JP6978644B2 - 凍結防止剤、凍結防止および凍結保存組成物、その使用ならびに凍結保存方法 - Google Patents
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Description
DMSOなどの他の抗凍結剤の代替物としての、あるいはそれに必要な濃度を、好ましくは非毒性濃度へと低下させるための他の抗凍結剤へのサプリメントとしての、凍結保存中に、凍結保存されたサンプルの等しい機能性を保護することに関して必要な保護効果を有する抗凍結剤を提供することが、本発明の実施態様の目的である。抗凍結剤を取り扱う担当者および生体サンプルにとっての低毒性を有し、そのことによってサンプルが損傷されることなく抗凍結剤に接触しうる時間が長くなる、抗凍結剤を提供することが、本発明の実施態様のさらなる目的であり、サンプルの洗浄の必要性が低くなり、好ましくは、要すれば、サンプルを抗凍結剤から分離する必要なく、採取された場所あるいはレシピエントへサンプルを戻すことが可能になる。哺乳類臓器、哺乳類細胞および哺乳類組織などの臓器、細胞および組織から選ばれるサンプルのための抗凍結剤として有効である抗凍結剤を提供することが、本発明の実施態様のさらなる目的である。臓器、細胞または組織などの移植されるサンプルのための抗凍結剤として有効である抗凍結剤を提供することが、本発明の実施態様のさらなる目的である。たとえば細胞の抗凍結剤として有効であり、該細胞の許容しうる生存能力をもたらす抗凍結剤を提供することが、本発明の実施態様のさらなる目的である。たとえば臓器の抗凍結剤として有効であり、該臓器の許容しうる物理的機能性をもたらす抗凍結剤を提供することが、本発明の実施態様のさらなる目的である。
たとえば組織の抗凍結剤として有効であり、該組織の許容しうる物理的機能性をもたらす抗凍結剤を提供することが、本発明の実施態様のさらなる目的である。
a)該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含む;またはb)該抗凍結剤が、300〜7,500 Daなどの300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する;またはc)該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含み、該抗凍結剤が、300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する、デキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体から選ばれる1種以上の抗凍結剤を含む凍結防止剤が、抗凍結剤として非常に有用であることが本発明によって見い出されいる。これまでに用いられたデキストラン40(40,000 Da)およびデキストラン70(70,000 Da)などの高分子量のデキストラン材料と比較して、上述の抗凍結剤を含む凍結防止剤は、分子量が低いために粘度がより小さく、したがって、溶液に予めサンプルを加えて、凍結保存に適した濃度で抗凍結剤とサンプルの両方を含む組成物を得ることを可能にする高濃度で、予め調製することができる。さらに、低分子量の分子は、一般に、高分子量の分子よりも免疫原性が低い。デキストラン1は、デキストランを投与する場合にアナフィラキシー反応のリスクを低下させ、したがって、デキストラン40(40,000 Da)およびデキストラン70(70,000 Da)などの高分子量のデキストランの注射前の予備注射として用いられるハプテンインヒビターとして知られている。デキストラン1は、また、ヒトにおいて非常に低い免疫学的ポテンシャルを有することが、Richterら(Int. Arch. Allergy 43:252-268(1972)およびInt. Arch. Allergy 41:826-844(1971))による研究でも実証されている。さらに、実施例には、本明細書に記載される抗凍結剤を用いる凍結保存が、より高分子量のデキストランを用いるよりも、試験細胞の生存能力として測定される凍結保存後の機能性のよりよい保護を提供することが明らかにされている。
a)該凍結防止剤が、デキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含む;または
b)該抗凍結剤が、300〜7,500 Daなどの300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する;または
c)該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含み、該抗凍結剤が、300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する;
凍結防止剤に関する。
定義
本明細書で用いる、凍結保存は、冷却速度が従来の凍結保存手順よりも速いガラス化技術などの、サンプルを氷点下の温度に冷却することによって保存する処理過程を意味する。このような低温では、たとえば、細胞死を引き起こす生化学反応といったような生物活性は低下され、たとえば、タンパク質/糖タンパク質またはリポタンパク質の化学構造/機能は保存される。もし抗凍結剤溶液を使用しないならば、保存されるサンプルは、冷却または融解処理過程中の凍結により損傷される可能性がある。
用語「組織」はまた、脂肪組織または歯髄組織を含む。
[式中、giは、分子量Miを有する分子の分率である。Mの可能な値は、pを定義する、個別の値であるラベリングされたMiを有する一組の数を作成する。]
で定義される。
[式中、Niは、分子量Miを有する分子の分率であり、giは、分子量Miを有する分子の分率である。Mの可能な値は、pを定義する、個別の値であるラベリングされたMiを有する一組の数を作成する]
で定義される。
本明細書は、デキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体から選ばれる1種以上の抗凍結剤を含む凍結防止剤であって、
a)該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、850〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)などの300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含む;または
b)該抗凍結剤が、300〜7,500 Daなどの300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する;または
c)該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、850〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)などの300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含み、該抗凍結剤が、300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する;
凍結防止剤に関する。
表A:
* 1つの態様において、合成は、たとえば、US 6,977,249に記載の、部分的に酸化され、水素添加された誘導体を得るための部分的酸化および水素添加であってもよい。
デキストランは、数種の細菌の菌株、主として、たとえば、「Advances in polymer science」、Volume 205、Polysaccharides II、編者 D.Klemm、Springer Verlagに記載のロイコノストックおよびストレプトコッカス株などのグラム陽性、通性嫌気性菌球菌によって形成されうる。医薬用途のためのデキストランは、典型的に、米国および欧州薬局方において規定される特定の細菌株、たとえば、ロイコノストック・メセントロイデス(Leuconostoc Mesenteroides)NCTC 10817またはB512 Fによって製造されている。菌株NCTC 10817およびB512Fは、英国のナショナル・コレクション・オブ・タイプ・カルチャー(中央公衆衛生研究所)から1971年以来公的に入手可能である。
1)たとえば、pH 8-12などのアルカリ条件下、デキストランとホウ化水素などの還元剤を反応させ、アルデヒド末端基をソルビトールに還元することによって合成されうる水添デキストラン。
反応工程式1:2-(ジエチルアミノ)エチル(A)基および2-[(2-(ジエチルアミノ)エチル]ジエチルアンモニウム]エチル(B)基を含有するDEAEデキストラン
反応工程式2
ここで、酸化は、塩基性水性溶液中、次亜塩素酸ナトリウムを用いて行われる。
イソマルトオリゴ糖は、α-D-(1,6)-結合主鎖をもつグルコースオリゴマーである。1つの態様において、本明細書に記載されるイソマルトオリゴ糖は、デキストランベースであり、低分子量デキストランの加水分解によって作成される。さらなる態様において、本明細書に記載されるイソマルトオリゴ糖は、850〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)などの300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有する。1つの態様において、本明細書に記載されるイソマルトオリゴ糖は、850〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有する加水分解されたデキストランである。
反応工程式4
出発物質としてのデキストランおよび中間体としてのキストラン1(イソマルトオリゴ糖)に関し、デキストラン分子を決定する分枝側鎖α-(1→2)、α-(1→3)およびα-(1→4)の完全欠如を特徴とするオリゴ-イソマルトースを合成することが可能である。これに関連して、オリゴイソマルトースは、イソマルトオリゴ糖のサブセットであるとみなされる。したがって、1つの態様において、オリゴイソマルトースは、850〜1,650 Da、好ましくは850〜1,150 Daなどの300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有し、分枝側鎖α-(1→2)、α-(1→3)およびα-(1→4)が完全に欠如する。イソマルトオリゴ糖のために上述した誘導体の同じ合成を、オリゴイソマルトースを用いて行うことができるのは明白である。
デキストリンは、デンプンの加水分解によって製造される低分子量炭水化物の一群である。デキストリンは、様々な長さのグルコース主鎖をもつ分子の混合物からなるデキストランポリマーである。デキストリンを用いる前に、それらは、所望の分子サイズおよび重量分布を得るために、典型的に、たとえば、加水分解または1種以上のアルコール沈殿法を適用することによって、および/または、特定のカットオフ値を有する1種以上の膜を適用する膜処理などの様々なクロマトグラフィー法によって、精製され、分画される。
凍結保存されるサンプルの汚染を回避するために、抗凍結剤が、滅菌されているのが好ましく、凍結保存剤/組成物の他の最適成分もまた滅菌されているのが好ましい。
1.1種以上のデキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体などの1種以上のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体である抗凍結剤を含む凍結防止剤であって、
a)該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/wの1種以上のイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含む;および/または
b)該抗凍結剤が、300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する;
凍結防止剤。
2.デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体から選ばれるなどのデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体から選ばれる1種以上の抗凍結剤を含む凍結防止剤であって、
a)該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含む;または
b)該抗凍結剤が、300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する;または
c)該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含み、該抗凍結剤が、300〜9,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する;
凍結防止剤。
4.該抗凍結剤が、300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体から選ばれる1種以上である、実施態様1-3のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
5.該凍結防止剤が、該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも1% w/w の1種以上の、300〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含む、実施態様1-4のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
6.該イソマルトオリゴ糖およびその誘導体が、850〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有する、実施態様1-5のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
7.該サンプルが、哺乳類臓器、哺乳類細胞および哺乳類組織などの臓器、細胞および組織から選ばれる、サンプルを凍結保存するための、実施態様1-6のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
8.該サンプルが、移植用である、サンプルを凍結保存するための、実施態様1-7のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
9.該サンプルが、凍結保存後に機能的である、サンプルを凍結保存するための、実施態様1-8のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
10.該サンプルが臓器であり、該臓器が、凍結保存後の該臓器の生理的機能の測定により機能的であると判断され、および/または該サンプルが組織であり、該組織が、このような組織の周囲組織と一体化する能力により機能的であると判断され、および/または該サンプルが細胞であり、細胞が、該凍結保存後の細胞の生存能力により機能的であると判断される、実施態様1-9のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
12.該抗凍結剤が、500〜3,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する、実施態様1-11のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
13.該抗凍結剤が、1,650〜3,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する、実施態様1-12のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
14.該抗凍結剤が、多分散性Pdを有し、Pdが≧1および≦5である、実施態様1-13のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
15.該抗凍結剤が、850〜1,650 Daの重量平均分子量(Mw)を有する、実施態様1-14のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
16.該抗凍結剤が、850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有する、実施態様1-15のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
17.該抗凍結剤が、多分散性Pdを有し、Pdが≧1および≦3である、実施態様1-16のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
18.該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも10% w/wの1種以上のイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含む、実施態様1-17のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
19.3グルコース単位未満のイソマルトオリゴ糖の重量分率が、15% w/w未満である、実施態様1-18のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
20.9グルコース単位を超えるイソマルトオリゴ糖の重量分率が、20 % w/w未満である、実施態様1-19のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
22.該凍結防止剤中のデキストリン、デキストラン、イソマルトオリゴ糖およびその誘導体の総重量に基づいて、少なくとも30% w/w、少なくとも40% w/w、少なくとも50% w/w、少なくとも60% w/w、少なくとも70% w/w、少なくとも80% w/w、少なくとも90% w/w、少なくとも95% w/wまたはそれ以上などの1種以上のイソマルトオリゴ糖およびその誘導体を含む、実施態様1-21のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
23.該抗凍結剤が、850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖などのイソマルトオリゴ糖である、実施態様1-22のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
24.該イソマルトオリゴ糖およびその誘導体がデキストランベースである、実施態様1-23のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
26.該誘導体が、水添イソマルトオリゴ糖、酸化イソマルトオリゴ糖、DEAE-イソマルトオリゴ糖、カルボキシC1-10アルキル、酸化イソマルトオリゴ糖またはカルボキシC1-10アルキルイソマルトオリゴ糖である、実施態様1-25のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
27.該誘導体が、850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有する水添イソマルトオリゴ糖などの水添イソマルトオリゴ糖である、実施態様1-26のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
28.該カルボキシC1-10アルキルイソマルトオリゴ糖が、カルボキシメチルイソマルトオリゴ糖またはカルボキシエチルイソマルトオリゴ糖である、実施態様25-27のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
30.該追加の抗凍結剤が、DMSOである、実施態様1-29のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
31.実質的にDMSOを含まない、実施態様1-30のいずれか1つに記載の凍結防止剤。 32.The agent according to embodiment 31 which is free of DMSO。
33.唯一の抗凍結剤として実施態様1に定義される抗凍結剤を含む、実施態様1-32のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
34.該凍結防止剤が、粉末の形態である、実施態様1-33のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
35.該凍結防止剤が、凍結乾燥または噴霧乾燥粉末の形態である、実施態様1-34のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
36.該凍結防止剤が、溶液の形態である、実施態様1-35のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
37.該凍結防止剤が、40%〜65% w/wまたは50%〜60% w/wの該抗凍結剤などの30%〜70% w/wの該抗凍結剤を含む、実施態様1-36のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
39.凍結保存されるべきサンプルのための増殖培地または基質をさらに含む、実施態様1-38のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
40.IAP(アポトーシスのインヒビター);rho関連タンパク質キナーゼ(ROCK)シグナル伝達経路のインヒビター;および/またはEGF、FGF、PDGF、IGF、EPO、BDNF、TGF、TNF、VEGFなどの任意の増殖因子に属する任意のタンパク質をさらに含む、実施態様1-39のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
41.ヒト、ウシ、ウマまたはイヌ由来の任意の血清成分をさらに含む、実施態様1-40のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
42.該抗凍結剤が、滅菌されている、実施態様1-41のいずれか1つに記載の凍結防止剤。
43.実施態様1-42に定義される凍結防止剤を含み、凍結保存されるべきサンプルをさらに含む、凍結保存組成物。
44.サンプルが、臓器、単離された細胞などの細胞、またはたとえば血液などの細胞含有体液および組織から選ばれる、実施態様43に記載の凍結保存組成物。
45.サンプルが、移植用の哺乳類臓器、哺乳類細胞および哺乳類組織から選ばれるサンプルなどの哺乳類臓器、哺乳類細胞および哺乳類組織から選ばれる、実施態様44に記載の凍結保存組成物。
47.該サンプルが、ケラチン生成細胞、線維芽細胞、間葉系幹細胞、マクロファージ、およびCD34陽性血液幹細胞などの造血幹細胞から選ばれる細胞である、実施態様43-46のいずれか1つに記載の凍結保存組成物。
48.該サンプルが、卵巣組織、精巣組織、臍帯組織、胎盤組織、結合組織、心臓組織、筋肉、骨および軟骨組織からの組織、内分泌組織および神経組織から選ばれる組織である、実施態様43-45のいずれか1つに記載の凍結保存組成物。
49.該サンプルが、臍帯血、末梢血および運動性末梢血などの血液、羊水、精液、脳脊髄液、月経液および骨髄穿刺液から選ばれる細胞含有体液である
、実施態様43-45のいずれか1つに記載の凍結保存組成物。
50.該サンプルが、肺、心臓、腎臓、肝臓、臍帯および卵巣から選ばれる臓器である、実施態様43-45のいずれか1つに記載の凍結保存組成物。
51.2〜50 % w/wまたは4〜45 % w/wまたは6〜12 % w/w、あるいは好ましくは6〜10% w/w、またはより好ましくは7〜9% w/wなどの1〜50 % w/wの量の該抗凍結剤を含む、実施態様43-45のいずれか1つに記載の凍結保存組成物。
53.該サンプルが、凍結保存後に機能的である、実施態様43-52のいずれか1つに記載の凍結保存組成物。
54.該組成物が、8 % w/w未満、1-4%などの4 % w/w未満の量のDMSOを含む、実施態様43-53のいずれか1つに記載の凍結保存組成物。
55.凍結保存されるべきサンプルを、実施態様1-42のいずれか1つに定義される凍結防止剤に接触させて、凍結保存組成物を得、次いで、凍結保存組成物の温度を凍結保存温度まで低下させることを含む、サンプルを凍結保存する方法。
56.凍結保存組成物が、実施態様43-54のいずれか1つに定義される、実施態様55に記載の方法。
58.凍結保存温度が、0.1-10、0.2-8、0.3-6、0.4-4、0.5-2℃/分などの0.05-15℃/分の速度にて達成される、実施態様55-57のいずれか1つに記載の方法。
59.該抗凍結剤の濃度が、5〜15 % w/wまたは6〜12 % w/w、または好ましくは6〜10% w/w、またはより好ましくは7〜9% w/wなどの4〜20 % w/wである、実施態様55-58のいずれか1つに記載の方法。
60.凍結保存組成物中のサンプルの温度が、-50℃〜-196℃、-80℃〜-196℃などの-50℃未満の温度に降温される、実施態様55-59のいずれか1つに記載の方法。
61.サンプルが、凍結保存後に融解される、実施態様55-60のいずれか1つに記載の方法。
62.該サンプルが、凍結保存後に機能的である、実施態様55-61のいずれか1つに記載の方法。
63.凍結保存されるべきサンプルが、臓器、細胞および組織から選ばれる、実施態様55-62のいずれか1つに記載の方法。
64.臨床的バンキング法における、実施態様55-63のいずれか1つに記載の方法。
65.運動性末梢血バンキング法、髄バンキング法、脂肪組織バンキング法、歯髄組織バンキング法、生殖バンキング法または臍帯バンキング法などのバンキング法における、実施態様55-64のいずれか1つに記載の方法。
67.該抗凍結剤が、300〜7,500 Daの重量平均分子量(Mw)を有する、実施態様66に記載の凍結防止剤の使用。
69.臓器、細胞および組織から選ばれるサンプルを凍結保存するための、実施態様1-42のいずれか1つに定義される凍結防止剤の使用。
70.凍結保存されるべきサンプルを、該凍結防止剤に接触させて、凍結保存組成物を得、次いで、凍結保存組成物の温度を凍結保存温度まで低下させることを含む、実施態様66-69のいずれか1つに記載の使用。
72.凍結保存温度が、0.1-10、0.2-8、0.3-6、0.4-4、0.5-2℃/分などの0.05-15℃/分の速度にて達成される、実施態様66-71のいずれか1つに記載の使用。
73.該抗凍結剤の濃度が、5〜15 % w/wまたは6〜12 % w/w、または好ましくは6〜10% w/w、またはより好ましくは7〜9% w/wなどの4〜20 % w/wである、実施態様66-72のいずれか1つに記載の使用。
74.凍結保存組成物中のサンプルの温度が、-50℃〜-196℃、-80℃〜-196℃などの-50℃未満の温度に降温される、実施態様66-73のいずれか1つに記載の使用。
75.サンプルが、凍結保存後に融解される、実施態様66-74のいずれか1つに記載の使用。
76.該サンプルが、凍結保存後に機能的である、実施態様66-75のいずれか1つに記載の使用。
77.凍結保存されるべきサンプルが、移植用の臓器、細胞および組織から選ばれる、実施態様66-76のいずれか1つに記載の使用。
78.運動性末梢血バンキング法、髄バンキング法、脂肪組織バンキング法、歯髄組織バンキング法、生殖バンキング法または臍帯バンキング法などのバンキング法における、実施態様66-77のいずれか1つに記載の使用。
79.臨床的バンキング法における、実施態様66-78のいずれか1つに記載の使用。
イソマルトオリゴ糖1の製造
低分子量デキストランの加水分解
カットオフ値<5,000ダルトンを有する膜からの浸透物として採取された3345 kgの加水分解デキストランは、温度95℃、pH 1.5において加水分解される。
水添イソマルトオリゴ糖1の製造
加水分解および分画後、418 kgのイソマルトオリゴ糖が残った。還元糖は、30.8 %であると測定された。この量を、10 kgの水素化ホウ素ナトリウムで処理し、その結果、最終的イオン交換前に、362 kgの水添イソマルトオリゴ糖を得た。その後、溶液をpH<7.0に中和し、続いて、脱イオン化し、最後に、噴霧乾燥した。最終生成物の還元糖は、0.09 %であると測定された。
以下の実施例において用いた凍結保存剤は、増殖培地(DMEM/F12+10% FBS+ペニシリン/ストレプトマイシン)中の抗凍結剤(DMSO、製造例1で製造されたペンタイソマルトース(イソマルトオリゴ糖1)または製造例2で製造されたペンタイソマルトシド(水添イソマルトオリゴ糖1)など)を無菌で可溶化して、所望の最終濃度n(たとえば、8% イソマルトオリゴ糖1凍結保存組成物について、8 グラム/100 mlの増殖培地)にし、個々の凍結保存組成物をフィルター滅菌することによって製造される。
標準条件下(37℃、5% CO2および標準増殖培地 [DMEM/F12+10% FBS+ペニシリン/ストレプトマイシン])、NHDF(第2継代)を、従来のT-フラスコで培養した。集密(70-80%)に達した時点で、細胞集団をフラスコから放出し、遠心分離した(1000 rpm、10分)。0,5x106個の細胞を6つの異なる凍結保存剤(1 ml)に再懸濁させた:1)増殖培地+10% DMSO、2)増殖培地+2% DMSO+8% イソマルトオリゴ糖1、3)増殖培地+2% DMSO+8% 水添イソマルトオリゴ糖1、4)増殖培地+8% イソマルトオリゴ糖1、5)増殖培地+8% 水添イソマルトオリゴ糖1、および6)添加剤を含まない増殖培地(FBSを含まないDMEM/F12)。次いで、イソプロパノールベースの方法を用い、1℃/分の定速で液体N2の温度まで温度を下げて凍結させ、細胞を、標準的制御凍結保存条件下で凍結保存した。1週間後、標準的融解プロトコル(37度の水浴にバイアルを直接浸漬させ、新鮮な37℃ 増殖培地に細胞溶液を滴下する)を用いて細胞を融解した。融解後、次の分析を行った:1)生存能力、ヌクレオカウンター装置(NC200)を使用、および2)初代継代における生存能力、ヌクレオカウンター装置(NC200)を使用。結果を図1および2に示し、表3〜5にまとめる。
唯一の凍結保存剤としてイソマルトオリゴ糖1を用いる場合、10% DMSOを用いる標準的条件と比較して、融解後の生存能力は、わずかに低下する。2% DMSOを、イソマルトオリゴ糖1とともに用いる場合、生存能力に関する差異は、観察されない。初代継代においてイソマルトオリゴ糖単独とともに凍結保存された細胞の生存能力は、10% DMSOを用いる標準的条件と類似する。この実験は、唯一の抗凍結剤としてイソマルトオリゴ糖1を用いる、凍結保存溶液中でNHDFを凍結保存することは、標準的凍結保存条件からの培養物と同程度まで用いることができる培養物をもたらすことを実証する。
実施例2に記載したものと同じプロトコルを用いて、NHEKを凍結保存した。同じ実験グループで行った。結果を図3および4に示し、表3〜5にまとめる。
さらに2つの実験グループ(増殖培地+8% イソマルトオリゴ糖1+ 2% トレハロース;および増殖培地+2% トレハロース)を含めて、実施例2に記載したものと同じプロトコルを用いて、hMSCを凍結保存した。上述のヌクレオカウンター技術を用いて、生存能力分析をおこなった。結果を図5に示し、表3〜5にまとめる。
T1:融解後の生存
T2:初代継代後の生存
hMSCを、従来のT-フラスコ中、集密まで増殖させた。細胞を放出し、2つの異なる配合物に差異懸濁させた:1)増殖培地+10% DMSO;および2)8% イソマルトオリゴ糖1。各配合物中の細胞の採集濃度は、1x106個/mlであった。実施例2に記載したものと同じ基本プロトコルを用いた。各バイアルからの1 mlを凍結バイアルに加え、3つの異なる時点[1)0分(T0)、10分(T10)および30分(T30)]でヌクレオカウンターを用いて生存能力を分析した。結果を表6にまとめる。
表6
製造例1に記載したように、この実験に用いるイソマルトオリゴ糖1を製造する。ヒト人工多能性幹細胞、iPSC(12代継代)を、標準的条件下(37度、5% CO2およびPluriPro 増殖培地、Cell Guidance System)、単一細胞として従来のT-フラスコ中で培養した。集密(70-80%)に達した時点で、細胞集団をフラスコから放出し、遠心分離した(1000 rpm、10分)。0,5x106個の細胞を12個の異なる凍結保存溶液(1 ml)に再懸濁させた:増殖培地+10% DMSO、増殖培地+5% DMSO、増殖培地+10% DMSO+2% イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+10% DMSO+4% イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+10% DMSO+8% イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+5% DMSO+2% イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+5% DMSO+4% イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+5% DMSO+8% イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+2% イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+4% イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+8% イソマルトオリゴ糖1、および抗凍結剤なしの増殖培地。次いで、細胞を、標準的制御凍結保存条件下で液体N2の温度まで温度を下げて凍結保存した(イソプロパノールベースの方法を用いる)。一週間後、標準的融解プロトコルを用いて細胞を融解した((37度の水浴にバイアルを直接浸漬させ、新鮮な増殖培地に細胞溶液を滴下して移した)。最初の播種を行い、ROCKインヒビターを加えた。融解後、ヌクレオカウンター技術を用い、生存能力分析を行った。結果を図6に示す。
製造例1に記載したように、この実験に用いる水添イソマルトオリゴ糖1を製造する。ヒト人工多能性幹細胞、iPSC(12代継代)を、標準的条件下(37度、5% CO2およびPluriPro 増殖培地、Cell Guidance System)、単一細胞として従来のT-フラスコ中で培養した。集密(70-80%)に達した時点で、細胞集団をフラスコから放出し、遠心分離した(1000 rpm、10分)。0,5x106個の細胞を12個の異なる凍結保存溶液(1 ml)に再懸濁させた:増殖培地+10% DMSO、増殖培地+5% DMSO、増殖培地+10% DMSO+2% 水添イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+10% DMSO+4% 水添イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+10% DMSO+8% 水添イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+5% DMSO+2% 水添イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+5% DMSO+4% 水添イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+5% DMSO+8% 水添イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+2% 水添イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+4% 水添イソマルトオリゴ糖1、増殖培地+8% 水添イソマルトオリゴ糖1、および抗凍結剤なしの増殖培地。次いで、細胞を、標準的制御凍結保存条件下で液体N2の温度まで温度を下げて凍結保存した(イソプロパノールベースの方法を用いる)。一週間後、標準的融解プロトコルを用いて細胞を融解した((37度の水浴にバイアルを直接浸漬させ、新鮮な増殖培地に細胞溶液を滴下して移した)。最初の播種を行い、ROCKインヒビターを加えた。融解後、ヌクレオカウンター技術を用い、生存能力分析を行った。結果を図7に示す。
実施例2と同じプロトコルを用いて、以下の実験グループにおいて、hMSCを凍結保存した:増殖培地+10% DMSO、8% イソマルトオリゴ糖1、平均Mw 10.000のデキストランまたは平均Mw 40.000のデキストラン+5% DMSO、8% イソマルトオリゴ糖1、平均Mw10.000のデキストランまたは平均Mw 40.000のデキストラン+1% DMSO、8% イソマルトオリゴ糖1、平均Mw10.000のデキストランまたは平均Mw 40.000のデキストランおよび増殖培地。上述のヌクレオカウンター技術を用いて、生存能力分析を行った。融解後、標準的条件下で3日間、MSCを培養し、インビトロ分析における比色分である、細胞集団中のミトコンドリア活性を測定するMTTアッセイを用いることによって、増殖速度を分析した。
結果を図8に示す。
実施例2と同じプロトコルを用いて、以下の実験グループにおいて、hMSCを凍結保存した:増殖培地+10% DMSO、増殖培地+2% DMSO、平均Mw 1500 Mwを有する8% イソマルトオリゴ糖+2% DMSO、平均Mw 1500 Mwを有する8% イソマルトオリゴ糖および増殖培地。上述のヌクレオカウンター技術を用いて、生存能力分析を行った。融解後、標準的条件下で3日間、MSCを培養し、インビトロ分析における比色分である、細胞集団中のミトコンドリア活性を測定するMTTアッセイを用いることによって、増殖速度を分析した。結果を図9に示す。
運動性末梢血細胞を、白血球除去輸血によって採取し、10% DMSOまたは異なる濃度のイソマルトオリゴ糖1(isom)または水添イソマルトオリゴ糖1(h-isom)を含む凍結防止培地中で凍結させた。速度制御フリーザー(Kryo 560-16、Planer; 開始温度4℃、-1℃/分で0℃まで低下、-2℃/分で-45℃まで低下、および-5℃/分で-100℃まで低下)を用いてサンプルを凍結させ、-150℃にした。37℃の水浴中でサンプルを融解させた。フローサイトメトリーを適用して、CD45+、CD34+ 造血幹細胞の生存能力を評価した。蛍光DNA結合化合物である7-アミノアクチノマイシン D(7-AAD)を、生/死マーカーとして用いた。7AADを排除できる細胞を、生存可能であると仮定した。結果を、図10に示す:イソマルトオリゴ糖1(薄いグレーのバー)、水添イソマルトオリゴ糖1(濃いグレーのバー)およびDMSO(黒いバー)。それぞれ二回ずつ測定された、3つの別々の実験からのデータを示す。エラーバーは、標準偏差を示す。
Vibrasat装置(Moeller Medical GmbH & Co。KG、Fulda、Germany)を用いて腹部や太腿の内側の美容脂肪吸引によって得られた脂肪組織から、ASCを採取した。間質血管画分からのASCを、ダルベッコ変法イーグル培地、1% ペニシリン-ストレプトマイシン、1% GlutaMAXおよび10%のプールされたヒト血小板溶解物からなる培養培地にエクスビボで増殖させた。10% DMSOまたは様々な濃度のイソマルトオリゴ糖1(isom)もしくは水添イソマルトオリゴ糖1(h-isom)を含有する凍結保護培地中で細胞を凍結させた。速度制御フリーザーを用いて、(Kryo 560-16、Planer; 開始温度4℃、-1℃/分で0℃まで低下、-2℃/分で-45℃まで低下、および-5℃/分で-100℃まで低下)を用いてサンプルを凍結させ、-150℃にした。37℃の水浴中でサンプルを融解させた。表現型(CD73、CD90、CD105に対して陽性ならびにCD14、CD20、CD45およびCD34に対して陰性)の特性評価のためにフローサイトメトリーを適用して、ASCの生存能力を評価した。蛍光DNA結合化合物である7-アミノアクチノマイシン D(7-AAD)を、生/死マーカーとして用いた。7AADを排除できる細胞を、生存可能であると仮定した。結果を、図11に示す:イソマルトオリゴ糖1(薄いグレーのバー)、水添イソマルトオリゴ糖1(濃いグレーのバー)およびDMSO(黒いバー)。二回ずつ測定された、1つの実験からのデータを示す。エラーバーは、標準偏差を示す。DMSOの結果は予測よりも低い。
Claims (16)
- 凍結保存されるべきサンプルを、抗凍結剤を含む凍結防止剤に接触させて、凍結保存組成物を得、次いで、凍結保存組成物の温度を凍結保存温度まで低下させることを含む、サンプルを凍結保存する方法であって、
該抗凍結剤が、850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖および850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有する水添イソマルトオリゴ糖の1種以上であり、
該凍結防止剤が、実質的にジメチルスルホキシド(DMSO)を含まず、「実質的にDMSOを含まない」が、0.01w/w %未満の量のDMSOを意味し、
サンプルが、間葉系幹細胞および造血幹細胞からなる群から選択される、
方法。 - サンプルを凍結保存するための、抗凍結剤を含む凍結防止剤の使用であって、
該抗凍結剤が、850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖および850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有する水添イソマルトオリゴ糖の1種以上であり、
該凍結防止剤が、実質的にジメチルスルホキシド(DMSO)を含まず、「実質的にDMSOを含まない」が、0.01w/w %未満の量のDMSOを意味し、
サンプルが、間葉系幹細胞および造血幹細胞からなる群から選択される、
凍結防止剤の使用。 - 抗凍結剤を含む凍結防止剤を含み、凍結保存されるべきサンプルをさらに含む、凍結保存組成物であって、
該抗凍結剤が、850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖および850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有する水添イソマルトオリゴ糖の1種以上であり、
該凍結防止剤が、実質的にジメチルスルホキシド(DMSO)を含まず、「実質的にDMSOを含まない」が、0.01w/w %未満の量のDMSOを意味し、
サンプルが、間葉系幹細胞および造血幹細胞からなる群から選択される、
凍結保存組成物。 - 1〜50 % w/wの量の該抗凍結剤を含む、請求項3に記載の凍結保存組成物。
- 造血幹細胞が、末梢血由来造血幹細胞である、請求項1に記載の方法。
- 末梢血由来造血幹細胞が、CD34陽性血液幹細胞である、請求項5に記載の方法。
- 細胞が、凍結保存後に機能的である、請求項1、5および6のいずれか1つに記載の方法。
- 該細胞の生存能力が保存される、請求項7に記載の方法。
- 該抗凍結剤が、≧1および≦5の多分散性を有する、請求項1および5〜8のいずれか1つに記載の方法。
- 該抗凍結剤が、850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有するイソマルトオリゴ糖である、請求項1および5〜9のいずれか1つに記載の方法。
- 該抗凍結剤が、850〜1,150 Daの重量平均分子量(Mw)を有する水添イソマルトオリゴ糖である、請求項1および5〜10のいずれか1つに記載の方法。
- 3グルコース単位未満のイソマルトオリゴ糖の重量分率が、15% w/w未満であり、および/または、9グルコース単位を超えるイソマルトオリゴ糖の重量分率が、20% w/w未満である、請求項1および5〜11のいずれか1つに記載の方法。
- 該イソマルトオリゴ糖または水添イソマルトオリゴ糖が、デキストランベースである、請求項1および5〜12のいずれか1つに記載の方法。
- 該凍結防止剤が、粉末の形態または溶液の形態である、請求項1および5〜13のいずれか1つに記載の方法。
- 該凍結防止剤が、30%〜70% w/wの該抗凍結剤を含む、請求項1および5〜14のいずれか1つに記載の方法。
- 該凍結防止剤が、アガロース、アルギン酸塩、アルブミン、硫酸コンドロイチン、コリン、エリスリトール、グルコース、α-グリセロリン酸、グリシン、ヒドロキシエチルデンプン、イノシトール、ラクトース、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、マルトース、マンニトール、マンノース、メチルアセトアミド、プルロニックポリオール、ポリエチレングリコール、プロリン、リボース、セリン、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ソルビトール、スクロース、トレハロース、トリメチルアミン酢酸塩、尿素、バリンおよびキシロースから選ばれる、少なくとも1つの追加の抗凍結剤を含む、請求項1および5〜15のいずれか1つに記載の方法。
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