材料及隱形眼鏡鏡片
JPH0580279A (ja) ソフトコンタクトレンズ
JPH08334732A (ja) ソフトコンタクトレンズ
JP6974633B2 (ja) ポリマー材料
JPH11311757A (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ
JPH08227001A (ja) 含水性コンタクトレンズの表面処理方法及びそれによって得られた含水性コンタクトレンズ
JPH05150197A (ja) ソフトコンタクトレンズ
JPH09221530A (ja) 眼用レンズ材料
JP3974673B2 (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ
JP2793363B2 (ja) コンタクトレンズ
JP2926804B2 (ja) ソフトコンタクトレンズ
JP3620613B2 (ja) 含水性眼用レンズ材料

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050705