JP6123908B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ライン - Google Patents
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Description
本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインに関する。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、自動車用鋼板として世界中で広く使用されている。合金化溶融亜鉛めっき鋼板に求められる品質特性としては、耐食性、塗装性、溶接性、プレス成形時の耐パウダリング性、及び耐フレーキング性などがある。合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層を構成するFe−Zn相には、ζ相、δ1相、Γ・Γ1相が含まれる。上記特性のうち、特に耐パウダリング性及び耐フレーキング性に代表されるプレス成形性は、ζ相、Γ・Γ1相の生成量に左右される。耐パウダリング性はΓ・Γ1相が少ないほど良好となり、耐フレーキング性はζ相が少ないほど良好となる。そのため、良好なプレス成形性を得るためには、δ1相主体のめっき層が求められる。
めっき層をδ1相主体とするためには、めっき浴組成(浴中Al濃度)やめっき浴の浴温、鋼材の加熱及び冷却条件を、鋼材成分に応じて最適化する必要がある。浴中Al濃度や浴温は一定範囲に保つのが通常であり、その上で、鋼材の合金化速度に応じて、最適と思われる加熱・冷却パターンを決めて操業する。しかし実際には、例えば熱延等の上工程(めっきよりも前の工程)での操業条件によって、同じ鋼種でもコイルごとに、さらには同じコイル内であっても各部位が実際に受けた工程条件によって、部位ごとに合金化速度が変わることがある。このため、その都度、オペレーターが目視で合金化の程度を確認しながら、加熱・冷却条件を微調整している。その結果、どのような合金相が得られたか、また、耐パウダリング性及び耐フレーキング性が良好であったかどうかは、通板後にコイルの代表部位(通常はフロント部及び/またはテール部)をオフラインで、試験及び分析することで確認している。
しかし、このようなオフラインでの試験及び分析でめっき品質を確認する方法は、操業条件への迅速なフィードバックが不可能である。そのため、例えば鋼種が変わって合金化速度が変化した場合、歩留まり落ちにつながる危険性がある。また、例えば熱延の巻き取り条件などによっては、コイルのフロント部がミドル部に比べて合金化が遅いケースもあり、この場合に合金化条件をフロント部に合わせて操業すると、ミドル部が過合金となって、コイルの大部分でパウダリングが顕在化するといった事態も想定される。
これらの不具合を未然に防ぐには、コイル全長にわたる精度の高いオンライン測定が有効である。この目的で実施されている技術が、オンラインX線回折法である。X線回折法は、結晶にX線を照射した場合におこる回折現象を利用して、めっき層中の結晶相の定性・定量評価を行う方法である。これをオンライン測定に用いる場合には、たとえば、回折X線強度と結晶相の厚みとの相関が良い回折X線を選択する必要がある。さらに、高い測定精度を得るためには強度の大きい回折X線を実用的な回折角範囲から選択する必要がある。
特許文献1及び2には、実用的な回折角(2θ)範囲として、2θ>80°(X線管球としてCr管球を用いた場合、結晶格子面間隔:d<1.78Å)が、鋼板のばたつき、鋼板からの熱的影響及び入射X線強度変動の影響が小さい範囲であると開示されている。上記条件を満たす結晶格子面間隔として、従来から多用されているのは、例えば特許文献2〜5にも記載の通り、ζ相はd=1.26Å(Cr管球での2θ=130°)であり、δ1相はd=1.28Å(Cr管球での2θ=127°)であり、Γ・Γ1相はd=1.22Å(Cr管球での2θ=139°)である。
しかしながら、従来技術のオンラインX線回折法は、コイル全長にわたり精度の高いオンライン測定を行い、結果を迅速に操業条件にフィードバックして、過合金や未合金を未然に防ぐためには、決して十分なものとは言えない。その最大の理由は、従来使用されてきたζ相、δ1相、及びΓ・Γ1相の各相が示す3つの回折X線ピークが、互いに隣接しており、かつ高くて平坦でないバックグラウンドのある領域に存在するためである。従来技術は、鋼板のばたつき、鋼板からの熱的影響及び入射X線強度変動の影響が小さい範囲である2θ>80°という制約条件と、3相(ζ相、δ1相、Γ・Γ1相)の回折X線が隣接していることによる同時測定という条件とを重視している。その結果、各相の厚さを精度良く測定するという本来目的を達成するには極めて不十分であると言える。
また、昨今、製造ラインの生産性向上や競争力強化のために、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインの高速化が進められている。高速化された製造ラインにおいて合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき密着性をオンラインで判定するには、めっき密着性判定に要する分析時間を短くする必要がある。めっき密着性がよい鋼板とめっき密着性が悪い鋼板の差を有意に判定するためには、両者の測定値の間に、測定バラツキの3倍(3σ)以上の有意差があることが必要である。
判定に必要な分析時間が長いほど、判定開始から完了までの間に通過する鋼板長さが長くなり、製造ラインが高速化すれば、判定のために必要な鋼板長さはさらに長くなる。これがあまりに長くなると、コイル全長にわたる品質保証が困難となり、また操業条件への迅速なフィードバックも難しくなる。より短時間での測定を可能とするためには、シグナルの強度、S/N比の改善が必要である。また、高速化に伴い鋼板振動が大きくなるので、従来にも増して、鋼板振動によるシグナルへの影響を緩和する必要に迫られている。
特許文献6に、鋼板振動による影響を軽減する技術が開示されている。特許文献6では、入射X線ビームを多層膜ミラーに入射させることにより平行化している。その結果、鋼板表面のめっき層への入射X線ビーム照射によって生じる回折X線も平行化されるため、鋼板の振動によりX線の回折位置と検出系との距離が変動するような場合でも、検出される回折X線の強度が安定するというメリットがある。
多層膜ミラーの効果については、非特許文献1にも記載がある。実験室のX線源から出る発散ビームを効率よく平行化するために、多層膜ミラーと平行スリットを使用した例が開示されている。
「X線分析の進歩 31」、P11〜27、2000年、アグネ技術センター発行
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、今後の製造ラインの高速化に追随可能な、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置および合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインを提供することを課題とする。
本発明者らは、回折角度2θが低角側である範囲において、バックグラウンド強度が低く、かつ平坦(水平に近い)であることに着目して、鋭意、検討を重ねた。その結果、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当する低角側に、各相単独の回折X線ピークが複数存在することを見出した。これらのピークの定量性について検討を重ねた結果、定量性に優れ、かつ、バックグラウンド強度が低い、各相にそれぞれ対応するピークを同定するに至った。また、これらのうち、結晶格子面間隔dが1.914Åに相当する回折X線の強度からバックグラウンド強度を差し引いた値を用いることで、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき密着性に影響するΓ・Γ1相の厚さを精度よく測定できることを見出した。
引き続き本発明者らは、実機化の検討を進めた。鋼板の通板速度が高い製造ラインに適用するためには、通板時の鋼板の振動の問題を解決する必要がある。鋼板振動の影響を軽減するためには、光学系として平行ビーム光学系を用いるべきであるとの考えのもとで、平行ビーム光学系において、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当するFe−Zn相低角ピークを感度よく検出する方法について、鋭意、検討を重ねた。その結果、まず、X線管球の仕様においては、出力、焦点サイズ、取り出し角度および取り出し方法の選択が、感度向上のために重要であることを見出した。つぎに、X線管球を出たビームを試料に照射し、さらに検出器にまで効率良く導くための光学系仕様について検討した。この結果、特に入射光学系における、Capture angleと反射率を適切に設定することで、検出効率が向上できることを見出した。そこで本発明者らは、これらのパラメーターを変化させて系統的な実験を重ねた結果、平行ビーム光学系を前提にした場合、「出射ビーム輝度」および「幅方向利得」という2つのパラメーターが特定の下限値を上回るように、X線管球および光学系の設計をすることで、目的の回折ピークを感度よく検出できることを見出した。そこで、本発明者らは、上記の条件を満足するオンラインX線回折装置を作製し、連続溶融亜鉛めっきラインの合金化炉以降、コイル巻き取りまでの間にあって、板厚変動と鋼板振動の和が±3mm以内となる位置に設置したところ、実際に合金化溶融亜鉛めっきのオンライン密着性判定を短時間で精度良く行えることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
(1)すなわち、本発明の一態様に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置は、搬送ライン上を走行する合金化溶融亜鉛めっき鋼板に向けてX線を照射するX線管球と;前記X線管球から発せられたX線を平行ビームとして前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板に照射・回折させる光学系と;回折された前記X線の強度を測定するものであって、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当する回折X線を検出する位置に設置された検出器と;を具備してなり、前記X線の出射ビーム輝度が20W/mm2以上とされ、前記光学系における前記X線の幅方向利得が0.15以上とされている。
(1)すなわち、本発明の一態様に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置は、搬送ライン上を走行する合金化溶融亜鉛めっき鋼板に向けてX線を照射するX線管球と;前記X線管球から発せられたX線を平行ビームとして前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板に照射・回折させる光学系と;回折された前記X線の強度を測定するものであって、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当する回折X線を検出する位置に設置された検出器と;を具備してなり、前記X線の出射ビーム輝度が20W/mm2以上とされ、前記光学系における前記X線の幅方向利得が0.15以上とされている。
(2)上記(1)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置は、前記検出器が、結晶格子面間隔dが1.914Åに相当する前記回折X線を検出する回折角の位置に設置されていてもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置は、前記X線管球として、前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板に入射するX線のエネルギーがFe−Kαの蛍光X線励起エネルギーよりも小さくなるX線管球を用いるとよい。
(4)また、本発明の一態様に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインは、上記(1)〜(3)に記載のオンラインめっき密着性判定装置を、合金化炉以降、コイル巻き取りまでの間にあって、板厚変動と鋼板振動の和が±3mm以内となる位置に設置したものである。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置を適用することにより、短時間で密着性の良否の判定が可能となるため、今後、製造ラインにおける鋼板の通板速度が高速化した場合においても、コイル全長にわたり精度の高いオンライン測定が行える。また、その結果を迅速に操業条件にフィードバックして、過合金や未合金を未然に防ぐことができる。この結果、高速通板時においても、歩留まり向上や品質保証に大きく寄与でき、低コストでめっき品質の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を、需要家に安定的に供給することができる。
以下に図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置(以下、単に本実施形態に係る判定装置と言う場合がある)及び、本発明の一実施形態に係る該装置を設置した高速操業可能な合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ライン(以下、単に本実施形態に係る製造ラインと言う場合がある)について詳細に説明する。
本実施形態に係る判定装置は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のFe−Zn合金相に含まれる所定の相の厚みを測定する測定装置であって、合金化溶融亜鉛めっき鋼板にX線を照射するX線管球と、X線管球から検出器までの光学系と、X線照射で得られた回折X線の強度を測定する検出器とを有している。光学系として平行ビーム光学系を用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板にX線を入射・回折させる。また、検出器が、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当する回折X線を検出する回折角に相当する位置に設置されている。そして、X線の出射ビーム輝度が20W/mm2以上とされ、光学系におけるX線の幅方向利得が0.15以上とされている。
以下、本実施形態に係る判定装置に適用するX線回折法について説明する。本実施形態に係る判定装置に適用するX線回折法は、多結晶試料に特性X線を照射して、特定の回折角での反射強度を測定するものであり、デバイシェラー法に分類される。また、本実施形態に係る判定装置に適用可能なX線回折装置は、X線ビームを発生するX線管球、X線ビームの発散を制限する各種のスリット、検出器、受光スリット、および計数記録装置等により構成される。
本実施形態において使用可能なX線管球は、フィラメントに電流を流すことにより熱電子を発生させ、この熱電子を数十kVの高電圧で加速して金属ターゲットに衝突させることでX線を発生させ、発生したX線を、ベリリウム窓を通して取り出すものである。X線管球の金属ターゲットは、試料によるX線の吸収や測定精度を考慮して選択され、Cu、Cr、Fe、Co、Mo、W等が使用される。この中では、Cu、Cr、Coが汎用性に優れることから特に好ましい。発生するX線は、目的とするKα線の他に、Kβ線や白色X線成分が含まれるため、これらの成分を除去して単色化する必要がある。X線ビームの単色化は、金属箔でつくられたKβフィルターを受光スリットの前に挿入するか、または、モノクロメータを用いることにより行う。さらには、波高分析器と組み合わせたり、X線コリメーターによるコリメーションシステムを採用したりしても良い。
X線ビームの発散を制限するスリットとして、X線ビームの縦方向の発散を抑制するためのソーラースリットと、試料への水平面内の発散角を制限するための発散スリットとからなるものを用いることが好ましい。X線ビームを物質表面に照射することにより生じた回折X線は、受光スリットを介して集光され、さらにソーラースリットと散乱スリットとを介してX線検出器で検出され、その強度が測定される。
次に、本実施形態についてより詳細に述べる。
まず、本実施形態に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置において利用する、X線管球について説明する。X線管球としては、封入型X線管球を用いることが好ましい。X線源としてはX線管球の他に、回転対陰極式のX線発生装置があり、出力が高い点では有利であるが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインで使用する場合には、真空系等の維持・管理が煩雑であるので、X線管球がよい。封入型X線管球としては、蛍光X線用管球、回折X線用管球のいずれを用いても良いが、焦点サイズが小さく高輝度な回折X線用管球がより好適である。封入型X線管球の例を表1に示す。蛍光X線用管球は、回折X線用管球に対して焦点サイズが比較的大きいものであり、表1においてはNo.1〜3の管球が蛍光X線用管球に相当する。回折X線用管球は、表1のNo.4〜15の管球が相当する。なお、表1中の焦点輝度とは、出力(W)を焦点の面積(mm2)で割った値である。
まず、本実施形態に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置において利用する、X線管球について説明する。X線管球としては、封入型X線管球を用いることが好ましい。X線源としてはX線管球の他に、回転対陰極式のX線発生装置があり、出力が高い点では有利であるが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインで使用する場合には、真空系等の維持・管理が煩雑であるので、X線管球がよい。封入型X線管球としては、蛍光X線用管球、回折X線用管球のいずれを用いても良いが、焦点サイズが小さく高輝度な回折X線用管球がより好適である。封入型X線管球の例を表1に示す。蛍光X線用管球は、回折X線用管球に対して焦点サイズが比較的大きいものであり、表1においてはNo.1〜3の管球が蛍光X線用管球に相当する。回折X線用管球は、表1のNo.4〜15の管球が相当する。なお、表1中の焦点輝度とは、出力(W)を焦点の面積(mm2)で割った値である。
本実施形態に係るX線管球の仕様においては、出力に加えて、焦点サイズ、取り出し角度および取り出し方法の選択が、感度向上のために重要である。図1に、回折X線用管球における焦点サイズ、取り出し角度、取り出し方法、および取り出し後の実焦点サイズとの関係を示す。図1に示すように、X線管球の内部には、フィラメント10と、フィラメント10から離間されて配置された金属ターゲット11とが備えられている。フィラメント10に通電して熱電子を発生させ、この熱電子を金属ターゲット11に衝突させることでX線が発生する。金属ターゲット11上には、熱電子の衝突領域である焦点12が形成される。焦点12の形状は、金属ターゲット11におけるフィラメント10の投影形状に近い形状とされており、図1に示す例では、短手方向の幅がa(mm)、長手方向の長さがb(mm)の略矩形状とされる。フィラメント10から金属ターゲット11に向けて垂線を引き、この垂線に対して直交する平面を基準にしたとき、取り出し角度m1、m2はおおむね6°とされる。
取り出し角度m1、m2の傾斜方向は、図1に示すように、焦点12の幅方向に沿って傾斜させる場合と、長さ方向に沿って傾斜させる場合とがある。取り出し方法は、ターゲットの傾斜方向に応じて、X線ビームの断面形状が正方形に近い「ポイント取り出し」と、取り出しビームの断面形状が線状である「ライン取り出し」とがある。取り出し方法の選択によって実焦点サイズが異なっている。ここで、実焦点サイズは、X線管球の外部に出射された直後のX線ビームの断面サイズをいう。
焦点12を平面視したサイズ(幅×長さで表す、以下同様)がa(mm)×b(mm)の場合、ポイント取り出しをすると、図1に示すように、X線の取り出し方向が焦点の長さ方向に沿って取り出し角度m1で傾斜されていることにより、焦点サイズの長さ方向の寸法が圧縮されて、取り出し後の実焦点サイズ13がa(mm)×tan(m1)・b(mm)となる。一方、ライン取り出しをすると、図1に示すように、X線の取り出し方向が焦点の幅方向に沿って取り出し角度m2で傾斜されていることにより、焦点サイズの幅方向の寸法が圧縮されて、取り出し後の実焦点サイズ14がtan(m2)・a(mm)×b(mm)となる。たとえば、図1において焦点12のサイズを1(mm)×10(mm)、取り出し角度を6°とすると、ポイント取り出し後の実焦点サイズ13は1(mm)×1(mm)となり、ライン取り出し後の実焦点サイズ14は0.1(mm)×10(mm)となる。
次に、本実施形態に係る判定装置における光学系について説明する。本実施形態に係る判定装置では、オンライン測定時に鋼板振動の影響を受けにくい平行ビーム光学系を利用する。図2に、平行ビーム光学系の全体図を示す。本実施形態に係る判定装置の光学系は、X線源21と、入射光学系22と、受光光学系23と、検出器24とにより構成される。
図2に示すX線源21は、上述のX線管球が用いられる。また、入射光学系22には、X線源21側から順に、出射スリット22aと、反射面の断面輪郭線形状が放物線とされた多層膜反射ミラー22bと、入射側のソーラースリット22cとが配置されている。また、ソーラースリット22cには、ソーラースリット22cへのX線の入射広がり幅を制限する入側開口部22c1と、ソーラースリット22cからのX線の出射広がり幅を制限する出側開口部22c2とが設けられている。更に、ソーラースリット22cと試料25との間には制限スリット22dが配置されている。なお、本実施形態に係る判定装置では、多層膜反射ミラー22bを省略することもできる。さらには、多層膜反射ミラー22bの代わりに、分光結晶を用いることもできる。X線の平行ビーム化は、ソーラースリット22c単独か、または、多層膜反射ミラー22b及びソーラースリット22cの組み合わせ、あるいは分光結晶単独、さらにはソーラースリットと分光結晶との組み合わせ等によっても実現される。
出射光学系23には、出射側のソーラースリット23aが配置されている。また、ソーラースリット23aには、ソーラースリット23aへのX線の入射広がり幅を制限する入側開口部23a1と、ソーラースリット23aからのX線の出射広がり幅を制限する出側開口部23a2とが設けられている。図2中、符号25はX線回折測定の試料となる合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。以下、入射光学系22および受光光学系23について、詳細に説明する。
入射光学系22の配置図を、図3Aおよび図3Bに示す。図3Aは、光学素子としてソーラースリット22cのみを用い、これにポイント取り出ししたX線を入射させた例である。図3A(a)は試料を側方から見た側面図であり、図3A(b)は試料の上方より、ビーム面に垂直に見た図(ビーム面図)である。ソーラースリット22cとは、薄い金属板を等間隔に積み重ねたもので、入射X線及び回折線の図3A(a)における垂直方向の発散を制限する光学素子である。図1における焦点12から発生したX線は、入射側のソーラースリット22cにより、入射X線の垂直方向発散つまりデバイ環の重なりを抑えられる。X線は広がりを持って発生しリング状に発散するため、利用したいX線部分の周りに別のリング状のX線分布が存在すると、回折線のシフトが発生する(アンブレラ効果)。ソーラースリット22cは金属箔22c3の間隔(t)と長さ(L)とで、発散角(△)を決定する。この関係を図5に示す。金属箔22c3の間隔(t)が狭いと、高さ方向で入射X線の視野が制限されて強度が下がるが、垂直方向の発散が抑えられ分解能が向上する。
本実施形態においては、試料25上に照射されたX線の幅(試料照射幅)および長さ(試料照射長)を算出して、試料25上での出射ビーム輝度を求めることにより、X線源21および光学系の仕様を設計する。そこで、まず入射光学系22の光学素子としてソーラースリット22cのみを用い、これにポイント取り出ししたX線を入射させた場合について、試料照射幅と試料照射長の算出方法を、図3Aを用いて説明する。試料照射幅Scは、出射ビーム幅Bc、ソーラースリットの出口から試料までの距離(以下、試料距離という)L、Capture angle幅方向αc、および試料に対するX線入射角度θから、以下の式(1)により算出される。
Sc=(Bc+L・tanαc)/sinθ … (1)
出射ビーム幅Bcは、光学素子の設計により決まる値であるが、おおむね1mm前後である。図3Aにおいては、ソーラースリット22cの出側開口部22c2を通過するX線ビームの幅を指す。試料距離Lは、短いほど高いシグナル強度が得られるものの、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンライン測定に使用することを考慮すると、50mm〜150mm程度が好適と考えられる。
Capture angleとは、焦点12から全ての方向に発散しているX線のうち、光学素子に取り込まれる部分に対する有効取り込み角度のことである。Capture angleが大きいほど、光学素子に取り込まれるX線の量が多くなる。Capture angle 幅方向αcとは、光学系を側面から見た時の取り込み角度である。ソーラースリット22cを使用した場合は、ソーラースリット22cを通過するX線ビームの広がり角度であり、αcはおおむね0.1〜0.6°の範囲である。試料25に対するX線の入射角度θは、通常、回折角の半分程度に設定される。
次に、図3A(b)に示すように、試料照射長SLは、X線ビームの実焦点長XL、ゴニオ半径R、およびCapture angle 長方向αLから、以下の式(2)により算出される。
SL = XL + R・tan αL ・・・・・ (2)
実焦点長XLは、図1に示す取り出し後の実焦点13、14の断面長さである。ゴニオ半径Rは、実焦点13,14から試料25までの距離である。Capture angle 長方向αLは、光学系を試料の上方から見た時の取り込み角度である。ソーラースリット22cを使用した場合は、ソーラースリットを通過するX線ビームの広がり角度であり、αLはおおむね3〜8°の範囲である。
次に、図3Bは、光学素子としてソーラースリット22cと多層膜放物面ミラー22bを用い、これにライン取り出ししたX線を入射させた場合の、入射光学系の配置図である。図3B(a)は試料を側方から見た側面図であり、図3B(b)は試料の上方より、ビーム面に垂直に見た図(ビーム面図)である。多層膜放物面ミラー22bとは、格子面間隔傾斜型放物面ミラーのことであり、図6に示すように、Capture angle 幅方向αcが最大になるようにミラー面を放物面形状にして、その形状のどの位置でも平行にBragg反射するように格子面間隔に傾斜を設けたものである。詳細は下記の参考文献に説明がある。多層膜ミラーを使用する場合には、幅方向とはX線源からみたミラー面長さ方向を示す。多層膜放物面ミラーのCapture angle 幅方向αcの値は、おおむね0.4〜0.7の範囲である。一方、平板多層膜ミラーでは一定の格子面間隔の為Bragg反射する条件が決まっている。このため平板多層膜ミラーのCapture angle 幅方向αcの値は、ミラーのロッキングカーブ幅に相当し、これもミラーの設計値で決まっているが、おおむね0.05〜0.10の範囲である。Capture angle長方向αLは光学系での長方向の線源取り込みを示すが、これはソーラースリット出口の幅で決まる。
参考文献:構造性物 Vol.10、No.1、P20〜29、2004年、アグネ技術センター発行
光学素子としてソーラースリット22cに加えて、多層膜放物面ミラー22bを用い、これにライン取り出ししたX線を入射させた場合の試料照射幅と試料照射長の算出方法を、図3Bを用いて説明する。試料照射幅Scは、出射ビーム幅Bc、試料距離L、X線入射角度θから、以下の式(3)により算出される。
Sc=(Bc+L・tanβ)/sinθ … (3)
式(3)におけるβとは、出射ビームがソーラースリット22cを出てから試料に達するまでの間の広がり角度であり、多層膜放物面ミラー22bの設計により決まる値である。表3の実施例では一般的な値として、0.05°を用いた。Bcは光学素子の設計により決まる値であるが、おおむね1mm前後である。図3Bにおいては、ソーラースリット22cの出側開口部22c2を通過するX線ビームの幅を指す。Lおよびθは、図3Aにおいて説明した通りである。
試料照射長SLは、スリット出口焦点長XLo、試料距離L、およびCapture angle 長方向αLから、以下の式(4)により算出される。
SL = XLo + L・tan αL ・・・・・ (4)
スリット出口焦点長XLoは、この図の場合には制限スリット22dのスリット長に等しくなる。試料距離L、Capture angle 長方向αLは、すでに述べた通りである。
本実施形態に係る判定装置において利用する回折角は、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当する角度である。これを表2に示す。なお、本実施形態において、回折角が結晶格子面間隔dに相当するとは、±0.5°以内で微調整した範囲が含まれることを意味する。特に、本実施形態においては、番号5、7、9、10,12、13及び15の結晶格子面間隔dに対応する回折角度を採用することが好ましい。これらの回折角度は、各回折角度における回折強度と、ζ相、δ1相、Γ・Γ1相といった合金相の厚みとの相関係数が比較的高く、めっき層の密着性を精度よく評価できる点で好ましい回折角度である。
次に、受光光学系23について説明する。受光光学系の配置例を図4に示す。図4は、光学素子としてソーラースリット23aを用いた例であり、図4(a)は試料を側方から見た側面図であり、図4(b)は試料の上方より、ビーム面に垂直に見た図(ビーム面図)である。受光光学系23におけるソーラースリット23aの役割は分解能の向上である。その原理は、すでに図5に示した通りである。検出器24に入射するX線ビームのビーム幅Rcと、ビーム高さRLとの積が、検出器24におけるX線ビームの有効面積になる。鋼板位置が変位してもなるべく多くのシグナルを取り込むためには、有効面積が広いほど優位である。
次に、本実施形態に係る判定装置に使用できるX線検出器としては、例えば、X線による電離をガスで行う比例計数管(PC:Proportional Counter)、電離を固体の発光作用を利用したシンチレーション計数管(SC:Scintillation Counter)、半導体素子で行う半導体検出器(SSD:Solid State Detector)などを例示できる。比例計数管にはガスを流しながら動作させるガスフロー型と金属容器内に封じ込めた封入型とがある。半導体検出器は液体窒素で冷却しながら使用するSi(Li)型検出器や、電子冷却により液体窒素を使用しないシリコンドリフト型検出器(SDD:Silicon Drift Detector)などがある。シンチレーション計数管よりも比例計数管の方が、さらにこれらよりも半導体検出器の方が、検出器に入射するX線の弁別能(エネルギー分解能)が優れるが、半導体検出器は高価であり、大きな素子を製作することが困難で、大きな有効面積を持つものがあまり市場に出ていない。シンチレーション計数管及び比例計数管は比較的安価で、回折X線分析に適した大きさのものが比較的容易に製作可能であるため、本実施形態においても好適である。
試料が溶融亜鉛めっき鋼板の場合において、入射X線のエネルギーが鋼板のFe−Kα蛍光X線の励起エネルギーより高いときは、検出器24に入射するX線は、入射X線の回折線と鉄の蛍光X線の両方になる。鉄の蛍光X線は回折線に対してはノイズ成分として扱われ、得られたX線の情報の確かさを下げることとなる。そこで、X線のエネルギーとして、Fe−Kα蛍光X線の励起エネルギーより低いもの、たとえばCo−Kαを選択すれば、鉄の蛍光X線の発生を抑えることができ、その結果、得られるX線情報の確かさを高めることができ、本実施形態に係る判定装置として使用するにあたっては好適である。ただしこの場合、Zn−Kα蛍光X線も励起されないため、Zn付着量計のX線源と兼用することはできなくなる。
本実施形態に係る判定装置は、平行ビーム光学系を前提に、「出射ビーム輝度」および「幅方向利得」という2つのパラメーターが特定の下限値を上回るように、X線管球および光学系の設計をすることで、目的の回折ピークを感度よく検出できるようにしたものである。そこで、まず「出射ビーム輝度」について説明する。
「出射ビーム輝度」は、試料照射面積当たりのX線の輝度である。これを算出する手順は、以下の通りである。
1)実効焦点輝度を求める。
2)Capture補正および反射率補正を行う。
3)上記補正と試料照射面積から出射ビーム輝度を求める。
1)実効焦点輝度を求める。
2)Capture補正および反射率補正を行う。
3)上記補正と試料照射面積から出射ビーム輝度を求める。
実効焦点輝度は、X線出力を実焦点面積で除した値である。実焦点面積は、図1で説明した実焦点サイズから以下のように求める。
a)ポイント取り出しの場合:1/2(実焦点幅)×1/2(実焦点長)×π … (5)
b)ライン取り出しの場合 :実焦点幅×実焦点長 … (6)
ポイント取り出しでは実焦点を楕円近似、ライン取り出しでは長方形近似して計算することで、実測値に近い値が得られる。
a)ポイント取り出しの場合:1/2(実焦点幅)×1/2(実焦点長)×π … (5)
b)ライン取り出しの場合 :実焦点幅×実焦点長 … (6)
ポイント取り出しでは実焦点を楕円近似、ライン取り出しでは長方形近似して計算することで、実測値に近い値が得られる。
次に、実焦点単位面積当たりのX線出力を、幅方向・長手方向にどれだけ取り込んでいるかを考慮してCapture補正し、またミラーの反射をどれだけ利用しているか反射率補正する。補正式は以下の通りである。
Capture補正=実効焦点輝度×Capture angle幅方向×Capture angle長方向 …(7)
反射率補正=Capture補正×反射率幅方向×反射率長方向 …(8)
反射率補正=Capture補正×反射率幅方向×反射率長方向 …(8)
Capture補正は、実効焦点輝度(X線源から発散している全てのX線強度)に対して、どの程度利用(幅・長さの積)しているか、を補正するものである。反射率補正は、幅方向、長さ方向の光学素子の反射率の積である。
(8)式で得られた補正値を、試料照射面積で割った値が、「出射ビーム輝度」である。試料照射面積は、図3A,図3Bで説明した、試料照射幅Scと試料照射長SLの積である。出射ビーム輝度が大きいほど、回折線のシグナル強度が大きくなり、感度の良い定量性に優れた回折ピークが得られる。
次に、「幅方向利得」について説明する。幅方向利得は次式で算出される。
幅方向利得=Capture angle幅方向×反射率幅方向 … (9)
幅方向利得=Capture angle幅方向×反射率幅方向 … (9)
幅方向利得は、X線源からミラーなどの光学素子を見た場合に、幅方向にどれだけ素子を見込んでいるか、且つどれだけ反射を利用しているか、を示す指標である。幅方向利得が大きいほど、光学素子を有効に利用できていることを意味し、線源からのX線を有効に取り込んで平行化して反射させ、試料への照射に導くことができる。
本実施形態の判定装置において、出射ビーム輝度が20W/mm2以上であることが好ましく、50W/mm2以上であることがより好ましく、80W/mm2以上であることが更に好ましい。出射ビーム輝度が20W/mm2以上であれば、回折強度を高めることができ、判定に要する時間を大幅に短縮できる。
また、幅方向利得は0.15以上であることが好ましく、0.25以上であることがより好ましく、0.35以上であることが更に好ましい。幅方向利得が0.15以上であれば、X線の利用率を高めることができ、これにより、回折強度を高められて判定に要する時間を大幅に短縮できる。
また、幅方向利得は0.15以上であることが好ましく、0.25以上であることがより好ましく、0.35以上であることが更に好ましい。幅方向利得が0.15以上であれば、X線の利用率を高めることができ、これにより、回折強度を高められて判定に要する時間を大幅に短縮できる。
本実施形態に係る判定装置を合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインに設置するにあたって、設置位置の範囲としては、合金化完了以降からコイル巻き取りまでの範囲内であればよい。また、板厚変動と鋼板振動の影響を考慮する必要がある。のちに実施例で説明するが、装置性能上は、試料の基準位置からの変動が±3mm以内であれば、測定感度上、問題無い。通常、板厚変動幅は3mm程度と考えられることから、鋼板振動幅が3mm以内となるように制御された場所に設置することが好ましい。振動制御の方法としては、タッチロールによる支持、ロールへの巻付け、制振装置の設置など、公知の方法を適用すれば良い。
本実施形態では、光学系に使用可能な光学素子として、ソーラースリット及び多層膜放物面ミラーを例示したが、本発明はこれに限らず、反射面が平坦である平板型多層膜ミラーや、LiF、パイログラファイト、SiまたはGe等の分光結晶、など、公知の光学素子を適用できる。なお、実施例Bのように、入射光学系に分光結晶を用い、その後ろにソーラースリットを併用した場合には、試料照射幅は(1)式、試料照射長は(4)式を用いて求める。
以下、本実施形態に係る判定装置の具体例について、図7を参照して説明する。
オンライン測定装置の代表例として、Fe−Zn合金相のうちΓ・Γ1相を検出する装置の具体的構成を、図7で説明する。
図7は、X線管球としてCo回折管球を用いた場合における、Γ・Γ1相のオンライン測定装置の模式図である。X線の取り出し方式はライン取り出し方式である。図7では、スリットや計数記録装置等に関する図示は省略している。この測定装置では、X線の回折角2θは55.86°に設定されている。X線管球31から鋼帯32にX線が照射されると、異なる回折角を有する複数の回折X線が発生する。このうち、検出器33では、Γ・Γ1相の結晶格子面間隔d=1.914Åに相当する回折X線の強度が測定される。検出器34では、高角側のバックグラウンド強度が測定される。バックグラウンドの測定角は、X線回折図形をもとに検出器33で検出されるd=1.914Åに相当する回折X線の近傍で適宜決定することができ、例えば、0.5〜15°程度、着目する回折X線から離れた測定角を採用できる。実用上は、オンライン測定に先だって、オフラインで適切なバックグラウンドの測定角を求めることが好ましい。また、回折X線とバックグラウンドの角度差が5°以下の場合には、検出器34を配置することが物理的に困難であるため、回折X線用の検出器33を用いて、回折角の近傍で所定の角度だけ走査させることで、バックグラウンドを求めても良い。
上述の回折X線強度を用いることで、Γ・Γ1相の量を測定することができる。Γ・Γ1相の定量は、例えば、回折X線強度からバックグラウンド強度を差し引いた値を、予め作成した検量線に基づいて、相の量に変換することができる。
図7は、X線管球としてCo回折管球を用いた場合における、Γ・Γ1相のオンライン測定装置の模式図である。X線の取り出し方式はライン取り出し方式である。図7では、スリットや計数記録装置等に関する図示は省略している。この測定装置では、X線の回折角2θは55.86°に設定されている。X線管球31から鋼帯32にX線が照射されると、異なる回折角を有する複数の回折X線が発生する。このうち、検出器33では、Γ・Γ1相の結晶格子面間隔d=1.914Åに相当する回折X線の強度が測定される。検出器34では、高角側のバックグラウンド強度が測定される。バックグラウンドの測定角は、X線回折図形をもとに検出器33で検出されるd=1.914Åに相当する回折X線の近傍で適宜決定することができ、例えば、0.5〜15°程度、着目する回折X線から離れた測定角を採用できる。実用上は、オンライン測定に先だって、オフラインで適切なバックグラウンドの測定角を求めることが好ましい。また、回折X線とバックグラウンドの角度差が5°以下の場合には、検出器34を配置することが物理的に困難であるため、回折X線用の検出器33を用いて、回折角の近傍で所定の角度だけ走査させることで、バックグラウンドを求めても良い。
上述の回折X線強度を用いることで、Γ・Γ1相の量を測定することができる。Γ・Γ1相の定量は、例えば、回折X線強度からバックグラウンド強度を差し引いた値を、予め作成した検量線に基づいて、相の量に変換することができる。
比較として、従来技術による高角側Fe−Zn相ピーク測定装置の構成を図8に示す。
図8に示す判定装置は、Fe−Zn合金相に含まれるΓ・Γ1相、δ1相、ζ相の3相のうち2相または3相の回折X線を同時に測定するためのオンライン測定装置である。図中、符号41はCrをターゲットとする蛍光X線管球である。符号47は鋼帯である。検出器42でΓ・Γ1相のd=1.222Åに相当する回折X線を検出し、検出器43でζ相のd=1.260Åに相当する回折X線を検出し、検出器44でδ1相のd=1.279Åに相当する回折X線を検出する。また、検出器45では高角側バックグラウンド強度を測定し、検出器46では低角側バックグラウンド強度を測定する。
以上説明したように、本実施形態の判定装置によれば、光学系としてX線の平行ビームを合金化溶融亜鉛めっき鋼板に照射する光学系を備えているので、搬送ラインを走行する合金化溶融亜鉛めっき鋼板が振動したとしても、X線の入射角がビーム内で一定になるので、X線の回折角度を一定にすることができ、回折X線の検出感度を高めることができる。そして、出射ビーム輝度が20W/mm2以上であるとともに、幅方向利得が0.15以上であるので、X線の回折強度が高められて判定に要する時間を大幅に短縮できる。
また、本実施形態の判定装置によれば、検出器24が、結晶格子面間隔dが1.914Åに相当する回折X線を検出する回折角の位置に設置されていることで、Γ・Γ1相の厚みを精度よく計測することができ、めっき層の密着性を精度よく判定できる。 更に、本実施形態の判定装置によれば、X線管球として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に入射するX線のエネルギーがFe−Kαの蛍光X線励起エネルギーよりも小さくなるX線管球を用いることで、Fe−Zn合金相に含まれるΓ・Γ1相、δ1相、ζ相の3相の検出感度を高めることができる。
また、本実施形態の製造ラインによれば、判定時間が短縮化された上記の判定装置を、合金化炉以降、コイル巻き取りまでの間にあって、板厚変動と鋼板振動の和が±3mm以内となる位置に設置することで、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の通板速度が高速化された場合でも、密着性の判定に必要な鋼板長さを短くすることができ、コイル全長にわたる品質保証が可能となり、また、操業条件への迅速なフィードバックが容易になる。
また、本実施形態の判定装置によれば、検出器24が、結晶格子面間隔dが1.914Åに相当する回折X線を検出する回折角の位置に設置されていることで、Γ・Γ1相の厚みを精度よく計測することができ、めっき層の密着性を精度よく判定できる。 更に、本実施形態の判定装置によれば、X線管球として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に入射するX線のエネルギーがFe−Kαの蛍光X線励起エネルギーよりも小さくなるX線管球を用いることで、Fe−Zn合金相に含まれるΓ・Γ1相、δ1相、ζ相の3相の検出感度を高めることができる。
また、本実施形態の製造ラインによれば、判定時間が短縮化された上記の判定装置を、合金化炉以降、コイル巻き取りまでの間にあって、板厚変動と鋼板振動の和が±3mm以内となる位置に設置することで、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の通板速度が高速化された場合でも、密着性の判定に必要な鋼板長さを短くすることができ、コイル全長にわたる品質保証が可能となり、また、操業条件への迅速なフィードバックが容易になる。
次に、実施例を用いて本発明を説明する。
実施例1では、平行ビーム光学系を用いて、「出射ビーム輝度」および「幅方向利得」が変化するようにX線管球および光学系の仕様を設計することで、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当するFe−Zn相低角ピークの強度がどのように変化するか等について、ラボにて測定した結果について説明する。実施例2では、本実施形態に係る判定装置を合金化溶融亜鉛めっき製造ラインに設置して、オンライン測定した結果について説明する。なお、本発明は、以下の例に限定されない。
実施例1では、平行ビーム光学系を用いて、「出射ビーム輝度」および「幅方向利得」が変化するようにX線管球および光学系の仕様を設計することで、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当するFe−Zn相低角ピークの強度がどのように変化するか等について、ラボにて測定した結果について説明する。実施例2では、本実施形態に係る判定装置を合金化溶融亜鉛めっき製造ラインに設置して、オンライン測定した結果について説明する。なお、本発明は、以下の例に限定されない。
(実施例1)
供試鋼板として実ラインで製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板のサンプルを準備した。Zn付着量は45g/m2、めっき層中のFe(%)は9.5%および10.5%である。オフラインでのめっき密着性判定は、9.5%のものが合格(A評価)、10.5%が合否のボーダーラインに近いが不合格(C評価)であった。これらを用いて、表3A〜表3Dに示す水準の測定をラボにて行った。
供試鋼板として実ラインで製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板のサンプルを準備した。Zn付着量は45g/m2、めっき層中のFe(%)は9.5%および10.5%である。オフラインでのめっき密着性判定は、9.5%のものが合格(A評価)、10.5%が合否のボーダーラインに近いが不合格(C評価)であった。これらを用いて、表3A〜表3Dに示す水準の測定をラボにて行った。
X線管球には、出力、焦点サイズ、取り出し方法が異なり、また、金属ターゲットとしてCr、Cu、Coを用いた、蛍光用または回折用の封入型X線管球を使用した。回折用X線管球においては取り出し角度はいずれも6°である。蛍光用X線管球としては、ターゲット上の焦点サイズが7mm×7.5mmであって、フィラメントからの電子線に対するターゲットの傾斜角度が26°のものを用いた。この場合、取り出されたX線の実効焦点サイズは7mm×7mmとなる。
入射光学系の光学素子には、以下の組み合わせのものを用いた。表3B中の記号とともに光学素子の組み合わせを示す。
「−」…ソーラースリットのみ
「A」…ソーラースリットおよび多層膜放物面ミラー
「B」…ソーラースリットおよびパイログラファイト
「C」…ソーラースリットおよび平坦型多層膜ミラー
「A」…ソーラースリットおよび多層膜放物面ミラー
「B」…ソーラースリットおよびパイログラファイト
「C」…ソーラースリットおよび平坦型多層膜ミラー
受光光学系の光学素子には、ソーラースリットを用いた。検出器には以下を用いた。表3B中の記号とともに検出器の種類を示す。
「S-PC」…封入型ガス比例計数管
「SDD」…半導体検出器
「SC」…シンチレーション計数管
「SDD」…半導体検出器
「SC」…シンチレーション計数管
得られたFe−Zn相の回折シグナルを以下の観点から評価した。
強度(cps):
めっき層中のFe(%)が9.5%の鋼板を用いて、ピーク強度からバックグラウンド強度を引いた値を強度として求めた。バックグラウンドはピーク両端を結ぶ直線とした。測定時間は0.1secであった。
めっき層中のFe(%)が9.5%の鋼板を用いて、ピーク強度からバックグラウンド強度を引いた値を強度として求めた。バックグラウンドはピーク両端を結ぶ直線とした。測定時間は0.1secであった。
判定時間(sec):
めっき層のFe(%)が9.5%の鋼板と、10.5%の鋼板の強度を比較し、両者の違いが、測定誤差(理論標準偏差)の3倍となるのに必要な測定時間を求めた。Γ相のピーク強度を測定した場合、密着性合否判定に必要な測定時間に相当する。
めっき層のFe(%)が9.5%の鋼板と、10.5%の鋼板の強度を比較し、両者の違いが、測定誤差(理論標準偏差)の3倍となるのに必要な測定時間を求めた。Γ相のピーク強度を測定した場合、密着性合否判定に必要な測定時間に相当する。
振動許容性(mm):
めっき層のFe(%)が9.5%の鋼板を用いて、サンプル位置を変動させながらピーク強度の変化を調べ、振動による変位をどこまで許容できるかを評価した。図10に結果の例を示す。この場合、±3mmの振動を許容できると判定される。
めっき層のFe(%)が9.5%の鋼板を用いて、サンプル位置を変動させながらピーク強度の変化を調べ、振動による変位をどこまで許容できるかを評価した。図10に結果の例を示す。この場合、±3mmの振動を許容できると判定される。
結果を表3A〜表3Dに示す。No.1〜28において、本発明例は比較例に対して、幅方向利得および出射ビーム輝度が高くなるように、X線管球や光学系の仕様を設計してある。この関係を図9に示す。ここで表3のシグナル特性を比較すると、本発明例は比較例に比べて、シグナルの強度が高く、判定時間が短く、かつ振動に対しては±3mmの許容度を有する。この結果、高速通板により測定時間が短縮し、振動が激化しても問題無く測定できる。すなわち高速操業に対する追随性が高い。
No.29〜31は、従来技術による高角側Fe−Zn相ピークの測定例である。シグナルの強度は高く、鋼板振動も許容できるが、そもそも各相のピーク分離に課題があり、めっき層中のFe(%)が異なるサンプルの違いを正しく判定できない。
(実施例2)
本実施形態に係る判定装置を合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインに設置した。設置位置は、合金化完了後の水平パス、ロール巻付き部である。装置の構成は図7に示した通りである。装置の仕様は、表3のNo.6の通りである。
本実施形態に係る判定装置を合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ラインに設置した。設置位置は、合金化完了後の水平パス、ロール巻付き部である。装置の構成は図7に示した通りである。装置の仕様は、表3のNo.6の通りである。
製造ラインにおいて合金化溶融亜鉛めっき鋼板をラインスピード180mpmで製造した。合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造中に、合金化温度を意図的に適正合金化温度から過合金温度まで変化させて、1つのコイルのなかに密着性良好部と不良部が存在するようにした。このような試験を3コイルで繰り返した。コイルのフロント部、ミドル部、テール部からサンプリングして、オフラインで密着性試験をしたところ、密着性評点は、A評価(合格)、B評価(合否のボーダーラインに近いが合格)、C評価(合否のボーダーラインに近いが不合格)であった。これらのサンプルを定電位電解法により、Γ相単層のみ残してめっき層を剥離し、オフラインでΓ相の回折線強度を求めた。
一方、上記のコイル製造時に、図7に示す本実施形態に係る判定装置を稼動させて、オンラインでΓ相の回折線強度を測定した。これを縦軸とし、横軸にオフラインでのΓ相単層の回折線強度を横軸として、結果をプロットしたものが図11である。
図11より、本実施形態に係る判定装置は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を、ラインスピード180mpmで高速操業した場合でも、めっき密着性をオフライン評価と同様に正しく判定できることが分かる。
図11より、本実施形態に係る判定装置は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を、ラインスピード180mpmで高速操業した場合でも、めっき密着性をオフライン評価と同様に正しく判定できることが分かる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
本発明によれば、品質の安定した合金化溶融亜鉛めっき鋼板を安価にかつ安定的に供給することができ、防錆性に優れた自動車の普及がますます促進される。これは自動車の寿命や安全性向上につながり、また省資源の観点から地球環境の改善にも寄与する。したがって産業上の利用価値は極めて大きい。
21…X線源(X線管球)、22…入射光学系(光学系)、24…検出器。
Claims (4)
- 搬送ライン上を走行する合金化溶融亜鉛めっき鋼板に向けてX線を照射するX線管球と;
前記X線管球から発せられたX線を平行ビームとして前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板に照射・回折させる光学系と;
回折された前記X線の強度を測定するものであって、結晶格子面間隔dが1.5Å以上に相当する回折X線を検出する位置に設置された検出器と;
を具備してなり、
前記X線の出射ビーム輝度が20W/mm2以上とされ、前記光学系における前記X線の幅方向利得が0.15以上とされていることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置。 - 前記検出器が、前記結晶格子面間隔dが1.507Å、1.536Å、1.623Å、1.720Å、1.833Å、1.899Å、1.914Å、1.971Å、2.363Å、2.593Å、2.770Å、3.692Å、4.109Å、5.535Å,6.351Åのいずれかに相当する回折X線を検出する位置に設置されていることを特徴とする請求項1記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置。
- 前記X線管球として、前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板に入射するX線のエネルギーがFe−Kαの蛍光X線励起エネルギーよりも小さくなるX線管球を用いることを特徴とする請求項1または2記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオンラインめっき密着性判定装置を、合金化炉以降、コイル巻き取りまでの間にあって、板厚変動と鋼板振動の和が±3mm以内となる位置に設置したことを特徴とする高速操業可能な合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ライン。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2013/079044 WO2015059835A1 (ja) | 2013-10-25 | 2013-10-25 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板のオンラインめっき密着性判定装置及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板製造ライン |
Publications (2)
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