JP6308250B2 - 容器の殺菌方法及び殺菌装置 - Google Patents
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Description
また、一実施形態に係る本発明は、複数本のノズルを各々容器に一定区間内で挿入した状態で容器とともに円形の循環経路に沿って所定方向に一定の移動速度で移動させ、かつ、ダクトにて導かれる熱風と、ミスト発生装置から供給される気化された過酸化水素とをマニホールドにて合流させて前記各ノズルに分配し、前記各ノズルから前記気化された過酸化水素を含んだ殺菌用熱風を容器内に吹き込むようにし、前記過酸化水素は、ミスト発生装置の気化管内にその一端から過酸化水素水溶液を圧縮空気によりスプレーして気化管内で気化させたうえで、気化管の他端の吐出口から吐出させるようにした容器の殺菌方法である。
また、一実施形態に係る本発明は、複数本のノズルを各々容器に一定区間内で挿入した状態で容器とともに円形の循環経路に沿って所定方向に一定の移動速度で移動させる手段と、ダクトにて導かれる熱風と、ミスト発生装置から供給される気化された過酸化水素とを合流させるマニホールドとを具備し、前記気化された過酸化水素を含んだ殺菌用熱風を、前記マニホールドから前記各ノズルに分配し、各ノズルから容器内に吹き込むようにし、前記ミスト発生装置は、一端から過酸化水素水溶液が圧縮空気によりスプレーされたものを加熱して気化させたうえで他端の吐出口から吐出させる気化管を備えたものである。
第1図は、本発明の第1の実施形態に係る殺菌方法の手順を示す図である。この実施形態はPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルの内面殺菌を行う方法を示している。この殺菌方法では、まず、予備加熱処理が行われる(ステップS11)。予備加熱では、ボトル1の口部1aから内部へノズル2が挿入され、そのノズル2から熱風が送り込まれてボトル1が予備加熱される。同時に、ボトル1の口部1aの外周にはノズル3,3が設置され、それらのノズル3から熱風が口部1aに吹き付けられて口部1aがさらに加熱される。また、予備加熱処理と並行して殺菌剤のミストをボトル1内に導入する処理も行われる。ミストの導入は、予備加熱のために供給される熱風にミストを混ぜることによって実現される。
ロワ(又はポンプ)11から送られる空気をフィルタ12で濾過した後にヒータ13で加熱し、その加熱された空気をノズル2からボトル1の内面に供給してボトル1を予備加熱する熱風供給装置14として構成されている。予備加熱の温度は、ボトル1の内面が40°C以上となるように行うことが望ましい。予備加熱におけるボトル1の内面温度は55°C〜60°Cの範囲がさらに望ましい。ヒータ13からノズル2に向かう熱風には、ミスト供給部15から送られる、過酸化水素を主成分とする殺菌剤のミストが混ぜられる。このため、ノズル2から供給される熱風には殺菌剤ミストが含まれることとなり、ボトル1が予備加熱されると同時にその内面が殺菌剤ミストによって殺菌される。なお、ボトル1の周囲には、これを取り囲むように別のノズル16が配置され、そのノズル16にはミスト供給部15から殺菌剤ミストが送られる。これにより、ボトル1の外面も同時に殺菌される。
ル1の内部に漂っているミストが熱風によりボトル1外へ排出される。この時点では、ボトル1の内面に付着した殺菌剤ミストにより既に殺菌が十分に行われているので、ボトル1の内部空間に漂っているミストを排出しても殺菌効果は損なわれず、むしろ余分なミストを早期に排出することにより、ボトル1の内面への過酸化水素の過剰な吸着や浸透を抑えることができる。
第4図は、本発明の第2の実施形態に係る殺菌方法の手順を示す図である。この実施形態もPETボトルを殺菌対象の容器としている。
加熱では、ボトル1の口部1aから内部へノズル2が挿入され、そのノズル2から熱風が送り込まれてボトル1が予備加熱されるとともに、その予備加熱処理と並行して殺菌剤のミストをボトル1内に導入する処理が行われる。ミストの導入は、第2図に示した装置により、予備加熱用の熱風にミストを混ぜることによって実現される。
まれる限りは種々の形態にて実施することができる。例えば、第6図の無菌充填システムにおいて、ミスト導入装置54と洗浄装置57とを隣接して配置し、エアーリンス装置56を省略してもよい。分解剤の供給はその必要があるときに行えばよく、本発明において分解剤の供給は必須の要件ではない。殺菌剤には過酸化水素に限定されることなく各種の殺菌剤を使用してもよい。殺菌対象の容器はボトルに限定されず、カップ、キャップ、パウチ等の各種の食品容器を本発明によって殺菌してよい。食品容器以外にも殺菌の必要がある限りは本発明を利用してよい。
第1の実施形態の手順に従って500mlのPETボトルを殺菌した。具体的な殺菌手順は次の通りである。
(1)ノズル口での温度が105〜125°Cの熱風を、内径10mmのノズルから風量0.5m3/minでボトル内へ導入した。この時、毎分80〜400gの割合で35%
過酸化水素を気化させて殺菌剤ミストを生成し、これを熱風に混合してボトル内に導入した。
(2)その後、熱風の供給を停止し、その0.5〜3.5秒後に、ボトル内部に予備加熱と同様の条件(但し、ミストは混入されていない)で熱風を1秒間吹き込んだ。
(3)熱風の供給を停止し、その1秒後に500U/mlのカタラーゼ水溶液を1mlボトル内部にスプレーした。
(4)5秒後にボトルを反転し、内径6mmのノズルから70°Cに加熱された無菌水を8.5l(リットル)/minで3秒間ボトル内に噴射してボトル内を洗浄した。
第2の実施形態に基づき、容量500ml(ミリリットル)のPETボトルを対象として細部の条件を変えながら殺菌試験を実施して殺菌効果を確認した。なお、殺菌効果の評価方法は次の通りである。
処理を行い、処理後の各ボトル内にトリプトソイブイヨン培地を無菌的に分注し、各ボトルにおける菌の培養状況から殺菌性の有無を評価した。MPN(Most Probab
le Number)法を用いた統計的手法により各ボトルにおける生残菌数を推定し、
殺菌処理前の付着菌数と生残菌数との対数値を次式により求めて殺菌効果を評価した。
殺菌効果=Log(付着菌数/生残菌数)
まず、過酸化水素ガスの濃度が殺菌効果に与える影響を評価するために次の殺菌試験を実施した。
過酸化水素のミストを供給する際の熱風の流量が殺菌効果に与える影響を評価するために、表2−1のように熱風の流量を変化させて殺菌処理を行った。また、熱風による予備加熱と、殺菌剤ミストの供給とを別々に行う従来の殺菌方法を比較例として実施した結果を表2−2に示す。なお、表2−1における過酸化水素ミストの吹き込み時間は3.3秒である。
過酸化水素と混合する熱風の温度が殺菌効果に与える影響を評価するために、表3−1のように熱風の温度を変えて殺菌処理を行った。熱風の流量は0.28m3/分に設定し
、過酸化水素の濃度は4.1mg/Lとした。また、比較例として、熱風による予備加熱と殺菌剤ミストの供給とを別々に行う従来の殺菌方法において熱風温度を変化させて殺菌を実施した結果を表3−2に示す。
2…ノズル
14…熱風供給装置
40…ダクト
33…ミスト発生装置
Claims (4)
- 複数本のノズルを各々容器に一定区間内で挿入した状態で容器とともに円形の循環経路に沿って所定方向に一定の移動速度で移動させ、かつ、ダクトにて導かれる熱風と、ミスト発生装置から供給される気化された過酸化水素とをマニホールドにて合流させて前記各ノズルに分配し、前記各ノズルから前記気化された過酸化水素を含んだ殺菌用熱風を容器内に吹き込むようにし、
前記過酸化水素は、ミスト発生装置の気化管内にその一端から過酸化水素水溶液を圧縮空気によりスプレーして気化管内で気化させたうえで、気化管の他端の吐出口から前記マニホールドに吐出させ、
前記熱風は、毎分0.1m3〜0.8m3の範囲の流量で前記ダクトに導かれ、前記マニホールドに供給されるようにしたことを特徴とする容器の殺菌方法。 - 請求項1に記載の容器の殺菌方法において、前記ミスト発生装置を前記マニホールドに直結することを特徴とする容器の殺菌方法。
- 複数本のノズルを各々容器に一定区間内で挿入した状態で容器とともに円形の循環経路に沿って所定方向に一定の移動速度で移動させる手段と、ダクトにて導かれる熱風と、ミスト発生装置から供給される気化された過酸化水素とを合流させるマニホールドとを具備し、前記気化された過酸化水素を含んだ殺菌用熱風を、前記マニホールドから前記各ノズルに分配し、各ノズルから容器内に吹き込むようにし、前記ミスト発生装置は、一端から過酸化水素水溶液が圧縮空気によりスプレーされたものを加熱して気化させたうえで他端の吐出口から前記マニホ−ルドに吐出させる気化管を備え、
前記熱風は、毎分0.1m3〜0.8m3の範囲の流量で前記ダクトに導かれ、前記マニホールドに供給されることを特徴とする容器の殺菌装置。 - 請求項3に記載の容器の殺菌装置において、前記ミスト発生装置が前記マニホールドに直結されたことを特徴とする容器の殺菌装置。
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