JPH0580278A - ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

ソフトコンタクトレンズ

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JPH0580278A
JPH0580278A JP24363091A JP24363091A JPH0580278A JP H0580278 A JPH0580278 A JP H0580278A JP 24363091 A JP24363091 A JP 24363091A JP 24363091 A JP24363091 A JP 24363091A JP H0580278 A JPH0580278 A JP H0580278A
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JP
Japan
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contact lens
lens
acrylate
meth
component
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Application number
JP24363091A
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English (en)
Inventor
Kanji Katagiri
寛司 片桐
Tadao Kojima
忠雄 児島
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、下記A、B、CおよびDを必須成分とするも
のであって、各成分が、A成分は40〜70重量部、B
成分は10〜30重量部、C成分は10〜30重量部、
D成分は5〜20重量部であることを特徴とし、優れた
光学性能を有するソフトコンタクトレンズである。 A:2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート B:N,N−ジメチルアクリルアミド C:炭素数1〜4のアルキル基をもつアルキル(メタ)
アクリレート D:フルオロアルキル(メタ)アクリレート

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学性能に優れたソフ
トコンタクトレンズおよびその組成物に関するものであ
る。さらには、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリ
レートとN,N−ジメチルアクリルアミド、炭素数1〜
4のアルキル基をもつアルキル(メタ)アクリレート
(以下、アクリレートおよびメタクリレートを併せて
(メタ)アクリレートと略す)、およびフルオロアルキ
ル(メタ)アクリレートを含有するため、装用中に涙液
等により汚染され難く、また靱性を持つためにレンズを
取り扱う上での破損の少ないソフトコンタクトレンズに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ソフトコンタクトレンズは、その
装用感の良さから、従来のハードコンタクトレンズを装
用できなかった人々に広く使用されている。現在、普及
しているソフトコンタクトレンズとしては、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートを主成分とするもの、および
N−ビニル−2−ピロリドンを主成分とするものが大部
分である。
【0003】一般に、ソフトコンタクトレンズは柔軟で
装用感は良いが、柔軟であるが故に装用時に角膜上で形
状が変化し易く、期待どおりの光学性能が得られないと
いう問題点を有する。角膜上でレンズ形状が変化する
と、強度の角膜乱視の矯正が不可能となり、必要とされ
る度数も得られないことがある。また、ソフトコンタク
トレンズの欠点として、レンズを取り扱う上での破損の
し易さが問題となっている。この機械的強度の向上に関
して、比較的剛性が高い素材として、2,3−ジヒドロ
キシプロピルメタクリレートとメチルメタクリレートを
主成分とするソフトコンタクトレンズが提案され(特公
昭62−32456号公報)、市販されている。一方、
耐汚染性の改良についてもいくつか提案されており、例
えば、特公昭62−62323号公報には、アルキレン
グリコールのモノメタクリレートと特定のフッ素含有モ
ノマーを主成分とするソフトコンタクトレンズが提案さ
れている。
【0004】特開昭63−295611号公報には、酸
素透過性を向上させる目的でシリコン含有(メタ)アク
リレートを含有するソフトコンタクトレンズが開示され
ている。また、特開昭63−293520号公報には、
ジメチルアクリルアミドとフルオロアルキル(メタ)ア
クリレートを主成分とする、機械的強度と耐汚染性に優
れ、酸素透過性を高めたコンタクトレンズが開示されて
いる。さらに、酸素透過性が高い非含水材料として、ポ
リオルガノシロキサンからなるシリコンラバーを材料と
するソフトコンタクトレンズが開発され市販されてい
る。これら以外に、酸素透過性を向上するものとして、
例えば、特開昭54−29660号公報には、ヒドロキ
シル基やスルホニル基等のような親水性基を含むメタク
リレート化合物と長鎖のフルオロアルキル基を有するメ
タクリレート化合物が、また、特公昭60−25766
号公報には、フルオロアルキルアクリレートとアルキル
メタクリレートと若干の架橋剤及び湿潤性モノマーとか
らなる組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ソフトコンタクトレン
ズの問題点としては、装用時に角膜上で形状が変化し易
く、期待どおりの光学性能が得られないこと、汚れが付
着し易く細菌および真菌が繁殖し易いこと、取り扱いが
煩雑なこと、強度が弱く破損し易いこと等が挙げられ
る。これらの問題点を有するため、ソフトコンタクトレ
ンズは、良好な装用感にもかかわらず十分普及せず、ま
た、安全性に対し、いくつかの疑問が提唱される由縁で
もある。
【0006】これらの問題点に着目し、比較的剛性が強
く、光学性能の優れた材料として特公昭62−3245
6号公報には2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレ
ートとメチルメタクリレートの共重合によって製造した
ソフトコンタクトレンズが開示されている。従来技術の
うち、現在普及している2−ヒドロキシエチルメタクリ
レートを主成分とした共重合体からなるコンタクトレン
ズは、非常に柔軟で装用感が良い。しかし、柔軟である
が故に装用の際、眼球が動く時やまばたきの時に光学的
表面が絶えず変化するため、期待どおりの光学性能が得
られない。眼球上でレンズ形状が変化すると、強度の角
膜乱視の矯正が不可能であり、適当で確実な視力を得ら
れないことがある。この点に関して、2,3−ジヒドロ
キシプロピルメタクリレートとメチルメタクリレートの
共重合によって製造したソフトコンタクトレンズは、比
較的剛性が強いために光学的表面の変化が小さく優れた
光学性能を有しているだけでなく、ソフトコンタクトレ
ンズによる角膜乱視の矯正がある程度可能になった。し
かし、このコンタクトレンズは、剛性が強い反面、材料
の靱性が小さく脆さがあるために、レンズ取り扱いの際
に破損のし易さが問題となっている。
【0007】続いて、ソフトコンタクトレンズの問題と
して汚れのつき易さがあり、汚れのつきにくい材料とし
て前述の様な技術が開示されているが、未だに充分とは
言えない。即ち、特公昭62−62323号公報に開示
された組成物は、従来から公知の2−ヒドロキシエチル
メタクリレートに対し、フッ素含有モノマーを添加する
ものであり、混合比率により、後者の添加量が10重量
パーセントを越えると汚染性は改善できるが、その時の
フッ素含有モノマーの添加量では、素材の強度の低下を
招き、破れの発生の心配がある。
【0008】さらに、コンタクトレンズに要求される重
要な要素として酸素透過性が挙げられる。酸素透過性が
乏しいと角膜に必要な酸素が欠乏し、長時間装用すると
充血したり、さらには角膜代謝機能障害を引き起こした
りもする。この酸素透過性に関して、特開昭63−29
5611号公報に記載されたシリコン含有(メタ)アク
リレートを含有するソフトコンタクトレンズは、酸素透
過性は向上するものの、強度は不十分である。一方、特
開昭63−293520号公報のジメチルアクリルアミ
ドとフルオロアルキル(メタ)アクリレートを主成分と
するコンタクトレンズは、高含水率のN−ビニル−2−
ピロリドンを主成分とするコンタクトレンズに比べて、
酸素透過性が劣っている。
【0009】また、その他の例として、特開昭54−2
9660号、同60−25766号公報には、ヒドロキ
シル基含有あるいはスルホニル基含有の親水性メタクリ
レート化合物またはアルキルメタクリレートとフッ素含
有モノマー、更にこれに若干の架橋剤および湿潤性モノ
マーを含む組成物が提案されているが、これらの場合に
も強度が不十分なため、実用上問題である。特に、ソフ
トコンタクトレンズの場合、ハードコンタクトレンズと
違って、眼の角膜形状に沿って変形しピッタリ付着する
故に、酸素透過性と耐汚染性は重要であり、これについ
ては改善がなされてきた。しかし、酸素透過性と耐汚染
性が向上している一方で、機械的強度についてはまだ実
用上十分であるとはいえない。
【0010】以上、現状のソフトコンタクトレンズのも
つ長所と問題点について述べてきたが、本発明は、光学
性能の優れたソフトコンタクトレンズを得ることを主眼
におき、十分な酸素透過性を有し、かつ耐汚染性に優
れ、しかも剛性を強くしたことによる材料の脆さを克服
することによって、十分な機械的強度を有した含水ソフ
トコンタクトレンズを作ることを課題としたものであ
る。すなわち、ソフトコンタクトレンズ装用において、
十分な視力矯正力が得られ、角膜への影響が少なく、洗
浄等のレンズの取り扱いにおいて、容易に破損すること
のない安全なコンタクトレンズの組成物を得ることを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のソフ
トコンタクトレンズは、下記A、B、CおよびDを必須
成分とすることを特徴とするものである。 A:2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート B:N,N−ジメチルアクリルアミド C:炭素数1〜4のアルキル基をもつアルキル(メタ)
アクリレート D:フルオロアルキル(メタ)アクリレート またさらには、前記A、B、CおよびDの各成分が、A
成分は40〜70重量部、B成分は10〜30重量部、
C成分は10〜30重量部、D成分は5〜20重量部で
あることを特徴とするものである。またさらには、前記
必須成分以外に5重量%未満の架橋剤を含むことを特徴
とするものである。
【0012】更に詳細に説明する。ここで、A成分の
2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレートは、本ソ
フトコンタクトレンズを親水性にするための基本骨格で
あり、材料に剛性を与えて優れた光学性能を引き出すの
に必要な成分である。これは、グリシジルメタクリレー
トを加水分解して得られたものが好適である。本成分の
使用量が相対的に多い場合には、得られる共重合体の含
水率が上昇し酸素透過性が向上するが、機械的強度およ
び耐汚染性は低下する。一方、使用量が少ない場合に
は、含水率が低下し十分な酸素透過性が得られないため
好ましくない。
【0013】次に、B成分のN,N−ジメチルアクリル
アミドについて説明する。この成分も本ソフトコンタク
トレンズを親水性にするための成分であり、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートよりも親水性が大きいために
少量の添加で容易に含水率を上げることが可能である。
また、本成分は柔軟で靱性が大きく、これを含有するこ
とによってレンズの伸びが大きくなり、破損しにくくな
る。本成分の使用量が相対的に多い場合には、得られる
共重合体の光学性能および耐汚染性が低下する。一方、
使用量が少ない場合には、伸びが小さくなり破損し易く
なるため好ましくない。
【0014】次に、C成分のアルキル(メタ)アクリレ
ートについて述べる。例記すれば、下記一般式で示され
るものを挙げることができる。
【0015】
【化1】
【0016】(但し式中、Xは水素原子またはメチル
基、Yは炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル
基を示す)ここで、Yの炭素数が多すぎると、共重合体
が白濁したり、引っ張り等の力に対して脆いものとなっ
てしまうため好ましくない。上記、アルキル(メタ)ア
クリレートの重合体は、その化学構造上、十分な機械的
強度を有し、弾性に富んだ物質である。
【0017】前記一般式で示されるアルキル(メタ)ア
クリレートとしてはメチルアクリレート、エチルアクリ
レート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート等があり、こ
れらのうち、1種または2種以上選択して用いることが
できる。本成分の使用量が相対的に多い場合には、得ら
れる共重合体の含水率が低下し含水ソフトコンタクトレ
ンズとしての機能を持たなくなる。一方、使用量が少な
い場合には、十分な強度が得られなくなるため好ましく
ない。
【0018】次に、D成分のフルオロアルキル(メタ)
アクリレートについて述べる。例記すれば、下記一般式
で示されるものを挙げることができる。
【0019】
【化2】
【0020】(但し式中、Xは水素原子またはメチル
基、−Cij2i+1-jは直鎖状または分岐状のフッ素含
有基を示し、iは1〜18の整数、jは1〜2iの整数
を示す)ここで、iの値が大きいほど、また分岐が多い
ほど耐汚染性が優れ、また酸素透過性が高くなる。だが
逆に、iが大きくなると形状安定性が低下する上に、製
造が困難となるので好ましくない。また、jが大きい、
すなわちフッ素原子が少なくなると酸素透過性が低下
し、逆にjが0の場合はモノマーの化学的安定性が悪く
なるため、jは1〜2iであることが好ましい。
【0021】前記一般式で示されるフルオロアルキル
(メタ)アクリレートとしては、例えば、2,2,2−
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2
−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル(メ
タ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,5−ヘプ
タフルオロペンチル(メタ)アクリレート、3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル
(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル
(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプ
タデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、1,1,
2,2−テトラヒドロパーフルオロオクタデシル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサ
デカフルオロノニル(メタ)アクリレート、2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,11,11−エイコサフルオロウ
ンデシル(メタ)アクリレート等があり、これらのう
ち、1種または2種以上選択して用いることができる。
【0022】本成分の使用量が相対的に多い場合には、
他モノマーとの相溶性の関係で、得られる共重合体が白
濁してしまうことがあり、また破損し易いものとなって
しまう。一方、使用量が少ない場合には十分な酸素透過
性が得られず、また耐汚染性も低下してしまうため好ま
しくない。
【0023】基本的な成分は、以上であるが、コンタク
トレンズとしての形状の保持特性や、強度アップのため
に各種架橋剤を0.1〜5重量パーセントの範囲で用い
ることが望ましい。架橋剤の目的は、共重合体の熱特性
を改善し形状安定性を向上すること、適度な硬さと弾力
性を与え、コンタクトレンズとしての良好な視力矯正力
を得る等の効果を与えることである。
【0024】そこで、その他の成分である架橋剤につい
て述べる。架橋剤としては、多官能アルコールのジある
いはトリ(メタ)アクリレート類等が挙げられ、具体的
には例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、等のジ(メタ)アクリレート類や、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多
価アルコールと(メタ)アクリル酸との多価エステル等
が挙げられる。この架橋剤の使用量は、重合性モノマー
中、0.1〜5重量パーセントが適当である。0.1重
量パーセント未満では、含水率のコントロールが難しく
なるため好ましくない。また、5重量パーセントを越え
ると、含水率の低下に伴い酸素透過率も低下し、さらに
ソフトコンタクトレンズとしての柔軟性が低下するため
好ましくない。
【0025】またこれら以外に、染色剤、着色剤、紫外
線防止剤等の添加剤や、反応性モノマーを加えることが
できるものである。
【0026】次にこれらの、コモノマーの重合について
述べる。重合は、通常の重合開始剤の存在下、加熱ある
いは紫外線などの活性エネルギー線の照射によって行わ
れる。具体的な重合開始剤としては、ラジカル重合開始
剤が望ましく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパー
オキシピバレート、t−ブチルパーオキシジイソブチレ
ート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
等が用いられる。また、活性エネルギー線の照射の場合
には、ベンゾインエーテル等の光重合開始剤や必要に応
じて増感剤を用いる。これらの開始剤の使用量は、使用
するモノマーに対し、0.001〜2重量パーセントが
望ましい。
【0027】本発明のコンタクトレンズは、これらのモ
ノマーをガラス管あるいはポリプロピレン製やポリテト
ラフルオロエチレン製の管あるいはシート状の空隙中に
注入し、加熱を行い熱重合をさせるか、あるいは、紫外
線を照射し、光重合をさせることが適している。また、
この後、重合収縮、重合熱によりポリマー中に歪が生じ
た場合、これを解消するために、加熱アニールすること
が望ましい。またこのようにしてできたコンタクトレン
ズは、生理食塩水等に浸すことにより適度に膨潤させて
用いる。
【0028】
【作用】本発明によるコンタクトレンズは、比較的剛性
である2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート
と、靱性を有するN,N−ジメチルアクリルアミド、お
よびアルキル(メタ)アクリレート、フルオロアルキル
(メタ)アクリレートを共重合させて得られるため、洗
浄等のレンズの取り扱いで容易に破損することのない十
分な機械的強度を有する。また、2,3−ジヒドロキシ
プロピルメタクリレートを含有するため、形状安定性が
よく、そのために優れた光学性能を有し、また汚染され
にくい特性を付与することが出来る。本発明では、これ
らの持つ長所を発揮する組成を見いだしたものである。
【0029】
【実施例】以下実施例により、更に詳しく説明するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実
施例中、部は重量部を表す。
【0030】(実施例1)2,3−ジヒドロキシプロピ
ルメタクリレート50重量部、N,N−ジメチルアクリ
ルアミド25重量部、メチルメタクリレート19重量
部、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート5
重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1
重量部、アゾビス(2,4ージメチルバレロニトリル)
0.1重量部をよく混合し、この混合物をガラス製封管
に入れ、内部を窒素置換、脱気を繰り返し、真空下溶封
した。この封管を、温水中30℃で10時間、40℃で
5時間、50℃で5時間、60℃で3時間、70℃で3
時間加熱し、更に大気炉中100℃で2時間加熱して重
合を行ない、丸棒を得た。得られた棒を切削加工し、コ
ンタクトレンズを得た。このレンズを純水中で膨潤さ
せ、洗浄した後、生理食塩水に浸漬して、所定量の吸水
をさせると同時に、溶出物の溶出を完結させた。このよ
うにして得られたコンタクトレンズは、含水率が41パ
ーセントで装用感がよく、優れた光学性能を有してお
り、さらに破断強度315g、伸び18mmで機械的強
度に優れたものであった。また、汚れ性の評価の結果、
従来のソフトコンタクトレンズに較べ、タンパク質の付
着はきわめて少ないことがわかった。また、酸素透過性
は18×10-11ml・cm/cm2・sec・mmHg
であった。
【0031】なお、評価方法は、以下の基準で実施し
た。 <評価基準> (1) 酸素透過係数(Dk値) 理化精機(株)製製科研式フィルム酸素透過率計を用
い、35℃で、0.9重量パーセントの生理食塩水中に
て、直径12.7mmの厚みを変えたサンプルについて
その厚みと電流値(i∞)を測定した。得られた厚みを
x軸にとり、n・F・A・Pi∞をy軸にとって、最小自
乗法にて回帰直線y=ax+bを求め、この勾配の逆数
(1/a)をもって[Dk値]とした。ただしここで、
nは電極反応に関与する電子数、Fはファラデー定数、
Aは白金電極の面積、Pは大気圧である。
【0032】(2) 含水率 先に述べたように、純水で洗浄したのち、生理食塩水で
置換して得られたレンズを数枚準備し、その合計重量
(a)を測定した後、再び純水で置換後、真空乾燥器に
て、72時間乾燥し、乾燥レンズの合計重量(b)を求
め、次式により含水率を算出した。 含水率=(a−b)÷a×100 (3) 強度 生理食塩水による含水状態で、厚さ0.1mm、幅8m
mとなる板状成形物を作成し、試験片とした。この試験
片を、生理食塩水中で、10mm間隔で上下端を挟み、
引き延ばして行き、破断した時の応力(破断強度)とそ
の時の支点間の距離(伸び)を測定した。 (4) 耐汚染性 卵白リゾチーム0.5重量パーセントの生理食塩水溶液
中に、コンタクトレンズを入れ、60℃で2時間放置
後、生理食塩水で充分洗浄した後、280nmの波長の
紫外線吸光度を測定し、得られた卵白リゾチームの付着
量を求めた。
【0033】(実施例2〜10)実施例2〜10を表1
に示す。表1の組成により、実施例1と同様の方法によ
って重合および試験を行った。
【0034】
【表1】
【0035】なお、表中におけるモノマーの略称は以下
の通りである。 GMA:2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド MMA:メチルメタクリレート R4MA:n−ブチルメタクリレート F3MA:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレ
ート F9MA:3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナ
フルオロヘキシルメタクリレート F6MA:2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオ
ロメチルエチルメタクリレート HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート NVP:N−ビニル−2−ピロリドン EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート (比較例1)実施例1において、2,3−ジヒドロキシ
プロピルメタクリレートを全く含有せず、その代わり
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを50重量部
用いること以外は、実施例1と同様に行い、コンタクト
レンズを得た。実施例1と同様にして、生理食塩水に浸
漬を行い、充分に吸水させると同時に、溶出物の溶出を
完結させた。このようにして得られたコンタクトレンズ
は、含水率が34パーセントで、装用感のよいものであ
ったが、十分な光学性能が得られず、機械的強度も不十
分であった。また、耐汚染性の評価の結果、タンパク質
の付着がやや見られた。 (比較例2)実施例1において、N,N−ジメチルアク
リルアミドを全く含有せず、その代わりに、2,3−ジ
ヒドロキシプロピルメタクリレートを73重量部用いる
こと以外は、実施例1と同様に行い、コンタクトレンズ
を得た。実施例1と同様にして、生理食塩水に浸漬を行
い、充分に吸水させると同時に、溶出物の溶出を完結さ
せた。このようにして得られたコンタクトレンズは、含
水率が38パーセントで、装用感のよいものであった
が、弾性がやや劣り機械的強度が不十分であった。
【0036】(比較例3)実施例1において、2,2,
2−トリフルオロエチルメタクリレートを全く含有せ
ず、その代わりに、メチルメタクリレートを24重量部
用いること以外は、実施例1と同様に行い、コンタクト
レンズを得た。実施例1と同様にして、生理食塩水に浸
漬を行い、充分に吸水させると同時に、溶出物の溶出を
完結させた。このようにして得られたコンタクトレンズ
は、含水率が40パーセントで、装用感のよいものであ
ったが、酸素透過性が不十分であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によるコンタクトレンズは、比較
的剛性である2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレ
ートと、靱性を有するN,N−ジメチルアクリルアミ
ド、およびアルキル(メタ)アクリレート、フルオロア
ルキル(メタ)アクリレートとからなるもので、角膜乱
視の矯正が可能な十分な光学性能を有する他、洗浄等の
レンズの取り扱いで容易に破損することのない十分な機
械的強度も有している。また、汚れが付き難く、細菌の
繁殖が抑えられるため、安全性が高いことが期待でき
る。また、適度な含水率を有するため、ソフトコンタク
トレンズの長所である装用感の優れたコンタクトレンズ
を得ることができるという効果を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A、B、CおよびDを必須成分とする
    ことを特徴とするソフトコンタクトレンズ。 A:2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート B:N,N−ジメチルアクリルアミド C:炭素数1〜4のアルキル基をもつアルキル(メタ)
    アクリレート D:フルオロアルキル(メタ)アクリレート
  2. 【請求項2】前記A、B、CおよびDの各成分が、A成
    分は40〜70重量部、B成分は10〜30重量部、C
    成分は10〜30重量部、D成分は5〜20重量部であ
    ることを特徴とする請求項1記載のソフトコンタクトレ
    ンズ。
  3. 【請求項3】前記必須成分以外に5重量%未満の架橋剤
    を含むことを特徴とする請求項1記載のソフトコンタク
    トレンズ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000004065A1 (en) * 1998-07-13 2000-01-27 Unisearch Limited Contact lens material
CN107641168A (zh) * 2016-07-20 2018-01-30 广东东阳光药业有限公司 聚合物、制备方法及其用途

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CN107641168B (zh) * 2016-07-20 2021-09-28 东莞东阳光医疗智能器件研发有限公司 聚合物、制备方法及其用途

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