JP3043390B2 - 酸素透過性高分子材料の製造方法 - Google Patents

酸素透過性高分子材料の製造方法

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JP3043390B2 JP2281090A JP28109090A JP3043390B2 JP 3043390 B2 JP3043390 B2 JP 3043390B2 JP 2281090 A JP2281090 A JP 2281090A JP 28109090 A JP28109090 A JP 28109090A JP 3043390 B2 JP3043390 B2 JP 3043390B2
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徹男 伊藤
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修 栗田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、酸素透過性高分子材料の製造方法、特にコ
ンタクトレンズ、眼内レンズなどの眼科材料として極め
て有用な酸素透過性高分子材料の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、コンタクトレンズ、眼内レンズなどの眼科材料
として、各種のプラスチック材料、例えばポリメチルメ
タクリレートが使用されている。しかし、従来の眼科材
料は酸素透過性が低く、また、涙液や眼内液中の汚れ成
分が固着しやすいため、例えばコンタクトレンズとした
場合には長時間装用ができないという問題を有するもの
であった。
このような状況において、コンタクトレンズとして長
時間装用を可能とした、ポリ(N−ビニル−2−ピロリ
ドン)を主成分とする高含水性の軟質コンタクトレンズ
が開発されたが、これも高含水性のために機械強度が小
さく、また、含水による汚染のためコンタクトレンズと
して使用するためには煮沸消毒を行う必要があるなど、
取扱いが極めて繁雑であるという問題を有していた。
また、近年、かかる欠点を克服する眼科材料として、
シロキサニルモノ(メタ)アクリレートとフルオロ(メ
タ)アクリレートとを共重合させた高分子材料が提案さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述の高分子材料は、シロキサニルモ
ノ(メタ)アクリレートとフルオロ(メタ)アクリレー
トとの共重合比率により、その性質が大きく異なり、シ
ロキサニルモノ(メタ)アクリレートの共重合比率を大
きくすると酸素透過性は向上するものの、汚れ成分の吸
着あるいは固着が著しくなり、また、脆くて柔らかすぎ
る材料となり、逆にフルオロ(メタ)アクリレートの共
重合比率を大きくすると汚れ成分は吸着あるいは固着し
にくくなるが、酸素透過率が低下するという問題があっ
た。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決し、酸素
透過性が高くて、涙液や眼内液中の汚れ成分が吸着ある
いは固着して汚れることがなく、かつ加工性にも優れた
コンタクトレンズ、眼内レンズなどの眼科材料として好
適に使用される酸素透過性高分子材料の製造方法を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、次の一般式(I) 〔式中、Rは、炭素数1〜3の2価の炭化水素基を示
し、X0、X、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X
10およびX11は、同一の基であっても異なる基であって
もよく、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル
基、フェニル基、ビニル基、水酸基、水素原子または基 X14およびX15は、同一の基であっても異なる基であって
もよく、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル
基、フェニル基、ビニル基、水酸基または水素原子を示
し、R2およびR4は同一でも異なってもよく、炭素数1〜
10、好ましくは1〜3の2価の炭化水素基を示し、B
は、不飽和重合性基または水素原子を示し、qは、0ま
たは1を示し、nは、0〜100、好ましくは1〜20の数
を示す)を示し、R1およびR3は同一でも異なってもよ
く、炭素数1〜10、好ましくは1〜3の2価の炭化水素
基を示し、Aは、不飽和重合性基を示し、aは、0また
は1を示し、pは、0または1を示し、mは、0〜10
0、好ましくは0〜20の数を示す。ここで式中の基 合は、それぞれの基が同一でも異なっていてもよい。〕 で表わされる重合性単量体の一種または二種以上を重合
または共重合することを特徴とする酸素透過性高分子材
料の製造方法を提供するものである。
本発明で用いられる単量体(A)を示す一般式(I)
中、X0、X、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X
10、X11、X12、X13、X14およびX15のうち、アルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、te
rt−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル
基、2−メチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、2
−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル
基、ウンデシル基などの直鎖または分岐鎖のアルキル基
が挙げられ、フッ素原子で置換されたアルキル基として
は、例えばトリフルオロメチル基、トリフルオロエチル
基、トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロブチル
基、ヘプタフルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル
基などが挙げられる。
また、一般式(I)中、R1、R2、R3およびR4の炭素数
1〜10の2価の炭化水素基としては、例えばメチレン
基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられ、一般式
(I)中のRとしても同様の基を例示することができ
る。
さらに、一般式(I)中、AおよびBの不飽和重合性
基としては、例えばビニル基、CH2=C(R)COO−(式
中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基またはフルオ
ロメチル基を示す)で示されるフルオロ(メタ)アクリ
ルオキシ基、CH2=CHCONH−で示されるアクリルアミド
基、CH2=CHC6H4−で示されるスチリル基、CH2=C(C
N)−で示されるアクリロニトリル基、CH2=C(CN)CO
O−で示される2−シアノアクリルオキシ基などを挙げ
ることができる。
また、本発明における単量体(A)の具体例として
は、以下のものが挙げられる。
これら単量体(A)中には、シロキサン4員環構造以
外にも、以下に示すような5員環構造のものも含むこと
ができる。
これら単量体(A)は、例えば以下の反応式に従って
製造することができる。
〔上記(1)〜(4)の式中、各記号は一般式(I)と
同じ意味を示す。〕 上記単量体(A)は、単独で、あるいは2種以上を組
合せて重合または共重合させることができる。
また、本発明においては、単量体(A)とともに(フ
ルオロ)シロキサニルモノ(メタ)アクリレート、フル
オロ(メタ)アクリレートおよび/またはシロキサニル
ジ(メタ)アクリレート(以下、これらを「単量体
(B)」と称する)を共重合させれば、さらに酸素透過
性が向上し、または汚れ成分の吸着あるいは固着しにく
さが向上した酸素透過性高分子材料を製造することがで
きる。
ここで用いられる単量体(B)としては、例えば次の
ものが挙げられる。
ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレート、
ペンタメチルジシロキサニルメチルアクリレート、ペン
タメチルジシロキサニルプロピルメタクリレート、ペン
タメチルジシロキサニルプロピルアクリレート、メチル
ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレ
ート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
ルアクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリル
プロピルメタクリレート、トリス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピルアクリレート、メチルビス(トリメ
チルシロキシ)シリルプロピルグリセロールメタクリレ
ート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
ルグリセロールアクリレート、トリス(トリメチルシロ
キシ)シリルプロピルグリセロールメタクリレート、ト
リス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロー
ルアクリレート、モノ(メチルビス(トリメチルシロキ
シ)シロキシ)ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロ
ピルグリセロールメタクリレート、モノ(メチルビス
(トリメチルシロキシ)シロキシ)ビス(トリメチルシ
ロキシ)シリルプロピルグリセロールアクリレート、ト
リメチルシリルエチルテトラメチルジシロキサニルプロ
ピルグリセロールメタクリレート、トリメチルシリルエ
チルテトラメチルジシロキサニルプロピルグリセロール
アクリレートなどのシロキサニルモノ(メタ)アクリレ
ート;(3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシロキ
シ)ビス(トリメチルシロキシ)シリルメチルメタクリ
レート、(3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシロ
キシ)ビス(トリメチルシロキシ)シリルメチルメタク
リレート、(3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル
ジメチルシロキシ)(メチルビス(トリメチルシロキ
シ)シロキシ)トリメチルシロキシシリルプロピルメタ
クリレート、(3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチ
ルジメチルシロキシ)(メチルビス(トリメチルシロキ
シ)シロキシ)トリメチルシロキシシリルプロピルアク
リレート、(3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル
ジメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキサニルオキ
シ)トリメチルシロキシシリルメタクリレートなどのフ
ルオロシロキサニルモノ(メタ)アクリレート;2,2,2−
トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,2−トリフル
オロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル
−α−フルオロアクリレート、2,2,2−トリフルオロエ
チル−α−トリフルオロメチルメタクリレート、2,2,3,
3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3−
テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,2,2′,2′,
2′−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、2,
2,2,2′,2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピルアクリ
レート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリ
レート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレ
ート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタ
クリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチ
ルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフ
ルオロヘプチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル
メタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−
ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレ
ート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ
オクチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−1
−メチルプロピルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフ
ルオロ−1−メチルプロピルアクリレート、2,2,3,3−
テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピルメタクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピル
アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1
−ジメチルペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5
−オクタフルオロ−1,1−ジメチルペンチルアクリレー
トなどのフルオロ(メタ)アクリレート; などで表わされるシロキサニルジ(メタ)アクリレー
ト。
これらの単量体(B)のうち、本発明において特に好
適に使用されるものは、ペンタメチルジシロキサニルメ
チルメタクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロ
ピルメタクリレート、メチルビス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピルメタクリレート、トリス(トリメチ
ルシロキシ)シリルプロピルメタクリレートなどのシロ
キサニルモノ(メタ)アクリレート、(3,3,3−トリフ
ルオロプロピルジメチルシロキシ)ビス(トリメチルシ
ロキシ)シリルメチルメタクリレート、(3,3,4,4,5,5,
5−ヘプタフルオロペンチルジメチルシロキシ)(メチ
ルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ)トリメチルシ
ロキシシリルプロピルメタクリレート、(3,3,4,4,5,5,
5−ヘプタフルオロペンチルジメチルシロキシ)(ペン
タメチルジシロキサニルオキシ)トリメチルシロキシシ
リルメタクリレートなどのフロオロシロキサニルモノ
(メタ)アクリレート;および2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル−α
−フルオロアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル
−α−トリフルオロメチルメタクリレート、2,2,3,3−
テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−
ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,2,2′,
2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレー
ト、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタク
リレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ
ヘプチルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8
−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、2,2,3,3
−テトラフルオロ−1−メチルプロピルメタクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピル
メタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−
1,1−ジメチルペンチルメタクリレートなどのフルオロ
(メタ)アクリレートである。
これらの単量体(B)は、単独で、あるいは二種以上
を組合わせて、単量体(A)と共重合させることができ
る。
ここで単量体(A)および単量体(B)の使用割合
は、通常、単量体(A)が10〜100重量%、単量体
(B)が0〜90重量%であり、好ましくは単量体(A)
が10〜90重量%、単量体(B)が10〜90重量%、特に好
ましくは単量体(A)が30〜80重量%、単量体(B)が
20〜70重量%である。
さらに、本発明の製造方法においては、上述した単量
体(A)および単量体(B)以外にも、本発明の効果を
損なわない範囲内において、他の単量体を共重合するこ
とができる。
このような他の単量体としては、例えば単量体(A)
以外のエチレングリコールジメタクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、プロピレングリコールジメタクリレート、プ
ロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレートなどの多官能性単量体に代表される架
橋性単量体、メチルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソ
プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、
ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ターシャ
リブチルメタクリレート、ターシャリブチルアクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリ
レート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルア
クリレートなどに代表されるアルキルモノ(メタ)アク
リレート、およびN−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレートなどに代表される親水性
単量体を挙げることができる。
上記架橋性単量体は、得られる材料の硬度を増し、切
削性、研磨性などの加工性を向上させる場合に使用する
ものであり、その共重合比率は、通常30重量%以下、好
ましくは20重量%以下である。共重合比率が30重量%を
超えると、得られる材料が脆くなったり、酸素透過性が
低くなったりすることがある。
上記アルキルモノ(メタ)アクリレートは、得られる
材料の強度、加工性などを改良する場合に使用するもの
であり、その共重合比率は、得られる材料の酸素透過性
を損なわないために通常50重量%以下、好ましくは40重
量%以下である。
また、上記親水性単量体は、得られる材料の表面に親
水性を付与する場合に使用するが、親水性単量体の共重
合比率を高くすると得られる材料の酸素透過性を損なう
ので、その共重合比率は、通常20重量%以下、好ましく
は15重量%以下である。
本発明における重合または共重合は、通常のラジカル
重合反応により行うことができ、例えばベンゾイルパー
オキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどの熱重合
開始剤の存在下で段階的に昇温させ重合する方法、ある
いはベンゾイン、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンな
どの光重合開始剤の存在下に紫外線を照射して重合する
方法により行うことができる。ここで光重合開始剤また
は熱重合開始剤は、単量体混合物100重量部当り、通常
0.01〜5重量部用いられる。
また、本発明により得られる材料は、コンタクトレン
ズ、眼内レンズなど、涙液や眼内液とのなじみが必要な
用途に用いる場合には、材料をコンタクトレンズ、眼内
レンズの形状に加工した後、さらにアルカリ処理、酸素
や窒素などによるプラズマ処理、親水性基を含む化合物
によるプラズマ重合、または無機酸化物の蒸着、スパッ
タリングもしくはイオンプレーティングによる表面処理
を行うことによって、表面に親水性を付与することがで
きる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例により本発明を説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例における加工性の評
価基準および各種試験の試験方法は以下のとおりであ
る。
加工性の評価基準 切削性 A:切削面に光沢がある B:切削面の光沢はあるが、やや不透明となる C:切削面が荒れて白くなる 研磨性 A:研磨面は光沢良好 B:研磨むらが生じる C:研磨面が荒れて白くなる 酸素透過係数の試験方法 得られたコンタクトレンズを用い、理化精機工業
(株)製科研式フィルム酸素透過計を使用し、35℃0.9
%生理食塩中で測定した。
可視光線透過率の試験方法 得られた円盤を用い、日立製作所(株)製ダブルビー
ム分光光度計200−20型で500〜600nmにおける透過率を
測定した。
汚れ性の試験方法 得られた円盤を用い、汚れ液中に30日間浸漬したの
ち、コンタクトレンズ用クリーナー((株)リッキーコ
ンタクトレンズ社製オールウェイクリーナー)で洗浄
し、表面に付着する汚れを除去し、浸漬前の可視光線透
過率を100としたときの可視光線透過率の変化率で表わ
した。なお、汚れ液は、卵白アルブミン0.1重量部、卵
白リゾチーム0.1重量部、牛胃粘膜ムチン0.1重量部、卵
黄レシチン0.1重量部および精製水100重量部からなる混
合液を用い、2〜3日ごとに新鮮な汚れ液と交換した。
実施例1 下記式: で表わされる環状シロキサニルジメタクリレート45重量
部、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート45重量
部、メチルメタクリレート10重量部、および重合開始剤
としてベンゾインメチルエーテル0.1重量部を室温でよ
く混合し、この混合液をポリエチレン製重合容器中に注
入し、窒素雰囲気下、室温にて紫外線を16時間照射して
共重合させた。
共重合後、得られた塊状共重合体を切削し、研磨して
コンタクトレンズおよび厚さ0.2mm、直径15mmの円盤を
形成することにより加工性を評価し、次いで各種試験を
行った。結果を表−1に示した。
実施例2 下記式: で表わされる環状シロキサニルジメタクリレート60重量
部、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート3
0重量部、メチルメタクリレート10重量部および重合開
始剤としてベンゾインメチルエーテル0.1重量部を室温
でよく混合し、この混合液をポリエチレン製重合容器中
に注入し、窒素雰囲気下、室温にて紫外線を16時間照射
して共重合させた。
共重合後、得られた塊状共重合体を切削し、研磨して
コンタクトレンズおよび厚さ0.2mm、直径15mmの円盤を
形成することにより加工性を評価し、次いで各種試験を
行った。結果を表−1に示した。
比較例1 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタク
リレート35重量部、2,2,2−トリフルオロエチルメタク
リレート45重量部、メチルメタクリレート15重量部、エ
チレングリコールジメタクリレート5重量部および重合
開始剤としてベンゾインメチルエーテル0.1重量部を室
温でよく混合し、この混合液をポリエチレン製重合容器
中に注入し、窒素雰囲気下、室温にて紫外線を16時間照
射して共重合させた。
共重合後、得られた塊状共重合体を切削し、研磨して
コンタクトレンズおよび厚さ0.2mm、直径15mmの円盤を
形成することにより加工性を評価し、次いで各種試験を
行った。結果を表−1に示した。
〔発明の効果〕 本発明により製造される酸素透過性高分子材料は、酸
素透過性が極めて高く、また涙液や眼内液中の汚れ成分
や様々な使用環境に起因する汚れなどを吸着あるいは固
着しにくいという優れた特徴を有し、かつ、切削性、研
磨性などの加工性も良好である。従って、本発明により
製造される酸素透過性高分子材料は、コンタクトレン
ズ、眼内レンズなどの眼科材料として好適に使用され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗田 修 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−256537(JP,A) 特開 平4−149235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 299/00 - 299/08 C08F 290/00 - 290/14 G02B 1/04 G02C 7/04 C08F 30/00 - 30/08 C08F 130/00 - 130/08 C08F 230/00 - 230/08 C08F 20/00 - 20/70 C08F 120/00 - 120/70 C08F 220/00 - 220/70 A61F 2/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I) 〔式中、Rは炭素数1〜3の2価の炭化水素基を示し、
    X0、X、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10
    よびX11は、同一の基であっても異なる基であってもよ
    く、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フ
    ェニル基、ビニル基、水酸基、水素原子または基 X14およびX15は、同一の基であっても異なる基であって
    もよく、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル
    基、フェニル基、ビニル基、水酸基または水素原子を示
    し、R2およびR4は同一でも異なってもよく、炭素数1〜
    10の2価の炭化水素基を示し、Bは、不飽和重合性基ま
    たは水素原子を示し、qは、0または1を示し、nは、
    0〜100の数を示す)を示し、R1およびR3は同一でも異
    なってもよく、炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示
    し、Aは、不飽和重合性基を示し、aは、0または1を
    示し、pは、0または1を示し、mは、0〜100の数を
    示す。 が複数存在する場合は、それぞれの基が同一でも異なっ
    ていてもよい。〕 で表わされる重合性単量体の一種または二種以上を重合
    または共重合することを特徴とする酸素透過性高分子材
    料の製造方法。
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