JP6770519B2 - 酵素により製造されるセルロース - Google Patents

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Description

本願は、国際出願PCT/中国特許出願公開第2014/094594号明細書(2014年12月23日出願)およびPCT/中国特許出願公開第2014/094593号明細書(2014年12月23日出願)の利益を主張するものであり、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、多糖類の分野に属する。より具体的には、本開示は、低分子量の不溶性セルロースおよびその合成のための酵素反応物に関する。本開示はまた、粘度調節および膜形成などの様々な用途でのセルロースの使用に関する。
電子的手段によって提出された配列表の参照
配列表の認証謄本が、2015年12月9日作成のCL6392WOPCT2_SequenceListing_ST25というファイル名の、39.4キロバイトのサイズを有するASCIIフォーマットの配列表としてEFS−Webを介して電子的に提出され、本明細書と同時に出願される。このASCIIフォーマットの文書に含まれる配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
酵素合成または遺伝子工学により、新しい構造多糖類を見出すという要求の高まりから、研究者は、生分解性でありかつ継続的に供給可能な材料から経済的に製造できる多糖類を見出した。そのような多糖類の1つが、セルロース、すなわちベータ−1,4−グリコシド結合を有することを特徴とするグルカンポリマーである。
微結晶セルロース(MCC)は、有機および無機汚染物質を実質的に含まない、白色、無臭、無味で比較的自由に流動する結晶性粉末である。それは、繊維質の植物材料(例えば、木材)からパルプとして得られるアルファセルロースを、通常、鉱酸で加水分解することによって得られる、精製されかつ部分的に解重合されたセルロースである。MCCは、セルロース材料の非晶質(繊維状セルロース)領域を除去することによって得られる結晶性一次凝集体からなる高結晶性の粒子状セルロースである。MCCは、食品、医薬品および化粧品などの様々な用途に使用される。MCCが様々な用途に使用されているにもかかわらず、この種のセルロースの製造は困難かつ高価である。また、MCCの活性化には高い剪断を必要とする。
様々な用途でその潜在的有用性を示す新しい形態のセルロースを開発することが要望されている。新規の酵素法の開発は、新しい型のセルロース材料を製造するうえで有用な手段になるであろう。
一実施形態において、本開示は、水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、および不溶性セルロースを合成するセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を含む酵素反応物に関する。
他の実施形態では、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含み、かつ不溶性セルロースを合成する。
他の実施形態では、セルロースの重量平均重合度(DP)は、(i)約10〜約30または(ii)約10〜約1000である。
他の実施形態では、セロデキストリンは、セロビオースを含む。
他の実施形態では、本開示は不溶性セルロースを製造する方法に関する。この方法は、a)少なくとも水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、およびセロデキストリンホスホリラーゼ酵素、例えば、配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含む酵素を接触させる工程であって、不溶性セルロースが生成される、工程と、b)任意選択により、工程(a)で生成される不溶性セルロースを分離する工程とを含む。
他の実施形態では、本方法の工程(a)で生成されるセルロースは、(i)約10〜約30または(ii)約10〜約1000の重量平均重合度(DP)を有する。他の実施形態では、本方法の工程(a)で生成されるセルロースは、セルロースII型結晶構造を有する。
他の実施形態では、本方法で使用されるセロデキストリンは、セロビオースを含む。
他の実施形態では、グルコース−1−リン酸は、本方法の工程(a)において第2の反応を行うことによって供給され、第2の反応の生成物は、グルコース−1−リン酸を含む。他の実施形態では、第2の反応は、(i)水、無機リン酸塩、デンプン、デンプンホスホリラーゼ、および任意選択によりデンプン脱分枝酵素、例えばプルラナーゼまたはイソアミラーゼを接触させるか、(ii)水、無機リン酸塩、スクロース、およびスクロースホスホリラーゼ酵素を接触させるか、または(iii)水、無機リン酸塩、セルロースバイオマス、エンドグルカナーゼ、セロデキストリンホスホリラーゼ、ならびに任意選択により溶解性多糖類モノオキシゲナーゼおよび/またはセロビオヒドロラーゼを接触させることによってグルコース−1−リン酸を生成する。他の実施形態では、第2の反応は、工程(a)が実施される容器と同じ容器で行われ、第2の反応は、工程(a)の前におよび/または工程(a)に続いて実施される。
原子間力顕微鏡法(AFM)を使用して、ルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼ酵素により合成された不溶性セルロースのコロイド分散液を乾燥して作製された薄膜を分析した。シート構造の厚さは約5nmである。実施例4を参照。 原子間力顕微鏡法(AFM)を使用して、ビブリオ・ルバー(V.ruber)セロデキストリンホスホリラーゼ酵素により合成された不溶性セルロースのコロイド分散液を乾燥して作製された薄膜を分析した。シート構造の厚さは約4.8nmである。実施例4を参照。 ルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼ(青色ダイヤモンド形、試料1、2.5wt%(水中))、またはビブリオ・ルバー(V.ruber)セロデキストリンホスホリラーゼ(赤色四角、試料2、1.7wt%(水中))により合成された不溶性セルロース材料のコロイド分散液について測定された粘度対剪断速度である。実施例4を参照。 ルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼ(2.5wt%(水中))、またはビブリオ・ルバー(V.ruber)セロデキストリンホスホリラーゼ(1.7wt%(水中))により合成された不溶性セルロース材料のコロイド分散液について測定された粘度と比較した、種々の商業的に入手可能な水溶性多糖類(カルボキシメチルセルロース[CMC]およびスクレログルカン)の水中での粘度である。DP3200および2000のCMCはCP Kelco製であり、DP50、360および1200のCMCは、CP Kelco製のFINNFIXという商標名のCMCであった。スクレログルカンはCargill(ACTIGUM)製であった。粘度は、10 1/sの剪断速度での測定を報告する。
引用する全ての特許文献および非特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
別段の開示がなされていなければ、本明細書で使用される用語「1つの(a)]および「1つの(an)」は、1つ以上の(すなわち、少なくとも1つの)参照されるものを包含するものとする。
存在する場合、特に明記されていなければ、全ての範囲は包括的かつ結合可能である。例えば、「1〜5」と記載されているとき、記載範囲は「1〜4」、「1〜3」、「1〜2」、「1〜2および4〜5」、「1〜3および5」などの範囲を含むと解釈されるべきである。
用語「セロデキストリンホスホリラーゼ」、「セロデキストリンホスホリラーゼ酵素」などは、本明細書では同義語として使用される。セロデキストリンホスホリラーゼは、Enzyme Commission(EC)番号2.4.1.49のものであり、CAZy(糖質関連酵素)データベースによれば、グリコシルヒドロラーゼファミリー94(GH94)に属する。セロデキストリンホスホリラーゼは可逆的にアルファ−D−グルコース−1−リン酸およびセロデキストリン(基質)からのセルロースおよび遊離リン酸(生成物)の合成を触媒することができる。そのような反応は、グルコース−1−リン酸+(1,4−ベータ−D−グルコシル)n−1→(1,4−ベータ−グルコシル)+リン酸と記述することができ、「(1,4−ベータ−D−グルコシル)n−1」はセロデキストリンであり、「(1,4−ベータ−グルコシル)」はセルロースである。本明細書に記載のある態様では、セロデキストリンホスホリラーゼは、水性組成物に不溶な低分子量のセルロース(例えば、DPが10〜30)を合成することができる。本明細書に記載のある態様では、セロデキストリンホスホリラーゼは、配列番号2または6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含む。
「セルロース」という用語は、ベータ−1,4−結合D−グルコースモノマー単位の直鎖を有するグルカン多糖類を指す。セルロースは、場合により(1,4−ベータ−D−グルコシル)と表され得る。ここで、nは本明細書で開示の低分子量セルロースのDP値と同じ値(例えば、10〜30)であり得る。本明細書では、「グルカン」という用語は、グリコシド結合の1種である、グルコシド結合により結合したD−グルコースモノマーの多糖を指す。
本明細書では、「セルロースII型構造」、「セルロースII型結晶構造」、「セルロースII型」などは、同義語として使用される。セルロースII型構造は、例えばKolpak and Blackwell(Macromolecules 9:273−278)およびKroon−Batenburg and Kroon(Glycoconjugate J.14:677−690)で報告されており、いずれも参照により本明細書に組み込まれる。セルロースII型構造を特徴付ける支配的な水素結合は、O2−H−−−O6、O6−H−−−O6およびO2−H−−−O2であるが、セルロースI型は支配的な水素結合としてO2−H−−−O6を有する。セルロースII型の構造は、鎖の折り畳みを含み、解くのは困難である。セルロースII型は逆平行鎖を含むが、対照的にセルロースI型の鎖は平行である。
本明細書では、「グリコシド結合(linkage)」、「グリコシド結合(bond)」などの用語は同義語として使用され、炭水化物分子を他の炭水化物分子に結合する共有結合を指す。「グルコシド結合(linkage)」、「グルコシド結合(bond)」などの用語は同義語として使用され、グルカン中の2つのグルコース分子間のグリコシド結合を指す。本明細書で使用する「ベータ−1,4−グルコシド結合」という用語は、グルカン中の隣接するグルコース分子の炭素1および4を介してグルコース分子を互いに結合する共有結合を指す。
本明細書では、セルロースのグリコシド結合プロファイルは、当該技術分野で知られている任意の方法を使用して決定することができる。例えば、結合プロファイルは、核磁気共鳴(NMR)分光法を使用する方法(例えば、13C NMRまたはH NMR)により決定することができる。使用可能なこれらの方法および他の方法は、Food Carbohydrates:Chemistry,Physical Properties,and Applications(S.W.Cui.Ed,Chapter 3,S.W.Cui,Structural Analysis of Polysaccharides,Taylor&Francis Group LLC,Boca Raton,FL,2005)に開示されており、この文献は参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書では、セルロースなどのサッカライドポリマーの「分子量」は、数平均分子量(M)として、または重量平均分子量(M)として表すことができ、その単位はダルトンまたはグラム/モルである。あるいは、分子量は、DP(重量平均重合度)またはDP(数平均重合度)として表すことができる。当該技術分野では、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、またはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いる、これらの分子量測定値を算出する各種の手段が知られている。
本明細書で使用される「セロデキストリン」という用語は、2つ以上のベータ−1,4−結合グルコースモノマーの長さを有する、1種以上のグルコースポリマーを指す。セロデキストリンは、通常、セルロースの(酵素)加水分解により生成される。「セロビオース」は、のベータ−1,4−結合グルコースモノマーを含むセロデキストリンの1種である(すなわち、セロビオースは二糖類の1種である)。
本明細書で使用される「グルコース−1−リン酸」(G1P)は、1−炭素にリン酸基を有するグルコース分子を指す。本明細書に記載のG1Pはアルファ−D−グルコース−1−リン酸であり得る。
「酵素反応」、「セロデキストリンホスホリラーゼ反応」などの用語は、本明細書では同義語として使用され、特に明記されていなければ、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素によりなされる反応を指す。酵素反応物は、一般に、水、グルコース−1−リン酸およびセロデキストリン(例えば、セロビオース)、ならびに任意選択により他の成分を含む溶液中に、少なくとも1種の活性なセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を含む溶液を指す。水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリンおよびセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の接触工程が行われるのは、セロデキストリンホスホリラーゼ反応物においてである。「適切な反応条件下で」などの用語は、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素の活性により、基質を低分子量の不溶性セルロースへ変換するのを支える反応条件を指す。本明細書に記載のセロデキストリンホスホリラーゼ反応物は天然には存在しない。セロデキストリンホスホリラーゼ反応物が不溶性セルロースを生成すると、そのようなセルロースが溶液外に存在することは理解されよう。
本明細書で使用される対照酵素反応物は、例えば、配列番号2または6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含まないセロデキストリンホスホリラーゼを用いる反応物を指し得る。対照反応溶液の他の全ての特徴(例えば、基質濃度、温度、pH、時間)は、それと比較される反応物と同じにすることができる。
本明細書で使用される「第2の反応物」は、セロデキストリンホスホリラーゼ反応物(「第1の反応物」)に追加され、第1の反応物にG1P基質を提供する反応物を指す。
「P」と表記し得る「無機ホスフェート」は、溶液中における遊離リン酸イオンを指し、種々のリン酸エステルにおいて結合しているリン酸とは区別される。
「G1P−生成酵素」は、少なくとも1種の生成物がG1Pである生成物の合成を触媒する酵素を指し得る。G1P生成酵素の例としては、デンプンホスホリラーゼ、スクロースホスホリラーゼおよびセロデキストリンホスホリラーゼ(上記反応を逆方向に触媒する場合、すなわちセルロースの加水分解)が挙げられる。
本明細書で使用される「デンプンホスホリラーゼ」は、EC番号2.4.1.1のものであり、デンプンおよび無機リン酸からグルコース−1−リン酸への変換を触媒することができる。そのような反応は、以下のように記述することもできる:(1,4−アルファ−D−グルコシル)+リン酸→(1,4−アルファ−D−グルコシル)n−1+アルファ−D−グルコース−1−リン酸(但し、「(1,4−アルファ−D−グルコシル)」はデンプンを指す)。
本明細書で使用される「デンプン脱分岐酵素」は、デンプンの分岐点である1,6−アルファ−D−グルコシド結合の加水分解を触媒することができる酵素を指す。本明細書に記載のデンプン脱分岐酵素の例としては、プルラナーゼおよびイソアミラーゼが挙げられる。本明細書で使用される「プルラナーゼ」は、EC番号3.2.1.41のものである。本明細書で使用される「イソアミラーゼ」は、EC番号3.2.1.68のものである。
本明細書では、「スクロース」という用語は、α−1,2−グリコシド結合により結合した、アルファ−D−グルコース分子およびベータ−D−フルクトース分子からなる非還元性二糖類を指す。スクロースは、通常、食卓砂糖として知られている。
本明細書で使用される「スクロースホスホリラーゼ」は、EC番号2.4.1.7のものであり、スクロースおよびリン酸からフルクトースおよびG1Pへの変換を触媒することができる。そのような反応は、以下のように記述することもできる:スクロース+リン酸→フルクトース+アルファ−D−グルコース−1−リン酸。
本明細書では、「セルロース系バイオマス」、「セルロース含有バイオマス」などは同義語として使用され、食品成分または醗酵基質として直接使用することができない、植物の構造部分(例えば、木部、茎)を含む材料を指す。
本明細書では、「エンドグルカナーゼ」および「ベータ−1,4−エンドグルカナーゼ」は同義語として使用され、セルロース鎖の内部結合を切断し、セルロース鎖をより短くすることができる酵素を指す。そのようなより短い鎖は、上記反応を逆向きに触媒する場合(すなわち、セルロースの加水分解)には、セロデキストリンホスホリラーゼにとって適切な基質となる。
「体積パーセント(percent by volume)」、「体積パーセント(volume percent)」、「vol%」、「v/v%」などの用語は、本明細書では同義語として使用される。溶液中の溶質の体積パーセントは、次式を用いて決定することができる:[(溶質の体積)/(溶液の体積)]×100%。
「重量パーセント(percent by weight)」、「重量パーセント(weight percentage)(wt%)」、「重量−重量パーセント(%w/w)」などは、本明細書では同義語として使用される。物質の重量パーセントは、物質が組成物、混合物または溶液中に含まれる際の質量基準のパーセントを指す。
本明細書で使用される「増加した」という用語は、増加した量または活性が比較される量または活性より、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、50%、100%または200%多い量または活性を指し得る。本明細書では、「増加した」、「高められた」、「優れた」、「より大きい」、「改善された」などの用語は同義語として使用される。
本明細書では、「ポリヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド配列」、「核酸配列」などの用語は同義語として使用される。これらの用語はヌクレオチド配列などを包含する。ポリヌクレオチドは、場合により、合成の、非天然の、または改変されたヌクレオチド塩基を含有する、一本鎖または二本鎖のDNAポリマーまたはRNAポリマーであり得る。ポリヌクレオチドは、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAまたはこれらの混合物の1つ以上のセグメントから構成され得る。
本明細書で使用される「遺伝子」という用語は、コード領域からRNA(RNAはDNAポリヌクレオチド配列から転写される)を発現するポリヌクレオチド配列を指し、このRNAはメッセンジャーRNA(タンパク質をコードする)または非タンパク質コードRNAであり得る。遺伝子はコード領域のみを指し得、コード領域の上流および/または下流の調節配列(例えば、プロモーター、5’−非翻訳領域、3’−転写終結領域)を含み得る。本明細書では、タンパク質をコードするコード領域を、また、「オープンリーディングフレーム」(ORF)と呼び得る。「天然の」または「内在性の」遺伝子は、それ自体の調節配列とともに天然に見出されたままの遺伝子を指し;そのような遺伝子は宿主細胞のゲノムの本来の場所に位置する。「キメラ」遺伝子は、天然には一緒に見出されることがない(すなわち、調節領域およびコード領域は互いに非相同である)調節配列およびコード配列を含む、天然遺伝子でない遺伝子を指す。したがって、キメラ遺伝子は、異なる起源から誘導される調節配列およびコード配列、または同一起源から誘導される調節配列およびコード配列を含み得るが、天然に見出されるのと異なる方法で配置される。「外来」または「異種」遺伝子は、遺伝子導入によって宿主有機体に導入された遺伝子を指す。外来/異種遺伝子は、非天然有機体に挿入された天然遺伝子、天然宿主の新たな場所に導入された天然遺伝子、またはキメラ遺伝子を含むことができる。本明細書で開示されるある態様では、ポリヌクレオチド配列は異種である。「導入遺伝子」は、遺伝子導入手順(例えば、形質転換)によりゲノムに導入された遺伝子である。「コドン最適化」オープンリーディングフレームは、宿主細胞の好ましいコドン使用頻度を模倣するよう設計されたコドン使用頻度を有する。
本明細書に記載の細胞または有機体に含まれる「非天然の」アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列は、そのような細胞または有機体の天然の(自然の)カウンターパート中では生じない。
本明細書で使用される「調節配列」は、遺伝子の転写開始部位の上流に位置するヌクレオチド配列(例えば、プロモーター)、5’非翻訳領域、イントロンおよび3’非コード領域を指し、遺伝子から転写されるRNAの転写、プロセシングもしくは安定性、および/または翻訳に影響を及ぼし得る。本明細書に記載の調節配列としては、プロモーター、エンハンサー、サイレンサー、5’非翻訳リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化認識配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位、ステムループ構造、および遺伝発現の調節に関与する他の要素が挙げられる。本明細書に記載の1種以上の調節エレメント(例えば、プロモーター)は、本明細書では、コード領域に対して異種であり得る。
本明細書で使用される「機能可能に結合される」という用語は、一方の機能が他方により影響されるような2つ以上の核酸配列の結合を指す。例えば、プロモーターがコード配列の発現に影響を及ぼすことができるとき、それはコード配列に機能可能に結合している。すなわち、コード配列はプロモーターの転写調節下にある。コード配列は、例えば、1つ(例えば、プロモーター)またはそれを超える(例えば、プロモーターおよびターミネーター)調節配列と機能可能に結合することができる。
「組み換え」という用語は、プラスミド、ベクターまたはコンストラクトなどのDNA配列を特徴付けるために本明細書で使用されるとき、そうしなければ配列の2つの別々のセグメントであったものを、例えば化学合成により、および/または核酸の分離したセグメントを遺伝子工学の手法で操作することにより人工的に組み合わせることを指す。本明細書に記載の、組み換えコンストラクト/ベクターを調製する方法は、例えばJ.Sambrook and D.Russell(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,2001);T.J.Silhavy et al.(Experiments with Gene Fusions,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1984);およびF.M.Ausubel et al.(Short Protocols in Molecular Biology,5th Ed.Current Protocols,John Wiley and Sons,Inc.,NY,2002)により記載される、標準組換えDNAおよび分子クローニング技術に従って行うことができる。
本明細書で使用される「形質転換」という用語は、任意の方法により核酸分子を宿主有機体または宿主細胞に移行させることを指す。有機体/細胞に形質転換された核酸分子は、有機体/細胞中で自律的に複製するもの、有機体/細胞のゲノムに組み込まれるもの、または複製もしくは組み込みされずに細胞内に一時的に存在するものであり得る。形質転換に適した核酸分子の非限定的な例は、プラスミドおよび直鎖状DNA分子など、本明細書に開示されている。形質転換核酸配列を含有する、本明細書に記載の宿主有機体/細胞は、例えば、「トランスジェニックの」、「組み換えの」、「形質転換されている」、遺伝子操作されている、「形質転換体」、および/または「外因性遺伝子発現のために改変され」ていると称することができる。
ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列に関して、本明細書で使用される「配列相同性」または「相同性」という用語は、特定の比較窓上で最大の一致が得られるよう整列させたときに同一である2つの配列中の核酸塩基またはアミノ酸残基を指す。したがって、「配列相同性のパーセント」または「パーセント相同性」は、比較窓上で最適に整列させた2つの配列を比較することにより決定された値を指すが、比較窓内のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列部分は、2つの配列の最適なアライメントのために参照配列(これは付加または欠失を含まない)と比較すると、付加または欠失(すなわちギャップ)を含み得る。パーセントは、両配列で同じ核酸塩基またはアミノ酸残基が存在する位置の数を決定して、一致した位置の数を得、その一致した位置の数を比較窓内の位置の総数で除し、かつその結果に100を乗じて、配列相同性のパーセントを得ることにより算出することができる。DNA配列とRNA配列との間の配列相同性を計算するとき、DNA配列のT残基は、RNA配列のU残基と合致し、したがってRNA配列のU残基と「同一である」と見なし得ることは理解されよう。第1および第2のポリヌクレオチドの「パーセント相補性」を決定する目的では、これは、(i)例えば、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドとの相補配列間のパーセント相同性(逆も同じ)、および/または(ii)標準的なワトソン・クリック塩基対を形成するであろう第1および第2のポリヌクレオチド間の塩基のパーセントを決定することにより得ることができる。
オンラインにより全米バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)ウェブサイトで利用できるBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)のアルゴリズムが、例えば、本明細書で開示される、2つ以上のポリヌクレオチド配列(BLASTNアルゴリズム)またはポリペプチド配列(BLASTPアルゴリズム)間のパーセント相同性を測定するために使用することができる。あるいは、配列間のパーセント相同性は、Clustalアルゴリズム(例えば、ClustalW、ClustalV、またはClustal−Omega)を使用して行うことができる。Clustalアライメント法を使用するマルチプルアライメントでは、既定値はGAP PENALTY=10およびGAP LENGTH PENALTY=10に対応し得る。Clustal法を使用するペアワイズ整列およびタンパク質配列のパーセント相同性計算のための既定のパラメータは、KTUPLE=1、GAP PENALTY=3、WINDOW=5およびDIAGONALS SAVED=5であり得る。核酸では、これらのパラメータは、KTUPLE=2、GAP PENALTY=5、WINDOW=4およびDIAGONALS SAVED=4であり得る。あるいはさらに、配列間のパーセント相同性は、BLOSUMマトリックス(例えば、BLOSUM62)を使用し、GAP OPEN=10、GAP EXTEND=0.5、END GAP PENALTY=false、END GAP OPEN=10、END GAP EXTEND=0.5などのパラメータでEMBOSSアルゴリズム(例えばneedle)を使用して行い得る。
種々のポリペプチドアミノ酸配列およびポリヌクレオチド配列が、ある態様の特徴として本明細書で開示されている。本明細書で開示される配列に対して少なくとも約70〜85%、85〜90%または90%〜95%相同である、これらの配列の変異型を使用することができる。あるいは、変異型アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列は、本明細書で開示される配列に対して少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有することができる。変異型アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列は、開示した配列と同一の機能/活性、または開示した配列の少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の機能/活性を有する。メチオニンで始まらない、本明細書に開示のポリペプチドアミノ酸配列はいずれも、通常、アミノ酸配列のN末端に少なくとも開始メチオニンをさらに含むことができる。メチオニンで始まる、本明細書に開示のポリペプチドアミノ酸配列はいずれも、場合により、このメチオニン残基なしで考えることができる(すなわち、ポリペプチド配列は、配列のC−末端残基の2位の残基に関して参照することができる)。
本明細書で使用される「分離された」という用語は、完全にまたは部分的に精製されたポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはセルロース物質を指す。いくつかの例では、分離されたポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはセルロース材料は、より大きい組成物、バッファ系または試薬混合物の一部である。例えば、分離されたポリヌクレオチドまたはポリペプチド分子は、細胞または有機体の内部に異種的に含まれ得る。そのような異種構成要素および/または1つ以上の遺伝子欠失を含む細胞または有機体は、天然には存在しない。他の例には、分離されたセロデキストリンホスホリラーゼ酵素または反応物がある。本明細書に記載のセルロース組成物、ならびにこれらの組成物を製造するために使用される酵素および反応物は、合成物/人工物であり、かつ/または天然では存在しないと考えられる特性を示す。
本明細書に記載の「水性組成物」は、例えば、少なくとも約10wt%の水を含む液体成分を有す。水性組成物の例としては、例えば、混合物、溶液、分散液(例えば、コロイド分散液)、懸濁物および乳化物が挙げられる。ある実施形態では、水性組成物は、本明細書に開示されている不溶性セルロースを含むことができ、この場合、セルロースが不溶性であるとすると、水性組成物は、場合により、液体中固体組成物と見なすことができる。
本明細書で使用されるとき、「コロイド分散液」という用語は、分散相および分散媒体を有する不均一系を、すなわち、微視的に分散した不溶性粒子が別の物質(例えば、水または水性溶液などの水性組成物)全体に懸濁していることを指す。本明細書に記載のコロイド分散液の例は、親水コロイドである。親水コロイドなどのコロイド分散液の粒子の全てまたは一部は、本開示のセルロースを含むことができる。「ディスパーサント」および「分散剤」という用語は、本明細書では、同義語として使用され、分散液の生成および/または安定性を促進する物質を指す。
「親水コロイド」および「ハイドロゲル」という用語は、本明細書では、同義語として使用される。親水コロイドは、水または水性溶液が分散媒体であるコロイド系を指す。
「水性溶液」という用語は、本明細書では、溶媒が水を含む溶液を指す。水性溶液は、本明細書に記載のある態様では、ディスパーサントとしての役割を果たし得る。ある実施形態では、セルロースは、水性溶液に分散または混合することができる。
本明細書で使用される「粘度」という用語は、親水コロイドなどの流体または水性組成物の、それを流れさせようとする力に抵抗する程度の測定値を指す。本明細書で使用することができる粘度の各種単位としては、センチポアズ(cPs)およびパスカル−秒(Pa・s)が挙げられる。センチポアズはポアズの100分の1であり、1ポアズは0.100kg・m−1・s−1、または1mPa・sである。したがって、本明細書で使用される「粘度モディファイアー」、「粘度調節剤」などの用語は、流体または水性組成物の粘度を変化/調節することができる任意のものを指す。
本明細書で使用される「ずり減粘挙動」という用語は、剪断速度が増大するときの、水性組成物の粘度の減少を指す。「剪断速度」は、本明細書では、水性組成物に進行的な剪断変形が加えられる速度を指す。剪断変形は、例えば、回転により加えることができる。
水性組成物の粘度を増加させる方法に関して、本明細書で使用される「接触」という用語は、水性組成物に本開示のセルロースを取り込むことにつながるあらゆる作用を指す。接触は、例えば、混合、振盪または均質化など、当該技術分野で知られている任意の手段により行うことができる。
本明細書で使用される「DMSO」はジメチルスルホキシドを指し、これは式(CHSOで表される。
本明細書で使用される「DMAc」はN,N−ジメチルアセトアミドを指し、これは式CHCON(CHの化学式で表される。
本明細書では、「マーセル化」、「マーセル化プロセス」などの用語は同義語として使用され、セルロース材料を、通常水酸化ナトリウムを含む苛性アルカリ条件下で処理するプロセスを指す。本明細書中のある態様で開示されるセルロースは、マーセル化されていない。
本明細書では、「誘導体化」、「誘導体化プロセス」などの用語は、同義語として使用され、1つ以上のセルロース−OH基の水素の異なる部分/官能基(例えば、カルボキシメチル基)による置換を導く条件下で、セルロース物質を処理するプロセスを指す。本明細書中のある実施形態で開示されるセルロースは、誘導体化されていない。
本明細書で使用される「膜」という用語は、薄い視覚的に連続した物質を指す。膜は材料の上に薄層またはコーティングとして構成されてもよく、また、単独であってもよい(例えば、材料表面に付着していない)。本明細書で使用される「コーティング」は材料表面を覆う薄層を指す。
本明細書に記載の膜またはコーティングを特徴付けるために使用される「一様な厚さ」という用語は、(i)膜/コーティングの全領域の少なくとも20%であり、かつ(ii)厚さの標準偏差が、例えば、約50nm未満である連続領域を指し得る。
本明細書に記載の膜またはコーティングは、特定の物質に対して「低透過性」であると特徴付けることができる(その物質に対する膜/コーティングの透過性が、対象の技術分野で一般に割り当てられている閾値未満である場合)。説明のために、SMC(スーパーマルチコート)剥離膜の分野では、スチレン透過性の閾値は、American Institute of Chemical Engineer,53rd National Meeting,Preprint No.32d(Bixler and Michaels,1964)に記載の方法を用いた測定で、200×10−9g cm/cm/hである。膜またはコーティングは、長時間(例えば、1日以上)にわたって特定の物質を通過させない場合、その物質に対して「不透過性」であると特徴付けることができる。
様々な用途に潜在的有用性を付与する新しい形態のセルロースを開発することが望まれている。新規の酵素プロセスの開発は、新しい種類のセルロース材料を生成する有用な手段になる可能性がある。
本開示の実施形態は、少なくとも水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、およびセルロースを合成するセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を含む酵素反応物に関する。例えば、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、(i)配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含み、かつ(ii)セルロースを合成することができる。意義深いことに、そのような酵素反応により、乾燥および水性の両条件下で優れた特性を示す低分子量の不溶性セルロースを生成することが可能になり、そのようなセルロースを広汎な適用性を有するものとする。
ここに開示する酵素反応物での使用に適したセロデキストリンホスホリラーゼ活性を有する酵素は、例えば、配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含み得る。ある実施形態では、そのような酵素は、配列番号2または配列番号6と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成され得る。配列番号2を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の非限定的な例としては、配列番号4と100%相同であるか、または少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成されるセロデキストリンホスホリラーゼ酵素が挙げられる。配列番号6を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の非限定的な例としては、配列番号8と100%相同であるか、または少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成されるセロデキストリンホスホリラーゼ酵素が挙げられる。変異型セロデキストリンホスホリラーゼ酵素(例えば、配列番号2、4、6または8に対し90〜99%のアミノ酸相同性を有する参照配列)は、対応する非変異型参照配列の酵素活性(上記定義を参照)の一部(例えば、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、もしくは90%)または全部を有するであろう。
配列番号2または配列番号4をコードするポリヌクレオチド配列は、任意選択によりそれぞれ配列番号1または3と100%相同であるか、または少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%相同のヌクレオチド配列を含んでもよい。配列番号6または配列番号8をコードするポリヌクレオチド配列は、任意選択によりそれぞれ配列番号5または7と100%相同であるか、または少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%相同のヌクレオチド配列を含んでもよい。
あるアミノ酸が互いに類似した構造的特徴および/または電荷の特徴を共有する(すなわち、保存されている)場合、本明細書に記載のセロデキストリンホスホリラーゼ(および/または本明細書に記載の他のタイプのポリペプチド)の1個以上のアミノ酸は、以下のように、保存アミノ酸残基で置換されてもよい(「保存的アミノ酸置換」):
1.次の小さな無極性の、または僅かに極性のある脂肪族残基は、互いに置換し得る:
Ala(A)、Ser(S)、Thr(T)、Pro(P)、Gly(G);
2.次の極性のある、負の電荷を有する残基、およびそれらのアミドは、互いに置換し得る:Asp(D)、Asn(N)、Glu(E)、Gln(Q);
3.次の極性のある、正の電荷を有する残基は、互いに置換し得る:His(H)、Arg(R)、Lys(K);
4.次の無極性の脂肪族残基は、互いに置換し得る:Ala(A)、Leu(L)、Ile(I)、Val(V)、Cys(C)、Met(M)、および
5.以下の大きな芳香族残基は、互いに置換し得る:Phe(F)、Tyr(Y)、Trp(W)。
本明細書に記載のセロデキストリンホスホリラーゼ活性を有する酵素は、任意の微生物源、例えば、細菌または真菌(例えば、酵母)から得ることができる。適切な細菌の例としては、ビブリオ属(Vibrio)種およびルミノコッカス属(Ruminococcus)種が挙げられる。適切なビブリオ属(Vibrio)種の例としては、V.ルバー(V.ruber)、コレラ菌(V.cholerae)、V.アダプタツス(V.adaptatus)、V.アルギノリチカス(V.alginolyticus)、V.ミミカス(V.mimicus)、V.パラヘモリティカス(V.parahaemolyticus)、V.プロテオリチカス(V.proteolyticus)、およびV.バルニフィカス(V.vulnificus)が挙げられる。適切なルミノコッカス属(Ruminococcus)種の例としては、R.チャンパネレンス(R.champanellensis)、R.アルブス(R.albus)、R.ブロミイ(R.bromii)、R.フラベファシエンス(R.flavefaciens)、R.グナバス(R.gnavus)、R.ラクタリス(R.lactaris)、R.オベウム(R.obeum)、およびR.トロクエス(R.torques)が挙げられる。
本明細書に記載のセロデキストリンホスホリラーゼ活性を有する酵素の例は、本明細書に開示されるアミノ酸配列、ならびにさらにN末端およびC末端に1〜300(またはその範囲の任意の整数[例えば、10、15、20、25、30、35、40、45もしくは50])の残基を含むアミノ酸配列であり得る。そのような付加的残基は、例えば、(N末端またはC末端での)エピトープタグ(例えば、6個のヒスチジンなどのHisタグ)などの異種配列、または(N末端での)異種シグナルペプチドであり得る。異種アミノ酸配列がN末端で導入される実施形態では、そのような異種配列は、例えば、セロデキストリンホスホリラーゼの元の開始メチオニンに隣接してもよく、元の開始メチオニンに置き換わってもよい。後者の実施形態では、付加された異種配列のN末端に新しい開始メチオニンを使用することができる。
ここに開示するセロデキストリンホスホリラーゼ活性を有する酵素は、通常、N末端シグナルペプチドを欠く。しかしながら、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素の発現系は、場合により、細胞外分泌を指示するN末端シグナルペプチドをコードする配列をさらに含む酵素コードポリヌクレオチドを使用することができる。そのような実施形態におけるシグナルペプチドは、分泌過程で酵素から切断される。本明細書に開示されるセロデキストリンホスホリラーゼ酵素(例えば、配列番号2および配列番号6)は、天然に発現するシグナルペプチドとは結合しないと考えられることから、付加されたシグナルペプチドは、酵素とは異種であると考えられ得る。本明細書において有用なシグナルペプチドの例は、細菌(例えば、バチルス属(Bacillus)種、例えば、バチルス・ズブチルス(B.subtilis))由来のものである。細菌シグナルペプチドの例は、aprEシグナルペプチド、例えば、バチルス属(Bacillus)(例えば、バチルス・ズブチルス(B.subtilis)、Vogtentanz et al.,Protein Expr.Purif.55:40−52を参照(この文献は参照により本明細書に組み込まれる))由来のものである。
いくつかの実施形態では、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は天然には存在せず、例えば、本明細書に記載の酵素は微生物から天然に分泌されるものではないと考えられる(本明細書に記載のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、微生物から誘導されたものであろう)。
本明細書に記載のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、適切に遺伝子操作された微生物株の発酵によって製造することができる。大腸菌(E.coli)、バチルス属(Bacillus)株(例えば、バチルス・ズブチルス(B.subtilis))、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ならびにアスペルギルス(Aspergillus)属種(例えば、アスペルギルス・アワモリ(A.awamori))およびトリコデルマ(Trichoderma)属種(例えば、トリコデルマ・レーセイ(T.reesei))(例えば、Adrio and Demain,Biomolecules 4:117−139を参照(この文献は参照により本明細書に組み込まれる))などの微生物株を用いる発酵による組み換え酵素の製造は、当該技術分野ではよく知られている。
本開示のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、任意の精製状態(例えば、純粋、または非純粋)で使用し得る。例えば、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、使用前に精製および/または分離することができる。非純粋のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の例としては、細胞溶解物形態のものが挙げられる。細胞溶解物または細胞抽出物は、酵素を異種発現させるために使用された細菌(例えば、大腸菌(E.coli))から調製することができる。例えば、細菌は、フレンチプレス細胞破砕機を用いて破砕することができる。代替の実施形態では、細菌は、ホモジナイザー(例えば、APV、Rannie、Gaulin)を用いて均質化することができる。セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、通常、これらの調製物中に溶解する。本明細書中の細菌細胞の溶解物、抽出物またはホモジネート物は、本明細書に記載の酵素反応物中に約0.15〜0.3体積%で使用することができる。他の実施形態では、セロデキストリンホスホリラーゼ活性を有する酵素は、発現後、分離することができる。例えば、酵素は、結合/洗浄法、または結合/洗浄/抽出法(例えば、他の固定表面のカラムに酵素を結合し、次いで、洗浄し、場合により、カラムまたは他の固定表面から酵素を溶出させる)により分離することができる。酵素の分離法は、ある実施形態では、異種アミノ酸配列タグを付したセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を結合させる工程を含み得る。この場合、そうした結合は異種アミノ酸配列タグ(例えば、Hisタグ)によって行われる。セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、例えば、細胞溶解物または他の任意の組成物(例えば、酵素が場合により分泌される培地)から分離することができる。ある態様では、セロデキストリンホスホリラーゼ調製物は、グルコース−1−リン酸活性を欠くことができる。ある態様では、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、(例えば、マトリックスに)固定、または細胞表面に発現させることができる。ある態様では、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、例えば、任意選択によりポリエチレングリコール(PEG)で修飾することができる。
本開示のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、水性組成物に不溶な低分子量のセルロースを合成することができる。例えば、本明細書中の酵素反応に使用されるセロデキストリンホスホリラーゼは、低分子量の不溶性セルロースを生成することができる。
ある実施得形態では、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素によって生成されるセルロースは、約10〜1000のDPまたはDPを有し得る。例えば、本明細書において、セルロースのDPまたはDPは、約10〜500、10〜250、10〜100、10〜75、10〜50、10〜45、10〜40、10〜35、10〜30、10〜25、15〜50、15〜45、15〜40、15〜35、15〜30、もしくは15〜25であり得る。ある態様では、セルロースのDPまたはDPは、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50であるか、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50であるか、または約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50未満であり得る。
ある態様では、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素によって生成されるセルロースは、約1700〜170000、1700〜86000、1700〜43000、1700〜17000、1700〜13000、1700〜8500、1700〜6800、1700〜5100、2550〜5100、もしくは2550〜4250のMを有し得る。ある態様では、Mは、約1700、1900、2100、2300、2500、2700、2900、3100、3300、3500、3700、3900、4100、4300、4500、4700、4900、もしくは5100、少なくとも約1700、1900、2100、2300、2500、2700、2900、3100、3300、3500、3700、3900、4100、4300、4500、4700、4900、もしくは5100、または約1700、1900、2100、2300、2500、2700、2900、3100、3300、3500、3700、3900、4100、4300、4500、4700、4900、もしくは5100未満であり得る。
本明細書では、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素によって生成されるグリコシド結合の約100%は、例えば、ベータ−1,4結合である。他の態様では、セルロースは、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のベータ−1,4結合のグリコシド結合プロファイルを有し得る。したがって、本明細書中、酵素により製造されるセルロースは、例えば、ベータ−1,4以外のグリコシド結合が、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%未満であり得る。
本明細書中、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素により製造されるセルロースの主鎖は、直鎖状/非分岐状であり得る。あるいは、セルロースには、分岐があり得る。したがって、ある実施形態では、セルロースは、ポリマー中に、分岐点が、グリコシド結合の割合として、全くないか、または約5%、4%、3%、2%もしくは1%未満であり得る。
本明細書中のある態様では、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素によって生成されるセルロースは、セルロースII型結晶構造を有し得る。例えば、本明細書中のセルロースは、セルロースII型結晶構造のセルロースを約100重量%含み得る。他の例では、セルロースは、セルロースII型結晶構造のセルロースを少なくとも約80重量%、81重量%、82重量%、83重量%、84重量%、85重量%、86重量%、87重量%、88重量%、89重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、もしくは99重量%含み得る。いくつかの態様では、セルロースは、セルロースI型、III型および/またはIV型結晶構造のセルロース材料を約20重量%、19重量%、18重量%、17重量%、16重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%未満含み得る。セルロースII型結晶構造は、例えば、Kolpak and Blackwell(Macromolecules 9:273−278)、およびKroon−Batenburg and Kroon(Glycoconjugate J.14:677−690)に記載されており、これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。セルロースII型構造を特徴付ける支配的な水素結合は、O2−H−−−O6、O6−H−−−O6およびO2−H−−−O2であり、一方、セルロースI型は、支配的な水素結合としてO2−H−−−O6を有する。セルロースII型の構造は、鎖の折り畳み構造を含み、解くのは困難である。
セルロースは、本開示のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素により、セルロースII型として直接生成される。ここに開示するセルロースと対照的に、天然に(例えば、植物中に)生成するセルロース(例えば、植物のセルロース)は、通常、セルロースI型構造を有し、一般に、セルロースII型へ変換するには、マーセル化および/または他の化学的処理(例えば、誘導体化後の非誘導体化、再生セルロースの生成)を必要とする。本明細書中のある実施形態では、セルロースは、水性および乾燥の両条件下でセルロースII型結晶状態にある。
本明細書において製造されるセルロースは、水などの水性溶媒に不溶である。しかしながら、ジメチルスルホキシド(DMSO)および/またはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を含む溶媒には溶解することができる。そのような溶媒の例としては、単独のDMSOもしくはDMAcの、または塩化リチウム(LiCl)をさらに含むDMSOまたはDMAc(例えば、DMSO/LiClおよびDMAc/LiCl)が挙げられる。本明細書において、DMSO/LiCl溶媒またはDMSO/LiCl溶媒は、LiClを、例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10wt%含むか、またはLiCl飽和溶媒であり得る。本明細書において、セルロースの非水性溶媒、例えばDMSOおよび/またはDMAcを含む溶媒中の濃度は、例えば、約0.1〜30wt%、0.1〜20wt%、0.1〜10wt%、もしくは0.1〜5wt%であるか、または約もしくは少なくとも約0.1、0.3、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、もしくは30wt%であり得る。ある態様では、本明細書中のDMSO含有溶媒およびDMAc含有溶媒は、酸をさらに含まない。本明細書中のセルロースは、例えば、前述のDMSOをベースとした溶媒およびDMAcをベースとした溶媒のいずれにも、比較的低温で、例えば、15〜30℃、20〜30℃または20〜25℃(例えば、室温)で溶解することができる。好ましい実施形態では、セルロースの溶解に熱を加える必要はない。
本開示の酵素反応は、セロデキストリンを含む。本明細書中の酵素反応での使用に適したセロデキストリンの例としては、セロビオース(DP2)、セロトリオース(DP3)、セロテトラオース(DP4)、セロペンタオース(DP5)およびセロヘキサノース(DP6)が挙げられる。ある態様では、セロビオースがセロデキストリンとして使用される。本明細書において適したセロデキストリンの他の例としては、セルロースの分解(例えば、酵素による分解)により得られる7つ以上のベータ−1,4−結合グルコースモノマーからなるグルコースポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、上記種類のセロデキストリンの1種以上(例えば、2、3、4または5つ以上の混合物)を使用することができる。本明細書に記載の酵素反応物では、非リン酸化グルコースモノマーは、通常、使用されない。
セロデキストリンホスホリラーゼ酵素を含む本明細書に記載の酵素反応物の温度は、必要に応じて調節することができる。ある実施形態では、温度は、約5℃〜約50℃である。ある他の実施形態では、温度は、約20℃〜約40℃である。さらに他の実施形態では、温度は、約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40℃であってよい。酵素反応物の温度は、当該技術分野で知られている種々の手段により維持することができる。例えば、温度は、所望の温度に設定した空気または水浴インキュベーターに反応物を含む容器を置くことによって維持することができる。
本明細書中のある実施形態では、酵素反応物のpHは約5.0〜約9.0であり得る。あるいは、pHは、約5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、または9.0であり得る。pHは、適切なバッファ、例えば、限定はされないが、リン酸塩、トリス、クエン酸塩、またはそれらの組み合わせを添加または導入することによって調節または制御することができる。酵素反応物におけるバッファ濃度は、例えば、0mM〜約100mM、または約10、25、50もしくは75mMであり得る。
ここに開示するセロデキストリンホスホリラーゼ反応物におけるグルコース−1−リン酸(G1P)の初期濃度は、例えば、約または少なくとも約1〜100mMであり得る。その他のGIP初期濃度は、例えば、約または少なくとも約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100mM、または約10〜50mMであり得る。ここに開示するセロデキストリンホスホリラーゼ反応物におけるセロデキストリン(例えば、セロビオース)ホスホリラーゼの初期濃度は、例えば、約1〜50mMであり得る。その他のセロデキストリンの初期濃度は、例えば、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50mM、または約5〜10mMであり得る。G1Pまたはセロデキストリンなどの基質の「初期濃度」は、全ての反応成分が添加された直後の酵素反応物(少なくとも、水、GIP、セロデキストリン、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素)における基質濃度を指す。
本明細書中のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の活性は、ある実施形態では、酵素タンパク質1mg当たり約1〜30単位であり得る。酵素活性は、例えば、酵素タンパク質1mg当たり約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、10〜20、または15〜20単位であり得る。セロデキストリンホスホリラーゼ酵素活性は、当該技術分野で知られている任意の方法で決定することができる。セロデキストリンホスホリラーゼ活性の1単位は、例えば、以下の条件下、1分当たり1マイクロモルの無機リンを放出する(セロビオースからから放出される)酵素量を指す:G1P約10mM、セロビオース約5mM、トリスHClバッファ約25mM、約pH7.0、約37℃で保持、場合により10分間。セロビオースからの無機リン酸塩の放出は、遊離リン酸塩を検出するように設計された試薬またはキット(例えば、PiBlueTMPhosphate Assay Kit、BioAssay Systems、Hayward、CA)を用いて測定することができる。
ある態様では、酵素反応に含まれるセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の量は、約0.1〜2.0または0.5〜1.0単位/mLであり得る。例えば、少なくとも約0.2、0.4、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、または2.0単位/mLの酵素を反応物に使用することができる。
本開示の実施形態は、また、セルロースを製造する方法であって、
a)少なくとも水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、およびセロデキストリンホスホリラーゼ酵素(例えば、配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含むもの)を接触させる工程であって、不溶性セルロースが生成される、工程と、
b)任意選択により、工程(a)で生成された不溶性セルロースを分離する工程と
を含む方法に関する。
本明細書に記載の方法におけるセルロースを生成する接触工程は、場合により、本開示の、水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、およびセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を含む酵素反応物を供給する工程と見なすことができる。本明細書に記載のセルロース製造方法における接触工程は、様々な方法で行うことができる。例えば、所望する量のG1Pおよび/またはセロデキストリン(例えば、セロビオース)を、まず水に溶解し(任意選択により他の成分、例えばバッファ成分もこの調製段階で添加してもよい)、次いで、1種以上のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を添加することができる。反応は、例えば、静置してもよく、撹拌器またはオービタルシェーカーによって撹拌してもよい。反応は細胞フリーであってよく、通常、細胞フリーである。
セルロース製造方法の酵素反応物は、本明細書に開示される1以上の反応条件を適用するのに適した任意の容器に収容することができる。例えば、特定の反応物を収容するのに適した大きさのステンレス鋼、プラスチックまたはガラスからなる容器を使用することができる。そのような容器は、任意選択により撹拌装置を備えることができる。
ある実施形態では、セルロースの製造方法の終了は、視覚(例えば、不溶性セルロースの蓄積がもはや認められない)および/または反応物中に残存する基質(GIPおよび/またはセロデキストリン)量の測定(例えば、基質濃度が経時的にもはや減少しない)によって決定することができる。開示した方法の反応は、通常、完了するまでに、例えば、約12、18、24、30、36、48、60、72、84または96時間かかり得る。反応時間は、例えば、基質量および/または使用するセロデキストリンホスホリラーゼ酵素などの因子に依存し得る。
開示される方法で製造される不溶性セルロースは、任意選択により分離してもよい。例えば、不溶性セルロースは、遠心分離または濾過によって分離することができる。その場合、セルロースは、水、残留基質、および反応副生物を含む反応溶液から分離される。
本明細書中のセルロース製造方法の接触工程で生成される不溶性セルロースは、本明細書中に開示されるあらゆる特徴を有し得る。例えば、水不溶性、DP(例えば、10〜30のDP)および/またはM、グリコシド結合プロファイル、主鎖構造(例えば、直鎖性)、セルロースII型構造含有量、ならびに/あるいは本明細書中の他の箇所で開示される、ある非水性組成物中における溶解度はいずれも、工程(a)で生成されるセルロースを特徴付けることができる。
ある態様のセルロース製造方法の接触工程で生成される不溶性セルロースは、セルロースII型結晶構造を有し得る(すなわち、セルロースは、酵素により直接セルロースII型として合成される。ここに開示するセルロースとは対照的に、天然に(例えば、植物中に)生成するセルロースは、通常、セルロースI型構造を有し、一般に、セルロースII型へ変換するには、マーセル化および/または他の化学的処理(例えば、誘導体化後の非誘導体化、再生セルロースの生成)を必要とする。本明細書中のある実施形態では、セルロースは、水性および乾燥の両条件下でセルロースII型結晶状態にある。
酵素反応の実施形態を特徴付ける本明細書に開示される特徴は全てセルロース製造方法の接触工程の実施において使用することができる。例えば、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素アミノ酸配列およびアミノ酸源、基質濃度、温度、pHおよびバッフア濃度、ならびに/または本明細書中の他の箇所で開示される酵素活性/酵素量はいずれも、接触工程で生成される反応を特徴付けることができる。
いくつかの態様におけるセルロース製造方法の接触工程は、セロビオースをセロデキストリンとして含み得る。本明細書中の酵素反応での使用に適したセロデキストリンの他の例としては、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオースおよびセロヘキサノースが挙げられる。本明細書において適したセロデキストリンのさらに他の例としては、セルロースの分解(例えば、酵素による分解)により得られる7つ以上のベータ−1,4−結合グルコースモノマーからなるグルコースポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、上記種類のセロデキストリンの1種以上(例えば、2、3、4または5つ以上の混合物)を使用することができる。
セルロース製造方法の接触工程で供給されるグルコース−1−リン酸(G1P)は、例えば、分離されたGIP(例えば、商業的供給源から得られるGIP)を添加することにより、直接供給することができる。あるいは、GIPは、接触工程において、少なくとも第2の反応を提供することによって供給することができる。第2の反応の生成物はG1Pを含む(すなわち、第2の反応は、生成物としてGIPを生成する)。「第2の反応」は、接触工程で行われるセロデキストリンホスホリラーゼ反応(場合により、「第1の反応」と表記することができる)に加えて行われ、セロデキストリンホスホリラーゼ反応物用GIP基質を供給する反応を指す。第2の反応は、場合により、デンプンホスホリラーゼ、スクロースホスホリラーゼ、またはセロデキストリンホスホリラーゼ(セルロースの加水分解を触媒する場合)などの「G1P−生成酵素」の使用と見なすことができる。
ある態様では、GIPを供給するための第2の反応は、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素反応が行われるのと同じ容器で提供され得る。あるいは、第2の反応は、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素反応が行われる容器の外で(別に)行われ得る。第2の反応は、セルロース製造方法のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素反応の前、および/または連続して行われ得る。
いくつかの実施形態では、第2の反応は、水、無機リン酸塩、デンプン、デンプンホスホリラーゼ、および任意選択によりデンプン脱分岐酵素、例えば、プルラナーゼおよび/またはイソアミラーゼを接触させることを含み得る。この種の第2の反応は、場合により、デンプンホスホリラーゼ反応と見なすことができる。本明細書での使用に適したデンプンホスホリラーゼ(EC2.4.1.1)としては、例えば、米国特許出願公開Publ.第2002/0133849号明細書、およびTiwari and Kumar(Biotechnol.Mol.Biol.Rev.7:69−83)に記載されているものが挙げられる。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様では、デンプンホスホリラーゼは、植物の、微生物の(例えば、細菌の)または真菌の(例えば、酵母の)デンプンホスホリラーゼであり得る。本明細書での使用に適したプルラナーゼ(EC3.2.1.41)としては、例えば、米国特許第8354101号明細書、同第7906306号明細書、同第7449320号明細書および同第7399623号明細書に開示されているものが挙げられる。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様では、プルラナーゼは、植物の、微生物の(例えば、細菌の)、または真菌の(例えば、酵母の)デンプルラナーゼであり得る。本明細書での使用に適したイソアミラーゼ(EC3.2.1.68)としては、例えば、米国特許第5352602号明細書、同第5811277号明細書、同第7615365号明細書および同第8735105号明細書に開示されているものが挙げられる。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様では、イソアミラーゼは、植物の、微生物の(例えば、細菌の)、または真菌の(例えば、酵母の)イソアミラーゼであり得る。
いくつかの実施形態では、第2の反応は、水、無機リン酸塩、スクロース、およびスクロースホスホリラーゼ酵素を接触させることを含み得る。この種の第2の反応は、場合により、スクロースホスホリラーゼ反応と見なすことができる。本明細書での使用に適したスクロースホスホリラーゼ(EC2.4.1.7)としては、例えば、米国特許第5716837号明細書、同第7229801号明細書および同第7968309号明細書に記載されているものが挙げられる。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様では、スクロースホスホリラーゼは、植物の、微生物の(例えば、細菌の)、または真菌の(例えば、酵母の)スクロースホスホリラーゼであり得る。
いくつかの実施形態では、第2の反応は、水、無機リン酸塩、セルロースバイオマス(リグノセルロース系バイオマスなどのセルロース含有バイオマス)、エンドグルカナーゼ、セロデキストリンホスホリラーゼ、ならびに任意選択により溶解性多糖類モノオキシゲナーゼおよび/またはセロビオヒドロラーゼを接触させることを含み得る。本明細書での使用に適したエンドグルカナーゼ(例えば、セルラーゼ、ベータ−1,4−グルカナーゼ)としては、例えば、米国特許第4435307号明細書、同第5776757号明細書および同第7604974号明細書に開示されているものが挙げられる。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの態様では、エンドグルカナーゼ(例えば、セルラーゼ)は、植物の、微生物の(例えば、細菌の)、または真菌の(例えば、酵母の)エンドグルカナーゼであり得る。本明細書での使用に適したセロデキストリンホスホリラーゼは、例えば、ここに開示されている、または米国特許第8889379号明細書または米国特許出願公開Publ.第2014/0087435号明細書、同第2014/0057323号明細書および同第2013/0059340号明細書に開示されているセロデキストリンホスホリラーゼの任意のものであり得る。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。この種の第2の反応(すなわち、エンドグルカナーゼ+セロデキストリンホスホリラーゼ)は、通常、本明細書に記載のセルロース製造方法のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素反応と別に行われ得る。本明細書での使用に適した溶解性多糖類モノオキシゲナーゼとしては、例えば、Isaksen et al.(J.Biol.Chem.289:2632−2642)and Eibinger et al.(J.Biol.Chem.,Oct 31,2014,pii:jbc.M114.602227[電子ジャーナル版])に開示されているものが挙げられる。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の実施形態は、さらに、配列番号2と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含む酵素であって、セロデキストリンホスホリラーゼ活性を有する酵素を含む組成物に関する。意義深いことに、そのような酵素は、乾燥および水性の両条件下で優れた特性を示す低分子量の不溶性セルロースを生成することができ、そのようなセルロースを広汎な適用性を有するものとする。配列番号2と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を有するセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を含む組成物の非限定的な例は、少なくとも水、グルコース−1−リン酸、および1種以上のセロデキストリンも含むものなどの酵素反応物である。
セロデキストリンホスホリラーゼ活性を有する本明細書に記載の酵素は、配列番号2と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含み得る。他の実施形態では、そのような酵素は、配列番号2と100%相同であるか、または少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成され得る。配列番号2を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の非限定的な例としては、配列番号4と100%相同であるか、または少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成されるセロデキストリンホスホリラーゼ酵素が挙げられる。変異型セロデキストリンホスホリラーゼ酵素(例えば、配列番号2または4に対して90〜99%のアミノ酸相同性を有する参照配列)は、対応する非変異型参照配列の酵素活性(上記定義を参照)の一部(例えば、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%)または全部を有するであろう。
本開示のセロデキストリンホスホリラーゼ活性を有する酵素は、場合により、水、グルコース−1−リン酸およびセロデキストリンを含む反応物中でセルロースを合成することができる。そのような反応物中で生成されるセルロースは、不溶性(水不溶性)であり得、約10〜約30の重量平均重合度(DP)を有する。
本明細書中のある態様は、配列番号2と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含むセロデキストリンホスホリラーゼをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド配列に関する。例えば、本明細書に記載されるアミノ酸配列はいずれも、そのヌクレオチド配列によってコードされ得る。ヌクレオチド配列は、場合により、プロモーター配列(例えば、異種プロモーター)と機能可能なように結合していてもよい。いくつかの実施形態は、例えば、配列番号2と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含むセロデキストリンホスホリラーゼをコードする少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含むポリヌクレオチド(例えば、ベクターまたはコンストラクト)を含む。そのようなコード領域は、場合により、例えば、細胞(例えば、細菌細胞;酵母、昆虫もしくは哺乳類細胞などの真核細胞)、またはインビトロタンパク質発現系での発現に適したプロモーター配列(例えば、異種プロモーター)に機能可能なように結合することができる。ベクターまたはコンストラクトの例としては、環状ポリヌクレオチド分子(例えば、プラスミド)および非環状ポリヌクレオチド分子(例えば、増幅DNA配列などの直鎖状DNA)が挙げられる。
本明細書中のある実施形態は、配列番号2と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含むセロデキストリンホスホリラーゼを製造する方法に関する。この方法は、配列番号2と少なくとも90%相同のアミノ酸配列(例えば、本明細書に開示されるアミノ酸配列)を含むセロデキストリンホスホリラーゼをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド配列を供給する工程と、ポリヌクレオチド配列からセロデキストリンホスホリラーゼを発現させ、それによりセロデキストリンホスホリラーゼを生成する工程とを含み得る。そのような方法における発現工程は、任意選択により細胞(例えば、大腸菌(E.coli)などの細菌細胞;酵母[例えば、サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)]、昆虫もしくは哺乳類細胞などの真核細胞)で行うことができる。あるいは、発現は、インビトロタンパク質発現系(例えば、細胞フリーのタンパク質発現系、例えば、ウサギ網状赤血球溶血液または小麦胚芽抽出物を使用する発現系)などのもの)で行うことができる。発現工程で生成されたセロデキストリンホスホリラーゼはまた、任意選択により分離することができる。そのような分離は、例えば、本明細書に開示される特性(例えば、純度、pH、バッファおよび/または塩濃度)を有する組成物を製造する方法で行うことができる。
本開示の実施形態は、さらに、セルロースを含む組成物であって、そのセルロースが
(i)約10〜約1000の重量平均重合度(DP)を有し、
(ii)セルロースII型結晶構造を有し、かつ
(iii)水性組成物に不溶である
組成物に関する。
意義深いことに、そのような低分子量の不溶性セルロースは、本明細書中にさらに記載されるように、乾燥および水性の両条件で優れた特性を示すため、汎用性を有する。
ここに記載される組成物のセルロースは、低分子量のセルロースであり、かつ水に不溶である。ある実施形態では、セルロースは、約10〜1000のDPまたはDPを有する。本明細書におけるセルロースのDPまたはDPは、例えば、約10〜500、10〜250、10〜100、10〜75、10〜50、10〜45、10〜40、10〜35、10〜30、10〜25、15〜50、15〜45、15〜40、15〜35、15〜30、もしくは15〜25であり得る。いくつかの態様では、DPまたはDPは、約または少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50であり得る。
本明細書におけるいくつかの態様では、セルロースは、約1700〜170000、1700〜86000、1700〜43000、1700〜17000、1700〜13000、1700〜8500、1700〜6800、1700〜5100、2550〜5100、もしくは2550〜4250のMを有し得る。いくつかの例では、Mは、約または少なくとも約1700、1900、2100、2300、2500、2700、2900、3100、3300、3500、3700、3900、4100、4300、4500、4700、4900、もしくは5100であり得る。
例えば、ここに開示するセルロースのグリコシド結合の約100%が、ベータ−1,4結合である。他の態様では、セルロースは、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%がベータ−1,4結合であるグリコシド結合プロファイルを有し得る。したがって、本明細書に記載のセルロースは、ベータ−1,4以外のグリコシド結合が、例えば、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満であり得る。
本明細書に開示されるセルロースの主鎖は、直鎖状/非分岐状であり得る。あるいは、セルロースは分岐を有し得る。したがって、ある実施形態では、セルロースは、分岐点を全く有さないか、またはポリマー中のグリコシド結合の割合として、分岐点が約5%、4%、3%、2%または1%未満であり得る。
本明細書に開示されるセルロースは、セルロースII型結晶構造を有し得る。例えば、本明細書に記載のセルロースは、セルロースII型結晶構造のセルロースを約100重量%含み得る。他の例として、セルロースは、セルロースII型結晶構造のセルロースを少なくとも約80重量%、81重量%、82重量%、83重量%、84重量%、85重量%、86重量%、87重量%、88重量%、89重量%、90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、または99重量%含み得る。いくつかの態様では、セルロースは、セルロースI、IIIおよび/またはIV型結晶構造のセルロース材料を約20重量%、19重量%、18重量%、17重量%、16重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、または1重量%含み得る。セルロースII型結晶構造については、例えば、Kolpakand Blackwell(Macromolecules 9:273−278)、およびKroon−Batenburg and Kroon(Glycoconjugate J.14:677−690)に記載されており、これらの両文献は参照により本明細書に組み込まれる。セルロースII型構造を特徴付ける支配的な水素結合は、O2−H−−−O6、O6−H−−−O6およびO2−H−−−O2であり、一方、セルロースI型は、支配的な水素結合としてO2−H−−−O6を有する。セルロースII型の構造は、鎖の折り畳み構造を含み、解くのは困難である。
例えば、本明細書に記載のセルロースは、分離されるものとして特徴付けることができる。ここに記載されるセルロースを含む組成物は、天然には存在しないと考えられている。
本明細書に開示されるセルロースは、場合により、ナノメートルスケールのフレーク形状、またはフレーク様形状を有するものとして特徴付けることができる。セルロースによって形成されるフレーク形状、フレーク様形状は、ナノサイズの大きさを有し、本実施例で開示されるような適切な顕微鏡技術を用いると、平らで薄い物質片として表れ得る。本明細書に記載のセルロースは、他の態様では、誘導体化されることはなく、また、誘導体化されてもいない。したがって、本明細書に開示されるセルロースは、エーテル基(例えば、カルボキシメチル基)またはエステル基(例えば、アセテート基)などの付加官能基を含まない。
本明細書において、ここで開示される組成物のセルロースは、配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成されるセロデキストリンホスホリラーゼの生成物であり得る。他の実施形態では、セルロースは、配列番号2または配列番号6と100%相同であるか、または少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成されるセロデキストリンホスホリラーゼの生成物であり得る。配列番号2を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の非限定的な例としては、配列番号4と100%相同であるか、または少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成されるセロデキストリンホスホリラーゼ酵素が挙げられる。配列番号6を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素の非限定的な例としては、配列番号8と100%相同であるか、または少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%相同のアミノ酸配列を含むか、またはそれから構成されるセロデキストリンホスホリラーゼ酵素が挙げられる。変異型セロデキストリンホスホリラーゼ酵素(例えば、配列番号2、4、6または8に対して90〜99%のアミノ酸相同性を有する参照配列)は、対応する非変異型参照配列の酵素活性(上記定義を参照)の一部(例えば、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%)または全部を有するであろうセロデキストリンホスホリラーゼ酵素によりセルロースの生成は、例えば、本明細書に開示される酵素反応により達成することができる。
本開示のセロデキストリンホスホリラーゼ酵素により生成されるセルロースは、セルロースII型結晶構造を有することができ、そのようなセルロースは、マーセル化または誘導体化プロセスを受けていない。本明細書に記載のセルロースは、セロデキストリンホスホリラーゼ酵素による酵素合成後、直ちにまたは短時間(例えば、約.5、1、5、10、15、30、60、90または120分未満)でセルロースII型結晶構造のセルロースを含むことができる。ここに開示するセルロースと対照的に、天然に(例えば、植物において)産生するセルロースは、通常、セルロースI型構造を有し、一般に、セルロースII型へ変換するには、マーセル化および/または他の化学的処理(例えば、誘導体化後の非誘導体化、再生セルロースの生成)を必要とする。本明細書中のある実施形態では、セルロースは、水性および乾燥の両条件下でセルロースII型結晶状態にあるセルロースを含む。
ここに開示される組成物のセルロースは、水などの水性溶媒に不溶である。対照的に、ジメチルスルホキシド(DMSO)および/またはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を含む溶媒などのある非水性溶媒には可溶である。そのような溶媒の例としては、DMSOまたはDMAcの単独、またはさらに塩化リチウム(LiCl)をさらに含むもの(例えば、DMSO/LiClおよびDMAc/LiCl)が挙げられる。本明細書において、DMSO/LiCl溶媒またはDMSO/LiCl溶媒は、LiClを、例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10wt%含むか、またはLiCl飽和溶媒であり得る。本明細書において、セルロースの非水性溶媒、例えばDMSOおよび/またはDMAcを含む溶媒中の濃度は、例えば、約0.1〜30wt%、0.1〜20wt%、0.1〜10wt%、もしくは0.1〜5wt%であるか、または約もしくは少なくとも約0.1、0.3、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25もしくは30wt%であり得る。ある態様では、本明細書中のDMSO含有溶媒およびDMAc含有溶媒は、酸をさらに含まない。本明細書中のセルロースは、例えば、前述のDMSOをベースとした溶媒およびDMAcをベースとした溶媒のいずれにも、比較的低温で、例えば、15〜30℃、20〜30℃または20〜25℃(例えば、室温)で溶解することができる。好ましい実施形態では、セルロースの溶解に熱を加える必要はない。
本明細書中のセルロースを含む組成物は、非水性(例えば、乾燥組成物であり得る。そのような実施形態の例としては、膜/コーティング、粉末、顆粒、マイクロカプセル、フレーク、または他の任意の形状の粒状物質が挙げられる。他の例としては、ペレット、棒、粒状物、ビーズ、錠剤、スティック、または他の凝集体が挙げられる。本明細書中の非水性または乾燥組成物に含まれる水は、通常、3、2、1、0.5または0.1wt%未満である。非水性または乾燥組成物中に含まれる本明細書中のセルロースの量は、例えば、約または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、もしくは99.9wt%であり得る。
本開示のある実施形態では、セルロースを含む組成物は、場合により、少なくとも約100cPsの粘度を有する水性組成物であり得る。本明細書中の水性組成物は、例えば、少なくとも約100、250、500、750、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、11000、12000、13000、14000、15000、16000、17000、18000、19000、20000、25000、30000、35000、40000、45000もしくは50000cPs(または100〜50000の任意の整数cPs)の粘度を有し得る。本明細書中の水性組成物の例としては、コロイド分散液が挙げられる。
本明細書中の水性組成物の粘度は、例えば、約3℃〜約110℃の任意の温度(または3〜110の任意の整数℃)で測定することができる。あるいは、粘度は、例えば、約4℃〜30℃、または約20〜25℃の温度で測定することができる。粘度は、大気圧(約760torr)または他の任意のより高い圧力またはより低い圧力で測定することができる。
本明細書に開示される水性組成物の粘度は、粘度計もしくはレオメータ、または当該技術分野で知られている他の任意の手段によって測定することができる。ずり減粘挙動を示す(すなわち、流動条件で変わる粘度を有する)本明細書中の水性組成物の粘度の測定に、粘度計またはレオメータを使用することができることは、当業者であれば理解されよう。
そのような実施形態の粘度は、例えば、約0.1〜1000rpm(1分間当たりの回転数)の回転剪断速度で測定することができる。いくつかの実施形態では、粘度は、約10、60、150、250または600rpmの回転剪断速度で測定することができる。
本明細書に開示される水性組成物のpHは、例えば、約2.0〜約12.0であり得る。あるいは、pHは、例えば、約2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0、12.0、5.0〜約12.0、約4.0〜8.0、または約5.0〜8.0であり得る。
本明細書中の水性組成物は、少なくとも約10または20wt%の水を含む溶媒を含み得る。他の実施形態では、溶媒は、例えば、少なくとも約30、40、50、60、70、80、90もしくは100wt%の水(または10〜100wt%の任意の整数値)を含む。
本開示のセルロースは、例えば、水性組成物中に不溶性物質として、約または少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、もしくは90%含まれ得る。下記の実施例4は、ある態様におけるセルロースが、比較的低い濃度で水性組成物に高粘度を付与することを示している。したがって、本開示のある実施形態は、本明細書中のセルロースを約30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、または0.5wt%未満含有する水性組成物に導かれる。
本明細書における水性組成物は、開示したセルロースに加え、他の成分を含み得る。例えば、水性組成物は、1種以上の塩、例えば、ナトリウム塩(例えば、NaCl、NaSO)を含み得る。塩の他の非限定的な例としては、(i)アルミニウム、アンモニウム、バリウム、カルシウム、クロム(IIもしくはIII)、銅(IもしくはII)、鉄(IIもしくはIII)、水素、鉛(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(IIもしくはIII)、水銀(IもしくはII)、カリウム、銀、ナトリウム、ストロンチウム、スズ(IIもしくはIV)、または亜鉛のカチオン、および(ii)酢酸、ホウ酸、臭素酸、臭化物、カルボン酸、塩素酸、塩化物、亜塩素酸、クロム酸、シアナミド、シアン化物、重クロム酸、ニ水素リン酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物、フッ化物、炭酸水素、リン酸水素、硫酸水素、硫化水素、亜硫酸水素、水素化物、水酸化物、次亜塩素酸、ヨード酸、ヨウ化物、硝酸、窒化物、亜硝酸、シュウ酸、酸化物、過塩素酸、過マンガン酸、過酸化物、リン酸、リン化物、亜リン酸、ケイ酸、スズ酸、硫酸、硫化物、亜硫酸、酒石酸またはチオシアン酸のアニオンが挙げられる。したがって、例えば、上記(i)からのカチオンおよび上記(ii)からのアニオンを有する塩は全て水性組成物であり得る。本明細書において、塩は水性組成物中に、例えば、約(または少なくとも約).01〜約10.00(または.01〜10.00で100分の1ずつ増加させた任意の数)wt%含まれ得る。
本明細書に記載のセルロースを含む水性組成物は、例えば、コロイド分散液であり得る。コロイド分散液中のセルロース粒子の平均サイズ/直径は、通常、約1nm〜200000nm(200マイクロメートル)の範囲である。平均粒径は、いくつかの例では、約1〜100nm、1〜1000nm、1〜10000nm、1〜100000nm、1〜200000nm、10〜100nm、10〜1000nm、10〜10000nm、10〜100000nm、10〜200000nm、100〜1000nm、100〜10000nm、100〜100000nm、100〜200000nm、1000〜10000nm、1000〜100000、1000〜200000nm、10000〜100000nm、または10000〜200000nmであり得る。
ある実施形態では、水性組成物はずり減粘挙動を有する。ずり減粘挙動は、剪断速度が増大するときの、水性組成物の粘度の減少として観察される。水性組成物のずり減粘挙動の変化は、本明細書に記載のセルロースの水性組成物への混合に起因し得る。したがって、本開示の1種以上のセルロース材料は、水性組成物に添加することにより、そのレオロジープロファイルを変化させることができる(すなわち、水性の液体、溶液または混合液の流動特性が変化する)。また、本明細書に記載の1種以上のセルロース材料は、水性組成物に添加することにより、その粘度を変化させることができる。
本明細書に記載の水性組成物のレオロジープロファイルは、回転剪断速度が増加する間の粘度を測定することによって観察し得る。例えば、本明細書に開示される水性組成物のずり減粘挙動は、回転剪断速度が約10rpmから60rpmへ、10rpmから150rpmへ、10rpmから250rpmへ、60rpmから150rpmへ、60rpmから250rpmへ、または150rpmから250rpmへ増加するときの、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、もしくは95%(または5%〜95%の任意の整数)までの粘度(cPs)の減少として観察され得る。
本明細書中に開示される組成物および方法の非限定的な例としては以下のものが挙げられる:
1.水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、および不溶性セルロースを合成するセロデキストリンホスホリラーゼ酵素(例えば、配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含み、かつ不溶性セルロースを合成するセロデキストリンホスホリラーゼ酵素)を含む酵素反応物。
2.セルロースは、(i)約10〜約30、または(ii)約10〜約1000の重量平均重合度(DP)を有する、実施形態1の酵素反応物。
3.セロデキストリンは、セロビオースを含む、実施形態1または2の酵素反応物。
4.不溶性セルロースを製造する方法であって、
a)少なくとも水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、およびセロデキストリンホスホリラーゼ酵素、例えば、配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含む酵素を接触させる工程であって、不溶性セルロースが生成される、工程と、
b)任意選択により、工程(a)で生成された不溶性セルロースを分離する工程と
を含む方法。
5.工程(a)で生成されるセルロースは、(i)約10〜約30または(ii)約10〜約1000の重量平均重合度(DP)を有する、実施形態4の方法。
6.工程(a)で生成されるセルロースは、セルロースII型結晶構造を有する、実施形態4または5の方法。
7.セロデキストリンは、セロビオースを含む、実施形態4、5または6の方法。
8.グルコース−1−リン酸は、工程(a)において第2の反応を行うことによって供給され、第2の反応の生成物は、グルコース−1−リン酸を含む、実施形態4、5、6または7の方法。
9.第2の反応は、
(i)水、無機リン酸塩、デンプン、デンプンホスホリラーゼ、および任意選択によりデンプン脱枝酵素、例えばプルラナーゼもしくはイソアミラーゼを接触させるか、
(ii)水、無機リン酸塩、スクロース、およびスクロースホスホリラーゼ酵素を接触させるか、または
(iii)水、無機リン酸塩、セルロースバイオマス、エンドグルカナーゼ、セロデキストリンホスホリラーゼ、ならびに任意選択により溶解性多糖類モノオキシゲナーゼおよび/またはセロビオヒドロラーゼと接触させる
ことによってグルコース−1−リン酸を生成する、実施形態8の方法。
10.第2の反応は、工程(a)が実施される容器と同じ容器で提供され、第2の反応は、工程(a)の前におよび/または工程(a)に続いて実施される、実施形態8または9の方法。
以下の実施例において本開示をさらに示す。これらの実施例が本明細書中のある好ましい態様を示す一方、単に説明の目的でのみ示されていることは理解されるべきである。上記の考察およびこれらの実施例から、当業者であれば、開示された実施形態の必須の特徴を確認することができ、かつその趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、種々の用途および条件に適合させるために種々の変更形態および改変形態がなし得る。
実施例1
ビブリオ・ルバー(Vibrio ruber)セロデキストリンホスホリラーゼ
この実施例は、大腸菌(E.coli)における推定ビブリオ・ルバー(Vibrio ruber)セロデキストリンホスホリラーゼの発現を記載する。また、この実施例は、この酵素が酵素比活性の解析により、実際にセロデキストリンホスホリラーゼであることを示す。
推定セロデキストリンホスホリラーゼ、VruCdp1(本明細書中では、「CRC03362−VruCdp1」とも称する。)をビブリオ・ルバー(Vibrio ruber)DSM14379において特定した。VruCdp1をコードする核酸配列をゲノム配列に基づいて予測し、配列番号1として示す。配列番号1によってコードされるVruCdp1のアミノ酸配列を、配列番号2として示す。
次に、以下のようにして、推定VruCdp1セロデキストリンホスホリラーゼを、大腸菌(E.coli)において異種発現させた。VruCdp1をコードするポリヌクレオチド配列を、大腸菌(E.coli)で発現させるためにコドン最適化した。Generay(Shanghai、China)により、この配列(配列番号3)をpET30a(Novagen)発現ベクターにNdeI部位およびXhoI部位で挿入して、プラスミドpZZH634を得た。配列番号3は、コドン最適化オープンリーディングおよびC末端に2つの追加アミノ酸(Leu−Glu)および6×Hisタグをコードする配列を含む。配列番号3でコードされたアミノ酸配列を配列番号4として示す。pZZH634プラスミドを大腸菌(E.coli)株BL21(DE3)(Novagen)にトランスフォームし、これを、カナマイシン50ppmを補充したLB寒天培地プレートにプレーティングした。PCRおよびシークェンシングによって確認された正しく形質転換されたコロニーを、カナマイシン50ppmを補充したLB培地5mlに接種し、振盪しながら37℃で約16時間培養した。次いで、約1mLの培養物を、カナマイシン50ppmを補充したLB培地25mlに接種し、振盪しながら37℃で、OD600が約0.4〜1.0に到達するまで培養した。次いで、IPTGを、最終濃度が100mMになるように培養物に添加して、VruCdp1を発現させた。次いで、培養物を16℃で12〜16時間培養した。
このVruCdp1発現誘発期間後、大腸菌(E.coli)細胞をペレット化し、溶解バッファ(50mMトリス pH7.0、500mM NaCl、10%グリセロール、0.1%ツイン−20)に再懸濁し、10分間の超音波処理により氷上で溶解した(35%出力、20分、2秒オン/2秒オフ)(SCIENT2−II D、Ningbo Scientz Biotechnology Co.,Ltd)。溶解物を13000rpmで30分間遠心分離して不純物を取り除いた(BECKMAN COULTER,AvantiTMJE)。不純物を除去した溶解物を、50mMトリス pH7.0、500mM NaCl、および10%グリセロールで予め平衡化したHis TrapTMHP(5mL)(GE Healthcare)に適用した。標的タンパク質(VruCdp1)を、0〜250mMイミダゾール/平衡化バッファの直線勾配を用いてカラムから溶出させた。標的タンパク質を含む画分をプールし、10K Amicon Ultraデバイスを用いて濃縮および平硬化バッファとの交換を行い、使用するまで40%グリセロール中に−20℃で貯蔵した。
(上記で分離した)VruCdp1の活性を、10mM G−1−P(Sigma G7000、α−D−グルコース1−リン酸二ナトリウム水和物)および5mMセロビオース(Sigma C7252、D−(+)−セロビオース)を基質として用いて測定した。測定は、25mMトリス−HClバッファ、pH7.0中、37℃、10分間で行った。酵素反応物からのリンの放出を、PiBlueTM試薬(BioAssay Systems、US)により定量した。セロデキストリンホスホリラーゼ活性1単位を、測定条件下で1分当たりに無機リン1μmolを放出する酵素の量と定義した。分離したVruCdp1の比活性は、18.4単位/mgと決定された。この観察に基づき、VruCdp1は、グリコシルヒドラーゼファミリー(GH94、CAZy番号)に属するセロデキストリンホスホリラーゼ(EC2.4.1.49)であると決定された。
上述したように、配列番号2を含む酵素(VruCdp1)が発現し、分離され、およびセロデキストリンホスホリラーゼ活性を有することが示された。
実施例2
ルミノコッカス・チャンパネレンス(Ruminococcus champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼ
この実施例は、大腸菌(E.coli)における推定ルミノコッカス・チャンパネレンス(Ruminococcus champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼの発現を記載する。また、この実施例は、この酵素が、酵素比活性の解析により、実際、セロデキストリンホスホリラーゼであることを示す。
推定セロデキストリンホスホリラーゼ、RchCdp1(本明細書中では、「CRC03359−RchCdp1」とも称する。)をルミノコッカス・チャンパネレンス(Ruminococcus champanellensis)18P13において特定した。RchCdp1をコードする核酸配列(GENBANK登録番号NC_021039.1のポジション2373141〜2375537)を配列番号5として示す。配列番号5によってコードされたRchCdp1のアミノ酸配列を、配列番号6として示す。
次に、以下のようにして、推定RchCdp1セロデキストリンホスホリラーゼを、大腸菌(E.coli)において異種発現させた。RchCdp1をコードするポリヌクレオチド配列を、大腸菌(E.coli)で発現させるためにコドン最適化した。Generay(Shanghai、China)により、この配列(配列番号7)をpET30a(Novagen)発現ベクターにNdeI部位およびXhoI部位で挿入して、プラスミドpZZH631を得た。配列番号7は、コドン最適化オープンリーディングおよびC末端に2つの追加アミノ酸(Leu−Glu)および6×Hisタグをコードする配列を含む。配列番号7でコードされたアミノ酸配列を配列番号8として示す。pZZH631プラスミドを大腸菌(E.coli)株BL21(DE3)(Novagen)にトランスフォームし、これを、カナマイシン50ppmを補充したLB寒天培地プレートにプレーティングした。PCRおよびシークェンシングによって確認された正しく形質転換されたコロニーを、カナマイシン50ppmを補充したLB培地5mlに接種し、振盪しながら37℃で約16時間培養した。次いで、約1mLの培養物を、カナマイシン50ppmを補充したLB培地25mlに接種し、振盪しながら37℃で、OD600が約0.4〜1.0に到達するまで培養した。次いで、IPTGを、最終濃度が100mMになるように培養物に添加して、RchCdp1を発現させた。次いで、培養物を16℃で12〜16時間培養した。
このRchCdp1発現誘発期間後、大腸菌(E.coli)細胞をペレット化し、溶解バッファ(50mMトリス pH7.0、500mM NaCl、10%グリセロール、0.1%ツイン−20)に再懸濁し、10分間の超音波処理により氷上で溶解した(35%出力、20分、2秒オン/2秒オフ)(SCIENT2−II D、Ningbo Scientz Biotechnology Co.,Ltd)。溶解物を13000rpmで30分間遠心分離して不純物を取り除いた(BECKMAN COULTER,AvantiTMJE)。不純物を除去した溶解物を、50mMトリス pH7.0、500mM NaCl、および10%グリセロールで予め平衡化したHis TrapTMHP(5mL)(GE Healthcare)に適用した。標的タンパク質(RchCdp1)を、0〜250mMイミダゾール/平衡化バッファの直線勾配を用いてカラムから溶出させた。標的タンパク質を含む画分をプールし、10K Amicon Ultraデバイスを用いて濃縮および平硬化バッファとの交換を行い、使用するまで40%グリセロール中に−20℃で貯蔵した。
(上記で分離した)RchCdp1の活性を、10mM G−1−P(Sigma G7000、α−D−グルコース1−リン酸二ナトリウム水和物)および5mMセロビオース(Sigma C7252、D−(+)−セロビオース)を基質として用いて測定した。測定は、25mMトリス−HClバッファ、pH7.0中、37℃、10分間で行った。酵素反応物からのリンの放出を、PiBlueTM試薬(BioAssay Systems、US)により定量した。セロデキストリンホスホリラーゼ活性1単位を、測定条件下で1分当たりに無機リン1μmolを放出する酵素の量と定義した。分離したRchCdp1の比活性は、15.4単位/mgと決定された。この観察に基づき、RchCdp1は、グリコシルヒドラーゼファミリー(GH94、CAZy番号)に属するセロデキストリンホスホリラーゼ(EC2.4.1.49)であると決定された。
上述したように、配列番号6を含む酵素(RchCdp1)が発現し、分離され、およびセロデキストリンホスホリラーゼ活性を有することが示された。
実施例3
低分子量の不溶性セルロースを製造するためのビブリオ・ルバー(V.ruber)セロデキストリンホスホリラーゼおよびルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼの使用
この実施例は、G−1−Pおよびセロデキストリンを含む反応物に適用した場合における、セルロースを製造するための実施例1および2に記載のセロデキストリンホスホリラーゼの使用を記載する。
ビブリオ・ルバー(V.ruber)セロデキストリンホスホリラーゼ(VruCdp1、実施例1を参照))の存在下、G−1−Pおよびセロビオースを含む反応物は、不溶性多糖類を生成した。十分に解析できるだけの不溶性多糖類を生成するために、G−1−P 1g、セロビオース0.25g、および分離したVruCdp1 400μg(〜7.4単位)を、25mMトリスバッファpH7.0、80mLを含有するガラス瓶に添加することにより、規模を大きくした反応を行った。
反応物を終夜、37℃でインキュベートした。3000rpmで20分間、遠心分離して、不溶性多糖類生成物を回収した。この材料が低分子量セルロースであることが決定された(下記の実施例4を参照)。
ルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼ(RchCdp1、実施例2を参照))の存在下、G−1−Pおよびセロビオースを含む反応物は、不溶性多糖類を生成した。十分に解析できるだけの不溶性多糖類を生成するために、G−1−P 1g、セロビオース0.25g、および分離したRchCdp1 400μg(〜6.2単位)を、25mMトリスバッファpH7.0、80mLを含有するガラス瓶に添加することにより、規模を大きくした反応を行った。
反応物を終夜、37℃でインキュベートした。3000rpmで20分間、遠心分離して、不溶性多糖類生成物を回収した。この材料が低分子量セルロースであることが決定された(下記の実施例4を参照)。
上述したように、配列番号2(VruCdp1)または配列番号6(RchCdp1)を含む酵素は、G−1−Pおよびセロデキストリン(例えば、セロビオース)基質を含む反応物として提供された場合、低分子量の不溶性セルロースを生成する。これらの酵素がこの特定のセルロース合成活性を有することは、同様に発現し解析した他の16種のセロデキストリンホスホリラーゼがこのような能力を有しなかったことを考慮すると(データは示さず)、注目すべきことである。
実施例4
ビブリオ・ルバー(V.ruber)およびルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼにより生成された不溶性多糖類の解析
この実施例は、実施例3に記載の反応で得られた不溶性多糖類生成物の種々の解析を記載する。これらの解析は、生成物が低分子量の不溶性セルロースを含むことを示す。
ビブリオ・ルバー(V.ruber)およびルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)セロデキストリンホスホリラーゼにより生成された不溶性物質(実施例3)について、H−NMR解析を行った。簡単に記載すると、各試料13.8mgを60℃で1時間撹拌することにより、0.8mlのDMSO−d6、3wt%LiClに溶解した。溶解した試料について、5−mm CPC Q1クライオプローブを備えたAVANCE III HD NMRデバイスを用いてNMRを測定した。この解析により不溶性物質がセルロースに特有の結合であるベータ−1,4結合を有するポリマーであることが示された。したがって、ビブリオ・ルバー(V.ruber)およびルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)のセロデキストリンホスホリラーゼによって生成された不溶性物質はセルロースを含む。
各不溶性セルロースをさらに、トリプル検出器SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)により分析して、分子量(M)を決定した。簡単に記載すると、各試料をDMSO、2wt%LiCl中に0.1〜0.3wt%濃度で溶解し、SECにかけた。各試料のMは、約3〜4kDa(DP〜18〜24)であることがわかった(表2)。
このように、RchCdp1酵素およびVruCdp1酵素それぞれによって生成されたセルロース試料は、綿、木材パルプおよび微生物源から得られるセルロースに比べ、はるかに低分子量であった。
低分子量セルロース試料は、DMSO/LiCl(上記SEC分析用に提供される調製物)およびDMAc/LiCl(5wt%LiCl(DMAc中))に室温で容易に溶解することができ、また濾過することができる。例えば、木材パルプから得られるセルロースは、通常、DMSO/LiClに溶解せず、またDMAc/LiClに溶解させるためには高い温度(例えば、約100℃)および時間(例えば、1日以上)を必要とするため、これは注目すべきことである。各試料の粘度計による観察には明確なピークがあるため(データは示さず)、酵素により製造される低分子量のセルロース分子は、剛性ロッドとして挙動する。
アズメイド(as−made)(実施例3に記載のように生成され、水中で貯蔵されているが、乾燥していない)で、乾燥したセルロース材料(RchCdp1酵素およびVruCdp1酵素により生成)はいずれも、広角X線散乱法(WAXS)による分析で、セルロースの最も安定した結晶型であるセルロースII型結晶を示す反射を示した。酵素による生成後のアズメイド試料は多量の水中で提供される(RchCdp1酵素およびVruCdp1酵素によるセルロース生成物でそれぞれ98.5wt%および97.5wt%)が、水の広い非晶質回折に重なって、明瞭な反射が依然として観察されたことは注目すべきことである。セルロースII型はある化学的プロセス工程(例えば、マーセル化、誘導体化(その後に非誘導体化セルロースの回収が行われる))の後に得られると考えられることから、このセルロースII型構造の観察は興味深いことである(Kroon−Batenburg and Kroon,Glycoconjugate J.14:677−690)。対照的に、本実施例は、RchCdp1酵素およびVruCdp1酵素を含む反応物において直接生成されるセルロースが、合成後にいかなる化学処理も行わずとも、セルロースII型結晶構造を有することを示している。
RchCdp1酵素およびVruCdp1酵素によって合成された不溶性セルロースのコロイド分散液を乾燥させることによって作られた薄膜を、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して解析した。簡単に記載すると、不溶性セルロースの〜2wt%分散液を、3−mil厚のブレードコータを用いてキャストして膜を製膜した。室温でコーティングした湿った膜からゆっくりと水分を蒸散させ乾燥した。乾燥したコーティングの原子間力顕微鏡(AFM)解析(図1Aおよび1B)により、約5mmの均一性の高い厚みと数百ナノメータの幅を有する特有の形態を有するシートであることが示された。そのような2次元のグラフェン様セルロースコーティングは、これまでに示されていないと考えられる。それどころか、通常、ナノ結晶セルロースおよび微生物源由来セルロースなどのセルロース材料は、ロッド用コロイドを形成し、2次元のフレーク様構造を形成しない。フレーク様2次元構造は多くの利点を有すると考えられる。例えば、そのような構造特性を有するセルロース材料は、おそらく優れた酸素および/または水のバリア性を有しているであろう。さらに、本明細書に示すセルロース材料の高結晶性は、従来の熱可塑性ポリマーの機械的特性を高めるであろう。
上で調製された不溶性セルロースのコロイド分散液は容易に塗布することができ、透明な連続膜を形成することができるであろう。そのような膜は、粗さが約300nmで、1〜2ミクロンの非常に薄い厚さを有した(データは示さず)。したがって、本明細書に示されるこの低分子量の不溶性セルロース材料は、多くの用途を可能にする水性コーティング系に有用であると考えられる。そのような用途の例としては、プラスチックを包装する酸素バリア膜および水蒸気バリア膜、ならびに製品の保存期間を延ばす果物および野菜に適用する食用のコーティングなどが挙げられる。さらに、開示されるコーティングは、種子のコーティング用途、および医薬組成物の活性成分の放出に有用であり得る。
RchCdp1酵素およびVruCdp1酵素のいずれかで合成された不溶性セルロースを1.7〜2.5重量含有するコロイド水分散液の粘度を分析した。簡単に記載すると、ブルックフィールドレオメータ―を使用して、粘度対剪断速度データを得、その曲線から剪断速度10(1/s)の粘度を求めた。コロイド分散液は両方とも、水の粘度の10000倍という高い粘度を示すことがわかった(図2)。また、分散液はずり減粘挙動(粘度が剪断速度の関数として減少する)を示した。その挙動は多くの増粘化用途で所望されているものである。各不溶性セルロース試料が低DPw(DPwが25未満、表2)であることを考慮すると、そのような高レベルの粘度が得られたことは注目すべきことである。実際、商業的に入手可能なカルボキシメチルセルロース(水溶性)では、水中粘度を、本明細書に提示の不溶性セルロースを使用した場合に観察される粘度と同じ程度まで増大させるために、DPw(約1000以上)を大きく増大させる必要があった(図3)。
上記のように、ビブリオ・ルバー(V.ruber)およびルミノコッカス・チャンパネレンス(R.champanellensis)のセロデキストリンホスホリラーゼによって生成された不溶性多糖類物質は低分子量の不溶性セルロースを含む。このセルロースは、約18〜24のDPを有し、セルロースII型結晶構造を示す。セルロースII型結晶構造は、マーセル化、誘導体化/非誘導体化処理などの化学的プロセスの結果ではなく、むしろ、不溶性セルロース材料を特徴付けるものである。なぜなら、それが酵素により直接生成されているからである。本明細書に示された不溶性セルロースの特有の特性は、粘度およびレオロジーの変性用途、ならびに膜/バリア用途における使用など、この材料に汎用性を付与するものである。
以上、本発明を要約すると下記のとおりである。
1.水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、および配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を含む酵素反応物であって、前記セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、不溶性セルロー
スを合成する、酵素反応物。
2.前記セルロースは、10〜1000の重量平均重合度(DP)を有する、上記1に記載の酵素反応物。
3.前記セルロースは、10〜30の重量平均重合度(DP)を有する、上記1に記載の酵素反応物。
4.前記セロデキストリンは、セロビオースを含む、上記1に記載の酵素反応物。
5.不溶性セルロースを製造する方法であって、
a)少なくとも水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、および配列番号2または配列番号6と少なくとも90%相同のアミノ酸配列を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を接触させる工程であって、不溶性セルロースが生成される、工程と、
b)任意選択により、工程(a)で生成される前記不溶性セルロースを分離する工程とを含む方法。
6.工程(a)で生成される前記セルロースは、約10〜約1000の重量平均重合度(DP)を有する、上記5に記載の方法。
7.工程(a)で生成される前記セルロースは、約10〜約30の重量平均重合度(DP)を有する、上記5に記載の方法。
8.工程(a)で生成される前記セルロースは、セルロースII型結晶構造を有する、上記5に記載の方法。
9.前記セロデキストリンは、セロビオースを含む、上記5に記載の方法。
10.前記グルコース−1−リン酸は、工程(a)において第2の反応を行うことによって供給され、前記第2の反応の生成物は、グルコース−1−リン酸を含む、上記5に記載の方法。
11.前記第2の反応は、
(i)水、無機リン酸塩、デンプン、デンプンホスホリラーゼ、および任意選択によりデンプン脱枝酵素、例えばプルラナーゼまたはイソアミラーゼを接触させるか、
(ii)水、無機リン酸塩、スクロース、およびスクロースホスホリラーゼ酵素を接触させるか、または
(iii)水、無機リン酸塩、セルロースバイオマス、エンドグルカナーゼ、セロデキストリンホスホリラーゼ、ならびに任意選択により溶解性多糖類モノオキシゲナーゼおよび/またはセロビオヒドロラーゼを接触させる
ことによってグルコース−1−リン酸を生成する、上記10に記載の方法。
12.前記第2の反応は、工程(a)が実施される容器と同じ容器で行われ、前記第2の反応は、工程(a)の前におよび/または工程(a)に続いて実施される、上記10に記載の方法。

Claims (20)

  1. 水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、および配列番号2または配列番号6と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を含む酵素反応物であって、前記セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、少なくとも15の重量平均重合度(DP w )を有する不溶性セルロースを合成する、酵素反応物。
  2. 前記不溶性セルロースは、15〜50のDP w を有する、
    請求項1に記載の酵素反応物。
  3. 前記不溶性セルロースは、15〜30のDP w を有する、
    請求項2に記載の酵素反応物。
  4. 前記不溶性セルロースは、少なくとも17のDP w を有する、
    請求項1に記載の酵素反応物。
  5. 前記不溶性セルロースは、17〜50のDP w を有する、
    請求項4に記載の酵素反応物。
  6. 前記セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、配列番号2または配列番号6と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、
    請求項1〜5の何れか1項に記載の酵素反応物。
  7. 前記セロデキストリンは、セロビオースを含む、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の酵素反応物。
  8. 前記酵素反応物は、分離された酵素反応物である、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の酵素反応物。
  9. (i)少なくとも15の重量平均重合度(DP w )を有する不溶性セルロース、と
    (ii)配列番号2または配列番号6と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素、と
    を含む、分離された組成物。
  10. 前記不溶性セルロースは、15〜50のDP w を有する、
    請求項9に記載の分離された組成物。
  11. 前記不溶性セルロースは、15〜30のDP w を有する、
    請求項9に記載の分離された組成物。
  12. 前記セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、配列番号2または配列番号6と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、
    請求項9〜11の何れか1項に記載の単離された複合物。
  13. 不溶性セルロースを製造する方法であって、
    少なくとも水、グルコース−1−リン酸、セロデキストリン、および配列番号2または配列番号6と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むセロデキストリンホスホリラーゼ酵素を接触させる工程であって、少なくとも15の重量平均重合度(DP w )を有する不溶性セルロースが生成される、工程を含む方法。
  14. 前記不溶性セルロースは、15〜50のDP w を有する、
    請求項13に記載の方法。
  15. 前記不溶性セルロースは、15〜30のDP w を有する、
    請求項13に記載の方法。
  16. 前記不溶性セルロースは、少なくとも17のDP w を有する、
    請求項13に記載の方法。
  17. 前記不溶性セルロースは、17〜50のDP w を有する、
    請求項13に記載の方法。
  18. 前記セロデキストリンホスホリラーゼ酵素は、配列番号2または配列番号6と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項13〜17の何れか1項に記載の方法。
  19. 前記グルコース−1−リン酸は第2の反応を行うことによって接触工程で供給され、
    該第2の反応の生成物はグルコース−1−リン酸を含む、
    請求項13〜18の何れか1項に記載の方法。
  20. 前記第2の反応は、
    (i)水、無機リン酸塩、デンプン、およびデンプンホスホリラーゼを接触させるか、
    (ii)水、無機リン酸塩、スクロース、およびスクロースホスホリラーゼ酵素を接触させるか、または、
    (iii)水、無機リン酸塩、セルロースバイオマス、エンドグルカナーゼ、およびセロデキストリンホスホリラーゼを接触させる
    ことによって、グルコース−1−リン酸を生成する、
    請求項19に記載の方法。
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