JPH0523454Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、無菌充填機等の容器包材への滅菌剤
噴霧装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の滅菌剤の噴霧装置は、容器包材の内面に
のみ滅菌剤を噴霧させていた。このために容器包
材の口附近（外面を含む）は積極的に滅菌できな
かつた。更に、噴霧装置の滅菌剤噴霧（充填）ノ
ズル先端部のノズル温度が低下した時には気化滅
菌剤の凝縮が生じ、時々凝縮した滅菌剤が容器包
材の中にボタ落ちして、除去が難しい欠点があつ
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

以上のように、従来の滅菌剤の噴霧装置は、 (1) 容器包材の口附近の内外表面の滅菌が不十分
なことが多い。

(2) 噴霧ノズル先端のノズル温度が低下すると、
気化滅菌剤の凝縮が生じ、時々これが容器包材
内にボタ落ちし、滅菌剤が熱風等で容易に除去
できない。

等の欠点を有していた。

本考案は以上のような欠点を解消した滅菌剤の
噴霧装置を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の滅菌剤噴霧装置は、気化滅菌剤を噴霧
する噴霧ノズル、同噴霧ノズル先端部に設けられ
た加熱手段、及び上記噴霧ノズルから滅菌剤が噴
霧される方向に向つて開放された噴霧ノズルを囲
む凹部を形成する外筒を備えるようにした。

〔作用〕

本考案の作用は次の通りである。

(1) 噴霧ノズル先端部に加熱手段を設けることに
よつて、噴霧ノズルの温度の低下を防ぎ気化滅
菌剤の凝縮が防止される。また、噴霧ノズル等
に滅菌剤の凝縮が起つても、これを加熱手段に
よつて気化させ容器包材内に落下することが避
けられる。

(2) 噴霧ノズルの周囲に外筒によつて滅菌剤の噴
霧側が開放された凹部が形成されていて、滅菌
剤の噴霧時に噴霧ノズルは容器包材内に挿入さ
れ、同時に容器包材の口部は同凹部内に位置す
る。この状態で噴霧ノズルから気化滅菌剤を噴
霧すると、滅菌剤が容器包材の内面に付着する
と共に、その１部は凹部内に流入して容器包材
の口部の外面にも付着する。このようにして、
容器包材内面及び口部外面の滅菌が行なわれ
る。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図によつて説明する。
２は図示しない滅菌剤のスプレー気化装置より供
給される滅菌剤の微細液滴と気化されたものとが
混在する滅菌剤１を導く導管である。３は同導管
２が開口するマニホールドで、滅菌剤が分配され
る複数の噴霧ノズル４が設けられている。

噴霧ノズル４の先端には噴霧口４″が開口して
おり、また外気にさらされる可能性がある先端部
４′の外周には加熱手段としての電気ヒータ５が
巻きつけられている。

６は噴霧ノズル４から分岐した外筒で、同外筒
６は噴霧ノズルの先端部４′との間に噴霧口４″か
らの噴霧方向（第１図では下方）に向つて開放さ
れ容器包材７の口部を収納する環状の凹部を形成
している。同外筒６の下端は水平に外方に延び
て、噴霧ノズル４、マニホールド３、導管２、図
示しない滅菌剤スプレー気化装置等を収容する外
壁９の下端に接続されている。同外壁９は加熱室
を形成し、同外壁には加熱蒸気等の加熱媒体の供
給口８及び同媒体の出口９が設けられている。

外壁９内における加熱媒体による加熱は、導管
２、マニホールド３及び噴霧ノズル４で滅菌剤が
凝縮するのを防止するため、及び噴霧ノズル４等
に附着した滅菌剤の液滴を気化させるためのもの
であつて、通常130℃〜140℃程度以上にすること
が望ましい。

また、電気ヒーター５は、滅菌剤に35〔wt％〕
過酸化水素水を使用の場合には約140〔℃〕位に温
度設定するのが効果的である。

以上のように構成された本実施例において、滅
菌する対象がびんである場合には、第１図に示す
ようにびん７のキヤツピングネジ部７′内に噴霧
ノズル４の先端を挿入し、またキヤツピングネジ
部７′全体を凹部１１内に収容するようにびん７
を位置させる。滅菌する対象が缶の場合は、噴霧
ノズル４の先端を缶内に挿入し巻締め前の缶のフ
ランジ部全体が凹部１１内に収容されるように缶
を位置させる。

以下便宜上びんの場合について説明する。上記
状態にびん７を保持して、噴霧ノズル４より気化
滅菌剤を噴霧すると、滅菌剤は、びん７内に充満
して内面に付着する。

更に噴霧を続けると、外筒６とびん７のキヤツ
ピングネジ部外側とで形成される凹部１１内の流
路を滅菌剤が流れ、びん７の口部であるキヤツピ
ングネジ部７′の外表面にも滅菌剤を行き渡らせ
て付着させることができる。

また、外壁９内で加熱された気化滅菌剤は、電
気ヒータ５で加熱された噴霧ノズル４を通つて凝
縮が防がれた状態で噴霧される。また、噴霧ノズ
ル等において凝縮が発生しても、同電気ヒータ５
によつてこれを気化し、液滴がびん７内に落下す
ることが避けられる。特にこの電気ヒータ５は、
滅菌剤を間欠点噴霧する場合等に発生する凝縮し
た滅菌剤の気化に効果がある。

なお、以上はびんを対象とする場合について説
明したが、缶の場合においても巻締め前の缶のフ
ランジ部を凹部に収容して缶内に向つて噴霧ノズ
ル４から滅菌剤を噴霧することによつて、缶内及
びフランジ部外面に滅菌剤を付着させることがで
きる。

〔考案の効果〕

本考案は次の効果を奏することができる。

(1) 滅菌剤を間欠的に噴霧する場合等において、
気化滅菌剤の凝縮を防ぐことができ、また凝縮
ないしはそれによる付着液滴が生じても、これ
を気化させることができ、噴霧ノズル先端より
容器包材内へ滅菌剤の落下を防止することがで
きる。

(2) 容器包材内面は勿論、口部外表面迄十分滅菌
剤を行き渡らせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図である。 ２……導管、３……マニホールド、４……噴霧
ノズル、５……電気ヒータ、６……外筒、７……
びん、１１……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化滅菌剤を噴霧する噴霧ノズル、同噴霧ノズ
   ル先端部に設けられた加熱手段及び上記噴霧ノズ
   ルから滅菌剤の噴霧される方向に向つて開放され
   た噴霧ノズルを囲む凹部を形成する外筒を備えた
   ことを特徴とする滅菌剤噴霧装置。