JP2007137214A - 車両用ステアリング装置およびそれを構成するシャフトアッセンブリ - Google Patents

車両用ステアリング装置およびそれを構成するシャフトアッセンブリ Download PDF

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Abstract

【課題】伸縮可能なシャフトを有するステアリング装置の操作の円滑性を向上させる。
【解決手段】ステアリングコラムに保持されるメインシャフトと、転舵装置に保持される入力シャフトと、それらに自在継手22,24を介して連結されるインタミディエイトシャフト(I/Mシャフト)20とによってシャフトアッセンブリが構成されている場合に、そのアッセンブリのコラムによって保持される部分と転舵装置によって保持される部分との間に引張力あるいは圧縮力を付与する。具体的には、パイプ部材150とそれに挿入されるロッド部材152によって構成されたI/Mシャフトの内部に、スプリング156を配設し、そのスプリングの弾性力によってI/Mシャフトを伸長あるいは収縮させる力を付与する。シャフトアッセンブリの各所に存在するガタが消失することで、操舵操作の円滑性が担保される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、車両用ステアリング装置、および、それに用いられてステアリング操作部材と転舵装置とに連結されるシャフトアッセンブリに関する。
一般的な車両用ステアリング装置は、運転者によるステアリングホイール等のステアリング操作部材の操舵力を転舵装置に伝達するためのステアリングシャフトを有している。このステアリングシャフトを始めとする操舵力伝達系においては、円滑な操舵力の伝達を阻害する等の理由から、各構成要素間のガタが嫌われる。そのことに関連する技術として、下記特許文献1には、ステアリングギヤ比を変更可能とするための機構における遊星ギヤのバックラシュを消失させる技術が、下記特許文献2には、転舵装置とシャフトとの連結を緊密化させる技術が、それぞれ記載されている。
特開2003−312486号公報 特開平8−61381号公報
上記特許文献に記載の技術は、ある1つの箇所に特化して、その箇所のガタをなくする技術であるが、多くのステアリング装置では、操舵力伝達系における種々の箇所でガタが発生する。また、例えば、ステアリング操作部材の操作位置を変更するためのチルト機構,テレスコピック機構を実現する目的や、車両衝突時においてステアリング操作部材の車両前方側への移動を許容する機構,転舵装置の車両後方側への移動を担保する機構等を実現する目的等で、ステアリング操作部材と転舵装置との相対位置関係を変動させることが要求され、そのような機構を備えるステアリング装置では、その要求に応じるべく、複数の部材を連結してシャフトアッセンブリを構成し、そのシャフトアッセンブリにおいて、その軸方向長を変化させる機能を有するように構成される。具体的には、シャフトアッセンブリに、例えば、シャフト部材どうしを軸方向に相対移動可能な構造の伸縮部を設け、その伸縮部によって、そのシャフトアッセンブリのそれが保持される箇所間の長さの変化を吸収するようにされる。このようなステアリング装置では、ガタは各所で発生し、そのガタは比較的大きいものとなる。上記特許文献に記載の技術は、特定の1箇所のガタをなくすための技術であり、ここで説明したようなステアリング装置に対して有効的な手段とはなり難い。つまり、従来のステアリング装置は、ガタの解消,軽減という観点において、改善の余地を多分に残すものとなっており、種々の改善を施すことにより、そのステアリング装置の実用性を向上させることができるのである。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いステアリング装置、実用性の高いステアリング装置を構成することができるシャフトアッセンブリを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両用ステアリング装置は、伸縮部を有するシャフトアッセンブリを有するステアリング装置であって、そのシャフトアッセンブリの上記伸縮部を挟んで車体に固定的に保持される2つの箇所の間の部分に軸方向の引張力あるいは圧縮力を作用させる装置を有するように構成される。また、本発明のシャフトアッセンブリは、上記本発明の車両用ステアリング装置において好適に用いることのできるシャフトアッセンブリであって、複数のシャフトが連結されてなり、その複数のシャフトのうちの1つが伸縮可能とされるとともに、その伸縮可能とされた部分にその部分を伸長あるいは収縮させる力を付与する機構を有するように構成される。
本発明のステアリング装置によれば、シャフトアッセンブリが伸縮部を有するようなものであっても、上記引張力,圧縮力によって、そのシャフトアッセンブリの上記保持される箇所の間に存在するガタが効果的に解消されることになる。また、本発明のシャフトアッセンブリによれば、それが車体に保持されてステアリング装置を構成する場合に、伸縮部に付与される上記伸長あるいは収縮させる力によって、そのシャフトアッセンブリの車体に保持される箇所の間に引張力あるいは収縮力が付与されることになり、ステアリング装置を構成した場合における上記ガタが、効果的に解消あるいは軽減されることになる。したがって、本発明のステアリング装置および本発明のステアリングシャフトが採用されるステアリング装置によれば、操舵力伝達系における種々の箇所のガタが少なく、ステアリング操作の円滑性が担保され、ステアリング操作時に運転者の手に伝わる振動,走行時における異音等が抑制されたステアリング装置が実現する。そのような観点において、本発明のステアリング装置およびシャフトアッセンブリは、実用的なものとなるのである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、下記の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(4)項が請求項4に、(6)項が請求項5に、それぞれ相当する。また、(21)項が請求項6に、(23)項が請求項7に、(24)項が請求項8に、それぞれ相当する。
(1)運転者によって操作されるステアリング操作部材と、
車輪を転舵する転舵装置と、
前記ステアリング操作部材と前記転舵装置とを連結して操舵力を伝達するシャフトアッセンブリであって、(a)前記ステアリング操作部材側の一部分をなし、車体に対して固定的に設けられた操作部材側保持部に回転可能に保持された操作部材側被保持部と、(b)前記転舵装置側の一部分をなし、車体に対して固定的に設けられた転舵装置側保持部に回転可能に保持された転舵装置側被保持部と、(c)前記操作部材側被保持部と前記転舵装置側被保持部との間に設けられ、軸方向に伸縮可能に構成された伸縮部とを有するシャフトアッセンブリと、
そのシャフトアッセンブリの前記操作部材側被保持部と前記転舵装置側被保持部との間部分に軸方向の引張力と圧縮力との一方である軸方向力を付与する軸方向力付与装置と
を備えた車両用ステアリング装置。
本項の態様のステアリング装置は、平たく言えば、主たる構成要素としてのシャフトアッセンブリに伸縮部を設け、そのシャフトアッセンブリを、その伸縮部を挟んだ2つの被保持部において車体に取り付けるとともに、それら2つの被保持部の間の部分に、軸方向における引張力あるいは圧縮力(いわゆるテンションである)を作用させるように構成されている。
先に説明したように、シャフトアッセンブリでは、2つの被保持部の間の部分に存在する構成部材の連結部のガタ(がたつき、遊間、遊隙等と呼ぶことも可能である)や、被保持部とそれを保持する保持部とのガタ、保持部のガタ等、種々の箇所においてガタが発生する。また、シャフトアッセンブリが伸縮可能な部分を有しているような構造である場合には、シャフトアッセンブリ全体のガタは、比較的大きなものとなる。例えば、路面から車輪が拾う振動は、転舵装置からシャフトアッセンブリを伝播してステアリング操作部材にまで伝達されるが、シャフトアッセンブリにガタが存在する場合、そのガタの影響によって共振的な振動として伝達されることがあり、そのときには、操作部材に伝達された振動は相当に大きなものとなる。この振動は、ステアリング操作に対する不快感を運転者に与えることになる。また、ガタが大きい場合には、路面からの振動によってガタが存在する部分において打音等の異音が発生することもあり、このような異音も、ドライビングの快適性を阻害する一因となる。さらに、ガタが大きい場合には、ステアリング操作の円滑性を悪化させる原因ともなり得る。そのような観点からすれば、シャフトアッセンブリに存在するガタ、シャフトアッセンブリを保持する部分のガタ等を、解消あるいは軽減させること望ましいのである。
本項の態様によれば、上記構成により、伸縮部が設けられたシャフトアッセンブリを採用するステアリング装置であっても、上記種々の箇所に存在するガタが効果的に解消あるいは軽減されたステアリング装置が実現する。したがって、本項の態様によれば、操舵操作の円滑性が担保され、ステアリング操作に伴なって運転者が感じる振動,車体振動に伴う異音等が抑制されることとなる。
本項の態様における「ステアリング操作部材(以下、単に「操作部材」と略する場合がある)」は、いわゆるステアリングホイール等、それの操作力がシャフトアッセンブリの回転力となるようなステアリング操作を可能とする操作部材が広く含まれる。また、「転舵装置」は、その構造が特に限定されるものではなく、シャフトアッセンブリの回転力によって車輪を転舵するような装置が広く含まれる。例えば、ラックが形成されるとともに左右の車輪を連結する転舵ロッド(リンクロッド)と、シャフトアッセンブリが連結されるとともに上記ラックと噛合するピニオンとを有し、シャフトアッセンブリの回転力によってピニオンが回転させられて転舵ロッドを軸方向に動作させるような構造の装置が、本項における転舵装置に相当する。
「シャフトアッセンブリ」は、複数の構成部材が組み合わされたものであって上記伸縮部を有するものであれば、その構造が特に限定されるものではない。例えば、後に説明するように、複数のシャフトが互い連結されて構成されるようなものであってもよく、1つのシャフトによって構成されるものであってもよい。「伸縮部」は、それが伸縮することによって、シャフトアッセンブリの長さが変化するように構成された部分であり、例えば、後に説明するように、1つのシャフトが2つのシャフト部材、具体的には例えば、筒状の部材とそれに挿入されるロッド状の部材とを含み、それらが軸方向に相対移動可能にかつ相対回転不能に連結された構造とすることが可能である。シャフトアッセンブリが複数のシャフトが連結されて構成される場合には、それら複数のシャフトのいずれかにおいて伸縮部が設けられればよく、また、1つのシャフトによって構成される場合には、それの中間部に、例えば、そのシャフトを上記2つの部材によって構成される伸縮部を設けるような構造とすることが可能である。
また、シャフトアッセンブリは、操作部材および転舵装置と直接的に連結されることを必ずしも要しない。つまり、何らかの部材,他のシャフト等を介して、それらと連結されるものであってもよい。具体的に言えば、例えば、当該ステアリング装置が、シャフトとそれを回転可能に保持するチューブとを含んで構成されるステアリングコラムを備えてなるものである場合、そのコラムが、軸線方向に相対移動可能な2つのシャフト部材からなり、それらの1つが操作部材に連結され、他の1つが転舵装置側に位置する場合において、シャフトアッセンブリが前者である操作部材に連結されるシャフト部材を含まずに構成されるような態様であってもよいのである。
2つの「被保持部」は、概して言えば、シャフトアッセンブリの両端部の各々あるいはそれに比較的近い部分に位置する部分とすることが可能である。また、被保持部の各々を保持する2つの「保持部」は、車体の一部に対して固定的に設けられるものであるが、車体の一部に直接的に固定されるものであってもよく、車体の一部に対して間接的に固定されるものであってもよい。具体的に言えば、例えば、操作部材側被保持部がステアリングコラムを構成するシャフトに設けられるとともに、その被保持部がコラムを構成するチューブに回転可能に保持されるような場合には、そのチューブの被保持部を保持する部分が操作部材側保持部として機能する。また、例えば、転舵装置側被保持部が転舵装置が有するピニオン軸と連結あるいは一体化されたシャフトに設けられており、その被保持部が転舵装置を構成するハウジングに回転可能に保持される場合には、転舵装置の一部が転舵装置側保持部として機能する。
本項の態様における「軸方向力付与装置」は、シャフトアッセンブリの2つの被保持部の間に軸方向の引張力(テンション)あるいは圧縮力(コンプレッション)を作用させるものである。それら引張力,圧縮力の作用によって、伸縮部や、例えば、シャフトアッセンブリが複数のシャフトが連結されている場合におけるそれらシャフト相互の連結部に生じるガタを効果的に解消しあるいは軽減させることが可能となる。また、2つの被保持部の各々を保持する2つの保持部は、上記引張力あるいは圧縮力の反作用力を発揮する状態となるため、被保持部と保持部との間のガタ,被保持部あるいは保持部自体に存在するガタ等も、効果的に解消等させることが可能となる。なお、本項における「軸方向」は、単一の方向ではない場合もあり得る。例えば、後に説明するように、シャフトアッセンブリが、複数のシャフトが自在継手を介して連結されて構成されたものである場合には、複数のシャフトの各々の軸線が必ずしも一直線上に位置するとは限らない。その場合において、軸方向は、複数のシャフトの各々について存在し、その場合のシャフトアッセンブリの軸方向は、それら各々の軸方向を含む概念となる。
(2)前記軸方向力付与装置が、弾性体を有してその弾性体の弾性力に依拠する前記軸方向力を付与するものとされた(1)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項の態様によれば、弾性力を利用することにより、シャフトアッセンブリに対して、容易に引張力若しくは圧縮力を付与することが可能である。本項における「弾性体」は、特に限定されるものではないが、例えば、各種のばねを用いることができる。具体的には、例えば、シャフトアッセンブリを構成するシャフトと同軸的に配設された圧縮コイルスプリングあるいは引張コイルスプリングを用いることができ、それらを用いれば、軸方向力付与装置の構造を簡素化することができる。
(3)当該車両用ステアリング装置が、
前記操作部材側保持部と前記転舵装置側保持部との少なくとも一方の位置変動であって前記シャフトアッセンブリを収縮させる方向の位置変動に対して、前記伸縮部が収縮可能とされた(1)項または(2)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項の態様は、シャフトアッセンブリに設けられた伸縮部の機能に関する限定を加えた態様である。ステアリング装置は、車両の衝突に起因する運転者の操作部材への二次衝突に対応して、操作部材を車両前方側へ退避させる機構や、エネルギ吸収荷重(いわゆるEA荷重である)が発生する状態で操作部材の車両前方側への移動を許容する衝撃エネルギ吸収機構が設けられる。その場合、操作部材に連結されたシャフトあるいはシャフトの一部分を操作部材とともに(ステアリングコラムを有する場合にはそのコラムごと)車両前方側に移動可能であることが求められる。本項の態様において、上記収縮部は、上記退避機構や衝撃エネルギ吸収機構の機能を担保するためのものとなり得る。また、車両衝突の際、転舵装置の車両後方側への移動によって、シャフトアッセンブリが車両後方に移動し、操作部材が運転者に向かって移動することが考えられる。その場合において、操作部材の運転者側への移動を制限した状態での転舵装置の車両後方側への移動を許容することが望まれる。本項の態様において、上記収縮部は、その転舵装置の移動を許容する機構の機能を担保するためのものとなり得る。
(4)前記シャフトアッセンブリが、操作部材側シャフトと、転舵装置側シャフトと、それらの間に位置する中間シャフトと、その中間シャフトと前記操作部材側シャフトとを連結する操作部材側自在継手および前記中間シャフトと前記転舵装置側シャフトとを連結する転舵装置側自在継手とを含んで構成され、
前記操作部材側被保持部が前記操作部材側シャフトに、前記転舵装置側被保持部が前記転舵装置側シャフトに、それぞれ設けられ、かつ、前記中間シャフトと、前記操作部材側シャフトの前記操作部材側被保持部と前記操作部材側自在継手との間の部分と、前記転舵装置側シャフトの前記転舵装置側被保持部と前記転舵装置側自在継手との間の部分とのいずれかが、相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能とされた2つのシャフト部材を含んで構成されて前記伸縮部として機能する(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
本項の態様は、シャフトアッセンブリの構造を具体的に限定した態様である。本項に記載のシャフトアッセンブリは、いわゆる2つの間接部を有する構造をなすとともに、上記3つのシャフトのうちのいずれかが伸縮可能とされた構造をなしている。したがって、操作部材の操作位置を変更するための機構、すなわち、テレスコピック機構,チルト機構等によって、操作部材の変位に伴って操作部材側のシャフトが変位させられるような構成のステアリング装置であっても、上記2つの自在継手および伸縮部の機能により、その操作部材側のシャフトを比較的自由に変位させることができる。なお、本項における「自在継手」として、いわゆるユニバーサルジョイント,カルバンジョイント等を採用することが可能である。また、伸縮部が設けられたシャフトは、例えば、上記2つのシャフト部材の一方がパイプ状のものされ、他方がロッド状のものとされ、それらがスプライン嵌合等させられた構造のものとすることができる。
(5)前記中間シャフトが、前記2つのシャフト部材を含んで構成されて前記伸縮部として機能する(6)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項にいう中間シャフトには、いわゆるインタミディエイトシャフトと呼ばれるシャフト等が含まれる。ステアリング装置は、インタミディエイトシャフトが例えばステアリングコラムと転舵装置との離間距離の多くの部分を占めるように構成することができ、そのような構成では、インタミディエイトシャフトは、比較的長くすることが可能である。本項の態様のように、中間シャフトに伸縮部を設ければ、伸縮部の伸縮代を比較的長くすることが可能であり、例えば、上述した伸縮部の機能、つまり、2つの保持部の位置変動を許容する機能を、十分に担保することが可能となる。
(6)軸方向における前記転舵装置側被保持部から前記操作部材側被保持部に向かう方向を操作部材側方向と、前記操作部材側被保持部から前記転舵装置側被保持部に向かう方向を転舵装置側方向と、それぞれ定義した場合において、
前記軸方向力付与装置が、
前記操作部材側被保持部の前記操作部材側保持部に対する前記操作部材側方向と前記転舵装置側方向との一方への移動を禁止する操作部材側移動禁止機構と、
前記転舵装置側被保持部の前記転舵装置側保持部に対する前記操作部材側方向と前記転舵装置側方向との他方への移動を禁止する転舵装置側移動禁止機構と、
前記伸縮部に対して、前記操作部材側移動禁止機構が前記操作部材側被保持部の前記操作部材側方向への移動を禁止するとともに前記転舵装置側移動禁止機構が前記転舵装置側被保持部の前記転舵装置側方向への移動を禁止するものである場合には、前記伸縮部を伸長させる方向の力を、前記操作部材側移動禁止機構が前記操作部材側被保持部の前記転舵装置側方向への移動を禁止するとともに前記転舵装置側移動禁止機構が前記転舵装置側被保持部の前記操作部材側方向への移動を禁止するものである場合には、前記伸縮部を収縮させる方向の力を、それぞれ伸縮方向力として付与する伸縮方向力付与機構と
を含んで構成された(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、簡単にいえば、2つの被保持部の移動が禁止された状態とされ、その状態において、伸縮部にそれが収縮あるいは伸長する力を作用させることによって、シャフトアッセンブリに、詳しくは、2つの被保持部間に軸方向力を作用させる態様である。本項の態様は、本来的に軸方向の動きが許容されている伸縮部を利用して軸方向力を付与する構成であるため、本項の態様によれば、ステアリング装置の構成の単純化を図ることが可能である。
(7)前記操作部材側移動禁止機構が、前記操作部材側被保持部の前記操作部材側方向への移動を禁止するものであり、前記転舵装置側移動禁止機構が前記転舵装置側被保持部の前記転舵装置側方向への移動を禁止するものであり、かつ、前記伸縮方向力付与機構が、前記伸縮方向力として前記伸縮部を伸長させる方向の力を付与するものである(6)項に記載の車両用ステアリング装置。
(8)前記操作部材側移動禁止機構が、前記操作部材側被保持部の前記転舵装置側方向への移動を禁止するものであり、前記転舵装置側移動禁止機構が前記転舵装置側被保持部の前記操作部材側方向への移動を禁止するものであり、かつ、前記伸縮方向力付与機構が、前記伸縮方向力として前記伸縮部を収縮させる方向の力を付与するものである(6)項に記載の車両用ステアリング装置。
上記2つの態様は、それぞれ、伸縮部に力を付与することによってシャフトアッセンブリに軸方向力を作用させる態様において、その伸縮部へ付与される力の方向を限定した態様である。伸縮部にそれが収縮する方向の力を付与する場合には、シャフトアッセンブリの2つの被保持部の間には引張力が作用した状態となり、伸長する方向の力を付与する場合には、圧縮力が作用した状態となる。なお、伸縮部に収縮する方向の力を付与する態様の場合、例えば、上述したように、伸縮部が2つの保持部の位置変動を許容する機能を有するときには、伸縮部に付与された力は、その位置変動に伴う伸縮部の収縮を助勢するものとなることから、上述した伸縮部の機能が十分に担保されることになる。
(9)前記軸方向力付与装置が、弾性体を有してその弾性体の弾性力に依拠する前記軸方向力を付与するものとされ、
前記伸縮方向力付与機構が、前記弾性体を含んで構成され、その弾性体の弾性力に依拠する前記伸縮方向力を付与するものとされた(6)項ないし(8)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
本項の態様は、平たく言えば、伸縮部において弾性体を配設して伸縮方向力を付与する態様である。本項の態様によれば、先に説明したように、軸方向力付与装置の構造の簡素化を図ることが可能である。
(10)前記軸方向力付与装置が、
前記伸縮部の前記伸縮方向力が作用しない状態での伸縮を許容すべく前記伸縮方向力付与機構による前記伸縮方向力の付与を禁止する機構であって、その禁止を解除可能に構成された伸縮方向力付与禁止機構を有する(6)項ないし(9)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
本項の態様は、簡単に言えば、上記伸縮方向力の発生を禁止可能な機構が設けられた態様である。例えば、シャフトアッセンブリを転舵装置および操作部材に連結する際、具体的に言えば、例えば、シャフトアッセンブリの一部をステアリングコラムとして組み立て、そのステアリングコラムを車体に固定し、その後に、ステアリングシャフトの他の部分を既に車体に固定されている転舵装置に組み付けるような作業を行う際には、伸縮部に作用する伸縮方向力は、その組付作業を行い難くする一因となる。そこで、本項の態様のように、その伸縮方向力の付与を禁止可能とすれば、上記組付作業の簡便化が図れることになる。そのような目的で上記伸縮方向力付与禁止機構を設ける場合においては、その機構は、組付作業においてのみ機能し、当該ステアリング装置が完成した後には一度も機能しない、あるいは、機能し得ないようなものであってもよい。
本項における「伸縮方向力付与禁止機構」は、その構成が特に限定されるものではないが、例えば、伸縮部が、一方が他方に挿入される2つのシャフト部材を含み、弾性体としての圧縮コイルスプリングによって、それら2つのシャフトを相互に弾性支持するような構成とされている場合に、その圧縮コイルスプリングを圧縮状態に維持する機構を設けることによって、その機構を上記伸縮方向力付与禁止機構として機能させるような構成とすることが可能である。
(11)前記操作部材側被保持部と前記転舵装置側被保持部との一方を一方側被保持部と、他方を他方側被保持部と、前記一方側被保持部を回転可能に保持する前記操作部材側保持部と前記転舵装置側保持部との一方を一方側保持部と、前記他方側被保持部を回転可能に保持する前記操作部材側保持部と前記転舵装置側保持部との他方を他方側保持部と、それぞれ定義し、軸方向における前記一方側被保持部から前記他方側被保持部に向かう方向を他方側方向と定義した場合において、
前記軸方向力付与装置が、
前記一方側被保持部の前記一方側保持部に対する前記他方側方向への移動を禁止する一方側被保持部移動禁止機構と、
前記伸縮部の伸長を禁止する伸長禁止機構と、
前記他方側被保持部の前記他方側保持部に対しての軸方向の移動を許容するとともに、前記他方側保持部に支持されて前記他方側被保持部を前記他方側方向に付勢する他方側被保持部付勢機構と
を有する(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
本項に記載の態様は、簡単に言えば、例えば、2つの保持部のうちの一方において、その一方が保持する被保持部の軸方向の移動を制限し、その制限した状態において、2つの保持部のうちの他方において、その他方が保持する被保持部を軸方向に付勢することで、シャフトアッセンブリに、詳しくは、2つの被保持部間に引張力を作用させる態様である。本項の態様では、例えば、伸縮部が2つの保持部の位置変動を許容する機能を有するときには、その位置変動に伴う伸縮部の収縮を担保した状態で、2つの被保持部の一方に作用する付勢力によってシャフトアッセンブリに軸方向力を作用させることが可能である。なお、ステアリング装置が、前述したところの操作部材の変位に伴う操作部材側のシャフトの変位を許容する機能を有する場合には、上記付勢機構において一方の被保持部の移動が許容される構造によって、その機能を担保することができる。
(12)前記軸方向力付与装置が、弾性体を有してその弾性体の弾性力に依拠する前記軸方向力を付与するものとされ、
前記他方側被保持部付勢機構が、前記弾性体を含んで構成され、その弾性体の弾性力に依拠して前記他方側被保持部を付勢するものとされた(11)項に記載の車両用ステアリング装置。
本項の態様は、平たく言えば、上記付勢機構が設けられる側の保持部に弾性体を配設し、その弾性体によって、その保持部が保持する被保持部を付勢する態様である。本項の態様によれば、先に説明したように、軸方向力付与装置の構造の簡素化を図ることが可能である。
(21)車両用ステアリング装置の一部を構成し、運転者によって操作される操作部材と車輪を転舵する転舵装置とを連結して操舵力を伝達するシャフトアッセンブリであって、
前記ステアリング操作部材に連結され、車体に対して固定的に設けられた操作部材側保持部に回転可能に保持される操作部材側シャフトと、
前記転舵装置に連結され、車体に対して固定的に設けられた転舵装置側保持部に回転可能に保持される転舵装置側シャフトと、
前記操作部材側シャフトと前記転舵装置側シャフトとの間に位置する中間シャフトと、
その中間シャフトと前記操作部材側シャフトとを連結する操作部材側自在継手と、前記中間シャフトと前記転舵装置側シャフトとを連結する転舵装置側自在継手と備え、
前記中間シャフトと、前記操作部材側シャフトと、前記転舵装置側シャフトとのいずれかが、相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能とされた2つのシャフト部材を含んで伸縮可能に構成されるとともに、自身を伸長させる方向の力と収縮させる方向の力との一方である伸縮方向力を前記2つのシャフト部材に対して付与可能な伸縮方向力付与機構を有するシャフトアッセンブリ。
(22)前記中間シャフトが前記2つのシャフト部材を含んで伸縮可能に構成されるとともに、前記伸縮方向力付与機構を有する(21)項に記載のシャフトアッセンブリ。
(23)前記伸縮方向力付与機構が、弾性体を有してその弾性体の弾性力に依拠する前記伸縮方向力を付与可能なものとされた(21)項または(22)項に記載のシャフトアッセンブリ。
(24)前記中間シャフトと、前記操作部材側シャフトと、前記転舵装置側シャフトとのいずれかであって前記伸縮方向力付与機構を有するものが、
前記2つのシャフト部材の前記伸縮方向力の作用しない状態での軸方向の相対移動を許容すべく前記伸縮方向力付与機構による前記伸縮方向力の付与を禁止する機構であって、その禁止を解除可能に構成された伸縮方向力付与禁止機構を有する(21)項ないし(23)項のいずれかに記載のシャフトアッセンブリ。
上記4つの項は、カテゴリをシャフトアッセンブリとした請求可能発明の態様である。それらの態様のシャフトアッセンブリを採用すれば、先に説明したように、操舵力伝達系における種々の箇所のガタが解消あるいは軽減されたステアリング装置が実現される。なお、上記4つの項に関する説明は、ステアリング装置に関する態様の項における説明と重複するため、省略する。
(31)車両用ステアリング装置の一部を構成し、ステアリング操作部材に連結されるとともに車体に対して固定的に設けられた操作部材側保持部に回転可能に保持される操作部材側シャフトと、転舵装置に連結されるとともに車体に対して固定的に設けられた転舵装置側保持部に回転可能に保持される転舵装置側シャフトとに、それぞれ自在継手を介して連結される中間シャフトであって、
相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能とされた2つのシャフト部材を含んで伸縮可能に構成されるとともに、自身を伸長させる方向の力と収縮させる方向の力との一方である伸縮方向力を前記2つのシャフト部材に対して付与可能な伸縮方向力付与機構を有する中間シャフト。
本項に記載の態様は、カテゴリを中間シャフトとした請求可能発明の態様である。本項の態様の中間シャフトを採用すれば、先に説明したように、操舵力伝達系における種々の箇所のガタが解消あるいは軽減されたステアリング装置が実現される。本項の態様の中間シャフトは、上記自在継手を含んで構成されるものであってもよく、自在継手を含まずに構成されるものであってもよい。なお、本項に関する説明は、ステアリング装置に関する態様の項における説明と重複するため、省略する。また、先のシャフトアッセンブリに関する態様において採用可能な技術的特徴は、本項の態様においても採用可能である。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<第1実施例>
図1に、第1実施例の車両用ステアリング装置の全体構成を示す。本ステアリング装置は、運転者によって操作されるステアリング操作部材としてのステアリングホイール10と、一端部においてステアリングホイール10を保持するステアリングメインシャフト(以下、単に「メインシャフト」という場合がある)12と、車輪を転舵する転舵装置14の一部を構成するギヤボックス16と、一端部においてギヤボックス16と連結されてそれへ操舵力を入力するための入力シャフト18と、メインシャフト12と入力シャフト18との間に位置する中間シャフトとしてのインタミディエイトシャフト(以下、「I/Mシャフト」と略す場合がある)20とを含んで構成されている。さらに、メインシャフト12の他端部とI/Mシャフト20の一端部とは、自在継手として機能するユニバーサルジョイント22によって連結され、入力シャフト18の他端部とI/Mシャフト20の他端部とは、もう1つのユニバーサルジョイント24によって連結されている。
本ステアリング装置は、図1において右側、つまり、ステアリングホイール10側が車両後方を、左側、つまり、ギヤボックス16側が車両前方を向くように配設されており、I/Mシャフト20の中間部分において、車室とエンジン室とを区画するダッシュボード26に設けられたブーツ28を挿通するように配設されている。なお、各々のシャフト12,18,20は、ユニバーサルジョイント(以下、単に「ジョイント」という場合がある)22,24によって折り曲げるように連結されており、それら各シャフト12,18,20は、一直線上に位置せず、それらの軸方向は単一の方向とはなっていない。それらのことを考慮し、本実施例では、説明を簡略化するため、特に断りのない限り、操作部材側であるステアリングホイール10側を後方側と、転舵装置側であるギヤボックス16側を前方側とし、また、各々のシャフト12,18,20の軸方向において、操作部材側方向であるステアリングホイール10に向かう方向を後方と、転舵装置側方向であるギヤボックス16に向かう方向を前方と呼んで、説明を行う。
メインシャフト12は、両端部がコラムチューブ30の両端部から突出するようにしてそれに回転可能に保持されており、それらメインシャフト12およびコラムチューブ30を含んでステアリングコラム32が構成されている。図2に示すように、メインシャフト12は、後方側(上方側)に位置して概してパイプ状をなすアッパシャフト34と、前方側(下方側)に位置して概してロッド状をなすロアシャフト36とを含んで構成されており、ロアシャフト36の後方側の部分がアッパシャフト34の前方側の部分に挿入された状態でそれらがスプライン嵌合されており、アッパシャフト34とロアシャフト36とは、軸方向に相対移動が可能な状態かつ相対回転が不能な状態で接続されている。
また、コラムチューブ30は、後方側(上方側)に位置するアッパチューブ38と、前方側に位置するロアチューブ40とを含んで構成されている。アッパチューブ38およびロアチューブ40は、ロアチューブ40の後方側の部分がアッパチューブ38の前方側の部分に挿入されており、それらは軸方向に相対移動することが可能とされている。また、アッパチューブ38の後方側の端部およびロアチューブ40の前方側の端部には、それぞれラジアルベアリング(以下、単に「ベアリング」という場合がある)44,46が設けられ、それらを介して、アッパシャフト34,ロアシャフト36の各々は、アッパチューブ38,ロアチューブ40の各々に回転可能に保持されている。
図3に、ロアチューブ40がロアシャフト36を保持する構造を示す。ロアチューブ40の前方側端部の内面は段付形状に形成されており、ラジアルベアリング46の外輪50は、段差面52に係止される状態でロアシャフト36に嵌め込まれている。また、ロアチューブ40の前方側端の一部は曲げ起こされており、その曲げ起こされた部分(曲起部)54と段差面52とによって外輪50が挟まれることで、ベアリング46は、ロアチューブ40に対する軸方向の変位が禁止されている。一方、ロアシャフト36も段差状に形成されており、ロアシャフト36は、段差面56を内輪58の後方側端面に当接させた状態で、内輪58に挿入されている。ロアシャフト36には、断面がV字形状に形成された係止溝60が設けられており、その係止溝60に係止される状態で、スナップリング62が嵌められている。このスナップリング62は、内周部が部分的に曲げられることで概してJ字形状に形成された付勢片部64を有しており、その付勢片部64が、内輪58を後方に向かって付勢している。この付勢片部64の付勢力によって、ロアシャフト36の内輪58に対する軸方向の変位が禁止されている。なお、後に説明するが、車両衝突等に起因してロアシャフト36に後方へ向かう設定荷重以上の荷重が作用した場合、係止溝60によるスナップリング62の係止が解かれ、ロアシャフト36の後方への移動が許容される。
ロアチューブ40には、前方ブラケット70が固定的に設けられており、その前方ブラケット70が車体の一部であるインストゥルメントパネルのリインフォースメント(以下、「インパネR/F」と略す場合がある)72に設けられたサポート74に軸部材76を利用して軸支されることで、ステアリングコラム32は、揺動可能に車体に支持されている。さらに、アッパチューブ38は、ブレークアウェイブラケット(以下、「B.A.BKT」と略す場合がある)78に保持され、そのB.A.BKT78がサポート74に支持されている。詳しく説明すれば、図4に示すように、B.A.BKT78は、アッパチューブ38に固定された被保持部材80を保持する保持部材82と、その保持部材82に固定されてサポート74に取り付けられる取付プレート84とを有しており、その取付プレート84に設けられたスロット86を利用してサポート74に締結されている。被保持部材80,保持部材82には、それぞれ長穴88,90が穿設され、それらにはロッド92が貫通されられており、図では省略するが、そのロッド92を利用して保持部材82が被保持部材80を挟持するようにされている。この挟持力によって、アッパチューブ38、つまり、ステアリングコラム32の変位が禁止される構造とされている。操作レバー94を操作することによって、その挟持力を弱めることが可能とされており、挟持力が弱められた状態では、ロッド92の長穴88,90に沿った移動が許容されることで、アッパチューブ38のロアチューブ40に対する軸方向の移動が、アッパシャフト34のロアシャフト36に対する軸方向の移動とともに許容され、つまり、ステアリングコラム32の伸縮が許容され、また、前方ブラケット70に配設された軸部材76を中心としたステアリングコラム32の揺動が許容されることになる。つまり、ステアリングコラム32は、そのような構造のチルト・テレスコピック機構96を備えているのである。
車両の衝突に起因して運転者がステアリングホイール10に二次衝突した場合には、B.A.BKT78がサポート74から離脱するとともに、ステアリングコラム32が収縮させられる。本ステアリング装置には、二次衝突の衝撃を吸収する衝撃吸収機構98が設けられており、ステアリングコラム32の収縮に伴ってEAプレート100が変形させられることによって、二次衝突の衝撃が効果的に吸収される。
次に、入力シャフト18は、図5に示すように、一端部がギヤボックス16の構成部材であるハウジング110に、ラジアルベアリング(以下、単に「ベアリング」という場合がある)112を介して回転可能に保持されている。詳しく言えば、ハウジング110の後方端部(上方端部)の内面は、段差状に形成されており、段差面114とハウジングに螺合する係止リング116とによって外輪118が挟持されることによって、ベアリング112は、ハウジング110に対する軸方向の変位が禁止されている。一方、入力シャフト18も段付形状をなしており、それの段差面120と入力シャフト18に螺合する係止ナット122とによって内輪124が挟持されることによって、入力シャフト18のベアリング112に対する軸方向の変位が禁止されている。このようにして、入力シャフト18は、軸方向の移動が禁止されるとともに、ハウジング110に回転可能に保持されている。
ギヤボックス16には、ピニオンが形成されたピニオン軸130が、ハウジング110に回転可能に保持されて配設されている。また、転舵装置14は、ギヤボックス16に保持されるとともにそれを貫通して車幅方向に延びる転舵ロッド132を有しており、その転舵ロッド132に形成されたラックが、ピニオンと噛合するようにされている。また、ピニオン軸130と入力シャフト18とは同軸的に配設され、それらは、トーションバー134によって連結されている。このような構造から、入力シャフト18を回転させれば、転舵ロッド132が車幅方向に移動させられ、転舵ロッド132の両端部の各々が連結されたステアリングナックルが回動させられて車輪が転舵されるのである。なお、転舵装置14は、車輪の転舵をアシストするための油圧アクチュエータ(図示省略)を有しており、ギヤボックス16には、そのアクチュエータを制御するための制御弁機構136、詳しく言えば、トーションバー134の捩れ、つまり、入力シャフト18とピニオン軸130との相対回転位置に応じて油圧アクチュエータへの作動油の流れる方向および流量を調整するための機構が設けられている。
上記ロアシャフト36と入力シャフト18とは、I/Mシャフト20を介して接続されており、ロアシャフト36とI/Mシャフト20との連結部と、入力シャフト18とI/Mシャフト20との連結部との各々に配設されたジョイント22,24は、図6(a)に分解図で、図6(b)に断面図で示すような構造をなしている。具体的に言えば、ジョイント22,24は、1対のヨーク140,142が、2対の軸部を有して十字形状をなすクロススパイダ144によって連結された構造をなしている。軸部の各々は、ニードルベアリング146を介してヨーク140,142に設けられた軸穴に軸支されるとともに、、ニードルベアリング146の各々とクロススパイダ144の中央部分との間には介装リング148が介装されている。このような構造によって、ロアシャフト36の軸線とI/Mシャフト20との軸線のなす角度、あるいは、入力シャフト18の軸線とI/Mシャフト20の軸線とのなす角度が変化しても、それらの間の円滑な回転伝達が担保されるようになっている。なお、ヨーク142は、ジョイント22ではI/Mシャフト20の後方側端部に、ジョイント24では入力シャフト18の後方側端部に、それぞれ接合されており、ヨーク140は、ジョイント22ではロアシャフト36の前方側端部が、ジョイント24ではI/Mシャフト20の前方側端部が、それぞれ挿入された状態でそれらと締結されている。
ロアシャフト36と入力シャフト18との間に配設されたI/Mシャフト20は、図7に示すように、それぞれがシャフト部材である後方側に位置するパイプメンバ150と、前方側に位置するロッドメンバ152とを含んで構成されている。先に説明したように、パイプメンバ150の後方側端部には、ジョイント22のヨーク142が接合されており、ロッドメンバ152の前方側端部は、ジョイント24のヨーク140に挿入して締結される。一方、ロッドメンバ152の後方側の部分は、パイプメンバ150の前方側の部分に挿入されており、それらがスプライン嵌合されていることで、パイプメンバ150とロッドメンバ152とは、相対回転不能にかつ軸方向に相対移動可能とされている。このような構造により、I/Mシャフト20は、伸縮可能とされているのである。なお、パイプメンバ152の前方側端には、ロッドメンバ150の抜け出しを防止するためのストッパ環154が付設されている。
また、パイプメンバ150の後方側端部は他の部分より肉厚とされており、パイプメンバ150の内部には、圧縮コイルスプリング(以下、単に「スプリング」という場合がある)156が、パイプメンバ150の後方側端部とロッドメンバの後方側端面とに両端の各々を支持された状態で配設されている。スプリング156は、I/Mシャフト20が最も伸びた状態であっても圧縮させられており、I/Mシャフト20の伸縮状態がどのような状態であっても、弾性力に依拠する力、詳しくは、I/Mシャフト20に対して伸長させる方向の力を付与している。
以上の構造から、本ステアリング装置は、ステアリングホイール10が回転操作された場合に、その回転操作が、メインシャフト12,I/Mシャフト20,入力シャフト18を介してギヤボックス16に入力される。本ステアリング装置では、これらのシャフト12,20,18、詳しくは、ロアシャフト36,I/Mシャフト20,入力シャフト18は、それらがジョイント22,24によって連結されることによりシャフトアッセンブリ160とされており、そのシャフトアッセンブリ160は、操作部材側シャフトであるロアシャフト36の一部分を操作部材側被保持部として、その部分が、操作部材側保持部として機能するロアチューブ40の前方端部によって回転可能に保持され、また、転舵装置側シャフトである入力シャフト18の一部分を転舵装置側被保持部として、その部分が、転舵装置側保持部として機能するギヤボックス16のハウジング110の端部によって回転可能に保持されている。また、I/Mシャフト20は伸縮可能なものとされており、上記シャフトアッセンブリ160は、その伸縮可能な部分を伸縮部として有するものとなっている。
図8に示すように、上述のチルト・テレスコピック機構96によって、ステアリングコラム32が揺動させられた場合には、ロアシャフト36のロアチューブ40に保持されている部分と、入力シャフト18のギヤボックス16によって保持されている部分との相対位置が変動する。この変動は、シャフトアッセンブリ160が2つのジョイント22,24による連結構造とされていること、および、I/Mシャフト20が伸縮可能とされていることによって吸収され、チルト動作によっても操舵操作の伝達に対して影響を与えず、円滑な操舵操作が担保される。また、図9に示すように、車両の衝突によって、転舵装置14が後方側に変位させられた場合には、I/Mシャフト20が収縮させられ、メインシャフト12の後方側への変位が効果的に防止あるいは抑制される。
上述のように、伸縮部を有するシャフトアッセンブリ160を備えることで、本ステアリング装置において、そのシャフトアッセンブリ160の種々の箇所およびそれを保持する箇所において、ガタが存在し得る。具体的には、例えば、ロアシャフト36がロアチューブ40に保持される箇所においては、ベアリング46とロアチューブ40との間、ベアリング46自体等に存在し、また、入力シャフト18がギヤボックス16に保持される箇所においては、ギヤボックス16のハウジング110とベアリング112との間、ベアリング112と入力シャフト18との間、ベアリング112自体等に存在する。さらに、ジョイント22,24の各々においては、クロススパイダ144の各軸部とニードルベアリング146のニードルおよびケーシングとの間等に、ガタが存在し得る。
ところが、本ステアリング装置では、スプリング156によってI/Mシャフト20に伸長させる方向の力が付与されている。つまり、本ステアリング装置は、シャフトアッセンブリ160の伸縮部に伸縮方向の力を付与する伸縮方向力付与機構を有するものとされている。その一方で、前述のように、ロアシャフト36はロアチューブ40に対して軸方向に移動不能とされ、入力シャフト18はギヤボックス16に対して軸方向に移動不能とされていることから、本ステアリング装置は、操作部材側シャフト,転舵装置側シャフトの各々に対しての軸線方向への移動を禁止する操作部材側移動禁止機構、転舵装置側移動禁止機構を備えるものとなっている。したがって、シャフトアッセンブリ160は、ロアチューブ40に保持される部分とギヤボックス16に保持される部分との間において圧縮力が作用する状態となっており、また、ロアチューブ40,ギヤボックス16のそれぞれのシャフト36,18を保持する部分は、その圧縮力を受けた状態となっている。つまり、本ステアリング装置では、上記伸縮方向力付与機構,操作部材側移動禁止機構、転舵装置側移動禁止機構を含んで構成される軸方向力付与装置を備えるものなっており、その装置による軸方向力、言い換えれば、上記圧縮力の作用によって、前述の各所のガタが効果的に解消あるいは軽減させられることとなる。したがって、本ステアリング装置では、それらのガタがすくなく、円滑な操舵が担保されるとともに、車両の振動に起因してガタが存在する部分において発生する異音が効果的に防止あるいは抑制されているのである。
なお、上記スプリング156の弾性力は、シャフトアッセンブリ160をコラムチューブ30,ギヤボックス16に組み付ける作業において、邪魔な存在となる。具体的に言えば、例えば、シャフトアッセンブリ160を、コラムチューブ30とギヤボックス16との一方に組み付けた状態において、それらの他方に組み付ける際、その弾性力によってその組付作業が困難なものとなる。そのことに考慮して、本ステアリング装置では、スプリング156によるI/Mシャフト20に対してそれが伸長する方向の力の付与を禁止する機構、つまり、伸縮方向力付与禁止機構が設けられている。具体的に言えば、図10に示すように、パイプメンバ150には、それの中間部において軸方向と直交する方向にそのパイプメンバ150を貫通する貫通穴170が設けられており、シャフトアッセンブリ160が組付に供される前おいて、スプリング156が後方側に圧縮させられてそれの前方側端がロッドメンバ152の後方側端から離れた状態で、貫通穴170を貫通して規制ピン172が配設されている。この規制ピン172によって、スプリング156の伸長が規制され、I/Mシャフト20に対してそれを伸長させる方向の力が付与されない状態とされる。本ステアリング装置では、規制ピン172が貫通穴170に挿し込まれた状態で、シャフトアッセンブリ160を組付に供することができるため、その組付に対する作業は容易なものとなる。なお、シャフトアッセンブリ160が組み付けられた後に規制ピン172を抜くことによって、スプリング156の弾性力は、I/Mシャフト20を伸長させる方向の力として作用し、シャフトアッセンブリ160に圧縮力が付与されることとなる。
本ステアリング装置では、上記I/Mシャフト20に代えて、図11に示すI/Mシャフト180を採用することが可能である。概して言えば、先のI/Mシャフト20が、スプリング156の弾性力によって、I/Mシャフト20に対してそれを軸方向に伸長させる方向の力を付与する構造とされていたのに対して、本I/Mシャフト180は、弾性体としてスプリングの配置を変更することで、I/Mシャフト180を軸方向に収縮させる方向の力を付与する構造とされている。
詳しく説明すれば、I/Mシャフト180は、先のI/Mシャフト20と同様に、パイプメンバ182と、ロッドメンバ184とを含んで構成されている。本I/Mシャフト180では、パイプメンバ182が比較的大きな径のものとされ、ロッドメンバ184のスプラインが形成されているスプライン部186が他の部分よりも大きくされている。パイプメンバ182の前方側端には、支持環188が付設されており、その支持環188とスプライン部186の前方側端面とに両端の各々を支持された状態で、圧縮コイルスプリング190が配設されている。本I/Mシャフト180では、それがどのような伸縮状態にあっても、スプリング190が圧縮された状態とされており、そのスプリング190の弾性力が、I/Mシャフト180を収縮させる方向の力として作用する構造とされている。本I/Mシャフト180を採用する場合、先のI/Mシャフト20を採用する場合と異なり、シャフトアッセンブリ160のロアチューブ40によって保持された部分とギヤボックス16によって保持された部分との間には、引張力が、軸方向力として付与されることになる。したがって、本I/Mシャフト180を採用する場合であっても、同様に、その引張力の作用によって、各所に存在するガタが、効果的に解消あるいは軽減させられることとなる。
本I/Mシャフト180においても、組付作業に考慮して、スプリング190の弾性力を作用させない機構が設けられている。具体的に言えば、図12に示すように、パイプメンバ182の壁面を貫通する2つの穴192が、一直線上に穿設されており、シャフトアッセンブリ160が組付に供される前においては、それら穴192の各々に、規制ピン194が離脱可能に挿入されている。それら規制ピン194は、スプリング190を圧縮状態に維持して、スプリング190の後方側端がロッドメンバ184のスプライン部186に接しないようにしているのである。シャフトアッセンブリ160が組み付けられた後、それら規制ピン194を穴192から抜くことにより、先のI/Mシャフト20と同様に、スプリング190の弾性力が、I/Mシャフト180を軸方向に収縮させる方向の力として作用し、シャフトアッセンブリ160に引張力が付与されることになる。
<第2実施例>
本実施例のステアリング装置は、第1実施例のステアリング装置がI/Mシャフト20において軸方向力の発生源を設けた構成であるのに対して、ロアチューブがロアシャフトを保持する構造内に発生源を配設した構成を有するステアリング装置とされている。本実施例のステアリング装置の全体構成は、第1実施例のステアリング装置と同様であるため、全体図は省略するとともに、同じ機能を有する構成要素については、第1実施例における符号と同じ符号を用いて説明を省略するものとする。
本実施例のステアリング装置に採用されているステアリングコラム200は、図13に示すような構造とされており、概して言えば、ロアシャフト202およびそれをロアチューブ40に保持させる構造のみが異なるものとなっている。ロアシャフト202は、それの中間部に他の部分より大きな径とされたスプリング支持部204が設けられている。また、ロアシャフト202のベアリング46の内輪58に挿入される部分は、その内輪58との間に僅かに大きなクリアランスを有するように、若干小さな外径とされている。また、ベアリング46とスプリング支持部204との間には、スプリング支持環206が緩やかに嵌められており、圧縮コイルスプリング208が、スプリング支持部204とスプリング支持環206との間に配設されている。このスプリング208は、両端の一方が、スプリング支持環206を介してベアリング46の内輪58に支持され、他端が、スプリング支持部202に支持されている。
本実施例のステアリング装置に採用されているI/Mシャフト210は、図14に示すように、概して言えば、先の実施例のおけるI/Mシャフト20から、スプリング156を外した構造とされている。
上記ステアリングコラム200,I/Mシャフト210を採用した本実施例のステアリング装置では、入力シャフト18のギヤボックス16に対しての後方への移動を禁止する機構を有するとともに、I/Mシャフト210のある限度を超えた伸長を禁止する機構を有している。そして、ロアシャフト202がロアチューブ40に保持される構造内において、上記スプリング208によって、ロアシャフト202がロアチューブ40に対して後方側に付勢する機構を備えるものとなっている。したがって、それらの機構により、シャフトアッセンブリ160は、ロアチューブ40に保持される部分とギヤボックス16に保持される部分との間において引張力が作用する状態となっており、また、ロアチューブ40,ギヤボックス16のそれぞれのシャフト202,18を保持する部分は、その引張力を受けた状態となっている。つまり、本ステアリング装置においても、第1実施例のステアリング装置と同様に、軸方向力付与装置が設けられており、その装置によって付与される上記引張力によって、前述の各所のガタが効果的に解消あるいは軽減させられることとなる。
なお、本実施例のステアリング装置でも、図8に示すところのステアリングコラム200のチルト動作が行われる場合、ロアシャフト202のロアチューブ40に保持されている部分と、入力シャフト18のギヤボックス16によって保持されている部分との相対位置が変動する。本実施例のステアリング装置においては、ロアシャフト202とロアチューブ40との軸方向の相対移動が許容されている構造によって、上記変動に対応している。また、図9に示すように、車両の衝突によって、転舵装置14が後方側に変位させられた場合には、第1実施例のステアリング装置と同様に、I/Mシャフト210が収縮させられることになる。
第1実施例のステアリング装置の全体構成を示す図である。 図1のステアリング装置を構成するステアリングコラムの断面図である。 図2に示すステアリングコラムにおいてロアシャフトがロアチューブに保持されている部分の拡大断面図である。 図1に示すステアリングコラムのブレークアウェイブラケットの部分を示す斜視図である。 図1のステアリング装置を構成する入力シャフトとギヤボックスとの断面図である。 図1のステアリング装置を構成するユニバーサルジョイントの分解図および断面図である。 図1のステアリング装置を構成するインタミディエイトシャフトの断面図である。 図1のステアリング装置のチルト機構による挙動を示した図である。 図1のステアリング装置の車両衝突時の挙動を示した図である。 図7に示すインタミディエイトシャフトの組付前の状態を示す断面図である。 図1に示すステアリング装置において採用可能な別のインタミディエイトシャフトの断面図である。 図11に示すインタミディエイトシャフトの組付前の状態を示す断面図である。 第2実施例のステアリング装置を構成するステアリングコラムの断面図である。 第2実施例のステアリング装置を構成するインタミディエイトシャフトの断面図である。
符号の説明
10:ステアリングホイール(ステアリング操作部材) 12:ステアリングメインシャフト 14:転舵装置 16:ギヤボックス 18:入力シャフト(転舵装置側シャフト,転舵装置側被保持部) 20:インタミディエイトシャフト(中間シャフト,伸縮部) 22:ユニバーサルジョイント(操作部材側自在継手) 24:ユニバーサルジョイント(転舵装置側自在継手) 32:ステアリングコラム 36:ロアシャフト(操作部材側シャフト,操作部材側被保持部) 40:ロアチューブ(操作部材側保持部) 96:チルト・テレスコピック機構 110:ハウジング(転舵装置側保持部) 150:パイプメンバ(シャフト部材) 152:ロッドメンバ(シャフト部材) 156:圧縮コイルスプリング(弾性体,伸縮方向力付与機構) 160:シャフトアッセンブリ 170:貫通孔(伸縮方向力付与禁止機構) 172:規制ピン(伸縮方向力付与禁止機構) 180:インタミディエイトシャフト(中間シャフト,伸縮部) 182:パイプメンバ(シャフト部材) 184:ロッドメンバ(シャフト部材) 190:圧縮コイルスプリング(弾性体,伸縮方向力付与機構) 192:穴(伸縮方向力付与禁止機構) 194:規制ピン(伸縮方向力付与禁止機構) 200:ステアリングコラム 202:ロアシャフト(操作部材側シャフト,操作部材側被保持部) 208:圧縮コイルスプリング(弾性体,他方側被保持部付勢機構) 210:インタミディエイトシャフト(中間シャフト,伸縮部)






























Claims (8)

  1. 運転者によって操作されるステアリング操作部材と、
    車輪を転舵する転舵装置と、
    前記ステアリング操作部材と前記転舵装置とを連結して操舵力を伝達するシャフトアッセンブリであって、(a)前記ステアリング操作部材側の一部分をなし、車体に対して固定的に設けられた操作部材側保持部に回転可能に保持された操作部材側被保持部と、(b)前記転舵装置側の一部分をなし、車体に対して固定的に設けられた転舵装置側保持部に回転可能に保持された転舵装置側被保持部と、(c)前記操作部材側被保持部と前記転舵装置側被保持部との間に設けられ、軸方向に伸縮可能に構成された伸縮部とを有するシャフトアッセンブリと、
    そのシャフトアッセンブリの前記操作部材側被保持部と前記転舵装置側被保持部との間部分に軸方向の引張力と圧縮力との一方である軸方向力を付与する軸方向力付与装置と
    を備えた車両用ステアリング装置。
  2. 前記軸方向力付与装置が、弾性体を有してその弾性体の弾性力に依拠する前記軸方向力を付与するものとされた請求項1に記載の車両用ステアリング装置。
  3. 当該車両用ステアリング装置が、
    前記操作部材側保持部と前記転舵装置側保持部との少なくとも一方の位置変動であって前記シャフトアッセンブリを収縮させる方向の位置変動に対して、前記伸縮部が収縮可能とされた請求項1または請求項2に記載の車両用ステアリング装置。
  4. 前記シャフトアッセンブリが、操作部材側シャフトと、転舵装置側シャフトと、それらの間に位置する中間シャフトと、その中間シャフトと前記操作部材側シャフトとを連結する操作部材側自在継手および前記中間シャフトと前記転舵装置側シャフトとを連結する転舵装置側自在継手とを含んで構成され、
    前記操作部材側被保持部が前記操作部材側シャフトに、前記転舵装置側被保持部が前記転舵装置側シャフトに、それぞれ設けられ、かつ、前記中間シャフトと、前記操作部材側シャフトの前記操作部材側被保持部と前記操作部材側自在継手との間の部分と、前記転舵装置側シャフトの前記転舵装置側被保持部と前記転舵装置側自在継手との間の部分とのいずれかが、相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能とされた2つのシャフト部材を含んで構成されて前記伸縮部として機能する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
  5. 軸方向における前記転舵装置側被保持部から前記操作部材側被保持部に向かう方向を操作部材側方向と、前記操作部材側被保持部から前記転舵装置側被保持部に向かう方向を転舵装置側方向と、それぞれ定義した場合において、
    前記軸方向力付与装置が、
    前記操作部材側被保持部の前記操作部材側保持部に対する前記操作部材側方向と前記転舵装置側方向との一方への移動を禁止する操作部材側移動禁止機構と、
    前記転舵装置側被保持部の前記転舵装置側保持部に対する前記操作部材側方向と前記転舵装置側方向との他方への移動を禁止する転舵装置側移動禁止機構と、
    前記伸縮部に対して、前記操作部材側移動禁止機構が前記操作部材側被保持部の前記操作部材側方向への移動を禁止するとともに前記転舵装置側移動禁止機構が前記転舵装置側被保持部の前記転舵装置側方向への移動を禁止するものである場合には、前記伸縮部を伸長させる方向の力を、前記操作部材側移動禁止機構が前記操作部材側被保持部の前記転舵装置側方向への移動を禁止するとともに前記転舵装置側移動禁止機構が前記転舵装置側被保持部の前記操作部材側方向への移動を禁止するものである場合には、前記伸縮部を収縮させる方向の力を、それぞれ伸縮方向力として付与する伸縮方向力付与機構と
    を含んで構成された請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用ステアリング装置。
  6. 車両用ステアリング装置の一部を構成し、運転者によって操作される操作部材と車輪を転舵する転舵装置とを連結して操舵力を伝達するシャフトアッセンブリであって、
    前記ステアリング操作部材に連結され、車体に対して固定的に設けられた操作部材側保持部に回転可能に保持される操作部材側シャフトと、
    前記転舵装置に連結され、車体に対して固定的に設けられた転舵装置側保持部に回転可能に保持される転舵装置側シャフトと、
    前記操作部材側シャフトと前記転舵装置側シャフトとの間に位置する中間シャフトと、
    その中間シャフトと前記操作部材側シャフトとを連結する操作部材側自在継手と、前記中間シャフトと前記転舵装置側シャフトとを連結する転舵装置側自在継手と備え、
    前記中間シャフトと、前記操作部材側シャフトと、前記転舵装置側シャフトとのいずれかが、相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能とされた2つのシャフト部材を含んで伸縮可能に構成されるとともに、自身を伸長させる方向の力と収縮させる方向の力との一方である伸縮方向力を前記2つのシャフト部材に対して付与可能な伸縮方向力付与機構を有するシャフトアッセンブリ。
  7. 前記伸縮方向力付与機構が、弾性体を有してその弾性体の弾性力に依拠する前記伸縮方向力を付与可能なものとされた請求項6に記載のシャフトアッセンブリ。
  8. 前記中間シャフトと、前記操作部材側シャフトと、前記転舵装置側シャフトとのいずれかであって前記伸縮方向力付与機構を有するものが、
    前記2つのシャフト部材の前記伸縮方向力の作用しない状態での軸方向の相対移動を許容すべく前記伸縮方向力付与機構による前記伸縮方向力の付与を禁止する機構であって、その禁止を解除可能に構成された伸縮方向力付与禁止機構を有する請求項6または請求項7に記載のシャフトアッセンブリ。

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