JP2010208588A - ステアリングコラムのガタ防止構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに連結される部材間の連結の剛性をより高くできるとともに、振動の発生をより抑制することのできるステアリングコラムのガタ防止構造を提供すること。
【解決手段】アウターチューブ2には、インナーチューブ5が軸方向X1に摺動可能に嵌合されている。アウターチューブ2の各孔27,27には、押圧部材29およびプッシュナット31がそれぞれ収容されている。各押圧部材29,29は、各孔27,27の深さ方向R1に沿ってインナーチューブ5を押圧可能である。各プッシュナット31,31は、各孔27,27の内周面27a,27aに弾性係止され、反対方向R2への対応する押圧部材29,29の移動を規制する。板ばね41は、各押圧部材29,29をインナーチューブ5側へ弾性的に付勢する。
【選択図】図4
【解決手段】アウターチューブ2には、インナーチューブ5が軸方向X1に摺動可能に嵌合されている。アウターチューブ2の各孔27,27には、押圧部材29およびプッシュナット31がそれぞれ収容されている。各押圧部材29,29は、各孔27,27の深さ方向R1に沿ってインナーチューブ5を押圧可能である。各プッシュナット31,31は、各孔27,27の内周面27a,27aに弾性係止され、反対方向R2への対応する押圧部材29,29の移動を規制する。板ばね41は、各押圧部材29,29をインナーチューブ5側へ弾性的に付勢する。
【選択図】図4
Description
本発明は、ステアリングコラムのガタ防止構造に関する。
自動車等の車両用のステアリング装置には、ドライバーがその体格に応じて最適な運転姿勢を確保できるように、ステアリングホイールの上下方向ヘの傾動(チルト)をするためのチルト機構や、ステアリング軸方向への進退(テレスコピック)をするためのテレスコピック機構を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のテレスコピック機構は、ロア側に配置された外筒ハウジングと、外筒ハウジングに対してアッパ側に配置され、外筒ハウジングに摺動可能に嵌合された筒状の可動ジャケットとを備えている。ここで、外筒ハウジングと可動ジャケットとの間に径方向のガタがあると、ステアリングホイールを操作するドライバーに不快感を与える。具体的には、エンジン振動や悪路走行時の車体振動等によってステアリングホイールが振動し、ドライバーの操舵感覚が害されてしまう。ここで、上記ガタによる操舵フィーリングの低下を防ぐための構造が提案されている。
特許文献1のテレスコピック機構は、ロア側に配置された外筒ハウジングと、外筒ハウジングに対してアッパ側に配置され、外筒ハウジングに摺動可能に嵌合された筒状の可動ジャケットとを備えている。ここで、外筒ハウジングと可動ジャケットとの間に径方向のガタがあると、ステアリングホイールを操作するドライバーに不快感を与える。具体的には、エンジン振動や悪路走行時の車体振動等によってステアリングホイールが振動し、ドライバーの操舵感覚が害されてしまう。ここで、上記ガタによる操舵フィーリングの低下を防ぐための構造が提案されている。
具体的には、特許文献1では、外筒ハウジングを径方向に貫く貫通孔に押圧部材が嵌め入れられている。この押圧部材は、外筒ハウジングの外側に保持された板ばねによって付勢されており、可動ジャケットの外周面を弾性的に付勢している。これにより、外筒ハウジングと可動ジャケットとの間のガタつきによる操舵フィーリングの低下を防いでいる。
ところで、外筒ハウジングと可動ジャケットとの連結の剛性を高くすることが求められている。しかしながら、特許文献1の構成では、押圧部材は、可動ハウジングを弾性的に押圧しているだけである。このため、押圧部材は、外筒ハウジングと可動ジャケットとの連結の剛性を高めるのに十分に寄与しておらず、外筒ハウジングと可動ジャケットとの連結の剛性を高めるのに不十分である。
また、外筒ハウジングおよび可動ジャケットの共振周波数をより高くすること等により、外筒ハウジングおよび可動ジャケットが振動し難くすることが求められている。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、互いに連結される部材間の連結の剛性をより高くできるとともに、振動をより抑制することのできるステアリングコラムのガタ防止構造を提供することを目的とする。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、互いに連結される部材間の連結の剛性をより高くできるとともに、振動をより抑制することのできるステアリングコラムのガタ防止構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ステアリングシャフト(81)を回転可能に支持し、相対摺動可能に嵌合された、ステアリングコラム(80)のアウターチューブ(2)およびインナーチューブ(5)の間のガタを防止する、ステアリングコラムのガタ防止構造において、上記アウターチューブに形成され、上記アウターチューブの軸方向(X1)に離隔する複数の孔(27)と、各上記孔に各上記孔の深さ方向(R1)に移動可能に嵌合され、上記インナーチューブを押圧可能な押圧部材(29;51)と、各上記孔の内周面(27a)に弾性係止され、上記深さ方向とは反対方向(R2)への対応する押圧部材の移動を規制するプッシュナット(31)と、各上記押圧部材を上記インナーチューブ側へ弾性的に付勢する付勢部材(41;52)と、を備えることを特徴とする(請求項1)。
本発明によれば、付勢部材によって付勢された各押圧部材がインナーチューブを押圧することにより、インナーチューブをアウターチューブに押圧でき、両チューブ間のガタつきを防止できる。また、プッシュナットによって、孔の深さ方向とは反対方向への押圧部材の移動が規制されていることにより、インナーチューブがアウターチューブに対して上記反対方向に沿って移動することを、押圧部材によって規制できる。これにより、両チューブの連結の剛性を十分に高くできる。また、両チューブの連結の剛性を高くしていることにより、両チューブの共振周波数をより高くでき、その結果、両チューブをより振動し難くできる。
また、本発明において、各上記押圧部材は、上記深さ方向とは反対側の端面(53c)を有する押圧部材本体(53)と、上記端面から突出するボス(55)とを有し、各上記ボスの端面(55b)は、対応するプッシュナットを受ける座部(57)を含み、上記付勢部材は、各上記プッシュナットと対応する押圧部材(51)との間に介在し、上記ボスの周囲を取り囲む環状の弾性部材(52)を含む場合がある(請求項2)。
この場合、ボスの周囲の空間に弾性部材を配置することができる結果、弾性部材を配置するために必要なスペースを少なくできる。したがって、ステアリングコラムのガタ防止構造を小型にできる。
また、本発明において、各上記プッシュナットは、中心孔(40)を有する環状をなし、各上記押圧部材(29)は、対応する上記プッシュナットの中心孔から突出する突起(33)を有し、上記付勢部材は、上記アウターチューブの外周に保持され、上記押圧部材の上記突起を付勢する板ばね(41)を含む場合がある(請求項3)。
また、本発明において、各上記プッシュナットは、中心孔(40)を有する環状をなし、各上記押圧部材(29)は、対応する上記プッシュナットの中心孔から突出する突起(33)を有し、上記付勢部材は、上記アウターチューブの外周に保持され、上記押圧部材の上記突起を付勢する板ばね(41)を含む場合がある(請求項3)。
この場合、プッシュナットと突起とをアウターチューブの孔の径方向に重ねるように配置できる。したがって、ステアリングコラムのガタ防止構造を小型にできる。また、1つの板ばね部材で複数の押圧部材の突起を押圧することができるので、部品点数をより少なくできる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るガタ防止構造を備えるステアリング装置1の斜視図である。図2は、ステアリング装置1の要部の分解斜視図である。図3は、ステアリング装置1の一部断面図である。図4は、図3の要部の拡大図である。図5は、図4のV−V線に沿う断面図である。
図1は、本発明に係るガタ防止構造を備えるステアリング装置1の斜視図である。図2は、ステアリング装置1の要部の分解斜視図である。図3は、ステアリング装置1の一部断面図である。図4は、図3の要部の拡大図である。図5は、図4のV−V線に沿う断面図である。
図1および図2を参照して、本実施の形態に係るステアリング装置1は、ステアリングホイール(図示せず)の上下方向ヘの傾動(チルト)と前後方向への進退(テレスコピック)を電動によって調整可能としたものであって、以下のように構成されている。
ステアリング装置1は、ステアリングコラム80を備えている。ステアリングコラム80は、円筒状のアウターチューブ2と、円筒状のインナーチューブ5とを含んでいる。アウターチューブ2は、車体のフロアパネル(図示せず)に相対的に近いロア側に配置されており、上下のブラケット3,4を介して車体側に固定されるようになっている。インナーチューブ5は、上記フロアパネルに相対的に遠いアッパ側に配置されている。インナーチューブ5は、アウターチューブ2内に隙間をもってアウターチューブ2の径方向に弾性的に嵌合されており、アウターチューブ2の軸方向X1に相対摺動可能である。
ステアリング装置1は、ステアリングコラム80を備えている。ステアリングコラム80は、円筒状のアウターチューブ2と、円筒状のインナーチューブ5とを含んでいる。アウターチューブ2は、車体のフロアパネル(図示せず)に相対的に近いロア側に配置されており、上下のブラケット3,4を介して車体側に固定されるようになっている。インナーチューブ5は、上記フロアパネルに相対的に遠いアッパ側に配置されている。インナーチューブ5は、アウターチューブ2内に隙間をもってアウターチューブ2の径方向に弾性的に嵌合されており、アウターチューブ2の軸方向X1に相対摺動可能である。
図3を参照して、インナーチューブ5内には、第3のシャフト6が同軸に配置されている。第3のシャフト6の下端側部分は、軸受7を介してアウターチューブ2の内周面に回転可能に支持されている。第3のシャフト6の下端部は、アウターチューブ2からロア側へ突出しており、図1に示す自在継手8および自在継手8に連結される中間シャフトを介して、舵取り機構に連結されている。第3のシャフト6の中間部には、キーロックカラー12が嵌合されている。
図3を参照して、また、第3のシャフト6の上端部には、インナーチューブ5とは同軸に配置された円筒状の第2のシャフト9が嵌合されている。第3のシャフト6と第2のシャフト9とは、例えばスプライン嵌合しており、軸方向X1に相対移動可能である。第2のシャフト9の上端部は自在継手10を介して第1のシャフト11に連結されている。第3のシャフト6、第2のシャフト9、および第1のシャフト11によってステアリングシャフト81が構成されている。
第1のシャフト11は、チルトハウジング13に2つの軸受14,15を介して回転可能に支持されている。第1のシャフト11の上端部にステアリングホイール82が同行回転可能に連結されている。
図1および図2を参照して、インナーチューブ5の上端部外周には連結部材16が固定されている。連結部材16は、その先端に一体に形成された左右一対のボス部16aを有している。これらのボス部16aを挿通するチルト軸(ボルト)17によって、連結部材16は、チルトハウジング13に連結されている。これにより、チルトハウジング13とこのチルトハウジング13に支持された第1のシャフト11は、チルト軸17回りに揺動(チルト)することが可能である。
図1および図2を参照して、インナーチューブ5の上端部外周には連結部材16が固定されている。連結部材16は、その先端に一体に形成された左右一対のボス部16aを有している。これらのボス部16aを挿通するチルト軸(ボルト)17によって、連結部材16は、チルトハウジング13に連結されている。これにより、チルトハウジング13とこのチルトハウジング13に支持された第1のシャフト11は、チルト軸17回りに揺動(チルト)することが可能である。
図1および図3を参照して、ステアリング装置1は、駆動機構18および駆動機構19を備えている。
駆動機構18は、軸方向X1に関する、インナーチューブ5および第2のシャフト9の位置の調整(テレスコピック調整)のための機構である。駆動機構19は、チルトハウジング13および第1の軸11の、チルト軸17周りに関する位置の調整(チルト調節)のための機構である。
駆動機構18は、軸方向X1に関する、インナーチューブ5および第2のシャフト9の位置の調整(テレスコピック調整)のための機構である。駆動機構19は、チルトハウジング13および第1の軸11の、チルト軸17周りに関する位置の調整(チルト調節)のための機構である。
駆動機構18は、駆動源として電動モータ20を備えている。この電動モータ20の出力軸には図示しないウォームギヤが形成されている。このウォームギヤは、駆動機構18のハウジング21内に挿入されたスクリュー軸22の一端に結合された図示しないウォームホイールに噛み合っている。ハウジング21は、アウターチューブ2の外周に形成されたブラケット23に連結軸24を用いて回動可能に連結されている。
スクリュー軸22には、連結部材16に一体に形成されたブロック状のスライダ25が挿通されており、このスライダ25と螺合している。
駆動機構19は、駆動機構18と同様に構成されており、駆動源としての電動モータ26の他、不図示のウォームギヤ、ウォームホイール、スクリュー軸、スライダ等を含んで構成されている。
駆動機構19は、駆動機構18と同様に構成されており、駆動源としての電動モータ26の他、不図示のウォームギヤ、ウォームホイール、スクリュー軸、スライダ等を含んで構成されている。
次に、アウターチューブ2とインナーチューブ5との間の、アウターチューブ2の径方向Rに関するガタを防止する、ガタ防止構造について説明する。
図2および図4を参照して、アウターチューブ2の外周面の一部には、軸方向X1に長い平面視矩形状の台座2aが形成されている。この台座2aには、複数の孔として、例えば2つの円孔27が軸方向X1に離隔して形成されている。各円孔27,27は、台座2aをその厚み方向と略平行な深さ方向R1に貫通しており、アウターチューブ2の外周面および内周面2bの双方に開放されている。台座2aには、ねじ孔28が形成されている。ねじ孔28は、軸方向X1に関して、各円孔27,27の間の略中央に配置されている。各円孔27,27およびねじ孔28は、軸方向X1と平行な方向に一直線に並んでいる。
図2および図4を参照して、アウターチューブ2の外周面の一部には、軸方向X1に長い平面視矩形状の台座2aが形成されている。この台座2aには、複数の孔として、例えば2つの円孔27が軸方向X1に離隔して形成されている。各円孔27,27は、台座2aをその厚み方向と略平行な深さ方向R1に貫通しており、アウターチューブ2の外周面および内周面2bの双方に開放されている。台座2aには、ねじ孔28が形成されている。ねじ孔28は、軸方向X1に関して、各円孔27,27の間の略中央に配置されている。各円孔27,27およびねじ孔28は、軸方向X1と平行な方向に一直線に並んでいる。
インナーチューブ5の外周面5aの上部には、アウターチューブ2の台座2aに対応する長孔5bが形成されている。長孔5bは、軸方向X1に長く延びている。
図4を参照して、各円孔27,27には、押圧部材29、スペーサ30およびプッシュナット31がそれぞれ収容されている。なお、各円孔27内の構成については同様であるので、一方(アッパ側、図4の右側)の円孔27内の構成について主に説明する。
図4を参照して、各円孔27,27には、押圧部材29、スペーサ30およびプッシュナット31がそれぞれ収容されている。なお、各円孔27内の構成については同様であるので、一方(アッパ側、図4の右側)の円孔27内の構成について主に説明する。
押圧部材29は、インナーチューブ5の外周面5aをアウターチューブ2の径方向Rに沿って弾性的に付勢するためのものである。この押圧部材29は、ステアリング装置1の外から力が作用していない基準状態のとき、所定のセット位置P1に配置されている。この押圧部材29は、円柱状の押圧部材本体32と、上突起33と、下突起34とを含んでいる。
押圧部材本体32は、円孔27の深さ方向R1の略中央に配置されており、プッシュナット31に対して深さ方向R1への移動は許容されているが、深さ方向R1とは反対を向く反対方向R2側への移動は、プッシュナット31によって規制されている。押圧部材本体32のうち、反対方向R2側の端面32bに、上突起33が形成されている。
上突起33は、反対方向R2側に滑らかに凸湾曲する略半球状の部分である。上突起33の頂部35は、円孔27から突出している。
上突起33は、反対方向R2側に滑らかに凸湾曲する略半球状の部分である。上突起33の頂部35は、円孔27から突出している。
下突起34は、押圧部材本体32のうち、深さ方向R1側の端面32aからインナーチューブ5の外周面5a側に突出している。この下突起34の一端面34aは、図5に示すように、インナーチューブ5の外周面5aに面接触可能な円弧面とされている。インナーチューブ5は、前述の基準状態のとき、所定のセット位置P2に配置されている。
図4を参照して、スペーサ30は、押圧部材29が円孔27内でガタつくことを防止するためのものであり、ゴムや合成樹脂等の弾性体を用いて形成されている。スペーサ30は、円筒状の周壁36と、周壁36の一端に形成された鍔部37とを含んでいる。周壁36は、押圧部材本体32の外周面と円孔27の内周面27aとの間に軽圧入されている。鍔部37は、周壁36の一端の内周から周壁36の径方向の内側に延びており、押圧部材本体32の端面32bの外周に当接している。
図4を参照して、スペーサ30は、押圧部材29が円孔27内でガタつくことを防止するためのものであり、ゴムや合成樹脂等の弾性体を用いて形成されている。スペーサ30は、円筒状の周壁36と、周壁36の一端に形成された鍔部37とを含んでいる。周壁36は、押圧部材本体32の外周面と円孔27の内周面27aとの間に軽圧入されている。鍔部37は、周壁36の一端の内周から周壁36の径方向の内側に延びており、押圧部材本体32の端面32bの外周に当接している。
プッシュナット31は、押圧部材29が円孔27に対して反対方向R2側に移動することを規制するためのものである。このプッシュナット31は、金属等を用いて形成されており、円環状のプッシュナット本体38と、プッシュナット本体38の外周縁部から突出する複数の舌片39とを含んでいる。
プッシュナット本体38の一端面38aは、スペーサ30の鍔部37に全周に亘って面接触している。プッシュナット本体38の中心孔40は、上突起33に挿通されており、上突起33が中心孔40から反対方向R2側に突出している。プッシュナット31によって、上突起33の基端が取り囲まれている。各舌片39は、プッシュナット本体38の径方向の外側に進むに従い、反対方向R2側に進むように傾斜している。各舌片39の先端は、円孔27の内周面27aに弾性的に係止されている。
プッシュナット本体38の一端面38aは、スペーサ30の鍔部37に全周に亘って面接触している。プッシュナット本体38の中心孔40は、上突起33に挿通されており、上突起33が中心孔40から反対方向R2側に突出している。プッシュナット31によって、上突起33の基端が取り囲まれている。各舌片39は、プッシュナット本体38の径方向の外側に進むに従い、反対方向R2側に進むように傾斜している。各舌片39の先端は、円孔27の内周面27aに弾性的に係止されている。
一方の円孔27の押圧部材29および他方の円孔27の押圧部材29は、それぞれ、弾性部材としての板ばね41によって深さ方向R1側へ弾性的に付勢されている。
図2および図4を参照して、板ばね41は、軸方向X1に細長い薄板状をなしている。板ばね41の中央部41aは、略矩形形状をなしており、一方の端部41bに向かうに従い先細りとなっているとともに、他方の端部41cに向かうに従い先細りとなっている。
図2および図4を参照して、板ばね41は、軸方向X1に細長い薄板状をなしている。板ばね41の中央部41aは、略矩形形状をなしており、一方の端部41bに向かうに従い先細りとなっているとともに、他方の端部41cに向かうに従い先細りとなっている。
板ばね41の中央部41aは、ねじ部材42を用いて台座2aの外側面に固定されている。具体的には、板ばね41の中央部41aに形成された挿通孔43を、ねじ部材42のねじ軸42aが挿通している。ねじ軸42aは、台座2aのねじ孔28に螺合している。また、ねじ軸42aの先端にはガイド軸42bが突設されており、インナーチューブ5の長孔5bを挿通している。これにより、ガイド軸42bは、軸方向X1に沿うインナーチューブ5とアウターチューブ2の相対移動をガイドするとともに移動を規制し、さらに、アウターチューブ2とインナーチューブ5が周方向に相対摺動することを規制している。
板ばね41の一方の端部41bは、一方の円孔27に収容された押圧部材29の上突起33を押圧しており、この押圧部材29を深さ方向R1側(インナーチューブ5側)に付勢している。また、板ばね41の他方の端部41cは、他方の円孔27に収容された押圧部材29の上突起33を押圧しており、この押圧部材29を深さ方向R1側(インナーチューブ5側)に付勢している。
以上において、本発明に係るガタ防止構造は、台座2aと、2つの押圧部材29,29と、2つのスペーサ30,30と、2つのプッシュナット31,31と、1枚の板ばね41の計8点の部品で構成されている。
図1および図3を参照して、このステアリング装置1において、ステアリングホイール82の位置を軸方向X1に関して調整(テレスコピック調整)させたい場合には、図示しない操作ボタンを操作することにより、駆動機構18の駆動モータ20を何れかの方向に回転駆動する。
図1および図3を参照して、このステアリング装置1において、ステアリングホイール82の位置を軸方向X1に関して調整(テレスコピック調整)させたい場合には、図示しない操作ボタンを操作することにより、駆動機構18の駆動モータ20を何れかの方向に回転駆動する。
すると、電動モータ20の回転は、不図示のウォームギヤ及びウォームホイールを経てスクリュー軸22に伝達されてこのスクリュー軸22が回転駆動される。このスクリュー軸22の回転によってスライダ25およびインナーチューブ5が軸方向X1に移動する。このようにインナーチューブ5が軸方向X1に移動すると、インナーチューブ5に連結部材16およびチルト軸17を介して連結されたチルトハウジング13と、チルトハウジング13に支持された第1のシャフト11に加え、第2のシャフト9が同方向に移動する。その結果、ステアリングホイールが軸方向X1に変位する。尚、ステアリングホイールの進退量は、ポテンショメータ44によって検出される。
また、ステアリングホイールの上下位置を調整(チルト調整)させたい場合には、図示しない操作ボタンを操作することにより、駆動機構19の駆動モータ26を何れかの方向に回転駆動する。
すると、電動モータ26の回転は、不図示のウォームギヤおよびウォームホイールを経てスクリュー軸に伝達されてこのスクリュー軸が回転駆動される。このスクリュー軸の回転によって、図示しないスライダと、このスライダに連結されたチルトハウジング13と、チルトハウジング13に支持された第1のシャフト11とが、チルト軸17を中心として回動する。この結果、ステアリングホイール82が上下に変位する。
すると、電動モータ26の回転は、不図示のウォームギヤおよびウォームホイールを経てスクリュー軸に伝達されてこのスクリュー軸が回転駆動される。このスクリュー軸の回転によって、図示しないスライダと、このスライダに連結されたチルトハウジング13と、チルトハウジング13に支持された第1のシャフト11とが、チルト軸17を中心として回動する。この結果、ステアリングホイール82が上下に変位する。
図4を参照して、ステアリングホイールが振動等すると、セット位置P2にあるインナーチューブ5が、アウターチューブ2に対して径方向Rに相対移動しようとする。
この場合において、図6に示すように、インナーチューブ5の外周面5aの上部とアウターチューブ2の内周面2bの上部との間の隙間Dが拡がるような変位、すなわち、セット位置P2にあるインナーチューブ5が、アウターチューブ2に対して下側(深さ方向R1側)に変位をするときがある。このとき、板ばね41に弾性的に付勢された各押圧部材29,29および各スペーサ30,30は、インナーチューブ5に同行して、矢印Aに示すように下側へ変位する。すなわち、各押圧部材29,29は、セット位置P1から深さ方向R1に沿って下側へ変位する。
この場合において、図6に示すように、インナーチューブ5の外周面5aの上部とアウターチューブ2の内周面2bの上部との間の隙間Dが拡がるような変位、すなわち、セット位置P2にあるインナーチューブ5が、アウターチューブ2に対して下側(深さ方向R1側)に変位をするときがある。このとき、板ばね41に弾性的に付勢された各押圧部材29,29および各スペーサ30,30は、インナーチューブ5に同行して、矢印Aに示すように下側へ変位する。すなわち、各押圧部材29,29は、セット位置P1から深さ方向R1に沿って下側へ変位する。
図4を参照して、一方、インナーチューブ5の外周面5aの上部とアウターチューブ2の内周面2bの上部との間の隙間Dが狭くなるような変位、すなわち、セット位置P2にあるインナーチューブ5が、アウターチューブ2に対して上側(反対方向R2側)に変位しようとするときがある。このとき、各押圧部材29,29および各スペーサ30,30は、対応するプッシュナット31,31によって、反対方向R2に沿う上側への変位を規制される。その結果、各押圧部材29,29に係合するインナーチューブ5は、上側への変位を実質的に規制される。
上記した、アウターチューブ2に対するインナーチューブ5の変位の際にインナーチューブ5に作用する荷重は、図7に示すものとなる。具体的には、インナーチューブ5がアウターチューブ2に対してセット位置P2よりも深さ方向R1側に(下側に)変位しているときには、板ばね41に付勢された各押圧部材29,29が、インナーチューブ5の外周面5aを弾性的に付勢している。このとき、インナーチューブ5が深さ方向R1(下側)または反対方向R2(上側)に変位すると、その変位量に応じた線形的な荷重がインナーチューブ5に作用する。
一方、インナーチューブ5がアウターチューブ2に対してセット位置P2よりも反対方向R2側に(上側に)変位しているとき、各プッシュナット31,31に受けられた対応する押圧部材29,29が、インナーチューブ5の外周面5aを剛的に支持している。このとき、インナーチューブ5には、極めて高い荷重が作用しており、インナーチューブ5は上側への変位を実質的に規制される。
仮に、各プッシュナット31を廃止した場合には、インナーチューブ5がアウターチューブ2に対してセット位置P2よりも反対方向R2側に(上側に)変位しているときでも、板ばね41に付勢された各押圧部材29,29が、インナーチューブ5の外周面5aを弾性的に付勢する。このときには、図7の破線で示すように、インナーチューブ5が深さ方向R1または反対方向R2に変位すると、その変位量に応じた低い荷重がインナーチューブ5に作用する。このため、各押圧部材29,29によるインナーチューブ5の支持の剛性は不十分なものとなる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、インナーチューブ5がセット位置P2よりも深さ方向R1側(下側)にあるとき、板ばね41によって付勢された各押圧部材29,29がインナーチューブ5を下側に押圧する。これにより、インナーチューブ5をアウターチューブ2に押圧でき、両チューブ2,5間のガタつきを防止できる。
また、インナーチューブ5がセット位置P2よりも反対方向R2側(上側)に変位しようとすると、各プッシュナット31,31によって、反対方向R2への各押圧部材29,29の移動が規制される。これにより、インナーチューブ5がアウターチューブ2に対して反対方向R2側(上側)に沿って移動することを、各押圧部材29,29によって規制できる。これにより、両チューブ2,5の連結の剛性を十分に高くできる。また、両チューブ2,5の連結の剛性を高くしていることにより、両チューブ2,5の共振周波数をより高くでき、その結果、両チューブ2,5をより振動し難くできる。
また、インナーチューブ5がセット位置P2よりも反対方向R2側(上側)に変位しようとすると、各プッシュナット31,31によって、反対方向R2への各押圧部材29,29の移動が規制される。これにより、インナーチューブ5がアウターチューブ2に対して反対方向R2側(上側)に沿って移動することを、各押圧部材29,29によって規制できる。これにより、両チューブ2,5の連結の剛性を十分に高くできる。また、両チューブ2,5の連結の剛性を高くしていることにより、両チューブ2,5の共振周波数をより高くでき、その結果、両チューブ2,5をより振動し難くできる。
以上のように、インナーチューブ5がセット位置P2よりも下側にあるときのインナーチューブ5の支持の剛性は、板ばね41のばね定数に応じた略一定のものとなり、インナーチューブ5がセット位置P2よりも上側にあるときのインナーチューブ5の支持は、剛的なものとなる。これにより、電動モータ20,26を用いる電動チルト・テレスコピック構造が設けられたステアリングコラム80のガタ押さえ構造として、支持剛性が高く、しかも振動し難い、理想的な支持の特性を実現できる。
また、板ばね41のばね定数を適宜設定することにより、各押圧部材29,29を用いたインナーチューブ5とアウターチューブ2との連結の剛性を容易に設定することができる。その結果、他の部品の寸法精度を高めて所望の連結の特性を設定する必要がないので、各部品の寸法精度を高める必要がなく、製造コストをより低減できる。
さらに、例えば、ねじの締め付け力を用いることで両チューブ間のガタを押さえる構造では、ねじの締め付け力を微調整することにより、ガタつきを抑える力を微調整する必要がある。したがって、組み立てに時間がかかるとともに製造コストが高くなる。一方、本実施の形態では、このような微調整が不要であり、組み立てにかかる時間を少なくして製造コストを低減できる。
さらに、例えば、ねじの締め付け力を用いることで両チューブ間のガタを押さえる構造では、ねじの締め付け力を微調整することにより、ガタつきを抑える力を微調整する必要がある。したがって、組み立てに時間がかかるとともに製造コストが高くなる。一方、本実施の形態では、このような微調整が不要であり、組み立てにかかる時間を少なくして製造コストを低減できる。
また、2つの押圧部材29,29と、2つのスペーサ30,30と、2つのプッシュナット31,31と、1枚の板ばね41及び1本のねじ部材42の計8点の部品という、少ない部品点数でガタ防止構造を実現できる。その結果、ステアリング装置1をより短時間でコスト安価に製造できる。
さらに、板ばね41のばね定数(剛性)を高くすることにより、インナーチューブ5とアウターチューブ2の連結の剛性を高める構成でない。このため、両チューブ2,5間の摩擦抵抗(摺動抵抗)が強くなり過ぎず、チルト調整用の電動モータ26およびテレスコピック調整用の電動モータ20のそれぞれの負荷を小さくできる。
さらに、板ばね41のばね定数(剛性)を高くすることにより、インナーチューブ5とアウターチューブ2の連結の剛性を高める構成でない。このため、両チューブ2,5間の摩擦抵抗(摺動抵抗)が強くなり過ぎず、チルト調整用の電動モータ26およびテレスコピック調整用の電動モータ20のそれぞれの負荷を小さくできる。
また、各プッシュナット31と各押圧部材29,29の対応する上突起33,33とを対応する孔27,27の径方向に重ねるように配置できる。したがって、ステアリングコラム80のガタ防止構造を小型にできる。また、1つの板ばね41で複数の押圧部材29,29の上突起33,33を押圧することができるので、部品点数をより少なくできる。
なお、本実施の形態では、押圧部材29を弾性的に付勢するのに板ばね41を用いたが、板ばね41以外の他の弾性部材等の付勢部材を用いて押圧部材29を弾性的に付勢してもよい。また、押圧部材29の数は、2つに限らず、3つ以上でもよい。
なお、本実施の形態では、押圧部材29を弾性的に付勢するのに板ばね41を用いたが、板ばね41以外の他の弾性部材等の付勢部材を用いて押圧部材29を弾性的に付勢してもよい。また、押圧部材29の数は、2つに限らず、3つ以上でもよい。
図8は、本発明の別の実施の形態のステアリング装置1Aの要部の斜視図である。図9は、ステアリング装置1Aの要部の断面図である。なお、以下では、図1〜図8に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図8および図9を参照して、本実施の特徴の1つは、複数のガタ防止ユニット50によりステアリングコラム80のガタ防止構造が実現されている点にある。
図8および図9を参照して、本実施の特徴の1つは、複数のガタ防止ユニット50によりステアリングコラム80のガタ防止構造が実現されている点にある。
具体的には、アウターチューブ2の台座2aの各円孔27に、ガタ防止ユニット50がそれぞれ収容されている。なお、各ガタ防止ユニット50,50は同様の構成を有しているので、以下では、一方(アッパ側、図8の右側)のガタ防止ユニット50について主に説明する。
ガタ防止ユニット50は、押圧部材51と、プッシュナット31と、付勢部材としての環状の弾性部材である皿ばね52と、を含んでいる。
ガタ防止ユニット50は、押圧部材51と、プッシュナット31と、付勢部材としての環状の弾性部材である皿ばね52と、を含んでいる。
押圧部材51は、インナーチューブ5の外周面5aを径方向Rに沿って弾性的に付勢するためのものであり、ステアリング装置1の外から力が作用していない基準状態のとき、所定のセット位置P1に配置されている。
図9を参照して、この押圧部材51は、円柱状の押圧部材本体53と、下突起54と、ボス55と、ボス55に突設された抜け防止突起56とを含んでいる。
図9を参照して、この押圧部材51は、円柱状の押圧部材本体53と、下突起54と、ボス55と、ボス55に突設された抜け防止突起56とを含んでいる。
押圧部材本体53は、深さ方向R1に関する孔27の略中央に配置されており、プッシュナット31に対して深さ方向R1への移動は許容されているが、反対方向R2側への移動は、プッシュナット31によって規制されている。押圧部材本体53の外周面53aは、円孔27の内周面27aと摺動可能に接触している。なお、押圧部材本体32にスペーサ30(図4参照)をかぶせてもよい。
図9を参照して、押圧部材本体53のうち、反対方向R2側の端面53cに、ボス55が形成されている。また、押圧部材本体53のうち、深さ方向R1側の端面53bは、インナーチューブ5の外周面5aに面接触可能な円弧面とされている。
下突起54は、押圧部材本体53のうち、深さ方向R1側の端面53bからインナーチューブ5側に突出しており、長孔5bを挿通している。これにより、下突起54は、インナーチューブ5がアウターチューブ2に対して軸方向X1に変位(テレスコピック変位)するときのガイドとされているとともに移動を規制し、さらに、アウターチューブ2とインナーチューブ5が周方向に相対的に移動することを規制している。インナーチューブ5は、前述の基準状態のとき、セット位置P2に配置されている。
下突起54は、押圧部材本体53のうち、深さ方向R1側の端面53bからインナーチューブ5側に突出しており、長孔5bを挿通している。これにより、下突起54は、インナーチューブ5がアウターチューブ2に対して軸方向X1に変位(テレスコピック変位)するときのガイドとされているとともに移動を規制し、さらに、アウターチューブ2とインナーチューブ5が周方向に相対的に移動することを規制している。インナーチューブ5は、前述の基準状態のとき、セット位置P2に配置されている。
ボス55は、押圧部材本体53と比べて小径の円板状をなしており、押圧部材本体53と同軸に配置されている。ボス55のうち、反対方向R2側の端面55bには、プッシュナット31を受ける座部57が形成されている。また、この端面55bには、抜け防止突起56が突設されている。
抜け防止突起56は、ボス55と同軸に配置された筒状の部材であり、円孔27内に収容されている。この抜け防止突起56は、ボス55の端面55bに接続される周壁58と、周壁58に連なる抜け防止部59とを含んでいる。抜け防止部59は、断面が傘形形状に形成されている。抜け防止部59の基端側の端面59aは、周壁58に対して周壁58の径方向の外側に配置された環状の面とされており、プッシュナット31が抜けないようにされている。
抜け防止突起56は、ボス55と同軸に配置された筒状の部材であり、円孔27内に収容されている。この抜け防止突起56は、ボス55の端面55bに接続される周壁58と、周壁58に連なる抜け防止部59とを含んでいる。抜け防止部59は、断面が傘形形状に形成されている。抜け防止部59の基端側の端面59aは、周壁58に対して周壁58の径方向の外側に配置された環状の面とされており、プッシュナット31が抜けないようにされている。
皿ばね52は、押圧部材51を深さ方向R1側に付勢するためのものであり、押圧部材51とプッシュナット31との間に介在している。皿ばね52の中心孔60は、押圧部材51のボス55に挿通されている。すなわち、皿ばね52は、ボス55を取り囲んでいる。皿ばね52の内径部52aは、プッシュナット本体38の一端面38aに受けられている。また、皿ばね52の外径部52bは、押圧部材本体53の端面53cに受けられており、押圧部材51を深さ方向R1側(インナーチューブ5側)へ弾性的に付勢している。
押圧部材51がセット位置P1にあるとき、プッシュナット31のプッシュナット本体38の一端面38aは、座部57に受けられている。
押圧部材51がセット位置P1にあるとき、プッシュナット本体38の他端面38bと、抜け防止部59の基端側の端面59aとの間には、所定の隙間Eが設けられている。この隙間Eだけ、押圧部材51が深さ方向R1側に変位可能である。プッシュナット31の各舌片39は、円孔27の内周面27aに係止されている。
押圧部材51がセット位置P1にあるとき、プッシュナット本体38の他端面38bと、抜け防止部59の基端側の端面59aとの間には、所定の隙間Eが設けられている。この隙間Eだけ、押圧部材51が深さ方向R1側に変位可能である。プッシュナット31の各舌片39は、円孔27の内周面27aに係止されている。
上記の構成において、ステアリングホイールが振動等すると、セット位置P2にあるインナーチューブ5が、アウターチューブ2に対して径方向Rに相対移動しようとする。
この場合において、図10に示すように、インナーチューブ5の外周面5aの上部とアウターチューブ2の内周面2bの上部との間の隙間Dが拡がるような変位、すなわち、セット位置P2にあるインナーチューブ5が、アウターチューブ2に対して下側に変位をするときがある。このとき、皿ばね52に弾性的に付勢された押圧部材51は、インナーチューブ5に同行して、矢印Aに示すように下側へ変位する。すなわち、押圧部材51は、セット位置P1から深さ方向R1に沿って下側へ変位する。
この場合において、図10に示すように、インナーチューブ5の外周面5aの上部とアウターチューブ2の内周面2bの上部との間の隙間Dが拡がるような変位、すなわち、セット位置P2にあるインナーチューブ5が、アウターチューブ2に対して下側に変位をするときがある。このとき、皿ばね52に弾性的に付勢された押圧部材51は、インナーチューブ5に同行して、矢印Aに示すように下側へ変位する。すなわち、押圧部材51は、セット位置P1から深さ方向R1に沿って下側へ変位する。
図9を参照して、一方、インナーチューブ5の外周面5aの上部とアウターチューブ2の内周面2bの上部との間の隙間Dが狭くなるような変位、すなわち、セット位置P2にあるインナーチューブ5が、アウターチューブ2に対して上側に変位をしようとするときがある。このとき、押圧部材51は、プッシュナット31によって、反対方向R2に沿う上側への変位を規制される。その結果、押圧部材51に係合するインナーチューブ5は、上側への変位を実質的に規制される。
上記した、アウターチューブ2に対するインナーチューブ5の変位の際にインナーチューブ5に作用する荷重は、図7に示すものと同様である。
この場合、インナーチューブ5がセット位置P2よりも深さ方向R1側(下側)にあるとき、各皿ばね52によって付勢された各押圧部材51,51がインナーチューブ5を下側に押圧する。これにより、インナーチューブ5をアウターチューブ2に押圧でき、両チューブ2,5間のガタつきを防止できる。
この場合、インナーチューブ5がセット位置P2よりも深さ方向R1側(下側)にあるとき、各皿ばね52によって付勢された各押圧部材51,51がインナーチューブ5を下側に押圧する。これにより、インナーチューブ5をアウターチューブ2に押圧でき、両チューブ2,5間のガタつきを防止できる。
また、インナーチューブ5がセット位置P2よりも反対方向R2側(上側)に変位しようとすると、各プッシュナット31,31によって、反対方向R2への各押圧部材51,51の移動が規制される。これにより、インナーチューブ5がアウターチューブ2に対して反対方向R2側(上側)に沿って移動することを、各押圧部材51,51によって規制できる。これにより、両チューブ2,5の連結の剛性を十分に高くできる。また、両チューブ2,5の連結の剛性を高くしていることにより、両チューブ2,5の共振周波数をより高くでき、その結果、両チューブ2,5をより振動し難くできる。
また、ボス55の周囲の空間に皿ばね52を配置することができる結果、皿ばね52を配置するために必要なスペースを少なくできる。したがって、ステアリング装置1Aのガタ防止構造をより小型にできる。また、予めガタ防止ユニット50をサブアセンブリとして組み立てておき、このガタ防止ユニット50を円孔27に挿入するという簡易な組立作業により、ガタ防止構造を実現することができる。
なお、本実施の形態では、押圧部材51を弾性的に付勢するのに皿ばね52を用いたが、皿ばね52以外の他の弾性部材等の付勢部材を用いて、押圧部材51を弾性的に付勢してもよい。また、ガタ防止ユニット50の数は、2つに限らず、3つ以上でもよい。
本発明は、以上の各実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
本発明は、以上の各実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、インナーチューブを車体側に固定し、アウターチューブをインナーチューブに対して摺動可能に嵌合することにより、テレスコピック調整を可能にしてもよい。
2…アウターチューブ、5…インナーチューブ、27…孔、27a…孔の内周面、29…押圧部材、31…プッシュナット、33…突起、40…(プッシュナットの)中心孔、41…板ばね(付勢部材)、51…押圧部材、52…皿ばね(付勢部材、環状の弾性部材)、53…押圧部材本体、53c…(深さ方向とは反対側の)押圧部材本体の端面、55…ボス、55b…(ボスの)端面、57…座部、80…ステアリングコラム、81…ステアリングシャフト、R1…深さ方向、R2…反対方向、X1…軸方向。
Claims (3)
- ステアリングシャフトを回転可能に支持し、相対摺動可能に嵌合された、ステアリングコラムのアウターチューブおよびインナーチューブの間のガタを防止する、ステアリングコラムのガタ防止構造において、
上記アウターチューブに形成され、上記アウターチューブの軸方向に離隔する複数の孔と、
各上記孔に各上記孔の深さ方向に移動可能に嵌合され、上記インナーチューブを押圧可能な押圧部材と、
各上記孔の内周面に弾性係止され、上記深さ方向とは反対方向への対応する押圧部材の移動を規制するプッシュナットと、
各上記押圧部材を上記インナーチューブ側へ弾性的に付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とするステアリングコラムのガタ防止構造。 - 請求項1において、各上記押圧部材は、上記深さ方向とは反対側の端面を有する押圧部材本体と、上記端面から突出するボスとを有し、
各上記ボスの端面は、対応するプッシュナットを受ける座部を含み、
上記付勢部材は、各上記プッシュナットと対応する押圧部材との間に介在し、上記ボスの周囲を取り囲む環状の弾性部材を含むことを特徴とするステアリングコラムのガタ防止構造。 - 請求項1において、各上記プッシュナットは、中心孔を有する環状をなし、
各上記押圧部材は、対応する上記プッシュナットの中心孔から突出する突起を有し、
上記付勢部材は、上記アウターチューブの外周に保持され、上記押圧部材の上記突起を付勢する板ばねを含むことを特徴とするステアリングコラムのガタ防止構造。
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