JP2588948B2 - 硬質コンタクトレンズ材料 - Google Patents

硬質コンタクトレンズ材料

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JP2588948B2
JP2588948B2 JP63253363A JP25336388A JP2588948B2 JP 2588948 B2 JP2588948 B2 JP 2588948B2 JP 63253363 A JP63253363 A JP 63253363A JP 25336388 A JP25336388 A JP 25336388A JP 2588948 B2 JP2588948 B2 JP 2588948B2
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contact lens
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徹 河口
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TOOMEE TEKUNOROJII KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は硬質コンタクトレンズ材料に関する。さらに
詳しくは、本発明は酸素透過性にすぐれたコンタクトレ
ンズ材料に関する。
[従来の技術] 近年、ガラスよりもすぐれた切削加工性および弾力性
を有し、軽量であるポリメチルメタクリレートを材質と
するコンタクトレンズが主として使用されている。
しかしながら、ポリメチルメタクリレートからなるコ
ンタクトレンズは酸素透過性が小さいので、長時間眼に
装用したばあいには、角膜組織に代謝障害をおこすとい
う問題がある。
そこでポリメチルメタクリレートに代わりうるすぐれ
た酸素透過性を有する材料からなるコンタクトレンズの
研究がなされており、たとえばポリジメチルシロキサン
などのシリコーンラバーからなるコンタクトレンズ、モ
ノマーとしてシロキサニルアルキルメタクリレートを使
用したコンタクトレンズ、シロキサニルアルキルメタク
リレートとフルオロアルキルメタクリレートを必須モノ
マー成分とした共重合体からなるコンタクトレンズなど
が開発されている。
ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンラバーから
なるコンタクトレンズは、すぐれた酸素透過性を有する
が、撥水性が大きいので通常、放電処理などの親水化処
理が施されている。しかしながら、親水化処理を施して
も眼に装用しているあいだにコンタクトレンズの親水性
は低下し、しかもかかるコンタクトレンズは柔軟である
ため、眼球に吸着し、角膜障害を引きおこすおそれがあ
る。
シロキサニルアルキルメタクリレートを使用したコン
タクトレンズやシロキサニルアルキルメタクリレートと
フルオロアルキルメタクリレートを必須モノマー成分と
した共重合体からなるコンタクトレンズは、親水性に乏
しいため、2−ヒドロキシエチルメタクリレートやN−
ビニルピロリドンのような親水性モノマーを共重合して
親水性を高める必要があり、このような親水性モノマー
を多量に使用したばあいには、コンタクトレンズの吸水
性が高まり、変形してしまうという不都合が生じるた
め、その使用量を増やすことができず、したがってえら
れるコンタクトレンズの親水性をそれほど大きくするこ
とができないという欠点がある。
そこで前記したコンタクトレンズの欠点を解消せんと
して、たとえばモノまたはジアルキルフマレートと従来
から汎用されている(メタ)アクリル酸エステルの共重
合体からなるコンタクトレンズ(特開昭61-176909号公
報)、フマル酸のアルキルフェニルエステルやベンジル
エステルなどと(メタ)アクリル酸系架橋剤の共重合体
からなるコンタクトレンズ(特開昭61-279821号公
報)、ビス(シロキサニルアルキル)フマレートを必須
成分とした重合体からなるコンタクトレンズ(特開昭62
-50728号公報)、少なくとも1種がジアルキルフマレー
トである2種以上のフマル酸ジエステルを主成分とする
共重合体からなるコンタクトレンズ(特開昭62-212618
号公報)、アルキル・シロキサニルアルキルフマレート
またはビス(シロキサニルアルキル)フマレートとアル
キル・フルオロアルキルフマレートまたはビス(フルオ
ロアルキル)フマレートとを必須成分とする共重合体か
らなるコンタクトレンズ(特開昭62-235919号公報)な
どのフマル酸エステルを用いたコンタクトレンズが開発
されている。
しかしながら、特開昭61-176909号公報に開示された
コンタクトレンズには、酸素透過性が小さいという欠点
があり、また特開昭61-279821号公報に開示されたコン
タクトレンズには、親水性がそれほど大きくないという
欠点がある。特開昭62-50728号公報および特開昭62-235
919号公報に開示されたコンタクトレンズは、使用され
ているフマル酸ジエステルの単独重合性が小さく、また
親水性の改善が未だなされておらず、しかもその共重合
性についてもまだ不明な点が多いという欠点がある。ま
た、特開昭62-212618号公報に開示されたコンタクトレ
ンズは、フマル酸ジエステル中に単独重合性の高いジア
ルキルフマレートを50モル%以上含有させることによ
り、種々のフマル酸ジエステルと共重合させ、酸素透過
性を著しく向上させているものの、その親水性はあまり
大きくないという欠点がある。
[発明が解決しようとする課題] そこで本発明者は、前記従来技術に鑑みて、硬質コン
タクトレンズとして望ましい硬度および硬質性を具備
し、しかもすぐれた親水性および酸素透過性を有するコ
ンタクトレンズを開発するべく鋭意研究を重ねた結果、
N−ビニルラクタムおよび特定のジアルキルフマレート
もしくはジアルキルマレエートを含有したモノマー混合
物からなる共重合体は、吸水性が大きいN−ビニルラク
タムを多量に含有しているにもかかわらず、意外なこと
に吸水率が低く、しかも望ましい硬度および硬質性を有
し、さらにすぐれた酸素透過性をも具備するというまっ
たく新しい事実を初めて見出し、本発明を完成するにい
たった。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は(A)N−ビニルラクタム48〜52
モル%、(B)(a)一般式(I): (式中、R1は炭素数1〜13の直鎖アルキル基、分枝鎖状
アルキル基または環状アルキル基を示す)で表わされる
ジアルキルフマレートの少なくとも1種15〜40モル%お
よび前記ジアルキルフマレート以外のフマル酸モノエス
テルおよびフマル酸ジエステルの少なくとも1種5〜35
モル%または(b)一般式(II): (式中、R1は前記と同じ)で表わされるジアルキルマレ
エートの少なくとも1種15〜40モル%および前記ジアル
キルマレエート以外のマレイン酸モノエステルおよびマ
レイン酸ジエステルの少なくとも1種5〜35モル%なら
びに (C)架橋剤0.5〜10モル%を含有したモノマー混合物
からなる共重合体を材質とする硬質コンタクトレンズ材
料に関する。
[作用および実施例] 本発明の硬質コンタクトレンズ材料は、前記したごと
く、 (A)N−ビニルラクタム48〜52モル%、(B)(a)
一般式(I): (式中、R1は炭素数1〜13の直鎖アルキル基、分枝鎖状
アルキル基または環状アルキル基を示す)で表わされる
ジアルキルフマレートの少なくとも1種15〜40モル%お
よび前記ジアルキルフマレート以外のフマル酸モノエス
テルおよびフマル酸ジエステルの少なくとも1種5〜35
モル%または(b)一般式(II): (式中、R1は前記と同じ)で表わされるジアルキルマレ
エートの少なくとも1種15〜40モル%および前記ジアル
キルマレエート以外のマレイン酸モノエステルおよびマ
レイン酸ジエステルの少なくとも1種5〜35モル%なら
びに (C)架橋剤0.5〜10モル%を含有したモノマー混合物
からなる共重合体を材質とすしたものである。
前記N−ビニルラクタムは、一般に単独重合性が低い
といわれているフマル酸エステルやマレイン酸エステル
と容易に共重合する性質を有しており、えられた共重合
体は交互性に富むという特異な性質を呈する。N−ビニ
ルラクタムの配合量は、前記モノマー混合物中に48〜52
モル%、とくに好ましくは50%含有されるように調整さ
れる。かかる配合量は48モル%未満であるばあい、フマ
ル酸モノエステルまたはフマル酸ジエステルを使用した
ときには、たとえ単独重合性が高いジアルキルフマレー
トを単独重合性の乏しいフマル酸ジエステルよりも多量
に使用しても重合が完結するにいたらなかったり、また
マレイン酸モノエステルまたはマレイン酸ジエステルを
使用したときには、単独重合しないマレイン酸モノエス
テルまたはマレイン酸ジエステルの未反応物が残って重
合が完結しないことがあり、また52モル%をこえるばあ
い、たとえ重合が完結してもえられた共重合体は若干白
濁したものとなったり、吸水率が著しく大きくなること
がある。
前記N−ビニルラクタムの具体例としては、たとえば
N−ビニルピロリドン、N−ビニル、−3−メチルピロ
リドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニ
ル−3,3,5−トリメチルピロリドン、N−ビニル−5−
フェニルピロリドン、N−ビニル、−3−ベンジルピロ
シドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラク
タム、N−ビニルカプリルラクタムなどがあげられ、こ
れらのN−ビニルラクタムは単独でまたは2種以上を混
合して用いられる。
これらのN−ビニルラクタムのなかでは、N−ビニル
ピロリドンは、代表的な汎用モノマーであり、容易に入
手しうるものであるから、とくに好ましい。
本発明においては、前記フマル酸モノエステルもしく
はフマル酸ジエステルとマレイン酸モノエステルもしく
はマレイン酸ジエステルとを併用したばあいには、えら
れる共重合体が白濁するという欠点があるため併用する
ことができず、したがって常にこれらのうちのいずれか
一方のみが使用される。
まず、前記一般式(I)で表わされるジアルキルフマ
レート、前記ジアルキルフマレート以外のフマル酸モノ
エステルおよびフマル酸ジエステルについて説明する。
前記一般式(I)で表わされるジアルキルフマレート
は、えられる共重合体の硬度を高め、かつ透明性を付与
するために使用される。前記一般式(I)で表わされる
ジアルキルフマレートの少なくとも一方のエステル残基
がターシャリーブル基であることが必要とされるのは、
えられる共重合体に透明性を付与するためである。
たとえば、ジアルキルフマレートとしてジメチルフマ
レートやジイソプロピルフマレートなどを用い、さらに
他のフマレートとしてビス(トリス(トリメチルシリル
オキシ)シリルプロピル)フマレートを用い、N−ビニ
ルピロリドンと共重合させたばあいには、えられる共重
合体の硬度は高められるが、白濁したものとなってしま
うのである。
前記一般式(I)で表わされるジアルキルフマレート
の配合量は、前記モノマー混合物中に15〜40モル%、好
ましくは20〜40モル%含有されるように調整される。か
かる配合量は15モル%未満であるばあい、えられる共重
合体の硬度が低下し、また40モル%をこえるばあい、酸
素透過性が低下するので好ましくない。
前記一般式(I)で表わされるジアルキルフマレート
の具体例としては、たとえばメチルターシャリーブチル
フマレート、エチルターシャリーブチルフマレート、イ
ソプロピルターシャリーブチルフマレート、ジターシャ
リーブチルフマレート、シクロヘキシルターシャリーブ
チルフマレート、4−ターシャリーブチルシクロヘキシ
ル−ターシャリーブチルフマレートなどがあげられる。
前記一般式(I)で表わされるジアルキルフマレート
以外のフマル酸モノエステルおよびフマル酸ジエステル
として、たとえばビス(シリコン含有アルキル)フマレ
ート、ビス(フルオロアルキル)フマレート、アルキル
(フルオロアルキル)フマレート、アルキル(シリコン
含有アルキル)フマレート、フルオロアルキル(シリコ
ン含有アルキル)フマレート、アルキル(ヒドロキシア
ルキル)フマレート、モノアルキルフマレートなどが添
加される。これらのなかでは、ビス(シリコン含有アル
キル)フマレートは合成が容易であり、また1分子あた
りのシリコン含有量を多くすることができるので、酸素
透過性をより向上させることができるという点で好まし
い。
前記ビス(シリコン含有アルキル)フマレートとして
は、たとえば一般式: (式中、R2およびR3はそれぞれ (R4〜R7はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基またはフ
ェニル基、R8〜R10はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル
基、フェニル基または (R11〜R13はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基または
フェニル基を示す)、qは2または3を示す)、 (R14〜R16はそれぞれR4(R4は前記と同じ)、OR17(R
17は一般式: (R4〜R6は前記と同じ、rは2〜4の整数を示す)を示
す)および (R8〜R10は前記と同じ) からなる群よりえらばれた基を示す)、 (iii)−Si(OSi(CH3)3)3-s(OSiH(CH3)2)s(sは1〜3
の整数を示す)および (iv)−R17(R17は前記と同じ) からなる群よりえらばれた基、n1およびn2はそれぞれ1
または3、p1およびp2はそれぞれ0または1を示す)で
表わされるものがあげられる。かかるビス(シリコン含
有アルキル)フマレートの具体例としては、たとえばビ
ス((ビス(トリメチルシリルオキシ)トリメチルジシ
ロキサニル)プロピル)フマレート、ビス(トリメチル
シリルプロピル)フマレート、ビス(ペンタメチルジシ
ロキサニルプロピル)フマレート、ビス((トリメチル
シリルオキシ)テトラメチルジシロキサニルプロピル)
フマレート、ビス((トリメチルビス(トリメチルシリ
ルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、ビ
ス((テトラキス(トリメチルシリルオキシ)トリメチ
ルトリシロキサニル)プロピル)フマレート、ビス(テ
トラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキサニル
プロピル)フマレート、ビス(テトラメチルトリイソプ
ロピルシクロテトラシリルオキシビス(トリメチルシリ
ルオキシ)シリルプロピル)フマレートなどがあげられ
る。なお、これらビス(シリコン含有アルキル)フマレ
ートのなかでは、 一般式(III): (式中、R18〜R23はそれぞれメチル基またはトリメチル
シリルオキシ基を示す)で表わされるビス(シリコン含
有アルキル)フマレートは、その合成が容易であり、ま
たその精製も容易であるのでとくに好ましい。
前記ビス(フルオロアルキル)フマレートとしては、
たとえば一般式: (式中、R22およびR23は-CaHbF2a+1-b;aは1〜21の整
数、bは0または1、mlおよびm2はそれぞれ0〜3の整
数を示す)で表わされるフマレートがあげられる。かか
るビス(フルオロアルキル)フマレートの具体例として
は、たとえばビス(トリフルオロエチル)フマレート、
ビス(テトラフルオロプロピル)フマレート、ビス(ヘ
キサフルオロイソプロピル)フマレート、ビス(オクタ
フルオロペンチル)フマレート、ビス(ドデカフルオロ
ヘプチル)フマレートなどがあげられる。これらのビス
(フルオロアルキル)フマレートのなかでは、ビス(ト
リフルオロエチル)フマレート、ビス(ヘキサフルオロ
イソプロピル)フマレート、ビス(テトラフルオロプロ
ピル)フマレート、ビス(オクタフルオロペンチル)フ
マレートなどはその合成が容易であり、しかもその原料
の入手が容易であるのでとくに好ましい。
前記アルキル(フルオロアルキル)フマレートとして
は、たとえば一般式: (式中、R1は前記と同じ、R24は CH2 CaHbF2a+1-b(aおよびbは前記と同じ、kは
0〜3の整数を示す)を示す)で表わされるフマレート
があげられる。かかるアルキル(フルオロアルキル)フ
マレートの具体例としては、たとえばメチル(トリフル
オロエチル)フマレート、エチル(トリフルオロエチ
ル)フマレート、イソプロピル(トリフルオロエチル)
フマレート、ターシャリーブチル(トリフルオロエチ
ル)フマレート、オクチル(トリフルオロエチル)フマ
レート、シクロヘキシル(トリフルオロエチル)フマレ
ート、メチル(ヘキサフルオロイソプロピル)フマレー
ト、イソプロピル(ヘキサフルオロイソプロピル)フマ
レート、ターシャリーブチル(ヘキサフルオロイソプロ
ピル)フマレート、オクチル(ヘキサフルオロイソプロ
ピル)フマレート、シクロヘキシル(ヘキサフルオロイ
ソプロピル)フマレート、メチル(オクタフルオロペン
チル)フマレート、エチル(オクタフルオロペンチル)
フマレート、イソプロピル(オクタフルオロペンチル)
フマレート、ターシャリーブチル(オクタフルオロペン
チル)フマレート、オクチル(オクタフルオロペンチ
ル)フマレート、シクロヘキシル(オクタフルオロペン
チル)フマレートなどがあげられる。
前記アルキル(シリコン含有アルキル)フマレートと
しては、たとえば一般式: (式中、R1は前記と同じ、R25(R18〜R20は前記と同じ、lは1または3を示す)を示
す)で表わされるフマレートがあげられる。かかるアル
キル(シリコン含有アルキル)フマレートの具体例とし
ては、たとえばメチル(トリメチルシリルプロピル)フ
マレート、エチル(トリメチルシリルプロピル)フマレ
ート、イソプロピル(トリメチルシリルプロピル)フマ
レート、ターシャリーブチル(トリメチルシリルプロピ
ル)フマレート、オクチル(トリメチルシリルプロピ
ル)フマレート、シクロヘキシル(トリメチルシリルプ
ロピル)フマレート、メチル(ペンタメチルジシロキサ
ニルプロピル)フマレート、エチル(ペンタメチルジシ
ロキサニルプロピル)フマレート、イソプロピル(ペン
タメチルジシロキサニルプロピル)フマレート、ターシ
ャリーブチル(ペンタメチルジシロキサニルプロピル)
フマレート、オクチル(ペンタメチルジシロキサニルプ
ロピル)フマレート、シクロヘキシル(ペンタメチルジ
シロキサニルプロピル)フマレート、メチル((テトラ
メチル(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プ
ロピル)フマレート、エチル((テトラメチル(トリメ
チルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレ
ート、イソプロピル((テトラメチル(トリメチルシリ
ルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、タ
ーシャリーブチル((テトラメチル(トリメチルシリル
オキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、オク
チル((テトラメチル(トリメチルシリルオキシ)ジシ
ロキサニル)プロピル)フマレート、シクロヘキシル
((テトラメチル(トリメチルシリルオキシ)ジシロキ
サニル)プロピル)フマレート、メチル((トリメチル
ビス(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロ
ピル)フマレート、エチル((トリメチルビス(トリメ
チルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレ
ート、イソプロピル((トリメチルビス(トリメチルシ
リルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、
ターシャリーブチル((トリメチルビス(トリメチルシ
リルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、
オクチル((テトラメチル(トリメチルシリルオキシ)
ジシロキサニル)プロピル)フマレート、シクロヘキシ
ル((トリメチルビス(トリメチルシリルオキシ)ジシ
ロキサニル)プロピル)フマレートなどがあげられる。
前記フルオロアルキル(シリコン含有アルキル)フマ
レートとしては、たとえば一般式: (式中、R24およびR25は前記と同じ)で表わされるフマ
レートがあげられる。かかるフルオロアルキル(シリコ
ン含有アルキル)フマレートの具体例としては、たとえ
ばトリフルオロエチル(トリメチルシリルプロピル)フ
マレート、ヘキサフルオロイソプロピル(トリメチルシ
リルプロピル)フマレート、オクタフルオロペンチル
(トリメチルシリルプロピル)フマレート、トリフルオ
ロエチル((テトラメチル(トリメチルシリルオキシ)
ジシロキサニル)プロピル)フマレート、ヘキサフルオ
ロイソプロピル((テトラメチル(トリメチルシリルオ
キシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、オクタ
フルオロペンチル((テトラメチル(トリメチルシリル
オキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、トリ
フルオロエチル((トリメチルビス(トリメチルシリル
オキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレート、ヘキ
サフルオロイソプロピル((トリメチルビス(トリメチ
ルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマレー
ト、オクタフルオロペンチル((トリメチルビス(トリ
メチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フマ
レートなどがあげられる。
前記ビス(シリコン含有アルキル)フマレート、ビス
(フルオロアルキル)フマレート、アルキル(フルオロ
アルキル)フマレート、アルキル(シリコン含有アルキ
ル)フマレートおよびフルオロアルキル(シリコン含有
アルキル)フマレートなかでは、ビス(シリコン含有ア
ルキル)フマレート、フルオロアルキル(シリコン含有
アルキル)フマレート、アルキル(シリコン含有アルキ
ル)フマレートなどのシリコン含有フマレートを用いた
ばあいには、高酸素透過性の硬質コンタクトレンズ材料
がえられるのでとくに好ましい。
前記ビス(シリコン含有アルキル)フマレート、ビス
(フルオロアルキル)フマレート、アルキル(フルオロ
アルキル)フマレート、アルキル(シリコン含有アルキ
ル)フマレートおよびフルオロアルキル(シリコン含有
アルキル)フマレートは、単独でまたは2種以上混合し
て用いられ、これらフマレートの配合量は、モノマー混
合物中に5〜35モル%、好ましくは10〜30モル%含有さ
れるように調整される。これらフマレートの配合量は5
モル%未満であるばあい、えられる共重合体の酸素透過
性が低くなり、また35モル%をこえるばあい、えられる
共重合体の硬度が低下する傾向がある。
なお、えられる共重合体にさらに親水性を付与するた
めに、たとえば一般式(V): (式中、R1は前記と同じ、R26は炭素数1〜8のヒドロ
キシアルキル基を示す)で表わされるアルキル(ヒドロ
キシアルキル)フマレートやモノアルキルフマレートが
あげられ、これらのフマレートは単独でまたは2種以上
を混合して用いられる。
前記一般式(V)で表わされるアルキル(ヒドロキシ
アルキル)フマレートの具体例としては、たとえばエチ
ル(2−ヒドロキシエチル)フマレート、イソプロピル
(2−ヒドロキシエチル)フマレート、n−ブチル(2
−ヒドロキシエチル)フマレート、エチル(2−ヒドロ
キシプロピル)フマレート、イソプロピル(2−ヒドロ
キシプロピル)フマレート、n−ブチル(2−ヒドロキ
シプロピル)フマレート、エチル(2−ヒドロキシブチ
ル)フマレート、イソプロピル(2−ヒドロキシブチ
ル)フマレート、n−ブチル(2−ヒドロキシブチル)
フマレートなどがあげられる。
また、前記モノアルキルフマレートの具体例として
は、たとえばモノメチルフマレート、モノエチルフマレ
ート、モノ−イソプロピルフマレート、モノ−n−ブチ
ルフマレート、モノ−ターシャリーブチルフマレート、
モノ−n−アルミフマレート、モノシクロヘキシルフマ
レートなどがあげられる。
これらアルキル(ヒドロキシアルキル)フマレートお
よびモノアルキルフマレートの配合量は、モノマー混合
物中に5モル%以下含有されるように調整される。これ
らフマレートの配合量は5モル%をこえるばあい、えら
れる共重合体が白濁し、しかも吸水性が大きくなりすぎ
る傾向がある。
つぎに前記一般式(II)で表わされるジアルキルマレ
エート、前記ジアルキルマレエート以外のマレイン酸モ
ノエステルおよびマレイン酸ジエステルについて説明す
る。
前記一般式(II)で表わされるジアルキルマレエート
は、えられる共重合体の硬度を高め、かつ透明性を付与
するために使用される。前記一般式(II)で表わされる
ジアルキルマレエートの少なくとも一方のエステル残基
がターシャリーブチル基であることが必要であるのは、
前記一般式(I)表わされるジアルキルフマレートと同
じく、えられる共重合体に透明性を付与するためであ
る。
たとえば、ジアルキルマレエートとしてジメチルマレ
エートやジイソプロピルマレエートなどを用い、さらに
他のマレエートとしてビス(トリス(トリメチルシリル
オキシ)シリルプロピル)マレエートを用い、N−ビニ
ルピロリドンと共重合させたばあいには、えられる共重
合体の硬度は高められるが、白濁したものとなってしま
うのである。
前記一般式(II)で表わされるジアルキルマレエート
の配合量は、前記モノマー混合物中に15〜40モル%、好
ましくは20〜40モル%含有されるように調整される。か
かる配合量は15モル%未満であるばあい、えられる共重
合体の硬度が低下し、また40モル%をこえるばあい、酸
素透過性が低下するので好ましくない。
前記一般式(II)で表わされるジアルキルマレエート
の具体例としては、たとえばメチルターシャリーブチル
マレエート、エチルターシャリーブチルマレエート、イ
ソプロピルターシャリーブチルマレエート、ジターシャ
リーブチルマレエート、シクロヘキシルターシャリーブ
チルマレエート、4−ターシャリーブチルシクロヘキシ
ル−ターシャリーブチルマレエートなどがあげられる。
前記一般式(II)で表わされるジアルキルマレエート
以外にも、たとえばビス(シリコン含有アルキル)マレ
エート、アルキル(ヒドロキシアルキル)マレエート、
モノアルキルマレエートなどがあげられる。
前記ビス(シリコン含有アルキル)マレエートは、え
られる共重合体の酸素透過性を高めるのに有効に用いら
れる。かかるビス(シリコン含有アルキル)マレエート
としては、たとえば一般式: (式中、R2およびR3ならびにn1およびn2は前記と同じ)
で表わされるものがあげられる。かかるビス(シリコン
含有アルキル)マレエートの具体例としては、たとえば
ビス((ビス(トリメチルシリルオキシ)トリメチルジ
シロキサニル)プロピル)マレエート、ビス(トリメチ
ルシリルプロピル)マレエート、ビス(ペンタメチルジ
シロキサニルプロピル)マレエート、ビス((トリメチ
ルシリルオキシ)テトラメチルジシロキサニルプロピ
ル)マレエート、ビス((テトラキス(トリメチルシリ
ルオキシ)トリメチルトリシロキサニル)プロピル)マ
レエート、ビス(テトラメチルトリイソプロピルシクロ
テトラシロキサニルプロピル)マレエート、ビス(テト
ラメチルトリイソプロピルシクロテトラシリルオキシビ
ス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルマレエー
トなどがあげられる。なお、これらビス(シリコン含有
アルキル)マレエートのなかでは、 一般式(IV): (式中、R18〜R23は前記と同じ)で表わされるマレエー
トは、その合成が容易であり、またその精製も容易であ
るのでとくに好ましい。
前記ビス(シリコン含有アルキル)マレエートの配合
量は、モノマー混合物に5〜35モル%、好ましくは10〜
30モル%含有されるように調整される。かかる配合量は
5モル%未満であるばあい、えられる共重合体の酸素透
過性が低くなり、また35モル%をこえるばあい、えられ
る共重合体の硬度が低下する傾向にある。
前記アルキル(ヒドロキシアルキル)マレエートおよ
びモノアルキルマレエートは、えられる共重合体にさら
に親水性を付与する成分である。
前記アルキル(ヒドロキシアルキル)マレエートとし
ては、たとえば一般式: (式中、R1およびR26は前記と同じ)で表わされるマレ
エートがあげられる。かかるアルキル(ヒドロキシアル
キル)マレエートの具体例としては、たとえばエチル
(2−ヒドロキシエチル)マレエート、イソプロピル
(2−ヒドロキシエチル)マレエート、n−ブチル(2
−ヒドロキシエチル)マレエート、エチル(2−ヒドロ
キシプロピル)マレエート、イソプロピル(2−ヒドロ
キシプロピル)マレエート、n−ブチル(2−ヒドロキ
シプロピル)マレエート、エチル(2−ヒドロキシブチ
ル)マレエート、イソプロピル(2−ヒドロキシブチ
ル)マレエート、n−ブチル(2−ヒドロキシブチル)
マレエートなどがあげられる。
また、前記モノアルキルマレエートの具体例として
は、たとえばモノメチルマレエート、モノエチルマレエ
ート、モノ−イソプロピルマレエート、モノ−n−ブチ
ルマレエート、モノ−ターシャリーブチルマレエート、
モノ−n−アルミマレエート、モノシクロヘキシルマレ
エートなどがあげられる。
これらアルキル(ヒドロキシアルキル)マレエートお
よびモノアルキルマレエートの配合量は、モノマー混合
物中に5モル%以下含有されるように調整される。これ
らマレエートの配合量が5モル%をこえるばあい、えら
れる共重合体が白濁し、しかも吸水性が大きくなるすぎ
る傾向がある。
前記モノマー混合物中には、えられるコンタクトレン
ズのサイズやパワー(度数)といった規格や形状を安定
させ、また耐薬品性を向上させるという目的で、架橋剤
が添加される。かかる架橋剤の具体例としては、たとえ
ばジアリルフマレート、アリルメタクリレート、アリル
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチ
レングリコールジアクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジビニルベンゼン、一般式: (式中、R27およびR28はそれぞれ独立に前記R1、R24
よびR25からえらばれた基、R29は分枝鎖状もしくは直鎖
状の炭素数1〜4のアルキレン基、一般式:-CH2CH2O
CH2CH2 n1(n1は1〜5の整数を示す)または一般式: (R18〜R23は前記と同じ、R30およびR31はそれぞれメチ
ル基またはトリメチルシリルオキシ基、tは0〜55の整
数を示す)で表わされる化合物などがあげられ、これら
のうちから1種または2種以上を選択して用いる。かか
る架橋剤の配合量は、モノマー混合物中に0.51〜10モル
%、なかんづく2〜8モル%含有されるように調整され
るのが好ましい。かかる配合量は10モル%をこえるばあ
い、えられる共重合体が脆くなる傾向があり、また0.5
モル%未満であるばあい、形状安定性や耐薬品性が低下
する傾向がある。
また、本発明においては、必要に応じてたとえば、セ
イカゲン−0−リアルブラック(大日精化(株)製)の
ようなモノマー化された染料や2−ヒドロキシ−5−ア
クリロキシフェニル−2−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ルのようなモノマー化された紫外線吸収剤を用いること
もできる。これらは、高酸素透過性を維持するために、
モノマー混合物に対して5重量%以下の範囲内で用いる
のが好ましい。
前記モノマー混合物を共重合させる方法としては、た
とえば室温(約10℃)〜約110℃の温度範囲内で通常の
ラジカル重合反応を行なう方法などがあげられる。かか
る重合反応の際に使用しうる重合反応開始剤としては、
たとえば過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどがあげられ、
これらのなかから1種または2種以上を選択して用い
る。また、かかる重合反応開始剤の配合量は、モノマー
混合物100モルに対して0.01〜1.0モルであるのが好まし
い。
前記モノマー混合物をコンタクトレンズに成形する方
法としては、通常の成形方法をそのまま採用することが
できる。その一例をあげれば、たとえば前記モノマー混
合物の共重合反応をコンタクトレンズの形状に対応した
成形型の中で行なって直接コンタクトレンズの形状に成
形し、さらに必要に応じてこれに機械的にたとえば切削
や研磨などの仕上げ加工を施す方法がある。また、共重
合反応を適当な成形型または容器の中で行ない、たとえ
ばブロック状、板状または丸棒状の素材としたのち、切
削、研磨などの通常の機械的加工方法によって所望の形
状を有するコンタクトレンズに成形してもよい。
かくしてえられる本発明のコンタクトレンズ材料は、
親水性および酸素透過性にすぐれたものである。
つぎに本発明のコンタクトレンズ材料を実施例に基づ
いてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例の
みに限定されるものではない。
実施例1 N−ビニルピロリドン50モル%、ジターシャリーブチ
ルフマレート38モル%、ジ[トリス(トリメチルシリル
オキシ)シリルプロピル]フマレート10モル%およびエ
チレングリコールビス(イソプロピルフマレート)2モ
ル%を混合してモノマー混合物をえた。えられたモノマ
ー混合物に重合反応開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリル0.1モル%を添加し、よく攪拌して混合した。
つぎに前記モノマー混合物をガラス製試験管に仕込
み、チッ素置換したのち、封管し、恒温水槽中に入れて
40℃で24時間、50℃で24時間、60℃で6時間、ついで70
℃で2時間順次加熱して重合させたのち、重合物をとり
出し、さらに90℃で2時間加熱して無色透明の重合物を
えた。
えられた重合物に切削加工を施し、直径15mm、厚さ0.
2mm、厚さ0.5mmおよび厚さ1mmのプレート状のテストピ
ースを作製した。えられたテストピースの物性として、
酸素透過係数、接触角および吸水率を以下の方法にした
がって測定した。その結果を第1表に示す。
(酸素透過係数) テストピース(直径15mm、厚さ0.2mm)を35℃の生理
食塩水中に浸漬し、製科研式フィルム−酸素透過率計を
用いて酸素透過係数を測定した。
(接触角) テストピース(直径15mm、厚さ1mm)の表面を研磨
し、ついで蒸留水中に浸漬して37℃にて3日間放置後、
G−Iゴニオメーター式接触角測定器(エルマ光学
(株)製)を用いて液滴法にて測定した。
(吸水率) テストピース(直径15mm、厚さ1mm)を20℃の蒸留水
中に長時間浸漬し、飽和吸水状態に達したあとに乾燥時
と飽和吸水時のそれぞれの重量から次式により算出し
た。
(式中、W1は飽和吸水時の重量、W2は乾燥時の重量を示
す)。
実施例2〜17 モノマー組成を第1表に示すように変更したほかは実
施例1と同様にしてテストピースを作製し、その物性を
測定した。その結果を第1表に示す。
実施例18〜25 モノマーとして第1表に示すマレエートを用いたほか
は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、その
物性を測定した。その結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1において、ジターシャリーブチルフマレート
をターシャリーブチルメタクリレートに、ジ[トリス
(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル]フマレー
トをトリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル
メタクリレートに、またエチレングリコールビス(イソ
プロピルフマレート)をエチレングリコールジメタクリ
レートにかえ、実施例1と同様の組成比で重合して重合
物をえたが、この重合物は白濁したものであった。また
飽和吸水率は14.2%と非常に高く、このテストピースは
変形してしまった。
比較例2 比較例1と同じように実施例1で用いたモノマー組成
のみをかえ、実施例2と同様の組成比で重合して重合物
をえたが、この重合物は白濁したものであった。また飽
和吸水率は9.65%と高く、このテストピースは変形して
しまった。
比較例3 実施例1で用いたモノマー混合物のかわりにN−ビニ
ルピロリドン50モル%、ジ[トリス(トリメチルシリル
オキシ)シリルプロピル]フマレート48モル%およびエ
チレングリコールジメタクリレート2モル%からなるモ
ノマー混合物を用いたほかは実施例1と同様にして重合
させたが、えられた重合物は非常に柔かく、コンタクト
レンズ材料としては好ましいものではなかった。
比較例4 ジターシャリーブチルフマレート80モル%、ジ[トリ
ス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル]フマレ
ート20モル%および重合反応開始剤として過酸化ベンゾ
イル0.1モル%をよく混合したのちガラス製試験管に入
れて脱気封管し、64℃で48時間、70℃で24時間、100℃
で2時間、ついで130℃で2時間加熱して重合物をえ
た。
えられた重合物からテストピース(直径15mm、厚さ1m
m)を作製して表面を研磨し、ついで該テストピースを3
7℃の蒸留水中3日間放置したのち、接触角を測定した
ところ、98°であり、撥水性がきわめて大きかった。
比較例5 N−ビニルピロリドン47モル%、イソプロピル−ター
シャリーブチルフマレート36モル%、ジ[トリス(トリ
メチルシリルオキシ)シリルプロピル]フマレート15モ
ル%およびエチレングリコールビス(イソプロピルフマ
レート)2モル%からなるモノマー混合物を用いたほか
は実施例1と同様にして重合させ、テストピースを作製
した。酸素透過係数を測定したところ、測定後のフィル
ムは変形してしまった。
比較例6 N−ビニルピロリドン53モル%、イソプロピル−ター
シャリーブチルフマレート30モル%、ジ[トリス(トリ
メチルシリルオキシ)シリルプロピル]フマレート15モ
ル%およびエチレングリコールビス(イソプロピルフマ
レート)2モル%からなるモノマー混合物を用いたほか
は実施例1と同様にして重合させ、テストピースを作製
した。吸水率を測定したところ、3.42%と高い値を示
し、さらに酸素透過係数を測定したところ、測定後のフ
ィルムは変形してしまった。
比較例7 N−ビニルピロリドン50モル%、ジ−ターシャリーブ
チルマレエート28モル%、ジ[トリス(トリメチルシリ
ルオキシ)シリル]フマレート20モル%、エチレングリ
コールジメタクリレート2モル%からなるモノマー混合
物を用いたほかは実施例1と同様にして重合させたが、
えられた重合物は白濁してしまった。
比較例8 実施例1において、モノマー混合物の組成をN−ビニ
ルピロリドン20モル%、ジターシャリーブチルフマレー
ト60.8モル%、ジ[トリス(トリメチルシリルオキシ)
シリルプロピル]フマレート16モル%およびエチレング
リコールビス(イソプロピルフマレート)3.2モル%と
したほかは、実施例1と同様にして重合物を作製した
が、外観上、白濁した重合体しかえられなかった。該重
合体は白濁しているため、光学材料であるコンタクトレ
ンズの材料としては、不適当なものであった。
[発明の効果] 本発明のコンタクトレンズ材料は、吸水性が高いN−
ビニルラクタムを多量に含有しているにもかかわらず、
意外なことに吸水率が低く、しかもコンタクトレンズに
要求される望ましい硬度および硬質性を具備し、さらに
親水性および酸素透過性にもすぐれたものであるから、
コンタクトレンズに好適に使用しうるという効果を奏す
る。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)N−ビニルラクタム48〜52モル%、 (B)(a)一般式(I): (式中、R1は炭素数1〜13の直鎖アルキル基、分枝鎖状
    アルキル基または環状アルキル基を示す)で表わされる
    ジアルキルフマレートの少なくとも1種15〜40モル%お
    よび前記ジアルキルフマレート以外のフマル酸モノエス
    テルおよびフマル酸ジエステルの少なくとも1種5〜35
    モル%または (b)一般式(II): (式中、R1は前記と同じ)で表わされるジアルキルマレ
    エートの少なくとも1種15〜40モル%および前記ジアル
    キルマレエート以外のマレイン酸モノエステルおよびマ
    レイン酸ジエステルの少なくとも1種5〜35モル%なら
    びに (c)架橋剤0.5〜10モル%を含有したモノマー混合物
    からなる共重合体を材質とする硬質コンタクトレンズ材
    料。
  2. 【請求項2】前記ジアルキルフマレート以外のフマル酸
    モノエステルおよびフマル酸ジエステルの少なくとも1
    種がビス(シリコン含有アルキル)フマレートを含有す
    るものである請求項1記載の硬質コンタクトレンズ材
    料。
  3. 【請求項3】ビス(シリコン含有アルキル)フマレート
    が一般式(III): (式中、R18〜R23はそれぞれメチル基またはトリメチル
    シリルオキシ基を示す)で表わされるフマレートである
    請求項2記載の硬質コンタクトレンズ材料。
  4. 【請求項4】前記ジアルキルマレエート以外のマレイン
    酸モノエステルおよびマレイン酸ジエステルの少なくと
    も1種がビス(シリコン含有アルキル)マレエートを含
    有するものである請求項1記載の硬質コンタクトレンズ
    材料。
  5. 【請求項5】ビス(シリコン含有アルキル)マレエート
    が一般式(IV): (式中、R18〜R23は前記と同じ)で表わされるマレエー
    トである請求項4記載の硬質コンタクトレンズ材料。
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