JP2954691B2 - 酸素透過性重合体の製造法 - Google Patents

酸素透過性重合体の製造法

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JP2954691B2 JP29207390A JP29207390A JP2954691B2 JP 2954691 B2 JP2954691 B2 JP 2954691B2 JP 29207390 A JP29207390 A JP 29207390A JP 29207390 A JP29207390 A JP 29207390A JP 2954691 B2 JP2954691 B2 JP 2954691B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、酸素透過性重合体の製造方法に関する。
さらに詳しくは、特にコンタクトレンズ、眼内レンズ
などの眼科用部材の素材として極めて有用な酸素透過性
重合体の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来、コンタクトレンズ、眼内レンズなどの眼科用部
材の素材としては各種のプラスチック材料、就中ポリメ
チルメタクリレートが使用されている。しかしながら、
これらの素材は酸素透過性が低くまた涙液や眼内液中の
汚れ成分が固着し易く、そのためコンタクトレンズとし
た場合に長時間装用ができないという問題があった。
かかる状況において開発されたポリ(N−ビニル−2
−ピロリドン)を主成分とする高含水性の軟質コンタク
トレンズは、長時間装用を可能とする画期的なものであ
ったが、他方では高含水性であるために機械的強度が小
さくまた煮沸消毒する必要があるなど取扱いが非常に煩
雑であるという欠点を有していた。
さらに、最近、かかる欠点を克服する素材として、シ
ロキサニルモノ(メタ)アクリレートとフルオロ(メ
タ)アクリレートを共重合させた高分子材料が提案され
た。
しかしながら、この高分子材料は上記単量体の共重合
比率によりその性質が大きく変化する特性を示す。
すなわち、シロキサニルモノ(メタ)アクリレートの
共重合比率を大きくすると酸素透過性は向上するが、他
方では汚れ成分の吸着あるいは固着が著しく増加するよ
うになり、また脆いにもかかわらず柔らかすぎる材料と
なり、逆にフルオロ(メタ)アクリレートの共重合比率
が大きくなると汚れ成分の吸着及び固着がしにくくなる
が、他方では酸素透過性が低下するという問題があり、
望ましい諸性質のバランスのとれた素材の形成が困難な
ものであった。
(発明が解決しょうとする課題) 本発明の目的は、新規な酸素透過性重合体の製造法を
提供することにある。
本発明の他の目的は、コンタクトレンズや眼内レンズ
の如き眼科用部材の素材として好適な優れた酸素透過性
と優れた加工性を備えた新規な重合体素材を製造する方
法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、酸素透過性が高く且つ涙
液や眼内液中の汚れ成分の吸着や固着が少ない新規な重
合体素材を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から
明かとなろう。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、 下記式(I) ここでA1は不飽和重合性基であり、X1およびX2は同一も
しくは異なり、炭素数1〜10、好ましくは2〜3の2価
の炭化水素基であり、 R1、R2、R3およびR4は、同一もしくは異なり、アルキル
基、フルオロアルキル基、フェニル基、ビニル基、水素
原子または下記式(Ia ここで、B1は不飽和重合性基または水素原子であり、R5
およびR6は、同一もしくは異なり、上記R1〜R4と同じ定
義であり、X3は上記X1およびX2と同じ定義であり、そし
てpは0〜10、好ましくは0〜4の数である、 で表わされる基であり、 Rfは炭素数1〜20、好ましくは1〜10のフルオロアルキ
ル基であり、 は0または1であり、 mは0〜20、好ましくは0〜10の数であり、そして nは0または1である、 で表わされる第1の重合性単量体および 下記式(II) ここで、A2は不飽和重合性基であり、X4は炭素数1〜1
0、好ましくは2〜3の2価の炭化水素基であり、 R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、同一もしくは異な
り、アルキル基、フルオロアルキル基、フェニル基、水
素原子、ビニル基または下記式(IIa ここで、B2は不飽和重合性基または水素原子であり、R
13およびR14は、同一もしくは異なり、上記R7〜R12と同
じ定義であり、X5は上記X4と同じ定義であり、そして rは0〜10、好ましくは2〜3の数である、 で表される基であり、 Zは炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルキル基また
は上記(IIaで定義される基であり、そして qは0〜100、好ましくは1〜50である、 で表わされる第2の重合性単量体を共重合せしめること
を特徴とする酸素透過性重合体の製造法によって達成さ
れる。
本発明で用いられる重合性単量体は上記の如く、式
(I)で表わされる第1の重合性単量体と式(II)で表
わされる第2の重合性単量体とからなる。
第1の重合性単量体を表わす式(1)において、A1
不飽和重合性基を表わす。不飽和重合性基としては、例
えばビニル基(CH2=CH−)、式CH2=C(R15)COO−
(ここでR15は水素原子、フッ素原子、メチル基または
フルオロメチル基である)で表わされる(メタ)アクリ
ルオキシ基、アクリルアミド基(CH2=CHCONH−)、ス
チリル基(CH2=CH−C6H4−)、アクリロニトリル基(C
H2=C(CN)−)および2−シアノアクリルオキシ基
(CH2=C(CN)COO−)などを好適なものとして挙げる
ことができる。
X1およびX2は、同一もしくは異なり、炭素数1〜10の
2価の炭化水素基である。かかる炭素水素基としては、
例えばメチレン基、エチレン基、および式CH2
10で表わされるポリメチレン基の如き炭素数1〜10の直
鎖状のアルキレン基を好ましいものとして挙げることが
できる。
R1、R2、R3およびR4は、同一もしくは異なり、アルキ
ル基、フルオロアルキル基、フェニル基、水素原子、ビ
ニル基、または前記式(Iaで表わされる基である。
上記アルキル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状であるこ
とができ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基、ペンチル基、i−ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、
ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基の如き
炭素数1〜12のアルキル基をその好適な例として挙げる
ことができる。
上記フルオロアルキル基としては、例えばトリフルオ
ロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロ
ピル基、ペンタフルオロブチル基、ペンタフルオロペン
チル基、ノナフルオロヘキシル基、トリデカフルオロオ
クチル基などの炭素数1〜8の基を好ましいものとして
挙げられる。
また上記式(Ia中のR5、R6、X3、B1の定義におけ
るそれぞれの基の例は上記例示の基から明かであろう。
それ故、上記式(Iaで表わされる基には、例えば (R5およびR6=CH3、p=1、X3=CH2、B=H) が包含される。
また、上記式(I)中のRfの炭素数1〜20のフルオロ
アルキル基としては、R1のフルオロアルキル基について
例示したものと同じものを例示することができる。
上記式(I)で表わされる第1の重合性単量体として
は、例えば下記の化合物を好ましいものとして例示でき
る。
上記化合物のうち、特に好適な化合物は化合物(10
4)、(108)、(112)および(116)である。
これらの第1の重合性単量体は単独で使用することが
でき、あるいは2種以上併用することもできる。
第2の重合性単量体を表わす式(II)において、A2
不飽和重合性基である。かかる不飽和重合性基としては
A1の不飽和重合性として例示したものと同じものを例示
することができる。
X4は炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、その例
としてはX1について例示したものと同じものを挙げるこ
とができる。
R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、同一もしくは異
なり、アルキル基、フルオロアルキル基、フェニル基、
水素原子、ビニル基または式(IIaで表わされる基で
ある。
これらの基の例としては、上記R1について例示したも
のと同じものを挙げることができる。
またZは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20の
フルオロアルキル基または上記式(IIaで定義される
基である。
炭素数1〜20のアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖
状であってもよく、その好適な例としてはR1について上
記したものと同じものを挙げることができる。
上記式(II)で表わされる第2の重合性単量体として
は、例えば下記の化合物を好ましいものとして例示でき
る: ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート、 ペンタメチルジシロキサニルメチルアクリレート、 ペンタメチルジシロキサニルプロピルメタクリレー
ト、 ペンタメチルジシロキサニルプロピルアクリレート、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタ
クリレート、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアク
リレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリ
レート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアクリレ
ート、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリ
セロールメタクリレート、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリ
セロールアクリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロ
ールメタクリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロ
ールアクリレート、 モノ(メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ)ビ
ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール
メタクリレート、 モノ(メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ)ビ
ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール
アクリレート、 トリメチルシリルエチルテトラメチルジシロキサニルプ
ロピルグリセロールメタクリレート、 トリメチルシリルエチルテトラメチルジシロキサニルプ
ロピルグリセロールアクリレートなどのシロキサニルモ
ノ(メタ)アクリレート。
ここで、mは1〜50の数でありそしてnは1〜3の数
である、 で表わされるシロキサニルジ(メタ)アクリレート。
これらの式(II)の化合物のうち、特に好適なもの
は、 ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート、 ペンタメチルジシロキサニルプロピルメタクリレート、 メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタ
クリレート、 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリ
レート などのシロキサニルモノ(メタ)アクリレート; テトラメチルジシロキサニルビスプロピルメタクリレー
ト、 ヘキサメチルトリシロキサニルビスプロピルメタクリレ
ート、 オクタメチルテトラシロキサニルビスプロピルメタクリ
レート、 ドデカメチルヘキサシロキサニルビスプロピルメタクリ
レートなどのシロキサニルジメタクリレートである。
これらの第2の重合性単量体は単独で使用することが
でき、また2種以上併用することもできる。
重合性単量体(I)と(II)の使用割合は、それらの
合計重量に基づいて、重合性単量体(I)が10〜90重量
%および重合性単量体(II)が90〜10重量%であるのが
好ましく、さらに同基準に基づいて重合性単量体(I)
が20〜80重量%および重合性単量体(II)が80〜20重量
%であるのがより一層好ましい。
本発明方法では、上記重合性単量体(I)と(II)を
共重合させるのが、その際本発明の効果を損なわない範
囲において、得られる重合体に付加的に望ましい性質を
付与するために、重合性単量体(I)、(II)の他に、
他の単量体をさらに用いて共重合させることができる。
例えば、得られる重合体の耐汚れ性を向上させるため
に、このような他の単量体(III)としては、例えば 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、 2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、 2,2,2−トリフルオロエチル−α−フルオロアクリレー
ト、 2,2,2−トリフルオロエチル−α−トリフルオロメチル
メタクリレート、 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、 2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、 2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、 2,2,2,2,2,2−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレ
ート、 2,2,2,2,2,2−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレー
ト、 2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、 2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート、 2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレ
ート、 2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレー
ト、 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルメ
タクリレート、 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルア
クリレート、 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオ
ロノニルメタクリレート、 2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオ
ロノニルアクリレート、 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチ
ルメタクリレート、 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチ
ルアクリレート、 2,2,3,3−テトラフルオロ−1−メチルプロピルメタク
リレート、 2,2,3,3−テトラフルオロ−1−メチルプロピルアクリ
レート、 2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピルメタ
クリレート、 2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピルアク
リレート、 2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1−ジメチルペン
チルメタクリレート、 2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1−ジメチルペン
チルアクリレート、 などのフルオロ(メタ)アクリレートを挙げることがで
きる。
これらの他の単量体(III)は、使用する全単量体の
合計重量に基づいて、例えば40重量%以下で用いるのが
好ましく、30重量%以下で用いるのがより好ましい。
これらの他の単量体(III)をあまりに高割合で使用
すると得られる重合体が脆くなったり、加工性が悪くな
ったりする傾向が大となる。
また、例えば得られる重合体の硬度を増し、切削性、
研磨性などの加工性を向上させるために、他の単量体
(IV)として架橋性単量体を用いることができる。かか
る他の単量体(IV)としては、 エチレングリコールジメタクリレート、 エチレングリコールジアクリレート、 ジエチレングリコールジメタクリレート、 ジエチレングリコールジアクリレート、 トリエチレングリコールジメタクリレート、 トリエチレングリコールジアクリレート、 テトラエチレングリコールジメタクリレート、 テトラエチレングリコールジアクリレート、 プロピレングリコールジメタクリレート、 プロピレングリコールジアクリレート、 1,4−ブタンジオールジメタクリレート、 1,4−ブタンジオールジアクリレート、 ネオペンチルグリコールジメタクリレート、 ネオペンチルグリコールジアクリレート、 トリメチロールプロパントリメタクリレート、 トリメチロールプロパントリアクリレートなどを用いる
ことができる。
かかる他の単量体(IV)の使用割合は、使用する全単
量体の合計重量に基づいて、例えば30重量%以下、好ま
しく、20重量%以下である。これらの他の単量体(IV)
をあまりに高割合で使用すると、得られる重合体が脆く
なったり、低い酸素透過性を示すようになったりする。
さらに、例えば得られる重合体の強度と加工性を改良
するために、他の単量体(V)としてアルキルモノ(メ
タ)アクリレートを共重合することができる。
これらアルキル(メタ)アクリレートとしては、例え
ばメチルメタクリレート、 メチルアクリレート、 エチルメタクリレート、 エチルアクリレート、 イソプロピルメタクリレート、 イソプロピルアクリレート、 ブチルメタクリレート、 ブチルアクリレート、 ターシヤリブチルメタクリレート、 ターシヤリブチルアクリレート、 シクロヘキシルメタクリレート、 シクロヘキシルアクリレート、 ベンジルメタクリレート、 ベンジルアクリレート、 イソボルニルメタクリレート、 イソボルニルアクリレート などを挙げることができる。
これらのアルキルモノ(メタ)アクリレートは、使用
する全単量体の合計重量に基づいて、例えば50重量%以
下、好ましくは40重量%以下の割合で使用される。
また例えば得られる重合体の表面の親水性を発現させ
るために、アクリル酸、メタクリル酸、N−ビニル−2
−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートな
どの親水性単量体を共重合することもできる。これらの
親水性単量体の共重合比率が高くなりすぎると得られる
重合体の酸素透過性を損なうようになるので、その共重
合比率は、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下
である。
本発明における共重合は、通常のラジカル重合反応に
より行うことができる。例えばベンゾイルパーオキサイ
ド、アゾビスイソブチロニトリルなどの熱重合開始剤の
存在下で段階的に昇温させて重合させる方法か、あるい
はベンゾイン、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンなど
の光重合開始剤の存在下に紫外線を照射して重合させる
方法により行うことができる。
熱重合の重合温度は例えば40〜120℃が好ましく、段
階的に昇温させるのが望ましい。また熱重合の重合時間
は、5〜72時間とするのが有利である。
また光重合の重合温度は例えば10〜100℃とするのが
好ましく、段階的に昇温させるのが望ましい。また光重
合の紫外線強度は10〜200μW/cm2とするのが望ましく、
照射時間は通常4〜72時間である。
ここで熱重合開始剤または光重合開始剤は、使用する
全単量体の合計100重量部当り、通常0.01〜5重量部で
用いられる。
上記の本発明の製造方法により得られる重合体は、従
来のポリメチルメタクリレートからなるハードコンタク
トレンズと同様の切削性、研磨性を示し、さらに強靭で
酸素透過性、耐汚れ性に優れたものである。
また、本発明により得られる重合体は、特にコンタク
トレンズ、眼内レンズなど、涙液や、眼内液とのなじみ
が必要な用途に用いる場合には、必要に応じて重合体を
コンタクトレンズ、眼内レンズなどの形状に加工した
後、例えばアルカリ処理、酸素や窒素などによるプラズ
マ処理、親水性基を含む化合物によるプラズマ重合、ま
たは無機酸化物の蒸着、スパッタリングもしくはイオン
プレーテイングにより表面処理を施すことによって、表
面の親水化をはかることができる。
[実施例] 以下、実施例および比較例により本発明を説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例における加工性の評
価基準および各種試験の試験方法は以下のとおりであ
る。
加工性の評価基準 切削性 A:切削面に光沢がある、 B:切削面に光沢はあるが、やや不透明である、 C:切削面が荒れて白くなる、 研磨性 A:切削面は光沢良好である、 B:研磨むらが生じる、 C:研磨面が荒れて白くなる。
酸素透過係数の試験方法 得られたコンタクトレンズを用い、理化精機工業
(株)製科研式フイルム酸素透過計を使用し、35℃ 0.
9%生理食塩水中で測定した。
可視光線透過率の試験方法 得られた円盤を用い、日立製作所(株)製ダブルビー
ム分光光度計200−20型で500〜600nmにおける透過率を
測定した。
汚れ性の試験方法 得られた円盤を用い、汚れ液中に30日間浸漬したの
ち、コンタクトレンズ用クリーナー((株)リッキーコ
ンタクトレンズ社製オールウェイクリーター)で洗浄
し、表面に付着する汚れを除去し、浸漬前の可視光線透
過率を100としたときの可視光線透過率の変化率で表わ
した。
なお、汚れ液は、卵白アルブミン0.1重量部、卵白リ
ゾチーム0.1重量部、牛胃粘膜ムチン0.1重量部、卵黄レ
シチン0.1重量部および精製水100重量部からなる混合液
を用い、2〜3日ごとに新鮮な汚れ液と交換した。
実施例1 下記式: で表わされるフルオロシリルメタクリレート 40重量
部、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタ
クリレート 20重量部、2,2,2−トリフルオロエチルメ
タクリレート 20重量部、メチルメタクリレート 15重
量部、エチレングリコールジメタクリレート 5重量部
および重合開始剤としてベンゾインメチルエーテル 0.
1重量部を室温でよく混合し、この混合液をポリエチレ
ン製重合容器中に注入し、窒素雰囲気下、室温にて紫外
線を16時間照射して高重合させた。
共重合後、得られた塊状重合体を切削し、研磨してコ
ンタクトレンズおよび厚さ0.2mm、直径15mmの円盤を形
成することにより、加工性を評価し、次いで各種試験を
行った。結果を第1表に示した。
実施例2 下記式: で表わされるフルオロシリルメタクリレート 35重量
部、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
メタクリレート 43重量部、メチルメタクリレート 12
重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート 7重量部、
エチレングリコールジメタクリレート 3重量部、およ
び重合開始剤としてベンゾインメチルエーテル 0.1重
量部を室温でよく混合し、この混合液をポリエチレン製
重合容器中に注入し、窒素雰囲気下、室温にて紫外線を
16時間照射して共重合させた。
共重合後、得られた塊状重合体を切削し、研磨してコ
ンタクトレンズおよび厚さ0.2mm、直径15mmの円盤を形
成することにより、加工性を評価し、次いで各種試験を
行った。結果を第1表に示した。
実施例3 下記式: で表わされるフルオロシリルメタクリレート 40重量
部、ドデカメチルヘキサシロキサニルビスプロピルメタ
クリレート 35重量部、メチルメタクリレート 20重量
部、メタクリル酸 5重量部および重合開始剤としてベ
ンゾインメチルエーテル 0.1重量部を室温でよく混合
し、この混合液をポリエチレン製重合容器中に注入し、
窒素雰囲気下、室温にて紫外線を16時間照射して共重合
させた。
共重合後、得られた塊状重合体を切削し、研磨してコ
ンタクトレンズおよび厚さ0.2mm、直径15mmの円盤を形
成することにより、加工性を評価し、次いで各種試験を
行った。結果を第1表に示した。
実施例4: 下記式 で表わされるフルオロシロキサニルメタクリレート 37
重量部、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
メタクリレート 43重量部、メチルメタクリレート 10
重量部、メタクリル酸 7重量部、ジエチレングリコー
ルメタクリル 3重量部および重合開始剤としてベンゾ
インメチルエーテル 0.1重量部を室温でよく混合し、
この混合液をポリエチレン製重合容器中に注入し、窒素
雰囲気下、室温にて紫外線を16時間照射して共重合させ
た。
共重合後、得られた塊状重合体を切削し、研磨してコ
ンタクトレンズおよび厚さ0.2mm、直径15mmの円盤を形
成することにより、加工性を評価し、次いで各種試験を
行った。結果を第1表に示した。
比較例1 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタク
リル 35重量部、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリ
ル 45重量部、メタクリレート 15重量部、エチレング
リコールジメタクリレート 5重量部および重合開始剤
としてベンゾインメチルエーテル 0.1重量部を室温で
よく混合し、この混合液をポリエチレン製重合容器中に
注入し、窒素雰囲気下、室温にて紫外線を16時間照射し
て共重合させた。
共重合後、得られた塊状重合体を切削し、研磨してコ
ンタクトレンズおよび厚さ0.2mm、直径15mmの円盤を形
成することにより、加工性を評価し、次いで各種試験を
行った。結果を第1表に示した。
(発明の効果) 本発明により製造される酸素透過性重合体は、酸素透
過性が極めて高く、また、涙液や眼内液中の汚れ成分や
様々な使用環境に起因する汚れなどを吸収あるいは固着
しにくいという優れた特徴を有している。しかも切削
性、研磨性などの加工性も良好である。したがって、本
発明により製造される酸素透過性重合体は、コンタクト
レンズ、眼内レンズなどの眼科用部材の素材として好適
に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−87102(JP,A) 特開 昭62−38419(JP,A) 特開 平4−23819(JP,A) 特開 平3−257420(JP,A) 特開 平2−304093(JP,A) 特開 昭62−209512(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 30/00 - 30/10 C08F 230/00 - 230/10 C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 G02C 7/04 A61F 2/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) ここでA1は不飽和重合性基であり、X1およびX2は、同一
    もしくは異なり、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であ
    り、R1、R2、R3およびR4は、同一もしくは異なり、アル
    キル基、フルオロアルキル基、フェニル基、ビニル基、
    水素原子または下記式(Ia ここで、B1は重合性不飽和基または水素原子であり、R5
    およびR6は、同一もしくは異なり、上記R1〜R4と同じ定
    義であり、X3は上記X1およびX2と同じ定義であり、そし
    てpは0〜10の数である、 で表される基であり、 Rfは炭素数1〜20のフルオロアルキル基であり、 は0または1であり、 mは0〜20の数であり、そして nは0または1である、 で表わされる第1の重合性単量体および 下記式(II) ここで、A2は不飽和重合性基であり、 X4は炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、 R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、同一もしくは異な
    り、アルキル基、フルオロアルキル基、フェニル基、水
    素原子、ビニル基または下記式(IIa ここで、B2は不飽和重合性基または水素原子であり、R
    13およびR14は、同一もしくは異なり、上記R7〜R12と同
    じ定義であり、X5は上記X4と同じ定義であり、そして rは0〜10の数である、 で表わされる基であり、 Zは炭素数1〜20のアルキル基または上記(IIaで定
    義される基であり、そして qは0〜100の数である、 で表わされる第2の重合性単量体 を共重合せしめることを特徴とする酸素透過性重合体の
    製造法。
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