JP2707865B2 - 合金化亜鉛めっき層の合金化度測定方法 - Google Patents

合金化亜鉛めっき層の合金化度測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合金化亜鉛めっき層の合
金化度測定方法に関し、より詳細には合金化亜鉛めっき
鋼板の製造時に必要なオンライン分析に用いられる合金
化亜鉛めっき層の合金化度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合金化亜鉛めっき層中の各合金相の体積
分率は、図6(川崎製鉄技報、18(1986)2、
p.31)に示したように合金化度と相関が良いことが
知られている。一方、結晶に平行性の良いX線を照射し
た場合におこる回折現象を利用して試料中の結晶相の同
定を行なう、いわゆるX線回折法と呼ばれる分析法があ
る。このX線回折法は本来構造解析の手段であるが、合
金化亜鉛めっき層中の個々の合金相により回折されたX
線の強度は合金相の体積分率と相関があるため、特定の
合金相の回折線強度を測定することにより合金化度を知
ることができる。ただし回折線強度は、合金化度ばかり
かめっき付着量の関数でもあるため、めっき付着量の影
響を補正するか、又はめっき付着量毎に合金化度と回折
線強度との関係曲線、つまり検量線を使い分けねばなら
ない(川崎製鉄技報、18(1986)2、p.3
1)。ここで合金化度及びめっき付着量は、めっき層の
みを酸溶解し、この溶液中のZn、Fe等のめっき層に
含有される金属成分を原子吸光、ICP発光分光等の化
学分析法で定量することにより求められる。
【0003】ところが各合金相の回折線には重なり合う
ものが多いため、この方法で合金化度をオンライン分析
するには合金化度と回折線強度との相関が良く、しかも
測定精度を向上させるために強度の大きい回折線を実用
的な回折角範囲から選択する必要がある。なおここでの
実用的な回折角(2θ)範囲とは、圧延時の鋼板のばた
つき及び鋼板からの熱的影響が小さい範囲を示してお
り、2θ>80°(X線管球としてCr管球を用いた場
合、結晶面間隔:d<1.78Å)である(特開昭52
−21887号公報)。
【0004】従来、上記条件を満たす着目すべき回折線
としてΓ相の(633) 面、δ1 相の(103) 面、ζ相のd=
1.26Åなる面の回折線が報告されている(川崎製鉄
技報、18(1986)2、p.31;日新製鋼技報、
36(1977)、p.40;特公昭56−12314
号公報)。そして、これらΓ相の(633) 面、δ1 相の(1
03)面、ζ相のd=1.26Åなる面の回折線を用いて
のめっき層の合金化度分析には、鋼板のばたつき及び入
射X線強度変動の影響を避けるため、これらの影響を受
けにくくかつ合金化度との相関性の良い数1、数2又は
数3式に示した値、すなわち回折線強度IP と回折線位
置でのバックグランド(以下BGと記す)推定強度、若
しくは回折線位置近傍でのBG測定強度IB との比が用
いられている(川崎製鉄技報、18(1986)2、
p.31;CAMP−ISIJ、3(1990)p.1
570)。
【0005】
【数1】 {IP(Γ) −IB(Γ)}/IB(Γ)
【0006】
【数2】 Γ値≡1−IB(Γ)/IP(Γ)
【0007】
【数3】 ζ値≡1−IB(ζ)/IP(ζ) また上記各比の他に、さらに合金化度との相関を向上さ
せるのために数4式に示したような二種の回折線の強度
比、すなわちZ値が合金化度分析に用いられている(日
新製鋼技報、36(1977)、p.40;特公昭56
−12314号公報)。
【0008】
【数4】 Z値≡{IP(ζ) −IB(ζ)}/{IP1)
−IB1)}
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の合金化度測定方法のうち数2、数3及び数4式
に示したΓ値、ζ値及びZ値を用いる方法においては、
下記の数5式のように示される湿式化学分析値(基準
値)とX線分析値との差を意味する分析の正確度σd
ついての報告がなく、その適用合金化度域もそれぞれ
8.5〜17%、8.5〜11%、7〜14%と推定さ
れ、Z値を除き実用的な合金化度域(7〜14%)に単
独で適用できるものではなかった。
【0010】また数1式に示した強度比{IP(Γ) −I
B(Γ)}/IB(Γ)による測定方法は、適用合金化度域
が4〜15%と推定され広いものの正確度σd が0.6
%と十分に小さい値ではないため、オンラインでの合金
化度制御に用いる測定方法としては満足できるものでは
なかった。この正確度σd が良好でない主な理由とし
て、合金化度に対するΓ相の体積分率の変化の割合(図
6中の曲線の傾き)が小さいために、合金化度の指標と
してΓ相の体積分率と相関を有するΓ相の回折線強度を
用いると感度が不足することが挙げられる。
【0011】
【数5】
【0012】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、合金化亜鉛めっき鋼板の実用的な合金化度域
に適用することができ、かつ良好な正確度σd を有する
合金化亜鉛めっき層の合金化度測定方法を提供すること
を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る合金化亜鉛めっき層の合金化度測定方法
は、鋼板に亜鉛めっきした後合金化処理しためっき層
に、X線を照射して前記めっき層の合金化度を測定する
方法において、前記めっき層中の合金相のうち結晶面間
隔が1.222±0.005Å及び1.259±0.0
05Åに相当する特定の合金相の回折線強度の比、又は
1.301±0.005Å及び1.259±0.005
Åに相当する特定の合金相の回折線強度の比を用いて合
金化度を算出することを特徴とし、また本発明に係る合
金化亜鉛めっき層の合金化度測定方法は、鋼板に亜鉛め
っきした後合金化処理しためっき層に、X線を照射して
前記めっき層の合金化度を測定する方法において、前記
めっき層中の合金相のうち結晶面間隔が1.598±
0.005Å又は1.311±0.005Åに相当する
合金相の回折線強度と、BG強度との比を用いて合金化
度を算出することを特徴としている。
【0014】
【作用】図1は本発明に係る合金化亜鉛めっき層の合金
化度測定方法を実施するために用いられる平行ビーム光
学系X線回折装置を概略的に示したものであり、図中S
はCr管球、S1 及びS2 は開き角1.2°のソーラー
スリット、Fは厚さ20μmのVフィルタ、及び12は
計数管をそれぞれ示している。図1に示したように、試
料である合金化亜鉛めっき鋼板11に平行性の良いX線
を照射すると、合金化亜鉛めっき鋼板11のめっき層を
構成するΓ、δ1 、ζ 等の合金相中の結晶面で弾性散
乱されたX線は、入射X線に対して合金相及び結晶面に
固有の方向2θでのみ観測される。この2θは結晶面間
隔d及び管球ターゲットの種類により次の数6式で与え
られる。
【0015】
【数6】 2dsinθ=λ ここでλは、例えば図1においてはCr管球Sより発生
する特性X線の波長である。
【0016】前述した如く観測されるX線の回折線強度
は、合金化亜鉛めっき層中の各合金相の体積分率と正の
相関があり、また各合金相の体積分率と合金化度には図
6に示したような相関があることから、回折線強度を測
定することにより合金化亜鉛めっき層の合金化度が推定
される。ただし回折線強度は、めっき付着量の関数でも
あるため、めっき付着量毎に合金化度と回折線強度との
関係曲線(検量線)を使い分けることにより合金化度が
求められる。
【0017】ところがΓ(633) 回折線強度による合金化
度の算出の測定には前述の如く誤差が伴いやすく、同様
の理由でζ相の回折線強度から算出されるζ値を用いた
合金化度算出にも誤差が伴いやすい。一方、実用的な合
金化度領域(7〜14%)ではδ1(103)ピークとその高
回折角側近傍に見られるd=1.268±0.005Å
のピークとの重なりが大きいため、δ1(103)回折線強度
から算出されるZ値を用いた合金化度算出にも誤差が伴
いやすいと想定される。このため数1〜数4式で示され
る回折線強度比と合金化度との間に良好な相関性が得ら
れず、これが測定の正確度を低下させる一因となってい
る。
【0018】本発明者は合金化度に対する回折線強度比
Γ/ζの変化の割合が大きいこと、従って強度比Γ/ζ
を用いると合金化度測定の正確度が向上することを図6
から予想し、Γ相、ζ相の回折線を見出すべく1.15
Å<d<1.78Åの範囲(前述の実用的なd範囲)に
見られる14本の回折線の強度と合金化度との関係を調
査した。その結果、合金化度と回折線強度との関係から
d=1.301±0.005Åに相当する回折線はΓ(4
44) であると推定されること、及び強度比Γ(633) /ζ
(d=1.259±0.005Å)、Γ(444) /ζ(d
=1.259±0.005Å)が従来例に比べ合金化度
とより良好な相関を持つことを知見した。 さらにd=
1.598±0.005Å、1.311±0.005Å
に相当する回折線については、重なりが大きくなく、し
かも強度が大きいために、これら二者の回折線強度が従
来例に比べ合金化度とより良好な相関を持つことを知見
した。
【0019】上記した本発明に係る合金化亜鉛めっき層
の合金化度測定方法によれば、Γ(633) 又はΓ(444) に
相当する回折線強度IP とd=1.259±0.005
Åなる結晶面を有するζ相の回折線強度との比として次
の数7式、数8式で定義される値R3 、R4 が求めら
れ、R3 又はR4 と合金化度との相関の良い関係曲線
(検量線)が得られる。さらに結晶面間隔dが1.59
8±0.005Å、又は1.311±0.005Åに相
当する合金相の回折線強度IP とBG強度IB との比と
して次の数9式、数10式で定義される値R1 、R2
求められ、同様に合金化度と相関の良い検量線が得られ
る。従って、R3 、R4 、R1 及びR2 の実測値から合
金化亜鉛めっき層の合金化度が良い正確度で得られるこ
ととなる。なお上記BG強度IB は、回折線を挟む2θ
位置でのBG強度を回折線位置に内挿して算出した値、
あるいは回折線位置近傍でのBG測定強度のいずれを用
いても良い。
【0020】
【数7】 R3 ≡IP(Γ(633))/IP(ζ( d=1.25
9±0.005Å))
【0021】
【数8】 R4 ≡{IP(Γ(444))−IB(Γ(444))}/
{IP(ζ( d=1.259±0.005Å)−IB(ζ(
d=1.259±0.005Å)}
【0022】
【数9】 R1 ≡1−IB ( d=1.598±0.00
5Å)/IP ( d=1.598±0.005Å)
【0023】
【数10】R2 ≡1−IB ( d=1.311±0.00
5Å)/IP ( d=1.311±0.005Å)
【0024】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る合金化亜鉛め
っき層の合金化度測定方法の実施例及び比較例を図面に
基づいて説明する。合金化亜鉛めっき層の合金化度を求
めるのに先立ち、まず検量線作成用試料を用いて検量線
を作成した。検量線作成用試料としては、合金化度7〜
14%、めっき付着量30〜80g/m2 (片面)の検
量線作成用試料としては、溶融亜鉛めっき鋼板を400
〜500℃の塩浴中で種々の時間熱処理したもの130
点を用いた。またX線回折装置として図1に示した平行
ビーム光学系のX線回折装置を用い、表1に示した条件
で結晶面間隔dがそれぞれ1.222±0.005Å、
1.259±0.005Å、1.301±0.005
Å、1.311±0.005Å、及び1.598±0.
005Åに相当する合金相の回折線強度IP 、及びBG
強度IB を測定した。そして測定された回折線強度IP
とBG強度IB とにより、数7式〜数10式で示した回
折線強度IP どうしの比R3 、R4 値、及びIP とBG
強度IB との比R1 、R2 値をそれぞれ求めた。さらに
合金化度分析の正確度σd 算出に必要となる合金化度及
びめっき付着量の化学分析値を表3に示した条件で求め
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【表3】
【0027】図2及び図3はそれぞれ、上記化学分析に
より求めた合金化度と上記操作により得られたR3 値及
びR4 値との関係を示したグラフであり、めっき付着量
が片面で30〜50g/m2 、50〜80g/m2 の場
合をそれぞれ…□…、―+―で示している。図2及び図
3から明らかなように、この測定方法によれば適用合金
化度域は7〜14%と広いことがわかる。また図2で示
しためっき付着量…□…、―+―における正確度σd
算出したところ、それぞれ0.39%、0.29%であ
り、図3で示しためっき付着量…□…、―+―における
正確度σd はそれぞれ0.49%、0.47%であった
ことから、R3 値、R4 値のいずれを用いた場合でも、
めっき付着量毎に検量線を使い分けることにより正確度
σd は0.3〜0.5%程度と従来に比べて良好な値と
なることがわかる。従って結晶面間隔dがそれぞれ1.
222±0.005Å、1.259±0.005Å、及
び1.301±0.005Åに相当する合金相の回折線
強度IP 及びBG強度IBを測定し、R3 値、R4 値を
算出することにより、適用合金化度域が広く、合金化度
との相関性が良好な検量線を得ることができる。
【0028】図4及び図5はそれぞれ、上記化学分析に
より求めた合金化度と上記操作により得られたR1 値及
びR2 値との関係を示したグラフであり、めっき付着量
が片面で30〜50g/m2 、50〜80g/m2 の場
合をそれぞれ…□…、―+―で示している。図4及び図
5から明らかなように、この測定方法によれば適用合金
化度域は7〜14%と広いことがわかる。また図4で示
しためっき付着量…□…、―+―における正確度σd
算出したところ、それぞれ0.50%、0.53%であ
り、図5で示しためっき付着量…□…、―+―における
正確度σd はそれぞれ0.54%、0.51%であった
ことから、R1 値、R2 値のいずれを用いた場合でも、
めっき付着量毎に検量線を使い分けることにより正確度
σd は0.5%程度と従来に比べて良好な値となること
がわかる。従って結晶面間隔dがそれぞれ1.598±
0.005Å、1.311±0.005Åに相当する合
金相の回折線強度IP 及びBG強度IB を測定し、R1
値、R2 値を算出することにより、適用合金化度域が広
く、合金化度との相関性が良好な検量線を得ることがで
きる。
【0029】次に、従来方法を用いた場合の合金化度適
用範囲及び正確度σd を調べた結果について説明する。
なお、このときの各合金相の回折線強度IP 及びBG強
度I B は、上記と同様の検量線作成用試料及びX線回折
装置を用いて表2に示した条件に従って測定し、合金化
度及びめっき付着量の化学分析値は同様に表3に示した
条件で求めた。
【0030】
【表2】
【0031】図7は化学分析により求めた合金化度と強
度比{IP(Γ) −IB(Γ)}/IB(Γ)との関係を示し
たものであり、上記と同様にめっき付着量が片面で30
〜50g/m2 、50〜80g/m2 の場合をそれぞれ
…□…、―+―で示している。図7から明らかなよう
に、この測定方法によれば適用合金化度域は7〜14%
と広いが、めっき付着量…□…、―+―における正確度
σd はそれぞれ0.64%、0.59%であり、正確度
σd 向上のためにめっき付着量毎に検量線を使い分けて
も正確度σd は0.6%程度と思わしくなかった。図8
は化学分析により求めた合金化度とΓ値との関係を示し
たものであり、適用範囲は7〜14%と広いことがわか
ったが、めっき付着量…□…、―+―における正確度σ
d はそれぞれ0.64%、0.58%であり、上記と同
様に正確度σd 向上のためにめっき付着量毎に検量線を
使い分けても、正確度σd はやはり0.6%程度と思わ
しくなかった。
【0032】図9は化学分析により求めた合金化度とζ
値との関係を示したものであり、合金化度11%以上で
はζ値による合金化度分析が困難であることを示してい
る。合金化度7〜14%でのめっき付着量…□…、―+
―における正確度σd はそれぞれ0.88%、0.78
%であり、めっき付着量毎に検量線を使い分けても、正
確度σd は0.8〜0.9%であった。
【0033】図10は化学分析により求めた合金化度と
Z値との関係を示したものである。合金化度7〜14%
でのめっき付着量…□…、―+―における正確度σd
は、それぞれ0.93%、0.76%であり、めっき付
着量毎に検量線を使い分けても正確度σd は0.8〜
0.9%であった。
【0034】以上の結果からもR3 、R4 、R1 及びR
2 値を用いることは、適用合金化度域が広く、合金化度
との相関が良好な検量線を得る上で有効であることがわ
かる。次に、実試料の合金化度測定における正確度σd
を調べた結果について説明する。実試料として合金化度
4〜15%、めっき付着量が片面で30〜50g/m
2 、50〜80g/m2 の試料を、めっき付着量毎に6
5点、計130点用い、従来方法及び上記実施例方法に
よるめっき付着量毎の正確度σd を調べた。その結果を
表4に示す。表4から明らかなように、R3 値、R4
値、R1 値及びR2値を用いた本実施例の方法における
正確度σd は、0.3〜0.5%程度であり、従来より
良好な値が得られた。なお、正確度σd を求める際のX
線分析値として、図2〜図5及び図7〜図10から得ら
れた検量線(4次関数)より読み取った値を用いた。
【0035】
【表4】
【0036】以上のことから明らかなように、上記実施
例によれば結晶面間隔dが1.222±0.005Å、
1.259±0.005Å、1.301±0.005
Å、1.311±0.005Å、及び1.598±0.
005Åに相当する合金相の回折線強度から合金化度と
相関の良い検量線を作成することができるので、合金化
亜鉛めっき層の合金化度を実用的な合金化度域で正確に
測定することができる。本発明に係る測定方法は、合金
化亜鉛めっき鋼板の製造時に必要なオンライン分析への
適用が可能である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る合金化
亜鉛めっき層の合金化度測定方法は、鋼板に亜鉛めっき
した後合金化処理しためっき層に、X線を照射して前記
めっき層の合金化度を測定する場合において、前記めっ
き層中の合金相のうち結晶面間隔が1.222±0.0
05Å及び1.259±0.005Åに相当する特定の
合金相の回折線強度の比、又は1.301±0.005
Å及び1.259±0.005Åに相当する特定の合金
相の回折線強度の比を用いて合金化度を算出することに
より、実用的な合金化度域において、非常に良好な正確
度σd でめっき層の合金化度を測定することができる。
【0038】また本発明に係る合金化亜鉛めっき層の合
金化度測定方法は、前記めっき層中の合金相のうち結晶
面間隔が1.598±0.005Å又は1.311±
0.005Åに相当する合金相の回折線強度と、BG強
度との比を用いて合金化度を算出することにより、実用
的な合金化度域において、良好な正確度σd でめっき層
の合金化度を測定することができる。
【0039】従って、本発明に係る合金化亜鉛めっき層
の合金化度測定方法は、合金化亜鉛めっき鋼板の製造時
に必要なオンライン分析への適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る合金化亜鉛めっき層の合金化度測
定方法を実施するために用いられる平行ビーム光学系X
線回折装置を概略的に示した構成図である。
【図2】化学分析により求めた合金化度とR3 値との関
係を示したグラフである。
【図3】化学分析により求めた合金化度とR4 値との関
係を示したグラフである。
【図4】化学分析により求めた合金化度とR1 値との関
係を示したグラフである。
【図5】化学分析により求めた合金化度とR2 値との関
係を示したグラフである。
【図6】めっき層中の各合金層の体積分率と合金化度と
の関係を示したグラフである。
【図7】化学分析により求めた合金化度と強度比{I
P(Γ) −IB(Γ)}/IB(Γ)との関係を示したグラフ
である。
【図8】化学分析により求めた合金化度とΓ値との関係
を示したグラフである。
【図9】化学分析により求めた合金化度とζ値との関係
を示したグラフである。
【図10】化学分析により求めた合金化度とZ値との関
係を示したグラフである。
【符号の説明】
11 合金化亜鉛めっき鋼板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板に亜鉛めっきした後合金化処理した
    めっき層に、X線を照射して前記めっき層の合金化度を
    測定する方法において、前記めっき層中の合金相のうち
    結晶面間隔が1.222±0.005Å及び1.259
    ±0.005Åに相当する特定の合金相の回折線強度の
    比、又は1.301±0.005Å及び1.259±
    0.005Åに相当する特定の合金相の回折線強度の比
    を用いて合金化度を算出することを特徴とする合金化亜
    鉛めっき層の合金化度測定方法。
  2. 【請求項2】 鋼板に亜鉛めっきした後合金化処理した
    めっき層に、X線を照射して前記めっき層の合金化度を
    測定する方法において、前記めっき層中の合金相のうち
    結晶面間隔が1.598±0.005Å又は1.311
    ±0.005Åに相当する合金相の回折線強度と、バッ
    クグランド強度との比を用いて合金化度を算出すること
    を特徴とする合金化亜鉛めっき層の合金化度測定方法。
JP3104451A 1991-02-08 1991-05-09 合金化亜鉛めっき層の合金化度測定方法 Expired - Lifetime JP2707865B2 (ja)

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