JP2844772B2 - ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

ソフトコンタクトレンズ

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JP2844772B2 JP33760489A JP33760489A JP2844772B2 JP 2844772 B2 JP2844772 B2 JP 2844772B2 JP 33760489 A JP33760489 A JP 33760489A JP 33760489 A JP33760489 A JP 33760489A JP 2844772 B2 JP2844772 B2 JP 2844772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸素透過性及び耐汚染性が優れ、かつ装用感
の優れたソフトコンタクトレンズ及びその重合組成物に
関するものである。
更に詳しくは、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリ
レートとオルガノシロキサニル(メタ)アクリレートと
フルオロアルキル(メタ)アクリレートとを実質的に主
成分とし酸素透過性と耐汚染性が優れるため、装用中の
汚れ、菌付着、装用中の酸素欠乏を防止し、物理的強度
が優れた良好なソフトコンタクトレンズに関するもので
ある。
[従来の技術] 近年、ソフトコンタクトレンズは、その装用感の良さ
から、従来のハードコンタクトレンズで視力矯正できな
かった人々に適用され、用いられている。
現在、普及しているソフトコンタクトレンズとして
は、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とす
るもの、及びN−ビニルピロリドンを主成分とするもの
が大部分で、その含水率も約30〜80%と広範囲のものが
ある。
一般にソフトコンタクトレンズは装用感が良いのに反
して、乱視矯正力は充分ではない。また、含水率の高い
材料は酸素透過性が高いが耐汚染性が劣り、低含水率の
材料は機械的強度が優れるが酸素透過性が充分でないと
いう問題点を有する。
このうち、機械強度に関して比較的剛性が強い素材と
して、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレートとメ
チルメタクリレートを成分とするソフトコンタクトレン
ズが提案され(特公昭62−32456号公報)、市販されて
いる。
一方、汚れ性の改良についてもいくつか提案されてお
り、例えば、特公昭62−62323号公報には、アルキレン
グリコールのモノメタクリレートと特定のフルオロアル
キルメタクリレートを主成分とするソフトコンタクトレ
ンズが提案されている。
また、酸素透過性が高い非含水材料として、ポリオル
ガノシロキサンからなるシリコンラバーを材料とするソ
フトコンタクトレンズが開発され市販されている。これ
以外に、酸素透過性を向上するものとして、例えば、特
開昭54−29660号公報には、ヒドロキシ基やスルホニル
基等のような親水性基を含む(メタ)アクリレート化合
物と長鎖のフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリ
レートが、また、特公昭60−25766号には、フルオロア
ルキル(メタ)アクリレートとアルキルメタクリレート
と若干の架橋剤及び湿潤性モノマーとからなる組成物が
提案されている。
また、ハードコンタクトレンズ素材であるが、特公昭
52−33502号公報には、特定の構造式を有するオルガノ
シロキサニルメタクリレートとメチルメタクリレート類
からなるコンタクトレンズが、また、特公昭62−8769号
には、特定構造のオルガノシロキサニルメタクリレート
であるトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメ
タクリレート、及び、2,2,2−トリフルオロエチルメタ
クリレートとを必須モノマー成分とする高酸素透過性の
ハードコンタクトレンズ素材が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、従来技術のうち、現在普及しているソフトコ
ンタクトレンズにおいて長時間装用による酸素欠乏に起
因すると考えられる問題点が指摘されている。ソフトコ
ンタクトレンズでは、高酸素透過性とするために、高含
水率化するのが普通であるが、高含水率のソフトコンタ
クトレンズは装用時の汚れが著しく、菌類の発生の心配
が大きいことや引っ張り強度が弱く取扱が煩雑であるた
め充分普及していないのが実状である。このように、現
状のソフトコンタクトレンズの問題点としては、汚れや
すいこと、細菌及び真菌が繁殖し易いこと、取扱が煩雑
なこと、強度が弱く破損し易いこと、寿命が短いこと、
そして、角膜への酸素供給が不十分であること、などが
挙げられる。
これらの問題点に着目し、汚れのつきにくい材料とし
て上述の様にいくつかの技術が開示されているが、充分
ではない。
即ち、特公昭62−62323号公報に開示された組成物
は、従来から公知の2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トに対し、フルオロアルキルメタクリレートを添加する
ものであり、混合比率により、後者の添加量が10重量パ
ーセントを越えると汚染性は改善できるが、その時のフ
ルオロアルキルメタクリレートの添加量では、素材の強
度の低下を招き、破れの発生の心配がある。
また、その他の例として、特開昭54−29660号,同60
−25766号公報には、ヒドロキシやスルホニル系親水性
メタクリレート化合物またはアルキルメタクリレートと
フルオロアルキルメタクリレート、更にこれに若干の架
橋剤及び湿潤性モノマーを含む組成物が提案されている
が、これらの場合にも強度が不足している為、実用上問
題である。
また、高酸素透過性レンズとして開示されている特公
昭52−33502号や、特公昭62−8769号には、親水性モノ
マーを添加するなどの方法による含水率を向上させる技
術あるいは、軟質材料にできる等の記載がなく、実際得
られる材料は硬く脆いものである。また、記載の内容か
ら含水ゲルにすることは不可能である。
特に、ソフトコンタクトレンズの場合、ハードコンタ
クトレンズと違って、眼の角膜形状に沿って変形しピッ
タリ付着する故に、酸素透過性と耐汚染性は重要であ
る。
しかし、現状では上記に述べたように数々の問題点を
有する。
そこで本発明は、酸素透過性と耐汚染性の優れたソフ
トコンタクトレンズを作ることを課題として鋭意研究し
た結果到達したものである。即ち、本発明は、ソフトコ
ンタクトレンズ装用において、角膜への影響が少なく、
長期に装用可能な安全なコンタクトレンズの組成物を得
ることを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 即ち、本発明のソフトコンタクトレンズは、下記、A,
B,及びCを必須成分とすることを特徴とするものであ
る。
A.2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート。
B.オルガノシロキサニル(メタ)アクリレート。
C.フルオロアルキル(メタ)アクリレート。
また更には、前記A,B,及びCの各成分は、A成分100
重量部に対して、B成分は20〜200重量部、C成分は10
〜200重量部であることを特徴とするものである。
また更には、A,B,及びC成分以外に5重量%未満の架
橋剤を含むことを特徴とするものである。
更に詳細に説明する。
ここで、A成分の、2,3−ジヒドロキシプロピルメタ
クリレートは、本ソフトコンタクトレンズの親水性を発
現するための基本骨格である。これは、グリシジルメタ
クリレートを加水分解して得られ、架橋剤として働くた
め若干の未反応物が残存していても差し支えない。本成
分の使用量が相対的に多い場合には、含水率が向上し、
生体親和性が増すが、機械的強度が低下し、耐汚れ性が
低下する。また、少ない使用量では、得られる共重合体
の含水率は低下し同時に脆くなり物理的な強度が低下す
るため好ましくない。
次に、B成分のオルガノシロキサニル(メタ)アクリ
レートについて説明する。
B成分は、例記すれば、下記一般式[I]で示される
ものを挙げることが出来る。
(但し式中、R1はメチル基あるいは水素基であり、ま
た、XおよびYは、炭素数1〜5のアルキル基、フエニ
ル基あるいはZ基からなる群から選ばれる有機基であ
り、nは1〜3の整数である。ここでZは、下記一般式
[II]で示される基を示すものとする。なお、II式中、
Aは、炭素数1〜5のアルキル基あるいはフエニル基
を、また、mは1〜5の整数を示す。) また、更には、アルキル基あるいはアルキレン基中に
水酸基を有するオルガノシロキサニル(メタ)アルキレ
ート類や、オルガノシロキサニル基の両末端にメタクリ
ル基を含有する化合物も有用である。
これらの具体的な化合物を例示すれば、例えば、 ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート、 ペンタメチルジシロキサニルエチルアクリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタク
リレート、 ペンタメチルジ(トリメチルシロキシ)シリルメチル
アクリレート、 t−ブチルテトラメチルジシロキサニルエチルアクリ
レート、 n−ペンチルヘキサメチルトリシロキサニルメチルア
クリレート、 n−プロピルオクタメチルテトラシロキサニルプロピ
ルメタクリレート、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグ
リセロールメタクリレート、 テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキサ
ニルプロピルメタクリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセ
ロールメタクリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセ
ロールアクリレート、 モト[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]
ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロー
ルアクリレート、 などの(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
この使用量は、A成分100重量部に対して、20〜200重
量部であることが必要である。更に好適な使用量は、50
〜100重量部である。即ち、50重量部未満では、酸素透
過性が充分ではなく、200重量部を越えると共重合体は
白濁し好ましくない。
次に、C成分のフルオロアルキル(メタ)アクリレー
トについて説明する。
C成分は、例記すれば、下記一般式[III]で示され
るものを挙げることが出来る。
(但し式中、R2は水素原子、メチル基、フッ素原子また
はトリフルオロメチル基を表し、−CiHjF2i+I−jは
直鎖または分岐状のフッ素含有機を表し、iは1〜18の
整数、jは1〜2×iの整数を表す。)ここで、iの値
が大きいほど、また分岐が多いほど耐汚染性が優れ、ま
た酸素透過性が高くなる。たが逆に、iが大きくなると
形状安定性が低下する上に、製造が困難となるので使用
できない。また、jが大きい、すなわちF(フッ素原
子)が少なくなると酸素透過性は低下し、逆にjが0の
場合は、モノマーの化学的安定性が悪くなるため、jは
1〜2×iであることが望ましい。
C成分の、具体的な化合物としては、例えば、 2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、 2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチ
ル(メタ)アクリレート、 3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル(メタ)ア
クリレート、 3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル(メタ)
アクリレート、 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオク
チル(メタ)アクリレート、 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカ
フルオロデシル(メタ)アクリレート、 1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオロオクタデシル
(メタ)アクリレート、 2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレ
ート、 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフル
オロノニル(メタ)アクリレート、 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−エ
イコサフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、 メチル α−フルオロアクリレート、 2,2,2−トリフルオロエチル−α−フルオロアクリレ
ート、 2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロ−メチルエ
チル α−フルオロアクリレート、 メチル−α−トリフルオロメチルアクリレート、 2,2,2−トリフルオロエチル−α−トリフルオロメチ
ルアクリレート、 2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチ
ル−α−トリフルオロメチルアクリレート、 で示される(メタ)アクリレート化合物が使用できる。
この使用量は、A成分100重量部に対し、10〜200重量部
であることが必要である。更に好ましくは、20〜100重
量部の使用が好ましい。10重量部以下では、共重合体の
耐汚染性が充分ではなく、また200重量部を越えると共
重合体は脆く、実用上の特性を満足できなくなる。
基本的な成分は以上であるが、コンタクトレンズとし
ての形状の保持特性や、含水率の維持の為に次に述べる
架橋剤を0.1〜5重量部を含むことが望ましい。この
他、架橋剤の目的は、共重合体の熱特性を改善し形状安
定性を向上すること、適度な硬さの弾力性を与え、コン
タクトレンズとしての良好な視力矯正力を得る等の効果
を与える。
そこで、その他の成分である架橋剤について述べる。
架橋剤としては、アルキルジメタクリレート類等や、グ
リシジルメタクリレート等の多官能性モノマーが挙げら
れる。特にグリシジルメタクリレートは、水酸基を有す
る化合物とのカップリング反応に有効である。引用例
(特公昭62−32456号公報明細書)には2,3−ジヒドロキ
シプロピルメタクリレートを合成する際、原料として用
いられる為、合成を完結しないで転化率を適度に抑制す
ることによって効果を発現させる方法が開示されてい
る。
この他、重合性の架橋剤の例としては、従来から知ら
れているものが用いられる。すなわち、 エチレングリコールジメタクリレート、 ジエチレングリコールジメタクリレート、 トリエチレングリコールジメタクリレート、 テトラエチレングリコールジメタクリレート、 プロピレングリコールジメタクリレート、 ブタンジオールジメタクリレート、 ペンタエリスリトールジメタクリレート、 等のジメタクリレート類や、ペンタエリスリトール等の
多価アルコールのメタクリル酸多価エステル等が挙げら
れる。
この架橋剤の使用量は、重合性モノマー中、0.1〜5
重量部が適当である。0.1重量部未満では、含水率のコ
ントロールが難しくなるため好ましくない。また、5重
量部を越えると、ソフトコンタクトレンズとしての弾性
が低下するため好ましくない。
またこれら以外に、染色剤、着色剤、紫外線防止剤等
の添加剤や、反応性モノマーを加えることができるもの
である。
次にこれらの、コモノマーの重合について述べる。
重合は、通常の重合開始剤の存在下、加熱あるいは紫
外線などの活性線の照射によって行われる。
具体的には、ラジカル重合開始剤が望ましく、例え
ば、 アセチルパーオキシド、 ベンゾイルパーオキシド、 ラウロイルパーオキシド、 t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、 t−ブチルパーオキシピバレート、 アゾビスイソブチロニトリル、 アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 等が用いられる。また、活性線の照射の場合には、ベン
ゾインエーテル等の光重合開始剤や必要に応じて増感剤
を用いる。これらの開始剤の使用量は、使用するモノマ
ーに対し、0.001〜1重量パーセントが望ましい。
また、これ以外にもグリシジルメタクリレートを用い
た場合には、エポキシ開環触媒を加えることが出来る。
この例としては、アルミニウムアセチルアセトネート、
ニッケルアセチルアセトネート等の金属キレート化合
物、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩
素酸マグネシウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩類
及びそれらの塩素酸塩、次亜塩素酸塩類、塩化スズ、塩
化亜鉛や、硼弗化亜鉛等の塩類等の触媒を添加すること
も可能である。
本発明のコンタクトレンズは、これらのモノマーをガ
ラス管あるいはプラスチック管あるいは、鋳型の空隙中
に注入し、加熱を行い熱重合をさせる、あるいは、紫外
線を照射し、光重合をさせることが適している。またこ
のあと、重合収縮、重合熱によりポリマー中に歪が生じ
た場合、これを解消するために、加熱アニールすること
が望ましい。
またこのようにしてできたコンタクトレンズは、生理
食塩水等に浸すことにより適度に膨潤させて用いる。本
発明の範囲では、含水率が、20〜50パーセントのコンタ
クトレンズが得られる。
[作用] 本発明によるコンタクトレンズは、実質的に、特定の
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とオルガノシロ
キサニル基含有(メタ)アクリレート化合物とフルオロ
アルキル(メタ)アクリレートからなる。オルガノシロ
キサニル基含有(メタ)アクリレートは、酸素の透過係
数が高い素材であるため、本素材の含水率を低めに保ち
ながら、高含水に匹敵する高い酸素透過性を与える事が
出来る。また、フルオロアルキル(メタ)アクリレート
は酸素溶解度が高く同時に耐薬品性を有するため汚れな
どの付着強度を減少させることが出来、耐汚染性を高め
ることが出来る。本発明では、これらの持つ長所を発揮
する組成を見いだしたものである。
[実施例] 以下実施例により、更に詳しく説明するが、本発明
は、これらに限定されるものではない。なお、実施例
中、部は重量部を表す。
(実施例1) 2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート100部、ト
リス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレ
ート100部、トリフルオロエチルメタクリレート50部、
グリシジルメタクリレート1部、アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)0.5部をよく混合し、この混合物
をガラス製封管に入れ、内部を窒素置換、脱気を繰り返
し、真空下溶封した。この封管を、温水中40℃で10時
間、45℃で5時間、55℃で3時間、70℃で3時間加熱
し、更に大気炉中90℃で2時間、100℃で10時間加熱し
て重合を行ない、丸棒を得た。得られた棒を切削加工
し、コンタクトレンズを得た。このレンズを純水中で10
0℃で膨潤させ、洗浄したのち、生理食塩水に浸漬を行
い、所定量の吸水をさせると同時に、溶出物の溶出を完
結させた。このようにして得られたコンタクトレンズ
は、含水率が38パーセントで、装用感がよく、物理的強
度に優れたものであった。また、酸素透過性は、36×10
-11ml・cm/cm2・sec・mmHgであった。また、汚れ性の評
価の結果、従来のソフトコンタクトレンズに較べ、蛋白
質の付着はきわめて少ないことが判った。
なお、評価方法は、以下の基準で実施した。
<評価基準> (1) 酸素透過係数(DK値) ザールデックス社(XERTEX Corporation)製「モデ
ル2110」(Multirange Do & Temperature Analize
r)を用い、35℃で、0.9重量パーセントの生理食塩水中
にて直径12.7mm、厚さ0.2mmの試験片について測定を行
い、DK値を求めた。
(2) 耐汚染性 卵白リゾチーム0.5重量パーセントの生理食塩水溶液
中に、コンタクトレンズを入れ、60℃で2時間放置後、
温湯で充分水洗した後、280nmの波長の紫外線吸光度を
測定し、得られた卵白リゾチームの付着量の値から良否
を判定した。
(3) 含水率 さきに述べたように、純水で洗浄したのち、生理食塩
水で置換して得られたレンズ数種類を準備し、その重量
(a)を測定後、再び純水で置換後、真空乾燥器にて、
72時間乾燥後、乾燥重量(b)を求め、次式により含水
率を算出した。
含水率=(a−b)÷a (4) 強度 厚さ0.5mm、幅10mmの板状成形物を、さきに述べたよ
うに含水させた物を試験片とした。試験は、片の上下端
を保持し力を加え、引き延ばして行き、元の2倍の長さ
になった後、一端を放し、破損や変形の有無を目視にて
判定した。
(実施例2) 2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート100部、メ
チルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセ
ロールメタクリレート55部、ヘキサフルオロイソプロピ
ルメタクリレート4.5部、グリシジルメタクリレート0.5
部、テトラエチレングリコールジメタクリレート2.5
部、イソプロピルパーカーボネート0.05部をよく混合
し、この混合物をガラス製封管に入れ、ドライアイスバ
ス中で、内部を窒素置換、脱気を繰り返し、真空下溶封
した。この封管を、温水中40℃で10時間、50℃で5時
間、70℃で6時間、80℃で16時間加熱し、更に大気炉中
90℃で2時間加熱して重合を行なった後、3日間かけて
室温まで冷却し、丸棒を得た。得られた棒を切削加工
し、コンタクトレンズを得た。このレンズを純水中で10
0℃で膨潤させ、洗浄したのち、生理食塩水に浸漬を行
い、充分に吸水させると同時に、溶出物の溶出を完結さ
せた。このようにして得られたコンタクトレンズは、含
水率が42パーセントで、装用感がよく、物理的強度に優
れたものであった。また、酸素透過性は、30×10-11ml
・cm/cm2・sec・mmHgであった。また、汚れ性の評価の
結果、従来のソフトコンタクトレンズに較べ、蛋白質の
付着はきわめて少ないことが判った。
(実施例3) 2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート100部、ペ
ンタメチルジシロキサニルエチルアクリレート90部、ヘ
プタデカフルオロオクチルメタクリレート45部、グリシ
ジルメタクリレート1部、エチレングリコールジメタク
リレート1.5部、イソプロピルパーカーボネート0.1部を
よく混合し、この混合物をガラス製封管に入れ、ドライ
アイスバス中で、内部を窒素置換、脱気を繰り返し、真
空下溶封した。この封管を、温水中40℃で10時間、50℃
で5時間、70℃で6時間、80℃で16時間加熱し、更に大
気炉中90℃で2時間加熱して重合を行なった後、3日間
かけて室温まで冷却し、丸棒を得た。得られた棒を切削
加工し、コンタクトレンズを得た。このレンズを純水中
で100℃で膨潤させ、洗浄したのち、生理食塩水に浸漬
を行い、充分に吸水させると同時に、溶出物の溶出を完
結させた。このようにして得られたコンタクトレンズ
は、含水率が35パーセントで、装用感がよく、物理的強
度に優れたものであった。また、酸素透過性は、40×10
-11ml・cm/cm2・sec・mmHgであった。また、汚れ性の評
価の結果、従来のソフトコンタクトレンズに較べ、蛋白
質の付着はきわめて少ないことが判った。
(比較例1) 実施例1において、トリス(トリメチルシロキシ)シ
リルプロピルメタクリレートの代わりに、メチルメタク
リレートを同量用いること以外は、実施例1と同様に行
い、コンタクトレンズを得た。実施例1と同様にして、
生理食塩水に浸漬を行い、充分に吸水させると同時に、
溶出物の溶出を完結させた。このようにして得られたコ
ンタクトレンズは、含水率が25パーセントで、装用感が
よく、物理的強度に優れたものであったが、酸素透過性
は、8×10-11ml・cm/cm2・sec・mmHgであり、少ない値
であり、また、汚れ性の評価の結果、蛋白質の付着がや
や見られた。
(比較例2) 実施例1において、2,3−ジヒドロキシプロピルメタ
クリレートの代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レートを100部を用いること以外は、実施例1と同様に
行い、コンタクトレンズを得た。実施例1と同様にし
て、生理食塩水に浸漬を行い、充分に吸水させると同時
に、溶出物の溶出を完結させて得られたコンタクトレン
ズは、含水率が38パーセントで、装用感がよいものであ
ったが、引っ張り強度が劣るという欠点があった。
[発明の効果] 本発明によるコンタクトレンズは、実質的に、特定の
水酸基含有メタクリレート化合物とオルガノシロキサニ
ル基含有メタクリレート化合物とエポキシ基含有メタク
リレートとからなるもので、物理的強度に優れる他、汚
れが落ち易く、細菌の繁殖が抑えられるため、安全性が
高いことが期待できる。また、眼に必要とされる酸素を
充分に供給できる酸素透過性を有するため、角膜に対す
る影響が抑えられ、障害を予防することができる。ま
た、適度な含水率を有するため、ソフトコンタクトレン
ズの長所である装用感の優れたコンタクトレンズを得る
ことができるという効果を有する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A、B、及びCを必須成分とし、A成
    分100重量部に対して、B成分が20から200重量部、C成
    分が10〜200重量部であることを特徴とするソフトコン
    タクトレンズ。 A:2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート B:オルガノシロキサニル(メタ)アクリレート C:フルオロアルキル(メタ)アクリレート
  2. 【請求項2】前記必須成分以外に5重量%未満の架橋剤
    を含む、請求項1に記載のソフトコンタクトレンズ。
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