JPH05288074A - エンジン補機部品の取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】組付け性を低下させることなく補機部品を確実
に、かつ高い支持剛性をもって固定することができ、し
かも軽量化を達成することが可能な補機部品の取付け構
造を提供する。 【構成】エンジンのクランクプーリにベルトを介して連
結される第１補機部品および第２補機部品をエンジン本
体に取り付ける構造に於て、エンジン本体に第１ブラケ
ットおよび第２ブラケットを隔置してそれぞれ固着し、
第１ブラケットの一側に第１補機部品の一側を固定する
と共に第１ブラケットの他側にアーム部材を介して第１
補機部品の他側を固定し、第１ブラケットの他側に第２
補機部品の一側を固定すると共に第２補機部品の他側を
第２ブラケットに固定するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、発電機、空調用コンプ
レッサ、パワーステアリングポンプなど、クランクプー
リにベルトを介して連結される複数の補機部品をエンジ
ン本体に取り付ける構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車用エンジンには、発電機、空調用
コンプレッサ、パワーステアリングポンプなど、複数の
補機部品が取り付けられている。これら複数の補機部品
の取付け構造としては、例えば、各補機部品をそれぞれ
別個のブラケットを介してエンジンのシリンダブロック
に固定するようにした構造や、実公平３−４７５６号公
報に開示されているような、一体型のブラケットをエン
ジン本体に固定し、これに複数の補機部品の一側を固定
し、かつ互いに隣接する補機部品の他側をそれぞれ別の
ブラケットで相互に結合するようにした構造などが知ら
れている。

【０００３】前者の構造は、各補機部品を独立支持する
ので、補機部品毎に適切な支持剛性で結合することがで
き、メインテナンス時は個々に着脱ができるという利点
があるが、その反面、製造工程が増大するという不都合
を内在している。また後者の構造は、各補機部品を剛性
部材として利用できるが、ブラケットの重量が増大しが
ちであり、エンジンの軽量化を阻害する不都合があるう
え、エンジン仕様によって不用な補機部品があるような
場合に柔軟に対応し難いという欠点がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の不都合、すなわち、工数を増大せずに補機部
品を確実に固定して支持剛性を高めようとすると、ブラ
ケットが大型化して重量増大を招いたり、あるいはエン
ジン仕様によって取り付けられる補機部品に差異がある
ような場合の対応が厄介になる点を改善するべく案出さ
れたものであり、その主な目的は、組付け性を低下させ
ることなく補機部品を確実に、かつ高い支持剛性をもっ
て固定することができ、しかも軽量化を達成することが
可能な補機部品の取付け構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、エンジンのクランクプーリにベルトを介し
て連結される第１補機部品および第２補機部品をエンジ
ン本体に取り付ける構造に於て、エンジン本体に第１ブ
ラケットおよび第２ブラケットを隔置してそれぞれ固着
し、第１ブラケットの一側に第１補機部品の一側を固定
すると共に第１ブラケットの他側にアーム部材を介して
第１補機部品の他側を固定し、第１ブラケットの他側に
第２補機部品の一側を固定すると共に第２補機部品の他
側を第２ブラケットに固定することを特徴とするエンジ
ン補機部品の取付け構造を提供することによって達成さ
れる。特に、第１ブラケットに於けるエンジン本体に対
する固着部と、第２補機部品の一側固定部と、アーム部
材の接続部とを近接配置すると良い。

【０００６】

【作用】このような構成によれば、２つのブラケット間
を補機部品で連結することによって強度が補われるの
で、エンジン本体に対するブラケットの固着点（ボルト
などによる）を削減することができる。また、ブラケッ
トの一部を共用して複数の補機部品を固定できるので、
ブラケット自体の数量の増大や大型化を招かずに済む。
しかも、ボルト挿通用ボスなどの肉厚部を集中配置して
剛性が高められた部分に補機部品を集中結合するので、
別途リブなどを形成して補強する必要がない。

【０００７】

【実施例】以下に添付の図面に示された具体的な実施例
に基づいて本発明の構成を詳細に説明する。

【０００８】図１および図２は、本発明に基づき構成さ
れたエンジン補機部品の取付け構造の一実施例を示す概
略図である。エンジン本体１の側方には、補機部品とし
てオルタネータ２並びに空調用コンプレッサ３が、その
軸線をクランク軸４と平行にして配設されている。これ
らの補機部品２・３は、それぞれプーリ５ａ・５ｂ・５
ｃおよびベルト６を介し、クランク軸４により、図１に
於ける反時計回り方向（矢印Ａ）へ回転駆動される。な
お、このエンジンは、上記した補機部品２・３が取り付
けられる面を前方へ向けて横置きに車体に搭載されると
共に、この面の反対側の面に、図には示していないがパ
ワーステアリング用ポンプを備えている。

【０００９】エンジン本体１の側部には、上下方向に間
隔をおいて第１ブラケット７並びに第２ブラケット８が
複数のボルト９をもって固定されている。第１ブラケッ
ト７は、アルミニウム合金などにてダイカスト成形され
ており、側方からの上下２本のボルト９ａおよびクラン
クプーリ５ａ側からの１本のボルト９ｂによってエンジ
ン本体１に於けるシリンダヘッド１ａの側面に固定され
ている。この第１ブラケット７は、上方へ延出されたア
ーム部１０と、シリンダヘッド１ａに対する固定部のう
ちの側部下側のボルト止め部の近傍に形成された脚部１
１とを有しているが、これらアーム部１０および脚部１
１は、共に側方へ突設されたボス７ａ・７ｂを介してエ
ンジン本体１の側面から離間するようにされている。

【００１０】脚部１１に於けるクランクプーリ５ａ側の
端面に形成されたボス７ｃには、クランクプーリ５ａ側
からクランク軸４に平行に挿通されたボルト１２ａをも
って円弧状のアーム部材１３が固定されている。この後
付けされたアーム部材１３と上方へ延出されたアーム部
１０との間に、オルタネータ２の中心軸に対して概ね対
称の位置に設けられた各取付部１４が、クランク軸４の
軸線に平行に挿通された２本のボルト１２ｂによって固
定されている。また脚部１１には、クランク軸４の軸線
に直交する向きの２つのボルト孔１５ａが、アーム部材
１３が取り付けられるボス７ｃよりも幾分か下方位置に
前後方向に並設されている。なお、第１ブラケット７の
アーム部１０とのボルト止め部を支点としてオルタネー
タ２を傾動させ、ベルト６の張り調整を行うことは周知
の通りである。

【００１１】第２ブラケット８は、鋼板を曲げ加工して
なり、クランク軸４に直交する向きに螺着した４本のボ
ルト９ｃによってエンジン本体１に於けるシリンダブロ
ック１ｂの側面に直接固定されたベース部１６と、ベー
ス部１６から側方へ立設された脚１７にてシリンダブロ
ック１ｂから離間させられたテーブル部１８とからなっ
ており、テーブル部１８には、クランク軸４の軸線に直
交する向きの２つのボルト孔１５ｂが前後方向に並設さ
れている。

【００１２】第１ブラケット７の脚部１１にクランク軸
４に直交する向きに穿設された２つのボルト孔１５ａと
第２ブラケット８のテーブル部１８に同様に穿設された
２つのボルト孔１５ｂとに４本のボルト１２ｃを螺着す
ることをもって、第１ブラケット７と第２ブラケット８
との間を連結するようにして空調用コンプレッサ３が固
定される。

【００１３】このようにして、第１ブラケット７に於け
るシリンダヘッド１ａに対する結合部のボス７ｂと円弧
状アーム部材１３の取付けボス７ｃと空調用コンプレッ
サ３の取付け部（ボルト孔１５ａ）とを近接配置するこ
とにより、ボルトを挿通するために厚肉にした部分が集
中するので、同部分が特別な補強措置を施すことなく強
固になる（図３参照）。また、アーム部材１３を含むオ
ルタネータ２の取り付けボルト１２ａ・１２ｂの挿通方
向と空調用コンプレッサ３の取り付けボルト１２ｃの挿
通方向とが互いに直交するように構成しているので、両
者を近接配置したにも関わらず、互いに干渉せずに締め
付け作業が行えることから、作業性が向上する。

【００１４】

【発明の効果】このように本発明によれば、エンジン本
体に対するブラケットの固着点（ボルト止め部分など）
を減らしても、２つのブラケット間が補機部品で連結さ
れるので、補機部品自体によるブラケットの補強効果が
得られる。しかもブラケットを一部共通化して複数の補
機部品を固定し得るので、ブラケット自体の数量を増大
することがなく、また大型化することもない。これに加
えて、ボルト挿通孔などの肉厚部を集中配置することで
剛性が高まった部分に結合部を集中させるので、各結合
部および接続部に特別な補強を施さずに十分な強度・剛
性を確保することができる。従って、組付け性を向上
し、かつ軽量化を推進するうえに多大な効果を奏するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づくエンジン補機部品の取付け構造
を示す概略正面図である。

【図２】本発明に基づくエンジン補機部品の取付け構造
を示す概略側面図である。

【図３】第１ブラケットの要部斜視図である。

【符号の説明】

１ エンジン本体 １ａ シリンダヘッド １ｂ シリンダブロック ２ オルタネータ ３ 空調用コンプレッサ ４ クランク軸 ５ プーリ ６ ベルト ７ 第１ブラケット ７ａ・７ｂ・７ｃ ボス ８ 第２ブラケット ９ ボルト １０ アーム部 １１ 脚部 １２ ボルト １３ アーム部材 １４ 取付部 １５ ボルト孔 １６ ベース部 １７ 脚 １８ テーブル部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのクランクプーリにベルトを介
   して連結される第１補機部品および第２補機部品をエン
   ジン本体に取り付ける構造に於て、 エンジン本体に第１ブラケットおよび第２ブラケットを
   隔置してそれぞれ固着し、 前記第１ブラケットの一側に前記第１補機部品の一側を
   固定すると共に前記第１ブラケットの他側にアーム部材
   を介して前記第１補機部品の他側を固定し、 前記第１ブラケットの他側に前記第２補機部品の一側を
   固定すると共に前記第２補機部品の他側を前記第２ブラ
   ケットに固定することを特徴とするエンジン補機部品の
   取付け構造。
2. 【請求項２】 前記第１ブラケットに於けるエンジン本
   体に対する固着部と、前記第２補機部品の一側固定部
   と、前記アーム部材の接続部とが近接配置されることを
   特徴とする請求項１に記載のエンジン補機部品の取付け
   構造。