JP4707933B2 - 食器洗浄方法 - Google Patents

Description

【０００１】
（産業上の利用分野）
本発明は食器洗浄の分野であり、特に本発明は、食器洗い製品を複数区画の小袋形態で用いる自動食器洗い機の中における、食器類／食卓用器具類の洗浄方法を包含する食器洗浄方法に関する。本発明の方法は優れた洗浄効果を提供する。
【０００２】
（発明の背景）
単位用量の食器洗浄洗剤は一部の消費者にとってより魅力的であり、便利であることがわかっているが、それはこのような洗剤によって消費者が製品を測る必要がなくなり、それによってより正確な用量を提供でき、無駄な過充填又は低充填になるのを妨ぐことができるためである。このような理由により、錠剤形態の自動食器洗剤組成物が非常に普及するようになった。小袋形態の洗剤製品もまた当該技術分野において既知である。
【０００３】
染み、特に茶、コーヒー、果汁及びカロチノイドの染みを除去するのに、食器洗浄洗剤の処方に漂白剤を用いることは周知のことである。塩素及び過酸素漂白剤は染み除去に有効である。塩素漂白剤は非常に有効な洗浄剤であるが、一方多様な洗剤成分には適合性がなく、最終製品に組み込まれるためには、追加的処理が必要となる可能性がある。一方過酸化物漂白剤は、従来の洗剤成分に対して、より適合性がある。しかしながら、過酸素含有食器洗浄洗剤組成物を配合する場合に見出される問題の１つは、漂白剤は水分との接触により分解しやすいという事実であり、それにより食器洗浄処理に利用できる活性漂白剤の量は減少する。更に、分解処理が一旦開始されると、分解は分解処理により生成された遊離ラジカルの存在により自動触媒される。漂白剤の分解生成物は、洗浄性酵素を酸化する可能性もまたあり、それにより食器洗浄処理に利用できる酵素の量は減少する。
【０００４】
透湿性の小袋、カプセル又は袋のような柔軟性のある単位用量の場合には、漂白剤の分解はガス状酸素の発生による追加的問題を生じる。普通は、小袋物質は酸素透過性ではなく、このため膨張又は小袋の破壊すらもたらす可能性があり、外観及び散布器への適合に不利益な効果をもたらす可能性がある。
食器洗浄洗剤組成物に用いられる幾つかの洗剤成分は液体である。これらの液体成分が固体洗剤組成物に包含されることは困難であるか、又は費用がかかる可能性がある。さらに、特定の成分は好ましくは、液体形態で洗剤製造業者に輸送及び供給され、それを固体洗剤組成物に含有させるには、追加の、及び時として費用のかかる工程を必要とする。かかる洗剤成分の例は、界面活性剤、特に室温で典型的に液体であるか又は液体形態で洗剤製造業者に典型的に輸送及び供給される非イオン系界面活性剤である。別の例は有機溶媒である。
【０００５】
液体成分を固体洗剤組成物に組み入れる現在の方法としては、例えば混合、凝塊形成又は噴霧方法による固体キャリアへの液体成分の吸収が挙げられる。典型的には、固体洗剤組成物は、これら液体成分を固体洗剤に組み込むことが困難及び高額であるため、これら液体洗剤成分を少量しか含まない。高密度化工程、特に機械による食器洗浄用錠剤製造で適用されるレベルまでの高密度化を受ける固体組成物の場合において、問題は特に深刻である。更に、液体成分の固体洗剤組成物への組み込みは、組成物の溶解特性に影響する可能性があり、（例えば界面活性剤ゲル相の形成という結果として）、また流動性の問題にもつながり得る。異なる成分をそれらの自然状態、即ち液体又は固体のままで存在させることのできる洗剤組成物を得ることは有利である。これは製造方法を容易にし、更には固体成分の供給前又は後での、液体成分の供給を可能にする。例えば活性成分の差別的溶解は、酵素／漂白剤組成物の場合には、食器洗浄液中の漂白剤による酵素の酸化を避けるために有益である。それはまた漂白剤を香料から隔てるためにも有利である。
【０００６】
本発明の目的は、改善された洗浄性能及び製品安定性を供給する、食器洗浄方法及び製品を提供することである。別の目的は、簡易化された処理を有する食器洗浄方法及び製品を提供することであり、これは製品の不適応性の問題を許容し、活性成分の差別的溶解を提供することができる。
【０００７】
（発明の概要）
本発明の第１の態様によれば、複数区画の水溶性小袋の別々の区画に含有される、多量の粒子状若しくは高密度化された粒子状の自動食器洗い製品及び多量の無水液体、無水ゲル若しくは無水ペースト形態の食器洗い洗剤助剤を、食器洗い機の同一の又は異なるサイクルに同時に又は順次に供給することを含む、自動食器洗い機の中での、食器類／食卓用器具類の洗浄方法であって、
前記粒子状の自動食器洗い製品が、洗浄性漂白剤を含み、
前記洗剤助剤が、グリコール類及び多価アルコール類を包含する非水性親水性有機溶媒から選択される保湿剤を、前記洗浄性漂白剤を安定化するための湿度溜めとして作用するのに十分な濃度で含み、
且つ前記洗浄助剤を含む区画は、前記洗浄性漂白剤を含む区画の上に設置されている。
本明細書に用いる複数区画の小袋（この用語はカプセル、袋及び区画に分け得る他の単位用量容器を包含する）は、水溶性である。本明細書に用いる水溶性小袋は、小袋物質として部分的に加水分解されたポリビニルアセテート／ポリビニルアルコールを主体としている。これらの小袋には、水溶性ではあるが透湿性であるという不利な点がある。
【０００８】
本明細書で使用する時、用語「無水」は、組成物の約１０重量％未満、好ましくは約５重量％未満、及び更に好ましくは約１重量％未満の水を含有する組成物を包含することを意味する。水は、水和化合物即ち結合水、又は水分の形態で存在し得る。組成物が約１％未満、好ましくは約０．１％未満の遊離水分を含有することは好ましい。遊離水分は、２ｇの製品を５０ｍｌの乾燥メタノール中に室温で２０分間かけて抽出し、次いでメタノールの１ｍｌのアリコートをカールフィッシャー滴定により分析することによって測定できる。小袋を記述するのに用いられる水溶性という用語は、小袋又はその区画が、食器洗い機の通常動作範囲内（周囲温度から７０℃）のある温度又は温度範囲で、その内容物の幾らか又はすべてを放出するために水に溶解又は分散することを意味する。しかしながら他の温度又は使用条件下では、小袋又はその区画は水に不溶性であってもよく、食器洗い機の通常動作体制の期間を超える長期間に渡って損なわれることがない。。
【０００９】
好ましい実施形態では、粒子状食器洗い製品は高密度化されている。高密度化は圧密、圧縮、タンピング、タッピング、スタンピング、振動、慣性力を受けることなどにより達成され得るが、高密度化は、好ましくは例えば少なくとも約１０％、好ましくは少なくとも約２０％、更に好ましくは少なくとも約３０％の原体密度の増加を提供する。最終の原体密度は、好ましくは少なくとも約０．６ｇ／ｃｃ、更に好ましくは少なくとも約０．８ｇ／ｃｃ、特には少なくとも約１ｇ／ｃｃ、及び更に特には少なくとも約１．３ｇ／ｃｃである。
好ましい実施形態では、高密度化された粒子状食器洗い製品は錠剤の形態である。錠剤及び無水液体、無水ゲル若しくは無水ペーストを含む複数区画の小袋は、高い製品密度、最小の貯蔵体積の必要性及び効率的な包装といった既知の錠剤の利益を提示するが、また通常の錠剤技術では達成することが不可能であろう多量の液体、ゲル又はペーストの同時又は順次の放出を可能にする。前記小袋の更なる利益は、ユーザーが錠剤及び自動食器洗浄組成物の残りに触れたり又は直接接触したりしないことである。
【００１０】
製造の観点から、錠剤形態の粒子状の自動食器洗い製品を含む複数区画の小袋は非常に便利であり、これは粒子状製品で小袋を充填することは、複雑である可能性があり、不正確になりやすいからである。それは多くの場合、時間が掛かかるだけでなく埃を生成しやすく、その結果小袋のシール領域上への埃の付着を避けるのが非常に困難になる可能性がある。これはしっかりと密封するのに不利益となり得る。
【００１１】
錠剤はいずれかの好適な方法を用いて形成され得るが、好ましくは圧縮、例えば錠剤圧縮機内での圧縮による。好ましくは、錠剤は圧縮成形体であり、自動食器洗浄洗剤の構成成分を共に混合され、その後、少なくとも約４０ｋｇ／ｃｍ²、好ましくは少なくとも約２５０ｋｇ／ｃｍ²、更に好ましくは少なくとも約３５０ｋｇ／ｃｍ²（３．４３ｋＮ／ｃｍ²）、なお更に好ましくは約４００〜約２０００、及び特には約６００〜約１２００ｋｇ／ｃｍ²の圧縮圧力を適用することにより調製される（本明細書の圧縮圧力は、適用力を横断方向の平面にある錠剤の横断面積、実際は回転圧縮機の金型の横断方向の横断面積で割り算したものである）。こうした錠剤は、最適な錠剤の完全性及び強度（例えば子供の咬合強度（Child Bite Strength）（［ＣＢＳ］試験により測定される）並びに製品溶解特性を提供するという観点から本明細書において好ましい。錠剤は少なくとも約６ｋｇ、好ましくは約８ｋｇを超える、更に好ましくは約１０ｋｇを超える、特には約１２ｋｇを超える、及び更に好ましくは特に約１４ｋｇを超えるＣＢＳを有し、このＣＢＳは米国消費者製品安全委員会試験規格（US Consumer Product Safety Commission Test Specification）によって測定される。
【００１２】
錠剤は球、立方体などのような多様な幾何学的形状をとることができるが、好ましくは一般に円形、正方形又は長方形の横断面を持つ一般に軸対称の形態を有する。
錠剤は少なくとも１つの型をその表面に含むように調製され得る。型又は複数の型はまた、大きさ及び形状、並びにその位置、向き及び錠剤に関する位相について異なることが可能である。例えば型又は複数の型は、横断面が一般に円形、正方形又は楕円形であること；内部で閉じた穴、くぼみ又は凹所を錠剤表面に形成すること、又はそれらは錠剤表面の接続していない領域（例えば軸に対して向かい合う表面）の間に広がり、１以上の位相的な「穴」を錠剤内に形成すること；並びに錠剤に関して軸方向に、又はそうでなければ対称的に配置されることができ、又は非対称的に配置されることができる。好ましくは、型は予備成形され、例えば特別に設計された錠剤圧縮機を用いて作り出され、その際洗剤組成物に接触する穿孔機の表面は、それが洗剤組成物に接触し押圧するときに、型又は複数の型を洗剤の錠剤に押し付けるように成形されている。好ましくは型は、液体、ゲル又はペースト含有区画の改善された収納及び物理的貯蔵を提供するために、内側にくぼんだ又は一般にくぼんだ表面を有する。あるいは型は中央の金型の周りに環状に配置された洗剤組成物の予備成形体を圧縮することにより作り出すことができ、それにより成形体の相対する表面の間に軸方向に伸びた穴形態の型を有する成形体を形成する。型のある錠剤は、本発明の無水の液体、無水ゲル若しくは無水ペースト食器洗い洗剤助剤を含む区画に適合するという観点から非常に有用である。
【００１３】
本発明の好ましい実施形態によると、粒子状の食器洗い製品は１以上の湿度感応性洗剤活性物質を含み、及び洗剤助剤は、湿度感応性洗剤活性物質を安定化するための湿度溜めとして作用するのに十分な濃度の保湿剤を含む。洗剤活性物質は、水分と相互作用した場合に、例えば洗浄性漂白剤のように、その洗浄力活性が減少する可能性がある場合には、湿度感応性であると考えられる。本明細書に用いるのに好適な粒子状漂白剤には、過ホウ酸塩類及び過炭酸塩類を包含する無機過酸化物類、フタロイルアミドペルオキシヘキサン酸のような予備形成されたモノペルオキシカルボン酸類及びジアシル過酸化物類を包含する有機過酸類が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましい過酸化物は、過炭酸塩及び過ホウ酸塩漂白剤である。
【００１４】
保湿剤は周囲の相対湿度によって、水分を吸収したり又は周囲に放出したりすることができる物質である。洗剤助剤の一部として配合される場合には、本明細書で用いられる保湿剤は、粉末層の湿度溜めとして作用することができる。これが湿度感応性洗剤活性物質を安定化させる。保湿剤は、例えばそれが湿度溜めとして作用することが可能であるように、湿度の平衡点を持つことが必要であるが、温度及び圧力の周囲条件下（２０℃及び１気圧）で、相対湿度５０％以下、好ましくは相対湿度７５％以下、及び更に好ましくは相対湿度９０％以下において、好ましくは、保湿剤は約１０％未満、更に好ましくは約５％未満、なお更に好ましくは約１％未満の水を吸収することが必要である。本明細書に用いるのに好適な保湿剤には、グリコール類及び多価アルコール類、例えばソルビトール、グリセロール、ジプロピレングリコール及びこれらの混合物を包含する非水性親水性有機溶媒類及びまたケイ酸塩類、リン酸塩類及びクエン酸塩類のような無機又は有機塩類、並びに糖類などを包含する多様な吸湿性の固体が挙げられる。本明細書に用いるのに好ましいのは、グリコール類を含む、更に好ましくはポリエチレングリコール類を含む、及び特に異なる分子量のポリエチレングリコール類の混合物を含む保湿剤及び保湿剤混合物である。例えば分子量約２００〜約１，２００、更に好ましくは約２００〜約８００を有するポリエチレングリコールの混合物及び分子量約２，０００〜約６，０００、更に好ましくは約２，６００〜約４，０００を有するポリエチレングリコールである。本明細書で用いられるポリエチレングリコールの混合物において、低分子量と高分子量のポリエチレングリコールは、普通は重量比で少なくとも１０：１、及び好ましくは少なくとも１００：１である。
【００１５】
好ましい実施形態では、無水洗剤助剤組成物は洗浄性酵素を含む。酵素は好ましくは液体形態であり、粒子状製品に実質的に先立って洗浄液に供給され、それにより漂白剤のような活性物質との相互作用を最小にするか、又は避けるが、この漂白剤は洗浄溶液中の酵素の安定性及び性能に有害な効果を持つ可能性がある。
好ましい実施形態において、食器洗浄組成物は有機溶媒系を含む。有機溶媒系は単に液体キャリアとして働くが、好ましい組成物においては、溶媒は調理汚れ、焼きつき汚れ、又は焦げつき汚れの除去を援助することが可能であり、このようにそれ自体が洗剤機能を有する。有機溶媒系（単一溶媒化合物又は溶媒化合物の混合物を含む）は、好ましくは揮発性有機物の含有量が１ｍｍＨｇを越えるもの及び更に好ましくは０．１ｍｍＨｇを超えるものを溶媒系の約５０重量％未満、好ましくは約２０重量％未満、及び更に好ましくは約１０重量％未満有する。本明細書において、溶媒系の揮発性有機物含有量は、２５℃、常圧における上述の制限値より高い蒸気圧を有する、溶媒系中の有機成分の含有量として定義される。
【００１６】
本明細書に用いる有機溶媒系は、アルカノールアミン類、アルキルアミン類、アルキレンアミン類及びこれらの混合物を包含する有機アミン溶媒類；芳香族アルコール類、脂肪族アルコール類（好ましくはＣ₄〜Ｃ₁₀）、及び脂環式アルコール類及びこれらの混合物を包含するアルコール溶媒類；Ｃ₂〜Ｃ₃の（ポリ）アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類及びこれらの混合物を包含するグリコール類及びグリコール誘導体類；並びに有機アミン溶媒類、アルコール溶媒類、グリコール類及びグリコール誘導体類から選択される混合物から好ましくは選択される。１つの好ましい実施形態では、有機溶媒は、有機アミン（とりわけアルカノールアミン）溶媒及びグリコールエーテル溶媒を、好ましくは約３：１〜約１：３の重量比で含み、このとき、グリコールエーテル溶媒は、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びこれらの混合物から選択される。好ましくは、グリコールエーテルは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールブチルエーテルを、特に約１：２〜約２：１の重量比で含む混合物である。
【００１７】
本発明の別の実施形態によれば、食器洗浄助剤組成物は約１１００Ｋｇ／ｍ³を超える、好ましくは約１３００Ｋｇ／ｍ³を超える密度を有するペースト形態をとることができる。
本明細書に用いるのに好適な複数区画の小袋は、例えばｐＨ、温度、又はいずれかの他の方法により制御される、異なる溶解度特性を持つ区画を包含し得る。高温水溶性の小袋では周囲温度において、濡れた手による小袋の取り扱いが可能である。
【００１８】
本明細書の複数区画の小袋は、粉末又は高密度化された粉末組成物を含有する少なくとも１つの区画、及び無水液体、無水ゲル若しくは無水ペーストを含有する少なくとも１つの区画を含む。この粉末組成物は、漂白剤などのような湿度感応性洗剤活性物質と合わせて、ビルダー、アルカリ性成分のような食器洗浄洗剤に用いられる伝統的固体物質を含む。液体、ゲル又はペースト組成物は、非イオン性界面活性剤、又は保湿剤と合わせて上述の有機溶媒のような、食器洗浄洗剤に用いられる伝統的液体物質を含む。湿度感応性洗剤活性物質を保護するのを助けるため及び水分に暴露される区画を含有する小袋の表面積を減少させるために、好ましくは洗剤助剤を含む区画は、湿度感応性洗剤活性物質を含む区画の上又は隣に設置される。
【００１９】
（詳細な説明）
本発明は、複数区画の小袋の中における食器洗浄洗剤及び助剤組成物の使用を構想しており、そのため湿度感応性洗剤活性物質及び保湿剤は別々の区画に含有される。保湿剤は湿度溜めとして作用することが可能であり、湿度感応性洗剤活性物質を安定化させるために働く。
本明細書に用いるのに特に有用な単位用量形態は小袋である。本明細書の小袋は、典型的には、本明細書に記載された物質で製造された２以上の区画を含む閉鎖構造体である。散布器への適合を条件として、小袋は組成物を保持するのに好適な、例えば小袋が水と接触する前に小袋から組成物が放出されることのないような、いずれかの形態、形状及び物質であり得る。正確な実行は、例えば、小袋の組成物の種類及び量、小袋の区画の数、組成物及び／又はそれらの構成成分を保持、保護及び送達若しくは放出するのに必要とされる特性に依存する。
【００２０】
組成物、又はそれらの構成成分は小袋の内容積空間に含有され、典型的には水溶性物質の防壁によって外部環境から分離される。典型的には、小袋の異なった区画に含有される組成物の異なった構成成分は、水溶性物質の防壁によって互いに分離される。
複数区画の小袋の場合には、区画は互いに異なった色であってもよく、例えば第一区画は緑色又は青色であってもよく、第二区画は白色又は黄色であってもよい。小袋の１つの区画は不透明又はほとんど不透明、並びに小袋の第二区画は半透明、透明又はやや透明であってもよい。小袋の区画は同じ内容積を有する同じ大きさ、又は異なる内容積を有する異なった大きさであってもよい。
【００２１】
圧縮力下での変形性及び散布器への適合の理由から、液体である構成成分を含有する小袋又は小袋の区画は普通、前記区画の体積空間の約５０％までの、好ましくは約４０％までの、更に好ましくは約３０％までの、更に好ましくは約２０％までの、更に好ましくは約１０％までの体積を有する空泡を含有する。
小袋は好ましくは、水に可溶性又は分散性の小袋材料から製造され、最大孔径が２０ミクロンのガラスフィルターを用いた、後に記載される方法で測定した場合に、少なくとも５０％、好ましくは少なくとも７５％、又は更に好ましくは少なくとも９５％の水溶解度を有する。
【００２２】
５０グラム±０．１グラムの小袋材料が、予め秤量した４００ｍｌビーカーの中に添加され、適温で２４５ｍｌ±１ｍｌの蒸留水が添加される。これは加熱可能なプレート上で、６００ｒｐｍに設定された磁性攪拌器により３０分間激しく撹拌される。その後、混合物は上記で定義した孔径（最大２０ミクロン）の折り重ねた定性焼結ガラスフィルターで濾過される。回収した濾液からいずれかの従来法によって水を乾燥させ、残った物質の重量が測定される（これが溶解又は分散画分である）。その結果、指定された温度における溶解度又は分散度の％が計算できる。
好ましい小袋材料はポリマー物質、好ましくはフィルム又はシートに形成されるポリマー類である。小袋材料は、当業界において既知の、例えば、ポリマー物質のキャスト法、吹き込み成型、押し出し又はインフレーション法によって得られる。
【００２３】
小袋材料として用いるのに好適な好ましいポリマー類、コポリマー類又はそれらの誘導体類は、ポリビニルアルコール類、部分的に加水分解されたポリビニルアセテート類、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド類、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、セルロースアミド類、ポリビニルアセテート類、ポリカルボン酸類及び塩類、ポリアミノ酸類又はペプチド類、ポリアミド類、ポリアクリルアミド、マレイン酸／アクリル酸のコポリマー類、デンプン及びゼラチンを包含する多糖類、キサンタン及びカラゴムのような天然ゴム類から選択される。更に好ましいポリマー類は、ポリアクリレート類及び水溶性アクリレートコポリマー類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート類から選択され、最も好ましくはポリビニルアルコール類、ポリビニルアルコールコポリマー類、部分的に加水分解されたポリビニルアセテート類及びヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）、ヒドロキシブチルメチルセルロース（ＨＢＭＣ）及びそれらの組み合わせから選択される。好ましくは、小袋材料におけるポリマーの濃度は、例えば、ＰＶＡポリマーについては少なくとも６０％である。
【００２４】
ポリマーはいずれの重量平均分子量を有してもよく、好ましくは約１０００〜１，０００，０００、更に好ましくは約１０，０００〜３００，０００、なお更に好ましくは約２０，０００〜１５０，０００を有することができる。
ポリマー混合物も小袋材料として使用され得る。これは、区画又は小袋の機械的特性及び／又は溶解特性を、それらの適用及び要求されるニーズに依存して制御するのに有益であり得る。好適な混合物としては、例えば、一方のポリマーが他方のポリマーに比べて高い水溶性を有する混合物及び／又は一方のポリマーが他方のポリマーに比べて高い機械的強度を有する混合物が挙げられる。また好適なものは、異なった重量平均分子量を有するポリマー類の混合物、例えば、約１０，０００〜４０，０００、好ましくはおよそ２０，０００の重量平均分子量のＰＶＡ又はそれらのコポリマーと約１００，０００〜３００，０００、好ましくはおよそ１５０，０００の重量平均分子量のＰＶＡ又はそれらのコポリマーとの混合物である。
【００２５】
また本明細書において好適なものは、例えば、典型的には約１重量％〜３５重量％のポリラクチドと約６５重量％〜９９重量％のポリビニルアルコールを含むポリラクチドとポリビニルアルコールを混合することによって得られるポリラクチド及びポリビニルアルコールのような加水分解的に分解され得る水溶性ポリマー混合物を含むポリマー混合組成物である。
本明細書に用いるのに好ましいものは、物質の溶解特性を改善するために、約６０％〜約９８％加水分解された、好ましくは約８０％〜約９０％加水分解されたポリビニルアセテートを包含するポリマー類である。
【００２６】
最も好ましい小袋材料は、クリス−クラフト・インダストリアル・プロダクツ（Chris-Craft Industrial Products）（米国、インディアナ州ゲーリー（Gary））より販売されている商品照会名モノゾール（Monosol）Ｍ８６３０として既知のＰＶＡフィルム及び同様の溶解度及び変形性の特性を有するＰＶＡフィルムである。本明細書で使用されるのに好適な他のフィルムとしては、アイセロ（Aicello）から供給される商品照会名ＰＴフィルム又はＫ−シリーズフィルム、又はクラレ（Kuraray）から供給されるＶＦ−ＨＰフィルムとして既知であるフィルムが挙げられる。
【００２７】
本明細書の小袋材料はまた、１以上の添加剤成分を含むことができる。例えば、可塑剤、例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール及びそれらの混合物を添加するのが有益であり得る。他の添加剤としては、例えば有機高分子分散剤などの洗浄水中に提供される機能的な洗剤添加剤が挙げられる。
小袋は当該技術分野において既知の方法によって調製することができる。小袋は典型的には、最初に小袋材料の適切な大きさの片を、好ましくは小袋材料を切断することにより調製される。小袋材料は、その後区画の必要な数及び大きさを形成するために折り重ねられ、その端はいずれかの好適な技術、例えば、加熱密封、湿式密封、又は圧力密封を用いて密封される。好ましくは密封成分が小袋材料と接触させられ、熱又は圧力が適用され、小袋材料は密封される。
【００２８】
小袋材料は典型的には型に導入され、小袋材料が型の内部表面にぴったり重なるように真空が適用され、このようにして前記小袋材料に真空形成されたくぼみやへこみが形成される。これは真空成形と呼ばれる。
別の好適な方法は熱成形である。熱成形は、典型的には熱の適用下で型の中に開いた小袋を形成する工程を伴い、これにより小袋物質が型の形状を帯びることが可能になる。
典型的には複数区画の小袋を製造するために、小袋材料の一片より多くの片が用いられる。例えば小袋材料の第一片は、前記小袋材料が型の内部壁面にぴったり重なるように真空で引っ張られ得る。次に小袋材料の第二片は、小袋材料の第一片と少なくとも部分的に重なるように、及び好ましくは完全に重なるように配置され得る。小袋材料の第一片及び小袋材料の第二片は共に密封される。小袋材料の第一片及び小袋材料の第二片は同じ種類の材料から製造されることもできるし、又は異なる種類の材料であることもできる。
【００２９】
好ましい方法において、小袋材料の一片は少なくとも二度折り重ねられるか、小袋材料の少なくとも三片が使用され、又は小袋材料の少なくとも二片が使用され、その際小袋材料の少なくとも一片は少なくとも一度折り重ねられる。小袋材料の第三片、又は小袋材料の折り重ねられた片が、小袋を密封した時、前記小袋の内容積を少なくとも二つ以上の区画に分割する防壁層を生成する。
小袋はまた小袋物質の第一片を型に合わせることによって調製することもでき、例えばフィルムの第一片は、フィルムを型の内部壁面にぴったり重ねるために、型に真空で引っ張ってもよい。組成物、又はそれらの構成成分は典型的には型に注がれる。小袋材料から製造された予備密封区画は、その後典型的には組成物、又はそれらの構成成分を含有する型の上に置かれる。予備密封区画は好ましくは組成物、又はそれらの構成成分を含有する。予備密封区画及び小袋材料の前記第一片は小袋を形成するために一緒に密封されてもよい。
【００３０】
本明細書における洗剤助剤は、伝統的な洗浄成分を含むことができ、また洗浄機能を有する有機溶媒及びキャリア機能又は希釈機能又はその他幾つかの特定な機能を有する有機溶媒を含むことができる。組成物は一般に着色剤、漂白剤、界面活性剤、アルカリ性成分、酵素、増粘剤（液体、ペースト、クリーム又はゲル組成物の場合）、耐食剤（例えば、ケイ酸ナトリウム）、並びに分解及び結合剤（粉末、顆粒、又は錠剤の場合）から選択され得る１以上の洗剤活性成分から構成され、それらを含む。非常に好ましい洗剤助剤の構成成分には、ビルダー化合物、アルカリ性成分、界面活性剤、酵素及び漂白剤が挙げられる。
特に指定しない限り、以下に記載する構成成分は自動食器洗い製品又は洗剤助剤のいずれかに組み込まれ得る。
【００３１】
有機溶媒は、食卓用器具／調理器具、並びに自動食器洗い機の種々の部品と適合性を有するように選択されることが必要である。更に溶媒系は、使用するのに有効及び安全である必要があり、溶媒系の約５０重量％未満、好ましくは約３０重量％未満、更に好ましくは約１０重量％未満の１ｍｍＨｇを超える、好ましくは０．１ｍｍＨｇを超える、揮発性有機物含有量を有するべきである。また、溶媒系は、非常に刺激の少ない心地良い臭いを有する必要がある。本明細書において用いられる個々の有機溶媒は、一般に約１５０℃を超える沸点、約１００℃を超える引火点、及び２５℃、常圧で約１ｍｍＨｇ未満、好ましくは０．１ｍｍＨｇ未満の蒸気圧を有する。
【００３２】
本明細書に使用可能な溶媒には：ｉ）アルコール類、例えばベンジルアルコール、１，４−シクロヘキサンジメタノール、２−エチル−１−ヘキサノール、フルフリルアルコール、１，２−ヘキサンジオール及びその他類似の物質；ｉｉ）アミン類、例えばアルカノールアミン類（例えば、一級アルカノールアミン類：モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン；二級アルカノールアミン類：ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、２−（メチルアミノ）エタノール；三級アルカノールアミン類：トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン）；アルキルアミン類（例えば一級アルキルアミン類：モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、シクロヘキシルアミン）、二級アルキルアミン類：（ジメチルアミン）、アルキレンアミン類（一級アルキレンアミン類：エチレンジアミン、プロピレンジアミン）及びその他類似の物質；ｉｉｉ）エステル類、例えば乳酸エチル、メチルエステル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びその他類似の物質；ｉｖ）グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル及びその他類似の物質；ｖ）グリコール類、例えばプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール（２−メチル−２，４−ペンタンジオール）、トリエチレングリコール、組成物及びジプロピレングリコール及びその他類似の物質；並びにこれらの混合物が挙げられる。
【００３３】
界面活性剤
本発明の方法において、洗剤界面活性剤は、単独でも、又はその他の構成成分（即ち、石鹸泡抑制剤）との組み合わせにおいても、好ましくは低発泡性である。本明細書に好適な界面活性剤には、陰イオン性界面活性剤（例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルグリセリルスルホネート、アルキル及びアルケニルスルホネート、アルキルエトキシカルボキシレート、Ｎ−アシルサルコシネート、Ｎ−アシルタウレート、アルキルサクシネート及びスルホサクシネートなどが挙げられ、これらのアルキル、アルケニル又はアシル部分は、Ｃ₅〜Ｃ₂₀、好ましくはＣ₁₀〜Ｃ₁₈の直鎖又は分枝鎖状である）、陽イオン性界面活性剤（例えば、塩素エステル（米国特許出願第４，２２８，０４２号、米国特許出願第４，２３９，６６０号、及び米国特許出願第４，２６０，５２９号）及びモノＣ₆〜Ｃ₁₆Ｎ−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤などが挙げられる。これらの残存Ｎ位はメチル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基で置換されている）、低曇点及び高曇点の非イオン性界面活性剤及びそれらの混合物（例えば、非イオン性アルコキシル化界面活性剤（とりわけＣ₆〜Ｃ₁₈の一級アルコールから誘導されたエトキシレート）、エトキシル化〜プロポキシル化アルコール（例えば、オリン・コーポレーション（Olin Corporation）のポリ・タージェント（Poly-Tergent（登録商標））ＳＬＦ１８）、エポキシ末端保護ポリ（オキシアルキル化）アルコール（例えば、オリン・コーポレーション（Olin Corporation）のポリ・タージェント（Poly-Tergent（登録商標））ＳＬＦ１８Ｂ、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ−Ａ−９４／２２８００参照）、エーテル末端保護ポリ（オキシアルキル化）アルコール界面活性剤及びブロックポリオキシエチレン〜ポリオキシプロピレン高分子化合物（例えば、バスフ−ワイアンドット社（BASF-Wyandotte Corp.）（ミシガン州ワイアンドット）によるプルロニック（PLURONIC（登録商標））、逆プルロニック（REVERSED PLURONIC（登録商標））及びテトロニック（TETRONIC（登録商標）））、両性界面活性剤（例えば、Ｃ₁₂〜Ｃ₂₀のアルキルアミンオキシド（本明細書に使用するのに好ましいアミンオキシドには、ラウリルジメチルアミンオキシド及びヘキサデシルジメチルアミンオキシドが含まれる）及びアルキル両性カルボン酸界面活性剤（例えば、ミラノール（Miranol（商標））Ｃ２Ｍ）、双性界面活性剤（例えば、ベタイン及びスルタイン）及びこれらの混合物が包含される。本明細書において好適な界面活性剤は、例えば、米国特許出願第３，９２９，６７８号、米国特許出願第４，２５９，２１７号、ＥＰ−Ａ−０４１４５４９、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ−Ａ−９３／０８８７６、及びＰＣＴ国際公開特許ＷＯ−Ａ−９３／０８８７４に開示されている。界面活性剤は典型的に、組成物の約０．２重量％〜約３０重量％、更に好ましくは約０．５重量％〜約１０重量％、最も好ましくは約１重量％〜約５重量％の濃度で存在する。本明細書に用いるのに好ましい界面活性剤は低発泡性であり、低曇点非イオン性界面活性剤及び高発泡性界面活性剤と低曇点非イオン性界面活性剤（この場合、石鹸泡抑制剤として働く）との混合物が挙げられる。
【００３４】
ビルダー
本明細書の洗剤及び洗浄性組成物に用いるのに好適なビルダーとしては、クエン酸塩類、炭酸塩類及びポリホスフェート類などの水溶性ビルダー、例えばトリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム六水和物、トリポリリン酸カリウム及びトリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸カリウムの混合物；並びに部分水溶性又は不溶性ビルダー、例えば結晶性層状ケイ酸塩類（ＥＰ−Ａ−０１６４５１４及びＥＰ−Ａ−０２９３６４０）及びゼオライトＡ、Ｂ、Ｐ、Ｘ、ＨＳ並びにＭＡＰを包含するアルミノケイ酸塩類が挙げられる。ビルダーは典型的に、組成物の約１重量％〜約８０重量％、好ましくは約１０重量％〜約７０重量％、最も好ましくは約２０重量％〜約６０重量％の濃度で存在する。
ＳｉＯ₂：Ｎａ₂Ｏ比が１．８〜３．０、好ましくは１．８〜２．４、最も好ましくは２．０である非晶性ケイ酸ナトリウム類も本明細書に使用され得るが、長期保存安定性の観点から、極めて好ましいものは、（非晶性及び結晶性の）全ケイ酸塩を約２２％未満、好ましくは約１５％未満含有する組成物である。
【００３５】
酵素
本明細書において好適な酵素には、細菌及び真菌セルラーゼ類、例えばケアザイム（Carezyme）及びセルザイム（Celluzyme）（ノボ・ノルディスクＡ／Ｓ（Novo Nordisk A/S））；ペルオキシダーゼ類；リパーゼ類、例えばアマノ−Ｐ（Amano-P）（天野製薬株式会社（Amano Pharmaceutical Co.））、Ｍ１リパーゼ（M1 Lipase）（登録商標）及びリポマックス（Lipomax）（登録商標）（ギスト・ブロカデス（Gist-brocades））及びリポラーゼ（Lipolase）（登録商標）及びリポラーゼ・ウルトラ（Lipolase Ultra）（登録商標）（ノボ）（Novo）；クチナーゼ類；プロテアーゼ類、例えばエスペラーゼ（Esperase）（登録商標）、アルカラーゼ（Alcalase）（登録商標）、デュラザイム（Durazym）（登録商標）及びサビナーゼ（Savinase）（登録商標）（ノボ）（Novo）及びマキサターゼ（Maxatase）（登録商標）、マキサカール（Maxacal）（登録商標）、プロペラーゼ（Properase）（登録商標）及びマキサペム（Maxapem）（登録商標）（ギスト・ブロカデス（Gist-brocades））；及びα及びβアミラーゼ類、例えばピュラフェクトＯｘ Ａｍ（Purafect Ox Am）（登録商標）（ジェネンコア）（Genencor）及びターマミル（Termamyl）（登録商標）、バン（Ban）（登録商標）、フンガミル（Fungamyl）（登録商標）、デュラミル（Duramyl）（登録商標）及びナタラーゼ（Natalase）（登録商標）（ノボ（Novo））；及びこれらの混合物が挙げられる。酵素は本明細書において好ましくは小球状、粒状又は共粒状の形態で添加され、純粋な酵素として典型的には組成物の約０．０００１重量％〜約２重量％の濃度で添加される。
【００３６】
漂白剤
本明細書において好適な漂白剤には、塩素漂白剤類及び酸素漂白剤類が挙げられ、とりわけ無機過水和物塩類（例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物及び放出率を制御するために任意選択的にコーティングした過炭酸ナトリウム）（例えば、硫酸塩／炭酸塩コーティングに関してはＧＢ−Ａ−１４６６７９９を参照）、予備形成された有機過オキシ酸類及びこれらの有機過オキシ酸漂白剤前駆体類及び／又は遷移金属コーティング漂白剤触媒類（とりわけマンガン又はコバルト）との混合物が挙げられる。無機過水和物塩類は典型的に、組成物の約１重量％〜約４０重量％、好ましくは約２重量％〜約３０重量％、更に好ましくは約５重量％〜約２５重量％の濃度で組み込まれる。本明細書に用いるのに好ましい過オキシ酸漂白剤前駆体類には、過安息香酸及び置換過安息香酸の前駆体類；陽イオン性過オキシ酸前駆体；過酢酸前駆体（例えば、ＴＡＥＤ、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム及びペンタアセチルグルコース）；過ノナン酸前駆体類（例えば、３，５，５−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム（イソ−ＮＯＢＳ）及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム（ＮＯＢＳ））；アミド置換アルキル過オキシ酸前駆体類（ＥＰ−Ａ−０１７０３８６）及びベンゾオキサジン過オキソ酸前駆体類（ＥＰ−Ａ−０３３２２９４及びＥＰ−Ａ−０４８２８０７）が挙げられる。漂白剤前駆体類は典型的に、組成物の約０．５重量％〜約２５重量％、好ましくは約１重量％〜約１０重量％の濃度で組み込まれるが、予備形成された有機過オキソ酸類自体は典型的に、組成物の約０．５重量％〜約２５重量％、好ましくは約１重量％〜約１０重量％の濃度で組み込まれる。本明細書に用いるのに好ましい漂白剤触媒類には、トリアザシクロノナンマンガン及び関連錯体類（米国特許出願第４，２４６，６１２号、米国特許出願第５，２２７，０８４号）、ビスピリジルアミンＣｏ、Ｃｕ、Ｍｎ、Ｆｅ及び関連錯体類（米国特許出願第５，１１４，６１１号）、並びにペンタミンアセテートコバルト（ＩＩＩ）及び関連錯体類（米国特許出願第４，８１０，４１０号）が含まれる。
【００３７】
低曇点非イオン性界面活性剤及び石鹸泡抑制剤
本明細書に用いるのに好適な石鹸泡抑制剤には、低曇点を有する非イオン性界面活性剤が含まれる。「曇点」とは、本明細書で使用する時、非イオン性界面活性剤の既知の特性であり、温度が上昇すると可溶性が低下する界面活性剤で生じるもので、第２の相の出現が観察される温度を「曇点」と呼ぶ（カーク・オスマー（Kirk Othmer）、３６０〜３６２頁参照）。本明細書で使用する時、「低曇点」非イオン性界面活性剤とは、３０℃未満、好ましくは約２０℃未満、更に好ましくは約１０℃未満、最も好ましくは約７．５℃未満の曇点を有する非イオン性界面活性剤系成分として定義される。典型的な低曇点非イオン性界面活性剤には、非イオン性アルコキシル化界面活性剤（とりわけ一級アルコールから誘導されたエトキシレート）及びポリオキシプロピレン／ポリオキシエチレン／ポリオキシプロピレン（ＰＯ／ＥＯ／ＰＯ）逆ブロックポリマーが含まれる。また、これらの低曇点非イオン性界面活性剤には、例えば、米国特許第５，５７６，２８１号に記述されているような非イオン性物質のエトキシル化〜プロポキシル化アルコール（例えば、オリン・コーポレーション（Olin Corporation）のポリ・タージェント（Poly-Tergent）（登録商標）ＳＬＦ１８）及びエポキシキャップされたポリ（オキシアルキル化）アルコール（例えば、オリン・コーポレーション（Olin Corporation）のポリ・タージェント（Poly-Tergent）（登録商標）ＳＬＦ１８Ｂシリーズが挙げられる。
好ましい低曇点界面活性剤は、以下の式を有するエーテルキャップされたポリ（オキシアルキル化）石鹸泡抑制剤である。
【００３８】
【化１】

【００３９】
Ｒ¹は平均約７〜約１２個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、Ｒ²は約１〜約４個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、Ｒ³は約１〜約４個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、ｘは約１〜約６の整数、ｙは約４〜約１５の整数及びｚは約４〜約２５の整数である。
【００４０】
他の低曇点非イオン界面活性剤は、以下の式を有するエーテルキャップされたポリ（オキシアルキル化）物である：
Ｒ_IＯ（Ｒ_IIＯ）_nＣＨ（ＣＨ₃）ＯＲ_III
式中、Ｒ_Iは、約７〜約１２個の炭素原子を有する直鎖又は分枝、飽和又は不飽和、置換又は非置換、脂肪族又は芳香族炭化水素基から成る群から選択され；Ｒ_IIは、同一又は異なっていてもよく、いずれかの所定の分子において分枝又は直鎖Ｃ₂〜Ｃ₇アルキレンから独立して選択され；ｎは１〜約３０の数であり；Ｒ_IIIは以下から成る群から選択される：
（ｉ）１〜３個のヘテロ原子を有する４〜８員の置換又は非置換複素環；及び
（ｉｉ）約１〜約３０個の炭素原子を有する直鎖又は分枝、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族炭化水素基；
（ｂ）ただし、Ｒ²が（ｉｉ）であるなら：（Ａ）Ｒ¹の少なくとも１つは、Ｃ₂〜Ｃ₃アルキレン以外であるか；又は（Ｂ）Ｒ²は６〜３０個の炭素原子を有するかのいずれかであり、さらにＲ²が８〜１８個の炭素原子を有する場合にはＲはＣ₁〜Ｃ₅アルキル以外である。
【００４１】
本明細書において他の好適な構成成分としては、分散性、再付着防止、汚れ放出又はその他の洗浄性能発明を有する有機ポリマー類が挙げられ、これらは組成物の約０．１重量％〜約３０重量％、好ましくは約０．５重量％〜約１５重量％、最も好ましくは約１重量％〜約１０重量％の濃度である。本明細書において好ましい再付着防止ポリマーには、アクリル酸含有ポリマー（例えば、ソカラン（Sokalan）ＰＡ３０、ＰＡ２０、ＰＡ１５、ＰＡ１０及びソカラン（Sokalan）ＣＰ１０（バスフ社（BASF GmbH））、アクソル（Acusol）４５Ｎ、４８０Ｎ、４６０Ｎ（ローム・アンド・ハース（Rohm and Haas）））、アクリル酸／マレイン酸コポリマー（例えば、ソカラン（Sokalan）ＣＰ５）及びアクリル／メタクリルコポリマーが挙げられる。本明細書において好ましい汚れ放出ポリマーには、アルキル及びヒドロキシアルキルセルロース（米国特許出願第４，０００，０９３号）、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン及びこれらのコポリマー、並びにエチレングリコール、プロピレングリコール及びこれらの混合物のテレフタレートエステルに基づく非イオン性及びアニオン性ポリマーが含まれる。
【００４２】
重金属イオン封鎖剤及び結晶成長阻害剤は、一般に組成物の約０．００５重量％〜約２０重量％、好ましくは約０．１重量％〜約１０重量％、更に好ましくは約０．２５重量％〜約７．５重量％、最も好ましくは約０．５重量％〜約５重量％の濃度で本明細書に用いるのに好適であり、これらには、例えば、ジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホネート）、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホネート）、ヘキサメチレンジアミンテトラ（メチレンホスホネート）、エチレンジホスホネート、ヒドロキシ−エチレン−１，１−ジホスホネート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミノテトラアセテート、エチレンジアミン−Ｎ，Ｎ’−ジサクシネートの塩及び遊離酸の形態が挙げられる。
【００４３】
本明細書における組成物は、腐食防止剤を含有することができ、これには、例えば、組成物の約０．０５重量％〜約１０重量％、好ましくは約０．１重量％〜約５重量％の濃度で含有される有機銀コーティング剤（とりわけ、ウインターシャル（Wintershall）（ドイツ、ザルツバーゲン（Salzbergen）から市販されているウイノッグ（Winog）７０などのパラフィン）、組成物の約０．００５重量％〜約５重量％、好ましくは約０．０１重量％〜約１重量％、更に好ましくは約０．０２重量％〜約０．４重量％の濃度で含有される窒素含有腐食防止剤化合物（例えば、ベンゾトリアゾール及びベンズイマダゾール−ＧＢ−Ａ−１，１３７，７４１参照）及びＭｎ（ＩＩ）化合物（とりわけ、有機配位子のＭｎ（ＩＩ）塩）が挙げられる。
【００４４】
本明細書におけるその他の好適な構成成分には、着色剤、約０．０１％〜約５％の濃度で含有される、例えば酢酸ビスマス及びクエン酸ビスマスのような水溶性ビスマス化合物、約０．０１％〜約６％の濃度で含有される、例えばカルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール及び塩素漂白剤捕捉剤のような酵素安定剤、石灰石鹸分散剤（ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ−Ａ−９３／０８８７７参照）、石鹸泡抑制剤（ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９３／０８８７６及びＥＰ−Ａ−０７０５３２４参照）、ポリマー染料転移阻害剤、光学的光沢剤、香料、充填剤及び粘土が含まれる。
液体洗剤組成物は、少量の低分子量一級又は二級アルコールを含有でき、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールを本発明の液体洗剤に用いることができる。少量で使用されるその他の好適なキャリア溶媒には、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、１，２−プロパンジオール、ソルビトール及びこれらの混合物が挙げられる。
【００４５】
（実施例）
実施例に使用されている略語
実施例において、構成成分名の略語は次の意味を有する。
【００４６】
【表１】

【００４７】
以下の実施例では、すべての濃度は重量による部数として表わされる。
【００４８】
実施例１〜４
実施例１〜４の組成物は、二区画ＰＶＡ小袋の形態に製造される。二区画小袋はクリス−クラフト・インダストリアル・プロダクツ（Chris-Craft Industrial Products）により供給されるモノゾール（Monosol）Ｍ８６３０フィルムから製造される。小袋は上記の技術を用いて液体組成物を予め密封することにより製造される。粒子状組成物及び無水組成物が、二つの異なる水平に層を成す区画に設置されるが、無水組成物は粒子状組成物の上に設置される。例示された小袋は粒子状の自動食器洗い製品の良好な安定性を示す。
【００４９】
【表２】

【００５０】
実施例５〜８
実施例１〜４の粒子状組成物は錠剤に形成される。錠剤は次のように調製される。洗剤組成物は、顆粒及び液体構成成分を混合することにより調製され、次に従来の回転圧縮機の金型に入れられる。圧縮機は錠剤の上表面に型を形成するために好適に成形された穿孔機を包含する。金型の横断面はおよそ３０×３８ｍｍである。組成物は次に９４０ｋｇ／ｃｍ²の圧縮力を受け、穿孔機は上げられ、及び型を含む錠剤は錠剤圧縮機から取り出される。
別にＰＶＡ小袋が形成され、実施例１〜４の無水助剤組成物が充填される。
ＰＶＡフィルムを錠剤の形に成形された一連のくぼみを有するトレイの中に設置することにより、複数区画の小袋が製造される。トレイは錠剤で満たされるが、錠剤はトレイの中に錠剤の型が上向きになるように配置される。無水組成物を含む小袋の層が、錠剤の型の上及び隣の小袋と共に設置され、溶媒密封により錠剤を含む開いた小袋の層を閉じるために用いられる。
【００５１】
クリス−クラフト・インダストリアル・プロダクツ（Chris-Craft Industrial Products）により供給されるモノゾール（Monosol）Ｍ８６３０フィルムが小袋を製造するために用いられた。
例示された小袋は粒子状の自動食器洗い製品の良好な安定性を示す。

Claims (6)

1. 複数区画の水溶性小袋の別々の区画に含有される、多量の高密度化された粒子状の自動食器洗い製品及び多量の無水液体、無水ゲル若しくは無水ペースト形態の食器洗い洗剤助剤を、食器洗い機の同一の又は異なるサイクルに同時に又は順次に供給することを含む、自動食器洗い機の中での、食器類／食卓用器具類の洗浄方法であって、
   前記粒子状の自動食器洗い製品が、洗浄性漂白剤を含み、
   前記洗剤助剤が、グリコール類及び多価アルコール類を包含する非水性親水性有機溶媒から選択される保湿剤を、前記洗浄性漂白剤を安定化するための湿度溜めとして作用するのに十分な濃度で含み、
   且つ前記洗剤助剤を含む区画は、前記洗浄性漂白剤を含む区画の上に設置されている、食器類／食卓用器具類の洗浄方法。
2. 前記粒子状の食器洗い製品が、タンピング、圧縮又は圧密により高密度化される、請求項１に記載の方法。
3. 前記粒子状の食器洗い製品が錠剤の形態である、請求項１又は２に記載の方法。
4. 前記無水洗剤助剤が洗浄性酵素を含む、請求項１〜３のいずれか一項に記載の方法。
5. 前記複数区画の小袋の前記区画が、所与の温度条件において異なる比率の水溶解度を有する、請求項１〜４のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記無水洗剤助剤組成物が非イオン性界面活性剤を含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の方法。