JP4031044B2 - 細胞凍結保存培地中のアラビノガラクタンの使用 - Google Patents
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Description
本発明は一般に、体細胞の凍結保存における使用のためのアラビノガラクタンを含む培地の分野にある。体細胞および組織の長期保存は、研究および生体医学分野にとって広い範囲で決定的に重要である。細胞および組織の凍結保存は、例えば、臨床用途のための血液製品の保存;器官バンクの確立;不変の細胞集団を提供するための細胞株の長期保存;および研究または医用目的のための細胞集団の保存のために有用である。体細胞は、一度それらが液体窒素温度(-196℃)に達すると、無限に保存され得る。しかし、凍結プロセス自体が、即時および長期損傷を細胞に生じることが、十分に確証されており、最大の損傷は、冷却および解凍の間に細胞が中間帯域の温度(-15℃〜-60℃)を通過したときに起こる(Mazur, Am. J. Physiol., 247: C125-142, 1984)。凍結プロセスの間細胞に起こり得る初期の損傷の物理学的事象は、脱水および細胞内氷晶形成を含む。凍結の間、溶質は固相から拒絶され、溶液の非凍結部分において急激な濃度変化を生じる。生物学的細胞は、細胞内溶液と細胞外溶液との間で新しい平衡状態に達するために、脱水によりこの振動に応答する。高い冷却速度では、細胞外液における化学ポテンシャルが低下する速度が水が細胞外に拡散し得る速度よりも非常に大きいので、平衡は維持され得ない。この不均衡の最終結果は、細胞にとって致死的である細胞内氷形成(intracellular ice fomation:IIF)が観察されることである。Toner, J. of Applied Phys., 67: 1582-1593(1990)。低い冷却速度では、細胞は高い細胞外濃度に高い零下温度で長時間曝され、高い細胞内濃度の潜在的な損傷を起こす。Lovelock, Biochem. Biophys. Acta, 10: 414-446(1953)。
特定の細胞タイプに関する凍結保存の臨床的および商業的な適応は、生存可能な細胞全体の有用な数を回復する能力によって制限される。細胞生存度の重大な欠如が、特定の主要細胞タイプで観察される。凍結融解した細胞性外傷の例が、肝細胞(Borel-Rinkesら, Cell Transplantation, 1: 281-292, 1992)、ブタ角膜(HagenahおよびBohnke, 30: 396-406, 1993)、骨髄(Charakら, Bone Marrow Transplantation, 11: 147-154, 1993)、およびブタ大動脈弁(Fengら, Eur. J. Cardiothorac. Surg., 6: 251-255, 1992)の凍結保存で認められている。
凍結保存のプロトコールは、典型的には、哺乳動物細胞について臨床的に関連した生存比を達成するために、凍結保護剤(「CPA」)の使用を必要とする。種々の物質が、凍結のプロセスで細胞の生存性を強めるための潜在的な添加物として、使用または研究されている。2つの最も一般的に使用されている物質は、グリセロールおよびジメチルスルホキシドである。使用される他の物質は、糖、ポリマー、アルコール、およびタンパク質を含む。CPAは大きく2つの異なるカテゴリー;細胞膜に浸透する物質;および非透物質に分けられる。1つの保護機構は、CPAが存在する場合、零下温度のために、イオン溶質の正味の濃度の減少により起こる。この束一的な効果は、CPAとして働く全ての物質に当てはまる(Fahy, Biophys.J. 32: 837-850, 1980)。しかし、CPAの添加は、溶液のイオン性を変化させる。組織およびインタクトな器官は共に、凍結溶液の導入によって生じた外部浸透圧の十分に大きな段階の変化、曝された場合、細胞生存度の低下を示し得る(Pegg, Cryobiology, 9: 411-419(1972))。さらに、特定のCPAの低濃度にさえ、室温で長期間曝されると、潜在的に損傷を受ける(Fahy, Cryobiology, 27: 247-268, 1990)。最も広く使用されている2つの凍結保存剤であるジメチルスルホキシド(「DMSO」)およびグリセロールは、浸透圧が複雑化するために解凍細胞に損傷を与え、そして解凍後、洗浄および遠心を介して細胞から除去されなければならない。
凍結および解凍の間の細胞損傷および細胞死を減少するために凍結培地に通常添加される別の培地成分は、血清である。しかし、この添加物は、高度に複雑であり、細胞機能を妨害または変化させ得る多くの要素(既知および未知)を添加し得る。他の非浸透性保護剤(例えばエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(KlebeおよびMancuso, In Vitro, 19: 167-170, 1983)スクロース、および培養培地(ShierおよびOlsen, In Vitro Cell Dev. Biol., 31: 336-337, 1995))が、細胞に対する凍結保存剤としてのそれらの有効性について研究されていおり、種々の結果が得られている。
Lionettiらの米国特許第4,004,975号は、ヒドロキシエチルデンプンおよびジメチルスルホキシドの溶液中における遠心分離血液からの白血球の凍結保存を開示する。Brockbankの米国特許第5,071,741号、およびCryolifeのPCT第WO92/08347号(1992年5月29日に公開された)は、凍結保護細胞培地中のアガロースおよびアルギネートなどの藻類由来ポリサッカライドの使用を開示する。Taylorの米国特許第5,405,742号は、血液代替物として使用するためおよびデキストランを含む組織の保存のための溶液を開示する。
PCT第WO95/06068号(要約)は、造血機能を改良するため、および放射線保護剤として使用するための、多糖体の使用を開示する。ヤギ精液凍結培地における、アラビアゴム、桜樹脂、およびアンズ樹脂の使用は、Platovら、Ovtsevodstvo, 10:38-39(1980)(要約)に開示される。Holtzら、Proc. Fourth Intern. Symp. Repr. Phys. Fish, (1991)は、マス精液の凍結保存中の糖類(例えば、グルコースおよびスクロース)の使用を開示する。Hillら、J.Lab. Clin. Med., 111: 73-83(1988)は、遠心によって洗浄したマウス血小板を得るためのアラビノガラクタンの使用を開示する。Maisse、Aquat. Living Resour., 7: 217-219(1994)は、マス精子の凍結保存における炭水化物(例えば、グルコースおよびマルトース)の効果の研究を開示する。ウシ血清との組合せにおける等張性スクロースは、哺乳動物細胞の凍結保存のための培地に使用されている。ShierおよびOlsen, In Vitro Cell. Dev. Biol., 31: 336-337(1995)。
アラビノガラクタンの誘導体およびアラビノガラクタン分解産物の調製は、Prescottら、Carbohydrate Research, 278: l13-128(1995);およびJungらの米国特許第5,478,576号に記載されており、その開示は本明細書中に参考として援用される。
凍結の間細胞を安定化し、および損傷から細胞を保護する細胞凍結培地に添加され得る、以下のような添加物が必要性である:非毒性であり、かつ広く多様な細胞培養および臨床適応における広範囲の細胞タイプに適する。
従って、本発明の目的は、凍結の間における体細胞の保存のために、改良した培地を提供することである。さらなる本発明の目的は、体細胞の保存、ならびに凍結および解凍において細胞の生存性を維持するために使用され得る培地を提供することである。本発明の別の目的は、広範囲の種々の体細胞タイプの凍結保存のために使用され得る培地を提供することである。
発明の要旨
体細胞の凍結保存のための方法および組成物が提供される。1つの実施態様において、細胞凍結保存培地が提供され、これは凍結、保存、および解凍において細胞の生存性を維持するための、有効量のアラビノガラクタンを含む。細胞は、保存の間、約4℃または4℃未満の温度、例えば、約-200℃に冷却または凍結され得る。好ましくは、培地は約-70℃〜約-200℃の間の温度に凍結される。1つの好ましい実施態様において、超精製アラビノガラクタンが、ジメチルスルホキシドのような第2の凍結保存剤と必要に応じて組み合わせて、凍結保存培地中に提供される。この培地は、異った供給源由来の、広く多様な異った細胞タイプの凍結保存のために使用され得る。例えば、ブタ、イヌ、ヒト、ウマ、齧歯類、およびウシの細胞を含む哺乳動物細胞が、この培地中で凍結保存され得る。培地中のアラビノガラクタンの存在は、凍結、保存、および解凍のプロセスの間、培地中の細胞の生存度を保護する。
発明の詳細な説明
体細胞および組織の凍結保存のための方法および組成物が提供される。1つの実施態様において、超精製アラビノガラクタンを含む培地、ならびに凍結および解凍において細胞生存度を保護するための細胞の凍結保存における培地の使用方法が提供される。このプロセスにおいて、アラビノガラクタンは非浸透凍結保存剤として作用し、そして有利なことに、細胞外環境の浸透圧に全く影響を及ぼさない。
アラビノガラクタン
アラビノガラクタンは水溶性の多糖類であり、これはLarex属の種から単離され得る。アラビノガラクタンは、いくつかの種の全心材の35%までを構成し得る。Stout, 「Larch Arabinogalactan」、Industrial Gums, R.L. Whisle編, Academic, Press, New York, 307-310頁, 1959。それは高度に水溶性であり、そしてカラマツ片から純度95%で得られ得る。存在する不純物は、主に単量体の糖、ポリフェノール、および塩である。好ましい実施態様においては、高度に精製された超精製アラビノガラクタンが、細胞凍結培地中で使用される。超精製アラビノガラクタンの調製方法は、米国特許第5,116,969号において開示され、この開示は本明細書中に参考として援用される。純度95%より高い、または必要に応じて99.9%より高い(Larex UFTM)、超精製アラビノガラクタンは、Larex, International, St. Paul, Minnesotaから入手される。超精製アラビノガラクタンは、それが溶質である水溶液の浸透圧に、有利にもほとんどまたは全く寄与しない。有利なことに超精製アラビノガラクタンは、高度に安定、無毒性、および水溶性である。
本明細書で使用される場合、用語「アラビノガラクタン」は、別に特定しなければ、天然に存在するまたは合成のアラビノガラクタン、アラビノガラクタンの一部(例えば分解生成物)、および化学的もしくは生化学的に修飾されたアラビノガラクタンもしくはその一部(当該分野で利用可能な方法を使用して修飾される)を含み、それらは体細胞凍結保存培地中で、培地中の体細胞の凍結および解凍において体細胞の生存度特性を保護するのに有効である。
本明細書で定義されるように、「超精製アラビノガラクタン」は、Larix属の樹木などの植物源から95%より高い純度で単離されたアラビノガラクタンをいう。1つの実施態様において、アラビノガラクタンの分子量は約6,000〜約2,500,000の範囲にある。別の実施態様において、超精製アラビノガラクタンの分子量は、約10,000〜約30,000ダルトンである(プルランを基準にしたサイズ排除クロマトクラフィーによる)。
アラビノガラクタンは、細胞凍結保存培地中のDMSOまたは血清の使用に対する有用な低コストの代替物を提供する。Larix種由来のアラビノガラクタンは、それが極度に水溶性であり、非常に狭い分子量分布を伴って天然に存在し、そして高度に分枝しており、従って粘稠性の問題を受けないので、有用である。
細胞凍結保存培地
1つの実施態様において、細胞培地は、超精製アラビノガラクタン粉末(例えばLarex UFTM(Larex, International, St. Paul, Minnesotaから入手可能))を平衡化塩溶液(特定の細胞タイプに適切である)に添加することにより形成され、ここでは、超精製アラビノガラクタンの濃度は凍結、保存、および解凍において細胞の解凍後生存度を保護するために十分である。好ましい実施態様において、アラビノガラクタンは細胞凍結保存培地内に溶解されるが、その培地はまた、アラビノガラクタンが分散される処方物を含む。
この細胞凍結保存培地は、特定の細胞タイプのために設計された単純な培地(例えば、平衡化塩組織または細胞培養培地)に有効濃度のアラビノガラクタンを添加することにより調製される。アラビノガラクタンの濃度は、凍結保存培地中に溶解性のアラビノガラクタンの最大濃度と同程度に高いものであり得、そして代表的には、凍結保存培地中で5%〜70%(重量/容量)の範囲にある。アラビノガラクタンの濃度はまた約20%〜約50%であり得るが、アラビノガラクタンの好ましい濃度は約14%〜約20%(重量/容量)の間であり、好ましくは約44%〜約50%(重量/容量)の間である。Dulbeccoの最小必須培地(「DMEM」)は、多くの細胞タイプにとって好ましい培地である。アミノ酸、サイトカイン、脂質、増殖因子、アルブミン、抗生物質、抗真菌剤、アルブミン、ステロイドホルモン、およびタンパク質ホルモンなどの他の組成物が、細胞培地中に添加され得る。当該分野で入手可能な特殊化した細胞培養培地(それらは特定の細胞タイプのために設計および最適化される)は使用され得る。
アラビノガラクタンに加えて、必要に応じて、1つ以上のさらなる凍結保存剤が保存の前に培地中に含まれ得る。本明細書中で使用される場合、用語「凍結保存剤」は凍結および解凍の事象の間の細胞損傷を防ぐ、合成化学的化合物または天然化合物をいう。1つの実施態様において、アラビノガラクタンはDMSOと組に合わせて培地中に提供される。DMSOの濃度は、例えば、培地中で約1%〜約10%(容量パーセント)の範囲であり得る。凍結保存培地に添加され得るさらなる凍結保存剤は、血清、増殖因子、グリセロール、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ヘパリン硫酸、コンドロイチン硫酸、血清アルブミン、ヘパリン、ポリビニルピロリドン、デンプン、セルロース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびN,N-ジメチルホルムアミドを含む。当該分野で入手可能な血清処方物が培地に添加され得、血清処方物としては、胎児ウシ血清(例えば約10%〜約40%(容量パーセント)の間の濃度)またはウシ新生児血清が挙げられる。いくつかの実施態様において、血清は、DMSOなどのさらなる浸透性凍結保存剤と共に、アラビノガラクタンを含む凍結培地中に含まれる。この培地は、特定の細胞試料に対して容易に調整され得る。
培地中のアラビノガラクタンの存在は、単独または他の凍結保存剤との組合せにおいて、凍結保存プロセスによる細胞損傷を減少させ、そして解凍後の生存度を増加させる。いかなる理論にも限定されないが、凍結保存のプロセスの間、細胞外氷晶の形成および細胞浸透性脱水の減少を変化させることにより、凍結中の保護効果が起こり得ると考えられる。
細胞凍結手順
細胞または組織は、商業的供給者から、または当該分野で入手可能な方法を使用して得られ得る。凍結保存培地は、細胞ペレットまたは組織試料に添加され、そして培地は細胞と完全に混和され、またはその組織は培地中に浸され、そして組織または細胞試料を含んだ培地は、例えば液体窒素の温度まで冷却または凍結される。
例示的な手順において、超精製されたAGは、緩衝化等張塩溶液中で50%重量/容量(「w/v」)濃度で調整される。次いでこの溶液はフィルター滅菌(0.2μm)し、そして直接凍結保存培地として使用されるか、あるいは、例えば、DMSO(細胞タイプによる)と組合わせて使用される。列挙され、遠心により濃縮され、選択の凍結培地(例えば、AGまたはAG+DMSO;1×106〜1×107細胞/バイアル)中に再混和され、1.8ml凍結バイアル(Nunc)に分取され、4℃で約30分平衡化され、-80℃で18時間段階冷却され、そして迅速に液体窒素中(-196℃)に移動される。細胞への浸透圧性のストレスまたは損傷を減少させるために、DMSOまたはグリセロールなどの潜在的な細胞毒性凍結保護添加物を使用する場合、好ましくは細胞試料および凍結保存培地は、例えば、約4℃まで冷却される。凍結培地中で浸透性の凍結保護剤が使用されない場合、凍結培地が細胞または組織に添加されたときの温度は重要な因子ではない。細胞は、バイアルの撹拌により、数個の氷晶のみが残存するまで37℃の水中で解凍され、次いで適切な容量の培養される細胞タイプに特異的な培養培地で迅速に希釈される。DMSOなどの浸透性の凍結保護剤を使用しない場合、培養の前にさらなる試料の取り扱いは必要ではない。なぜなら、アラビノガラクタン含有凍結培地は細胞にとって毒性でないからである。DMSOもしくはグリセロールなどの細胞浸透性または細胞毒性凍結保護剤の除去は、培養培地で希釈することにより、または、例えば、遠心などによる細胞洗浄により行われ得る。
AG単独中で、またはAGおよびDMSO中で凍結した細胞は、6日間のインビトロ増殖試験により測定した場合、DMSO、培養培地および血清を含む標準凍結培地と比較して、少なくとも等価な解凍後生存度を示した。血清の使用上でのアラビノガラクタンの使用の利点は、最小の病原体危険性、より少ない保存問題(なぜなら、アラビノガラクタンは細胞に対して毒性でないので)、他のアッセイまたは研究を妨害し得るタンパク質汚染の非存在、より低い経費、より再現性のある生成物、および広く多様な種々の細胞タイプへの適性を含む。アラビノガラクタンの使用はまた、その低い粘性および溶液の浸透圧への低い寄与のために利点を有する。さらにアラビノガラクタンは細胞に対して毒性でなく、むしろ広く多様な種々の細胞タイプと高度に適合し得る。
細胞タイプ
任意の広い範囲の体細胞が、本明細書中で開示されるようにアラビノガラクタンを含む培地中で凍結保存され得る。多様な種から単離された広く多様な細胞タイプが、アラビノガラクタンを含む培地中で凍結保存され得る。本明細書中で使用されるように、用語「体細胞」は、配偶子(精子または卵母細胞)または胚細胞のような分化全能性の細胞ではない任意の細胞をいう;そして用語「組織」は、それらの細胞間結合、および例えば、筋組織、神経組織、結合組織および上皮を含むインビボ構築物を保持している、複数の同様の細胞をいう。凍結保存され得る典型的な体細胞は、例えば、上皮、結合組織、筋、羊膜細胞、神経、脳、粘膜、血液、軟骨、乳房、腎臓、肝臓、膵臓、骨、角膜、動脈、肺、および皮膚の細胞を含む。例えば、循環系から得られた体細胞が、凍結保存され得る。ブタ、イヌ、ヒト、マウス、ウマ、およびウシの細胞を含む哺乳動物細胞が、凍結保存され得る。別の実施態様において、トリの体細胞、腫瘍細胞、または遺伝子改変細胞が、アラビノガラクタン含有培地中で凍結保存され得る。
アラビノガラクタン生成物
アラビノガラクタン(「AG」)処方物は、例えば、50、100、および500mlボトル中に、緩衝化等張塩溶液で希釈されたAGシロップの滅菌50%溶液の形で提供され得る。次いで、この溶液は細胞の凍結保存のために直接使用され得るか、またはDMSOおよび/または選択の細胞培養培地と混和され得る。予め作製されたアラビノガラクタン濃縮物は、DMSOおよび/または培養培地との組合せにおいて提供され得、そして種々の細胞タイプのために設計され得る。
細胞生存度のアッセイ
正常な細胞機能の維持を含む凍結および解凍後の細胞の生存度は、当該分野で入手可能な方法を使用して試験され得る。凍結および解凍後の細胞の生存度は、例えば、細胞増殖速度の測定、代謝機能の測定、または細胞(単数または複数)が生命色素を排除する能力の決定により、評価され得る。
培養細胞の生存度を試験するために使用される通常のアッセイは、MTTアッセイである(Mosmann, J. Immunol. Methods., 65: 55-63, 1983)。MTTアッセイの基本は、ミトコンドリアの脱水素酵素によるMTT(テトラゾリウム塩(3-(4,5-ジメチル-チアゾール-2イル-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)から不溶性の青いホルマザン結晶への変化である。形成されたホルマザン結晶の量は、代謝的に活性な細胞の数に正比例する。簡潔に述べると、細胞をMTT溶液(96ウェルプレートの1ウェル当たり、100μlの500μg/ml溶液)中で4時間培養する。このインキュベーションの後、MTT培地を吸引し、細胞をPBSですすぎ、そして形成されたホルマザン結晶をプロパノールまたはDMSO中に溶解させる。次いで、96ウェルプレートをマイクロプレートリーダーセットを用いて580nmの吸光度で測定する。細胞生存度は対象のパーセントとして表現され得るか、または血清含有培地中で培養された細胞の系列希釈から得られる標準曲線を使用して、細胞の絶対数で表現され得る。
生命色素排除アッセイは、生存する完全な細胞(健康な膜を有する)がトリパンブルーなどの特定の大きな分子量の色素を排除する能力に基づく。このアッセイにおいて、細胞の試料はトリパンブルー色素と混和される。細胞は、いずれの細胞が色素を排除したかを決定するために、顕微鏡的に迅速に試験され得る。色素を取り込み、そして青色になった細胞は、致死的でありかつ不完全な膜を有すると仮定される。細胞は、100×の拡大率の血球計数器を使用して数えられる。全体の細胞数がカウントされ、そして青い細胞の数と比較される。血球計数器の5マスの中にある全体の細胞数がカウントされる。この数を5で除して得られた数を10,000倍することで、最初の溶液の1mlあたりの細胞数が与えられる。
本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに理解される。
実施例1:細胞タイプの単離
細胞は、乳房(上皮、間質、内皮、マクロファージ、筋上皮)、血管(内皮、平滑筋)、肝臓(肝細胞、クッパー細胞)、腎臓(糸球体細胞)、皮膚(線維芽細胞)、脳(神経細胞)、膵臓(島細胞)、血液(免疫細胞)、肺(上皮、肺胞マクロファージ)、または唾液腺(線維芽細胞、上皮)を含むが、これらに限定されない、種々の組織から単離され得る。単離手順は、特定の細胞について特異的であるが、しかし一般に、単離された組織の細断片化を含み、その細断片化された組織は、ウシ血清アルブミン(BSA)などのタンパク質を含む平衡化塩組織培養培地(例えば、DMEM)中でコラゲナーゼなどの酵素によって消化される。消化された組織は、消化されなかったより大きい組織フラグメントを除去するために濾過され、次いで初代培養の確立のための組織培養処理プレート(例えば、Nalgene,Corning)に移される。
細胞株は、American Tissue Culture Collection(ATCC)より入手可能である。これらの株はATCCによって培養、継代、および保存されており、そして広く多様な組織および種由来の細胞を含む。これらの株は、凍結状態で、あるいはすでに培養されてATCCにより受理される。
上記に記載されたような組織タイプは回収され得、そして平衡化組織培養培地中で短期間保存され得る。組織は、代謝的劣化を防ぐために、冷却環境(4℃)中で保存されなければならない。組織の中央部分に位置する細胞は、必要な栄養および酸素を入手し得ないので、より大きい大きさの組織フラグメントを維持することは、より困難である。組織断片はまた、より制御されていない凍結-解凍速度を有し、これは細胞内で凍結プロセスの間生じる化学ポテンシャルの変化の広い変動を生じ、そして、脱水および細胞内氷晶形成による、細胞へのより大きな損傷を生じる。
実施例2:アラビノガラクタン含有培地における細胞凍結保存
アラビノガラクタン含有および非含有培地中での、凍結後の種々の細胞タイプの生存度を研究した。超精製アラビノガラクタン(「AG」)を、緩衝化等張塩溶液中に溶解させた50%(重量/容量)濃縮保存液として調整した。次いで、この濃縮保存液を、凍結保存培地として直接使用したか、または以下の量の比で、培養培地(細胞タイプによる)、DMSOおよび/または血清を組合わせて使用した:
以下の7つの細胞タイプを試験した:
マウス乳房上皮細胞(NMuMG; ATCC);
正常ラット腎上皮細胞(NRK; ATCC);
ラット肝上皮細胞(Clone9; ATCC);
ヒト皮膚線維芽細胞(BUD8; ATCC);
ウシ肺動脈内皮細胞(CPAE; ATCC);
新生物発生前のマウス乳房細胞(-SA, Dr. H. Hosick, Washington State Universityより入手);および
ミンク肺線維芽細胞(MiCl; ATCC)。
各上記細胞を以下の手順で凍結した。
細胞のコンフルエントな培養物をトリプシン処理し、そして1,000,000個の細胞集団を6つの異なる凍結培地の各1.5ml中で希釈した。バイアルを4℃で30分冷却し、そして、-70℃の冷凍室に18時間移動した。次いで、バイアルを保存のために液体窒素中に投じた。
凍結後の細胞生存度に対する、異なった凍結培地の効果を、以下の試験によって測定した:(1)トリパンブルー排除アッセイを使用して測定した即時解凍後細胞生存度;(2)MTTアッセイを使用して測定した1日目プレーティング効率(標準血清含有培地中でプレーティングした1日後に付着し得、そして生存性を残存し得る細胞の数);(3)3日目および6日目の細胞数;および(4)処理の間の全体の細胞増殖速度を比較するための、6日目/1日目の細胞数の比。
各細胞タイプを、6つの異なった凍結培地の各々における凍結保存の2つ(2/7細胞タイプ)または3つ(5/7細胞タイプ)の複製を可能にするのに十分な数に達するまで培養した。複製ごとの各処理について、10個のデータポイントを発生させた。従って、細胞タイプごとの個々の処理について20または30のポイントを発生させた。データを、細胞タイプ内および全ての細胞タイプ間の両方で分析した。ANOVAを、工業的な標準凍結培地に対して全ての処理群を比較するために使用した。
即時解凍後の生存度
試験された全ての細胞タイプにおいて、DMSOを有する、または有さないアラビノガラクタンで凍結した細胞の、即時解凍後の生存度は、工業的標準(細胞培養培地+血清+DMSO)と比較して、実質上全く異ならなかった(p>0.25)。DMSOなしでアラビノガラクタンおよび血清中で凍結された細胞の生存度において、有意な減少があった(p=.0075)。
1日目プレーティング効率
このパラメータは、体細胞が培養プレートへ付着する能力、および解凍後に生存性を残存する能力を測定する。これは、細胞が、トリパンブルー排除アッセイにより測定した場合、即時解凍後明らかに完全な膜を有し得る(陽性生存度)が、正常には培養プレートに付着し得ず、そして分裂し得ないことを測定するために、重要な変数である。
試験した7つの細胞タイプのうち6つについて、アラビノガラクタンおよびDMSO中で凍結した細胞間での1日目の細胞数は、工業的な標準と比較して、実質上全く異ならなかった。全ての細胞タイプについて、DMSO+血清+アラビノガラクタンの組合せにおいて凍結した細胞は、一貫して高い1日目プレーティング効率を有した。
6日目細胞生存度
このパラメータは、標準血清-含有血清中の培養における6日後の細胞の増殖速度の指標を与える。すべての組み合わされた(処理中で)細胞からのデータ分析は、処理群間で実質上全く異ならないことを示した(p=0.99)。
6日目/1日目生存度比
6日目/1日目の生存可能な細胞の比は、6日増殖期間にわたる細胞の増殖速度の良好な測定を提供する。アラビノガラクタン+DMSO中で凍結した細胞の増殖速度は、標準培地中で凍結し細胞よりも優れていた(p=0.1)。DMSOなしで、アラビノガラクタン+血清中で凍結させた細胞は、6日間にわたる増殖が最も悪かった。図示された実施例は、表2において提供される。これは、CPAE細胞について6日目/1日目の細胞数の比を示す。
異なった細胞タイプの結果
アラビノガラクタンは、研究された全ての細胞タイプについて、標準凍結培地中、DMSOを有する処方物において、血清を置換するために使用され得る。単独のAG(培地3)は、いくつかの細胞タイプを凍結するために使用された。詳細には、凍結後の細胞の性能は、試験された7つの細胞タイプのうち5つ(-SA、NMuMG、MiCl、BUD-8、およびCPAE)において、培地3中で、標準凍結培地(培地1)よりも良好であるか、または同等のいずれかであった。
Claims (46)
- 体細胞の凍結保存のための方法であって、
a)凍結および解凍後の体細胞の生存度を維持するために、有効量のアラビノガラクタンを含む凍結保護培地中に該細胞を配置する工程;および
b)該細胞を含む培地を凍結させる工程
を包含する、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
c)前記細胞を含む培地を保存する工程;および
d)前記細胞を含む培地を解凍する工程;
をさらに包含し、
ここで該培地が凍結、保存、および解凍の間、細胞生存度を保護する、方法。 - 工程 b)が、前記細胞を含む培地を前記細胞の保存に適する温度に凍結する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
- 前記温度が4℃または4℃未満である、請求項3に記載の方法。
- 前記温度が−70℃〜−200℃の間である、請求項4に記載の方法。
- 前記アラビノガラクタンが超精製アラビノガラクタンである、請求項1に記載の方法。
- 工程 a)において前記細胞が配置される培地が水性であり、かつ該培地中のアラビノガラクタンの濃度が5%〜75%(重量/容量)の間である、請求項6に記載の方法。
- 前記濃度が14%〜20%(重量/容量)の間である、請求項7に記載の方法。
- 前記濃度が20%〜50%(重量/容量)の間にある、請求項8に記載の方法。
- 工程 a)において前記細胞が配置される培地が水性であり、かつ該培地中のアラビノガラクタンの濃度が該培地に溶解可能な最大量のアラビノガラクタンである、請求項6に記載の方法。
- 前記凍結保護培地が緩衝化等張塩溶液中にアラビノガラクタンを含む、請求項6に記載の方法。
- 前記培地が、アミノ酸、サイトカイン、脂質、増殖因子、抗生物質、抗真菌剤、ステロイドホルモン、タンパク質ホルモン、およびアルブミンからなる群から選択される組成物をさらに含む、請求項11に記載の方法。
- 前記凍結保護培地が、少なくとも第2の凍結保護剤をさらに含む、請求項6に記載の方法。
- 前記凍結保護剤がジメチルスルホキシド(「DMSO」)である、請求項13に記載の方法。
- 前記培地が、1%〜10%(容量パーセント)の間の濃度でDMSOを含む、請求項14に記載の方法。
- 前記培地が血清をさらに含む、請求項14に記載の方法。
- 前記培地が、10%〜40%(容量パーセント)の間の濃度で胎児ウシ血清を含む、請求項16に記載の方法。
- 前記体細胞が、上皮、結合組織、筋、羊膜細胞、神経、脳、粘膜、血液、軟骨、乳房、腎臓、肝臓、膵臓、骨、角膜、動脈、肺、および皮膚の細胞からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記体細胞が循環系由来である、請求項6に記載の方法。
- 前記体細胞が哺乳動物細胞である、請求項6に記載の方法。
- 前記哺乳動物細胞が、ブタ、イヌ、ヒト、齧歯類、ウマ、およびウシの細胞からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
- 前記体細胞が腫瘍細胞である、請求項6に記載の方法。
- 前記体細胞が遺伝子改変された哺乳動物細胞である、請求項6に記載の方法。
- 凍結保存剤としてアラビノガラクタンを含む、体細胞の凍結保存および凍結保護のための培地であって、ここで該培地が、凍結および解凍において、培地中に配置される細胞の生存度を維持するために、そして細胞損傷および細胞死を減少するために、有効濃度の凍結保存剤を含む、培地。
- 体細胞をさらに含む、請求項24に記載の凍結保護培地。
- 前記培地が細胞凍結に適する温度に凍結される、請求項24または25に記載の凍結保護培地。
- 前記温度が4℃または4℃未満である、請求項26に記載の凍結保護培地。
- 前記培地が−70℃〜−200℃の間に凍結される、請求項26に記載の凍結保護培地。
- 前記アラビノガラクタンが超精製アラビノガラクタンである、請求項24または25に記載の凍結保護培地。
- 前記培地中のアラビノガラクタンの濃度が前記培地に溶解可能な最大濃度である、請求項29に記載の凍結保護培地。
- 前記培地中のアラビノガラクタンの濃度が10%〜70%(重量/容量)の間である、請求項29に記載の凍結保護培地。
- アラビノガラクタンの前記濃度が20%〜50%(重量/容量)の間である、請求項31に記載の凍結保護培地。
- アラビノガラクタンの前記濃度が44%〜50%(重量/容量)の間である、請求項32に記載の凍結保護培地。
- 前記培地が水性緩衝化等張塩溶液中にアラビノガラクタンを含む、請求項29に記載の凍結保護培地。
- 前記培地が、アミノ酸、サイトカイン、脂質、増殖因子、抗生物質、抗真菌剤、ステロイドホルモン、タンパク質ホルモン、およびアルブミンからなる群から選択される組成物をさらに含む、請求項34に記載の凍結保護培地。
- アラビノガラクタンの前記濃度が5%〜70%(重量/容量)の間であり、第2の凍結保護剤をさらに含む、請求項25に記載の凍結保護培地。
- 前記第2の凍結保護剤がジメチルスルホキシド(「DMSO」)である、請求項36に記載の凍結保護培地。
- 前記培地が、1%〜10%(容量パーセント)の間の濃度のDMSOを含む、請求項37に記載の凍結保護培地。
- 前記培地が血清をさらに含む、請求項37に記載の凍結保護培地。
- 前記培地が、10%〜40%(容量パーセント)の濃度の胎児ウシ血清を含む、請求項39に記載の凍結保護培地。
- 前記体細胞が、上皮、結合組織、筋、羊膜細胞、神経、脳、粘膜、血液、軟骨、乳房、腎臓、肝臓、膵臓、骨、角膜、動脈、肺、および皮膚の細胞からなる群から選択される、請求項25に記載の凍結保護培地。
- 前記体細胞が循環系由来である、請求項25に記載の凍結保護培地。
- 前記体細胞が哺乳動物細胞である、請求項25に記載の凍結保護培地。
- 前記哺乳動物体細胞が、ブタ、イヌ、ヒト、ウマ、およびウシの細胞からなる群から選択される、請求項43に記載の凍結保護培地。
- 前記体細胞が腫瘍細胞である、請求項25に記載の凍結保護培地。
- 前記体細胞が遺伝子改変された哺乳動物細胞である、請求項25に記載の凍結保護培地。
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