JPH08244729A - 容器の無菌充填方法 - Google Patents

容器の無菌充填方法

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JPH08244729A
JPH08244729A JP7051535A JP5153595A JPH08244729A JP H08244729 A JPH08244729 A JP H08244729A JP 7051535 A JP7051535 A JP 7051535A JP 5153595 A JP5153595 A JP 5153595A JP H08244729 A JPH08244729 A JP H08244729A
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JP
Japan
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container
sterilizing
mist
sterilization
mouth
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Application number
JP7051535A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Takagi
雅敏 高木
Akira Hayashi
亮 林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 充填システムの小型化および簡略化が可能で
あり、設備コストの低減を図ることができるとともに設
備維持を容易とし、しかも殺菌処理および充填を連続的
に効率良く行なうことのできる容器の無菌充填方法を提
供する。 【構成】 容器1の製造工程で予め容器の内部に殺菌液
を封入することにより容器1の内面殺菌処理を行ない、
その後、この容器1の外面に殺菌ミストnを噴霧して容
器の外面殺菌処理を行ない、次いで、封止部材2を除去
して液体内容物を充填し、しかる後、容器1の口部1a
を殺菌済みの蓋材3で封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は容器の無菌充填方法に関
し、特にPETボトル等の飲料容器の内面殺菌および外
面殺菌ならびに液体内容物の充填を効率良く行うことの
できる容器の無菌充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば果汁飲料、コーヒー飲料、緑茶、
ウーロン茶等の飲料の容器にはいわゆるPET(ポリエ
チレンテレフタレート)ボトル等の成形容器が広く用い
られているが、この成形容器を用いて無菌充填製品を製
造する際には、充填に先立ち、容器の内面は勿論のこ
と、充填時における内容物への汚染防止あるいは無菌充
填システムの無菌性維持の点から容器外面の殺菌処理も
必要となる。
【0003】このような成形容器内外面の殺菌方法とし
ては、常温または加温した過酸化水素(H2 2 )水溶
液等の殺菌液を容器にスプレーした後、ホットエアーを
吹き付けて乾燥するいわゆるスプレー法や成形容器を殺
菌液に一定時間接触させた後に無菌水で洗浄するいわゆ
る浸漬法が用いられている。
【0004】そして、従来の無菌充填法においては、上
記のスプレー法や浸漬法を採用して容器の内面および外
面を殺菌した後、この殺菌済容器に、例えば果汁飲料、
コーヒー飲料、緑茶、ウーロン茶等の液体内容物を充填
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のいずれの殺菌方法においても、PETボトルの
ような大型成形容器の内外面を共に充填速度の速い充填
システム内で殺菌しようとすれば、充填システムが大規
模化し、設備コストが高くなるとともにその設備維持も
複雑になるという欠点があった。
【0006】そこで、本出願人はPETボトル等の大型
成形容器の無菌充填をより簡便に行なうべく、容器の口
部を封止する蓋材あるいはシール材等の封止部材内面に
予め殺菌液を付着させるとともに、速やかに容器口部に
前記の封止部材を装着して密封することにより容器内面
が殺菌された容器を製造し、さらに充填システム内で内
面殺菌済容器の外面のみを殺菌し、その後、封止部材を
外して内容物を充填する方法を提案した(特開平2−1
52632号公報参照)。
【0007】しかし、この無菌充填方法においては、封
止部材に殺菌液を付着させるため、殺菌すべき容器が例
えばPETボトルのように容器口径の小さいものである
と、面積の小さい封止部材に対して高速で連続的に封止
部材内面に殺菌液を付着させるための機構が複雑化した
り、封止部材に対する殺菌液の付着量の安定性が損なわ
れるおそれがある。
【0008】本発明はかかる事情に基づいてなされたも
のであり、本発明の目的は、充填システムの小型化およ
び簡略化が可能であり、設備コストの低減を図ることが
できるとともに設備維持を容易とし、しかも殺菌処理お
よび充填を連続的に効率良く行なうことのできる容器の
無菌充填方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明の容器の無菌充填方法は、開口を有する容器
を用意し、この容器の口部に殺菌剤を噴霧した後、該容
器の口部を封止部材で封止することにより容器内に前記
殺菌剤を封入して容器の内面殺菌処理を行ない、次い
で、この容器を密封状態のまま無菌チャンバー内に供給
し、該無菌チャンバー内で以下の一連の処理、すなわ
ち、該容器の外面全体に殺菌ミストを吹き付けて該容器
の外面殺菌処理を行なった後、該容器にホットエアーを
吹き付けて該容器の乾燥を行ない、次いで、前記封止部
材を除去して容器の口部から液体内容物を充填し、しか
る後、該容器の口部に殺菌済みの蓋材を装着して充填済
容器を密閉する処理を行なう構成とし、さらに、前記外
面殺菌処理において、容器の底部外面を殺菌するにあた
り、容器の胴部を支持して容器を宙吊り状態で搬送しつ
つ容器の底部外面に殺菌ミストを圧空エアーで吹き付け
た後、該底部外面にホットエアーを吹き付けて容器底部
の外面殺菌および乾燥を行なう構成とし、さらにまた、
前記殺菌ミストが過酸化水素(H2 2 )ミストである
構成とした。
【0010】
【作用】本発明の容器の無菌充填方法においては、先
ず、開口を有する容器を用意する。
【0011】次いで、この容器の口部に殺菌剤を噴霧す
る。噴霧された殺菌剤は、一部が容器の口部を通じて容
器の内面に付着し、残りの一部は後に装着される封止部
材により隠蔽される口部の天面に付着する。ここで、容
器の搬送スピードが遅い場合には殺菌剤の噴霧を容器が
通過するタイミングに合わせて間歇的に行ない、また容
器の搬送スピードが速い場合には殺菌剤が連続的に噴霧
されている状態で容器を通過させればよく、これにより
簡便な機構で安定的な殺菌剤の付着が達成される。この
ようにして容器の口部へ殺菌剤を噴霧したら、ただちに
該容器の口部に封止部材を装着して殺菌剤を容器内に封
入する。容器内に封入された殺菌剤は容器内でガス化
し、容器および封止部材の内面殺菌が行われる。
【0012】したがって、本発明の容器の無菌充填方法
においては、容器の製造工程で内部に殺菌剤が封入され
た密閉状態の容器を無菌充填工程に搬送する間に該容器
の内面殺菌処理が行われるため、内面殺菌のための特別
な設備を必要としない。
【0013】本発明の容器の無菌充填方法では、次い
で、この容器を密封状態のまま無菌チャンバー内に供給
し、この容器の外面全体に殺菌ミストを吹き付けて該容
器の外面殺菌処理を行なう。この殺菌ミストを用いるこ
とにより外面殺菌処理がムラなく安定的に行なわれる。
しかる後、該容器にホットエアーを吹き付けて該容器の
乾燥を行なう。これにより容器の外面に付着している殺
菌ミストは速やかに蒸発するため高速での充填処理が可
能になる。次に、封止部材を除去し、開封された容器の
口部から液体内容物を充填する。充填が終了したらこの
容器の口部に殺菌済蓋材を装着して充填済容器を密閉す
る。なお、この蓋材は別に予め殺菌された後、無菌充填
工程に供給される。また、外面殺菌、乾燥、充填および
蓋材装着の各工程はいずれも無菌チャンバー内で行われ
る。
【0014】本発明の容器の無菌充填方法において、容
器底部の外面殺菌は、特に次のようにして行なうことが
できる。すなわち、内部に殺菌剤が封入されている密閉
された容器の胴部を支持して容器を宙吊り状態で搬送す
る。これにより容器の底部は搬送路の路面から開放さ
れ、この状態で容器の底部外面に殺菌ミストを圧空エア
ーで吹き付ければ、微細な殺菌ミストは容器底部の外面
に隅無く付着する。したがって、容器底部の外面につい
ても確実な殺菌処理がなされる。殺菌ミストが隅無く付
着した容器底部の外面には、その後、ホットエアーが吹
き付けられ、容器底部の外面に付着している殺菌ミスト
は速やかに蒸発する。したがって、この方法によれば、
容器底部の外面についても、均一にかつ効率よく殺菌処
理を行なうことが可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は本実施例を工程順に模式的に示す
説明図である。
【0016】図1(a)に示すように本実施例では、先
ず、容器1として射出成形により口部が開口したPET
ボトルを成形し、この容器1について以下のようにして
内面殺菌、外面殺菌および充填の各処理を行なう。
【0017】すなわち、先ず、図1(b)に示すよう
に、容器1の口部1aに殺菌剤mを噴霧する。具体的に
は、図2に示すように、容器1は図示しない搬送手段に
より矢印方向に搬送され、搬送手段上には殺菌剤噴出ノ
ズル15が配設され、この殺菌剤噴出ノズル15から容
器1の口部1aに向けて殺菌剤mが噴霧される。この殺
菌剤mは、一部が容器1の口部1aを通って口部内面に
付着するとともに、一部が口部天面1bに付着し、残り
の一部は口部1aの外周付近に付着する。ここで、殺菌
剤としては、過酸化水素(H2 2 )水溶液が好適に使
用される。また、殺菌剤噴出ノズル15は、図2に示す
ように、容器1の口部1aの真上を避けて側部上方から
口部1aに殺菌剤mを噴出できる位置に配設することが
好ましい。
【0018】このような位置から殺菌剤mを噴出するよ
うにすれば、万一、殺菌剤噴出ノズル15の先端からい
わゆるボタ落ちが生じて、過酸化水素(H2 2 )水溶
液等の殺菌液の液滴が発生しても、この液滴が容器1の
内面に付着することがない。したがって、容器1内の殺
菌液残留量の増大による例えば食品衛生面での問題等の
弊害の発生を防止することができる。なお、図2中、1
0は搬送手段に付設されたガイドである。
【0019】本発明の方法においては、次いで、図1
(c)に示すように、前述のようにして過酸化水素(H
2 2 )水溶液等の殺菌剤を容器1の口部1aに噴霧し
た後、ただちに容器1の口部1aを封止部材2で封止す
る。これにより、容器1の内面に付着した過酸化水素
(H2 2 )水溶液等の殺菌剤が蒸散して発生する過酸
化水素(H2 2 )ガス等のガスが容器1の内面の殺菌
を行なうと同時に封止部材2の内面の殺菌をも行なう。
しかも容器1は封止部材2により密封されているため2
次汚染を受けることもない。さらに容器1の口部1aに
過酸化水素(H2 2 )水溶液等の殺菌剤を噴霧した際
に容器1の口部天面1bに付着した殺菌剤が蒸散するこ
とにより、封止部材2により隠蔽される口部天面1bに
ついても封止部材2で隠蔽される前の段階で予め殺菌さ
れる。
【0020】ここで、容器1の口部1aに対する封止部
材2の装着は、たとえば図2に示すような打栓機53を
好適に使用して行なうことができる。また、容器1の口
部1aに殺菌剤を吹き付けてから容器1の口部1aに封
止部材2を装着するまでの時間は、通常、30秒間以
内、好ましくは10秒間以内である。この時間が30秒
間を超えると、容器1の内面あるいは口部天面1bに付
着している殺菌液の一部が蒸散することにより、封止部
材2の装着時における殺菌剤の残存量が減少するため容
器1の内面の殺菌処理が充分に行われなくなることがあ
る。
【0021】本発明の方法では、以上の工程で容器1の
内面殺菌処理がなされることになる。したがって、図1
(a)〜図1(c)に示す工程を容器メーカーで行な
い、図1(c)に示す容器1をユーザーに出荷するよう
にすれば、容器1の輸送中に容器1の内面殺菌処理が終
了することになるので、ユーザーにおいては内面殺菌処
理工程の作業を行なう必要がなく、無菌充填装置の小型
化・簡略化が可能である。
【0022】以上のようにして内面殺菌処理を行なった
容器1はパレタイジング工程においてパレットに積み付
けられ、その後、無菌チャンバー内に供給される。無菌
チャンバー内では、以下に説明する外面殺菌処理および
充填が行われる。
【0023】すなわち、図1(d)に示すように、先
ず、封止部材2で口部1aが封止された状態の容器1の
外面に殺菌ミストnを噴霧する。ここで、殺菌ミストn
の原料となる殺菌液としては、過酸化水素(H2 2
水溶液が好適に使用され、殺菌ミストnは、このような
殺菌液を気化させてから凝縮することにより生成するも
のである。
【0024】殺菌ミスト噴出ノズル20aは、たとえば
図3に示すような殺菌ミスト噴霧手段200の先端に設
けられているものであり、この殺菌ミスト噴霧手段20
0は、過酸化水素(H2 2 )水溶液等の殺菌液を供給
する殺菌液供給部21と、この殺菌液供給部21から供
給された殺菌液を加熱手段22により沸点以上の温度に
加熱して気化させる気化部23とを備える。
【0025】殺菌液供給部21を構成する供給部本体2
1aには、二流体スプレーが用いられている。この供給
部本体21aにはエクステンションパイプ24を介して
ノズル21bが接続されている。これは、気化部23を
形成する気化管23aからの熱が該気化管23aの上部
を閉塞しているアルミ製プラグ25およびノズル21b
を介して供給部本体21aに伝達され、供給部本体21
aが加熱されるのを防止するためである。気化管23a
は、たとえば断熱性材料からなる外筒26と、気化管2
3aの内壁を形成するサニタリパイプからなる内筒27
と、外筒26および内筒27の間に設けられた例えば鋳
込ヒーター、バンドヒーター等の加熱手段22とからな
る。気化管23aの下端には殺菌ミスト噴出ノズル20
aが接続されている。なお、図3中、71は殺菌液入
口、72は圧縮空気を供給する噴霧用空気入口であり、
それぞれ図示しない殺菌液供給源、噴霧用圧縮空気供給
源に接続されている。なお、気化管23aにおいては、
気化を平均化するために温度の低い場所、温度の下がり
易い場所を生じないことが重要であり、そのために気化
管23aの全長にわたって加熱手段22、例えば鋳込ヒ
ーター、バンドヒーター等が設けられている。また、供
給部本体21aにエクステンションパイプ24を介して
接続されているノズル21bから過酸化水素(H
2 2 )水溶液等の殺菌液が噴霧されるときに管内に圧
力が加わらないよう気化管23の径は充分に大きく設定
され、しかも管内で気化した殺菌液が抜け易いように気
化管23の内面は平滑に形成されている。
【0026】この殺菌ミスト噴出手段において、殺菌液
供給部21から供給された過酸化水素(H2 2 )水溶
液等の殺菌液は、加熱手段22を備える気化部23で沸
点以上の温度に加熱されて完全に気化し、殺菌ミスト噴
出ノズル20aからガスとして空気中に噴出されると同
時に凝縮して微細な殺菌ミストnを生成する。
【0027】このようにして生成した殺菌ミストnは、
殺菌ミスト噴霧手段200を構成する殺菌ミスト噴出ノ
ズル20aからトップチェーン等の搬送手段上に載置さ
れた密閉状態の容器1の外面に向けて噴霧される。この
殺菌ミストnは容器1の外面にムラなく付着して容器1
の外面殺菌処理が安定的に行われる。ここで、殺菌ミス
トnの原料には前述の内面殺菌処理におけるのと同様に
過酸化水素(H2 2)水溶液が好適に使用される。
【0028】なお、外面殺菌処理を行なう無菌チャンバ
ー5の天井は、図4に示すように、傾斜を設けることが
好ましい。このような傾斜を設けることにより、無菌チ
ャンバー5内に結露した過酸化水素(H2 2 )水溶液
等の液滴が容器1に付着することが防止される。
【0029】このようにして容器1の外面に殺菌ミスト
nを吹き付けた後、通常は、この容器1を、ホットエア
ーが吹き出している乾燥ゾーンを通過させることにより
乾燥を行なう。ここで、無菌チャンバー内で殺菌ミスト
nを容器1の外面に噴霧するゾーンと乾燥ゾーンとの間
は、エアカーテン等の仕切りを設けることが好ましい。
これにより、殺菌ミストnとホットエアーとが混ざり合
うのが防止され、容器1の外面への殺菌ミストnの吹き
付けおよびホットエアーの吹き付けを効率良く行なうこ
とができる。
【0030】この外面殺菌処理において、特に容器1の
底部外面の殺菌処理は次のようにして行なうことができ
る。すなわち、図5に示すように、容器1の胴部を搬送
用スクリュー41,42,43,44で保持して容器1
を宙吊り状態で搬送する。これにより容器1の底部はト
ップチェーン等の搬送路面から開放される。搬送路面か
ら開放された容器1の底部外面に殺菌ミスト噴出ノズル
20bから噴霧された殺菌ミストnを圧空エアーで吹き
付けた後、該底部外面にホットエアーを吹き付けて容器
底部の外面殺菌および乾燥を行なう。なお、殺菌ミスト
nを噴霧する殺菌ミスト噴出ノズル20bを備える殺菌
ミスト噴霧手段200′については、前述の外面殺菌処
理におけるのと同様であるので説明を省略する。また、
図5中、46は圧空ノズルであり、47及び48はガイ
ドレールである。図5に示すように、圧空ノズル46は
容器1の下方から容器1の底部に向けて圧空エアーを吹
き出すように配置され、この圧空ノズル46から吹き出
される圧空エアーはこの無菌チャンバー内で容器1の搬
送が停止した時には吹き出しが中断するように構成され
ている。一方、殺菌ミスト噴出ノズル20bからは過酸
化水素(H2 2 )ミスト等の殺菌ミストが常に一定量
噴霧されるように構成され、これにより容器底部の外面
殺菌が安定的に行なわれる。
【0031】本発明の方法においては、次いで、図1
(e)に示すように、容器1の口部1aから封止部材2
を除去した後、この口部1aから容器1内に、例えば果
汁飲料、コーヒー飲料、緑茶、ウーロン茶等の液体内容
物を所定量充填する。
【0032】容器1に液体内容物を所定量充填し終えた
ら、図1(f)に示すように、充填済みの容器1に蓋材
3を装着して充填済みの容器1を密閉する。ここで、蓋
材3は未殺菌の蓋材に過酸化水素(H2 2 )ミスト等
の殺菌ミストを吹き付けることにより殺菌された状態で
上述の無菌充填工程に供される。
【0033】そして、この蓋材3の殺菌には、特に次の
ようなキャップ殺菌装置を好適に使用することができ
る。図6に示すように、このキャップ殺菌装置は、蓋材
3を載置して該蓋材3を整列部600に供給する供給ト
レー500と、蓋材3の外側面C1 を下方に向けるとと
もに蓋材3の開口部C2 を搬送路面に対して垂直方向に
向けて整列せしめる整列部600と、過酸化水素(H2
2 )ミスト等の殺菌ミストを蓋材3に吹き付ける殺菌
部700と、温度60〜80℃の熱風を蓋材3に吹き付
けて該蓋材3を乾燥する乾燥部800とを備えている。
【0034】ここで、蓋材3は、図7に示すように、円
筒体の底面が封止されて天壁31が形成され、この天壁
31と対向する側に開口部C2 が形成されている。一
方、蓋材3の外側面C1 には天壁31側から順に、外周
に沿って突設された2本の滑り止めリング32,33
と、開口を形成する開口壁34とが形成されている。
【0035】供給トレー500から供給される未殺菌の
蓋材3を殺菌部700およびこれと連続する乾燥部80
0に供給する整列部600は、図6に示すように、供給
トレー500の排出口と連結される転移部601と、蓋
材3を所定方向に向けて整列させる直列ガイド部602
とを備えている。この直列ガイド部602は、図8に示
すように、5本のガイド棒611,612,613,6
14,615を備え、これらのガイド棒611,61
2,613,614,615は互いに平行に配列されて
いる。すなわち、これらのガイド棒611,612,6
13,614,615は、蓋材3の外側面C1 を緩やか
に挾んで蓋材3を案内するように配設された上下ガイド
棒611,612と、蓋材3の天壁31面を上下で案内
するように配設された背面ガイド棒613,614と、
蓋材3の開口部C2 側のやや下側を案内するように配設
された開口部ガイド棒615とに分けることができる。
【0036】殺菌部700は、天板に傾斜が設けられた
殺菌チャンバー710内に、整列部600により上流側
から順次供給される蓋材3を殺菌部700内に一定間隔
で取り込むためのスターホイール720と、取り込まれ
た蓋材3を順次搬送するくし状コンベア730と、過酸
化水素(H2 2 )ミスト等の殺菌ミストをくし状コン
ベア730上の蓋材3に噴霧する吹き付ける殺菌ミスト
噴霧手段740とが配設されて構成されている。なお、
図6中、701aおよび701bは、殺菌チャンバー7
10内で蓋材3に噴霧された殺菌ミストを外部に排出す
るための排気管である。
【0037】ここで、くし状コンベア730は、図9に
示すように、平行に配設された2本の搬送チェーン72
1a,721b間に円柱状の支持棒722が蓋材3の直
径の約2/3のピッチで懸架されて形成されている。搬
送チェーン721aおよび721bの上方には、前述の
5本のガイド棒のうち、上ガイド棒611と背面ガイド
棒613,614と開口部ガイド棒615の4本のガイ
ド棒が互いに平行に配設されている。そして、図10に
示すように、殺菌ミスト噴霧手段740を構成する殺菌
ミスト噴出ノズル741が配設された部分の開口部ガイ
ド棒615はこの部分で途切れている。これにより蓋材
3に過酸化水素(H2 2 )ミスト等の殺菌ミストを吹
き付ける際に開口部ガイド棒615が邪魔になることが
ない。また、殺菌ミスト噴出ノズル741のやや下流側
には蓋材3の開口部C2 側に向けて圧空エアーノズル7
42aが配設されているとともに、蓋材3の天壁31側
に向けて圧空エアーノズル742bが配設されている。
ここで、蓋材3の開口部C 2 側に向けて配設されている
圧空エアーノズル742aは、蓋材3の開口部C2に向
けて吹き付けられ殺菌チャンバー710内を漂っている
殺菌ミストを、さらに蓋材3の内面に付着させるための
ものである。一方、蓋材3の天壁31側に向けて配設さ
れている圧空エアーノズル742bは、蓋材3の裏側に
拡散した殺菌ミストを蓋材3の裏側に付着させるための
ものである。
【0038】殺菌部700に接続されている乾燥部80
0は、図11に示すように、乾燥チャンバー810内
に、温度60〜80℃の熱風を供給する2本の熱風供給
管811,812と、これらの熱風供給管811,81
2から乾燥チャンバー810内に供給された熱風を乾燥
チャンバー810内から外部に排出するための排気管8
13と、温度60〜80℃の熱風が吹き付けられて乾燥
した蓋材3を図示しないキャッパーに供給するスターホ
イール814とが配設されて構成されている。
【0039】なお、乾燥チャンバー810内には、蓋材
3の開口部C2 および天壁31を熱風供給管811,8
12に向けて搬送する前記の直列ガイド部602(図8
参照)が配設されている。なお、乾燥チャンバー810
内での蓋材3の搬送方向を、図11中、矢印Xで示す。
【0040】図11に示すように、熱風供給管811,
812は、それぞれ乾燥チャンバー810と平行に配設
された太い親管811a,812aと、これらの親管8
11a,812aから斜めに分岐した複数の枝管811
b,812bを備えている。
【0041】この枝管811b,812bは、蓋材3の
開口部C2 および天壁31にそれぞれ熱風を吹き付け、
かつ、蓋材3を搬送方向Xにスムーズに搬送するように
搬送方向Xに沿って斜めに配設されている。これらの枝
管811b,812bから吹き出される熱風の温度は、
蓋材3の材質、形状等に応じて適宜に決定すればよい
が、蓋材3がアルミ製キャップである場合、熱風の温度
は60〜80℃が好適である。
【0042】また、殺菌チャンバー710と乾燥チャン
バー810との間には、エアーカーテンが設けられてい
る。エアーカーテンを設けることにより、殺菌チャンバ
ー710内の殺菌ミストが乾燥チャンバー810内に混
入することが防止されるとともに乾燥チャンバー810
内の熱風が殺菌チャンバー710内に混入することが防
止される。
【0043】次に、以上のように構成されたキャップ殺
菌装置の動作を説明する。図6に示すように、排出口が
下り勾配に形成されている供給トレー500に蓋材3を
載置すると、蓋材3は供給トレー500の排出口から1
個ずつ順に転移部601に送られる。この転移部601
により蓋材3は、その外側面C1 を搬送路面側に向け、
かつ開口部C2 を手前側に向けるように整列される。整
列された蓋材4は、図8に示すように、蓋材3の外側面
1 が上下ガイド棒611,612により緩やかに挟持
され、蓋材3の天壁31と開口壁34の端面とが、それ
ぞれ背面ガイド棒613,614と開口部ガイド棒61
5により案内されつつ転がり、殺菌部700の入り口で
スターホイール720により1個ずつ殺菌部700内に
取り込まれる。
【0044】殺菌部700内に取り込まれた蓋材3は、
外側面C1 を搬送路側に向け、かつ、開口部C2 を殺菌
ミスト噴霧ノズル741側に向けた状態でくし状コンベ
ア730を構成する支持棒722間で支持されて搬送さ
れる。このとき、蓋材3の外側面C1 は上ガイド棒61
1によりガイドされ、蓋材3の背面は背面ガイド棒61
3,614でガイドされ、蓋材3の開口部C2 は開口部
ガイド棒615でガイドされている。従って、殺菌ミス
ト噴霧ノズル741から蓋材3に殺菌ミストを吹き付け
ても蓋材3は開口部C2 を殺菌ミスト噴霧ノズル側に向
けて一定の姿勢を維持し、吹き飛ばされることはない。
また、蓋材3は各ガイド棒により点または短い線で支持
されているので、殺菌ミストは蓋材3の内外面に充分に
付着して殺菌がなされる。なお、蓋材3に向けて噴霧さ
れた殺菌ミストのうち蓋材3に付着しなかった殺菌ミス
トは、排気管701a,701bから外部に排出され
る。
【0045】殺菌ミストが付着した蓋材3は、殺菌部7
00と乾燥部800との間に設けられているエアーカー
テンを通過して乾燥部800に送られる。なお、この蓋
材3を乾燥部800に送るためには、たとえばスターホ
イールまたは搬送用圧空エアーを好適に使用することが
できる。
【0046】乾燥部800に搬送された蓋材3は、図1
1に示すように、枝管811b,812bから蓋材3の
開口部C2 および天壁31に向けて搬送方向Xに沿って
斜めに熱風が吹き付けられ、これにより殺菌ミストが付
着した蓋材3の乾燥が行われる。このようにして乾燥処
理が終了した後、蓋材3はスターホイール814により
1個ずつ図示しないキャッパーに供給される。
【0047】本発明の方法においては、以上のようにし
て殺菌処理がなされた殺菌済みの蓋材3をキャッパーを
使用して前述の充填済容器の口部1aに装着して容器1
への液体内容物の無菌充填を完了するが、図1(d)〜
図1(f)に示す各工程はいずれも無菌チャンバー内で
行なう。
【0048】
【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明の容器の無
菌充填方法は、たとえばPETボトル等の成形容器の製
造工程で予め容器の内部に過酸化水素(H2 2 )水溶
液等の殺菌液を封入することにより容器の内面殺菌処理
を行ない、その後、この容器の外面に過酸化水素(H2
2 )ミスト等の殺菌ミストを噴霧して容器の外面殺菌
処理を行ない、次いで、この容器に液体内容物を充填
し、しかる後、充填済みの容器の口部を蓋材で封止する
構成としたので、本発明によれば、充填システムの小型
化および簡略化が可能であり、設備コストの低減を図る
ことができるとともに設備維持を容易とし、しかも殺菌
処理および充填を連続的に効率良く行なうことのできる
容器の無菌充填方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を模式的に示す工程図である。
【図2】本発明の方法における殺菌剤の容器口部への吹
き付け工程および封止部材の装着工程を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の方法において好適に使用可能な過酸化
水素(H2 2 )ミスト噴霧手段の一例を示す説明図で
ある。
【図4】本発明の方法における外面殺菌工程において好
適に使用可能なチャンバーの形状を示す説明図である。
【図5】本発明の方法における容器の外面殺菌工程にお
いて好適に使用可能な容器底部の外面殺菌装置の構成例
を示す説明図である。
【図6】本発明の方法における蓋材の殺菌工程において
好適に使用可能なキャップ殺菌装置の構成例を示す説明
図である。
【図7】蓋材の一例を示す斜視図である
【図8】図6に示すキャップ殺菌装置における整列部と
ガイド棒との関係を示す説明図である。
【図9】図6に示すキャップ殺菌装置を構成するくし状
コンベアの構成例を示す説明図である。
【図10】図6に示すキャップ殺菌装置における殺菌部
を示す要部切欠平面図である。
【図11】図6に示すキャップ殺菌装置における乾燥部
を示す要部切欠平面図である。
【符号の説明】
1…容器 1a…口部 2…封止部材 3…蓋材 m…殺菌剤 n…殺菌ミスト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口を有する容器を用意し、この容器の
    口部に殺菌剤を噴霧した後、該容器の口部を封止部材で
    封止することにより容器内に前記殺菌剤を封入して容器
    の内面殺菌処理を行ない、次いで、この容器を密封状態
    のまま無菌チャンバー内に供給し、該無菌チャンバー内
    で以下の一連の処理、すなわち、該容器の外面全体に殺
    菌ミストを吹き付けて該容器の外面殺菌処理を行なった
    後、該容器にホットエアーを吹き付けて該容器の乾燥を
    行ない、次いで、前記封止部材を除去して容器の口部か
    ら液体内容物を充填し、しかる後、該容器の口部に殺菌
    済みの蓋材を装着して充填済容器を密閉する処理を行な
    うことを特徴とする容器の無菌充填方法。
  2. 【請求項2】 前記外面殺菌処理において、容器の底部
    外面を殺菌するにあたり、容器の胴部を支持して容器を
    宙吊り状態で搬送しつつ容器の底部外面に殺菌ミストを
    圧空エアーで吹き付けた後、該底部外面にホットエアー
    を吹き付けて容器底部の外面殺菌および乾燥を行なう請
    求項1記載の容器の無菌充填方法。
  3. 【請求項3】 前記殺菌ミストが過酸化水素(H
    2 2 )ミストである請求項1または請求項2記載の容
    器の無菌充填方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001315720A (ja) * 2000-05-09 2001-11-13 Toyo Seikan Kaisha Ltd キャップ状物品の無菌搬送方法及び無菌搬送シュート体
JP5739101B2 (ja) 2007-09-03 2015-06-24 大日本印刷株式会社 包装体の製造装置
WO2020179521A1 (ja) * 2019-03-01 2020-09-10 大日本印刷株式会社 容器殺菌装置、内容物充填システム、容器殺菌方法および内容物充填方法

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