JPH0651522A - 感光性樹脂を使用した透明着色画像 - Google Patents

感光性樹脂を使用した透明着色画像

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JPH0651522A
JPH0651522A JP3040896A JP4089691A JPH0651522A JP H0651522 A JPH0651522 A JP H0651522A JP 3040896 A JP3040896 A JP 3040896A JP 4089691 A JP4089691 A JP 4089691A JP H0651522 A JPH0651522 A JP H0651522A
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林 修三郎 小
Toshio Komatsu
松 利 夫 小
Akira Okazaki
崎 暁 岡
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/0005Production of optical devices or components in so far as characterised by the lithographic processes or materials used therefor
    • G03F7/0007Filters, e.g. additive colour filters; Components for display devices

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視領域の特定の領域の光を高い透過率で透
過するすぐれた分光特性を有するとともに耐久性にもす
ぐれしかも製造工程が簡素化された透明着色画像を提供
すること。 【構成】 本発明に係る透明着色画像は、可視領域の特
定の領域の光を透過する分光特性を有し、かつ、粒径1
μm以上の粒子が全粒子の10重量%以下であり、粒径
0.01〜0.7μmの粒子が全粒子の30重量%以上
であるような粒径分布を有する顔料を分散させた感光性
樹脂に光を照射したのち、現像することによりパターン
状に塗膜形成されたものからなり、該塗膜形成後におけ
る前記感光性樹脂の可視領域の分光特性曲線における光
吸収領域の光透過率が20%以下であり、光透過領域の
光透過率が50%以上であることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性樹脂を使用した
透明着色画像に関し、さらに詳しくは、カラー液晶表示
装置、カラーファクシミリ、三管式および単管式カラー
ビデオカメラ、固体カラービデオカメラなどに装着され
るカラーフィルターあるいはステンドグラスなど用いら
れる透明着色画像に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年家庭用カラービデ
オカメラに対する関心が急速に高まりつつある。家庭用
カラービデオカメラは、小型であること、軽量であるこ
とそして高価でないことが要求されており、このため2
種または3種以上の色相を異にする極めて微細なストラ
イプが透明基板上に設けられたカラーフィルターを撮像
管に装着した単管式カラービデオカメラが用いられてい
る。また同様の目的で、カラービデオカメラの固体撮像
素子の受光面上に直接密着するようにしてカラーフィル
ターを設けた固体式カラービデオカメラも提案されてい
る。さらに光電変換素子であるラインセンサ、エリアセ
ンサなどの固体撮像素子の受光面に直接あるいは間接的
に色分離フィルタを形成する方式も提案されている。固
体撮像素子としては、CCD、MOS、CID、CPD
などが用いられている。
【0003】一方、液晶表示装置においても、表示され
る画像のカラー化に対する関心が高まっており、そのた
めの1つの方法として、平行な一対の透明電極間に液晶
材料を封入し、透明電極を不連続な微細区域に分割する
とともに、この透明電極上の微細区域のそれぞれに、
赤、青、緑のいずれか1色から選ばれたカラーを交互に
パターン状に設ける方式あるいは基板上にカラーフィル
ターを形成した後透明電極を設ける方式が提案されてい
る。
【0004】このようにカラービデオカメラあるいはカ
ラー液晶表示装置などに用いられるカラーフィルター
は、色相の異なる2種または3種以上の色に着色された
極めて微細な領域を透明基板あるいは固体撮像素子上に
設けることによって形成されている。一般に、微細な領
域を色相の異なる2種または3種以上の色に着色するに
は、透明な着色画像(画素)を形成しうる感光性樹脂が
用いられている。
【0005】従来、感光性樹脂により2種または3種以
上の透明着色画像を形成するには、まずポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、カゼイン、
グリューなどの親水性樹脂に、感光材として重クロム酸
塩、クロム酸塩あるいはジアゾ化合物などが添加されて
なる感光性樹脂を、透明基板あるいは固体撮像素子など
の支持体上に塗布して透明感光性樹脂層を形成する。次
いで、この感光性樹脂層上に所定形状の開口パターンを
有するマスクを載置し、露光および現像を行なって第1
樹脂層を形成し、この第1樹脂層を所望の染料で染色し
て第1透明着色画像を形成する。次に、この第1透明着
色画像上に、染料の移行を防止するために、疎水性樹脂
からなる透明な防染用樹脂膜を形成した後、第1透明着
色画像の形成法と同様にして第2透明着色画像を形成す
る。上記の操作を繰り返すことによって、2種または3
種以上の色に着色された透明着色画像が支持体上に形成
される。
【0006】ところが上記の方法によれば、各色ごとに
透明な防染用樹脂膜を形成しなければ、複数色の透明着
色画像を設けることができないため、製造工程が極めて
煩雑であるという欠点がある。さらに、ある種のカラー
フィルターは、その使用中に加熱される場合があるが、
上記方法では染料を用いて透明画像が着色されているた
め、得られるカラーフィルターの耐熱性あるいは耐光性
には限界がありこの点で満足のいくものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来技術に伴なう欠点を一挙に解決しようとするものであ
って、以下のような目的を有する。 (a) 可視領域の特定の領域の光を透過するすぐれた
分光特性を有するとともに耐久性にもすぐれた透明着色
画像を提供すること。 (b) カラーフィルターなどのように2種または3種
以上の着色された透明着色画像を隣接して支持体上に設
ける際に、各色ごとに透明な防染用樹脂膜を形成する必
要がなく、したがって製造工程が簡素化された透明着色
画像を提供すること。 (c) 耐熱性ならびに耐光性に優れた透明着色画像を
提供すること。
【0008】上記のような目的を達成するため、本発明
に係る透明着色画像は、可視領域の特定の領域の光を透
過する分光特性を有し、かつ、粒径1μm以上の粒子が
全粒子の10重量%以下であり、粒径0.01〜0.7
μmの粒子が全粒子の30重量%以上であるような粒径
分布を有する顔料を分散させた感光性樹脂に光を照射し
たのち、現像することによりパターン状に塗膜形成され
たものからなり、該塗膜形成後における前記感光性樹脂
の可視領域の分光特性曲線における光吸収領域の光透過
率が20%以下であり、光透過領域の光透過率が50%
以上であることを特徴としている。
【0009】さらに、本発明において感光性樹脂中に分
散される顔料は、粒径0.01〜0.7μm好ましくは
0.01〜0.3μmの粒子が全粒子の50重量%以上
であるような粒径分布を有していることが望ましい。
【0010】従来、ある種の顔料が分散された感光性樹
脂組成物は知られていたが、顔料の粒径は本発明の顔料
と比較して著しく大きいため透明性が不充分であってマ
スキングなどの用途にしか使用されておらず、たとえば
固体撮像素子用のカラーフィルターなどに使用した場合
には、透過率が低いため十分な感度が得られず、またカ
ラー液晶表示装置用カラーフィルターに使用した場合に
は、画像の輝度が十分に得られないという問題があっ
た。また、感光性樹脂の塗膜に光を照射し、現像してパ
ターン状の塗膜を形成する際に、十分な感光感度が得ら
れないという問題もあった。従来は感光性樹脂に分散さ
れる顔料の粒径ないしその分布状態をどの範囲に制御す
ることによって、得られる着色画像の透明性が高められ
るかということは知られておらず、しかもどのようにし
て感光性樹脂に分散される顔料の粒径を、得られる着色
画像の透明性が満足できる程度に制御することができる
かは知られていなかった。
【0011】本発明は、感光性樹脂に分散される顔料の
粒径が入射される光の波長以下であれば、光の散乱によ
る光透過率の低下が抑えられ、得られる着色画像の透明
性が実用に耐える程度に充分に大きくなるという事実を
見い出したことに基づいている。
【0012】本発明においては、感光性樹脂として透明
な樹脂が広く用いられるが、特に油溶性あるいはアルコ
ール溶性の感光性樹脂が好ましい。具体的には次のよう
な化合物が用いられる。 a) 感光基を有する水溶性感光性樹脂 ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアルコール/ス
チルバゾリウム系樹脂などのポリビニルアルコール誘導
体樹脂など。 b) 感光基を有する油溶性感光性樹脂 ケイ皮酸系などの光架橋型感光性樹脂、ビスアジド系な
どの光分解架橋型感光性樹脂、O‐キノンジアジド系な
どの光分解極性変化型感光性樹脂など。 c) 以下のような(イ)バインダー樹脂と、(ロ)光
架橋剤との組合せ
【0013】(イ) バインダー樹脂 (i) ゼラチン、カゼイン、グリューなどの動物性タンパ
ク系 (ii)カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、メチルセルロースなどのセルロース系 (iii) ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、これらの共
重合体などのビニル重合系 (iv )ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミンな
どの開環重合系 (v) 水溶性ナイロンなどの縮合系、など。 (vi)ブチラール樹脂、スチレン‐マレイン酸共重合体、
塩素化ポリエチレンまたは塩素化ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリエステ
ル、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、などの油
溶性樹脂、など。 (ロ) 光架橋剤 重クロム酸塩、クロム酸塩、ジアゾ化合物、ビスアジド
化合物など。 d) (イ)上記のバインダー樹脂と、以下のような、
(ロ)モノマーまたはオリゴマーと、(ハ)開始剤
【0014】(ロ) モノマーまたはオリゴマー アクリル酸、メタクリル酸、2‐ヒドロキシエチルアク
リレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、2‐
ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビニルアセテー
ト、N‐ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N‐ヒドロキシメチルアクリルアミド、N‐
(1,1‐ジメチル‐3‐オキソブチル)アクリルアミ
ド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリ
ルアミド、1,3,5‐トリアクリロイル‐1,3,5
‐トリアザシクロヘキサン、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、各種のアクリル
酸エステル、各種のメタクリル酸エステル、アクリロニ
トリル、など。
【0015】(ハ) 開始剤 i) 光分解型の開始剤、たとえばアゾビスイソブチロニ
トリル、ベンゾインアルキルエーテル、チオアクリド
ン、ベンジル、N‐〔アルキルスルホニルオキシ〕‐
1,8‐ナフタレンジカルボキシイミド、2,4,6‐
トリ〔トリクロロメチル〕トリアジンなど。 ii) 水素移動型の開始剤たとえばベンゾフェノン、アン
トラキノン、9‐フェニルアクリジンなど。 iii)電子移動型複合系開始剤たとえばベンズアンスロン
/トリエタノールアミン、メチレンブルー/ベンゼンス
ルフィン酸塩、トリアリルイミダゾリル二量体/ミヒラ
ーズケトン、四塩化炭素/マンガンカルボニルなど。
【0016】本発明においては、上記のような感光性樹
脂中に顔料が分散されて、本発明の透明着色画像を形成
するための感光性樹脂組成物が構成されている。
【0017】本明細書において「顔料」とは、水あるい
は有機溶剤に難溶性である着色粉末を意味し、有機顔料
および無機顔料を含めて意味する。なお、ある種の染料
は、水あるいは有機溶剤に難溶性であるものがあり、こ
の種の染料は本発明における「顔料」として用いること
ができる。
【0018】有機顔料としては、アゾレーキ系、不溶性
アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン
系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、アントラキ
ノン系、ペリノン系、チオインジコ系、ペリレン系ある
いはこれらの顔料の混合物が用いられうる。
【0019】無機顔料としては、ミロリブルー、コバル
ト紫、マンガン紫、群青、紺青、コバルトブルー、セル
リアンブルー、ビリジアン、エメラルドグリーン、コバ
ルトグリーンおよびこれらの混合物も用いられる。
【0020】感光性樹脂中に分散される顔料は、粒径1
μm以上の粒子が全顔料粒子の10重量%以下、好まし
くは5重量%以下さらに好ましくは2重量%以下である
ような粒径分布を有していることが望ましい。粒径1μ
m以上の粒子が全顔料粒子の10重量%を越えて、感光
性樹脂中に分散されていると、光の散乱などによって光
の透過率が低下するため好ましくない。同時に、本発明
に用いられる顔料は、粒径0.01〜0.7μm好まし
くは0.01〜0.3μmの粒子が全顔料粒子の30重
量%以上、さらに好ましくは50重量%以上であるよう
な粒径分布を有していることが望ましい。
【0021】このような粒径分布を有する顔料と透明感
光性樹脂とを、固形分比で1/10〜2/1好ましくは
1/5〜1/2の割合で配合することによって、透明着
色画像形成用感光性樹脂組成物が得られる。顔料の分光
特性と感光性樹脂の分光特性とを考慮して顔料と感光性
樹脂との適当な組み合わせが選択される。
【0022】上記のような所望の粒径分布を有する顔料
が分散された透明着色画像を形成するには、まず、かな
り細かく粉砕された上記顔料と、前述した感光性樹脂の
溶液とを混合し、得られた混合物を三本ロール、ボール
ミル、サンドミルなどの顔料分散機により練肉し、顔料
を充分に分散させた後、遠心分離あるいはグラスフィル
ター、メンブランフィルターなどによる槇過などによっ
て粒径が1μm以上の大粒径の顔料粒子を除去して、顔
料入り感光性樹脂組成物をつくるか、または顔料を前述
の感光性樹脂と相溶するバインダー樹脂の溶液と混合
し、上記と同様に充分に分散させた後、遠心分離または
グラスフィルター、メンブランフィルターなどによる槇
過によって粒径が1μm以上の大粒径の顔料を除去した
着色剤をつくり、この着色剤と前述の感光性樹脂とを混
合し、顔料入り感光性樹脂組成物をつくることができ
る。
【0023】顔料を感光性樹脂に分散するに際して、顔
料の分散性を高めるため分散剤として非イオン性界面活
性剤を添加することは好ましい。また顔料が分散された
感光性樹脂組成物または着色剤から大粒径の顔料を除去
する際に該組成物または着色剤の粘度は500cps 以下
に調節されていることが好ましい。
【0024】次に、上記のようにして調製された感光性
樹脂組成物を用いて本発明の透明着色画像を製造する方
法について説明する。
【0025】支持体上に透明着色画像を形成するには、
まず上記のようにして調製された顔料入り感光性樹脂組
成物を支持体上に、スピンナ、ロールコータ、ディップ
コータ、ホイルコータ、バーコータなどの塗布装置によ
り、乾燥時の膜厚が0.1〜10μm好ましくは0.5
〜3μm程度になるように塗布し、乾燥した後に所定開
口パターンを有するマスクを介して、キセノンランプ、
メタルハロゲンランプ、超高圧水銀灯などの光源を用い
てパターン露光する。このパターン露光によって感光性
樹脂層に、所定パターンに対応して、ネガ型の感光性樹
脂であれば不溶化部分が、またポジ型の感光性樹脂の場
合は可溶化部分が形成される。次いで水または水/有機
溶媒などの現像液でスプレー現像するかあるいはディッ
プ現像することによって可溶化した部分を選択的に除去
してパターン状の透明着色画像を得る。
【0026】同様な操作を複数回繰り返すことによって
透明な防染用樹脂膜を形成することなく、複数色の透明
着色画像を支持体上に設けることができる。
【0027】最終的に得られる着色画像の透明性は、ベ
ースとして用いられる感光性樹脂の種類、感光性樹脂中
に分散される顔料の種類ならびにその分散量および支持
体上に設けられる着色画像層の膜厚などによって決定さ
れる。まずベースとして用いられる感光性樹脂は、可視
光領域である400〜700nmの全領域においてその光
透過率が80%以上、好ましくは90%以上さらに好ま
しくは95%以上であることが望ましい。このベースと
なる感光性樹脂に顔料が分散され、次いで支持体上に所
定の膜厚で形成された後には、用いられる顔料の種類に
応じて吸収領域および透過領域は変化するが、吸収領域
においては光透過率が20%以下好ましくは10%以下
であることが望ましく、同時に透過領域においては光透
過率が40%以上、好ましくは50%以上さらに好まし
くは60%以上であることが望ましい。
【0028】上記のような条件を満たす場合に、本明細
書では、着色画像は「透明」であるということができる
ものとする。
【0029】なお、支持体としては、透明ガラス、透明
樹脂フィルム、金属板、セラミック板、光電変換素子で
ある固体撮像素子などを用いることができる。固体撮像
素子としては、CCD、MOS、BBD、CID、CP
Dなどが用いられ、この受光面に直接的あるいは間接的
に本発明に係る透明着色画像を設けて、色分離用カラー
フィルターを形成することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明による感光性樹脂を使用した透明
着色画像は、特定の粒径範囲および粒径分布を有する顔
料が透明な感光性樹脂中に分散されて構成された組成物
をパターン状に形成してなる塗膜からなるので、以下の
ような効果を有する。 (a) 光の散乱を抑制することにより、可視領域の特
定の領域の光を高い透過率で透過するすぐれた分光特性
を有するとともに耐久性にもすぐれた透明着色画像を得
ることができる。 (b) 複数色の透明着色画像を支持体上に設けるに際
して、各色ごとに透明な防染用樹脂膜を形成する必要が
なく、したがって透明着色画像の製造工程を著しく簡素
化することができる。 (c) 耐熱性ならびに耐光性にすぐれた透明着色画像
が容易に得られる。
【0031】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1 リオノールグリーン2Y−301(東洋インキ製造
(株)製緑色顔料:塩素臭素化銅フタロシアニン系顔
料)1重量部を、平均重合度1750、ケン化度88mo
l %のポリビニルアルコールの10wt%水溶液10重量
部に混合し、得られた混合物を三本ロールで練肉分散し
た後、12000rpm で遠心分離し1μmのグラスフィ
ルターで槇過した。次いで得られた水性着色樹脂溶液
に、架橋剤として重クロム酸アンモニウムを1wt%添加
して緑色感光性樹脂組成物を調製し、これを透明ガラス
基板上に1.5μmの膜厚で回転塗布した後、60℃で
3分間乾燥しマスクを介してパターン露光した。次いで
パターン露光された感光性樹脂組成物を、水/イソプロ
ピルアルコール=10/1(重量比)の現像液でスプレ
ー現像し、非露光部を選択的に除去した後150℃で3
0分間加熱して緑色画像を形成した。この緑色画像は図
1曲線(a)に示すように、700nm〜600nmの透過
率が1%以下であるにもかかわらず、500〜560nm
の透過率が80%以上であった。感度は従来のゼラチン
/Cr系着色画像の4倍であった。エッジ形状はゼラチ
ン/Cr系着色画像と同程度であった。この緑色透明樹
脂中の顔料の粒径分布をCoulter N4 サブミ
クロン粒子アナライザーにより分析した結果、平均粒径
は0.08μmであり、0.01〜0.3μmの粒径を
有する粒子は、全粒子の97%であった。
【0032】実施例2 リオノールグリーン2Y−301とポリビニルアルコー
ルとの混合物を6000rpm で遠心分離し、1μmのグ
ラスフィルターで槇過した以外は、実施例1と同様にし
て、緑色画像を形成した。この緑色画像の光透過率を実
施例1と同様にして測定し、図1曲線(b)に示す。
【0033】比較例1 リオノールグリーン2Y−301とポリビニルアルコー
ルとの混合物を全く遠心分離せず、しかも槇過しない以
外は、実施例1と同様にして、緑色画像を形成した後光
透過率を測定し、図1曲線(c)に示す。図1曲線
(c)から、感光性樹脂組成物中に分散される顔料の粒
径を調節しなければ、充分な性能を有する着色画像が得
られないことがわかる。
【0034】実施例3 クロモフタルレッドBRN(チバガイギー社製赤色顔
料:ジスアゾ系顔料)3重量部を、平均重合度500、
ケン化度88mol %のポリビニルアルコールの10%水
溶液10重量部に混合し、得られた混合物をサンドミル
で練肉混合した後、10000rpm で遠心分離し、1μ
mのグラスフィルターで槇過した。次いで得られた水性
着色剤2重量部と、88mol %ケン化ポリビニルアルコ
ール(重合度1700)にN‐メチル‐γ‐(p‐ホル
ミルスチリル)‐ピリジニウムメトサルフェートが1.
4mol %導入された感光性樹脂10重量部とを充分に混
合して赤色感光性樹脂組成物を調製した。次いでこの赤
色感光性樹脂組成物を透明ガラス基板上に1.5μmの
膜厚に回転塗布し、70℃30分乾燥した後、マスクを
介して密着パターン露光した。次にパターン露光された
感光性樹脂組成物を水/イソプロピルアルコール=5/
1(重量比)の現像液により、スプレー現像して比露光
部を選択的に除去した後、150℃30分加熱して赤色
画像を形成した。この赤色画像は透明性にすぐれ、エッ
ジ形状は従来のゼラチン/Cr系感材と同程度だった。
感度は、従来のゼラチン/Cr系感材の2倍だった。こ
の赤色感光性樹脂組成物の粒径分布を実施例1と同様に
測定した結果、平均粒径は0.17μmであり、0.0
1〜0.3μmの粒径を有する粒子は、全粒子の75%
であった。
【0035】実施例4 ファストゲンブルーGNPS(大日本インキ化学製青色
顔料:銅フタロシアニン系顔料)10重量部を、12重
量部のカゼインを88重量部の1%アンモニア水溶液に
溶解した樹脂液と混合し、得られた混合物をサンドミル
で練肉分散した後、10000rpm で遠心分離し、1μ
mのグラスフィルターで槇過した。次いで得られた着色
樹脂溶液に、架橋剤として重クロム酸アンモニウムを1
重量部添加して青色感光性樹脂組成物を調製し、これを
透明ガラス基板上に1μmの膜厚で回転塗布した後、9
0℃で10分間乾燥しマスクを介してパターン露光し
た。次いでパターン露光された感光性樹脂組成物を水で
スプレー現像して非露光部を選択的に除去して青色画像
を形成した。この青色画像は560〜700nmの透過率
が1%以下であるにもかかわらず、440〜520nmの
透過率が85%以上であった。実施例1と同様にして顔
料の粒径を測定したところ0.01〜0.3μmの粒径
を有する粒子は全粒子の90%であった。感度は従来の
ゼラチン/Cr系感材の3倍だった。エッジ形状はゼラ
チン/Cr系感材と同程度であった。
【0036】実施例5 レーキレッドC(大日精化製赤色顔料:アゾレーキ系顔
料)2重量部を、平均重合度500ケン化度88mol %
のポリビニルアルコールの10wt%水溶液10重量部に
混合し、得られた混合物を三本ロールで練肉分散した
後、10000rpm で15分遠心分離し、1μmのグラ
スフィルターで槇過した。次いで得られた水性着色剤3
重量部と、平均重合度450ケン化度88mol %のポリ
ビニルアルコールにp‐ホルミルスチリルピリジンが6
mol %導入された感光性樹脂10重量部とを充分に混合
して赤色感光性樹脂組成物を調製した。次いでこれを透
明ガラス基板上に1μmの膜厚で回転塗布し、70℃で
30分間乾燥した後、マスクを介してパターン露光し
た。次にパターン露光された感光性樹脂組成物を水/イ
ソプロピルアルコール=2/1の現像液でスプレー現像
して非露光部を選択的に除去した後150℃で30分加
熱して赤色画像を形成した。この赤色画像は560nm以
下の透過率が1%以下であるにもかかわらず、600nm
以上の透過率が90%以上であった。感度は従来のゼラ
チン/Cr系感材の2倍であった。エッジ形状はゼラチ
ン/Cr系感材と同程度であった。実施例1と同様にし
て顔料の粒径を測定したところ、0.01〜0.3μm
の粒径を有する粒子は全粒子の80%であった。
【0037】実施例6 シムラファストピラゾロンレッドBT(大日本インキ化
学製赤色顔料:ピラゾロン系顔料)8重量部を、水溶性
ナイロン(東レ製置換率52%)の20%エタノール溶
液に混合し、得られた混合物をサンドミルで練肉分散し
た後、10000rpm で20分遠心分離し1μmのグラ
スフィルターで槇過した。次いで得られた着色樹脂溶液
にクロルメチルスチレン40mol %を添加し、さらに重
合性モノマーとしてのペンタエリスリトールトリアクリ
レート5wt%および開始剤としてのベンゾインイソプロ
ピルエーテル10wt%を添加して赤色感光性樹脂組成物
を調製した。これを透明ガラス基板上に1μmの膜厚で
回転塗布し、60℃で10分間乾燥してマスクを介して
パターン露光した。次にパターン露光された感光性樹脂
組成物を水/イソプロピルアルコール=1/1の現像液
でスプレー現像して非露光部を選択的に除去した後、1
50℃で30分間加熱して赤色画像を形成した。感度は
ゼラチン/Cr系感材の2倍だった。この赤色画像は5
80nm以下の透過率が1%以下であるにもかかわらず、
620nm以上の透過率が80%以上だった。実施例1と
同様に顔料の粒径を測定したところ、0.01〜0.3
μm粒径を有する粒子は全粒子の60%であった。
【0038】実施例7 クロモフタルブルーA3R(チバガイギー社製青色顔
料:スレン系顔料)1重量部を、レヂトップPSF−2
803(群栄化学製ノボラック樹脂)20%のセロソル
ブアセテート溶液20重量部に混合し、得られた混合物
をサンドミルで練肉分散した後、10000rpm で遠心
分離し、1μmのグラスフィルターで槇過した。得られ
た着色樹脂液に、PSF−2803にナフトキノン‐
1,2‐ジアジド‐(2)‐5‐スルホン酸が30mol
%エステル化された感光性樹脂を1重量部添加して青色
感光性樹脂組成物を調製した。次にこれを透明ガラス基
板上に1μmの膜厚に回転塗布し、90℃で10分間乾
燥した後マスクを介して密着パターン露光し、このパタ
ーン露光された感光性樹脂組成物を5%、メタケイ酸ナ
トリウム水溶液によりスプレー現像して、非露光部を選
択的に除去した後水でリンスし150℃で30分間加熱
して、青色画像を形成した。この青色画像は透明性、エ
ッジ形状のすぐれたポジ型画像であった。実施例1と同
様に顔料の粒径を測定したところ、0.01〜0.3μ
mの粒径を有する粒子は、全粒子の65%であった。
【0039】実施例8 クロモフタルレッドBRN(チバガイギー社製赤色顔
料)1重量部を平均重合度1750、ケン化度88mol
%のポリビニルアルコールの10wt%水溶液10重量部
に混合し、得られた混合物を三本ロールで練肉分散した
後、12000rpm で遠心分離し、1μmのグラスフィ
ルターで槇過した。次いで得られた水性着色樹脂溶液
に、架橋剤として、重クロム酸アンモニウムを1wt%添
加した。次いで得られた赤色感光性樹脂組成物を1mm厚
の透明ガラス基板上に、1.5μmの膜厚に回転塗布
し、90℃で10分間乾燥し、所定形状のマスクを介
し、密着パターン露光した。次に、パターン露光された
感光性樹脂組成物を、水/イソプロピルアルコール=1
0/1(重量比)の現像液でスプレー現像し、非露光部
を選択的に溶解除去した後、150℃で30分間加熱し
て赤色画像を形成した。この透明赤色画像中での顔料の
粒径分布をCoulter N4 サブミクロン粒子ア
ナライザーにより分析した結果、平均粒径は0.3μm
であり、0.5μm以上の粒径を有する粒子は全粒子の
3%以下であった。
【0040】次に、上記ポリビニルアルコール水溶液1
0重量部にリオノールグリーン2Y−301(東洋イン
キ製造(株)製緑色顔料)1重量部を添加混合した後、
得られた混合物を三本ロールで練肉分散した後、120
00rpm で遠心分離し、1μmのグラスフィルターで槇
過した。次いで得られた水性緑色樹脂溶液に、重クロム
酸アンモニウムを1wt%添加して、緑色感光性樹脂組成
を調整し、これを上記赤色透明画像が設けられたガラス
基板の全面上に1μmの膜厚で回転塗布し、90℃で1
0分間乾燥した後、所定のマスクを精密に位置合わせを
行なった後、密着パターン露光し、上記現像液により、
非露光部を、選択的に溶解除去、乾燥し、上記赤色透明
画像に隣接するようにして、透明緑色画像を形成した。
この透明緑色画像中の顔料の粒径分布を同様にして分析
したところ、0.5μm以上の粒径を有する粒子は全粒
子の3%以下であった。
【0041】同様にして、上記ポリビニルアルコール水
溶液10重量部に、クロモブルーA3R(チバガイギー
社製青色顔料)1重量部を添加混合し、得られた混合物
を3本ロールで練肉分散した後、12000rpm で遠心
分離し、1μmのグラスフィルターで槇過した後、重ク
ロム酸アンモニウムを1wt%添加した。次いで得られた
青色感光性樹脂組成物を、上記の赤色及び緑色透明画像
が設けられたガラス基板の全面上に、1μmの膜厚で回
転塗布し、90℃10分間乾燥した後、所定のマスクを
精密に位置合わせして、密着パターン露光し、上記現像
液により、非露光部を選択的に溶解除去して乾燥し、上
記緑色透明画像に隣接するようにして、透明青色画像を
形成した。同様にして、この透明青色画像中の顔料の粒
径分布を分析したところ、0.5μm以上の粒径を有す
る粒子は、全粒子の3%以下であった。
【0042】このようにして得られた着色画像上に透明
導電膜を低温スパッタ法により800Aの膜厚で設け、
次いでポリイミドをこの上に1000Aの膜厚で塗布形
成した後、ラビング処理を行ない、対向電極となる薄膜
トランジスタと組み合せた。次いで液晶を注入してセル
の組み立てを行ない、着色画像をセル内部に形成したカ
ラー液晶表示装置に適用したところ、優れた特性が得ら
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】着色画像の分光特性を示す図であって、曲線
(a)〜(b)は本発明に係る着色画像の分光特性曲線
であり、曲線(c)は比較例に係る着色画像の分光特性
曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市 村 国 宏 茨城県つくば市松代5−630−2 (72)発明者 小 林 修三郎 東京都町田市つくし野3−4−15 (72)発明者 小 松 利 夫 神奈川県横浜市磯子区岡村2−8−5 (72)発明者 岡 崎 暁 埼玉県入間郡大井町亀久保1206−30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可視領域の特定の領域の光を透過する分光
    特性を有し、かつ、粒径1μm以上の粒子が全粒子の1
    0重量%以下であり、粒径0.01〜0.7μmの粒子
    が全粒子の30重量%以上であるような粒径分布を有す
    る顔料を分散させた感光性樹脂に光を照射したのち、現
    像することによりパターン状に塗膜形成されたものから
    なり、該塗膜形成後における前記感光性樹脂の可視領域
    の分光特性曲線における光吸収領域の光透過率が20%
    以下であり、光透過領域の光透過率が50%以上である
    ことを特徴とする、透明着色画像。
  2. 【請求項2】前記顔料が、粒径1μm以上の粒子が全粒
    子の5重量%以下であるような粒径分布を有している、
    請求項1に記載の透明着色画像。
  3. 【請求項3】前記顔料が、粒径0.01〜0.7μmの
    粒子が全粒子の50重量%以上であるような粒径分布を
    有している、請求項1に記載の透明着色画像。
  4. 【請求項4】前記感光性樹脂が、(イ)感光基を有する
    水溶性、油溶性またはアルコール溶性感光性樹脂、
    (ロ)バインダー樹脂と光架橋剤との組合せ、および
    (ハ)バインダー樹脂とモノマーまたはオリゴマーと開
    始剤との組合せ、からなる群から選ばれる、請求項1に
    記載の透明着色画像。
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