JP3328337B2 - 包装容器の殺菌方法 - Google Patents
包装容器の殺菌方法Info
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- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は包装容器の殺菌方法に関
し、例えばＰＥＴボトル等の包装容器の内面を殺菌処理
することのできる包装容器の殺菌方法に関する。
し、例えばＰＥＴボトル等の包装容器の内面を殺菌処理
することのできる包装容器の殺菌方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】例えば果汁飲料、コーヒー等の清涼飲料
水の容器にはいわゆるＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレ
ート）ボトル等の成形容器が広く用いられているが、こ
の成形容器を用いて無菌充填製品を製造する際には充填
に先立ち、内容物を収容する容器内面は勿論のこと、充
填時における内容物への汚染防止あるいは無菌充填シス
テムの無菌性維持の点から容器外面の殺菌処理も必要と
なる。
水の容器にはいわゆるＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレ
ート）ボトル等の成形容器が広く用いられているが、こ
の成形容器を用いて無菌充填製品を製造する際には充填
に先立ち、内容物を収容する容器内面は勿論のこと、充
填時における内容物への汚染防止あるいは無菌充填シス
テムの無菌性維持の点から容器外面の殺菌処理も必要と
なる。
【０００３】このような成形容器内外面の殺菌方法とし
ては、常温または加温した過酸化水素水溶液等の殺菌液
を容器にスプレーした後、ホットエアーを吹きつけて乾
燥するいわゆるスプレー法や成形容器を殺菌液に一定時
間接触させた後に無菌水で洗浄するいわゆる浸漬法が用
いられている。
ては、常温または加温した過酸化水素水溶液等の殺菌液
を容器にスプレーした後、ホットエアーを吹きつけて乾
燥するいわゆるスプレー法や成形容器を殺菌液に一定時
間接触させた後に無菌水で洗浄するいわゆる浸漬法が用
いられている。
【０００４】しかしながら、上記のいずれの方法におい
ても、ＰＥＴボトルのような大型成形容器の内外面を共
に充填速度の速い充填システム内で殺菌しようとすれ
ば、充填システムが大規模化し、設備コストが高くなる
とともにその設備維持も複雑になるという欠点があっ
た。
ても、ＰＥＴボトルのような大型成形容器の内外面を共
に充填速度の速い充填システム内で殺菌しようとすれ
ば、充填システムが大規模化し、設備コストが高くなる
とともにその設備維持も複雑になるという欠点があっ
た。
【０００５】そこで、本出願人はＰＥＴボトル等の大型
成形容器の無菌充填をより簡便に行なうべく、容器の口
部を封止する蓋材あるいはシール材等の容器口封止部材
内面に予め殺菌液を付着させるとともに、速やかに容器
口部に前記容器口封止部材を装着して密封することによ
り容器内面が殺菌された包装容器を製造し、さらに充填
システム内で前記内面殺菌済包装容器の外面のみを殺菌
した後に容器口封止部材を外して内容物を充填するよう
にした手段を提案した（特開平2-152632号公報参照）。
成形容器の無菌充填をより簡便に行なうべく、容器の口
部を封止する蓋材あるいはシール材等の容器口封止部材
内面に予め殺菌液を付着させるとともに、速やかに容器
口部に前記容器口封止部材を装着して密封することによ
り容器内面が殺菌された包装容器を製造し、さらに充填
システム内で前記内面殺菌済包装容器の外面のみを殺菌
した後に容器口封止部材を外して内容物を充填するよう
にした手段を提案した（特開平2-152632号公報参照）。
【０００６】さらに本出願人は、前記のスプレー法に比
べて殺菌剤をより均一に包装材料表面に付着させること
が可能な包装容器の殺菌方法として、殺菌液を加熱して
気化させ、得られた殺菌液ガスが凝縮することにより生
じる微細な殺菌液ミストを利用する方法を提案している
（特開平3-224469号公報参照）。
べて殺菌剤をより均一に包装材料表面に付着させること
が可能な包装容器の殺菌方法として、殺菌液を加熱して
気化させ、得られた殺菌液ガスが凝縮することにより生
じる微細な殺菌液ミストを利用する方法を提案している
（特開平3-224469号公報参照）。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
無菌充填手段においては、封止部材に殺菌液を付着させ
るため、殺菌される包装容器がたとえばＰＥＴボトルな
どのような容器口径の小さいものであると、面積の小さ
い封止部材に対して高速で連続的に封止部材内面へ殺菌
液を付着させ、あるいは殺菌液を付着させた後、さらに
封止部材の取扱いを行なった場合に機構が複雑になると
ともに付着量の安定性が損なわれるおそれがあった。
無菌充填手段においては、封止部材に殺菌液を付着させ
るため、殺菌される包装容器がたとえばＰＥＴボトルな
どのような容器口径の小さいものであると、面積の小さ
い封止部材に対して高速で連続的に封止部材内面へ殺菌
液を付着させ、あるいは殺菌液を付着させた後、さらに
封止部材の取扱いを行なった場合に機構が複雑になると
ともに付着量の安定性が損なわれるおそれがあった。
【０００８】本発明はかかる事情に基づいてなされたも
のであり、本発明の目的は無菌充填製品に用いられる例
えばＰＥＴボトル等の容器口径の小さい包装容器につい
ても殺菌処理を簡便かつ効率良く行なうことができる包
装容器の殺菌方法を提供することにある。
のであり、本発明の目的は無菌充填製品に用いられる例
えばＰＥＴボトル等の容器口径の小さい包装容器につい
ても殺菌処理を簡便かつ効率良く行なうことができる包
装容器の殺菌方法を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの本発明の構成は、封止部材によって容器口部が密封
された包装容器の内部に予め殺菌剤を存在させることに
より容器内面の殺菌を行なう包装容器の殺菌方法におい
て、殺菌剤を噴出させるノズルの開口部を容器口部外縁
の外側上方の位置に配設させることにより、ノズルの開
口部から滴下する殺菌剤の液滴が包装容器の内部に落下
しないようにし、容器口部に殺菌剤を噴霧して付着させ
た後、封止部材で該容器口部を封止することを特徴とす
る包装容器の殺菌方法であり、前記殺菌剤が過酸化水素
（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液を気化させてから凝縮して得られる
過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストである包装容器の殺菌方
法である。
めの本発明の構成は、封止部材によって容器口部が密封
された包装容器の内部に予め殺菌剤を存在させることに
より容器内面の殺菌を行なう包装容器の殺菌方法におい
て、殺菌剤を噴出させるノズルの開口部を容器口部外縁
の外側上方の位置に配設させることにより、ノズルの開
口部から滴下する殺菌剤の液滴が包装容器の内部に落下
しないようにし、容器口部に殺菌剤を噴霧して付着させ
た後、封止部材で該容器口部を封止することを特徴とす
る包装容器の殺菌方法であり、前記殺菌剤が過酸化水素
（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液を気化させてから凝縮して得られる
過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストである包装容器の殺菌方
法である。
【００１０】
【作用】本発明の包装容器の殺菌方法においては、先
ず、搬送されている包装容器の口部に対して殺菌剤を噴
霧する。噴霧された殺菌剤は、一部が容器口部を通じて
容器内面に付着するとともに、残りの一部は後に装着さ
れる蓋材あるいはシール材等の封止部材により隠蔽され
る容器口部天面に付着する。その際、包装容器の搬送ス
ピードが遅い場合には殺菌剤の噴霧を包装容器が通過す
るタイミングに合わせて間歇的に行ない、また包装容器
の搬送スピードが速い場合には殺菌剤が連続的に噴霧さ
れている状態で包装容器を通過させればよく、これによ
り、簡便な機構で安定的な殺菌剤の付着が達成される。
ず、搬送されている包装容器の口部に対して殺菌剤を噴
霧する。噴霧された殺菌剤は、一部が容器口部を通じて
容器内面に付着するとともに、残りの一部は後に装着さ
れる蓋材あるいはシール材等の封止部材により隠蔽され
る容器口部天面に付着する。その際、包装容器の搬送ス
ピードが遅い場合には殺菌剤の噴霧を包装容器が通過す
るタイミングに合わせて間歇的に行ない、また包装容器
の搬送スピードが速い場合には殺菌剤が連続的に噴霧さ
れている状態で包装容器を通過させればよく、これによ
り、簡便な機構で安定的な殺菌剤の付着が達成される。
【００１１】さらに殺菌剤として、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ
2 ）水溶液を気化させてから凝縮して得られる過酸化水
素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストを用いることにより、殺菌剤の付
着状態を一層均一にすることが可能になり、より安定的
な殺菌剤の付着が達成される。
2 ）水溶液を気化させてから凝縮して得られる過酸化水
素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストを用いることにより、殺菌剤の付
着状態を一層均一にすることが可能になり、より安定的
な殺菌剤の付着が達成される。
【００１２】上記の工程終了後、ただちに該包装容器の
容器口部に蓋材あるいはシール材等の封止部材を装着す
ると、包装容器に付着した殺菌剤が蒸散して封止部材内
面も含め包装容器内面が殺菌されるとともに、封止部材
により隠蔽された容器口部の天面も殺菌される。
容器口部に蓋材あるいはシール材等の封止部材を装着す
ると、包装容器に付着した殺菌剤が蒸散して封止部材内
面も含め包装容器内面が殺菌されるとともに、封止部材
により隠蔽された容器口部の天面も殺菌される。
【００１３】したがって、この包装容器の殺菌方法によ
れば、包装容器内面の殺菌処理を簡便かつ効率良く行な
うことができる。
れば、包装容器内面の殺菌処理を簡便かつ効率良く行な
うことができる。
【００１４】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図１は本発明の包装容器の殺菌方法にお
いて、包装容器１の容器口部１ａに過酸化水素（Ｈ2 Ｏ
2 ）ミストを噴霧し、その後、ただちに封止部材２を容
器口部１ａに嵌合する状態を示す説明図である。
して説明する。図１は本発明の包装容器の殺菌方法にお
いて、包装容器１の容器口部１ａに過酸化水素（Ｈ2 Ｏ
2 ）ミストを噴霧し、その後、ただちに封止部材２を容
器口部１ａに嵌合する状態を示す説明図である。
【００１５】図１に示すように、この殺菌方法において
は、先ず、ＰＥＴボトル等の包装容器１の容器口部１ａ
に過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストを噴霧する。具体的に
は、包装容器１は図示しない例えばベルトコンベア等の
搬送手段上に載置され、ガイド１０に沿って図１の矢印
方向に搬送される。
は、先ず、ＰＥＴボトル等の包装容器１の容器口部１ａ
に過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストを噴霧する。具体的に
は、包装容器１は図示しない例えばベルトコンベア等の
搬送手段上に載置され、ガイド１０に沿って図１の矢印
方向に搬送される。
【００１６】搬送手段上には、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）
ミスト噴出ノズル２０が配設され、この過酸化水素（Ｈ
2 Ｏ2 ）ミスト噴出ノズル２０から包装容器１の容器口
部１ａに向けて過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが噴霧さ
れる。この過酸化水素（Ｈ2Ｏ2 ）ミストは、一部が包
装容器１の容器口部１ａを通って口部内面に付着すると
ともに、一部が容器口部天面１ｂに付着し、残りの一部
は容器口部１ａの外周付近に付着する。
ミスト噴出ノズル２０が配設され、この過酸化水素（Ｈ
2 Ｏ2 ）ミスト噴出ノズル２０から包装容器１の容器口
部１ａに向けて過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが噴霧さ
れる。この過酸化水素（Ｈ2Ｏ2 ）ミストは、一部が包
装容器１の容器口部１ａを通って口部内面に付着すると
ともに、一部が容器口部天面１ｂに付着し、残りの一部
は容器口部１ａの外周付近に付着する。
【００１７】ここで、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト噴
出ノズル２０は図示しない過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミス
ト噴出手段の先端に設けられているものであり、過酸化
水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト噴出手段は、過酸化水素（Ｈ2
Ｏ2 ）水溶液を供給する過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液
供給部と、この過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液供給部か
ら供給された過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液を加熱手段
により沸点以上の温度に加熱して気化させる気化部とを
備えるものである。この過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2）ミスト
噴出手段において、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液供給
部から供給された過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液は、加
熱手段を備える気化管で沸点以上の温度に加熱されて完
全に気化し、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト噴出ノズル
２０から過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ガスとして空気中に噴
出されると同時に凝縮して微細な過酸化水素（Ｈ
2 Ｏ2 ）ミストを生成する。
出ノズル２０は図示しない過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミス
ト噴出手段の先端に設けられているものであり、過酸化
水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト噴出手段は、過酸化水素（Ｈ2
Ｏ2 ）水溶液を供給する過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液
供給部と、この過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液供給部か
ら供給された過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液を加熱手段
により沸点以上の温度に加熱して気化させる気化部とを
備えるものである。この過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2）ミスト
噴出手段において、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液供給
部から供給された過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液は、加
熱手段を備える気化管で沸点以上の温度に加熱されて完
全に気化し、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト噴出ノズル
２０から過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ガスとして空気中に噴
出されると同時に凝縮して微細な過酸化水素（Ｈ
2 Ｏ2 ）ミストを生成する。
【００１８】ここで、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト噴
出ノズル２０は、図２に示すように、包装容器１の容器
口部１ａの真上を避けて側部上方から容器口部１ａに過
酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト３１を噴出できる位置に配
設することが好ましい。
出ノズル２０は、図２に示すように、包装容器１の容器
口部１ａの真上を避けて側部上方から容器口部１ａに過
酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト３１を噴出できる位置に配
設することが好ましい。
【００１９】このような位置から過酸化水素（Ｈ
2 Ｏ2 ）ミストを噴出するようにすれば、万一、過酸化
水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト噴出ノズル２０の先端からいわ
ゆるボタ落ちが生じて、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液
の液滴が発生しても、この液滴が包装容器１の内部に落
下して包装容器１の内面に付着することがない。したが
って、包装容器１内の過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）残留量の
増大による例えば食品衛生面での問題等の弊害の発生を
防止することができる。
2 Ｏ2 ）ミストを噴出するようにすれば、万一、過酸化
水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト噴出ノズル２０の先端からいわ
ゆるボタ落ちが生じて、過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水溶液
の液滴が発生しても、この液滴が包装容器１の内部に落
下して包装容器１の内面に付着することがない。したが
って、包装容器１内の過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）残留量の
増大による例えば食品衛生面での問題等の弊害の発生を
防止することができる。
【００２０】この包装容器の殺菌方法においては、前述
のようにして包装容器１の容器口部１ａに過酸化水素
（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストを付着させた後、ただちに該包装容
器１の容器口部１ａに封止部材２を嵌合して容器口部１
ａを封止する。これにより、包装容器１の内面に付着し
た過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが蒸散して発生する過
酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ガスが包装容器１の内面の殺菌を
行なうと同時に封止部材２の内面の殺菌をも行う。しか
も包装容器１は封止部材２により密封されているため２
次汚染を受けることもない。さらに容器口部１ａに過酸
化水素（Ｈ2 Ｏ2）ミストを噴霧した際に容器口部天面
１ｂに付着した過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが蒸散す
ることにより、封止部材２の嵌合にともなって封止部材
２により隠蔽される容器口部天面１ｂについても殺菌さ
れる。
のようにして包装容器１の容器口部１ａに過酸化水素
（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストを付着させた後、ただちに該包装容
器１の容器口部１ａに封止部材２を嵌合して容器口部１
ａを封止する。これにより、包装容器１の内面に付着し
た過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが蒸散して発生する過
酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ガスが包装容器１の内面の殺菌を
行なうと同時に封止部材２の内面の殺菌をも行う。しか
も包装容器１は封止部材２により密封されているため２
次汚染を受けることもない。さらに容器口部１ａに過酸
化水素（Ｈ2 Ｏ2）ミストを噴霧した際に容器口部天面
１ｂに付着した過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが蒸散す
ることにより、封止部材２の嵌合にともなって封止部材
２により隠蔽される容器口部天面１ｂについても殺菌さ
れる。
【００２１】ここで、容器口部１ａに対する封止部材２
の嵌合は、たとえば図１に示すように打栓機５３を好適
に使用して行なうことができる。また、容器口部１ａか
ら該包装容器１の内部へ過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト
を吹きつけてから該包装容器１の容器口部１ａに封止部
材２を嵌合するまでの時間は、通常、３０秒間以内、好
ましくは１０秒間以内である。この時間が３０秒間を超
えると、包装容器１の内面あるいは容器口部天面１ｂに
付着している過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）の一部が蒸散する
ことにより、封止部材２の嵌合時の過酸化水素（Ｈ2 Ｏ
2 ）ミストの残存量が減少するため包装容器１の内面の
殺菌処理が充分に行われなくなることがある。
の嵌合は、たとえば図１に示すように打栓機５３を好適
に使用して行なうことができる。また、容器口部１ａか
ら該包装容器１の内部へ過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト
を吹きつけてから該包装容器１の容器口部１ａに封止部
材２を嵌合するまでの時間は、通常、３０秒間以内、好
ましくは１０秒間以内である。この時間が３０秒間を超
えると、包装容器１の内面あるいは容器口部天面１ｂに
付着している過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）の一部が蒸散する
ことにより、封止部材２の嵌合時の過酸化水素（Ｈ2 Ｏ
2 ）ミストの残存量が減少するため包装容器１の内面の
殺菌処理が充分に行われなくなることがある。
【００２２】なお、ここでは容器口部１ａに対する殺菌
液の噴霧方法として過酸化水素（Ｈ 2 Ｏ2 ）水溶液を気
化させてから凝縮して得られる過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）
ミストを用いているが、特にこの方法に限定されるもの
ではなく、通常の２流体スプレーを用いることも可能で
ある。
液の噴霧方法として過酸化水素（Ｈ 2 Ｏ2 ）水溶液を気
化させてから凝縮して得られる過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）
ミストを用いているが、特にこの方法に限定されるもの
ではなく、通常の２流体スプレーを用いることも可能で
ある。
【００２３】以上のように装置を構成することにより、
搬送スピードが高速になった場合においても過酸化水素
（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストの噴霧量を調整することにより実用
的な範囲でボトル内面への付着量をコントロールするこ
とが可能であり、かつ殺菌液の安定的な付着が可能とな
る。
搬送スピードが高速になった場合においても過酸化水素
（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストの噴霧量を調整することにより実用
的な範囲でボトル内面への付着量をコントロールするこ
とが可能であり、かつ殺菌液の安定的な付着が可能とな
る。
【００２４】そして、この包装容器の殺菌方法は、たと
えば図３に示すような無菌充填システムＢの前処理工程
Ａとして好適に適用可能である。具体的には、図３に示
すように、先ず、ＰＥＴボトル成形工程Ｓ１において、
ＰＥＴボトルを成形する。次に、ボトル内面殺菌工程Ｓ
２において、このＰＥＴボトルの口部に向けて過酸化水
素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストを噴霧し、その後、ただちにこの
ＰＥＴボトルの口部に内栓を嵌合して該口部を封止す
る。これらのＰＥＴボトル成形工程Ｓ１とボトル内面殺
菌工程２とからなる前処理工程Ａにより包装容器の成形
と容器内面および内栓内面の殺菌処理が行われる。
えば図３に示すような無菌充填システムＢの前処理工程
Ａとして好適に適用可能である。具体的には、図３に示
すように、先ず、ＰＥＴボトル成形工程Ｓ１において、
ＰＥＴボトルを成形する。次に、ボトル内面殺菌工程Ｓ
２において、このＰＥＴボトルの口部に向けて過酸化水
素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストを噴霧し、その後、ただちにこの
ＰＥＴボトルの口部に内栓を嵌合して該口部を封止す
る。これらのＰＥＴボトル成形工程Ｓ１とボトル内面殺
菌工程２とからなる前処理工程Ａにより包装容器の成形
と容器内面および内栓内面の殺菌処理が行われる。
【００２５】この前処理工程Ａを経た包装容器１は、次
いで、パレタイジング工程Ｓ３において、パレットに積
み付けられ、その後、無菌充填システムＢに供給され
る。無菌充填システムＢにおいては、先ず、ＰＥＴボト
ル供給工程Ｓ４で前記前処理工程Ａにおいて容器内面が
殺菌されたＰＥＴボトルが充填システムに供給される。
供給されたＰＥＴボトルは、ボトル外面殺菌工程Ｓ５に
付され、たとえばボトル外面に過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）
ミストが吹きつけられてボトル外面の殺菌処理がなされ
る。外面の殺菌処理がなされたＰＥＴボトルは、次い
で、内栓取外し工程または内栓脱栓工程Ｓ６に付され、
ここで内栓が取り外される。内栓が外されたＰＥＴボト
ルは、内容物充填工程Ｓ７に付され、ＰＥＴボトルに清
涼飲料等の内容物が充填される。次いで、必要に応じて
充填済ＰＥＴボトルのヘッドスペースが窒素（Ｎ2 ）ガ
スで置換され（窒素置換工程Ｓ８）、キャッピング工程
Ｓ９で充填済ＰＥＴボトルの口部にキャップが装着され
る。このキャップはキャップ供給工程Ｓ１０で供給さ
れ、さらにキャップ殺菌工程Ｓ１１で例えば過酸化水素
（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストにより殺菌処理がなされたものであ
る。このような無菌充填システムＢを構成する各工程の
処理は、たとえば無菌チャンバー等の無菌条件下で行わ
れる。
いで、パレタイジング工程Ｓ３において、パレットに積
み付けられ、その後、無菌充填システムＢに供給され
る。無菌充填システムＢにおいては、先ず、ＰＥＴボト
ル供給工程Ｓ４で前記前処理工程Ａにおいて容器内面が
殺菌されたＰＥＴボトルが充填システムに供給される。
供給されたＰＥＴボトルは、ボトル外面殺菌工程Ｓ５に
付され、たとえばボトル外面に過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）
ミストが吹きつけられてボトル外面の殺菌処理がなされ
る。外面の殺菌処理がなされたＰＥＴボトルは、次い
で、内栓取外し工程または内栓脱栓工程Ｓ６に付され、
ここで内栓が取り外される。内栓が外されたＰＥＴボト
ルは、内容物充填工程Ｓ７に付され、ＰＥＴボトルに清
涼飲料等の内容物が充填される。次いで、必要に応じて
充填済ＰＥＴボトルのヘッドスペースが窒素（Ｎ2 ）ガ
スで置換され（窒素置換工程Ｓ８）、キャッピング工程
Ｓ９で充填済ＰＥＴボトルの口部にキャップが装着され
る。このキャップはキャップ供給工程Ｓ１０で供給さ
れ、さらにキャップ殺菌工程Ｓ１１で例えば過酸化水素
（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストにより殺菌処理がなされたものであ
る。このような無菌充填システムＢを構成する各工程の
処理は、たとえば無菌チャンバー等の無菌条件下で行わ
れる。
【００２６】キャップが装着された充填済ＰＥＴボトル
は、通常、さらにラベリング工程Ｓ１２およびパッケー
ジング工程１３を経て無菌充填製品として出荷される。
図４にこの包装容器の殺菌方法を用いた無菌充填システ
ムＢの部分的な構成を示す。
は、通常、さらにラベリング工程Ｓ１２およびパッケー
ジング工程１３を経て無菌充填製品として出荷される。
図４にこの包装容器の殺菌方法を用いた無菌充填システ
ムＢの部分的な構成を示す。
【００２７】図４に示すように、ＰＥＴボトル等の包装
容器１は、ベルトコンベア等の搬送手段５１に載置され
て先ずボトル外面殺菌装置５２に搬送される。このボト
ル外面殺菌装置はチャンバー５２ａ内に過酸化水素（Ｈ
2 Ｏ2 ）ミスト噴出ノズルを備え、これによりボトル外
面に過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが吹きつけられた
後、ホットエアーにより乾燥されることでボトル外面の
殺菌処理が行われる。ここで、図４において、５２ｂは
先端に過酸化水素ミスト（Ｈ2 Ｏ2 ）噴出ノズルを備え
る過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト供給手段である。この
ようなボトル外面殺菌装置５２を通過した包装容器１
は、次いで、抜栓機５４に搬送され、この抜栓機５４に
より内栓の取外しまたは脱栓が行われた後、充填機５５
で内容物が充填され、その後、キャップ装着手段５６に
搬送される。キャップ装着手段５６においては、キャッ
プ供給手段５７から供給され、キャップ殺菌手段５８に
おいて過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが吹きつけられる
とともにホットエアーで乾燥されることにより、その内
外面ともに殺菌処理がなされた例えばアルミキャップが
容器口部にキャッピングされる。
容器１は、ベルトコンベア等の搬送手段５１に載置され
て先ずボトル外面殺菌装置５２に搬送される。このボト
ル外面殺菌装置はチャンバー５２ａ内に過酸化水素（Ｈ
2 Ｏ2 ）ミスト噴出ノズルを備え、これによりボトル外
面に過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが吹きつけられた
後、ホットエアーにより乾燥されることでボトル外面の
殺菌処理が行われる。ここで、図４において、５２ｂは
先端に過酸化水素ミスト（Ｈ2 Ｏ2 ）噴出ノズルを備え
る過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト供給手段である。この
ようなボトル外面殺菌装置５２を通過した包装容器１
は、次いで、抜栓機５４に搬送され、この抜栓機５４に
より内栓の取外しまたは脱栓が行われた後、充填機５５
で内容物が充填され、その後、キャップ装着手段５６に
搬送される。キャップ装着手段５６においては、キャッ
プ供給手段５７から供給され、キャップ殺菌手段５８に
おいて過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストが吹きつけられる
とともにホットエアーで乾燥されることにより、その内
外面ともに殺菌処理がなされた例えばアルミキャップが
容器口部にキャッピングされる。
【００２８】尚、図４には図示されていないが、ボトル
外面殺菌装置５２後からキャップ装着手段５６までの充
填ラインは、ボトル外面殺菌後から内容物充填を経てキ
ャッピングに至るまでの工程における微生物汚染を防止
するため無菌チャンバー等の設備を設けることにより無
菌条件下に置かれている。
外面殺菌装置５２後からキャップ装着手段５６までの充
填ラインは、ボトル外面殺菌後から内容物充填を経てキ
ャッピングに至るまでの工程における微生物汚染を防止
するため無菌チャンバー等の設備を設けることにより無
菌条件下に置かれている。
【００２９】このキャップ装着済ＰＥＴボトルは、通
常、さらに図示しないラベル装着手段に搬送されてラベ
ルが装着された後、パッケージングされて無菌充填製品
として出荷される。
常、さらに図示しないラベル装着手段に搬送されてラベ
ルが装着された後、パッケージングされて無菌充填製品
として出荷される。
【００３０】
【発明の効果】本発明によれば、容器口部に殺菌剤を噴
霧して付着させた後に、封止部材で該容器口部を封止す
る構成としたので、高速で包装容器が搬送されている場
合においても包装容器内面への殺菌剤の付着を簡便かつ
安定的に行なうことができる。したがって、本発明によ
れば、無菌充填製品に用いられる例えばＰＥＴボトル等
の殺菌処理を効率良く行なうことができる包装容器の殺
菌方法が提供される。
霧して付着させた後に、封止部材で該容器口部を封止す
る構成としたので、高速で包装容器が搬送されている場
合においても包装容器内面への殺菌剤の付着を簡便かつ
安定的に行なうことができる。したがって、本発明によ
れば、無菌充填製品に用いられる例えばＰＥＴボトル等
の殺菌処理を効率良く行なうことができる包装容器の殺
菌方法が提供される。
【図１】本発明の包装容器の殺菌方法における過酸化水
素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストの容器内部への吹きつけ工程およ
び内栓の嵌合工程を示す説明図である。
素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストの容器内部への吹きつけ工程およ
び内栓の嵌合工程を示す説明図である。
【図２】本発明の包装容器の殺菌方法における容器内部
への過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストの噴出状態を示す説
明図である。
への過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミストの噴出状態を示す説
明図である。
【図３】本発明の包装容器の殺菌方法を前処理工程とす
る無菌充填システムの一例を工程順に示す流れ図であ
る。
る無菌充填システムの一例を工程順に示す流れ図であ
る。
【図４】本発明の包装容器の殺菌方法を用いた無菌充填
システムの構成例を示す説明図である。
システムの構成例を示す説明図である。
１…包装容器 １ａ…容器口部 １ｂ…容器口部天面 ２…封止部材 ３１…過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）ミスト
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A23L 3/3445 A23L 3/00 A61L 2/18 - 2/22 B65B 55/00 - 55/10
Claims (2)
- 【請求項１】 封止部材によって容器口部が密封された
包装容器の内部に予め殺菌剤を存在させることにより容
器内面の殺菌を行なう包装容器の殺菌方法において、殺
菌剤を噴出させるノズルの開口部を容器口部外縁の外側
上方の位置に配設させることにより、ノズルの開口部か
ら滴下する殺菌剤の液滴が包装容器の内部に落下しない
ようにし、容器口部に殺菌剤を噴霧して付着させた後、
封止部材で該容器口部を封止することを特徴とする包装
容器の殺菌方法。 - 【請求項２】 前記殺菌剤が過酸化水素（Ｈ2 Ｏ2 ）水
溶液を気化させてから凝縮して得られる過酸化水素（Ｈ
2 Ｏ2 ）ミストである請求項１記載の包装容器の殺菌方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31342292A JP3328337B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 包装容器の殺菌方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31342292A JP3328337B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 包装容器の殺菌方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06153883A JPH06153883A (ja) | 1994-06-03 |
| JP3328337B2 true JP3328337B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=18041110
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31342292A Expired - Fee Related JP3328337B2 (ja) | 1992-11-24 | 1992-11-24 | 包装容器の殺菌方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3328337B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010083590A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-15 | Dainippon Printing Co Ltd | 搬送装置、無菌充填システムおよび搬送方法 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2766121B1 (fr) * | 1997-07-18 | 1999-09-17 | Sidel Sa | Procede pour la fabrication de recipients steriles, et installation pour la mise en oeuvre |
-
1992
- 1992-11-24 JP JP31342292A patent/JP3328337B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010083590A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-15 | Dainippon Printing Co Ltd | 搬送装置、無菌充填システムおよび搬送方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06153883A (ja) | 1994-06-03 |
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