JP2003175917A - 物品の殺菌方法 - Google Patents

物品の殺菌方法

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JP2003175917A JP2002260249A JP2002260249A JP2003175917A JP 2003175917 A JP2003175917 A JP 2003175917A JP 2002260249 A JP2002260249 A JP 2002260249A JP 2002260249 A JP2002260249 A JP 2002260249A JP 2003175917 A JP2003175917 A JP 2003175917A
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睦 早川
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雅敏 高木
Akira Koyama
彰 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品容器等を短時間で確実に殺菌でき、殺菌
剤の残留成分も十分に除去できる殺菌方法を提供する。 【解決手段】 殺菌対象の容器1の内部に過酸化水素を
含んだ殺菌剤ミストを供給してその内面を殺菌剤とを接
触させた後、殺菌剤に対する分解剤としてのカタラーゼ
水溶液を容器1の内部に導入する。その後、無菌水にて
容器1の内部を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無菌充填機に適応
する食品容器、特にボトル形状、さらにはPETボトル
の内面殺菌に使用して好適な殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料用ボトルの無菌充填システムにおけ
る殺菌方法として、例えば過酢酸水溶液を殺菌対象の物
品に噴霧する方法(特許文献1参照)、過酸化水素のミ
ストをボトル内に導入して殺菌する方法(特許文献2参
照)、過酸化水素が配合された過酢酸系殺菌剤をボトル
内面に噴射する方法(特許文献3参照)等が知られてい
る。これらの殺菌方法では、殺菌剤をボトルと接触させ
た後、殺菌剤の残留を抑えるために無菌水による洗浄が
行われる。
【0003】
【特許文献1】特許第2851373号公報
【特許文献2】特開2001−39414号公報
【特許文献3】特許第3080347号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、過酸化水素
を殺菌に使用する場合、プラスチック容器の表層に過酸
化水素が吸着・浸透することがある。このような残留
は、無菌水による洗浄だけでは容易に除去することがで
きなかった。
【0005】そこで、本発明は、食品容器等を短時間で
確実に殺菌でき、殺菌剤の残留成分も十分に除去できる
殺菌方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の殺菌方法は、殺
菌対象の物品と殺菌剤とを接触させた後、前記殺菌剤に
対する分解剤を物品と接触させ、その後に無菌水にて前
記物品を洗浄する殺菌方法により、上述した課題を解決
する。
【0007】この発明の殺菌方法によれば、分解剤を利
用して物品に付着している殺菌剤を分解させることがで
きる。従って、殺菌剤を使用した後の処理を無菌水によ
る洗浄のみに依存している従来の殺菌方法と比較して、
殺菌剤を物品の表面から容易かつ効率よく除去すること
ができる。分解剤は無菌水によって物品の表面から除去
することができる。分解剤を使用する効果として、従来
は残留量が大きくなることから実施不可能であった効果
の高い殺菌方法、例えば高濃度の殺菌剤を使用した殺菌
方法や物品を加熱しながら殺菌する方法を使用した場合
でも、残留成分の問題を解決することができ、従来より
も短時間で確実に殺菌を行うことができる。
【0008】本発明の殺菌方法においては、殺菌剤を気
化した後に凝結させて生成した殺菌剤ミストを物品と接
触させるとよい。殺菌剤ミストにおいては、殺菌剤が高
濃度かつ微細な粒状で存在するために、殺菌剤の使用量
を抑えつつ高い殺菌効果を得ることができる。また、殺
菌剤ミストによれば、殺菌剤の絶対的な使用量が減るの
で、物品の表面に残留する殺菌成分の絶対量もそれだけ
少なくなる。従って、分解剤の消費量も顕著に削減さ
れ、残留成分の分解に要する時間も短縮される。これに
より、殺菌処理をさらに効率よく行うことができる。
【0009】なお、物品を加熱しつつ殺菌剤ミストと接
触させてもよい。物品を加熱した状態で殺菌剤ミストと
接触させた場合には、加熱を行わない場合と比較して高
い殺菌効果が得られる反面、殺菌剤の物品への浸透も促
進されて殺菌剤の残留量が増える傾向がある。特にPE
Tボトル等のプラスチック容器においてはその傾向が高
い。しかし、本発明では殺菌後に分解剤を利用している
ので、殺菌剤の残留量が増えてもそれを確実に除去する
ことができる。
【0010】本発明の殺菌方法において、殺菌対象には
種々の物品を選択することができる。例えば食品等を収
容する容器やそのキャップ、あるいはフィルム等の包装
材を本発明により殺菌することができる。特に本発明の
殺菌方法は短時間で行うことができるので、殺菌処理さ
れた物品を多数連続して使用する工程(例えば無菌充填
工程)とインラインで接続された殺菌工程に好適に使用
することができる。また、殺菌剤や分解剤の残留が抑え
られるので、食品容器やそれに使用されるキャップ等の
付属品の殺菌に好適である。
【0011】本発明の殺菌方法を用いて容器を殺菌する
場合には、殺菌剤、分解剤及び無菌水をそれぞれ容器の
内部に導入することにより、容器の内面殺菌を短時間で
効率よく行うことができる。分解剤は例えば容器の内部
に噴霧してもよい。この場合には分解剤を容器の内面に
短時間で均一に接触させることができる。分解剤の使用
量を節減することもできる。
【0012】本発明において、殺菌剤が過酸化水素成分
を含んでいる場合、カタラーゼを有効成分として含んで
いる分解剤を使用することができる。この場合、カタラ
ーゼが有している触媒作用を利用して過酸化水素を効率
よく分解することができる。過酸化水素成分を含んだ殺
菌剤としては、例えば過酸化水素溶液、過酸化水素を配
合した過酢酸製剤等がある。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1(a)
は、本発明の第1の実施形態に係る殺菌方法の手順を示
すフローチャートであり、図2はその殺菌方法を図解し
た説明図である。この実施形態はPET(ポリエチレン
テレフタレート)ボトルの内面殺菌を行う方法を示して
いる。この殺菌方法では、まず、予備加熱処理(ステッ
プS1)が行われる。予備加熱では図2に示すようにボ
トル1の口部1aから内部へノズル2が挿入され、その
ノズル2から熱風が送り込まれてボトル1が予備加熱さ
れる。同時に、ボトル1の口部1aの外周にはノズル
3,3が設置され、それらのノズル3から熱風が口部1
aに吹き付けられて口部1aがさらに加熱される。予備
加熱は、ボトル1の内面が40°C以上となるように行
うことが望ましく、好ましくは55°C〜60°Cの範
囲がさらに望ましい。
【0014】予備加熱後はミスト供給処理が行われる
(ステップS2)。ミスト供給処理では、殺菌剤のミス
トがノズル4からボトル1の内部へと供給される。殺菌
剤のミストは例えば図3に示すミスト発生装置33によ
り生成される。この発生装置33は、殺菌剤としての過
酸化水素(H)の水溶液を滴状にして供給する殺
菌剤供給部35と、この殺菌剤供給部35から供給され
た過酸化水素の水溶液をその沸点以上に加熱して気化さ
せる気化部36とを備える。殺菌剤供給部35にはスプ
レー35aが設けられる。スプレー35aには殺菌剤供
給口35b及び圧縮空気供給口35cが設けられ、それ
ら供給口35b、35cは図示しない過酸化水素供給源
又は噴霧用圧縮空気供給源にそれぞれ接続されている。
【0015】供給口35b、35cから供給される過酸
化水素の水溶液と圧縮空気とが二流体スプレー35aの
内部で混ざり合うことにより、そのスプレー35aとエ
クステンションパイプ35eを介して接続されたノズル
35dから気化部36の気化管37内に過酸化水素の水
溶液がスプレーされる。気化管37は例えばアスベスト
リボンからなる外筒37aと、気化管37の内壁を形成
するサニタリパイプからなる内筒37bと、外筒37a
及び内筒37bとの間に設けられた加熱手段としてのヒ
ーター37cとを有している。気化管37の下端の吐出
口37dに上述したノズル4が接続される。
【0016】気化管37の内部に供給された滴状の過酸
化水素はヒーター37cの熱で気化される。気化された
過酸化水素は、ノズル4を経てボトル1の近傍に導かれ
るまでの間の温度降下により液化して凝結する。これに
より、二流体スプレー35aにて生成される過酸化水素
の滴よりも微細な過酸化水素のミストが生成される。こ
のミスト化された過酸化水素がボトル1の内部に導入さ
れることにより、ボトル1の内面が過酸化水素と接触し
て殺菌される。
【0017】なお、容量500mlのボトル1本に対す
る過酸化水素ミストの付着量は、35重量%過酸化水素
溶液に換算して20μl以上あればよく、20μl〜1
00μlの範囲が好ましい。すなわち、過酸化水素を3
5重量%含んだ過酸化水素溶液を20μl〜100μl
の範囲でボトル内に供給したときと同等の過酸化水素が
ボトル1内に付着するようにミストの量を設定すること
が好ましい。また、容量2000mlのボトルの場合
は、同様に50μl以上あればよく、50μl〜200
μlの範囲が好ましい。ミストの吹き込み時間はボトル
1本に対して0.1秒〜1秒の範囲が好ましい。生成さ
れるミスト中に含まれる過酸化水素の濃度は35重量%
以上が望ましい。殺菌剤は過酸化水素に限らず、殺菌作
用を有する各種の薬液を使用できる。
【0018】ミストの供給後はエアーリンス処理が行わ
れる(ステップS3)。エアーリンス処理では、ボトル
1の内部にノズル5が挿入された状態、又は挿入されな
い状態で、そのノズル5から熱風が送り込まれる。熱風
によりボトル1は内面から加熱され、殺菌剤ミストによ
る殺菌効果が高まるとともに、過酸化水素のボトル1へ
の浸透が抑制されて過酸化水素がボトル1の内面に浮か
び易くなる。さらに、ボトル1の内部に漂っているミス
トが熱風によりボトル1外へ排出される。この時点で
は、ボトル1の内面に付着した殺菌剤ミストにより既に
殺菌が十分に行われているので、ボトル1の内部空間に
漂っているミストを排出しても殺菌効果は損なわれず、
むしろ余分なミストを早期に排出することにより、ボト
ル1の内面への過酸化水素の過剰な浸透を抑えることが
できる。
【0019】殺菌剤ミストの導入後、熱風の吹き込みを
開始するまでの保持時間は0.1〜10秒の範囲が好ま
しい。熱風の吹き込みは、ボトル1の内部に漂っている
ミストをすべて排出できる範囲で行えばよく、時間にし
て1秒〜5秒程度で十分である。熱風の温度がボトル1
の耐熱温度(例えば60°C)以上の場合、熱風の吹き
込み時間があまり長いとボトル1が耐熱温度を超えて加
熱され、変形等が生じることがあるので注意を要する。
熱風に代え、常温の空気を吹き込んでミストを排出して
もよい。
【0020】エアーリンス処理後には続いて分解剤供給
処理が行われる(ステップS4)。分解剤供給処理で
は、カタラーゼを主成分とする分解剤の水溶液がスプレ
ーノズル6から噴霧化されてボトル1の内部に供給され
る。カタラーゼ水溶液の濃度及び供給量は、過酸化水素
の残留量、目標リンス時間等により適宜選定してよい
が、エアーリンス後に予想される過酸化水素の残留成分
を確実に分解できるように供給量を設定する。上記のミ
スト供給量に対しては、500U/ml以上のカタラー
ゼ水溶液を1ml供給すれば十分である。ノズル6の先
端部をボトル1の内部に挿入して分解剤をスプレーして
もよい。分解剤の噴霧方法は、ボトル1の内面に迅速か
つ均一に水溶液を付着させる観点から、一流体スプレ
ー、二流体スプレー、又は同等の散布能力を有する手段
で行うことが望ましい。
【0021】なお、ボトルの滅菌後にボトル内に分解剤
を加えているため、分解剤それ自体は当然に無菌化され
ている必要がある。また、分解剤噴霧用のスプレー配管
等の分解剤が通過する部分も予め殺菌しておく必要があ
る。酵素液(蛋白質)を分解剤として使用した場合には
熱殺菌ができないので、フィルター濾過により微生物を
除菌する。また、噴霧スプレーや配管は蒸気滅菌(加熱
殺菌)や殺菌剤による殺菌を行えばよい。
【0022】分解剤の供給後は所定時間(例えば1秒〜
5秒程度)ボトル1が保持され、その後に洗浄処理が行
われる(ステップS5)。洗浄処理ではボトル1が上下
に反転され、ボトル1の内部にノズル7が挿入され、そ
のノズル7から加熱された無菌水が洗浄液として送り込
まれる。これにより、分解剤やボトル1の内部に残留し
ている極微量の過酸化水素が洗い流される。無菌水は常
温でもよいが、加熱した方が洗浄効率が向上して好まし
い。洗浄液の温度は40°C〜80°Cの範囲が望まし
い。分解剤により過酸化水素が分解されているので、無
菌水による洗浄は短時間で完了できる。例えば500m
lのボトルであれば3秒間程度で完了できる。
【0023】なお、分解剤の供給は無菌水による洗浄前
であればよく、上記の実施形態ではエアーリンス処理の
前に分解剤供給処理を行ってもよい。
【0024】(第2の実施形態)図1(b)は、本発明
の他の実施形態の殺菌方法の手順を示すフローチャート
である。この実施形態では、上述した過酸化水素ミスト
を利用した殺菌処理に代え、ボトルの内面に過酢酸製剤
によるリンス処理(ステップS11)を適用してボトル
内面が殺菌される。殺菌後は分解剤供給処理(ステップ
S12)及び無菌水による洗浄(ステップS13)が行
われる。過酢酸製剤は、殺菌成分としての過酢酸を含ん
だ溶液に過酸化水素及び酢酸を所定の比率で混合したも
のであり、殺菌後に、ボトル内面に過酸化水素が残留す
る可能性がある点は過酸化水素溶液を殺菌剤として使用
した場合と共通する。過酢酸製剤は、好適にはボトル内
部にスプレーされる。過酢酸製剤を殺菌に利用した場合
の分解剤供給処理及び洗浄処理は図1(a)の場合と同
様でよい。
【0025】(第3の実施形態)図1(c)は、本発明
のさらに他の実施形態の殺菌方法の手順を示すフローチ
ャートである。この実施形態は、上述した図1(a)の
実施形態に対して、予備加熱及びミスト供給処理(ステ
ップS21)を同時に行う点が相違する。ミスト供給後
には、図1(a)と同様の方法でエアーリンス処理(ス
テップS22)、分解剤供給処理(ステップS23)、
及び洗浄処理(ステップS24)が行われる。
【0026】図4は予備加熱及びミスト供給処理に使用
される装置の概略を示す。この装置は、ブロワ(又はポ
ンプ)11から送られる空気をフィルタ12で濾過した
後にヒータ13で加熱し、その加熱された空気をノズル
14からボトル1の内面に供給してボトル1を予備加熱
する。予備加熱の温度は図1(a)の予備加熱処理(ス
テップS1)と同様でよい。ヒータ13からノズル14
に向かう温風にはミスト供給部15から送られる過酸化
水素を主成分とする殺菌剤のミストが混ぜられる。この
ため、ノズル14から供給される温風には殺菌剤ミスト
が含まれることとなり、ボトル1が予備加熱されると同
時にその内面が殺菌剤ミストによって殺菌される。な
お、ボトル1の周囲には、これを取り囲むように別のノ
ズル16が配置されており、そのノズル16にはミスト
供給部15から殺菌剤ミストが送られる。これにより、
ボトル1の外面も同時に殺菌される。
【0027】このように、本実施形態では予備加熱と同
時にミストによる殺菌が行われるので、殺菌処理をさら
に効率化することができる。加熱と同時に殺菌剤ミスト
を供給することは、従来、ボトル内面への過酸化水素の
浸透、吸着を促進するために実施が困難であったが、本
実施形態では分解剤を使用した分解処理が行われるの
で、予備加熱と殺菌剤ミストの供給とを同時に行っても
過酸化水素の残留を十分に抑えることができる。なお、
本実施形態ではボトル内部に供給された殺菌剤ミストが
予備加熱用の熱風とともに逐次排出される。従って、エ
アーリンス処理を省略してもよい。予備加熱の条件は図
1(a)と同様でよい。
【0028】
【実施例】(実施例1)第1の実施の形態の手順に従っ
て500mlのPETボトルを殺菌した。具体的な殺菌
手順は次の通りである。 (1)ノズル口での温度が105〜125°Cの熱風
を、内径10mmのノズルから風量0.5m/min
でボトル内へ導入した。ノズルのボトル内への挿入量は
30mmとした。熱風の導入時間は3秒間である。同時
に、ボトル口部の外側に配置された内径50mmのノズ
ルから85°Cの熱風を0.1m/minの風量でボ
トル口部に吹き付けた。 (2)予備加熱終了後、ボトル内面の温度は50°Cに
達していた。熱風の供給を停止し、その1秒後に過酸化
水素ミストをボトル内に0.6秒間吹き込んだ。ボトル
内への供給量は、35%過酸化水素換算で30〜100
μlとした。 (3)ミストの供給を停止し、その0.5〜3.5秒後
に、ボトル内部に予備加熱と同様に熱風を1秒間吹き込
んだ。 (4)熱風の供給を停止し、その1秒後に500U/m
lのカタラーゼ水溶液を1mlボトル内部にスプレーし
た。 (5)5秒後にボトルを反転し、内径6mmのノズルか
ら70°Cに加熱された無菌水を8.5l(リットル)
/minで3秒間ボトル内に噴射してボトル内を洗浄し
た。
【0029】なお、カタラーゼ水溶液としては、三菱ガ
ス化学製の「アスク50」の1%水溶液(500U/m
l)を使用した。ボトルへの供給方法は、上記水溶液を
メンブランフィルターで濾過した後、その濾過後の水溶
液を予め滅菌したスプレーノズルに導いてボトル内に噴
霧した。
【0030】また、比較例として、カタラーゼ水溶液の
噴霧を省略した以外は上記と同様の手順でPETボトル
を殺菌処理した。
【0031】実施例及び比較例のそれぞれにおいて、ボ
トル1本当たり3×10、又は10の枯草菌芽胞を
付着させたボトルを10本ずつ殺菌処理した。殺菌処理
後、ボトル内にSCDブイヨン培地を無菌的に分注して
菌を培養した。そして、下式により殺菌効果を評価し
た。
【0032】
【数1】殺菌効果=Log[ボトル1本当たりの付着菌数
/(ln(総試験本数/陰性本数))]
【0033】テスト結果を表1に示す。
【表1】
【0034】(実施例2)第2の実施の形態の手順に従
って500mlのPETボトルを殺菌した。具体的な殺
菌手順は次の通りである。 (1)過酢酸製剤(オキソニアアクティブ90)を1.
5%(過酢酸濃度1500ppm)の濃度に調整し、こ
れを68°Cに加熱してボトル内部に流量5l(リット
ル)/minで12秒間噴射した。 (2)その後、カタラーゼ水溶液として、三菱ガス化学
製の「アスク50」の1%水溶液(500U/ml)を
使用した。ボトルへの供給方法は、上記水溶液をメンブ
ランフィルターで濾過した後、その濾過後の水溶液を予
め滅菌したスプレーノズルに導いてボトル内に噴霧し
た。 (3)その後、ボトルを反転し、内径6mmのノズルか
ら70°Cに加熱された無菌水を5l(リットル)/m
inで3秒間ボトル内に噴射してボトル内を洗浄した。
【0035】また、比較例として、カタラーゼ水溶液の
噴霧を省略した以外は上記と同様の手順でPETボトル
を殺菌処理した。
【0036】殺菌効果の評価は実施例1の場合と同様に
して行った。テスト結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】このように、本発明の殺菌方法によれば、
十分な殺菌効果が得られると同時に、残留過酸化水素の
濃度が検出限界以下となることが確認された。
【0039】(実施例3)第3の実施の形態の手順に従
って500mlのPETボトルを殺菌した。具体的な殺
菌手順は次の通りである。 (1)ノズル口での温度が105〜125°Cの熱風
を、内径10mmのノズルから風量0.5m/min
でボトル内へ導入した。この時、毎分80〜400gの
割合で35%過酸化水素を気化させて殺菌剤ミストを生
成し、これを熱風に混合してボトル内に導入した。 (2)その後、実施例1と同様にしてエアーリンス処
理、分解剤供給処理及び洗浄処理を行った。
【0040】実施例3の結果、過酸化水素の残留濃度は
検出限界以下であった。
【0041】以上の実施例からみて、本発明の殺菌方法
によれば、十分な殺菌効果が得られると同時に、残留過
酸化水素の濃度が検出限界以下となることが確認され
た。
【0042】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、殺菌剤を物品と接触させた後、その物品を無菌水に
て洗浄する前に分解剤と物品とを接触させて物品の表面
に残る殺菌剤を分解させるようにしたので、短時間で確
実に殺菌を行うことができ、かつ殺菌剤の残留成分も十
分に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における殺菌方法の手順を
示すフローチャート。
【図2】図1(a)の殺菌手順を図解した説明図。
【図3】殺菌剤ミストを発生させる装置の概要を示す
図。
【図4】予備加熱と殺菌剤ミストの供給とを同時に行う
ための装置を示す図。
【符号の説明】
1 PETボトル 2 予備加熱用のノズル 4 ミスト供給用のノズル 5 エアーリンス用のノズル 6 分解剤供給用のスプレーノズル 7 無菌水供給用のノズル 11 ポンプ 12 フィルタ 13 ヒータ 14 予備加熱及びミスト供給用のノズル 15 ミスト供給部 16 外面殺菌用のノズル 33 ミスト発生装置 35 殺菌剤供給部 35a 二流体スプレー 36 気化部 37c ヒーター 37d 吐出口
フロントページの続き (72)発明者 高木 雅敏 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 小山 彰 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4C058 AA25 BB07 CC06 JJ07 JJ24 JJ29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺菌対象の物品と殺菌剤とを接触させた
    後、前記殺菌剤に対する分解剤を物品と接触させ、その
    後に無菌水にて前記物品を洗浄することを特徴とする物
    品の殺菌方法。
  2. 【請求項2】 前記殺菌剤を気化した後に凝結させて生
    成した殺菌剤ミストを前記物品と接触させることを特徴
    とする請求項1に記載の殺菌方法。
  3. 【請求項3】 前記物品を加熱しつつ前記殺菌剤ミスト
    と接触させることを特徴とする請求項2に記載の殺菌方
    法。
  4. 【請求項4】 前記物品が容器であり、前記殺菌剤、前
    記分解剤及び前記無菌水がそれぞれ前記容器の内部に導
    入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の殺菌方法。
  5. 【請求項5】 前記分解剤を前記容器の内部に噴霧する
    ことを特徴とする請求項4に記載の殺菌方法。
  6. 【請求項6】 前記殺菌剤が過酸化水素成分を含んでお
    り、前記分解剤がカタラーゼを有効成分として含んでい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の殺
    菌方法。
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