JP3444660B2 - ハードコンタクトレンズ材料およびハードコンタクトレンズ - Google Patents

ハードコンタクトレンズ材料およびハードコンタクトレンズ

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JP3444660B2 JP16370894A JP16370894A JP3444660B2 JP 3444660 B2 JP3444660 B2 JP 3444660B2 JP 16370894 A JP16370894 A JP 16370894A JP 16370894 A JP16370894 A JP 16370894A JP 3444660 B2 JP3444660 B2 JP 3444660B2
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宏 松澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハードコンタクトレンズ
材料およびハードコンタクトレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで酸素透過性ハードコンタクトレ
ンズは角膜生理の上から酸素透過性の向上という点のみ
に着目した開発が進められてきた。その結果、十分な酸
素透過係数を有する種々のコンタクトレンズ材料及びコ
ンタクトレンズが開発されている。例えばWO91/0
5285号公報では、シロキサニルメタクリレート、フ
ルオロアルキルメタクリレート、親水性モノマー等を含
むモノマー混合物を重合することにより得られた、十分
な酸素透過性、水濡れ性等を有するコンタクトレンズ材
料およびコンタクトレンズが開発されている。
【0003】一方、近年オゾン層の破壊による地上到達
紫外線量の増加が注目されており、紫外線対策が以前に
増して重要視されてきている。眼関係においても紫外線
量の増加に伴う紫外線角膜炎、白内障等の眼疾患の報告
もあり、有害紫外線防御の重要性が指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように酸素透
過性コンタクトレンズに紫外線吸収能を付加することは
極めて重要な問題であるが、一般に有効な紫外線吸収能
を有する紫外線吸収剤の添加は、コンタクトレンズに著
しい硬度の低下を惹起し、その結果切削性、加工性及び
形状安定性に大きな問題を残す。
【0005】従って本発明の目的は、高酸素透過性を維
持しつつ耐衝撃性に優れ、かつ紫外線吸収能を有しつつ
切削加工の可能な硬度を有するハードコンタクトレンズ
材料およびハードコンタクトレンズを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、本発明は必須成分とし
て、(a)トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
ルメタクリレート、(b)パーフルオロオクチルエチル
オキシプロピレンメタクリレート、(c)アルキルメタ
クリレート、(d)親水性モノマー、(e)架橋剤、
(f)シリコーンオリゴマー、(g)一般式(I)
【化3】 (式中、R1 ,R2 はそれぞれ独立して水素またはC1
〜C4 アルキル基である)で示されるベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤の少なくとも1種、(h)一般式(I
I),(III)
【化4】 (式(II)中、R3 はC6 〜C12アルキル基であり、式
(III)中、R4 はC6〜C12アルキル基である)で示さ
れるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の少なくとも1種、
および(i)1−(4−ビニルベンジルアミノ)−4−
フェニルアミノアントラキノンおよび1,4−ビス(4
−メチルフェニルアミノ)アントラキノンから選ばれる
アントラキノン系着色剤の少なくとも1種を必須成分と
する混合物を重合して得られたハードコンタクトレンズ
材料を要旨とする。
【0007】また本発明は、上記ハードコンタクトレン
ズ材料を加工して得られたハードコンタクトレンズを要
旨とする。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明のハードコンタクトレンズ材料は、
上述のように成分(a)〜(i)を必須成分とする混合
物を重合処理して得られたものである。
【0010】本発明において成分(a)のトリス(トリ
メチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートは、得
られるコンタクトレンズに高い酸素透過性を付与する目
的で使用される。その割合は、10〜60重量部の範囲
が好ましい。10重量部未満では所望の酸素透過性が得
られず、60重量部を超えると十分なコンタクトレンズ
の硬度が得られない。特に好ましくは16〜52重量部
である。
【0011】本発明において成分(b)のパーフルオロ
オクチルエチルオキシプロピレンメタクリレートは、得
られるハードコンタクトレンズの酸素透過性の向上に寄
与するとともに後記成分(f)のシリコーンオリゴマー
の分散を助け、その結果としてハードコンタクトレンズ
の耐衝撃性向上にも寄与する。その割合は、15〜60
重量部が好ましい。15重量部未満では酸素透過性の著
しい低下をもたらし、60重量部を超えるとハードコン
タクトレンズの軟質化を引き起こす。特に好ましくは2
0〜52重量部である。
【0012】本発明において成分(c)のアルキルメタ
クリレートは、得られるハードコンタクトレンズの硬度
を向上させることを目的として添加する。このアルキル
メタクリレートとしては、例えばメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、4−tert−ブチル
シクロヘキシルメタクリレート等が挙げられ、1種また
は2種以上組み合わせて使用する。その割合は3〜20
重量部が好ましい。3重量部未満では硬度の向上効果が
得られず、20重量部を超えると酸素透過性の低下が著
しい。特に好ましくは4〜16重量部である。
【0013】本発明において成分(d)の親水性モノマ
ーは、得られるハードコンタクトレンズの水濡れ性を高
めてレンズ装用感を向上させることを目的として添加す
る。親水性モノマーとしては、不飽和カルボン酸、不飽
和アミド及び不飽和環状ラクタム等が挙げられるが、そ
れらを1種または2種以上組み合わせて使用する。さら
に、後記成分(f)のシリコーンオリゴマーの相溶性を
向上させて、得られるハードコンタクトレンズの硬度や
加工性を向上させるためには、少なくとも1種の不飽和
カルボン酸と少なくとも1種の不飽和アミドとを組み合
わせて使用するのが好ましい。不飽和カルボン酸として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、不
飽和アミドとしては、例えばアクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−
ジメチルメタクリルアミド等が挙げられる。また、不飽
和環状ラクタムとしては、例えばピロリドン等が挙げら
れる。これら親水性モノマーの割合は、2〜20重量部
が好ましい。2重量部未満では十分な水濡れ性及び硬度
が得られず、20重量部を超えると著しい酸素透過性の
低下をもたらすとともに白濁が生じたりするため好まし
くない。特に好ましくは3〜16重量部である。
【0014】本発明において成分(e)の架橋性モノマ
ーとしては、2価以上の多価アルコールのジ(メタ)ア
クリレートまたはトリ(メタ)アクリレート等が使用さ
れる。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テト
ラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−ヒドキシ
−1,3−ジメタクリロキシプロパン等が挙げられる。
また、アリル(メタ)アクリレートを用いてもよい。こ
れらの架橋性モノマーは、1種または2種以上を組み合
わせて使用してもよい。架橋性モノマーは、得られるハ
ードコンタクトレンズの硬度及び形状安定性を向上させ
るために用いられる。架橋性モノマーの割合は0.2〜
15重量部が好ましい。0.2重量部未満では、得られ
るハードコンタクトレンズに十分な硬度を付与できず、
15重量部を超えると素材が脆くなりひずみが生ずる。
特に好ましくは1.5〜8重量部である。
【0015】本発明において成分(f)のシリコーンオ
リゴマーは一般式(IV)で示されるものが好ましい。
【0016】
【化5】 [式中kは1〜3の整数、lは0または1、mは0〜3
の整数、nは4〜100の整数であり、R5 は式
【化6】 (R6 はHまたはCH3 である)を示す。] これらのシリコーンオリゴマーは、上述の成分(e)の
架橋性モノマーと同様に、架橋効果を有するとともに、
得られるハードコンタクトレンズの耐衝撃性を向上させ
る作用を有するために好適である。その分子量は、80
0〜6000の範囲のものが好ましい。分子量が800
未満では、得られるハードコンタクトレンズに十分な耐
衝撃性を付与することができず、分子量が6000を超
えると軟質化を促進する。特に好ましくは、分子量10
00〜5000の範囲のものである。シリコーンオリゴ
マーの割合は、0.1〜15重量部が好ましい。0.1
重量部未満では、得られるハードコンタクトレンズの耐
衝撃性改善効果が得られず、15重量部を超えると可塑
変形を生じやすくなる。特に好ましくは、2〜11重量
部である。
【0017】本発明において成分(g)のベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤は、コンタクトレンズに紫外線吸
収能を与える必須成分であり、一般式(I)で示され
る。
【0018】
【化7】 一般式(I)において、R1 ,R2 はそれぞれ独立して
水素またはC1 〜C4アルキル基である。C1 〜C4
ルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
【0019】一般式(I)で示される成分(g)のベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブ
チル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(5−tert−ブチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−メ
チル−5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−te
rt−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0020】本発明において成分(h)のベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤は、コンタクトレンズに紫外線吸収能
を与える他の必須成分であり、一般式(II)、(III)で
示される。
【0021】
【化8】 一般式(II)、(III)において、R3 、R4 はそれぞれ
6 〜C12アルキル基であり、C6 〜C12アルキル基と
しては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられ、
直鎖のものでも分枝を有するものでもよい。
【0022】一般式(II)、(III)で示される成分
(h)のベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−
ヒドロキシ−4−ヘキソキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ヘプトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−ノナノキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ウ
ンデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
ヘキシルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ヘプチ
ルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ノニルベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−デシルベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−ウンデシルベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ドデシルベンゾフェノンなどが例示され
る。
【0023】本発明において成分(i)のアントラキノ
ン系着色剤はコンタクトレンズを着色させ、且つコンタ
クトレンズの硬度を向上させるために用いられ、成分
(i)の具体例としては、1−(4−ビニルベンジルア
ミノ)−4−フェニルアミノアントラキノンおよび1,
4−ビス(4−メチルフェニルアミノ)アントラキノン
に限定される。
【0024】本発明のコンタクトレンズにおいて上記成
分(a)〜(i)のうち、特に成分(g),(h),
(i)が特徴的成分である。
【0025】一般式(I)で示される成分(g)のベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤の吸収極大波長(λma
x)は350nm付近(2−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾールのλmax:352nm)であり、長波長まで
の紫外線吸収能を有するが、ハードコンタクトレンズの
硬度を低下させる傾向があり、加工性の悪化、形状安定
性の低下等の問題が生じる。
【0026】一方、一般式(II)、(III)で示される成
分(h)のベンゾフェノン系紫外線吸収剤の吸収極大波
長(λmax)は330nm付近(2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノンのλmax:325nm)であ
るが、成分(i)のアントラキノン系着色剤を併用する
ことにより、ハードコンタクトレンズの硬度を向上させ
ることができる。
【0027】従って、一般式(I)で示される成分
(g)のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、一般式
(II)、(III)で示される成分(h)のベンゾフェノン
系紫外線吸収剤および成分(i)のアントラキノン系着
色剤を併用することにより、長波長側の紫外線吸収を可
能にし、なおかつ硬度も向上させることができる。
【0028】以上の諸作用のために前記成分(g),
(h)の紫外線吸収剤及び成分(i)の着色剤は本発明
のハードコンタクトレンズ材料を構成する重要かつ必須
の成分である。
【0029】これらの含有割合は、前記成分(a)〜
(f)の合量100重量部に対して、好ましくは成分
(g)のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が0.04
〜0.4重量部、成分(h)のベンゾフェノン系紫外線
吸収剤が0.05〜1.0重量部、成分(i)のアント
ラキノン系着色剤が0.001〜0.02重量部であ
る。
【0030】特に好ましくは、成分(g)のベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤が0.05〜0.3重量部、成
分(h)のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が0.05〜
0.5重量部、成分(i)のアントラキノン系着色剤が
0.002〜0.015重量部である。
【0031】一般式(I)で示される成分(g)のベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤の割合が0.004重量
部未満では十分な紫外線吸収が得られず、0.4重量部
を超えるとコンタクトレンズの硬度が低下し加工性及び
形状安定性に問題が生じる。
【0032】一般式(II)、(III)で示される成分
(h)のベンゾフェノン系紫外線吸収剤の割合が0.0
5重量部未満では十分な紫外線吸収及びコンタクトレン
ズの硬度の向上が得られず、1.0重量部を超えると硬
度の向上が止まるので1.0重量部を超えて添加する必
要性が認められない。
【0033】成分(i)のアントラキノン系着色剤の割
合が0.001重量部未満では十分な着色及びコンタク
トレンズの硬度の向上が得られず、0.02重量部を超
えると可視光の透過が大幅に低下する。
【0034】また、一般式(I)で示される成分(g)
のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と一般式(II)、
(III)で示される成分(h)のベンゾフェノン系紫外線
吸収剤の組成の比率は、好ましくは式(A)
【数2】 により示され、特に好ましくは式(B)
【数3】 により示される。
【0035】紫外線吸収剤の組成の比率が0.4未満で
は十分なコンタクトレンズの硬度が得られず、25を超
えると長波長側の紫外線の十分な吸収ができない。
【0036】本発明のハードコンタクトレンズ材料の製
造方法としては、公知の重合法を用いることができる
が、特に塊状重合が好ましい。重合に用いられる開始剤
としては、一般的なラジカル発生剤として知られている
ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、ビス−4−tert−ブチルシクロヘキシルパー
オキサイド等の過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が
使用できるが、中でもアゾビスイソブチロニトリルが好
ましい。重合開始剤の割合としては、0.05〜0.8
重量部が好ましい。
【0037】本発明のコンタクトレンズ材料は、上記の
成分を均一に混ぜ合わせた後、金属、ガラス、プラスチ
ック等の成形型に流し込み、密閉し、恒温槽中25ない
し150℃の温度範囲で段階的にあるいは連続的に昇温
し、5ないし200時間程度で重合を終了させることに
より、例えば棒状ないしボタン状の形状で得られる。な
お、窒素やアルゴンなどの不活性ガスにより溶液中の空
気を置換し、密閉した後に重合することが好ましい。
【0038】このようにして得られた本発明のコンタク
トレンズ材料は、高酸素透過性を維持しつつ耐衝撃性に
優れ、かつ紫外線吸収能を有しつつ切削可能な硬度を有
するので、これを通常用いられるコンタクトレンズ加工
方法、すなわち切削、研磨等の機械的加工によってレン
ズ形状に仕上げることにより、所望の酸素透過性コンタ
クトレンズを得ることができる。
【0039】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。なお、以下に
示す実施例及び比較例の物性値及び指数は次の方法によ
り測定されたものである。
【0040】酸素透過係数:理科精機工業(株)の製科
研式フィルム酸素透過率計を使用して35℃の生理食塩
水において測定を行った。
【0041】ロックウェル硬さ:明石製作所製自動ツイ
ン・ロックウェル硬度計AHT−ATを用いて、直径1
5mm、厚さ6mmの試料について測定した。
【0042】切削性:共重合物を時計旋盤を用いて切削
し、その切削面の光沢の度合いによって光沢のあるもの
を○、やや白濁しているものを△、白濁しているものを
×とした。
【0043】光線透過率:日立製作所(株)の自記分光
光度計に積分球を用いて、0.2mmの試料について測定
した。
【0044】[実施例1]成分(a)のトリス(トリメ
チルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(以下S
iMAという)35重量部、成分(b)のパーフルオロ
オクチルエチルオキシプロピレンメタクリレート(以下
FMAという)32重量部、成分(c)のメチルメタク
リレート(以下MMAという)8重量部、成分(d)の
メタクリル酸(以下MAAという)9重量部、成分
(d)のN,N−ジメチルアクリルアミド(以下DMA
Aという)4重量部、成分(e)のエチレングリコール
ジメタクリレート(以下EDMAという)3重量部、成
分(f)のシリコーンオリゴマー(一般式(IV)におい
てk=2,l(アルファベットのエルを示す)=1,m
=3,n=10,基R5 中の末端に位置するR6 =H)
9重量部を混合し、重合開始剤としてアゾビスイソブチ
ロニトリル(以下AIBNという)をモノマー総重量に
対して0.3重量部添加して溶解した。その後、成分
(g)の2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(以
下T−1という)、成分(h)の2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン(以下B−1という)及び成
分(i)の1,4−ビス(4−メチルフェニルアミノ)
アントラキノン(以下A−1という)をモノマー総重量
100重量部に対して、それぞれ、0.2重量部、0.
2重量部、0.01重量部添加し、窒素雰囲気下攪拌し
て均一溶液とした後、ポリエチレン製のチューブに入れ
密閉し、42.5℃恒温水槽中で96時間、さらに熱風
乾燥機中、42.5〜60℃で14時間、60〜100
℃で10時間、100℃で12時間と連続的に昇温し
た。
【0045】その結果得られた共重合物は、青色、透明
で、光学的に均一な材料であり、また切削、研摩等の機
械的加工性に優れていた。
【0046】共重合物の物性を測定した結果、酸素透過
係数は131×10-11 [(cm2 /sec )・(mlO2
ml×mmHg)]であり、酸素透過性に優れていた。またロ
ックウェル硬さは55であり、硬度に優れており、また
350nmの光線透過率は1%以下であり、紫外線吸収能
に優れていた。
【0047】[実施例2〜10]表1および2に示した
組成を用いた以外は実施例1と同様にして重合して得ら
れた共重合物について物性を測定した結果を表1および
2に示す。
【0048】実施例2〜10で得られた共重合物は、青
色、透明で、光学的に均一な材料であり、また切削、研
磨等の機械的加工性に優れていた。
【0049】またこれらの共重合物は、酸素透過性係数
が122〜141×10-11 [(cm2 /sec )・(mlO
2 /ml×mmHg)]であり、酸素透過性に優れていた。ま
たロックウェル硬さは51〜68であり、硬度が高く、
また350nmの光線透過率は2%以下であり、紫外線吸
収能に優れていた。
【0050】[比較例1〜4]成分(h)のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤および成分(i)のアントラキノン
系着色剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして共
重合物を得た(比較例1)。
【0051】成分(g)のベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤およびアントラキノン系着色剤を用いなかったこ
と、およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、本発
明の成分(h)に含まれない異種の2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン(B−3)を用いたこと以外
は実施例1と同様にして共重合物を得た(比較例2)。
【0052】成分(i)のアントラキノン系着色剤を用
いなかった以外は実施例1と同様にして共重合物を得た
(比較例3)。
【0053】成分(g)のベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤および成分(h)のベンゾフェノン系紫外線吸収
剤を用いたが、本発明の成分(i)に含まれない異種の
アントラキノン系着色剤である1,4−ジアミノ−2,
3−ジフェノキシアントラキノン(A−3)を用いた以
外は実施例1と同様にして共重合物を得た(比較例
4)。
【0054】得られた共重合物の物性を表3に示す。表
3より比較例1の共重合物はロックウェル硬さが36と
低く、また切削性が劣っていた。また比較例2の共重合
物もロックウェル硬度が43と低く、また切削性に劣
り、また光線透過率が21%と高かった。さらに比較例
3の共重合物はロックウェル硬度が29と著しく低く、
また切削性が極めて劣っていた。また比較例4の共重合
物もロックウェル硬度が41であり、また切削性が著し
く劣っていた。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】なお、表1〜3中の略号は以下の意味を有
する。
【0059】SiMA:トリス(トリメチルシロキシ)
シリルプロピルメタクリレート FMA :パーフルオロオクチルエチルオキシプロピレ
ンメタクリレート MMA :メチルメタクリレート IPMA:イソプロピルメチクリレート CHMA:シクロヘキシルメタクリレート DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド EDMA:エチレングリコールジメタクリレート TMPT:トリメチロールプロパントリメタクリレート T−1 :2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール T−2 :2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール B−1 :2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェ
ノン B−2 :2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾ
フェノン B−3 :2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン(B−3は本発明で用いるベンゾフェノン系紫外線吸
収剤でない) A−1 :1,4−ビス(4−メチルフェニルアミノ)
アントラキノン A−2 :1−(4−ビニルベンジルアミノ)−4−フ
ェニルアミノアントラキノン A−3 :1,4−ジアミノ−2,3−ジフェノキシア
ントラキノン(A−3は本発明で用いるアントラキノン
系着色剤でない)
【0060】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、高酸素
透過性を維持しつつ耐衝撃性に優れ、かつ紫外線吸収能
を有しつつ、切削加工の可能な硬度を有するハードコン
タクトレンズ材料およびハードコンタクトレンズが提供
された。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−63115(JP,A) 国際公開91/005285(WO,A1) 国際公開91/010155(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 7/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として、(a)トリス(トリメ
    チルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、(b)
    パーフルオロオクチルエチルオキシプロピレンメタクリ
    レート、(c)アルキルメタクリレート、(d)親水性
    モノマー、(e)架橋剤、(f)シリコーンオリゴマ
    ー、(g)一般式(I) 【化1】 (式中、R1 ,R2 はそれぞれ独立して水素またはC1
    〜C4 アルキル基である)で示されるベンゾトリアゾー
    ル系紫外線吸収剤の少なくとも1種、(h)一般式(I
    I),(III) 【化2】 (式(II)中、R3 はC6 〜C12アルキル基であり、式
    (III)中、R4 はC6〜C12アルキル基である)で示さ
    れるベンゾフェノン系紫外線吸収剤の少なくとも1種、
    および(i)1−(4−ビニルベンジルアミノ)−4−
    フェニルアミノアントラキノンおよび1,4−ビス(4
    −メチルフェニルアミノ)アントラキノンから選ばれる
    アントラキノン系着色剤の少なくとも1種を必須成分と
    する混合物を重合処理して得られたハードコンタクトレ
    ンズ材料。
  2. 【請求項2】 成分(a)〜(f)の合量100重量部
    に対する成分(g)のベンゾトリアゾール系紫外線吸収
    剤の割合が0.04〜0.4重量部、成分(h)のベン
    ゾフェノン系紫外線吸収剤の割合が0.05〜1.0重
    量部、成分(i)のアントラキノン系着色剤の割合が
    0.001〜0.02重量部である、請求項1に記載の
    ハードコンタクトレンズ材料。
  3. 【請求項3】 成分(g)のベンゾトリアゾール系紫外
    線吸収剤と成分(h)のベンゾフェノン系紫外線吸収剤
    との重量比が式(A) 【数1】 である、請求項1または2に記載のハードコンタクトレ
    ンズ材料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のハ
    ードコンタクトレンズ材料を加工して得られるハードコ
    ンタクトレンズ。
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