JPH0627226B2 - 結晶性プロピレン重合体組成物およびそれを用いた容器 - Google Patents

結晶性プロピレン重合体組成物およびそれを用いた容器

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JPH0627226B2
JPH0627226B2 JP63255588A JP25558888A JPH0627226B2 JP H0627226 B2 JPH0627226 B2 JP H0627226B2 JP 63255588 A JP63255588 A JP 63255588A JP 25558888 A JP25558888 A JP 25558888A JP H0627226 B2 JPH0627226 B2 JP H0627226B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、結晶性プロピレン重合体組成物および該組成
物を用いた容器に関する。さらに詳しくは、剛性、耐熱
剛性および透明性に優れた成形品が得られる結晶性プロ
ピレン重合体組成物およびそれを用いた容器に関する。
(従来の技術) 一般に結晶性プロピレン重合体組成物は優れた加工性お
よび機械的性質を有するので、射出成形品、中空成形
品、フイルム、シート、繊維等に加工され各種の用途に
用いられている。しかしながら、該結晶性プロピレン重
合体組成物は優れた機械的性質を有する反面、該結晶性
プロピレン重合体組成物の高結晶性に起因して透明性が
劣ることから、その使用用途に制限を受けるという問題
がある。このため、従来より該結晶性プロピレン重合体
組成物の透明性を改善する目的で、各種の造核剤が用い
られている。とりわけジベンジリデンソルビトール系化
合物(以下、DBSという。)は、比較的透明性の改善
効果に優れているため広く用いられている。
しかしながら、近年高度の透明性が要求される分野が増
加していることから、プロピレンと、エチレン、ブテン
−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1など
のプロピレンを除くα−オレフインの1種以上とのラン
ダム共重合体を用い、該共重合体にDBSを配合してな
るプロピレン系共重合体組成物が提案されている(特開
昭62−209151号公報)。しかしながら、該組成
物では透明性は著しく改善されるものの剛性(曲げ弾性
率)および耐熱剛性(耐熱変形性)などの機械的性質が
不足するといつた問題がおこる。これらの問題を解決す
るため、結晶性プロピレン重合性にDBSとフオスフエ
ート系化合物を併用した組成物が提案されている(特開
昭62−209151号公報)。
(発明が解決しようとする課題) 結晶性プロピレン系重合体にDBSとフオスフエート系
化合物を配合してなる前記特開昭62−209151号
公報に開示された組成物は、透明性の改善効果はかなり
認められるものの高度の剛性(曲げ弾性率)および耐熱
剛性(耐熱変形性)を要求される用途たとえば容器など
に使用する場合には未だ充分満足できるものではない。
本発明者らは、各種造核剤を配合してなる結晶性プロピ
レン系重合体組成物に関する上述の問題点すなわち透明
性に優れ、かつ剛性(曲げ弾性率)および耐熱剛性(耐
熱変形性)に優れた成形品が得られる結晶性プロピレン
系重合体組成物を得るべく鋭意研究した。その結果、特
定のアイソタクチツクペンタツド分率を有する結晶性プ
ロピレン重合体に下記一般式〔I〕で示されるフオスフ
エート系化合物(以下、化合物Aという。)もしくは下
記一般式〔II〕で示されるフオスフエート系化合物(以
下、化合物Bという。)およびDBSを配合してなる組
成物が上述の結晶性プロピレン系重合体組成物の問題点
を解決することができることを見出し、この知見に基づ
き本発明を完成した。
(ただし、式中R1は直接結合、硫黄または炭素数1〜4
のアルキリデン基を、R2およびR3はそれぞれ水素または
炭素数1〜8の同種もしくは異種のアルキル基を、Mは
1価〜3価の金属原子を、nは1〜3の整数を表わ
す。) (ただし、式中R4は水素または炭素数1〜8のアルキル
基を、Mは1価〜3価の金属原子を、nは1〜3の整数
を表す。) 以上の記述から明らかなように、本発明の目的は高度の
剛性(高い曲げ弾性率)、耐熱剛性(高い耐熱変形性)
および透明性に優れた成形品が得られる結晶性プロピレ
ン重合体組成物および該組成物を用いた容器を提供する
ことである。
(課題を解決するための手段) 本発明は下記の構成を有する。
アイソタクチツクペンタツド分率(P)とメルトフロー
レート(MFR)との関係が1.00≧P≧0.015logMF
R+0.955である結晶性プロピレン重合体100重量
部に対して、下記一般式〔I〕で示されるフオスフエー
ト系化合物(以下、化合物Aという。)もしくは下記一
般式〔II〕で示されるフオスフエート系化合物(以下、
化合物Bという。)およびDBSをそれぞれ0.01〜1
重量部配合してなる結晶性プロピレン重合体組成物。
(ただし、式中R1は直接結合、硫黄または炭素数1〜4
のアルキリデン基を、R2およびR3はそれぞれ水素または
炭素数1〜8の同種もしくは異種のアルキル基を、Mは
1価〜3価の金属原子を、nは1〜3の整数を表わ
す。) (ただし、式中R4は水素または炭素数1〜8のアルキル
基を、Mは1価〜3価の金属原子を、nは1〜3の整数
を表わす。) 本発明に用いる結晶性プロピレン重合体としては、プロ
ピレンの結晶性単独重合体、プロピレンと、エチレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1のなかから選ばれたα−オレフインの1種以上との結
晶性ランダム共重合体であつて、アイソタクチツクペン
タツド分率(P)とメルトフローレート(MFR)との
関係が1.00≧P≧0.015logMFR+0.955を満足す
る結晶性プロピレン重合体である。特に上述のアイソタ
クチツクペンタツド分率(P)とMFRとの関係を満足
するプロピレンの結晶性単独重合体が望ましい。
本発明で用いられる化合物Aとしてはナトリウム−2,
2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)
フオスフエート、ナトリウム−2,2′−エチリデン−ビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フオスフエート、
リチウム−2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブ
チルフエニル)フオスフエート、リチウム−2,2′−エ
チリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フオ
スフエート、ナトリウム−2,2′−エチリデン−ビス
(4−i−プロピル−6−t−ブチルフエニル)フオス
フエート、リチウム−2,2′−メチレン−ビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフエニル)フオスフエート、リチ
ウム−2,2′−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−
ブチルフエニル)フオスフエート、カルシウム−ビス−
(2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフエ
ニル)フオスフエート、カルシウム−ビス−(2,2′−
チオビス(4−エチル−6−t−ブチルフエニル)フオ
スフエート、カルシウム−ビス−(2,2′−チオビス−
(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フオスフエート〕、
マグネシウム−ビス−(2,2′−チオビス−(4,6−ジ−
t−ブチルフエニル)フオスフエート〕、マグネシウム
−ビス〔2,2′−チオビス−(4−t−オクチルフエニ
ル)フオスフエート〕、ナトリウム−2,2′−ブチリデ
ン−ビス(4,6−ジ−メチルフエニル)フオスフエー
ト、ナトリウム−2,2′−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−
t−ブチルフエニル)フオスフエート〕、ナトリウム−
2,2′−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチル
フエニル)フオスフエート、ナトリウム−2,2′−t−
オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニ
ル)フオスフエート〕カルシウム−ビス−〔2,2′−メ
チレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フオス
フエート〕、マグネシウム−ビス〔2,2′−メチレン−
ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フオスフエー
ト〕、バリウム−ビス−〔2,2′−メチレン−ビス(4,6
−ジ−t−ブチルフエニル)フオスフエート〕、ナトリ
ウム−2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−
ブチルフエニル)フオスフエート、ナトリウム−2,2′
−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフエニ
ル)フオスフエート、ナトリウム−(4,4′−ジメチル
−6,6′−ジ−t−ブチル−2,2′−ビフエニル)フオス
フエート、カルシウム−ビス−〔(4,4′−ジメチル−
6,6′−ジ−t−ブチル−2,2′−ビフエニル)フオスフ
エート〕、ナトリウム−2,2′−エチリデン−ビス(4
−s−ブチル−6−t−ブチルフエニル)フオスフエー
ト、ナトリウム−2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−メ
チルフエニル)フオスフエート、ナトリウム−2,2′−
メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフエニル)フオスフ
エート、カリウム−2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ
−t−ブチルフエニル)フオスフエート、カルシウム−
ビス−〔2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフエニル)フオスフエート〕、マグネシウム−ビス−
〔2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエ
ニル)フオスフエート〕、バリウム−ビス−〔2,2′−
エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フ
オスフエート〕、アルミニウム−トリス−〔2,2′−メ
チレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フオス
フエート〕およびアルミニウム−トリス−〔2,2′−エ
チリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フオ
スフエート〕およびこれらの2種以上の混合物を例示す
ることができる。特にナトリウム−2,2′−メチレン−
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)フオスフエート
が好ましい。本発明で用いられる化合物Bとしてはナト
リウム−ビス−(4−t−ブチルフエニル)フオスフエ
ート、ナトリウム−ビス−(4−メチルフエニル)フオ
スフエート、ナトリウム−ビス−(4−エチルフエニ
ル)フオスフエート、ナトリウム−ビス−(4−i−プ
ロピルフエニル)フオスフエート、ナトリウム−ビス−
(4−t−オクチルフエニル)フオスフエート、カリウ
ム−ビス−(4−t−ブチルフエニル)フオスフエー
ト、カルシウム−ビス−(4−t−ブチルフエニル)フ
オスフエート、マグネシウム−ビス−(4−t−ブチル
フエニル)フオスフエート、リチウム−ビス−(4−t
−ブチルフエニル)フオスフエート、アルミニウム−ビ
ス−(4−t−ブチルフエニル)フオスフエート、およ
びこれらの2種以上の混合物を例示することができる。
特にナトリウム−ビス−(4−t−ブチルフエニル)フ
オスフエートが好ましい。
本発明で用いられるDBS(以下、化合物Cという。)
としては1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトー
ル、1・3−ベンジリデン−2・4−p−メチルベンジ
リデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−
p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−メ
チルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトー
ル、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−ベンジ
リデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン
−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・
3−p−エチルベンジリデン−2・4−メチルベンジリ
デンソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−メチルベ
ンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−
エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−
ジ(p−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1・
3,2・4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソル
ビトール、1・3,2・4−ジ(p−n−ブチルベンジ
リデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−s−
ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−
ジ(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・
3,2・4−ジ(2′,4′−ジメチルベンジリデン)
ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−メトキシベン
ジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p−エ
トキシベンジリデン)ソルビトール、1・3−ベンジリ
デン−2−4−p−クロルベンジリデンソルビトール、
1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−ベンジリデ
ンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2
・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3−
p−クロルベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリ
デンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−
2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1・3
−p−エチルベンジリデン−2・4−p−クロルベンジ
リデンソルビトールおよび1・3,2・4−ジ(p−ク
ロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの2種以
上の混合物を例示でき、特に1・3,2・4−ジベンジ
リデンソルビトール、1・3,2・4−ジ(P−メチル
ベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(p
−エチレベンジリデン)ソルビトール、1・3−P−ク
ロルベンジリデン−2・4−P−メチルベンジリデンソ
ルビトール、1・3,2・−ジ(p−クロルベンジリデ
ン)ソルビトールおよびそれらの2種以上の混合物が好
ましい。これら化合物Aもしくは化合物Bおよび化合物
Cの配合割合は、結晶性プロピレン重合体100重量部
にたいしてそれぞれ0.01〜1重量部、好ましくは0.01
〜0.5重量部である。0.01重量部未満の配合では剛
性、耐熱剛性、透明性などの所望の効果が充分に発揮さ
れず、また1重量部を越えても構わないが、それ以上の
効果の改善が期待できず実際的ではないばかりでなくま
た不経済である。
本発明の組成物にあつては、通常結晶性プロピレン重合
体に添加される各種の添加剤例えばフエノール系、チオ
エーテル系、リン系などの酸化防止剤、光安定剤、透明
化剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロ
ツキング剤、無滴剤、顔料、重金属不活性化剤(銅害防
止剤)、過酸化物の如きラジカル発生剤、金属石鹸類な
どの分散剤もしくは中和剤および無機充填剤(例えばタ
ルク、マイカ、クレー、ウオラストナイト、ゼオライ
ト、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシ
ウム、ガラス繊維、炭素繊維など)もしくはカツプリン
グ剤(例えばシラン系、チタネート系、ボロン系、アル
ミネート系、シルコアルミネート系など)の如き表面処
理剤で表面処理された上述の無機充填剤または有機充填
剤(例えば木粉、パルプ、故紙、合成樹脂、天然繊維な
ど)を本発明の目的を損なわない範囲で併用するとがで
きる。本発明の組成物は結晶性プロピレン重合体に前記
化合物Aもしくは化合物Bおよび化合物Cならびに通常
結晶性プロピレン重合体に添加される前述の各種添加剤
の所定量を通常の混合装置例えばヘンセルミキサー(商
品名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー、バンバ
リーミキサーなど用いて混合し、通常の単軸押出機、2
軸押出機、プラベンダーまたはロールなどで、溶融混練
温度160℃〜300℃、好ましくは180℃〜250
℃で溶融混練ペレタイズすることにより得ることができ
る。得られた組成物は射出成形法、押出成形法、ブロー
成形法などの各種成形法により目的とする成形品の製造
に供される。
また、本発明の組成物を用いて得られる容器および食品
容器は特に形状に制限がなく、箱状、円筒状、三角柱状
など任意の形状のものでよく、寸法も特に制限がなく、
例えば縦50mm〜800mm、横50mm〜1000mm、高
さ20mm〜500mm、肉厚0.5mm〜2.5mmの任意の寸法
を採用することができる。
本発明の組成物を用いると、剛性、耐熱剛性および透明
性が著しく優れた成形品が得られるので各種の成形分野
の製品、特に高度の剛性、耐熱剛性が要求される電子レ
ンジ用食品容器や通常の食品容器および化粧品容器など
の用途に好適に使用することができる。
(作用) 本発明において化合物Aもしくは化合物Bで示されるフ
オスフエート系化合物は主に剛性の改善に寄与し、また
化合物Cで示されるDBSは主に透明性の改善に寄与す
ることが一般に知られている。しかしながら、化合物A
もしくは化合物Bおよび化合物Cを本発明に係わるアイ
ソタクチツクペンタツド分率(P)とMFRとの特定の
関係を満足する結晶性プロピレン重合体に配合すること
により、従来公知の造核剤の配合から到底予測できない
驚くべき相乗効果が発揮され、高度の剛性、耐熱剛性お
よび透明性の著しく優れた成形品を与える組成物が得ら
れる。
(実施例) 以下、実施例および比較例によつて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で用いた評価方法は次の方法
によつた。
I)剛性:得られたペレツトを用いて長さ100mm、巾
10mm、肉厚4mmの試験片を射出成形法により作成し、
該試験片を用いて曲げ弾性率を測定(JIS K 72
03に準拠)することにより評価した。
II)耐熱剛性:得られたペレツトを用いて長さ130m
m、巾13mm、肉厚6.5mmの試験片を射出成形法によ
り作成し、該試験片を用いて熱変形温度を測定(JIS
K 7203に準拠;4.6kgf/cm2荷重)すること
により評価した。
III)透明性:得られたペレツトを用いて長さ50mm、
巾25mm、肉厚1mmの試験片および縦100mm、横10
0mm、肉厚40mm、肉厚1mmの箱状容器を射出成形法に
より作成し、該試験片および容器から切出した同寸法の
試験片を用いてヘイズを測定(ASTMD−1003−
61に準拠)することにより評価した。
実施例1〜8、比較例1〜10 後述の第1表に示した各MFRおよび各アイソタクチツ
クペンタツド分率を有する粉末状結晶性プロピレン単独
重合体100重量部に、化合物Aとしてナトリウム−2,
2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)
フオスフエート、化合物Bとしてナトリウム−ビス−
(4−t−ブチルフエニル)フオスフエート、化合物C
として1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、
1・3,2・4−ジ(メチルベンジリデン)ソルビトー
ルもしくは1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−
p−メチルベンジリデンソルビトールおよび他の添加剤
のそれぞれ所定量をヘンセルミキサー(商品名)に入
れ、混合したのち、口径40mmの単軸押出機で200℃
にて溶融混練しペレタイズした。また比較例1〜10と
して後述の第1表に示した各MFRおよび各アイソタク
チツクペンタツド分率を有する粉末状結晶性プロピレン
単独重合体100重量部に後述の第1表記載の添加剤の
それぞれ所定量を配合し、実施例1〜8に準拠してペレ
ツトを得た。
剛性、耐熱剛性および透明性試験に用いる試験片は、得
られたペレツトを樹脂温度250℃で射出成形により調
製した。
得られた試験片を用いて前記の試験方法により剛性、耐
熱剛性および透明性の評価を行つた。これらの結果を第
1表に示した。
実施例9〜16、比較例11〜20 後述の第2表に示した各MFRおよび各アイソタクチツ
クペンタツド分率を有する粉末状結晶性プロピレン単独
重合体100重量部に、化合物Aとしてナトリウム−2,
2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)
フオスフエート、化合物Bとしてナトリウム−ビス−
(4−t−ブチルフエニル)フオスフエート、化合物C
として1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、
1・3,2・4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビ
トールあるいは1・3−p−クロルベンジリデン−2・
4−p−メチルベンジリデンソルビトールおよび他の添
加剤のそれぞれ所定量をヘンセルミキサー(商品名)に
入れ、混合したのち、口径40mmの単軸押出機で200
℃にて溶融混練しペレタイズした。また比較例11〜2
0として後述の第2表に示した各MFRおよび各アイソ
タクチツクペンタツド分率を有する粉末状結晶性プロピ
レン単独重合体100重量部に後述の第2表記載の添加
剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例9〜16に準拠し
てペレツトを得た。
剛性、耐熱剛性および透明性試験に用いる試験片は、得
られたペレツトを樹脂温度250℃で射出成形により調
製した。
得られた試験片を用いて前記の試験方法により剛性、耐
熱剛性および透明性の評価を行つた。これらの結果を第
2表に示した。
実施例17〜24、比較例21〜29 後述の第3表に示した各MFRおよび各アイソタクチツ
クペンタツド分率を有する粉末状結晶性プロピレン単独
重合体100重量部に、化合物Aとしてナトリウム−2,
2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフエニル)
フオスフエート、化合物Bとしてナトリウム−ビス−
(4−t−ブチルフエニル)フオスフエート、化合物C
として1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、
1・3,2・4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビ
トールもしくは1・3−p−クロルベンジリデン−2・
4−p−メチルベンジリデンソルビトールおよび他の添
加剤のそれぞれ所定量をヘンセルミキサー(商品名)に
入れ、混合したのち、口径40mmの単軸押出機で200
℃にて溶融混練しペレタイズした。また比較例21〜2
9として後述の第3表に示した各MFRおよび各アイソ
タクチツクペンタツド分率を有する粉末状結晶性プロピ
レン単独重合体100重量部に後述の第3表記載の添加
剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例17〜24に準拠
してペレツトを得た。
得られたペレツトを用いて、成形温度130℃で、縦1
00mm、横100mm、肉厚40mm、肉厚1mmの箱状容器
を射出成形法で成形し、該容器から透明性試験に用いる
所定の寸法により透明性の評価を行なつた。これらの結
果を第3表に示した。
第1〜3表に示される本発明に係わる化合物および添加
剤は下記の通りである。
化合物A;ナトリウム−2,2′−メチレン−ビス4,6−ジ
−t−ブチルフエニル)フオスフエート 化合物B;ナトリウム−ビス−(4−t−ブチルフエニ
ル)フオスフエート 化合物C〔I〕;1・3,2・4−ジベンジリデンソル
ビトール 化合物C〔II〕;1・3,2・4−ジ(p−メチルベン
ジリデン)ソルビトール 化合物C〔III〕;1・3−p−クロルベンジリデン−
2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール 造核剤;p−t−ブチル安息香酸アルミニウムフエノー
ル系酸化防止剤;テトラキス〔メチル−3−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフエニル)プ
ロピオネート〕メタン リン系酸化防止剤;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフエ
ニル)フオスフアイト Ca−St;ステアリン酸カルシウム 第1表に記載の実施各例および比較各例は、結晶性プロ
ピレン重合体として第1表に記載した各MFRおよび各
アイソタクチツクペンダツト分率を有する結晶性プロピ
レン単独重合体を用いた場合である。第1表からわかる
ように、実施各例は本発明の範囲内にあるアイソタクチ
ツクペンタツド分率(P)とMFRとの関係が1.00≧
P≧0.015logMFR+0.955を満足する結晶性プロピ
レン重合体に化合物Aもしくは化合物Bおよび化合物C
を配合したものであり、実施例1〜8と比較例1〜3
(アイソタクチツクペンタツド分率(P)とMFRとの
関係が上述の式を満足しない結晶性プロピレン重合体に
化合物Aもしくは化合物Bおよび化合物Cを配合したも
の)をくらべると、実施例1〜8剛性、耐熱剛性および
透明性のいずれもが優れていることがわかる。またアイ
ソタクチツクペンタツド分率(P)とMFRとの関係が
上述の式を満足する結晶性プロピレン重合体に化合物
A、化合物B、化合物Cあるいはその他の造核剤をそれ
ぞれ単独に配合した比較例4〜9と実施例1〜8とをく
らべると、比較例4〜9は剛性、耐熱剛性および透明性
のいずれかの改善効果が未だ充分ではない。さらに化合
物Cと従来公知の造核剤である芳香族カルボン酸系化合
物とを併用した比較例10と実施例1〜8をくらべると
比較例10は剛性、耐熱剛性および透明性のいずれの改
善効果も未だ充分ではない。以上のことから本発明の組
成物である実施例1〜8は高度の剛性、耐熱剛性および
透明性をかね備えた組成物であることがわかる。このこ
とは、本発明において用いる結晶性プロピレン重合体の
アイソタクチツクペンタツド分率(P)とMFRとの関
係が特定の関係を有する結晶性プロピレン重合体に化合
物Aもしくは化合物Bおよび化合物Cを配合したときに
のみみられる特有の相乗効果であるといえる。
第2表は第1表において用いられた結晶性プロピレン重
合体にくらべて低いMFRを有する結晶性プロピレン単
独重合体を用いた場合であり、これらについても上述と
同様の効果が確認された。第3表は、箱状容器を成形
し、それの透明性を評価した結果を示したものである
が、本発明の組成物を用いた容器はいずれも透明性に優
れていることがわかる。
(発明の効果) 本発明の組成物を用いた成形品は、従来から知られた各
種造核剤を配合してなる結晶性プロピレン重合体組成物
を用いた成形品にくらべて、剛性、耐熱剛性および透明
性に著しく優れている。従つて本発明の組成物は高度の
剛性、耐熱剛性および透明性を要求される食品容器(た
とえば電子レンジ用容器、高温殺菌用容器など)、化粧
品容器、文房具、家庭用電気製品の部品などの分野をは
じめ、各種の成形分野に好適に使用することができる。
また本発明の容器も高度の剛性、耐熱剛性および透明性
が要求される食品容器、化粧品容器として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アイソタクチツクペンタツド分率(P)と
    メルトフローレート(MFR)との関係が1.00≧(P)
    ≧0.015log MFR+0.955である結晶性プロピレン重
    合体100重量部に対して、下記一般式[I]で示される
    フオスフエート系化合物(以下、化合物Aという)もし
    くは下記一般式[II]で示されるフオスフエート系化合物
    (以下、化合物Bという)およびジベンジリデンソルビ
    トール系化合物をそれぞれ0.01〜1重量部配合してなる
    結晶性プロピレン重合体組成物。 (ただし、式中R1は直接結合、硫黄または炭素数1〜4
    のアルキリデン基を、R2およびR3はそれぞれ水素または
    炭素数1〜8の同種もしくは異種のアルキル基を、Mは
    1〜3価の金属原子を、nは1〜3の整数を表す) (ただし、式中R4は水素または炭素数1〜8のアルキル
    基を、Mは1価〜3価の金属原子を、nは1〜3の整数
    を表す)
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成物を用いた容器。
  3. 【請求項3】請求項1記載の組成物を用いた食品容器。
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