JP2002193220A - 包装材料の殺菌方法 - Google Patents

包装材料の殺菌方法

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JP2002193220A
JP2002193220A JP2001353661A JP2001353661A JP2002193220A JP 2002193220 A JP2002193220 A JP 2002193220A JP 2001353661 A JP2001353661 A JP 2001353661A JP 2001353661 A JP2001353661 A JP 2001353661A JP 2002193220 A JP2002193220 A JP 2002193220A
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packaging material
mist
chamber
compressed air
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JP2001353661A
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Akira Hayashi
亮 林
Akira Koyama
彰 小山
Masatoshi Takagi
雅敏 高木
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過酸化水素(H22)水溶液を気化させて凝
縮した過酸化水素ミストをチャンバー内に強制的に充満
させるとともに撹拌することにより包装材料の外表面を
均一かつ充分に効率よく殺菌することのできる包装材料
の殺菌方法を提供する。 【構成】 過酸化水素水溶液を気化させて凝縮した過酸
化水素ミストを包装材料の表面に付着させるチャンバー
内に圧縮空気による空気流を発生させ、該空気流により
過酸化水素ミストを強制的に前記チャンバー内に充満さ
せるとともに撹拌しながら該過酸化水素ミストを包装材
料の表面に付着させて包装材料の殺菌を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装材料の殺菌方法に
関し、さらに詳しくは、例えばPETボトル等の包装材
料の外表面を全体にわたって均一に殺菌することのでき
る包装材料の殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、果汁飲料、コーヒー等の清涼飲
料水の容器にはいわゆるPET(ポリエチレンテレフタ
レート)ボトルが広く用いられているが、このPETボ
トルを用いて無菌充填製品を製造する際には充填に先立
ち、食品を収納するボトル内面はもちろんのこと、充填
時における食品への汚染防止あるいは無菌充填システム
の無菌性維持の点からボトル外表面の殺菌も必要とな
る。
【0003】従来、このような成型容器の外表面の殺菌
方法としては、常温または加温した過酸化水素(H
22)水溶液等の殺菌液を容器にスプレーした後、ホッ
トエアーを吹きつけて乾燥するいわゆるスプレー法、あ
るいは成形容器表面を殺菌液に一定時間接触させた後
に、無菌水で洗浄するいわゆる浸漬法が用いられてき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
いわゆるスプレー法により例えばPETボトル等の大型
の容器を殺菌しようとすれば、多数のスプレーノズルが
必要になるとともに殺菌液微粒子の吹きつけ圧が高いた
めに容器表面に付着した微粒子が大粒子化し、容器表面
全体への均一な付着が難しく、その結果、乾燥も困難に
なるという欠点がある。
【0005】また、上記のいわゆる浸漬法においても、
容器の殺菌効果を確保するためには容器の表面が殺菌液
に接触している状態を、分単位の時間保持することが必
要であり、例えばPETボトルのように充填速度が速い
容器の場合においては、充填システムが大規模化し、設
備コストが高くなるとともにその設備維持も複雑になる
という欠点がある。
【0006】ところで、本発明者は上記のいわゆるスプ
レー法に代わる包装材料の殺菌液付着方法として、殺菌
液を加熱して気化させ、得られた殺菌ガスが凝縮するこ
とにより生じる微細な殺菌液ミストを利用する方法およ
びその手段を利用した成形容器外面の殺菌方法について
提案している。
【0007】しかし、この殺菌方法においても、効果的
に殺菌液ミストを包装材料の外面に付着させるために筒
状体を用いて包装材料の外周全体を囲繞するので、包装
材料の外面全体を均一に効率良く行なうことが困難であ
るという欠点がある。
【0008】そこで、本発明者は、より効率的なPET
ボトル等の包装材料の殺菌を可能にする手段を見出すべ
く、図15および図16に示すようにチャンバー100
内にH22ミストの反射板101を設けた殺菌装置を試
作し、検討を加えた。ここで、図15は殺菌装置の入口
部の概略を示す説明図であり、図16は同装置の側面の
概略を示す説明図である。この殺菌装置は、アクリル樹
脂製フード102で覆われたチャンバー100と、ベル
トコンベアを用いた搬送手段103と、噴霧管104の
先端に噴霧ノズル105を設けてなるミスト噴霧手段1
06とを備えるものである。この殺菌装置においては、
例えばPETボトル等の包装材料60が搬送手段103
により搬送される。一方、噴霧ノズル105からH22
ミストが包装材料60の上部に向けて噴霧される。この
ように噴霧されたH22ミストは、包装材料60の外表
面に直接付着するとともに、反射板101により反射さ
れて包装材料60の外表面の下部にまで付着する。すな
わち、この殺菌装置は、噴霧ノズル105から噴霧され
たH22ミストを包装材料60の表面に直接付着させる
とともに反射板101により反射させて包装材料60の
外表面の下部にまで充分な量のH22ミストを付着さ
せ、包装材料60の外表面を均一にかつ充分に殺菌しよ
うとするものである。
【0009】しかしながら、本発明者が検討を重ねたと
ころ、このような構成の殺菌装置においても、噴霧ノズ
ル105から噴霧されたH22ミストはPETボトル等
の包装材料60の上部以外には殆ど付着せず、包装材料
60に付着したH22ミスト以外の残りのH22ミスト
は、チャンバー100内の上方を漂っているだけである
ことが確認され、このような殺菌装置によっても依然と
してPETボトル等の包装材料の外表面を均一にかつ充
分に殺菌することは困難であることが判明した。特に、
殺菌対象物がPETボトルの場合、ボトル外面のうち比
較的に平滑な面には充分な量のH22ミストが付着する
ものの、ボトル口部についてはキャッピング用のスクリ
ューやサポートリング等の構造物が存在していて形状が
複雑であるため、上記の部位に適量のH22ミストをむ
らなく付着させることが困難であるという問題があっ
た。
【0010】本発明はかかる事情に基づいてなされたも
のであり、本発明は、たとえばPETボトル等の包装材
料の外表面を均一にかつ充分に殺菌することのできる包
装材料の殺菌方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の要旨は、過酸化水素水溶液を気化させてから
凝縮して得られる過酸化水素ミストを包装材料の表面に
付着させる包装材料の殺菌方法において、過酸化水素ミ
ストを包装材料の表面に付着させるチャンバー内に圧縮
空気による空気流を発生させ、該空気流により前記過酸
化水素ミストを強制的に前記チャンバー内に充満させる
とともに撹拌しながら該過酸化水素ミストを前記包装材
料の表面に付着させることを特徴とする包装材料の殺菌
方法である。
【0012】
【作用】過酸化水素水溶液を気化させてから凝縮させる
と、微細な過酸化水素ミストが生成する。次いで、この
過酸化水素ミストをチャンバー内の包装材料に向けて噴
霧するとともに該チャンバー内に圧縮空気による空気流
を発生させて該過酸化水素ミストを強制的に前記チャン
バー内に充満させ、かつ撹拌する。このように過酸化水
素ミストをチャンバー内の包装材料に向けて噴霧し、さ
らにチャンバー内に空気流を発生させることにより、チ
ャンバー内の隅々に過酸化水素ミストが行きわたる。し
たがって、この殺菌方法によれば、例えばPETボトル
のような複雑な形状の包装材料であっても、その外表面
の隅々にまで適量の過酸化水素ミストが付着するので、
包装材料の外表面は全体にわたって均一かつ充分に殺菌
される。
【0013】一方、本発明の殺菌装置は、チャンバー
と、このチャンバー内に例えばPETボトル等の包装材
料を搬送する包装材料搬送手段と、過酸化水素ミストを
前記チャンバー内に噴霧するミスト噴霧手段と、該ミス
ト噴霧手段によって前記チャンバー内に噴霧された過酸
化水素ミストを包装材料に向けて反射するミスト反射板
と、前記チャンバー内に圧縮空気を供給して該密閉空間
内に空気流を生じさせる圧縮空気供給手段とを備える。
この殺菌装置においては、包装材料は、先ず、包装材料
搬送手段によりチャンバー内に搬送される。チャンバー
内に包装材料が搬送されると、該チャンバー内には、ミ
スト噴霧手段から過酸化水素ミストが連続的に噴出され
る。このようにして過酸化水素ミストが噴霧されている
チャンバー内にはさらに圧縮空気供給手段から圧縮空気
が供給される。この圧縮空気によりチャンバー内には空
気流が発生し、過酸化水素ミストが強制的に該チャンバ
ー内に充満させられるとともに撹拌されてチャンバー内
の隅々に過酸化水素ミストが均一に行きわたる。このよ
うな状態にある該チャンバー内に包装材料搬送手段によ
り包装材料が搬送されて通過すると、過酸化水素ミスト
が噴霧ノズルから包装材料に直接吹きつけられるととも
に反射板により反射された過酸化水素ミストあるいは該
チャンバー内に充満するとともに撹拌されている過酸化
水素ミストが包装材料に付着し、最終的には包装材料の
外表面全体に過酸化水素ミストが均一に付着した状態で
該包装材料がチャンバー外に搬出される。したがって、
この殺菌装置においては、包装材料の外表面の全体に均
一に充分な量の過酸化水素ミストを付着させることが可
能であり、包装材料の外表面の全体を均一にかつ充分に
殺菌することができる。
【0014】また、このような殺菌装置において、特
に、ミスト噴霧手段の噴出口が、包装材料搬送手段によ
って搬送される包装容器の口部側面に対向して配設され
ていると、包装容器口部がミスト噴霧手段の噴出口の前
を通過する際に、包装容器口部の側面に対して過酸化水
素ミストが直接噴霧されることになり、たとえば包装容
器口部にキャッピング用スクリューやサポートリング等
の構造物が設けられていても充分な量の過酸化水素ミス
トを安定して付着させることができる。しかも、上記の
過程で包装容器の外表面に付着しないでチャンバー内に
残った過酸化水素ミストおよび噴出口の前を包装容器の
口部が通過していない時にチャンバー内に噴霧された過
酸化水素ミストは、チャンバー内に充満するとともに該
チャンバー内に吹き込まれた圧縮空気により発生した空
気流によって撹拌され、包装容器の口部以外の外表面に
均一に付着する。
【0015】さらに、この殺菌装置において、ミスト反
射板の表面に沿って空気流を発生させるエアー噴出口が
設けられていると、このエアー噴出口から噴出する圧縮
空気がミスト反射板の表面に沿って空気流を生じさせ、
この空気流により過酸化水素ミストがミスト反射板の表
面に沿って流れ、チャンバー内にむらなく充満する。
【0016】さらにまた、この殺菌装置において包装材
料搬送手段を構成する搬送路上に、包装材料の底面と搬
送路面との間に空隙を形成するスペーサーが設けられて
いると、このスペーサー上に包装材料を載置することに
より、包装材料の底面にまで均一に過酸化水素ミストが
付着する。
【0017】そして、このような殺菌装置においては、
ミスト噴霧手段を圧縮空気供給源と過酸化水素供給源と
が接続された二流体スプレーからなる供給部本体を用い
て形成し、さらに過酸化水素供給源と供給部本体との間
に定量ポンプを設けて、この定量ポンプによって供給部
本体に過酸化水素水溶液を供給することにより、過酸化
水素ミストの噴霧量を極めて容易にかつ安定して所望の
量に設定することが可能になる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。
【0019】図1は本発明に係る殺菌装置の一例の側面
の概略を示す説明図である。
【0020】図1に示すように、この殺菌装置は、チャ
ンバー1内に、ミスト噴霧手段2と、ミスト反射板3
と、包装材料搬送手段4と、圧縮空気供給手段5とを備
える。
【0021】さらに具体的には、図1に示すように、チ
ャンバー1は、アクリル製フード11で覆われて形成さ
れている。
【0022】図2はこのミスト噴霧手段2の一例の詳細
を示す説明図である。図2に示すように、ミスト噴霧手
段2は、過酸化水素水溶液を供給する過酸化水素水溶液
供給部21と、この過酸化水素水溶液供給部21から供
給された過酸化水素水溶液を加熱手段22により沸点以
上の温度に加熱して気化させる気化部23とを備える。
【0023】過酸化水素水溶液供給部21を構成する供
給部本体21aには、二流体スプレーが用いられてい
る。この供給部本体21aにはエクステンションパイプ
24を介してノズル21bが接続されている。これは、
気化部23を形成する気化管23aからの熱が、該気化
管23aの上部を閉塞しているアルミ製プラグ25およ
びノズル21bを介して供給部本体21aに伝達され、
供給部本体21aが加熱されるのを防止するためであ
る。気化管23aは、たとえばアスベストリボンからな
る外筒26と、気化管23aの外壁を形成するサニタリ
パイプからなる内筒27と、外筒26および内筒27の
間に設けられた加熱手段22とからなる。気化管23a
の下端には噴霧ノズル20が接続されている。そして、
この噴霧ノズル20は、包装材料搬送手段4によって搬
送される包装材料60が、例えば口部にキャッピング用
スクリューやサポートリング等の構造物が形成されてい
るPETボトル等の包装容器である場合には、口部の側
面に対向する位置、具体的には、上部のツバ部近傍に向
けてほぼ真横からH22ミストを噴霧する位置に配設さ
れていることが望ましい。すなわち、該PETボトルの
上部のツバ部近傍はミストが付着しにくい部分であり、
この部分に向けて該PETボトルの真上からH22ミス
トを噴霧した場合には該PETボトルの上部のツバ部の
裏側やボトル下方にH22ミストを付着させることが困
難だからである。図2中、71はH22水溶液入口、7
2は圧縮空気を供給する噴霧用空気入口であり、それぞ
れ図示しない過酸化水素供給源、噴霧用圧縮空気供給源
に接続されている。
【0024】気化管23aにおいては、気化を平均化す
るために温度の低い場所、温度の下がり易い場所を生じ
ないことが重要であり、そのために気化管23aの全長
にわたって加熱手段22、例えばリボンヒータが設けら
れている。また、供給部本体21aにエクステンション
パイプ24を介して接続されているノズル21bから過
酸化水素水溶液が噴霧されるときに管内に圧が加わらな
いように気化管23aの径は充分に大きく設定され、し
かも管内で気化した過酸化水素が抜け易いように気化管
23aの内面は平滑に形成されている。
【0025】この殺菌装置においては、過酸化水素供給
源(図示せず)とミスト噴霧手段2との間に定量ポンプ
を設け、この定量ポンプによってミスト噴霧手段2に過
酸化水素水溶液を供給することが好ましい。
【0026】図3は過酸化水素供給源81とミスト噴霧
手段2との間に定量ポンプ50を設けた場合の一例を示
す説明図である。
【0027】図3に示すように、定量ポンプ50は二流
体スプレーからなる供給部本体21aと過酸化水素供給
源81との間に設けられ、過酸化水素供給源81中の過
酸化水素水溶液はストレーナー90を経て定量ポンプ5
0によって吸引され、この吸引された過酸化水素水溶液
は一定の割合で二流体ポンプからなる供給部本体21a
に吐出され、供給される。一方、圧縮空気はたとえば図
3に示すようにシリンダーエアーとアトマイジングエア
ーとの2系統がそれぞれ制御弁91を経て二流体ポンプ
からなる供給部本体21aに供給される。
【0028】また、ミスト噴霧手段2への過酸化水素水
溶液の供給システムは、いわゆる加圧スプレー方式を採
用して構成することもできる。具体的には、図4に示す
ように、密閉されたタンク82内に過酸化水素水溶液を
収容し、このタンク82内に圧縮空気を導入して加圧
し、この圧力により過酸化水素水溶液を二流体ポンプか
らなる供給部本体21aに供給すればよい。なお、図4
において、90はストレーナー、92はレギュレータ、
93は圧力ゲージである。ただし、ミスト噴霧手段2へ
の過酸化水素水溶液供給システムを、図4に示すような
構成とした場合、過酸化水素ミストの噴霧量を所望量に
するためには、加圧タンク82から供給部本体21aへ
の過酸化水素水溶液の供給液圧と、2系統の圧縮空気供
給系統のうちのアトマイジングエアーの圧力とのそれぞ
れを所定の圧力値に制御する必要がある。これに対し、
図3に示すように、定量ポンプ50を用いた場合には、
定量ポンプ50の吐出量のみを制御するだけで過酸化水
素ミストの噴霧量を所望量に設定することが可能であ
る。
【0029】このミスト噴霧手段2において、過酸化水
素水溶液供給部21から供給された過酸化水素水溶液
は、加熱手段22を備える気化管23aで沸点以上の温
度に加熱されて完全に気化し、気化した殺菌剤がチャン
バー1内に設けられた噴霧ノズル20からチャンバー1
内に噴霧される。
【0030】図1および図5に示した殺菌装置におい
て、ミスト反射板3は、アクリル製フード11で覆われ
て形成されたチャンバー1内に設けられた圧縮空気供給
手段5の圧縮空気ノズル51の先端を囲むようにチャン
バー1内に設けられ、噴霧ノズル20の先端からチャン
バー1内に噴霧された過酸化水素ミストを包装材料60
に向けて反射する。ミスト反射板3の形成材料として
は、ここではアクリル樹脂板を用いている。さらに具体
的には、ミスト反射板3は、図5に示すように、2枚の
アクリル樹脂板31が圧縮空気ノズル51の先端を挾む
ようにチャンバー1内に設けられて構成されている。2
枚のアクリル樹脂板31による圧縮空気ノズル51の挾
み角θは、殺菌される包装材料60の大きさや形状およ
びチャンバー1内での圧縮空気ノズル51の取付け高さ
等により適宜に決定されるので、一様に決定することは
困難であるが、一例を挙げれば、包装材料60が最大径
90mmのPETボトルであるとともにチャンバー1内
での噴霧ノズル20の取付け高さが300mmである場
合の挾み角θ(図16参照)は45°である。また、ミ
スト反射板3は包装材料の全高の1/2程度を覆うこと
が好ましい。なお、図6に示すように、チャンバー1を
覆うアクリル製フード11の天井部を船底形に形成する
ことにより、アクリル製フード11がミスト反射板3を
兼ねる構造にしてもよい。
【0031】このチャンバー1内には、図6および図7
に示すように、ミスト反射板3の表面に沿って空気流を
発生させるエアー噴出口6を設けることが好ましい。こ
のエアー噴出口6からミスト反射板3の表面に沿って噴
出される緩やかな空気流により、噴霧ノズル20から噴
霧されて一部が包装材料60の外表面に付着した過酸化
水素ミストの残りはミスト反射板3の表面に付着するこ
となく、ミスト反射板3の勾配に沿って包装材料60の
方向に流れることになる。
【0032】図8はエアー噴出口が形成されたエアーパ
イプ15の概略を示す説明図である。
【0033】図7に示すように、エアー噴出口6は互い
に対向するミスト反射板3のそれぞれに取り付けられて
いる噴霧ノズル20と対向する位置に形成されている。
この実施例において、エアー噴出口6はチャンバー1の
天井部の突き合わせ部(頂上部)に設けられたエアーパ
イプ15に形成されている。図8に示すように、このエ
アーパイプ15には垂直下方に圧縮空気を吹き付ける圧
縮空気供給手段5の圧縮空気噴出口51も形成されてい
る。そして、このエアーパイプ15には圧縮空気供給源
(図示せず)が接続されている。なお、図7に示した殺
菌装置においては、圧縮空気供給手段5およびエアー噴
出口6で一本のエアーパイプ15を共用しているが、圧
縮空気供給手段5およびエアー噴出口6を2系統または
3系統の圧縮空気供給系統により形成することも可能で
ある。
【0034】包装材料搬送手段4は、ベルトコンベア4
1を用いて構成されている。PETボトル等の包装材料
60は、ベルトコンベア41上に載置された状態でチャ
ンバー1内に連続して搬入され、ミスト反射板3で囲ま
れた噴霧ノズル20の近傍を通過した後、さらに搬送さ
れてチャンバー1外に搬出される。そして、この包装材
料搬送手段4の搬送路を形成するベルトコンベア41上
には、図9に示すように、ベルトコンベア41の搬送路
面と包装材料60の底面との間に空隙を形成するスペー
サー42を設けることが好ましい。このスペーサー42
上に包装材料60を載置することにより、適量の過酸化
水素ミストを包装材料60の底面にまでくまなく付着さ
せることが可能である。スペーサー42上に載置する包
装材料60がPETボトル等の包装容器である場合、ス
ペーサー42は、たとえば図10に示すように配置すれ
ばよい。ここで、このスペーサー42の高さ、すなわち
ベルトコンベア41の搬送路面と包装材料60の底面と
の間隔は、通常、0.5〜5cm程度必要である。この
間隔が0.5cmより短いと、包装材料60の底面に均
一に充分な量の過酸化水素ミストを付着させることが困
難な場合がある。一方、5cmより長くしてもそれに相
当する効果は奏されず、かえって装置の大型化を招く。
また、包装材料60が、PETボトル等の包装容器のキ
ャップである場合には、たとえば図11に示すように、
刃状のスペーサー42を設けてなるキャップ搬送台43
をベルトコンベア41上に載置し、この刃状のスペーサ
ー42上に包装材料60であるPETボトル等のキャッ
プを載置すればよい。このような包装材料搬送手段4を
有するこの殺菌装置によれば、包装材料60がPETボ
トル等のキャップのように凹凸が多くて複雑な形状のも
のであっても隅々にまで充分な量の過酸化水素ミストを
付着させることが可能であり、短時間で効率良く殺菌処
理を行うことができる。なお、この殺菌装置において
は、必要に応じて、包装材料60の表面に付着した過酸
化水素ミストにより形成された殺菌液膜を除去するため
の乾燥手段を設けてもよい。
【0035】チャンバー1内に空気流を発生させる圧縮
空気供給手段5は、たとえば圧縮空気源(図示せず)に
接続された圧縮空気ノズル51を備え、圧縮空気は図1
あるいは図11中の矢印で示したようにチャンバー1内
に供給される。圧縮空気ノズル51は、通常、チャンバ
ー1を形成するアクリル樹脂製フード11の天板部11
aに設けられ、圧縮空気ノズル51から供給される圧縮
空気がチャンバー1内に空気流を生じさせる。ミスト噴
霧手段2を構成する噴霧ノズル20からチャンバー1内
に噴霧されるとともにミスト反射板3により包装材料6
0に向けて反射された過酸化水素ミストは、圧縮空気ノ
ズル51からチャンバー1内に供給された圧縮空気によ
り生じる空気流によって強制的にチャンバー1内に充満
させられ、かつ撹拌させられてチャンバー1内の隅々に
行きわたる。したがって、この殺菌装置においては、包
装材料60の外表面の全体にわたって均一にかつ充分な
量の過酸化水素ミストが付着する。
【0036】次に、二流体スプレーへの過酸化水素水溶
液の供給手段に定量ポンプを使用した場合および加圧方
式を採用した場合のそれぞれについてアトマイジングエ
アー圧が過酸化水素ミスト付着量に与える影響等に関す
る実験例を示す。
【0037】(実験例1)図5に示す構成の殺菌装置を
使用し、二流体スプレーへの過酸化水素水溶液の供給を
定量ポンプにより行なって下記の条件でチャンバー1内
に過酸化水素ミストを連続的に噴霧するとともに圧縮空
気ノズル51より圧縮空気を送り込んで過酸化水素ミス
トを充満させた状態とし、該過酸化水素ミストの中をP
ETボトルを通過させてボトル肩部付近における単位面
積当りの過酸化水素ミスト付着量を測定した。
【0038】測定条件; 過酸化水素水溶液(35%)供給速度:40g/min アトマイジングエアー圧:2〜5kg/cm2 被殺菌包装材料:1.5リットルPETボトル ボトル搬送速度:15cm/sec
【0039】さらに過酸化水素水溶液の供給速度を一定
にしたまま二流体スプレーのアトマイジングエアー圧を
変化させて同様の実験を行ない、アトマイジングエアー
圧と過酸化水素付着量との関係を調べた。
【0040】結果を図12に示す。
【0041】図12からアトマイジングエアー圧が高い
ほど、過酸化水素付着量も多くなることが確認された。
したがって、この場合には、アトマイジングエアー圧も
殺菌効果に影響を与えるパラメーターになるため状況に
応じて最適の条件を設定する必要があることが確認され
た。
【0042】一方、過酸化水素水溶液の供給速度とアト
マイジングエアー圧との関係を2通りの供給速度につい
て調べたところ図13に示す結果が得られた。
【0043】図13から明らかなように二流体スプレー
への過酸化水素水溶液の供給を定量ポンプにより行なっ
た場合には過酸化水素水溶液の供給速度はアトマイジン
グエアー圧に依存しないので、アトマイジングエアー圧
を変化させても定量ポンプを再調整する必要はない。
【0044】(実験例2)前記実験例1において、二流
体スプレーへの過酸化水素水溶液の供給を定量ポンプに
より行なうの代えて加圧方式を採用して過酸化水素水溶
液を二流体スプレーに供給したほかは、前記実験例1に
おけるのと同様にして供給速度とアトマイジングエアー
圧との関係を調べた。
【0045】結果を図14に示す。
【0046】図14から二流体スプレーへの過酸化水素
水溶液の供給を加圧方式により行なった場合には、供給
速度はアトマイジングエアー圧によっても変化するた
め、アトマイジングエアー圧を調整した場合には所定の
供給速度を得るために過酸化水素水溶液の加圧条件を再
調整する必要のあることが確認された。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、以上の構成としたの
で、過酸化水素水溶液を気化させて凝縮した微細な過酸
化水素ミストをチャンバー内の隅々にまで行きわたらせ
ることが可能であり、包装材料の外表面の全体にわたっ
て均一にかつ適量の過酸化水素ミストを付着させること
により包装材料の外表面を効率良く短時間で殺菌するこ
とができる包装材料の殺菌方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装材料の殺菌装置の一例を示す側面
概略図である。
【図2】本発明の包装材料の殺菌装置におけるミスト噴
霧手段の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の包装材料の殺菌装置におけるミスト噴
霧手段への過酸化水素水溶液および圧縮空気の供給系統
の構成例を示す説明図である。
【図4】本発明の包装材料の殺菌装置におけるミスト噴
霧手段への過酸化水素水溶液および圧縮空気の供給系統
の他の構成例を示す説明図である。
【図5】本発明の包装材料の殺菌装置の一例における入
口部の概略を示す説明図である。
【図6】本発明の包装材料の殺菌装置の他の一例におけ
る入口部の概略を示す説明図である。
【図7】本発明の包装材料の殺菌装置のさらに他の一例
を示す側面概略図である。
【図8】本発明の包装材料の殺菌装置におけるエアーパ
イプの一例を示す部分説明図である。
【図9】本発明の包装材料の殺菌装置のさらに他の一例
を示す側面概略図である。
【図10】本発明の包装材料の殺菌装置における包装材
料搬送手段を構成する搬送路の一例を示す説明図であ
る。
【図11】本発明の包装材料の殺菌装置のさらに他の一
例を示す側面概略図である。
【図12】本実施例の殺菌装置において、二流体スプレ
ーへの過酸化水素水溶液の供給を定量ポンプにより行な
った場合の、過酸化水素ミスト付着量とアトマイジング
エアー圧との関係を示すグラフである。
【図13】本実施例の殺菌装置において、二流体スプレ
ーへの過酸化水素水溶液の供給を定量ポンプにより行な
った場合の、過酸化水素水溶液供給速度とアトマイジン
グエアー圧との関係を示すグラフである。
【図14】本実施例の殺菌装置において、二流体スプレ
ーへの過酸化水素水溶液の供給を加圧方式を採用して行
なった場合の、過酸化水素水溶液供給速度とアトマイジ
ングエアー圧との関係を示すグラフである。
【図15】本発明の包装材料の殺菌装置の一例における
入口部の概略を示す説明図である。
【図16】本発明の包装材料の殺菌装置の一例を示す側
面概略図である。
【符号の説明】
1…チャンバー 2…ミスト噴霧手段 3…ミスト反射板 4…包装材料搬送手段 5…圧縮空気供給手段 6…エアー噴出口 21a…供給部本体 42…スペーサー 50…定量ポンプ 60…包装材料 82…過酸化水素供給源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素水溶液を気化させてから凝縮
    して得られる過酸化水素ミストを包装材料の表面に付着
    させる包装材料の殺菌方法において、過酸化水素ミスト
    を包装材料の表面に付着させるチャンバー内に圧縮空気
    により空気流を発生させ、該空気流により前記過酸化水
    素ミストを強制的に前記チャンバー内に充満させるとと
    もに撹拌しながら該過酸化水素ミストを前記包装材料の
    表面に付着させることを特徴とする包装材料の殺菌方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009113870A (ja) * 2009-01-16 2009-05-28 Toyo Seikan Kaisha Ltd 容器詰め飲料の製造方法
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