JP5900118B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ステアリングホイールの動きを操舵輪である前輪に伝達して、この前輪に所定の舵角を付与するステアリング装置の改良に関する。具体的には、ステアリングコラムからステアリングシャフトが後方に抜け出る事を防止して、ステアリングロック装置による盗難防止機能を向上させられると共に、衝突事故発生後も、最低限の操舵機能を確保し易い構造を実現するものである。
ステアリング装置は、例えば図15に示す様に構成している。後端部にステアリングホイール1を固定したステアリングシャフト2は、筒状のステアリングコラム3の内側に、回転自在に支持している。又、このステアリングコラム3の中間部は、支持ブラケット4に支持している。この支持ブラケット4は、図示しない車体に対し、衝突事故に伴う二次衝突により、前方に離脱可能に支持する。前記ステアリングコラム3の前端部は、例えば電動式パワーステアリング装置用のギヤボックス5に結合固定する。又、このギヤボックス5は前記車体に対し、取付孔6を挿通した横軸を中心とする揺動変位を可能に支持して、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節可能なチルト機構を構成する。更に、図15に示したステアリング装置は、このチルト機構に加えて、前記ステアリングホイール1の前後位置を調節する為のテレスコピック機構も組み込んでいる。
このテレスコピック機構を構成する為に、前記ステアリングコラム3を、インナコラム7とアウタコラム8とをテレスコピック状に組み合わせたものとしている。即ち、このインナコラム7の後部を、前記アウタコラム8の前部に内嵌している。又、このアウタコラム8の前半下端部分に、図16に示す様に、軸方向のスリット9を設けている。又、このスリット9を左右両側から挟む部分に、1対の被挟持ブラケット部10、10を設けている。又、これら両被挟持ブラケット部10、10の互いに整合する部分に、それぞれ前記アウタコラム8の軸方向に長い前後方向長孔11、11を形成している。更に、前記ステアリングシャフト2を、アウタシャフトとインナシャフトとを、スプライン係合等によりトルク伝達を可能に、且つ伸縮を可能に組み合わせたものとしている。一方、前記支持ブラケット4を構成し、前記両被挟持ブラケット部10、10を左右両側から挟持する、互いに平行な1対の支持板部12、12に、前記横軸を中心とする部分円弧状の、上下方向長孔13、13を形成している。
そして、前記両前後方向長孔11、11の一部と、これら両上下方向長孔13、13の一部とを整合させた状態で、これら各長孔11、13に調節ロッド14を挿通して、この調節ロッド14の頭部15を、一方(図16の右側)の支持板部12に形成した上下方向長孔13に、この上下方向長孔13に沿った移動のみ可能に係合させている。又、前記調節ロッド14の先端部(図16の左端部)に螺着したナット16と他方(図16の左側)の支持板部12の外側面との間に、それぞれが前記調節ロッド14に緩く外嵌した駆動側カム17と被駆動側カム18とから成る、カム装置19を設けている。このうちの被駆動側カム18は、前記他方の支持板部12に形成した上下方向長孔13に、この上下方向長孔13に沿った移動のみ可能に係合させる。更に、前記駆動側カム17に、調節レバー20の基端部を結合固定して、この駆動カム17を、前記調節ロッド14の周囲で回転駆動可能としている。
上述の様なチルト機構及びテレスコピック機構を備えたステアリング装置では、前記調節ロッド14が前記両上下方向長孔13、13内で変位できる範囲で、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節できる。同じく、前記両前後方向長孔11、11内で変位できる範囲で、前後位置を調節できる。この調節作業時には、前記調節レバー20を下方に揺動変位させて、前記カム装置19の軸方向寸法を縮める。この状態では、前記両支持板部12、12の内側面と前記両被支持ブラケット部10、10の外側面との当接部の面圧が低下乃至は喪失し、前記調節作業を軽い力で行える。前記ステアリングホイール1を所望位置に移動させた後、前記調節レバー20を上方に揺動変位させて、前記カム装置19の軸方向寸法を拡げれば、前記各当接部の面圧が高くなり、前記ステアリングホイール1を、調節後の位置に保持できる。
又、上述の様なステアリング装置には、盗難防止を目的として一般的に、例えば特許文献1に記載される等により広く知られている、ステアリングロック装置が組み込まれる。例えば図15に示したステアリング装置にステアリングロック装置を組み込むには、前記アウタコラム8の中間部後寄り部分に形成した取付孔21に、キーロックピンを備えたシリンダを組み付ける。又、前記ステアリングシャフト2の中間部で軸方向に関する位相が前記取付孔21と一致する部分に、キーロックカラー22(本発明の実施の形態を示す、例えば図1参照)を組み付ける。この様なステアリングロック装置は、イグニッションスイッチをOFFした状態で作動し、前記キーロックピンと前記キーロックカラー22とを係合させて、前記アウタコラム8内での前記ステアリングシャフト2の回転を阻止する。
この様なステアリングロック装置による盗難防止を図る為には、前記ステアリングコラム3(アウタコラム8)の側に前記キーロックピンが支持されており、前記ステアリングシャフト2の側に前記キーロックカラー22が固定されている事が必要である。但し、従来構造の場合には、前記調節ロッド14を抜き取ると、前記ステアリングシャフト2のうちで前記キーロックカラー22を固定した部分を取り外せる。この点に就いて、図15〜16に、後述する本発明の実施の形態を示す図1を加えて説明する。
前記テレスコピック機構を備えたステアリング装置を構成する場合、前述した様に、前記ステアリングシャフト2を伸縮可能な構造とする。この為に、前記図1に示す様に、このステアリングシャフト2として、前側に配置した円杆状のインナシャフト23の後端部と、後側に配置した円管状のアウタシャフト24の前端部とを、スプライン係合等の非円形嵌合により、トルクの伝達を可能に、且つ、伸縮を可能に組み合わせたテレスコピック式のものを使用する。又、前記アウタシャフト24の中間部後端寄り部分をアウタコラム8の後端部に、単列深溝型玉軸受の如く、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承する転がり軸受25により、回転のみ自在に支持する。前記ステアリングホイール1の前後位置調節時には、前記ステアリングシャフト2を伸縮させつつ、前記アウタコラム8を、前記アウタシャフト24と共に前後方向に移動させる。
ところで、前記ステアリングコラム3を構成するアウタコラム8は前記支持ブラケット4に対し、前記調節ロッド14のみを介して支持されている。従って、この調節ロッド14を抜き取ると、前記アウタコラム8及びこのアウタコラム8の内径側に支持された前記アウタシャフト24を、前記支持ブラケット4から取り外せる様になる。そして、これらアウタコラム8及びアウタシャフト24を前記支持ブラケット4から取り外した後、代りに、キーロックカラーを設けていないアウタシャフトをその内径側に支持したアウタコラムを組み込むと、前記ステアリングロック装置による盗難防止機能が喪失してしまう。近年に於ける、組織化された自動車窃盗団に対処する為には、この様な手段による盗難にも対応する必要が生じている。
尚、特許文献2には、インナコラムに形成した前後方向長孔と、アウタコラムに径方向外側から螺着したねじの先端部を係合させて、このアウタコラムに対する前記インナコラムの軸方向変位量を規制する、テレスコピック機構を備えたステアリング装置の構造が記載されている。但し、前記特許文献2に記載された発明の構造は、前記ねじを外す事により、ステアリングシャフトの一部でキーロックカラーを固定した部分を後方に抜き取る事が可能であり、確実な盗難防止効果を得る事は難しい。又、前記インナコラムに前後方向に長い長孔を形成する事に伴って、このインナコラムの真円度が低下し、このインナコラムと前記アウタコラムとの嵌合部の摺動特性が悪化し易い。又、このアウタコラムの外周面に前記ねじの頭部が突出する等、抜け止め防止機構の設置スペースが嵩み易く、例えば、チルト機構を組み込む為の設計の自由度が損なわれる。更に、前記アウタコラムに対する前記インナコラム(に支持された前記ステアリングシャフト)の軸方向変位量が、前記長孔の長さにより制限される。この為、二次衝突時に於ける、ステアリングホイールの前方への変位量(コラプスストローク)を確保する面から不利になる。
又、衝突事故の際には、車両が他の自動車等に衝突する一時衝突に続いて、運転者の身体がステアリングホイール1に衝突する二次衝突が発生する。この二次衝突に伴って運転者の身体に加わる衝撃を緩和する為、前記支持ブラケット4を車体に対し、前記二次衝突に伴って加わる衝撃荷重により前方への変位を可能に支持している。この為、二次衝突後には、前記車体に対する前記支持ブラケット4の支持力が喪失する。そして、この状態でステアリングホイール1を後方に引っ張ると、このステアリングホイール1をその後端部に支持固定したアウタシャフト24を、アウタコラム8ごと、後方に抜き取れる。この結果、このアウタシャフト24の前端部と前記インナシャフト23の後端部との係合が外れ、前記ステアリングホイール1による操舵が不能になる。衝突事故の程度によっては、このステアリングホイール1の操作により前輪に舵角を付与しつつ、事故車両を路肩に移動させる事がある。従って、上述の様に、前記車体に対する前記支持ブラケット4の支持力が喪失した状態で、前記アウタシャフト24の前端部と前記インナシャフト23の後端部との係合が外れ易くなる事は好ましくない。
特開2008−265646号公報 特開2010−208588号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、ステアリングコラムの内部に組み込める機構のみで、このステアリングコラムからステアリングシャフトが抜け出る事を防止できて、優れた盗難防止効果を発揮できると共に、衝突事故発生後も、最低限の操舵機能を確保し易く、しかも、設計の自由度を十分に確保できる構造を低コストで実現すべく発明したものである。
本発明のステアリング装置は、ステアリングコラムと、ステアリングシャフトとを備える。
このうちのステアリングコラムは、車体に支持されるもので、筒状である。
又、前記ステアリングシャフトは、前記ステアリングコラムの内径側に回転自在に支持されて、このステアリングコラムの後端開口部よりも後方に突出した後端部にステアリングホイールを支持固定する。
特に、本発明のステアリング装置に於いては、シャフト側止め輪と、コラム側止め輪とを備える。
このうちのシャフト側止め輪は、前記ステアリングシャフトの一部外周面に、このステアリングシャフトの軸方向に関して少なくとも前方への変位を阻止された状態で支持されている。
又、前記コラム側止め輪は、前記ステアリングコラムの一部内周面に、このステアリングコラムの軸方向に関して少なくとも後方への変位を阻止された状態で支持されたもので、前記シャフト側止め輪の外径よりも小さな内径を有する。
そして、前記シャフト側止め輪の後側面と前記コラム側止め輪の前側面との係合に基いて、前記ステアリングシャフトが前記ステアリングコラムから後方に抜け出る事を阻止する。
上述の様な本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記シャフト側止め輪を支持した部分よりも後方部分で前記ステアリングシャフトの外周面に、ステアリングロック装置を構成する、前記コラム側止め輪の内径よりも大きな外径を有するキーロックカラーを支持固定する。そして、このコラム側止め輪を前記ステアリングコラムの内周面に、前方への変位を可能に支持する。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記ステアリングコラムを、前側のインナコラムの後端部と後側のアウタコラムの前端部とを、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で、全長を伸縮可能としたテレスコピックステアリングコラムとする。又、前記ステアリングシャフトを、前側のインナシャフトの後端部と後側のアウタシャフトの前端部とを、トルクの伝達を可能に、且つ、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で、全長を伸縮可能としたテレスコピックステアリングシャフトとする。そして、前記シャフト側止め輪を前記アウタシャフトの外周面に、前記コラム側止め輪を前記インナコラムの内周面に、それぞれ支持する。
上述の様な本発明を実施する場合に、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記コラム側止め輪を、弾性を有する金属板から成り、円輪状の基部と、この基部の外周縁から、径方向外方に向かう程後方に向かう方向に傾斜した状態で設けられた傾斜係止部とを備えたものとする。又、前記ステアリングコラムの内周面に、前方に向いた段差面を設ける。そして、前記傾斜係止部の先端縁とこの段差面とを係合させる事により、前記ステアリングコラムの内径側に前記コラム側止め輪を支持する。尚、前記コラム側止め輪は、例えば、金属板を曲げ形成する事により造る事ができる。
或いは、請求項5に記載した発明の様に、前記コラム側止め輪を、弾性材製で周方向1箇所に切れ目を設け、外径を大きくする方向の弾力を有する欠円環状とする。又、前記ステアリングコラムの内周面に、前方に向いた段差面を設け、前記コラム側止め輪の後側面の外径寄り部分とこの段差面とを係合させる事により、前記ステアリングコラムの内径側に前記コラム側止め輪を支持する。
又、請求項3を引用した請求項4〜5に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項8に記載した発明の様に、前記インナコラムの後端部内周面にコラム側凹溝を、全周に亙って設ける。そして、前記段差面を、このコラム側凹溝の後側内側面とする。
又、前記請求項3を引用した、前記請求項4〜5のうちの何れか1項に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記インナコラムの後端部内周面に内向フランジ状の鍔部を設ける。そして、前記段差面を、この鍔部の前側面とする。
或いは、請求項7に記載した発明の様に、前記インナコラムの後端部に、それぞれこのインナコラムの後端縁に達する状態で形成された複数の切れ目同士の間部分を径方向内方に折り曲げる事により円周方向複数箇所に形成された突片を備える。そして、これら各突片の前側面を、前記段差面とする。別の言い方をすれば、前記インナコラムの後端部の円周方向複数箇所に、径方向内方に突出した状態で形成された突片を備えており、これら各突片の前側面が前記段差面である構成を採用できる。

又、前記請求項2を引用した前記請求項5、又は、前記請求項2及び前記請求項3を引用した請求項5に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項9に記載した発明の様に、前記ステアリングコラムの後端部内周面にコラム側凹溝を、全周に亙って設ける。そして、前記段差面を、このコラム側凹溝の後側内側面とする。更に、このコラム側凹溝の前側内側面を、径方向内側に向かう程前方に向かう方向に傾斜した傾斜面とする。
又、前記請求項2、又は、この請求項2を引用した前記請求項3〜9のうちの何れか1項に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項10に記載した発明の様に、前記コラム側止め輪の外周縁と前記ステアリングコラムの内周面との擦れ合い部に潤滑剤を介在させる。そして、二次衝突時に於ける、このステアリングコラムに対する前記コラム側止め輪の前方への変位に要する荷重を低減する。
又、本発明を実施する場合に、例えば請求項11に記載した発明の様に、前記シャフト側止め輪を、弾性材製で周方向1箇所に切れ目を設け、内径を小さくする方向の弾力を有する欠円環状とする。又、前記ステアリングシャフトの外周面にシャフト側凹溝を、全周に亙り設ける。そして、このシャフト側凹溝に前記シャフト側止め輪の内径側部分を、このシャフト側止め輪の弾性により係止する。
或いは、請求項12に記載した発明の様に、前記シャフト側止め輪を円環状とし、このシャフト側止め輪を前記ステアリングシャフトの外周面に、締り嵌めで外嵌固定する。
或いは、請求項13記載した発明の様に、前記シャフト側止め輪を円環状とし、このシャフト側止め輪を前記ステアリングシャフトの外周面に、溶接固定する。
上述の様に構成する本発明のステアリング装置によれば、ステアリングコラムの内部に組み込める機構のみで、このステアリングコラムからステアリングシャフトが抜け出る事を防止できる。そして、優れた盗難防止効果を発揮できると共に、衝突事故発生後も、最低限の操舵機能を確保し易く、しかも、設計の自由度を十分に確保できる構造を低コストで実現できる。
即ち、ステアリングコラムからのステアリングシャフトの抜け止めを図る、コラム側、シャフト側両止め輪は、このステアリングコラムの内側に設けられており、外部からはこれら両止め輪の係合を外せない。従って、このステアリングコラムのうちで、前記コラム側止め輪を支持している部分を、ステアリング装置の機能を維持したままの状態では取り外せない様にすれば、前述した従来構造で可能なキーロック装置の解除が不能になり、盗難防止効果を向上させられる。又、二次衝突後に車体に対する支持ブラケットの支持力が喪失しても、ステアリングホイールをその後端部に支持固定したステアリングシャフトを、ステアリングコラムごと、後方に抜き取る事はできない。従って、このステアリングシャフトの抜け止めを図る事で、事故車両を路肩に寄せる為等、最低限の操舵機能を確保し易い。
又、前記両止め輪は、前記ステアリングコラムの内側に収納されて、このステアリングコラムの外周面から突出する事がないので、前記両止め輪を設ける事で設計の自由度が損なわれる事はない。
更に、前記両止め輪を前記ステアリングコラムや前記ステアリングシャフトに支持する構造は簡単に構成でき、前記両止め輪を支持する事で、これらステアリングコラムやステアリングシャフトが変形する事もないので、この変形を修正する作業も不要である。この為、製造コストを低く抑えられる。
又、請求項2に記載した発明によれば、ステアリングロック装置を設けた構造で、二次衝突時に前記コラム側止め輪を前方に変位させる事により、このコラム側止め輪がステアリングホイールの前方への変位を妨げる事を防止して、運転者の保護充実を図れる。特に、請求項10に記載した発明によれば、前記コラム側止め輪の前方への変位をより円滑に行わせて、運転者の保護充実の面からより一層有利になる。
本発明の実施の形態の第1例を、通常状態で示す要部断面図。 図1のイ部拡大図。 図2のロ部拡大図。 コラム側止め輪を示す、斜視図(A)と、軸方向後側から見た正投影図(B)と、(B)のハ−ハ断面図(C)。 アウタコラム及びアウタシャフトを、引き抜き方向である後方に変位させた状態を示す、図1と同様の図。 二次衝突に伴って、アウタコラム及びアウタシャフトが前方に変位した状態を示す、図1と同様の図。 コラム側止め輪の外周縁部の好ましい形状の2例を示す部分拡大断面図。 シャフト側止め輪の6例を、シャフト側止め輪単体で軸方向から見た状態で示す正投影図(A)〜(E)、アウタシャフトに外嵌固定した状態で軸方向から見た状態で示す正投影図(F)及び(F)のニ−ニ断面図(G)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 コラム側止め輪を係止するインナコラムの後端部の第1例を示す断面図(A)と、(A)の右上部拡大図(B)。 同第2例を示す、後方から見た端面図(A)、及び、コラム側止め輪を組み付けた状態で示す、(A)の拡大ホ−ホ断面図(B)。 同第3例を示す断面図(A)と、(A)の右上部拡大図(B)。 同第4例を示す断面図(A)と、(A)の右上部拡大図(B)。 コラム側止め輪の1例を、軸方向から見た状態で示す正投影図。 本発明の対象となるステアリング装置の1例を示す縦断側面図。 図15のヘ−ヘ断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜8は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のステアリング装置は、ステアリングコラム3と、ステアリングシャフト2とを備える。
このうちのステアリングコラム3は、それぞれが円筒状である、前側のインナコラム7の後端部と後側のアウタコラム8の前端部とを、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で、全長を伸縮可能としたテレスコピックステアリングコラムである。この様なステアリングコラム3は、前述の図16に示す様に、前記アウタコラム8の外周面に設けた被挟持ブラケット10、10を挿通した調節ロッド14により、車体に支持した支持ブラケット4に支持する。この状態で前記アウタコラム8が車体に対し、前後方向及び軸方向に関する位置調節を可能に、且つ、二次衝突時に前方への脱落を可能に支持される。
又、前記ステアリングシャフト2は、前記ステアリングコラム3の内径側に回転自在に支持されて、このステアリングコラム3の後端開口部よりも後方に突出した後端部にステアリングホイール1(図15参照)を支持固定する。本例の場合には、前記ステアリングシャフト2を、全長を伸縮可能としたテレスコピックステアリングシャフトとしている。この為に、前側のインナシャフト23の後端部外周面に設けた雄スプライン部と、後側のアウタシャフト24の前端部内周面に設けた雌スプライン部とをスプライン係合させて、このアウタシャフト24と前記インナシャフト23とを、トルクの伝達を可能に、且つ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。
以上の構成に就いては、一般的なステアリング装置と同様である。
特に、本例のステアリング装置に於いては、前記インナコラム7の内周面後端部にコラム側止め輪26を、このインナコラム7に対する後方への変位を阻止すると共に、前方への変位を許容する状態で支持している。又、前記アウタシャフト24の外周面の中間部前端寄り部分にシャフト側止め輪27を、このアウタシャフト24に対する軸方向の変位を阻止した状態で支持している。このシャフト側止め輪27の外径は、前記コラム側止め輪26の内径よりも大きく、このシャフト側止め輪27がこのコラム側止め輪26の内径側を通過する事はない。ステアリング装置を組み立てた状態で、前記シャフト側止め輪27は前記コラム側止め輪26よりも前側に存在する。従って、ステアリング装置の組立状態では、前記シャフト側止め輪27の後側面の外径寄り部分と前記コラム側止め輪26の前側面内径寄り部分との係合に基いて、前記アウタシャフト24が前記アウタコラム8から後方に抜け出る事を阻止する。
本例の場合、前記コラム側止め輪26は、ステンレスのばね鋼板の如き、弾性及び耐食性を有する金属板を曲げ形成したもので、基部28と傾斜係止部29とを備える。このうちの基部28はほぼ平坦な円輪状で、この基部28の内径は、前記アウタシャフト24の外径よりも大きく、前記シャフト側止め輪27の外径よりも小さい。又、前記基部28の外径は、前記インナコラム7の内径よりも小さい。更に、前記傾斜係止部29は、前記基部28の外周縁から、径方向外方に向かう程後方に向かう方向に傾斜した状態で設けられている。本例の場合には、前記傾斜係止部29を、周方向に関して等間隔で配置した、複数の弾性傾斜板部30、30により構成している。これら各弾性傾斜板部30、30の自由状態での外接円の直径は、前記インナコラム7の内径よりも大きく、更に、このインナコラム7の内周面に形成した、次述するコラム側凹溝31の溝底部の直径よりも大きくしている。尚、図示は省略するが、前記傾斜係止部29を、全周に亙って連続する、部分円すい筒状とする事もできる。
上述の様なコラム側止め輪26を支持する為に、前記インナコラム7の後端部内周面にコラム側凹溝31を、全周に亙って設けている。本例の場合にはこのコラム側凹溝31を、円筒面状の底面32と、この底面32の前後両端から径方向内方に向け直角に折れ曲がった前後1対の内側面33a、33bとから成る、矩形溝としている。そして、このうちの後側の内側面33bを、前記コラム側止め輪26を構成する傾斜係止部29の先端縁を突き当てる為の段差面としている。
前記コラム側止め輪26は前記インナコラム7の後端開口から押し込む事により、このインナコラム7の内周面の後端寄り部分に、後方への移動を阻止し、且つ、前方への移動を許容する状態で支持する。即ち、前記コラム側止め輪26を前記インナコラム7内に、前記基部28を前側に位置させた状態で、このインナコラム7の後端開口から押し込む。この押し込み作業に伴って前記コラム側止め輪26の傾斜係止部29が、前記各弾性傾斜板部30、30を径方向内方に弾性変形させつつ、前記インナコラム29内に押し込まれる。そして、これら各弾性傾斜板部30、30が、このインナコラム29の内周面に形成した前記コラム側凹溝31に整合すると、これら各弾性傾斜板部30、30が弾性的に復元(径方向外方に変位)する。この状態では、これら各弾性傾斜板部30、30の先端縁と、前記コラム側凹溝31の後側の内側面33bとの係合に基き、前記コラム側止め輪26が前記インナコラム7に対し、後方に変位する事はなくなる。
一方、前記アウタシャフト24の外周面のうちで、前記コラム側止め輪26を前後両側から挟む位置に、シャフト側止め輪27とキーロックカラー22とを支持固定している。
このうちのキーロックカラー22は、ステアリングロック装置を構成する為のもので、前記アウタシャフト24と同じ材質(鋼材)により造られており、前記コラム側止め輪26の内径よりも大きな外径を有する。この様なキーロックカラー22は、このコラム側止め輪26よりも後方に位置する、前記アウタシャフト24の外周面の軸方向中間部に、締り嵌め或いは溶接により、固定されている。
又、前記シャフト側止め輪27は、前記アウタシャフト24の外周面のうちで、前記コラム側止め輪26よりも前寄り部分に、軸方向の変位を阻止した状態で係止している。前記シャフト側止め輪27は、前記アウタシャフト24に対し軸方向の変位を阻止した状態で係止若しくは固定できれば良く、従来から広く知られている各種構造を採用できる。
例えば、前記シャフト側止め輪27を、前記アウタシャフト24の外周面に形成したシャフト側凹溝34に係止する場合には、このシャフト側凹溝34を矩形溝とし、前記シャフト側止め輪27として、図8の(A)〜(D)に示したものの何れかを採用できる。
このうち、図8の(A)〜(B)に示したシャフト側止め輪27は、所謂Cリングと呼ばれる欠円環状のものである。この様なシャフト側止め輪27を前記アウタシャフト24に係止するには、内径を弾性的に拡げつつこのアウタシャフト24に外嵌してから前記シャフト側凹溝34に向けて移動させる。そして、このシャフト側凹溝34と整合した状態で内径を弾性的に縮め、前記シャフト側止め輪27の内径寄り部分とこのシャフト側凹溝34とを係合させる。尚、図8の(A)に示したシャフト側止め輪27が単なる欠円環状であるのに対して、(B)に示したものは、拡径用の治具の先端部を係止する為の係止孔を、周方向両端部に設けている。
又、図8の(C)に示したシャフト側止め輪27は、所謂Eリングと呼ばれるもので、弾性を有する金属板を打ち抜き成形して成り、内周縁の周方向3箇所位置に凸部を有する。これら各凸部のうちで、周方向両端の開口部を挟む位置に形成した1対の凸部の先端縁同士の自由状態での間隔を、前記シャフト側凹溝34の溝底径よりも少しだけ小さくしている。この様な図8の(C)に示したシャフト側止め輪27を前記アウタシャフト24に係止するには、このシャフト側止め輪27の開口部を前記シャフト側凹溝34に整合させた状態で、このシャフト用止め輪27を前記アウタシャフト24に、径方向に押し付ける。この押し付け作業に伴って、このアウタシャフト24のうちで前記シャフト側凹溝34の溝底部分が、前記3箇所位置の凸部の内側に入り込む。そして、入り込んだ後は、前記開口部を挟む1対の凸部の先端縁同士の間隔が縮まり、前記シャフト用止め輪27から前記アウタシャフト24が脱落する事はなくなる。又、前記各凸部と前記シャフト側凹溝34の内側面との係合に基いて、前記シャフト用止め輪27が前記アウタシャフト24に対し軸方向に変位する事を阻止できる。
又、図8の(D)に示したシャフト側止め輪27は、弾性を有する金属製の線材を曲げ形成して成る、所謂ワイヤリングと呼ばれるもので、全体を欠円環状とすると共に、周方向両端部に拡径用の治具の先端部を係止する為の係止孔を設けている。この様な図8の(D)に示したシャフト側止め輪27も、前述の図8の(A)(B)に示したシャフト側止め輪27と同様にして、前記アウタシャフト24の中間部前端寄り部分に係止する。
又、図8の(E)にシャフト側止め輪27は、弾性を有する金属板に打ち抜き成形及び曲げ成形を施して成る、所謂プッシュナットと呼ばれるもので、全体を円環状とすると共に、内径側部分に複数の弾性片を、軸方向に関して同じ方向に傾斜した状態で設けている。この様な図8の(E)に示したシャフト側止め輪27は、前記各弾性片の突出方向を前側にした状態で前記アウタシャフト24の中間部前端寄り部分に、このアウタシャフト24の前端側から圧入する。圧入後に、前記シャフト側止め輪27に前方に向いた力が加わる状態では、前記各弾性片の先端縁がこのアウタシャフト24の外周面に食い込み、前記シャフト側止め輪27がこのアウタシャフト24に対し前方に変位する事を阻止する。尚、この阻止力を増大させる為、このアウタシャフト24の外周面で前記各弾性片の先端縁が当接する部分に、このアウタシャフト24の強度を低下させない程度の、罫書き線程度の微細溝を形成する事もできる。
更に、図8の(F)(G)に示したシャフト側止め輪27は、前記アウタシャフト24と同材質(鋼材)により全体を円環状としたもので、このアウタシャフト24の外周面の中間部前端寄り部分に、締り嵌めで外嵌固定するか、或いは溶接固定する。
上述の様に構成する本例のステアリング装置は、次の様に作用して、前述した様な調節ロッド14(図16参照)の着脱によりステアリングロック装置の機能を喪失させる事を防止すると共に、二次衝突時に於ける運転者の運転者の保護を図れる。又、二次衝突後に車体に対する支持ブラケット4(図15〜16参照)の支持力が喪失しても、ステアリングホイール1(図15参照)をその後端部に支持固定した前記アウタシャフト24を、前記アウタコラム8ごと、後方に抜き取る事はできない。従って、このアウタシャフト24の抜け止めを図る事で、事故車両を路肩に寄せる為等、最低限の操舵機能を確保し易い。以下、これらの点に就いて説明する。
先ず、調節ロッド14を抜き取った状態では、前述した様に、支持ブラケット4に対する前記アウタコラム8の支持力が喪失する。この状態から、このアウタコラム8を後方に抜き取ろうとすると、このアウタコラム8を含む前記ステアリングコラム3、並びに、前記インナシャフト23と前記アウタシャフト24とから成る前記ステアリングシャフト2が伸張する。そして、このステアリングシャフト2の伸張に基づいて、図5に示す様に、前記コラム側止め輪26の前側面内径寄り部分と、前記シャフト側止め輪27の後側面外径寄り部分とが当接する。前述した様に、前記コラム止め輪26が前記インナコラム7に対して後方に変位する事はないし、前記シャフト側止め輪27が前記アウタシャフト24に対し前方に変位する事はない。一方、前記インナコラム7の前端部はギヤボックス5(図15参照)に結合固定されており、前記インナシャフト23の前端部がこのギヤボックス5内に支持された回転軸に結合されている。
従って、前記インナコラム7及び前記インナシャフト23が後方に変位する事はなく、仮に過大な力を付与して強引に変位させた場合には、ステアリング装置が、全体を交換しないと修理不能な程度にまで損傷する。この為、前記アウタコラム8及び前記アウタシャフト24を、前記図5の状態よりも後方に変位させる事は、実際上不可能である。この結果、前記キーロックカラー22を固定した前記アウタシャフト24を取り外した後、代りに、キーロックカラーを設けていないアウタシャフトをその内径側に支持したアウタコラムを組み込む事で、ステアリング装置を操作可能にする事は不可能になり、盗難防止効果を向上させられる。
次に、二次衝突時には、図6に示す様に、ステアリングホイール1(図15参照)と共に前記アウタシャフト24が前方に変位し、このアウタシャフト24の中間部外周面に固定した前記キーロックカラー22の前端面が、前記コラム側止め輪26の後側面内径寄り部分に当接する。このコラム側止め輪26は、前述した様に、その外周縁部に形成した傾斜係止部29と前記コラム側凹溝31との係合により前記インナコラム7の内周面に支持されており、このインナコラム7に対する後方への変位は阻止されているが、前方への変位は可能である。従って、二次衝突が、前記図6に示した状態よりも更に進行すると、前記コラム側止め輪26の傾斜係止部29が前記コラム側凹溝31から抜け出して、前記キーロックカラー22の前方への変位を許容する。この為、前記コラム側止め輪26を利用した盗難防止の為の構造を設ける事で、二次衝突時に於ける運転者保護機能を損なう事はない。しかも、二次衝突後に車体に対する前記支持ブラケット4の支持力が喪失しても、前記ステアリングホイール1をその後端部に支持固定した前記アウタシャフト24を、前記アウタコラム8ごと、後方に抜き取る事はできない。従って、このアウタシャフト24の前端部と前記インナーシャフト23の後端部とは、トルクの伝達を可能に係合したままの状態に維持される。この結果、前記ステアリングホイール1の動きを前輪に伝達する事が可能なままの状態となり、事故車両を路肩に寄せる為等、最低限の操舵機能を確保し易い。
尚、この二次衝突の進行に伴って前記インナコラム7の内周面と擦れ合う、前記傾斜係止部29の外周縁を、図7の(A)に示す様に、R面取りを施した凸曲面としたり、或いは、図7の(B)に示す様に、外周縁部を湾曲させる事もできる。この様な構造によれば、前記インナコラム7の内周面と前記傾斜係止部29の外周縁との擦れ合い抵抗を低減して、二次衝突時に運転者の身体に加わる衝撃をより緩和し易くできる。更には、前記コラム側止め輪26の外周縁と前記インナコラム7の内周面との擦れ合い部に潤滑剤を介在させれば、前記擦れ合い抵抗をより一層低減できる。尚、この潤滑剤としては、グリース、に硫化モリブデン、PTFE等の固体潤滑剤等が使用可能である。固体潤滑剤を使用する場合には、前記インナコラム7の内周面に、この固体潤滑剤のコーティング層を形成する事が考えられる。
[実施の形態の第2例]
図9〜14は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、コラム側止め輪26として、図14に示す様な、弾性を有する金属板を打ち抜き成形する事により、或いは、弾性と、必要とする強度及び剛性とを有する合成樹脂を射出成形する事により、全体を欠円環状とし、外径を拡げる方向の弾力を有するものを使用している。前記コラム側止め輪26の周方向両端部には、縮径用の治具の先端部を係止する為の係止孔を設けている。この様なコラム側止め輪26は、この治具により外径を縮めた状態でインナコラム7に内嵌し、更に、このコラム側止め輪26の後面外径寄り部分を、このインナコラム7の内周面後端部に形成した段差面に係合させる。この段差面を形成する為の構造は特に問わないが、例えば図10〜13に示す様な構造を採用できる。
先ず、図10に示した構造では、前記インナコラム7の内周面に、旋盤による中繰り加工を施して、このインナコラム7の中間部乃至前端寄り部分の内径を、後端部の内径に比べて大きくしている。そして、この内径が小さくなった後端部である、内向フランジ状の鍔部の前側面を、前記コラム側止め輪26の後面外径寄り部分を係合させる為の段差面としている。尚、前記中繰り加工により内径を大きくする範囲は、二次衝突時に前記コラム側止め輪26を移動させるべき(必要とするコラプスストロークを確保できる)範囲までとする。
次に、図11に示した構造では、前記インナコラム7の後端部に、それぞれこのインナコラム7の後端縁に達する状態で複数の切れ目を形成している。そして、これら各切れ目同士の間部分を、円周方向に関して一つ置きに径方向内方に折り曲げる事により、前記インナコラム7の後端部の円周方向複数箇所に、それぞれ突片を形成している。そして、これら各突片の前側面を前記段差面としている。
次に、図12に示した構造では、前記インナコラム7の後端部内周面にコラム側凹溝31aを、全周に亙って設けている。このコラム側凹溝31aの前後両内側面のうちの後側内側面は前記インナコラム7の中心軸に対し直角方向に形成して、この後側内側面を前記段差面としている。これに対して、前記コラム側凹溝31aの前側内側面を、径方向内側に向かう程前方に向かう方向に傾斜した傾斜面としている。
前述の様な図10〜11に示した構造により、前記段差面を構成した場合、二次衝突時に前記コラム側止め輪26の後側面の内径寄り部分にキーロックカラー22の前端面が突き当たると、このコラム側止め輪26が、そのまま前記インナコラム7に対し前方に変位する。又、上述の様な図12に示した構造により、前記段差面を構成した場合、前記コラム側止め輪26の後側面の内径寄り部分にキーロックカラー22の前端面が突き当たると、このコラム側止め輪26の直径が弾性的に縮まりつつ、このコラム側止め輪26の外径寄り部分が前記コラム側凹溝31aから抜け出る。そして、このコラム側止め輪26が、前記インナコラム7に対し前方に変位する。従って、何れの場合でも、前述した実施の形態の第1例の場合と同様に、二次衝突時に前記コラム側止め輪26が、ステアリングホイール1(図15参照)が前方に変位するのを妨げる事はない。尚、図10〜11に示した構造は勿論、図12の構造でも、一度前記コラム側止め輪26が前方に変位しても、前記コラム側止め輪26とシャフト側止め輪27とによる、ステアリングシャフト2の抜け止め機能が損なわれる事はない。例えば、図12に示した構造では、仮に前記コラム側止め輪26が前記コラム側凹溝31aから前方に抜け出ても、前記ステアリングシャフト2を引き抜き方向に変位させる事で、再度前記コラム側止め輪26が後方に変位すれば、このコラム側止め輪26と前記コラム側凹溝31aとが係合する。
更に、図13に示した構造では、前記インナコラム7の後端部内周面に、前後両内側面共にこのインナコラム7の中心軸に対し直角方向に存在するコラム側凹溝31bを、全周に亙って設けている。この様なコラム側凹溝31bに、前述の図14に示した様なコラム側止め輪26を形成した場合には、このコラム側止め輪26が前記インナコラム7に対し前後両方向に変位不能になる。従って、本例の構造は、二次衝突時に、ステアリングコラム3全体を前方に変位させる構造と組み合わせる事が適切である。
前記コラム側止め輪26の形状及びこのコラム側止め輪26を支持する為に前記インナコラム7の内周面後端部に設ける段差面の構造が異なる点以外の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングコラム
4 支持ブラケット
5 ギヤボックス
6 取付孔
7 インナコラム
8 アウタコラム
9 スリット
10 被挟持ブラケット
11 長孔
12 支持板部
13 上下方向長孔
14 調節ロッド
15 頭部
16 ナット
17 駆動側カム
18 被駆動側カム
19 カム装置
20 調節レバー
21 取付孔
22 キーロックカラー
23 インナシャフト
24 アウタシャフト
25 転がり軸受
26 コラム側止め輪
27 シャフト側止め輪
28 基部
29 傾斜係止部
30 弾性傾斜板部
31、31a、31b コラム側凹溝
32 底面
33a、33b 内側面
34 シャフト側凹溝

Claims (11)

  1. 車体に支持される筒状のステアリングコラムと、このステアリングコラムの内径側に回転自在に支持されて、このステアリングコラムの後端開口部よりも後方に突出した後端部にステアリングホイールを支持固定するステアリングシャフトとを備えたステアリング装置に於いて、このステアリングシャフトの一部外周面に、このステアリングシャフトの軸方向に関して少なくとも前方への変位を阻止された状態で支持されたシャフト側止め輪と、前記ステアリングコラムの一部内周面に、このステアリングコラムの軸方向に関して少なくとも後方への変位を阻止された状態で支持された、前記シャフト側止め輪の外径よりも小さな内径を有するコラム側止め輪とを備え、このシャフト側止め輪の後側面とこのコラム側止め輪の前側面との係合に基いて、前記ステアリングシャフトが前記ステアリングコラムから後方に抜け出る事を阻止した事を特徴とするステアリング装置。
  2. 前記シャフト側止め輪を支持した部分よりも後方部分で前記ステアリングシャフトの外周面に、ステアリングロック装置を構成する、前記コラム側止め輪の内径よりも大きな外径を有するキーロックカラーが支持固定されており、このコラム側止め輪が前記ステアリングコラムの内周面に、前方への変位を可能に支持されている、請求項1に記載したステアリング装置。
  3. 前記ステアリングコラムが、前側のインナコラムの後端部と後側のアウタコラムの前端部とを、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で、全長を伸縮可能としたテレスコピックステアリングコラムであり、前記ステアリングシャフトが、前側のインナシャフトの後端部と後側のアウタシャフトの前端部とを、トルクの伝達を可能に、且つ、軸方向の相対変位を可能に嵌合する事で、全長を伸縮可能としたテレスコピックステアリングシャフトであり、前記シャフト側止め輪を前記アウタシャフトの外周面に、前記コラム側止め輪を前記インナコラムの内周面に、それぞれ支持している、請求項1〜2のうちの何れか1項記載したステアリング装置。
  4. 前記コラム側止め輪が、弾性を有する金属板から成り、円輪状の基部と、この基部の外周縁から、径方向外方に向かう程後方に向かう方向に傾斜した状態で設けられた傾斜係止部とを備えたものであり、前記ステアリングコラムの内周面に、前方に向いた段差面が設けられていて、前記傾斜係止部の先端縁とこの段差面とを係合させる事により、前記ステアリングコラムの内径側に前記コラム側止め輪を支持している、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  5. 前記コラム側止め輪が、弾性材製で周方向1箇所に切れ目を設け、外径を大きくする方向の弾力を有する欠円環状であり、前記ステアリングコラムの内周面に、前方に向いた段差面が設けられていて、前記コラム側止め輪の後側面の外径寄り部分とこの段差面とを係合させる事により、前記ステアリングコラムの内径側に前記コラム側止め輪を支持している、請求項1〜3のうちの何れか1項記載したステアリング装置。
  6. 前記インナコラムの後端部内周面に内向フランジ状の鍔部が設けられており、前記段差面がこの鍔部の前側面である、請求項3を引用した請求項4〜5のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  7. 前記インナコラムの後端部の円周方向複数箇所に、径方向内方に突出した状態で形成された突片を備えており、これら各突片の前側面が前記段差面である、請求項3を引用した請求項4〜5のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  8. 前記インナコラムの後端部内周面にコラム側凹溝が、全周に亙って設けられており、前記段差面が、このコラム側凹溝の後側内側面である、請求項3を引用した請求項4〜5のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  9. 前記ステアリングコラムの後端部内周面にコラム側凹溝が、全周に亙って設けられており、前記段差面がこのコラム側凹溝の後側内側面であり、このコラム側凹溝の前側内側面が、径方向内側に向かう程前方に向かう方向に傾斜した傾斜面である、請求項2を引用した請求項5、又は、請求項2及び請求項3を引用した請求項5に記載したステアリング装置。
  10. 前記コラム側止め輪の外周縁と前記ステアリングコラムの内周面との擦れ合い部に潤滑剤を介在させる事により、二次衝突時に於ける、このステアリングコラムに対する前記コラム側止め輪の前方への変位に要する荷重を低減している、請求項2又はこの請求項2を引用した請求項3〜9のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  11. 前記シャフト側止め輪が、弾性材製で周方向1箇所に切れ目を設け、内径を小さくする方向の弾力を有する欠円環状であり、前記ステアリングシャフトの外周面にシャフト側凹溝が、全周に亙り設けられていて、このシャフト側凹溝に前記シャフト側止め輪の内径側部分を、このシャフト側止め輪の弾性により係止している、請求項1〜10のうちの何れか1項記載したステアリング装置。
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