JP2926804B2 - ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

ソフトコンタクトレンズ

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸素透過性及び耐汚染性に優れ、かつ装用感
の優れたソフトコンタクトレンズ及びその組成物に関す
るものである。
更に詳しくは、親水性モノマーとオルガノシロキサニ
ルメタクリレートとフッ素含有モノマーとを実質的に主
成分として酸素透過性と耐汚染性が優れるため、装用中
の汚れ、歯付着、酸素欠乏を防止し、物理的強度が優れ
た良好なソフトコンタクトレンズに関するものである。
[従来の技術] 近年、ソフトコンタクトレンズは、その装用感の良さ
から、従来のハードコンタクトレンズを装用できなかっ
た人々に広く使用されている。
現在、普及しているソフトコンタクトレンズとして
は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とす
るもの、及びN−ビニル−2−ピロリドンを主成分とす
るものが大部分で、その含水率も約30〜80%と広範囲の
ものがある。
一般にソフトコンタクトレンズは良い装用感に反し
て、乱視矯正力は充分ではない。また、含水率の高い材
料は酸素透過性が高いが耐汚染性が劣り、低含水率の材
料は機械的強度が優れるが酸素透過性が充分でないとい
う問題点を有する。
このうち機械強度に関しては、比較的剛性が高い素材
として、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレートと
メチルメタクリレートを成分とするソフトコンタクトレ
ンズが提案され(特公昭62−32456号公報)、市販され
ている。
一方、汚れ性の改良についてもいくつか提案されてお
り、例えば、特公昭62−62323号公報には、アルキレン
グリコールのモノメタクリレートと特定のフッ素含有モ
ノマーを主成分とするソフトコンタクトレンズが提案さ
れている。
特開昭63−295611号公報には、酸素透過性を向上させ
る目的でシリコン含有アクリレートまたはメタクリレー
ト(以下、アクリレートおよびメタクリレートを併せて
(メタ)アクリレートと略す)を含有するソフトコンタ
クトレンズが開示されている。
また、特開昭63−293520号公報には、ジメチルアクリ
ルアミドとフルオロアルキル(メタ)アクリレートを主
成分とする、機械的強度と対汚染性に優れ、酸素透過性
を高めたコンタクトレンズが開示されている。
さらに、酸素透過性が高く非含水材料として、ポリオ
ルガノシロキサンからなるシリコンラバーを材料とする
ソフトコンタクトレンズが開発され市販されている。こ
れ以外に、酸素透過性を向上するものとして、例えば、
特開昭54−29660号公報には、ヒドロキシル基基やスル
ホニル基等のような親水性基を含むメタクリレート化合
物と長鎖のフルオロアルキル基を有するメタクリレート
が、また、特公昭60−25766号には、フルオロアルキル
アクリレートとアルキルメタクリレートと若干の架橋剤
及び湿潤性モノマーとからなる組成物が提案されてい
る。
また、ハードコンタクトレンズ素材であるが、特公昭
52−33502号公報には、特定の構造式を有するオルガノ
シロキサニルメタクリレートとメチルメタクリレート類
からなるコンタクトレンズが、また、特公昭62−8769号
には、特定構造のオルガノシロキサニルメタクリレート
であるトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメ
タクリレート、及び、2.2.2−トリフルオロエチルメタ
クリレートとを必須モノマー成分とする高酸素透過性の
ハードコンタクトレンズ素材が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、従来技術のうち、現在普及している2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートを主成分とするものは、酸
素欠乏症と考えられる障害が、また、N−ビニル−2−
ピロリドンを主成分とするものは、乾燥速度が速く、視
力矯正効果が低い上に重篤な合併症の発生も報告されて
いる。すなわち、ソフトコンタクトレンズにおいては、
高酸素透過性とするために、高含水率化するのが普通で
あるが、高含水率化に連れレンズが汚染され易くなり、
微生物の増殖や汚れによる眼障害の発生が懸念され、充
分普及していないのが実状である。このように、現状の
ソフトコンタクトレンズの問題点としては、汚れやすい
こと、細菌及び真菌が繁殖し易いこと、取扱が煩雑なこ
と、強度が弱く破損し易いこと、寿命が短いこと、そし
て、角膜への酸素供給が不十分であることなどが挙げら
れる。
これらの問題点に着目し、汚れのつきにくい材料とし
て上述の様にいくつかの技術が開示されているが、未だ
に充分とは言えない。
即ち、特公昭62−62323号公報に開示された組成物
は、従来から公知の2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トに対し、フッ素含有モノマーを添加するものであり、
混合比率により、後者の添加量が10重量パーセントを越
えると耐汚染性は改善できるが、その時のフッ素含有モ
ノマーの添加量では、素材の強度の低下を招き、破れの
発生の心配がある。
さらに、特開昭63−295611号公報に記載されたシリコ
ン含有(メタ)アクリレートを含有するソフトコンタク
トレンズは、酸素透過性は向上するものの、強度は不十
分である。
一方、特開昭63−293520号公報のジメチルアクリルア
ミドとフルオロアルキル(メタ)アクリレートを主成分
とするコンタクトレズは、高含水率のN−ビニル−2−
ピロリドンを主成分とするコンタクトレズに比べて、酸
素透過性が劣っている。
また、その他の例として、特開昭54−29660号、同60
−25766号公報には、ヒドロキシやスルホニル系親水性
メタクリレート化合物またはアルキルメタクリレートと
フッ素含有モノマー、更にこれに若干の架橋剤及び湿潤
性モノマーを含む組成物が提案されているが、これらの
場合にも強度が不足している為、実用上問題である。
また、高酸素透過性レンズとして開示されている特公
昭52−33502号や、特公昭62−8769号には、親水性モノ
マーを添加するなどの方法による含水率を向上させる技
術あるいは、軟質材料にできる等の記載がなく、実際得
られる材料は硬く脆いものである。また、記載の内容か
ら含水ゲルにすることは不可能である。
特に、ソフトコンタクトレンズの場合、ハードコンタ
クトレンズと違って、眼の角膜形状に沿って変形しピッ
タリ付着する故に、酸素透過性と耐汚染性は重要であ
る。
しかし、現状では上記に述べたように数々の問題点を
有する。
そこで本発明は、酸素透過性と耐汚染性の優れたソフ
トコンタクトレンズを作ることを課題として鋭意研究し
た結果到達したものである。即ち、本発明は、ソフトコ
ンタクトレンズ装用において、角膜への影響が少なく、
長期に装用可能な安全なコンタクトレンズの組成物を得
ることを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 即ち、本発明のソフトコンタクトレンズは、下記A、
BおよびC成分を必須成分として含み、かつ、その混合
比が、成分A100重量部に対して、B成分が20〜200重量
部、C成分が10〜200重量部であることを特徴とするも
のである。
A.親水性モノマー。
B.オルガノシロキサニルメタクリレート。
C.フッ素含有モノマー。
また更には、A、B及びC成分以外に、全モノマーの
総量100重量部に対し20重量部未満の架橋剤を含むこと
を特徴とするものである。
更に詳細に説明する。
ここで、A成分の、親水性モノマーは、本ソフトコン
タクトレンズの親水性を発現するための基本骨格であ
る。
A成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2,3−ジヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ビニル−
2−ピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙
げられる。
本成分の使用量が相対的に多い場合には、含水率が向
上し、生体親和性が増すが、機械的強度が低下し、耐汚
染性が低下する。また、少ない使用量では、得られる共
重合体の含水率が低下するため好ましくない。
次に、B成分のオルガノシロキサニルメタクリレート
について説明する。
B成分は、例記すれば、下記一般式〔I〕で示される
ものを挙げることが出来る。
(但し式中、Rはメチル基あるいは水素基であり、ま
た、XおよびYは、炭素数1〜5のアルキル基、フェニ
ル基あるいはZ基からなる群から選ばれる有機基であ
り、nは1〜3の整数である。ここでZは、下記一般式
〔II〕で示される基を示すものとする。なお、II式中、
Aは、炭素数1〜5のアルキル基あるいはフェニル基
を、また、mは1〜5の整数を示す。) また、更には、アルキル基中に水酸基を有するオルガ
ノシロキサニルメタクリレート類や、オルガノシロキサ
ニル基の両末端にメタクリル基を含有する化合物も有用
である。
これらの具体的な化合物を例示すれば、例えば、 トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、 ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレー
ト、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルメチル(メ
タ)アクリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルメチル(メタ)ア
クリレート、 ビス(トリメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキサ
ニルオキシ)シリルメチル(メタ)アクリレート、 トリメチルシロキシビス(ペンタメチルジシロキサニル
オキシ)シリルメチル(メタ)アクリレート、 トリス(ペンタメチルジシロキサニルオキシ)シリルメ
チル(メタ)アクリレート、 トリメチルシリルエチル(メタ)アクリレート、 ペンタメチルジシロキサニルエチル(メタ)アクリレー
ト、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルエチル(メ
タ)アクリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチル(メタ)ア
クリレート、 ビス(トリメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキサ
ニルオキシ)シリルエチル(メタ)アクリレート、 トリメチルシロキシビス(ペンタメチルジシロキサニル
オキシ)シリルエチル(メタ)アクリレート、 トリス(ペンタメチルジシロキサニルオキシ)シリルエ
チル(メタ)アクリレート、 トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、 ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレ
ート、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メ
タ)アクリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)
アクリレート、 ビス(トリメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキサ
ニルオキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、 トリメチルシロキシビス(ペンタメチルジシロキサニル
オキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、 トリス(ペンタメチルジシロキサニルオキシ)シリルプ
ロピル(メタ)アクリレート、 1,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシエチル−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン、 1,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシプロピル−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン などの(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
この使用量は、A成分100重量部に対して、20〜200重
量部であることが必要である。即ち、20重量部未満で
は、酸素透過性が充分ではなく、200重量部を越えると
共重合体の含水率が著しく低下する。特に好ましい使用
量は、50〜100重量部である。
次に、C成分のフッ素含有モノマーについて説明す
る。
C成分としては、例えば、下記一般式〔III〕で示さ
れるものを挙げることが出来る。
式中、Rは水素原子、メチル基、フッ素原子またはト
リフルオロメチル基を表し、−CiHjF2i+1-jは直鎖また
は分岐状のフッ素含有基を表し、iは1〜18の整数、j
は1〜2×iの整数を表す。この際、iの値が大きいほ
ど、また分岐が多いほど酸素透過性は高くなる。だが逆
に、iが大きくなると形状安定性が低下する上に、製造
が困難となるので使用できない。また、jが大きい、す
なわちF(フッ素原子)が少なくなると酸素透過性は低
下し、逆にjが0の場合は、モノマーの化学的安定性が
悪くなるため、jは1〜2×iであることが望ましい。
C成分の、具体的な化合物としては、例えば、 2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、 2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル
(メタ)アクリレート、 3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル(メタ)アク
リレート、 3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル(メタ)ア
クリレート、 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチ
ル(メタ)アクリレート、 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカル
フオロデシル(メタ)アクリレート、 1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロオクタデシル(メ
タ)アクリレート、 3,3,4,4−テトラフルオロブチル(メタ)アクリレー
ト、 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオ
ロノニル(メタ)アクリレート、 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エイ
コサフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、 メチル α−フルオロアクリレート、 2,2,2−トリフルオロエチル α−フルオロアクリレー
ト、 2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル
α−フルオロアクリレート、 メチル α−トリフルオロメチルアクリレート、 2,2,2−トリフルオロエチル α−トリフルオロメチル
アクリレート、 2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル
α−トリフルオロメチルアクリレート 等が挙げられる。
この使用量は、A成分100重量部に対し、10〜200重量
部であることが必要である。即ち、10重量部未満では、
共重合体の耐汚染性が充分ではなく、200重量部を越え
るとモノマーの相溶性が悪化する。特に好ましくは、20
〜100重量部の使用が好ましい。
基本的な成分は、以上であるが、コンタクトレンズと
しての形状の保持特性や、強度アップのために各種架橋
剤を0.1〜10重量部の範囲で用いることが望ましい。
架橋剤の目的は、共重合体の熱特性を改善し形状安定
性を向上すること、適度な硬さと弾力性を与え、コンタ
クトレンズとしての良好な視力矯正力を得る等の効果を
与えることである。
そこで、その他の成分である架橋剤について述べる。
架橋剤としては、多官能アルコールのジあるいはトリ
(メタ)アクリレート類等が挙げられ、具体的には例え
ば、 エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、 ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、 トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、 テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、 プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、 ブタンジオールジ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート 等のジ(メタ)アクリレート類や、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと(メ
タ)アクリル酸との多価エステル等が挙げられる。
この架橋剤の使用量は、重合性モノマー中、0.1〜10
重量部が適当である。0.1重量部未満では、含水率のコ
ントロールが難しくなるため好ましくない。また、10重
量部を越えると、含水率の低下に伴い酸素透過率も低下
し、さらにソフトコンタクトレンズとしての柔軟性が低
下するため好ましくない。
またこれら以外に、染色剤、着色剤、紫外線防止剤等
の添加剤や、反応性モノマーを加えることができるもの
である。
次にこれらの、コモノマーの重合について述べる。
重合は、通常の重合開始剤の存在下、加熱あるいは紫
外線などの活性エネルギー線の照射によって行われる。
具体的な重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が
望ましく、例えば、 ベンゾイルパーオキサイド、 ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、 t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、 t−ブチルパーオキシビバレート、 t−ブチルパーオキシジイソブチレート、 t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、 ラウロイルパーオキサイド、 アゾビスイソブチロニトリル、 アゾビス(2,4−ジメチルパレロニトリル) 等が用いられる。また、活性エネルギー線の照射の場合
には、ベンゾインエーテル等の光重合開始剤や必要に応
じて増感剤を用いる。これらの開始剤の使用量は、使用
するモノマーに対し、0.001〜2重量パーセントが望ま
しい。
本発明のコンタクトレンズは、これらのモノマーをガ
ラス管あるいはプラスチック管あるいは、シート状の空
隙中に注入し、加熱を行い熱重合をさせる、あるいは、
紫外線を照射し、光重合をさせることが適している。ま
たこのあと、重合収縮、重合熱によりポリマー中に歪が
生じた場合、これを解消するために、加熱アニールする
ことが望ましい。
またこのようにしてできたコンタクトレンズは、生理
食塩水等に浸すことにより適度に膨潤させて用いる。本
発明の範囲では、含水率が、20〜60パーセントのコンタ
クトレズが得られる。
[作用] 本発明によるコンタクトレンズは、実質的に、特定の
親水性モノマーとオルガノシロキサニル基含有(メタ)
アクリレート化合物およびフッ素含有モノマーからな
る。オルガノシロキサニル基含有(メタ)アクリレート
は、酸素の溶解度係数が高い素材であるため、本素材の
含水率を低めに保ちながら、高含水に匹敵する高い酸素
透過性を与える事が出来る。また、フルオロアルキル
(メタ)アクリレートは酸素透過性を付与するのに加え
て、耐薬品性を有するため汚れなどの付着強度を低減さ
せることにより、優れた耐汚染性を得ることが出来る。
本発明では、これらの持つ長所を発揮する組成を見いだ
したものである。
[実施例] 以下実施例により、更に詳しく説明するが、本発明
は、これらに限定されるものではない。なお、実施例
中、部は重量部を表す。
(実施例−1) N,N−ジメチルアクリルアミド40部、トリス(トリメ
チルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート38部、2,
2,2−トリフルオロエチルメタクリレート17部、エチレ
ングリコールジメタクリレート5部、アゾビス(2,4−
ジメチルパレロニトリル)0.5部をよく混合し、この混
合物をガラス製封管に入れ、内部を窒素置換、脱気を繰
り返し、真空下溶封した。この封管を、温水中40℃で10
時間、45℃で5時間、55℃で3時間、70℃で3時間加熱
し、更に大気炉中90℃で2時間、100℃で10時間加熱し
て重合を行ない、丸棒を得た。得られた棒を切削加工
し、コンタクトレンズを得た。このレンズを純水中で10
0℃で膨潤させ、洗浄したのち、生理食塩水に浸漬を行
い、所定量の吸水をさせると同時に、溶出物の溶出を完
結させた。このようにして得られたコンタクトレンズ
は、酸素透過性が34×10-11ml・cm/cm2・sec・mmHgで、
含水率が42パーセントであり、破断強度は205g、伸びは
350mmであった。また、汚れ性の評価の結果、リゾチー
ムの付着は確認されなかった。
なお、評価方法は、以下の基準で実施した。
<評価基準> (1)酸素透過係数(Dk値) 理化精機(株)製製科研式フィルム酸素透過率計を用
い、35℃で、0.9重量パーセントの生理食塩水中にて、
直径12.7mmの厚みを変えたサンプルについてその厚みと
電流値(i∞)を測定した。得られた厚みをx軸にと
り、n・F・A・Pi∞をy軸にとって、最小自乗法にて
回帰直線y=ax+bを求め、この勾配の逆数(1/a)を
もって[Dk値]とした。ただしここで、nは電極反応に
関与する電子数、Fはファラデー定数、Aは白金電極の
面積、Pは大気圧である。
(2)含水率 先に述べたように、純水で洗浄したのち、生理食塩水
で置換して得られたレンズを数枚準備し、その合計重量
(a)を測定した後、再び純水で置換後、真空乾燥器に
て、72時間乾燥し、乾燥レンズの合計重量(b)を求
め、次式により含水率を算出した。
含水率=(a−b)÷a×100 (3)強度 生理食塩水による含水状態で、幅8mmとなる板状成形
物を作成し、試験片とした。この試験片を、生理食塩水
中で、10mm間隔で上下端を挟み、引き延ばして行き、破
断した時の応力(破断強度)とその時の支点間の距離
(伸び)を測定した。
(4)耐汚染性 卵白リゾチーム0.5重量パーセントの生理食塩水溶液
中に、コンタクトレンズを入れ、60℃で2時間放置後、
生理食塩水で充分洗浄した後、280nmの波長の紫外線吸
光度を測定し、得られた卵白リゾチームの付着量を求め
た。
(実施例−2〜10) 表1の組成により、実施例−1と同様の方法によって
重合および試験を行った。
(比較例−1〜2) 表1の組成により、実施例−1と同様の方法によって
重合および試験を行った。
なお、表中に於けるモノマーの略称は以下の通りであ
る。
DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート NVP:N−ビニル−2−ピロリドン Si4MA:トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメ
タクリレート Si2MA2:1,3−ビスメタクリロイルオキシプロピル−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン F3MA:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート F6MA:2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエ
チルメタクリレート F4MA:3,3,4,4−テトラフルオロブチル(メタ)アクリレ
ート F3FMA:2,2,2−トリフルオロエチル α−フルオロアク
リレート F3F3MA:2,2,2−トリフルオロエチル α−トリフルオロ
メチルアクリレート EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート DEGDMA:ジエチレングリコールジメタクリレート MMA:メチルメタクリレート [発明の効果] 本発明によるコンタクトレンズは、実質的に、親水性
モノマーとオルガノシロキサニル基含有メタクリレート
化合物およびフッ素含有モノマーからなるもので、機械
的強度に優れる他、汚れが付き難く、細菌の繁殖が抑え
られるため、安全性が高いことが期待できる。また、角
膜に必要とされる酸素を充分に供給できるため、長時間
装用による眼障害を予防することができる。また、適度
な含水率を有するため、ソフトコンタクトレンズの長所
である装用感の優れたコンタクトレンズを得ることがで
きるという効果を有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−38418(JP,A) 特開 昭63−37312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02C 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A、BおよびC成分を必須成分として
    含み、かつその混合比が、成分A100重量部に対して、B
    成分が20〜200重量部、C成分をが10〜200重量部である
    ことを特徴とするソフトコンタクトレンズ。 A.親水性モノマー。 B.オルガノシロキサニルアクリレートまたはメタクリレ
    ート。 C.フッ素含有モノマー。
  2. 【請求項2】前記必須成分以外に、全モノマーの総量10
    0重量部に対し0.1〜10重量部の架橋剤を含むことを特徴
    とする請求項1に記載のソフトコンタクトレンズ。
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