JP2005289082A - ステアリングコラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングシャフトを係止する荷重が大きいステアリングコラムを得る。
【解決手段】コラムチューブ14の前部チューブ30に固定されたベアリング36により、ステアリングシャフト12の前部シャフト20を軸方向の車両後方側に移動可能に保持させる。前部シャフト20を係止リング80により外環して係止する。具体的には、V字溝76に係止リング80のシャフト掛止爪94を掛止させ、前部シャフト20の後方側への移動を禁止する。前部シャフト20に、ある大きさ以上の後方側に向かう荷重が作用すると、係止リング80が一定以上撓むことにより前部シャフト20の係止が解除される。係止リング80の外周部90をベアリング36と反対側に曲げ起こすことにより、外周部90を外径の割に比較的強度の高いものとし、係止が解除される荷重を大きくすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ステアリングシャフトとそれを回転可能に保持するコラムチューブとを備えたステアリングコラムであって、ステアリングシャフトのコラムチューブに対する軸線方向の移動を禁止する手段としての係止リングを備えたステアリングコラムに関する。
一般的なステアリングコラムは、ステアリングシャフトがコラムチューブによって回転可能かつ軸方向に移動不能に保持される構造となっているが、ステアリングコラムの中には、大きな荷重がステアリングシャフトに作用した際に、ステアリングシャフトの軸方向への移動を許容するようにされたものがある。例えば、車両衝突による前方からの衝撃によってステアリングシャフトが運転者に向かって伸び出ることを防止すべく、ステアリングシャフトを伸縮可能とし、当該シャフトの車両前方側の部分のみをコラムチューブに対して、移動可能とするようなステアリングコラムである。そのようなステアリングコラムとして、具体的には、例えば、下記〔特許文献1〕に記載されたようなものが存在する。そのステアリングコラムでは、大きな荷重が加わる際の軸方向のステアリングシャフトの移動を許容する手段として、係止リングが採用されている。その係止リングは、環状の外周部から中心に向かって延び出す複数の爪を有しており、それら複数の爪のうちの一部がステアリングシャフトの外周部に周設された掛止溝に掛止され、他のものがコラムチューブに嵌入させられた軸受を付勢することで、ステアリングシャフトの移動を禁止しており、所定の大きさを超える荷重が作用した場合に、掛止溝に掛止された爪がその溝から外れることでステアリングシャフトの移動を許容するようなものとなっている。
特開平11−171026号公報
上記公報に記載されたステアリングコラムが採用する係止リングは、所定以上の荷重、つまり、係止解除荷重を超える荷重が作用する場合に円滑にステアリングシャフトの移動を許容するという目的を達成するものであるが、ステアリングシャフトに作用する荷重の大きさを想定すると、車両設計上、係止解除荷重をより大きく設定することが望まれる場合がある。本発明は、そういった事柄に鑑みてなされたものであり、ステアリングシャフトの軸線方向の移動に対する係止解除荷重が大きくされたステアリングコラムを得ることを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のステアリングコラムは、ステアリングシャフトの外周部に嵌められて、ステアリングシャフトを設定以上の荷重が作用した場合にそれの軸方向の移動を許容する状態で軸受に係止させるための係止リングを、その外周部に当該係止リングの撓みを抑制するための補強部を有するものとしたことを特徴とする。
本発明のステアリングコラムにおいて、係止リングが外周部に補強部を有して撓みにくいものとされているため、ステアリングシャフトの係止解除荷重を大きくすることができる。なお、本発明のステアリングコラムの各種態様およびそれらの作用および効果については、以下の、〔発明の態様〕の項において詳しく説明する。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項から(3)項の各々が、それぞれ請求項1から請求項3の各々に相当する。
(1)(a)ステアリングシャフトと、(b)コラムチューブと、(c)外輪部においてそのコラムチューブに固定的に保持され、内輪部において前記ステアリングシャフトをその内輪部の一端から他端に向かう一方向に移動可能に保持する軸受と、(d)前記軸受の前記一端側において前記ステアリングシャフトの外周部に嵌められ、前記ステアリングシャフトを、設定以上の荷重が作用した場合に前記一方向の移動を許容する状態で前記軸受に係止させる概して板状の係止リングとを備えたステアリングコラムであって、
前記係止リングが、それぞれが内周部が周方向において複数に分割されることによって形成された、(A)先端部が前記ステアリングシャフトの外周部に周設された掛止溝に掛止される複数の掛止爪部と、(B)厚み方向に曲げられ、前記掛止爪部が前記掛止溝に掛止されている状態において、前記軸受の内輪部に当接して弾性力により前記軸受を付勢する付勢爪部とを有し、かつ、外周部に、当該係止リングの撓みを抑制するための補強部を有することを特徴とするステアリングコラム。
本項に記載の係止リングは、複数の掛止爪部が掛止溝に掛止された状態での複数の付勢爪部の付勢力により、ステアリングシャフトのガタツキを防止しつつ軸方向の移動を禁止する一方、大きな荷重が作用した場合に、掛止爪部が掛止溝から離脱してステアリングシャフトの移動を許容するような機能を有している。掛止爪部の離脱は、当該係止リングが変形することによって生じる。本項に記載の係止リングでは、外周部に補強部が設けらていることから、係止リングの撓み、特に外周部の撓みが抑制されている。したがって、そのような係止リングを採用する本項に記載のステアリングコラムは、ステアリングシャフトの係止が解除される際の荷重である係止解除荷重の大きなステアリングコラムとなる。
また、本項に記載の係止リングは、複数の掛止爪部により掛止溝を、複数の付勢爪部により軸受を、それぞれ離間する向きに付勢することにより、ステアリングシャフトと軸受との間に軸線方向のガタツキが発生しないようにしている。通常、係止リングの外周部および内周部が一枚の板部材から形成されるが、例えば、係止リングの板厚を全体的に均等に増加させる等して、係止リング全体を補強すれば、係止解除荷重とともに付勢力も増加する。しかし、設計,加工,あるいは組み付け等の問題から、不必要に全体的に板厚を厚くすること、付勢力を増加させること等が望ましくない場合がある。そういった場合でも、係止リングの外周部だけを補強することによって、上記係止解除荷重を大きく増加させることができる。すなわち、本項に記載の係止リングは、係止リングが外周部に補強部を有して撓みにくいものとされているため、ステアリングシャフトの係止解除荷重を大きくすることができるのである。
ステアリングシャフトに設けられる掛止溝は、例えば、断面が、V字形,U字形,「コ」の字形等の形状の溝とすることができる。掛止爪部は、係止リングの外周部から中心方向へ延び出して、掛止溝に掛止されて、掛止溝に軸受と反対方向に向かう力を作用させるものであり、掛止溝とそれの軸受とは反対側の面において係合するものとすることができる。掛止爪部の形状は特に限定されるものではなく、例えば、箆(へら)状等の単に真っ直ぐな形状のものとしたり、また、先端部を軸線方向に折り曲げた形状として、その折り曲げられた部分において、掛止溝に掛止されるようにすることもできる。付勢爪部は、軸受側に突出するように厚み方向に曲げられて、内輪部の側面に当接するものとすることができる。その付勢爪部は、例えば、L字形,U字形,「レ」の字形になるように曲げられて内輪部と当接するものとすることができる。また、付勢爪部が内輪部の側面に当接することが不可欠ではなく、例えば、内輪部のエッジ部、つまり、側面と内輪部における外周面(転動体に対向する面である軌道面を含んで構成される面)との境界部分に当接するものであってもよい。さらにまた、付勢爪部は、例えば、係止リングの外周部から一旦中心方向へ延び出す部分を有し、その部分に連続する部分において厚み方向に曲げられたものとすることができる。その場合には、外周部から中心方向へ延び出した部分が撓むことによって弾性力を発生させやすくなる。
(2)前記係止リングの補強部が、前記係止リングの外周部の厚み方向の寸法が当該係止リングの板厚より大きくされて形成された(1)項に記載のステアリングコラム。
外周部の厚み方向の寸法を大きくして補強することにより、外径寸法を大きくすることなく係止解除荷重を大きくすることができる。本項に記載の態様は、例えば、係止リングの外径を大きくすると、コラムチューブ等と干渉してしまうような場合に有効である。補強部は、例えば、単に外周部の板厚を大きくすること,環状の補強部材を外周部に付設すること,あるいは外周部の一部を全周にわたって厚み方向に曲げること等によって形成することができる。
(3)前記係止リングの補強部が、前記係止リングの外周部が全周にわたって厚み方向に曲げ起こされた部分を有する(2)項に記載のステアリングコラム。
本項に記載の態様は、上記外周部の厚み方向の寸法が当該係止リングの板厚より大きくされた態様の一態様である。1枚の板材から作製された係止リングにおいて、曲げ(絞りを含む概念である)加工により、容易に補強部を形成することができる。また、例えば、軸方向においてコラムチューブの端部位置付近に係止リングが装着され、単に平板状の外周部を有する係止リングを組み付けるとコラムチューブ等と干渉してしまうような場合でも、外周部を軸受と反対側の方へ曲げることにより、コラムチューブ等との干渉を回避することができる。なお、外周部の全周にわたって厚み方向に曲げ起こされた部分を有し、それに連続して径方向に曲げ返された部分を有する形状としてもよい。
(4)軸体を、自身が有する軸穴に挿通させた状態で軸線方向において自身の一端から他端に向かう一方向に移動可能に保持する保持体に、設定以上の荷重が作用した場合に前記一方向の移動を許容する状態で係止させるために用いられ、前記保持体の一端側において前記軸体の外周部に嵌められる係止リングであって、
それぞれが内周部が周方向において複数に分割されることによって形成された、(A)先端部が前記軸体の外周部に周設された掛止溝に掛止される複数の掛止爪部と、(B)厚み方向に曲げられ、前記掛止爪部が前記掛止溝に掛止されている状態において、前記軸受の内輪部に当接して弾性力により前記軸受を付勢する付勢爪部とを有し、かつ、外周部に、当該係止リングの撓みを抑制するための補強部を有することを特徴とする係止リング。
本項に記載の態様は、軸体を、設定以上の荷重の作用下において移動を許容する状態で係止するために用いる係止リングであり、本項の態様の係止リングによれば、先の項において説明したように、軸体の係止解除荷重を大きくすることが可能となる。本項の係止リングは、先に説明したステアリングシャフトのコラムチューブへの係止手段としての用途以外の種々の用途に供することが可能である。なお、上記(2)項または(3)項に記載された態様の技術的特徴を、本項に記載の係止リングに適用することも可能である。
以下、本発明の一実施例およびその変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、決して下記の実施例に限定されるものではなく、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
1. ステアリングコラムの概要.
図1に、本発明の一実施例であるステアリングコラム10の断面図を示す。そのステアリングコラム10は、図において左側が車両の前方側を向くように車体に設けられている。また、本実施例では、説明を簡略化するため、特に断りのない限り、それら図における右側を「車両後方側」あるいは単に「後方側」と、左側を「車両前方側」あるいは単に「前方側」と呼び、右側に向かう方向を「車両後方」あるいは単に「後方」、左側に向かう方向を「車両前方」あるいは「前方」と呼んで、説明を行う(他の実施例も同様とする)。
ステアリングコラム10は、ステアリングシャフト12と、そのステアリングシャフト12を回転可能かつ軸方向に移動不能に保持するコラムチューブ14とを含んで構成されている。ステアリングシャフト12は、車両前方側に位置する前部シャフト20と車両後方側に位置する後部シャフト22とを含んで構成されている。前部シャフト20はロッド状に、後部シャフト22はパイプ状に形成され、前部シャフト20の後方部分が後部シャフト22の前方部分に挿入されている。前部シャフト20の後方部外周面24,後部シャフト22の前方部内周面26には、それぞれ互いに噛合するスプラインが形成され、前部シャフト20と後部シャフト22とは、軸方向に相対移動が可能な状態かつ相対回転が不能な状態で接続されている。コラムチューブ14は、前方側に位置する前部チューブ30と、後方側に位置する後部チューブ32とを含んで構成されている。前部チューブ30および後部チューブ32は、ともにパイプ状のものであり、前部チューブ30の後方部分が後部チューブ32の前方部分に挿入されている。前部チューブ30の後方部の外周面には、パイプ状をなすライナ34が設けられており、このライナ34を介することによって、前部チューブ30と後部チューブ32とが、スムーズに相対移動することが可能とされている。
前部チューブ30の前方端部内面および後部チューブ32の後方端部内面には、それぞれ軸受たるラジアルベアリング36,38が設けられている。前部チューブ30および後部チューブ32は、それぞれ、ラジアルベアリング36,38を介して、前部シャフト20および後部シャフト22の各々を、それらの中間部において回転可能に支持している。それらラジアルベアリング36,38とコラムチューブ14とを含んで保持体が構成され、その保持体によって軸体たるステアリングシャフト12が回転可能かつ軸方向に移動不能に保持されているのである。ステアリングコラム10は、前部チューブ30に設けられた前方被支持部44と、後部チューブ32に設けられた後方被支持部46とにおいて、車体に支持されている。後部シャフト22の後方端部には、図示を省略するステアリングホイールが取り付けられ、前部シャフト20の前方端部は、インタミディエートシャフトのヨーク部50に接続される。インタミディエートシャフトは車輪を転舵する装置(転舵装置(図示を省略))と接続されており、ステアリングホイールに回転操作がなされると、ステアリングシャフト12はステアリングホイールとともに回転し、その回転がインタミディエイトシャフトを介して転舵装置に伝達される。
なお、詳細な説明は省略するが、ステアリングコラム10はチルト・テレスコピック機能を備えている。ステアリングコラム10は伸縮可能とされており、また、後方被支持部46の位置を前方被支持部44を中心とする円周方向に変化させることが可能とされている。そのため、後方被支持部46の位置を、軸方向および前方被支持部44を中心とする円周方向に変化させて、ステアリングホイールの位置を調節することができる。また、車体には衝撃エネルギ吸収装置が設けられており、車体の前方衝突等によって運転者がステアリングホイールに二次衝突した際には、後方被支持部46,前部チューブ30および前部シャフト20が衝撃を緩和するためにステアリングホイールとともに前方へ移動させられ、それに伴い衝撃エネルギ吸収装置によって衝撃エネルギの吸収が行われる。
図2に、前部チューブ30の前方端部を拡大して示す。ラジアルベアリング36は、外輪60,内輪62および転動体である多数のベアリングボール64を備え、外輪60と内輪62とがそれらボール64を介して滑らかに相対回転することが可能な構造とされている。前部チューブ30の前方端部内面には、それの後方側の部分より内径を大きくすることにより形成された大径部70が設けられており、その大径部70にラジアルベアリング36の外輪60が嵌入させられている。また、前部チューブ30の前方端部には、外輪60を後方へ押さえ付けるように内側にかしめられて形成されたカシメ部72が、周方向における複数の箇所(3箇所)に設けられており、そのカシメ部72によって外輪60が前方へ移動不能な状態で大径部70に固定されている。すなわち、外輪60は、前部チューブ30に対して軸方向に相対移動不能に保持されている。
内輪62には、前部シャフト20が挿通させられており、前部シャフト20は内輪62とともに軸回りに回転可能に保持されている。また、前部シャフト20は、内輪62よりも前方側に位置する部分の外径が内輪62の内径以下にされ、かつ、内輪62の後方側端部の側面に接する部分の外径が内輪62の内径よりも大きくされているため、前方に移動不能かつ後方に移動可能に保持されている。すなわち、ラジアルベアリング36は、前部シャフト20を、自身の前方側端部から後方側端部に向かう一方向に移動可能に保持している。なお、後部シャフト22は後部チューブ32の後方端部において回転可能かつ軸線方向に移動不能に保持されているが、本発明との関連性が殆どないため、後部チューブ32の後方端部についての説明は省略する。
2. スナップリング.
前部シャフト20の外周部には、内輪62からわずかに離れた前方の位置に、断面がV字形をなすV字溝76(掛止溝の一種である)が外周に沿って設けられており、そのV字溝76に係止リングたるスナップリング80が係合させられることにより、すなわち、スナップリング80が前部シャフト20の外周部に嵌められることにより、前部シャフト20は、後方への移動が禁止されている。図3,図4に、スナップリング80を前方側または側方から眺めた図を示す。そのスナップリング80は、ばね鋼板から形成されており、概ね、環状をなす外周部90と,放射状の切欠によって周方向において規則的に複数に分割された内周部92とに区分されるものとなっている。
内周部92には、前部シャフト20のV字溝76に掛止される掛止爪部たるシャフト掛止爪94と、後方(図4において右側)に突出して内輪62を付勢する付勢爪部たる内輪付勢爪96とが、それぞれ複数形成されている。それらシャフト掛止爪94と内輪付勢爪96とは、周方向において交互に並ぶように形成されている。シャフト掛止爪94は、その先端部分において前方側(図4において左側)に「レ」の字形に折り返されており、屈曲する部分において、V字溝76に掛止される。内輪付勢爪96は、その先端部分において後方側にU字形に折り返され、その折り返されて後方を向く面において、内輪62の側端面に当接している。
スナップリング80は、装着された状態において、シャフト掛止爪94がV字溝76に掛止されている状態において、内輪付勢爪96が内輪62を付勢するようにされている。つまり、シャフト掛止爪94と内輪付勢爪96とが、それぞれ軸線方向の後方および前方に撓んだ状態で装着されており、弾性力によって、前部シャフト20は前方に向かう力が加えられた状態となっており、その結果、スナップリング80により、V字溝76と内輪62とが離間する向きに付勢されており、前部シャフト20と内輪62との軸線方向のガタツキが防止されているのである。なお、図に示すように、内輪付勢爪96の付勢力の作用により、「レ」の字形に折り返されたシャフト掛止爪94は、その折り返されて前方側かつV字溝76の方向を向いた面が、V字溝76の前方側の傾斜面に押え付けられる状態となっている。
前部シャフト20に車両後方へ向かう荷重が作用した場合、その力がある大きさとなるまでは、スナップリング80は、前部シャフト20を係止状態を維持する。しかし、上記荷重がある大きさを超えると、つまり、係止解除荷重を超える場合、シャフト掛止爪94によってV字溝76を掛止することができなくなり、前部シャフト20の係止が解除され、前部シャフト20は、車両後方への移動が許容されることになる。スナップリング80のこのような作用により、例えば、車両の前方衝突により転舵装置からステアリングシャフト12を突上げるような力が働いた場合に、ステアリングシャフト12が伸縮させられて、運転車側へステアリングシャフト12が突出することが防止されるのである。
前部シャフト20の係止が解除される際には、スナップリング80は、シャフト掛止爪94が倒れるように変形するとともに、外周部90も撓むように変形する。本実施例においては、スナップリング80の外周部90が補強されることで、外周部90の撓みが抑制され、シャフト掛止爪94の倒れるような変形も抑制されている。その結果として、係止解除荷重が大きくされているのである。具体的には、外周部90は、図4に示すように、をその周縁部が全周にわたって厚み方向である前方(図3において左側)へ曲げ起こされて形成された曲起部100を有している。また、外周部90は、曲起部100が形成されることにより、厚み方向の寸法が板厚よりも大きくされている。すなわち、曲起部100は、スナップリング80の外周部90の厚み方向の寸法がスナップリング80の板厚より大きくされて形成された補強部とされており、その結果として、外周部90の剛性が高められているのである。ちなみに、本実施例において、外周部90の厚み方向の寸法は、板厚の5倍以上とされている。
図5に、カシメ部72とその周辺部の拡大図を示す。この図において、比較のために平板な形状の外周部110を有するスナップリング(二点鎖線のもの)を併せて示す。そのスナップリングの外周部110は、カシメ部72あるいはそれの近傍の部分114と干渉するものとなっている。そのため、スナップリングの外径を小さくしなければならず、その点においても、外周部の剛性を高めることが困難である。
また、スナップリング80を前部シャフト20に装着してから前部チューブ30の前方端部をかしめる場合には、カシメ部72の先端は概ね曲線軌道120を描く。そのため、たとえ、かしめた後に組み付ければ干渉しないような外径のものであっても、さらに外径を小さくしなければ、スナップリングの装着後に前方端部をかしめるといった組み付け方法を採用することができない。本実施例において、曲起部100は曲線軌道120からは離間した位置に位置しており、上記組み付け方法を採用することができる。
本実施例のスナップリング80は、補強のために、全体の板厚を変えるわけではないので、シャフト掛止爪94および内輪付勢爪96自体の弾性力が過大となることがない。そのため、前部シャフト20のV字溝76と内輪62とを離間させる向きの付勢力を過大なものとせずに、係止解除荷重を大きくすることができる。
以上のように、本実施例のスナップリング80は、係止解除荷重が大きいため、前部シャフト20をしっかりと係止することができる。また、係止解除荷重の適切化を図り、車両の前方衝突時等に、適確に前部シャフト20の係止を解除して、その軸線方向の後方への移動を許容することが可能となる。
本発明の実施例であるステアリングコラムの断面を示す図である。 上記ステアリングコラムの前部チューブの前方端部を示す図である。 上記ステアリングコラムに設けられたスナップリングを前方から眺めた図である。 上記ステアリングコラムに設けられたスナップリングを側方から眺めた図である。 上記前部チューブの前方端部のカシメ部とその周辺部を示す図である。
符号の説明
10:ステアリングコラム 12:ステアリングシャフト(軸体) 14:コラムチューブ 20:前部シャフト 22:後部シャフト 30:前部チューブ 32:後部チューブ 36,38:ラジアルベアリング(軸受) 60:外輪(外輪部) 62:内輪(内輪部) 72:カシメ部 76:V字溝(掛止溝) 80:スナップリング(係止リング) 90:外周部 92:内周部 94:シャフト掛止爪(掛止爪部) 96:内輪付勢爪(付勢爪部) 100:曲起部(補強部)

Claims (3)

  1. (a)ステアリングシャフトと、(b)コラムチューブと、(c)外輪部においてそのコラムチューブに固定的に保持され、内輪部において前記ステアリングシャフトをその内輪部の一端から他端に向かう一方向に移動可能に保持する軸受と、(d)前記軸受の前記一端側において前記ステアリングシャフトの外周部に嵌められ、前記ステアリングシャフトを、設定以上の荷重が作用した場合に前記一方向の移動を許容する状態で前記軸受に係止させる概して板状の係止リングとを備えたステアリングコラムであって、
    前記係止リングが、それぞれが内周部が周方向において複数に分割されることによって形成された、(A)先端部が前記ステアリングシャフトの外周部に周設された掛止溝に掛止される複数の掛止爪部と、(B)厚み方向に曲げられ、前記掛止爪部が前記掛止溝に掛止されている状態において、前記軸受の内輪部に当接して弾性力により前記軸受を付勢する付勢爪部とを有し、かつ、外周部に、当該係止リングの撓みを抑制するための補強部を有することを特徴とするステアリングコラム。
  2. 前記係止リングの補強部が、前記係止リングの外周部の厚み方向の寸法が当該係止リングの板厚より大きくされて形成された請求項1に記載のステアリングコラム。
  3. 前記係止リングの補強部が、前記係止リングの外周部が全周にわたって厚み方向に曲げ起こされた部分を有する請求項2に記載のステアリングコラム。

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