JP4752435B2 - Pet製ボトルの殺菌方法及び殺菌装置 - Google Patents

Pet製ボトルの殺菌方法及び殺菌装置 Download PDF

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本発明は、PET製ボトルを殺菌する方法及び装置に関する。
従来、ボトル等の容器を殺菌する殺菌剤としては、過酸化水素、過酢酸等各種のものが知られているが、実際の殺菌処理では各種殺菌剤のうち一種類が選択され用いられている(例えば、特許文献1参照。)。また、複数種類の殺菌剤を用いるにしても一種類の殺菌剤を主成分としてこれに他の種類の殺菌剤を補助的に混合した混合剤が用いられている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−39414号公報 特開2003−175917号公報
従来の殺菌方法は、過酸化水素、過酢酸等の殺菌剤のうち一種類の殺菌剤を用いるか、或いは異種類の殺菌剤を混合した殺菌剤を用いており、各殺菌方法の殺菌レベルは、それぞれの殺菌剤に対し、また混合剤の場合は主成分の殺菌剤に対し、耐性の高い指標菌をもって、そのレベルを決定している。このため、単一の殺菌剤又はある殺菌剤を主成分とする混合剤で指標菌を充分に殺菌するためには、事実上、殺菌剤の過剰な濃度、温度、接触時間での使用が余儀なくされる。ところが、このような過剰な濃度、接触時間で殺菌剤を使用すると殺菌剤がボトル等の容器に残留するという問題が新たに生じる。また、過剰な温度で殺菌剤を使用すると、殺菌剤が分解してしまうおそれがあり、また、殺菌装置の耐熱性を高めなければならないといった問題も生じる。
従って、本発明は上記課題を解決することができる殺菌方法及び装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、ノズルから過酸化水素のミストを吹き出してPET製ボトルに1sec〜5secの間接触させた後、ボトルに無菌エアを吹き掛けて余剰の過酸化水素を除去し、倒立状態のボトルに口部からノズルを挿入し過酢酸の水溶液をボトル内に吐出してこの水溶液をボトルに1sec〜10secの間接触させた後、水溶液をボトル外に除去し、無菌水をノズルによりボトルに吹き掛けて過酢酸を除去することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のPET製ボトルの殺菌方法において、100℃〜300℃に加熱した過酸化水素のミストをPET製ボトルに接触させることを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のPET製ボトルの殺菌方法において、30℃〜80℃に加熱した過酢酸の水溶液をPET製ボトルに接触させることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載のPET製ボトルの殺菌方法において、殺菌剤除去工程で分解剤により過酸化水素又は過酢酸を分解することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、過酸化水素のミスト(a)をボトル(1)内に吹き込みボトル(1)内を殺菌する過酸化水素供給ノズル(2)と、無菌エア(d)をボトル(1)内に吹き込み過酸化水素のミスト(a)をボトル(1)外に排出する無菌エア供給ノズル(3)と、過酢酸水溶液(e)を倒立状態のボトル(1)内に吹き込みボトル(1)内を殺菌する過酢酸供給ノズル(4)と、無菌水(f)をボトル(1)内に噴射しボトル(1)内を洗浄する無菌水供給ノズル(5)とが、ボトル(1)の搬送路上に順次配置された殺菌装置の構成を採用する。
本発明によれば、殺菌対象物に複数種類の殺菌剤を順次接触させる複数段の殺菌工程と、殺菌対象物から殺菌剤を除去する殺菌剤除去工程とを包含してなることから、殺菌剤の温度、濃度、接触時間等を低減することができると同時に、殺菌効果を相乗的に高めることができる。また、殺菌剤の濃度、接触時間等を低減することができることから、殺菌対象物における殺菌剤の残留を解消することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
この殺菌方法による殺菌対象物は、具体的には図3に示すようなPET(ポリエチレンテレフタレート)製のボトル1である。
この殺菌方法は、殺菌対象物であるボトル1に複数種類の殺菌剤を順次接触させる複数段の殺菌工程と、ボトル1から殺菌剤を除去する殺菌剤除去工程とを包含してなるもので、具体的には図1に示す手順で行われる。
図1に示すように、第一段の殺菌工程として、殺菌剤である過酸化水素をボトル1に接触させる(ステップS1)。
過酸化水素は望ましくはミストとしてボトル1の内外の表面に吹き付けられる。ボトル1の内表面には、図3に示すように、ノズル2をボトル1の口部1aに近づけ又は口部1aからボトル1内に挿入し、ノズル2からミストを吹き出すことにより供給することができる。ボトル1の外表面には、同様なノズルをボトル1の外表面に対向配置することにより殺菌剤のミストを接触させることができる。
殺菌効果を高めるため、このミストは100℃〜300℃程度に加熱される。100℃よりも低い温度であると殺菌効果が比較的低く、300℃よりも高い温度であると過酸化水素が分解するおそれがある。
また、ボトル1に接触させる過酸化水素の量は、ノズル1からの吐出量として表すと、上記温度下において0.5g/min〜3g/min程度、接触時間1sec〜5sec程度とされる。従来の過酸化水素のみによる殺菌方法では、3g/min〜8g/min程度、接触時間3sec〜5sec程度必要としたが、この実施の形態によれば従来よりも使用量が格段に低減する。従って、ボトル1の表面に残留する過酸化水素もそれだけ低減する。
上記量の過酸化水素をボトル1に供給した後、第一段の殺菌剤除去工程として、過酸化水素のミストをボトル1の表面から除去する(ステップS2)。この除去処理は例えば無菌エアを図6に示すように上記殺菌工程で用いたノズル2と同様なノズル3を用いてボトル1の内外面に吹き掛けることにより行うことができる。この無菌エアは望ましくは50℃〜150℃程度に加熱される。余剰の過酸化水素水は所定量供給した後速やかに除去するのが望ましい。これにより、ボトル1への過酸化水素の過剰な浸透、残留が防止される。
この殺菌剤除去工程では、分解剤を使用して殺菌剤である過酸化水素を分解することも可能である。分解剤としてはカタラーゼを有効成分として含むものを使用することができる。分解剤はボトル1にスプレイにより供給することができる。
余剰の過酸化水素を除去した後、第二段の殺菌工程として、上記殺菌剤とは異種類の殺菌剤である過酢酸をボトル1に接触させる(ステップS3)。
過酢酸は単独で用いることも可能であるが、通常の場合過酢酸を主成分としてこれに過酸化水素水等を混ぜ合わせた混合剤として使用される。この混合剤は水溶液としてボトル1の表面に供給される。ボトル1内へ過酢酸を供給するには、例えば図7に示すようにノズル4を正立又は倒立状態のボトル1に口部1aから挿入したうえでノズル4から過酢酸の水溶液を吐出することにより行うことができる。
殺菌効果を高めるため、この水溶液は30℃〜80℃程度に加熱される。30℃よりも低い温度であると殺菌効果が比較的低く、80℃よりも高い温度であると過酢酸が分解するおそれがある。
また、ボトル1に接触させる過酢酸の濃度は、上記温度下において500ppm〜2000ppm程度、接触時間1sec〜10sec程度である。従来の過酢酸のみによる殺菌方法では、2000ppm〜3000ppm程度、接触時間10sec〜20sec程度必要としたが、この実施の形態によれば従来よりも濃度が低くても良く、また、接触時間が短くてもよく、過酢酸の使用量が格段に低減する。従って、ボトルの表面に残留する過酢酸もそれだけ低減する。この過酢酸により、上記少量の過酸化水素による第一の殺菌工程で残存する可能性のあるBacillus属等の残存菌が殺菌される。
上記量の過酢酸をボトルに供給した後、第二段の殺菌剤除去工程として、過酢酸をボトル1の表面から除去する(ステップS4)。この除去処理は、例えば図8に示すようにノズル5により無菌水をボトル1の内外面に吹き掛けることにより行うことができる。この無菌水は望ましくは50℃〜80℃程度に加熱される。余剰の過酢酸は第二段の殺菌工程において所定量供給した後速やかに除去するのが望ましい。これにより、ボトル1に過酢酸が過剰に残留するのを防止することができる。
この殺菌剤除去工程では、第一段の殺菌剤除去工程で使用する分解剤と同様な分解剤を使用して混合剤に含まれる過酸化水素を分解することも可能である。
なお、第一段の殺菌剤除去工程を省略し、第一段と第二段の殺菌工程を連続して行った後に、第二段の殺菌剤除去工程の洗浄により、第一段の殺菌工程で使用した過酸化水素と第二段の殺菌工程で使用した過酢酸とを同時に除去するようにしてもよい。
かくて上記ステップS1からステップS4までの工程を経ることにより、ボトル1の表面が過酸化水素と過酢酸との相乗作用によって殺菌される。そして、過酸化水素と過酢酸はそれぞれ従来よりも少ない量が供給されるので、ボトル1への残留量は検出不能な程度まで低減する。
次に、上記殺菌方法を実施するための殺菌装置の一例について説明する。
図2に示すように、殺菌装置の略全体が無菌チャンバー6内に収納され、搬入コンベア7により多数のボトル1が一列で無菌チャンバー6内にその入口から送り込まれるようになっている。無菌チャンバー6内には、多数のホイール8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24が順に接するように配置され、上記搬入コンベア7の終端が始端のホイール8に接続される。各ホイール8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24の外周にはボトル1を一つずつ保持する図示しないハンド状のホルダが一定ピッチで配置される。すべてのホイール8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24はホルダを伴って同期的に連続回転し、上流側のホイール8のホルダから下流側のホイール24のホルダへと順にボトル1を受け渡して行く。終端のホイール24には搬出コンベア25の始端が接続され、この搬出コンベア25により殺菌処理等各種処理が完了したボトル1が無菌チャンバー6の出口から無菌チャンバー6外に搬出される。このように、無菌チャンバー6の外から無菌チャンバー6内に入り、無菌チャンバー6内を巡って無菌チャンバー6外に出る連続した一条のボトル1の搬送路が形成される。多数のボトル1がこの搬送路を一列になって略一定速度で走行する。もちろん、ボトル1の搬送路はホイール式のみならずチェーンコンベア等他の形式のコンベアによっても形成可能である。
図2において、所定のホイール11,13,15,17,21,23に第一段の殺菌工程、第一段の殺菌剤除去工程、第二段の殺菌工程、第二段の殺菌剤除去工程、内容物充填工程、キャッピング工程がそれぞれ割り振られる。
図2に示すホイール11には第一段の殺菌工程が割り当てられ、その外周には、図3に示すように第一段の殺菌工程を行うための過酸化水素供給ノズル2が図示しないホルダごとに配備される。ボトル1はその口部1aを上に向けた正立状態でホルダにより例えばフランジ部1bを把持される。複数本の過酸化水素供給ノズル2がホイール11の回転と同期的に回転しつつ、ホルダに保持されたボトル1の口部1aからボトル1の内部に向って過酸化水素のミストaを噴出する。
過酸化水素のミストaは、図4に示すミスト供給装置からノズル2に向けて送られる。このミスト供給装置は、ブロア26と、HEPAフィルタ27と、ヒータ28と、ミスト発生器29とを導管30上に順に配置してなるものである。ブロア26で取り込まれた大気中の空気は、HEPAフィルタ27で除菌され、ヒータ28で加熱された後、ミスト発生器29へと流れる。ミスト発生器29で作られた過酸化水素のミストaはこの導管30内を流れる無菌エアに乗ってノズル2へと送られ、上述したごとくノズル2からボトル1の内部に向って噴出する。
ミスト発生器29は、図5に示すような構造であり、殺菌剤である過酸化水素の水溶液bを滴状にして供給する殺菌剤供給部31と、この殺菌剤供給部31から供給された過酸化水素の噴霧をその沸点以上に加熱して気化させる気化部32とを備える。殺菌剤供給部31は、殺菌剤供給路31a及び圧縮空気供給路31bからそれぞれ過酸化水素の水溶液bと圧縮空気cを導入して過酸化水素の水溶液aを気化部32内に噴霧するようになっている。気化部32は内外壁間にヒータ32aを挟み込んだパイプであり、パイプ内に吹き込まれた過酸化水素の噴霧を加熱し気化させる。気化した過酸化水素のミストaは、図4に示すように、導管30内に流入し、マニホルド33からノズル2を経てボトル1内に導かれる。この過酸化水素のミストaがノズル2からボトル1の内部に導入され、ボトル1の内面に接触して殺菌する。ボトル1を容量500mlとしてボトル1内に流入する過酸化水素のミストaは温度が大体80℃〜150℃であり、流量は大体0.8g/minであり、接触時間は4secである。
なお、ボトル1の外周にも同様なノズルを配置し、ボトル1の外表面に過酸化水素のミストを接触させるようにしてもよい。
図2に示す下流側のホイール13には第一段の殺菌剤除去工程が割り当てられ、その外周には、図6に示すように第一段の殺菌剤除去工程を行うための無菌エア供給ノズル3が図示しないホルダごとに配備される。ボトル1はその口部1aを上に向けた正立状態でホルダによりフランジ部1bを把持される。これらの無菌エア供給ノズル3がホイール13の回転と同期的に回転しつつホルダに保持されたボトル1の口部1aからボトル1の内部に向って無菌エアdを噴出する。この無菌エアdの吹き込みによってボトル1の内部から過酸化水素のミストaがボトル1外に排出される。
無菌エアdは、図6に示す無菌エア供給装置からノズル3に向けて送られる。この無菌エア供給装置は、ブロア34と、HEPAフィルタ35と、ヒータ36とを導管37に順に配置してなるものである。ブロア34で取り込まれた大気中の空気は、HEPAフィルタ35で除菌され、ヒータ36で加熱され、無菌エアdとなって導管37内をマニホルド38へと送られ、上述した無菌エアノズル3からボトル1の内部1aに向って噴出する。この無菌エアdはボトル1内の空気と置換される。無菌エアdがボトル1内に流入する際、その温度は大体80℃〜150℃であり、流量は大体150l/min〜300l/minである。
図2に示すさらに下流側のホイール15には第二段の殺菌工程が割り当てられ、その外周には、図7に示すように第二段の殺菌工程を行うための過酢酸供給ノズル4が図示しないホルダごとに配備される。ボトル1はその口部1aを下に向けた倒立状態でホルダによりフランジ部1bを把持される。このホルダは回転機構を有し、ボトル1を上流側から図3に示す正立状態で受け取った後倒立状態に変更可能である。この回転機構は公知であるから詳細な説明は省略する。過酢酸供給ノズル4は一流体ノズルで構成されるが、二流体ノズルとすることもできる。
過酢酸は通常の場合過酸化水素等を添加した混合剤である水溶液として供給される。この水溶液は図示しないタンク内に貯留され、このタンクから過酢酸供給ノズル4へと送られる。過酢酸はタンクとノズル4との間に設置されたヒータにより加熱されるようになっている。
図7に示すように、過酢酸供給ノズル4から吐出された過酢酸の水溶液eは、ホルダに倒立状態で保持されたボトル1の口部1aからボトル1の内部に向って上方向に流入し、ボトル1の内表面に接触して殺菌する。ボトル1は倒立状態にあるので、過酢酸の水溶液eはボトル1の内表面に接触した後、口部1aから自重で自然に流出する。ボトル1内に送る過酢酸の水溶液eは、温度が大体40℃〜70℃であり、過酢酸の濃度が大体1000ppm〜3000ppmであり、接触時間は大体1sec〜6secである。
なお、ボトル1の外周にも過酢酸供給ノズル4を配置し、ボトル1の外周面に過酢酸の水溶液を接触させるようにしてもよい。
図2に示すさらに下流側のホイール17には第二段の殺菌剤除去工程が割り当てられ、その外周には、図8に示すように第二段の殺菌剤除去工程を行うための無菌水供給ノズル5が図示しないホルダごとに配備される。ボトル1はその口部1aを下に向けた倒立状態でホルダによりフランジ部1bを把持される。これらの無菌水供給ノズル5がホイール17の回転と同期的に回転しつつ、ホルダに保持されたボトル1の口部1aからボトル1の内部に向って無菌水fを噴き上げる。この無菌水fの噴き込みによってボトル1の内部が洗浄され、混合剤の水溶液eに含まれる過酢酸、過酸化水素等の殺菌剤がボトル1外に排出される。この無菌水fは例えばヒータ等の加熱手段によって加熱されることにより無菌化され、加熱された状態でボトル1内に供給される。ボトル1内に供給する無菌水fは、温度が大体40℃〜80℃、流量が大体5l/min〜10l/minである。
図2に示すさらに下流側のホイール21には内容物充填工程が割り当てられ、図示しない内容物充填ノズルがホイール21の周りに図示しないホルダと共に配備される。このホルダも回転機構を備え、上記無菌水fで洗浄する段階で倒立状態となったボトル1を正立状態に戻すようになっている。複数本の内容物充填ノズルがホイール21の回転と同期的に回転しつつ、ホルダに正立状態で保持されたボトル1の口部1aからボトル1内に内容物を吐出し充填する。
図2に示すさらに下流側のホイール23にはキャッピング工程が割り当てられ、図示しないキャッピングヘッドがホイール23の周りに図示しないホルダと共に配備される。このホルダは上記内容物が充填されたボトル1を正立状態で保持する。複数本のキャッピングヘッドがホイール23の回転と同期的に回転しつつ、ホルダに正立状態で保持されたボトル1の口部1aに図示しないキャップを螺着し、ボトル1を密封する。
次に、上記殺菌装置の作用について説明する。
図2に示す無菌チャンバー6内は公知の手段によって無菌化処理され、内部に向って無菌エアが常時噴き出している。
この無菌チャンバー6内に、搬入コンベア7により多数の正立状態のボトル1が一列になって送り込まれる。また、無菌チャンバー6内では、多数のホイール8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24が同じ周速度で回転し、各ホイール8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24の回りをホルダが同じ周速度で連れ回りする。
始端側のホイール8では多数のホルダが同期回転しており、このホルダによって搬入コンベア7から送られるボトル1が一個ずつ把持され、順次下流側のホイール9,10のホルダに受け渡され、第一段の殺菌工程に対応するホイール11のホルダに受け取られる。
ボトル1はホルダに口部1aのフランジ部1bを把持されてホイール11の周りを走行する。その走行中、ホルダに対し併走する過酸化水素供給ノズル2がボトル1内に向って過酸化水素のミストaを噴出する。このミスト化された過酸化水素によって、ボトル1の内表面が殺菌される。
過酸化水素で殺菌されたボトル1は、第一段の殺菌剤除去工程に対応するホイール13のホルダに受け渡され、そのホイール13の周りを走行する。その走行中、ホルダに対し併走する無菌エア供給ノズル3がボトル1の内部に向って無菌エアdを噴出する。この無菌エアdの吹き込みによって、ボトル1の内部から過酸化水素のミストaがボトル1外に排出される。
過酸化水素を除去されたボトル1は、第二段の殺菌工程に対応するホイール15のホルダに受け渡され、そのホイール15の周りを走行する。このホルダは正立状態で受け取ったボトル1を直ちに反転させて倒立状態にする。このホルダの走行中、併走する過酢酸供給ノズル4が過酢酸の水溶液eをボトル1の下向きの口部1aからボトル1の内部に向って吐出する。これにより、ボトル1の内表面が過酢酸に接触し殺菌される。ボトル1は倒立状態にあるので、過酢酸の水溶液eはボトル1の内表面に接触した後、口部1aから自重で流出する。
過酢酸で殺菌されたボトル1は、第二段の殺菌剤除去工程に対応するホイール17のホルダに受け渡され、そのホイール17の周りを走行する。このホルダは上流側から倒立状態で受け取ったボトル1を倒立状態のまま保持しつつ走行する。このホルダに併走する無菌水供給ノズル5が、ホルダに保持されたボトル1の口部1aからボトル1の内部に向って無菌水fを噴き上げる。これにより、ボトル1の内部が洗浄され、過酢酸水溶液に含まれる過酢酸、過酸化水素等の殺菌剤がボトル1外に排出される。
過酢酸を除去されたボトル1は、内容物充填工程に対応するホイール21のホルダに受け渡され、そのホイール21の周りを走行する。このホルダは上流側から倒立状態で受け取ったボトル1を正立状態に戻して走行する。このホルダに併走する図示しない内容物充填ノズルがボトル1の口部1aからボトル1内に内容物を充填する。
内容物を充填されたボトル1は、キャッピング工程に対応するホイール23のホルダに受け渡され、そのホイール23の周りを走行する。このホルダは内容物が充填されたボトル1を正立状態で保持しつつ走行する。このホルダに併走するキャッピングヘッドが、ボトル1の口部1aに図示しないキャップを螺着する。
キャップが装着されたボトル1は、下流側のホイール24のホルダを経て、搬出コンベア25により無菌チャンバー6外に搬出される。
ボトルを殺菌対象として、以下の条件で殺菌処理を行った。
(1)殺菌対象の容器は、500mlのPET製ボトルとした。指標菌は、Bacillus subtilisとした。
(2)実施の形態の手順に従い、過酸化水素のミストをボトル内に吹き込み、無菌エアをボトル内に吹き込み、過酢酸の水溶液をボトル内に噴射し、最後に無菌水をボトル内に噴射してボトル内を洗浄した。
ここで、使用する過酸化水素は、濃度を35重量%、気化温度を300℃とし、供給量を0g/min、0.5g/min、1.0g/minの三通りとした。接触時間はいずれの場合も3secである。
過酸化水素を除去するための無菌エアの温度は120℃に設定した。
また、使用する過酢酸の水溶液は、温度を70℃とし、過酢酸の濃度を0ppm、750ppm、1500ppmの三通りに分け、上記過酸化水素の各供給量に対応して用いた。接触時間はいずれの場合も4secである。
過酢酸を除去するための無菌水の温度は70℃に設定した。
(3)上記二種類の殺菌剤を組み合わせて順次使用することにより、表1に示すように相乗的な殺菌効果が認められた。この表1において殺菌効果を示す数値は対数減少値(LRV(Logarithmic reduction value))である。
Figure 0004752435
この表1から、2種の薬剤を本工程において使用することにより、相乗的に殺菌効果が向上することが確認された。
(4)また、本殺菌工程において、過酸化水素及び過酢酸のいずれか一方を全く使わないで殺菌処理を行った結果を表2、表3に示す。
Figure 0004752435
Figure 0004752435
表2、表3の結果より、単一の薬剤では過剰量の薬剤を供給しなければ、複数種の薬剤を使った殺菌方法と同等の殺菌効果は得られないことが確認された。
なお、本発明は上記実施の形態に限られるものではない。例えば、上記実施の形態では殺菌対象物をPETボトルとしたが、本発明によれば、PET以外の材料でできたボトル、ボトル以外の形態の容器等も殺菌可能である。また、上記実施の形態では、殺菌剤として過酸化水素と過酢酸とを用いたが、過酸化水素、過酢酸、塩素化合物(次亜塩素酸ソーダ)、オゾン、アルコール、ヨウ素、陽イオン界面活性剤を所望の組み合わせで用いるか、又はいずれかを主成分として含有する混合剤を用いることも可能である。また、上記実施の形態では、殺菌工程と殺菌剤除去工程をそれぞれ二段ずつ設けたが、殺菌剤の種類をさらに増加することにより二段よりも多い殺菌工程等を設けることも可能である。また、上記実施の形態では、過酸化水素、過酢酸の順で殺菌剤を使用したが、殺菌剤の使用順序を入れ換えることも可能である。
本発明に係る殺菌方法の工程を示すフローチャートである。 本発明に係る殺菌装置の概略を示す平面図である。 過酸化水素による殺菌工程の説明図である。 ミスト供給装置の説明図である。 ミスト発生器の部分切欠断面図である。 無菌エア供給装置の説明図である。 過酢酸による殺菌工程の説明図である。 無菌水供給装置の説明図である。
符号の説明
1…ボトル
2…過酸化水素供給ノズル
3…無菌エア供給ノズル
4…過酢酸供給ノズル
5…無菌水供給ノズル
a…過酸化水素のミスト
d…無菌エア
e…過酢酸水溶液
f…無菌水

Claims (5)

  1. ノズルから過酸化水素のミストを吹き出してPET製ボトルに1sec〜5secの間接触させた後、ボトルに無菌エアを吹き掛けて余剰の過酸化水素を除去し、倒立状態のボトルに口部からノズルを挿入し過酢酸の水溶液をボトル内に吐出してこの水溶液をボトルに1sec〜10secの間接触させた後、水溶液をボトル外に除去し、無菌水をノズルによりボトルに吹き掛けて過酢酸を除去することを特徴とするPET製ボトルの殺菌方法。
  2. 請求項1に記載のPET製ボトルの殺菌方法において、100℃〜300℃に加熱した過酸化水素のミストをボトルに接触させることを特徴とするPET製ボトルの殺菌方法。
  3. 請求項1に記載のPET製ボトルの殺菌方法において、30℃〜80℃に加熱した過酢酸の水溶液をボトルに接触させることを特徴とするPET製ボトルの殺菌方法。
  4. 請求項1に記載のPET製ボトルの殺菌方法において、殺菌剤除去工程で分解剤により過酸化水素又は過酢酸を分解することを特徴とするPET製ボトルの殺菌方法。
  5. 過酸化水素のミストをPET製ボトル内に吹き込みボトル内を殺菌する過酸化水素供給ノズルと、無菌エアをボトル内に吹き込み過酸化水素のミストをボトル外に排出する無菌エア供給ノズルと、過酢酸水溶液を倒立状態のボトル内に吹き込みボトル内を殺菌する過酢酸供給ノズルと、無菌水をボトル内に噴射しボトル内を洗浄する無菌水供給ノズルとが、ボトルの搬送路上に順次配置されたことを特徴とするPET製ボトルの殺菌装置。
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