JPH06289613A - 透明着色画像形成用感光性樹脂組成物およびカラーフィルター - Google Patents

透明着色画像形成用感光性樹脂組成物およびカラーフィルター

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JPH06289613A
JPH06289613A JP7222893A JP7222893A JPH06289613A JP H06289613 A JPH06289613 A JP H06289613A JP 7222893 A JP7222893 A JP 7222893A JP 7222893 A JP7222893 A JP 7222893A JP H06289613 A JPH06289613 A JP H06289613A
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JP
Japan
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pigment
photosensitive resin
resin composition
compound
polyvinyl acetate
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Pending
Application number
JP7222893A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ito
弘 伊藤
Shuichi Nakazato
修一 中里
Takahisa Matsumura
隆久 松村
Kyoichi Sato
恭一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OJI KAKO KK
Original Assignee
OJI KAKO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 局所的な色ぬけが無く、耐光性および耐熱性
の諸特性に優れた微細パターンを有するカラーフィルタ
ーを簡便な製造工程により作製し得る透明着色画像形成
用感光性樹脂組成物を提供する。 【構成】 エチレン性不飽和基を有する化合物を、顔料
の存在下に、水中で乳化重合もしくは懸濁重合して得ら
れる顔料内填水性樹脂エマルジョンにおいて、前記樹脂
エマルジョンの保護コロイドとして作用している部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニルに、スチリルピリジニウム塩化合物
またはスチリルキノリニウム塩化合物から選ばれる少な
くとも1種の光架橋剤を付加縮合したことを特徴とする
透明着色画像形成用感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明な着色画像を形成
するための感光性樹脂組成物およびそれを利用して形成
したカラーフィルターに関する。本発明の感光性樹脂組
成物を用いて得られるカラーフィルターは、特に、カラ
ー液晶表示装置、カラーファクシミリ、三管式および単
管式カラービデオカメラ、固体カラービデオカメラなど
に装着されるカラーフィルターとして有用である。
【0002】
【従来の技術】VTR用カメラとして需要の大きいカラ
ー固体撮像素子(例えばCCD,CID,BBD等の撮
像IC)やカラー液晶表示装置等に用いられるカラーフ
ィルターは、2種以上の色相に着色された微細な領域を
固体撮像素子または透明基板上に設けることによって形
成されている。一般に、微細な領域を色相の異なる2種
以上の色に着色するには、透明な着色画像を形成しうる
感光性樹脂組成物が用いられている。
【0003】従来、感光性樹脂により2種または3種以
上の透明着色画像を形成するには、例えば、ゼラチン、
カゼイン、グリューまたは部分ケン化ポリ酢酸ビニルな
どの天然または合成高分子物質に、感光剤として重クロ
ム酸塩、ジアゾ化合物などを添加してなる感光性樹脂を
基板上に塗布し、媒染層を設ける。この媒染層を所定形
状のパターンを有するマスクを介して紫外線露光し、次
いで現像を行い、所望の染料で染色して、第1色目の着
色画像を形成する。次に、この第1透明着色画像上に、
染料の移行を防止するために疎水性樹脂からなる透明な
防染用樹脂膜を形成した後、第1透明着色画像の形成と
同様にして第2透明着色画像を形成する。上記の操作を
繰り返すことによって、2種または3種以上の色に着色
された透明着色画像が支持体上に形成される。
【0004】ところが、上記の方法によれば、各色の染
色工程毎に防染用樹脂膜の形成を必要とするため、製造
工程が極めて煩雑であり、また防染用樹脂膜によって凹
凸が生じ、着色画像の膜厚に差を生じ易いなどの欠点が
ある。さらに、ある種のカラーフィルターは、その製造
工程で加熱される場合があるが、染料自体の耐熱性、耐
光性などが一般に低いため、退色が起こるなどの欠点も
ある。
【0005】また、他に、カラーフィルターを製造する
ための最も簡便な方法として、印刷によって形成する方
法があるが、位置精度および寸法精度に限界があり、高
精度かつ高細度なカラーフィルターを製造することがで
きない。これらの問題点を解決するための有力な方法と
して、着色剤に顔料を用いてカラーフィルターを形成す
る顔料分散法が挙げられる。その製造工程としては、顔
料を分散した感光性樹脂を支持体上に塗布し、乾燥した
後に、露光し、現像後乾燥して、第一透明着色画像を形
成する。この工程を繰り返して3色の透明着色画像を形
成する。この方法は、染色法に比べると、各色毎に防染
用樹脂膜の形成を必要としないため製造工程が短く簡単
であり、また顔料を用いているために耐熱性および耐光
性に優れているなどの利点から、多くの試みがなされて
いる。例えば、特開昭60−237403、特開昭61
−254906、特開平2−153353号等に開示さ
れる如き、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂やアクリル
樹脂に顔料を分散させた方法を挙げることができる。し
かし、一般に、顔料を高濃度で安定性良く分散させるの
は困難であり、顔料粒子が沈降したり、経日によって再
凝集してしまう。また、分散剤を使用しても、分散剤の
影響によって支持体と着色画像の接着が悪くなったり、
着色画像の耐水性、耐溶剤性や耐薬品性が悪くなるなど
の問題が起きやすい。また、顔料分散法によるカラーフ
ィルターは、露光後の現像処理が難しいという問題があ
る。例えば、現像時の切れ味が悪く形成パターンの縁に
頑固な残膜を残したり、未露光部分の全面に薄膜状の残
渣を残すものがある。これらをすべて取り除くために
は、ブラシ、スポンジ等で物理的な処理を行わなければ
ならない。その為にパターン自体にはがれ、脱落などの
ダメージを与えてしまうことが多く、カラーフィルター
の歩留りを悪くする。
【0006】さらに、特開昭60−129738、特開
昭60−129739、特開昭60−129707等に
開示される如き、水現像可能な部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ルに顔料を分散させて着色画像を形成させる方法が検討
されているが、この場合も、顔料の分散性が問題にな
り、顔料粒子が沈降してしまう欠点、経日によって再凝
集してしまう欠点、顔料はもともと部分ポリケン化酢酸
ビニルでは十分に分散されにくいという欠点、および塗
工面上に顔料が無い部分が局所的に形成される欠点等が
有り、均一な着色画像が得られない。また分散剤を添加
して分散性を改良しても、分散剤の影響によって支持体
と着色画像の接着が悪くなるなどの問題を起し易い。ま
た、この方法による感光性樹脂組成物も、分散性が悪い
ためか、乾燥皮膜形成後の水再溶解性が悪く、未露光部
分に色残りすることがある。さらに、ある種のカラーフ
ィルターでは、製造工程において真空蒸着およびオーバ
ーコート層の形成等を行う際に、カラーフィルターが2
00〜300℃の高温にさらされるため、バインダー樹
脂である部分ケンポリ酢酸ビニルが着色してしまう等の
問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の技術に伴う欠点を一挙に解決しようとするもので
あって、以下のような目的を有する。 1.各色毎に防染用樹脂層を形成することなく、支持体
上に複数色の着色パターンを形成することができる透明
着色画像形成用感光性樹脂組成物およびこれを用いたカ
ラーフィルターを提供すること。 2.顔料が高濃度で安定性良く分散されていて、色抜け
などのない均質な透明着色画像を形成することができる
透明着色画像形成用感光性樹脂組成物およびこれを用い
たカラーフィルターを提供すること。 3.感光性樹脂を光架橋して画像を形成する際、水現像
が可能で、未露光部分の現像除去が速やかにできる透明
着色画像形成用感光性樹脂組成物およびこれを用いたカ
ラーフィルターを提供すること。 4.耐熱性と耐薬品性に優れた透明着色画像を形成し得
る透明着色画像形成用感光性樹脂組成物およびこれを用
いたカラーフィルターを提供すること。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため、本発明による感光性樹脂組成物は、エチレン
性不飽和基を有する化合物を、顔料の存在下に、水中で
乳化重合もしくは懸濁重合して得られる顔料内填水性樹
脂エマルジョンにおいて、前記樹脂エマルジョンの保護
コロイドである部分ケン化ポリ酢酸ビニルに、式(1)
で示されるスチリルピリジニウム塩化合物またはスチリ
ルキノリニウム塩化合物から選ばれる少なくとも1種の
感光性化合物を付加縮合したことを特徴とする。
【0009】
【化4】
【0010】{式中、Yは下記式(2)および(3)、
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R1 は水素原子、置換されていな
いアルキル基、ヒドロキシル基、カルバモイル基および
エーテル結合基から選ばれた一員を表し、R2 は水素原
子および低級アルキル基から選ばれた一員を表し、X-
は陰イオンを表す)で示される基から選ばれた一員を表
す}従来、特開昭58−7646号、特開昭59−33
302号、特開昭62−288632号、特開平2−1
87402号等に開示される如く、エチレン性不飽和基
を有する化合物中に顔料を分散させ、この配合物を保護
コロイド剤の存在下、水性媒体中で懸濁加熱重合して、
顔料内填水性樹脂エマルジョンおよび着色微粒子が得ら
れることは知られている。しかし、いずれの場合も、そ
れらは、塗料用途あるいはトナー用途に用いられるもの
であり、単なる着色や隠蔽を目的としたものであった。
【0014】前記方法による顔料内填水性樹脂エマルジ
ョンの乾燥皮膜の透明性は、エチレン性不飽和基を有す
る化合物に対する顔料の分散性が不完全なものであるた
めに、低いと考えられていた。そのため、皮膜の高い透
明性が要求されるカラーフィルター等の着色感光性樹脂
組成物の材料として、前記顔料内填水性樹脂エマルジョ
ンは不適当であると考えられていた。
【0015】しかし、本発明者らは、前記顔料内填水性
樹脂エマルジョンの乾燥皮膜の透明性は、予想に反して
高いものであり、充分にカラーフィルター用途の材料と
なり得ることを見出した。この理由は、エチレン性不飽
和基を有する化合物中に不完全に分散している顔料で
も、エチレン性不飽和基を有する化合物を乳化させる保
護コロイド剤等で乳化させることによって、エチレン性
不飽和基を有する化合物が乳化するにつれて、同時に顔
料もエチレン性不飽和基を有する化合物中に完全に分散
してしまうため、透明性が高くなることによるものと考
えられる。あるいは、高い透明性が得られる程度まで、
不完全に顔料を分散させているエチレン性不飽和基を有
する化合物自体が微小粒子径になるためと考えられる。
【0016】しかして、本発明者らは、前記顔料内填水
性樹脂エマルジョンの粒径を、入射される光の波長以下
にすれば、得られる乾燥皮膜の透明性がさらに高められ
ることを見出すとともに、顔料内填水性樹脂エマルジョ
ンと光架橋剤を組み合せた感光性樹脂組成物を用いてカ
ラーフィルターを形成することによって、前記目的が達
成されることを見出し、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0017】即ち、本発明の透明着色画像形成用感光性
樹脂組成物は、顔料をエチレン性不飽和基を有する化合
物中に分散させ、乳化重合もしくは懸濁重合を行うこと
により、エマルジョン粒子内に顔料を固定化することに
より得られ、これを用いることにより、顔料の凝集、沈
降を防ぎ、高い分散安定性を得て、色抜け等のない、均
質な透明着色画像を有するカラーフィルターを形成する
ことができる。
【0018】また、顔料粒子が完全に連続ポリマー被覆
層により包含されるため、ポリマー皮膜により光による
退色を防ぎ、かつ、顔料の帯電性を防止する効果をも期
待できることがわかった。また、本発明者らは、当初、
顔料の分散安定性を改良することにより、同時に、水溶
解性の優れた着色感光性樹脂組成物が得られると考えて
いた。ところが、前記顔料内填水性樹脂エマルジョンを
用いてガラス基板上に乾燥皮膜を作り、スプレー洗浄し
たところ、ガラス基板上全面に薄膜状に顔料残渣が残っ
た。また、後に実施例2で示すように、ジアゾ化合物ま
たは重クロム酸塩などの感光性化合物を添加しても、同
様の結果であった。そこで、水溶解性を上げるための手
段として、エマルジョン中の保護コロイドとして作用し
ている部分ケン化ポリ酢酸ビニルの増量およびエマルジ
ョンと部分ケン化ポリ酢酸ビニル溶液の混合をそれぞれ
検討した。しかし、少量の部分ケン化ポリ酢酸ビニルの
増量および混合では効果がなく、大量に加えた場合に
は、着色感光性樹脂組成物の色濃度を低下させることに
なった。
【0019】また、光架橋剤として、上記顔料内填水性
樹脂エマルジョンの保護コロイドである部分ケン化ポリ
酢酸ビニルにスチリルピリジニウム塩化合物もしくはス
チリルキノリニウム塩化合物を付加縮合させて、感光性
樹脂組成物とする方法に関して、本発明者らは、次のよ
うに考えていた。即ち、部分ケン化ポリ酢酸ビニルとス
チリルピリジニウム塩化合物またはスチリルキノリニウ
ム塩化合物とからなる感光性樹脂組成物は、部分ケン化
ポリ酢酸ビニルに対するスチリルピリジニウム塩化合
物、またはスチリルキノリニウム塩化合物の導入率を増
加すると、著しく増粘して、乾燥皮膜の水溶解性も低下
する傾向がある。従って、前記顔料内填水性樹脂エマル
ジョンの保護コロイドである部分ケン化ポリ酢酸ビニル
にスチリルピリジニウム塩化合物またはスチリルキノリ
ニウム塩化合物を付加縮合させると、さらに現像が困難
になるものと考えていた。ところが、前記顔料内填水性
樹脂エマルジョンの保護コロイドである部分ケン化ポリ
酢酸ビニルにスチリルピリジニウム塩化合物またはスチ
リルキノリニウム塩化合物を付加縮合させた感光性樹脂
組成物を用いて着色画像を形成すると、簡単に水現像が
できて、未露光部分の顔料残渣は認められなかったので
ある。
【0020】従って、本発明者らは、光架橋剤として、
前記顔料内填水性樹脂エマルジョンの保護コロイドであ
る部分ケン化ポリ酢酸ビニルにスチリルピリジニウム塩
化合物またスチリルキノリニウム塩化合物を付加縮合さ
せて得た感光性樹脂組成物を用いれば、カラーフィルタ
ーなどの複数色の透明着色画像を形成するにあたって、
水現像が可能であり、未露光部分の現像除去が完全で、
支持体上に顔料残渣を残さないという効果を見出したも
のである。
【0021】さらに、乳化重合または懸濁重合の保護コ
ロイドとして、部分ケン化ポリ酢酸ビニルを用いること
により、文献 "Emulsion Polymerization of Vinyl Ace
tate", APPLIED SCIENCE PUBLISHERS に示されるよう
に、エチレン性不飽和基を有する化合物とポリ酢酸ビニ
ルケン化物の酢酸残基が化学的または物理的にグラフト
して、若干の架橋が生じているため、単に溶解して水中
に部分ケン化ポリ酢酸ビニルが遊離している場合に比較
して耐熱性が向上するなどの、従来期待できなかった効
果を有することがわかった。さらに、特公昭44−25
794号および特開昭63−81101号に開示される
如く、反応性不飽和基を有する部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル誘導体を保護コロイドとして用いて乳化重合または懸
濁重合を行うことによって、エチレン性不飽和基を有す
る化合物とのグラフト化率が増し、つまり耐熱性が増す
ことがわかった。また、反応性不飽和基を有する部分ケ
ン化ポリ酢酸ビニル誘導体自体が、エチレン性不飽和基
を有する化合物に対し乳化作用を有するため、界面活性
剤をほとんど使用しないか、使用しても比較的少ない量
で安定な水性樹脂エマルジョンが得られ、従って接着
性、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性などが良好であること
もわかった。
【0022】本発明において、顔料は予めエチレン性不
飽和基を有する化合物中に含有される。用いられる顔料
は、有機および無機のいずれであってもよいが、耐熱
性、耐光性および耐溶剤性に優れているのが望ましい。
有機顔料の例としては、アゾ系、フタロシアニン系、ベ
ンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、イソインドリノ
ン系、ピランスロン系、ジブロムアンザンスロン系、イ
ンダスロン系、アンスラピリミジン系、フラバスロン
系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、フタロ
ン系、チオインジゴ系、インジゴ系、ジオキサジン系、
アントラキノン系、キサンテン系、メチン系、アゾメチ
ン系の顔料およびその他の金属錯体系を含む縮合多環系
顔料等を挙げることができる。無機顔料の例としては、
ミロリブルー、酸化鉄、コバルト紫、マンガン紫、群
青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、ビリジ
アン、エメラルドグリーン、コバルトグリーン等を挙げ
ることができ、これらから1種または2種以上を適宜選
択して用いることができる。
【0023】これらの有機および無機顔料は、光透過
性、膜表面の均一性等の観点から、その粒径が0.7μ
m以下、好ましくは0.1μm以下であって、可視光の
波長に対して十分小さいものであるのがよい。次に、エ
チレン性不飽和基を有する化合物は、エチレン性不飽和
基を分子内に1個または2個以上有する化合物であり、
例えば、アクリル酸アルキルエステル類(例えば、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸−2−エチルヘキシル等)、メタクリル酸ア
ルキルエステル類(例えば、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−
2−エチルヘキシル等)、エポキシアクリレート類(メ
タクリレートを含む)、ウレタンアクリレート類(メタ
クリレートを含む)、ポリエーテルアクリレート類(メ
タクリレートを含む)、ポリエステルアクリレート類
(メタクリレートを含む)、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、イタコン酸、
アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、
アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシ
エチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミド、アクリロニトリル、
スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、ビニルト
ルエン、ビニルピリジン、2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピルアクリレート、p−ノニルフェノキシエチ
ルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−アク
リルオキシ−3−メタクリルオキシプロパン、3−ブチ
レングリコールジメタクリレート、2,2−ビス〔4
(アクリルオキシ−ポリエトキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4(メタクリルオキシ−ポリエトキ
シ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン、塩化ビニル、臭化ビニル、
塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等を挙げることがで
き、これらは単独でまたは2種以上の組み合せで用いる
ことができる。
【0024】但し、分子内にエチレン性不飽和基を1個
有する、いわゆる1官能性化合物と顔料の組合せによっ
て重合された顔料内填水性樹脂エマルジョンは、エマル
ジョン粒子内の架橋密度が低いために、造膜温度が低
く、乾燥による皮膜形成時に粒子同士が融着を起こし、
水再溶解性が低下し、未露光部分が完全に現像除去でき
ず、色が残ることがある。
【0025】一方、分子内にエチレン性不飽和基を2個
以上有する、いわゆる多官能性化合物と1官能性化合物
の組合せまたは多官能性化合物同士の組合せによって、
エマルジョン粒子内の架橋密度を適当に高くした、つま
り、造膜温度を高くした顔料内填水性樹脂エマルジョン
は、乾燥時に粒子同士の融着による造膜もなく、水再溶
解性が良好で現像不良の問題も起こらない等の長所を有
する。
【0026】顔料の含有比率は、顔料の重量(A)と、
エチレン性不飽和基を有する化合物の重量(B)の比
が、A:B=1:99〜80:20、好ましくはA:B
=10:90〜60:40の範囲内であるのがよく、こ
の含有比率は顔料の分光特性および顔料による着色濃度
を考慮して決められる。顔料を含有するエチレン性不飽
和基を有する化合物の調製は、顔料をエチレン性不飽和
基を有する化合物中に添加し、攪拌混合した後、ホモミ
キサー、ボールミル、ロールミル、サンドグラインダー
等を用いて十分に分散させ、次いでフィルターにて粒子
径の大きいものを除去することにより行う。尚、分散時
に、少量の分散剤を用いてもよい。顔料粒子径が可視光
波長(0.4μm〜0.7μm)より小さくなるように
分散させるのがよく、特に赤色顔料は0.5μm以下、
緑色顔料は0.3μm以下、青色顔料は0.2μm以下
にするのが好ましい。
【0027】次に、前記顔料を含有するエチレン性不飽
和基を有する化合物を用い、常法に従い乳化重合または
懸濁重合を行う。ここで有用な重合開始剤としては、例
えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオ
キサイド、コハク酸パーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、過酸化水素等の過酸化物、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−
アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物、過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸化合物、過塩素
酸化合物等および前記過硫酸化合物と還元性スルホキシ
化合物との組合せ、過塩素酸化合物と還元性スルホキシ
化合物との組合せ等のレドックス系触媒が挙げられる。
【0028】また、ここで用いられる保護コロイドとし
ては、ケン化度70〜99モル%、重合度300〜40
00である部分ケン化ポリ酢酸ビニル、または、特開昭
63−81101号に開示される如き反応性不飽和基を
有する部分ケン化ポリ酢酸ビニル誘導体を挙げることが
できる。また、場合によっては、前記水溶性高分子等の
保護コロイドと、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活
性剤、両性界面活性剤または非イオン界面活性剤から選
ばれる1種以上の界面活性剤を併用して重合してもよ
い。
【0029】ただし、これら界面活性剤を多く用いる
と、透明着色画像の耐水性や、支持体との接着性に悪影
響を与えるので、使用しても比較的少量で用いることが
望ましい。次に、乳化重合または懸濁重合することによ
って得られた前記顔料内填水性樹脂エマルジョンを用い
て感光性樹脂組成物の調製を行う。ここで考えられる感
光性樹脂組成物の構成としては、例えば、以下の如きも
のがある。
【0030】1.部分ケン化ポリ酢酸ビニルを保護コロ
イド剤として重合せしめた前記顔料内填水性樹脂エマル
ジョンの保護コロイド剤として作用している部分ケン化
ポリ酢酸ビニルにスチリルピリジニウム塩化合物または
スチリルキノリニウム塩化合物から選ばれる1種または
それ以上の感光性化合物が付加縮合された感光性エマル
ジョン。尚、この感光性樹脂組成物に、ジアゾ化合物ま
たは重クロム酸塩を混合して使用することも可能であ
る。
【0031】2.部分ケン化ポリ酢酸ビニルを保護コロ
イド剤として重合せしめた前記顔料内填水性樹脂エマル
ジョンの保護コロイド剤として作用している部分ケン化
ポリ酢酸ビニルに、スチリルピリジニウム塩化合物また
はスチリルキノリニウム塩化合物から選ばれる1種また
はそれ以上の感光性化合物塩化合物が付加縮合された感
光性エマルジョンと、部分ケン化ポリ酢酸ビニルに、ス
チリルピリジニウム塩化合物またはスチリルキノリニウ
ム塩化合物から選ばれる1種またはそれ以上の感光性化
合物が付加縮合された感光性ポリマーとの混合体。尚、
この感光性樹脂組成物に、ジアゾ化合物または重クロム
酸塩を混合して使用することも可能である。
【0032】3.光重合開始剤を溶解させたアクリル酸
エステルおよびメタクリル酸エステルから選ばれる1種
またはそれ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を
部分ケン化ポリ酢酸ビニルを保護コロイド剤として重合
せしめた前記顔料内填水性樹脂エマルジョンの保護コロ
イド剤として作用している部分ケン化ポリ酢酸ビニル
に、スチリルピリジニウム塩化合物またはスチリルキノ
リニウム塩化合物から選ばれる1種またはそれ以上の感
光性化合物が付加縮合された感光性エマルジョンを用い
て乳化した乳化分散液。尚、光重合開始剤を溶解させた
エチレン性不飽和基を有する化合物中に顔料を分散させ
てもあるいは分散させなくともよいが、顔料を分散させ
た場合には着色濃度が高くなるという利点がある。ま
た、上記感光性樹脂組成物に、ジアゾ化合物または重ク
ロム酸塩を混合して使用することも可能である。
【0033】4.部分ケン化ポリ酢酸ビニルを保護コロ
イド剤として重合せしめた前記顔料内填水性樹脂エマル
ジョンの保護コロイド剤として作用している部分ケン化
ポリ酢酸ビニルに、スチリルピリジニウム塩化合物また
はスチリルキノリニウム塩化合物から選ばれる1種また
はそれ以上の感光性化合物が付加縮合された感光性エマ
ルジョンと、光重合開始剤を溶解させたアクリル酸エス
テルおよびメタクリル酸エステルから選ばれる1種また
はそれ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を部分
ケン化ポリ酢酸ビニルにスチリルピリジニウム塩化合物
またはスチリルキノリニウム塩化合物から選ばれる1種
またはそれ以上の感光性化合物が付加縮合された感光性
ポリマーを用いて乳化した乳化分散液との混合体。尚、
光重合開始剤を溶解させたエチレン性不飽和基を有する
化合物中に顔料を分散させてもあるいは分散させなくと
もよいが、顔料を分散させた場合には着色濃度が高くな
るという利点がある。また、上記感光性樹脂組成物に、
ジアゾ化合物または重クロム酸塩を混合して使用するこ
とも可能である。
【0034】5.部分ケン化ポリ酢酸ビニルを保護コロ
イド剤として重合せしめた前記顔料内填水性樹脂エマル
ジョンと、部分ケン化ポリ酢酸ビニルにスチリルピリジ
ニウム塩化合物またはスチリルキノリニウム塩化合物か
ら選ばれる1種またはそれ以上の感光性化合物が付加縮
合された感光性ポリマーとの混合体。尚、この感光性樹
脂組成物に、ジアゾ化合物または重クロム酸塩を混合し
て使用することも可能である。
【0035】6.部分ケン化ポリ酢酸ビニルを保護コロ
イド剤として重合せしめた前記顔料内填水性樹脂エマル
ジョンと光重合開始剤を溶解させたアクリル酸エステル
およびメタクリル酸エステルから選ばれる1種またはそ
れ以上のエチレン性不飽和化合物を、部分ケン化ポリ酢
酸ビニルにスチリルピリジニウム塩化合物またはスチリ
ルキノリニウム塩化合物から選ばれる1種またはそれ以
上の感光性化合物が付加縮合された感光性ポリマーを用
いて乳化した乳化分散液。尚、光重合開始剤を溶解させ
たエチレン性不飽和基を有する化合物中に顔料を分散さ
せてもあるいは分散させなくともよいが、顔料を分散さ
せた場合には着色濃度が高くなるという利点がある。ま
た、上記感光性樹脂組成物に、ジアゾ化合物または重ク
ロム酸塩を混合して使用することも可能である。
【0036】また、上記1〜6の感光性樹脂組成物中、
顔料内填水性樹脂エマルジョンの保護コロイド剤を、部
分ケン化ポリ酢酸ビニルの代わりに、特公昭44−25
794号および特開昭63−81101号に開示されて
いる如く、反応性不飽和基を有する部分ケン化ポリ酢酸
ビニル誘導体を用いて、乳化重合または懸濁重合しても
よく、この場合エチレン性不飽和基とのグラフト化率が
増し、耐熱性が向上するなどの利点がある。
【0037】さらに、本発明の感光性樹脂組成物、前記
1〜6の構成から、下記7〜8のような感光性樹脂組成
物の構成も容易に考えられる。
【0038】7.陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活
性剤、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤から選
ばれる1種またはそれ以上の界面活性剤を乳化安定剤と
して重合せしめた前記顔料内填水性樹脂エマルジョン
と、部分ケン化ポリ酢酸ビニルにスチリルピリジニウム
塩化合物またはスチリルキノリニウム塩化合物から選ば
れる1種またはそれ以上の感光性化合物が付加縮合され
た感光性ポリマーとの混合体。尚、この感光性樹脂組成
物に、ジアゾ化合物または重クロム酸塩を混合して使用
することも可能である。
【0039】8.陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活
性剤、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤から選
ばれる1種またはそれ以上の界面活性剤を乳化安定剤と
して重合せしめた前記顔料内填水性樹脂エマルジョン
と、光重合開始剤を溶解させたアクリル酸エステルおよ
びメタクリル酸エステルから選ばれる1種またはそれ以
上のエチレン性不飽和基を有する化合物を、部分ケン化
ポリ酢酸ビニルにスチリルピリジニウム塩化合物または
スチリルキノリニウム塩化合物から選ばれる1種または
それ以上の感光性化合物が付加縮合された感光性ポリマ
ーを用いて乳化した乳化分散液。尚、光重合開始剤を溶
解させたエチレン性不飽和基を有する化合物中に顔料を
分散させてもあるいは分散させなくともよいが、顔料を
分散させた場合には着色濃度が高くなるという利点があ
る。また、上記感光性樹脂組成物に、ジアゾ化合物また
は重クロム酸塩を混合して使用することも可能である。
【0040】尚、前記1〜8の感光性樹脂組成物中に、
この種の感光性樹脂組成物に通常含まれる添加剤、例え
ば、消泡剤、はじき防止剤、防腐剤、熱重合禁止剤、レ
ベリング剤等を任意に添加してもよい。また、上記1〜
8の感光性樹脂組成物中に、界面活性剤等の分散剤によ
って分散された有機顔料または無機顔料を更に添加し
て、着色濃度等を調整して使用することも可能である。
【0041】以上のように調製された顔料を含有する感
光性樹脂組成物の支持体への塗布は、例えば、回転塗布
法、ロールコート法、浸漬法、スプレー法、印刷法等の
方法により、乾燥時の膜厚が0.1〜10μm、好まし
くは0.5〜3μm程度になるようにして行う。塗布膜
の乾燥は、熱風乾燥器、ホットプレート等により行い、
乾燥した後に、ドツトパターン、ストライプパターン等
の所定形状のマスクを密着させ、このマスクを介して、
キセノンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀灯
などの光源を用いてパターン露光する。次いで、水でス
プレー現像するかまたは浸漬現像することによって非露
光部を選択的に除去すればよい。同様な操作を複数回繰
り返すことによって、防染用樹脂膜を形成することな
く、複数色の透明着色画像を支持体上に設けることがで
きる。
【0042】なお、支持体としては、透明ガラス、透明
樹脂フィルム、金属版、セラミック板、光電変換素子で
ある固体撮像素子などを用いることができる。また、透
明着色画像の形成は、直接支持体上に行ってもよいが、
ブラックマトリクスを形成した支持体上あるいは下塗り
剤等の中間層を設けた支持体上に間接的に透明着色画像
を形成してもよい。さらに、透明着色画像を形成した上
に、何らかのカバーコート層を設けても何らさしつかえ
ない。
【0043】このようにして得られた透明着色画像は、
200℃で数十分間加熱しても、その分光透過率特性が
ほとんど変化せず、優れた耐熱性を有している。尚、一
般の有機染色画像は、200℃で数十分間加熱されると
大きく退色する。さらに、十分窒素置換された条件下で
は、前記透明着色画像を、250℃で数十分間加熱して
も、その分光透過率特性はほとんど変化しない。
【0044】また、耐光性においても、有機染色画像と
比較して、3〜4倍程度に退色現象が改善されている。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。
【0046】実施例1 操作1 有機顔料として、クロモフタルブルー4GNP(チバガ
イギー社製、青色顔料)20重量部を、ブチルアクリレ
ート50重量部、2−エチルヘキシルアクリレート20
重量部および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
10重量部と混合し、顔料粒子径が0.2μm以下にな
るように十分に分散させ、青色顔料含有オリゴマーを得
た。
【0047】次いで、この青色顔料含有オリゴマー10
0重量部に、熱重合開始剤として2,2′−アゾビスイ
ソブチルニトリル0.5重量部を添加し、保護コロイド
剤として平均重合度1700、ケン化度88モル%の部
分ケン化ポリ酢酸ビニルの10重量%水溶液110重量
部を用いて、常法に従い懸濁重合を行った。この合成し
た青色顔料内填水性樹脂エマルジョンの粒子径は0.5
μ以下であり、青色顔料粒子はエマルジョン粒子内に固
定され、エマルジョン粒子の分散状態は3ケ月以上の長
期にわたり変化が認められなかった。
【0048】固形分濃度20重量%に調整された前記青
色顔料内填水性樹脂エマルジョン100重量部に、N−
メチル−4−(p−ホルミルスチリル)ピリジニウムメ
ト硫酸塩0.2重量部を常法に従い付加縮合させ、青色
感光性樹脂組成物を得た。次いで、添付の図1〜3に示
すようにして、青色透明着色画像の調製を行った。先
ず、上記青色感光性樹脂組成物1を透明ガラス基板2上
に乾燥膜厚1μmになるように塗布し(図1)、乾燥し
た後、所定形状を有するマスク3を介して紫外線4によ
りパターン露光し、現像および乾燥を行い(図2)、青
色透明着色画像5を形成した(図3)。青色感光性樹脂
組成物の乾燥皮膜は、水再溶解性が優れており、従って
未露光部分を完全に現像除去できて、ガラス基板上には
着色パターン以外の色残りは全く認められなかった。形
成した青色透明着色画像は、ガラス基板との密着が良好
であり、また局所的な色抜けなどの無い均一な画像であ
った。
【0049】このようにして得られた青色透明着色画像
の透過率は、460nmにおいて75%、620nmにおい
て5%であった。この青色透明着色画像を200℃で6
0分間加熱しても、その分光透過率特性は、ほとんど変
化しなかった。また、キセノンフェード・オ・メーター
によって1000時間の耐光性試験を行ったが、ピーク
透過率変化5%以内、ピーク波長シフト5nm以内と極く
わずかの変化しか認められなかった。
【0050】操作2 有機顔料として、クロモフタルグリーンGFN(チバガ
イギー社製、緑色顔料)を用い、操作1と同様にして緑
色顔料内填水性樹脂エマルジョンを得た。このエマルジ
ョン粒子も操作1の場合と同様に長期にわたり安定であ
った。また、操作1と同様にして調製した緑色感光性樹
脂組成物を用いて、緑色透明着色画像を形成した。緑色
感光性樹脂組成物の乾燥皮膜は、水再溶解性が優れてお
り、従って未露光部分を完全に現像除去できて、ガラス
基板上には着色パターン以外の色残りは全く認められな
かった。形成した緑色透明着色画像は、ガラス基板との
密着が良好であり、また局所的な色抜けなどの無い均一
な画像であった。
【0051】このようにして得られた緑色透明着色画像
の透過率は、540nmにおいて75%、640nmにおい
て3%であった。さらに、緑色透明着色画像を200℃
で60分間加熱しても、その分光透過率特性はほとんど
変化せず良好であり、キセノンフェード・オ・メーター
による1000時間の耐光性試験の結果も良好であっ
た。
【0052】操作3 有機顔料として、クロモフタルレッドA2B(チバガイ
ギー社製、赤色顔料)を用い、操作1と同様にして赤色
顔料内填水性樹脂エマルジョンを得た。このエマルジョ
ン粒子も操作1の場合と同様に長期にわたり安定であっ
た。また、操作1と同様にして調製した赤色感光性樹脂
組成物を用いて、赤色透明着色画像を形成した。赤色感
光性樹脂組成物の乾燥皮膜は、水再溶解性が優れてお
り、従って未露光部分を完全に現像除去できて、ガラス
基板上には着色パターン以外の色残りは全く認められな
かった。形成した赤色透明着色画像は、ガラス基板との
密着が良好であり、また局所的な色抜けなどの無い均一
な画像であった。
【0053】このようにして得られた赤色透明着色画像
の透過率は、630nmにおいて85%、540nmにおい
て5%であった。さらに、赤色透明着色画像を200℃
で60分間加熱しても、その分光透過率特性はほとんど
変化せず良好であり、キセノンフェード・オ・メーター
による1000時間の耐光性試験の結果も良好であっ
た。
【0054】操作4 操作1、2および3で調製した、青色、緑色および赤色
感光性樹脂組成物を用い、パターンニングを繰り返すこ
とによって、透明ガラス基板上に青色、緑色および赤色
の3色のモザイクパターン状の透明着色画像5、6、7
を有するカラーフィルターを形成した(図4)。得られ
た着色画像上に透明導電膜を形成し、配向処理を施し、
対向電極となる薄膜トランジスタと組み合せた。次い
で、液晶を注入してセルの組み立てを行い、フルカラー
液晶表示装置に適用したところ、優れた特性が得られ
た。
【0055】実施例2 操作1 実施例1の操作1と同様にして、青色顔料内填水性樹脂
エマルジョンを合成した。固形分濃度20重量部%に調
整された前記青色顔料内填水性樹脂エマルジョン100
重量部に、重クロム酸アンモニウムを0.2重量部添加
し、青色感光性樹脂組成物を得た。
【0056】上記青色感光性樹脂組成物を用いて実施例
1の操作1と同様にして青色透明着色画像を形成した。
上記青色感光性樹脂組成物の乾燥皮膜は、水溶解性が悪
いため、未露光部分を水現像によって完全に除去するこ
とは、難しく、ガラス基板全面に薄膜状の青色残渣を残
す傾向にあった。この場合、現像機のスプレー圧を高く
するか、あるいは現像後、ブラシおよびスポンジ等によ
って研磨することにより、未露光部分の残膜の除去が可
能である。但し、上記の現像処理によって画像のはが
れ、脱落などが生じることが多く、収率が悪くなる。こ
のようにして得られた画像の諸特性は、実施例1の操作
1のそれと同様に良好であった。
【0057】操作2 実施例1の操作2と同様にして、緑色顔料内填水性樹脂
エマルジョンを合成した。固形分濃度20重量部%に調
製された前記緑色顔料内填水性樹脂エマルジョン100
重量部に、重クロム酸アンモニウムを0.2重量部添加
し、緑色感光性樹脂組成物を得た。
【0058】上記緑色感光性樹脂組成物を用いて実施例
1の操作2と同様にして緑色透明着色画像を形成した。
現像性が低下することを除いて、得られた画像の諸特性
は、実施例1の操作2のそれと同様に良好であった。
【0059】操作3 実施例1の操作3と同様にして、赤色顔料内填水性樹脂
エマルジョンを合成した。固形分濃度20重量部%に調
製された前記赤色顔料内填水性樹脂エマルジョン100
重量部に、重クロム酸アンモニウムを0.2重量部添加
し、赤色感光性樹脂組成物を得た。
【0060】上記赤色感光性樹脂組成物を用いて実施例
1の操作3と同様にして赤色透明着色画像を形成した。
現像性が低下することを除いて、得られた画像の諸特性
は、実施例1の操作3のそれと同様に良好であった。
【0061】操作4 上記の操作1、2および3で調製した、青色、緑色およ
び赤色感光性樹脂組成物を用い、実施例1の操作4と同
様にしてカラーフィルターを形成した。次いで同様にフ
ルカラー液晶表示装置を適用したところ、優れた特性が
得られた。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、エチレン性不飽和基を
有する化合物を、顔料の存在下に、水中で乳化重合もし
くは懸濁重合して得られる顔料内填水性樹脂エマルジョ
ンの保護コロイドである部分ケン化ポリ酢酸ビニルにス
チリルピリジニウム塩化合物またはスチリルキノリニウ
ム塩化合物から選ばれる1種またはそれ以上の感光性化
合物が付加縮合したことを特徴とする感光性樹脂組成物
を用いることによって、局所的な色ぬけが無く、耐光性
および耐熱性の諸特性に優れた微細パターンを有するカ
ラーフィルターを、簡便な製造工程により作製すること
が可能となる。
【0063】従って、性能の良好なカラーフィルターを
必要とする広範囲な各種デバイスへの適用が可能とな
り、諸特性の優れたカラーデバイスを作製することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明着色画像形成用感光性樹脂組成物
によるカラーフィルターの製造プロセスの実施例におけ
る第1の工程を示す断面図である。
【図2】本発明の透明着色画像形成用感光性樹脂組成物
によるカラーフィルターの製造プロセスの実施例におけ
る第2の工程を示す断面図である。
【図3】本発明の透明着色画像形成用感光性樹脂組成物
によるカラーフィルターの製造プロセスの実施例におけ
る第3の工程を示す断面図である。
【図4】上記実施例で得られた本発明の透明着色画像形
成用感光性樹脂によるカラーフィルターの断面図であ
る。
【符号の説明】
1…感光性樹脂組成物 2…ガラス基板 3…フォトマスク 4…紫外線 5…青色のカラーフィルターパターン 6…緑色のカラーフィルターパターン 7…赤色のカラーフィルターパターン
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09F 9/30 7610−5G // C08F 299/00 MRN 7442−4J (72)発明者 佐藤 恭一 栃木県宇都宮市平出工業団地27−2 王子 化工株式会社商品研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和基を有する化合物を、
    顔料の存在下に、水中で乳化重合もしくは懸濁重合して
    得られる顔料内填水性樹脂エマルジョンにおいて、前記
    樹脂エマルジョンの保護コロイドとして作用している部
    分ケン化ポリ酢酸ビニルに、式(1)で示されるスチリ
    ルピリジニウム塩化合物またはスチリルキノリニウム塩
    化合物から選ばれる少なくとも1種の光架橋剤を付加縮
    合したことを特徴とする透明着色画像形成用感光性樹脂
    組成物。 【化1】 {式中、Yは下記式(2)および(3)、 【化2】 【化3】 (式中、R1 は水素原子、置換されていないアルキル
    基、ヒドロキシル基、カルバモイル基およびエーテル結
    合基から選ばれた一員を表し、R2 は水素原子および低
    級アルキル基から選ばれた一員を表し、X- は陰イオン
    を表す)で示される基から選ばれた一員を表す}
  2. 【請求項2】 前記式(1)で示されるスチリルピリジ
    ニウム塩化合物またはスチリルキノリニウム塩化合物を
    付加縮合した部分ケン化ポリ酢酸ビニルをさらに添加し
    てなる請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 光重合開始剤および顔料を含むアクリル
    酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選ばれる少
    なくとも1種のエチレン性不飽和基を有する化合物をさ
    らに添加してなる請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 光重合開始剤および顔料を含むアクリル
    酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選ばれる少
    なくとも1種のエチレン性不飽和基を有する化合物と、
    および前記式(1)で示されるスチリルピリジニウム塩
    化合物またはスチリルキノリニウム塩化合物を付加縮合
    した部分ケン化ポリ酢酸ビニルとをさらに添加してなる
    請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性
    樹脂組成物を光架橋させて得られた、複数色のパターン
    が支持体上に設けられていることを特徴とするカラーフ
    ィルター。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19827684A1 (de) * 1998-04-14 1999-11-04 Samsung Display Devices Co Ltd Verfahren zur Bildung eines Rotfilterfilms in einer Kathodenstrahlröhre
JP2001352157A (ja) * 2000-06-06 2001-12-21 Goo Chemical Co Ltd スルーホール付きプリント配線板製造用の光硬化型孔埋めインク及びこれを用いたスルーホール付きプリント配線板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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