JP5841373B2 - 感光性樹脂組成物、及び硬化レリーフパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
(B)プリン誘導体:該(A)樹脂100質量部を基準として0.01〜10質量部、並びに、
(C)感光剤:該(A)樹脂100質量部を基準として1〜50質量部
を含む感光性樹脂組成物。
で表される構造を有するポリアミド、下記一般式(4):
で表される構造を有するポリオキサゾール前駆体、及び下記一般式(5):
で表される構造を有するポリイミドから成る群より選ばれる少なくとも一種の樹脂である、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
(2)該感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程と
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
本発明は、(A)ポリイミド前駆体であるポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリオキサゾール前駆体となり得るポリヒドロキシアミド、ポリアミノアミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンズチアゾールから成る群より選ばれる少なくとも一種の樹脂:100質量部、(B)プリン誘導体:(A)樹脂100質量部を基準として0.01〜10質量部、(C)感光剤:(A)樹脂100質量部を基準として1〜50質量部を必須成分とする。
本発明に用いられる(A)樹脂について説明する。本発明の(A)樹脂は、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリオキサゾール前駆体となり得るポリヒドロキシアミド、ポリアミノアミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンズチアゾールから成る群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする。ここで、主成分とは、これらの樹脂を全樹脂の60質量%以上含有することを意味し、80質量%以上含有することが好ましい。また、必要に応じて他の樹脂を含んでいてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物において、耐熱性及び感光特性の観点から最も好ましい(A)樹脂の1つの例は、前記一般式(1):
で表される構造を有するポリイミド前駆体である。ポリイミド前駆体は、加熱(例えば200℃以上)環化処理を施すことによってポリイミドに変換される。ポリイミド前駆体はネガ型感光性樹脂組成物用として好適である。
で表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Y1の構造は1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。上記式(15)及び(16)で表される構造を有するY1基は、耐熱性及び感光特性を両立するという点で特に好ましい。
本発明で、エステル結合型のポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、4価の有機基X1を含むテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)プロパン、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独で用いることができるのは勿論のこと2種以上を混合して用いてもよい。
上記アシッド/エステル体(典型的には上記反応溶媒中の溶液)に、氷冷下、適当な脱水縮合剤、例えば、ジシクロカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート等を投入混合してアシッド/エステル体をポリ酸無水物とした後、これに、本発明で好適に用いられる2価の有機基Y1を含むジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下投入し、アミド重縮合させることにより、目的のポリイミド前駆体を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物における好ましい(A)樹脂のさらに1つの例は、下記一般式(3):
で表される構造を有するポリアミドである。このポリアミドはネガ型感光性樹脂組成物用として好適である。
で表される基であることが好ましい。
(フタル酸化合物封止体の合成)
第一に、3価の芳香族基X2を有する化合物、例えばアミノ基で置換されたフタル酸、アミノ基で置換されたイソフタル酸、及び、アミノ基で置換されたテレフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも1つ以上の化合物(以下、「フタル酸化合物」という)1モルと、アミノ基と反応する化合物1モルとを反応させて、該フタル酸化合物のアミノ基を後述のラジカル重合性の不飽和結合を含む基で修飾、封止した化合物(以下、「フタル酸化合物封止体」という)を合成する。これらは単独でもよいし、混合して用いてもよい。
上記フタル酸化合物封止体と2価の有機基Y2を有するジアミン化合物を、ピリジン又はトリエチルアミンなどの塩基性触媒の存在下、適当な溶媒中で混合し、アミド重縮合させることにより、本発明のポリアミドを得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物における好ましい(A)樹脂のさらに1つの例は、下記一般式(4):
で表される芳香族基から好ましく選択でき、これらは感光特性の点で好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における好ましい(A)樹脂のさらに1つの例は、前記一般式(5):
上記一般式(5)にて示される構造単位中のX5は、炭素数4〜40の4価〜14価の有機基であることが好ましく、耐熱性と感光特性とを両立するという点で、芳香族環又は脂肪族環を含有する炭素原子数5〜40の有機基であることがさらに好ましい。
で表される構造のジアミンが好ましい。
で表される構造のジアミンが特に好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
本発明に用いられる(B)プリン誘導体について説明する。(B)プリン誘導体は、プリン環を基本骨格とする化合物で、その骨格から誘導される化合物を称してプリン誘導体とする。(B)プリン誘導体を用いることにより、銅又は銅合金の上でも変色抑制効果が優れる。銅又は銅合金の上でも変色抑制効果が優れることの化学メカニズムは定かではないが、窒素原子を分子内に含有するプリン誘導体と、酸素原子又は窒素原子などのヘテロ原子を含有する(A)樹脂とが、水素結合等で適度に相互作用することで、樹脂と銅との過度な相互作用が抑制され、銅上での変色が防止されるものと推察される。
本発明に用いられる(C)感光剤について説明する。(C)感光剤は、本発明の感光性樹脂組成物が、(A)樹脂として例えば主にポリイミド前駆体および/又はポリアミドを用いるネガ型であるか、(A)樹脂として例えば主にポリオキサゾール前駆体および/又は可溶性ポリイミドを用いるポジ型であるか等により異なる。
本発明の感光性樹脂組成物には、(E)有機チタン化合物を含有させてもよい。(E)有機チタン化合物を含有することにより、約250℃という低温で硬化した場合であっても耐薬品性に優れる感光性樹脂層を形成できる。また、特に(B)プリン誘導体と(E)有機チタン化合物との双方を感光性樹脂組成物中に含有させることにより、キュア後の樹脂層が基板接着性に加えて耐薬品性に優れるという効果を奏する。
I)チタンキレート化合物:中でも、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレートが、ネガ型感光性樹脂組成物の保存安定性及び良好なパターンが得られることからより好ましく、具体的な例は、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)ビス(2,4−ペンタンジオネート、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等である。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分以外の成分をさらに含有してもよい。本発明の感光性樹脂組成物は、典型的には、上記各成分及び必要に応じてさらに使用される任意成分を溶剤に溶解してワニス状にした感光性樹脂組成物として使用するため、(F)その他成分としては溶剤を挙げることができる。溶剤としては、(A)樹脂に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
また、本発明は、(1)上述した本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって樹脂層を該基板上に形成する工程と、(2)該樹脂層を露光する工程と、(3)該露光後の樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程とを含む、硬化レリーフパターンの製造方法を提供する。以下、各工程の典型的な態様について説明する。
本工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じてその後乾燥させて樹脂層を形成する。塗布方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
本工程では、上記で形成した樹脂層を、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して又は直接に、紫外線光源等により露光する。
本工程においては、露光後の感光性樹脂層の露光部又は未露光部を現像除去する。ネガ型の感光性樹脂組成物を用いる場合(例えば(A)樹脂としてポリイミド前駆体を用いる場合)には、未露光部が現像除去され、ポジ型の感光性樹脂組成物を用いる場合(例えば(A)樹脂としてポリオキサゾール前駆体を用いる場合)には、露光部が現像除去される。現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。また、現像の後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱することによって、硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化の方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば180℃〜400℃で30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱硬化の際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
本発明はまた、上述した本発明の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを含む、半導体装置を提供する。本発明は、半導体素子である基材と、前記基材上に上述した硬化レリーフパターン製造方法により形成された樹脂の硬化レリーフパターンとを含む半導体装置も提供する。また、本発明は、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む半導体装置の製造方法にも適用できる。本発明の半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、既知の半導体装置の製造方法と組合せることで製造することができる。
各樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。測定に用いたカラムは昭和電工(株)製の商標名「Shodex 805M/806M直列」であり、標準単分散ポリスチレンは、昭和電工(株)製の商標名「Shodex STANDARD SM−105」を選択し、展開溶媒はN−メチル−2−ピロリドンであり、検出器は昭和電工(株)製の商標名「Shodex RI−930」を使用した。
感光性樹脂組成物を銅基板上にスピン塗布し、乾燥して30μm厚の塗膜を樹脂層として形成した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、アルカリ水溶液に溶解しない感光性樹脂組成物の場合、シクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスすることで塗膜を完全に溶解させた。アルカリ水溶液に溶解する感光性樹脂組成物の場合、平行光マスクアライナー(PLA−501FA、日本国、キヤノン社製)により、500mJ/cm2のエネルギーを全面に照射後、AZエレクトロニックマテリアルズ社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用いて現像機でパドル現像し、純水でリンスすることで塗膜を完全に溶解させた。溶解後の銅基板を以下の基準に基づき評価した:
「最良」:目視でも、200倍の光学顕微鏡で観察したときも、銅基板の変色が認められないもの;
「良」:目視では銅基板の変色が認められず、200倍の光学顕微鏡で観察したときに銅基板の変色がわずかに認められるもの;
「やや良」:目視では銅基板の変色が認められず、200倍の光学顕微鏡で観察したときに銅基板の変色が認められるもの;
「不良」:目視において銅基板の変色が重度に認められるもの。
(3)銅密着試験(基板接着格子数)
感光性樹脂組成物を銅基板上にスピン塗布し、乾燥して17μm厚の塗膜を感光性樹脂層として形成した後、昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて250℃で2時間加熱処理(キュア)することにより、10μm厚の硬化樹脂塗膜を得た。キュア後の膜にJIS K 5600−5−6規格のクロスカット法に準じて、銅基板/硬化樹脂塗膜間の接着特性を以下の基準に基づき、評価した。
「最良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が100のもの。
「良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が80〜99のもの。
「やや良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が50〜79のもの。
「やや不良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が20〜49のもの。
「不良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が20未満のもの。
(ネガ型感光性樹脂によるレリーフパターンの形成)
6インチ窒化膜付きシリコンウエハー(協同インターナショナル社製)上に、感光性樹脂組成物をスピン塗布し、乾燥して17μm厚の塗膜を感光性樹脂層として形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いてghiステッパー(Prisma−ghi、ウルトラテック社製)により、200mJ/cm2でエネルギーを照射して露光した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、シクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスして未露光部を現像除去し、樹脂のレリーフパターンを得た。レリーフパターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて250℃で2時間加熱処理することにより、10μm厚の樹脂の硬化レリーフパターンを窒化膜付きシリコンウエハー上に得た。
6インチ窒化膜付きシリコンウエハー(協同インターナショナル社製)上に、感光性樹脂組成物をスピン塗布し、塗膜を感光性樹脂層として形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いてi線ステッパー(NSR2005i8A、ニコン社製)により、300mJ/cm2でエネルギーを照射して露光した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、純水でリンスして露光部を現像除去し、樹脂のレリーフパターンを得た。レリーフパターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、続いて320℃で1時間加熱処理することにより、10μm厚の樹脂の硬化レリーフパターンを窒化膜付きシリコンウエハー上に得た。
得られた硬化レリーフパターンを水酸化カリウム1質量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール39質量%及びジメチルスルホキシド60質量%から成る溶液に100℃で1時間浸漬した。水洗及び風乾の後、膜厚測定及び光学顕微鏡下での観察により、以下の基準に基づいて樹脂塗膜を評価した:
「最良」:浸漬前の塗膜に対する浸漬後の塗膜の膜厚変動が±1%以内であり、かつクラックが発生していない場合。
「良」:塗膜の膜厚変動が±3%以内でありクラックが発生していない場合。
「不良」:膜厚変動が±3%を超えているか、又はクラックが発生している場合。
得られた硬化レリーフパターンをST−44(商品名、ATMI社製)溶液に80℃で5分浸漬した。水洗及び風乾の後、膜厚測定及び光学顕微鏡下での観察により、以下の基準に基づいて樹脂塗膜を評価した:
「最良」:浸漬前の塗膜に対する浸漬後の塗膜の膜厚変動が±1%以内であり、かつクラックが発生していない場合。
「良」:塗膜の膜厚変動が±3%以内でありクラックが発生していない場合。
「不良」:膜厚変動が±3%を超えているか、又はクラックが発生している場合。
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2l容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)131.2gとγ―ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
製造例1の4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)147.1gを用いた以外は、前述の製造例1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリマーBを得た。ポリマーBの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は22,000であった。
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2l容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)131.2gとγ―ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
製造例3の4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)147.1gを用いた以外は、前述の製造例3に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリマーDを得た。ポリマーDの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は24,000であった。
(フタル酸化合物封止体AIPA−MOの合成)
容量5lのセパラブルフラスコに、5−アミノイソフタル酸{以下、AIPAと略す。}543.5g、N−メチル−2−ピロリドン1700gを投入、混合撹拌し、ウォーターバスで50℃まで加温した。これに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート512.0g(3.3mol)をγ−ブチロラクトン500gで希釈したものを滴下ロートで滴下投入し、そのまま50℃で2時間ほど撹拌した。
容量2lのセパラブルフラスコに、得られたAIPA−MOを100.89g(0.3mol)、ピリジンを71.2g(0.9mol)、GBLを400g投入、混合し、氷浴で5℃まで冷却した。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)125.0g(0.606mol)をGBL125gに溶解希釈したものを、氷冷下、20分ほどかけて滴下し、続いて4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル{以下、BAPBと記す。}103.16g(0.28mol)をNMP168gに溶解させたものを、20分ほどかけて滴下し、氷浴で5℃未満を維持しつつ3時間、次いで氷浴を外して室温で5時間撹拌した。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
容量3lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン183.1g、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)640.9g、ピリジン63.3gを室温(25℃)で混合攪拌し、均一溶液とした。これに、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボニルクロリド118.0gをジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)354gに溶解したものを滴下ロートより滴下した。この際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で30℃であった。
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた、ガラス製のセパラブル4つ口フラスコに、ディーンスタークトラップ付き冷却管を取り付けた。窒素ガスを通じながら、上記フラスコをシリコンオイル浴につけて攪拌した。
ポリマーA、Bを用いて以下の方法でネガ型感光性樹脂組成物を調製し、調製した感光性樹脂組成物の評価を行った。ポリイミド前駆体であるポリマーA50gとB50g((A)樹脂に該当)を、8−アザアデニン((B)プリン誘導体に該当)0.2g、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム(表1には「PDO」と記載する)((C)感光剤に該当)4g、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン1.5g、N−フェニルジエタノールアミン10g、メトキシメチル化尿素樹脂(MX−290)((D)架橋剤に該当)4g、テトラエチレングリコールジメタクリレート8g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸1.5g、及び2−ニトロソ−1−ナフト−ル0.05gと共に、N−メチル−2−ピロリドン(以下ではNMPという)80gと乳酸エチル20gから成る混合溶媒に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の前記混合溶媒を更に加えることによって約35ポイズ(poise)に調整し、ネガ型感光性樹脂組成物とした。
実施例1の、本発明における(B)プリン誘導体としての8−アザアデニンの配合量を表1に示す組成内容に変更してネガ型感光性樹脂組成物を調製し、それぞれ実施例1と同様の評価を行った。いずれの場合においても、実施例1と同様の方法で評価し、その評価結果は実施例1と同様であった。
実施例1の、本発明における(B)プリン誘導体としての8−アザアデニンの配合量を表1に示す組成内容に変更してネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。銅変色を評価した結果は「良」であり、銅密着を評価した結果は「良」であった。耐薬品性の評価結果は、実施例1と同様であった。
実施例1の、本発明における(B)プリン誘導体としての8−アザアデニンの配合量を表1に示す組成内容に変更してネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果は、実施例1と同様であった。
実施例1の、本発明における(B)プリン誘導体としての8−アザアデニンに代えて、8−アザグアニンを表1に示す組成内容で用いてネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果は、実施例1と同様であった。
実施例1の、本発明における(B)プリン誘導体としての8−アザアデニンに代えて、アデニンを表1に示す組成内容で用いてネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。銅変色を評価した結果は「良」であり、銅密着を評価した結果は「良」であった。耐薬品性の評価結果は、実施例1と同様であった。
実施例1の、本発明における(B)プリン誘導体としての8−アザアデニンに代えて、N,N−ジメチルアデニンを表1に示す組成内容で用いてネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。銅変色を評価した結果は「良」であり、銅密着を評価した結果は「やや良」であった。耐薬品性の評価結果は、実施例1と同様であった。
実施例1の、本発明における(B)プリン誘導体としての8−アザアデニンに代えて、ヒポキサンチンを表1に示す組成内容で用いてネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。銅変色を評価した結果は「やや良」であり、銅密着を評価した結果は「やや良」であった。耐薬品性の評価結果は、実施例1と同様であった。
実施例1の組成にさらに(E)有機チタン化合物としてのチタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)(E1)0.1gを加えた他は実施例1と同様にしてネガ型感光性樹脂組成物を調製した。耐薬品性評価を行った結果、膜の膜厚変動±1%以内であり、クラックも観察されず「最良」であった。その他評価結果は、実施例1と同様であった。
実施例1の組成にさらに(E)有機チタン化合物としてのチタニウムテトラ(n−ブトキサイド)(E2)0.1gを加えた他は実施例1と同様にしてネガ型感光性樹脂組成物を調製した。耐薬品性評価を行った結果、膜の膜厚変動±1%以内であり、クラックも観察されず「最良」であった。その他評価結果は、実施例1と同様であった。
実施例1の組成にさらに(E)有機チタン化合物としてのビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム(E3)0.1gを加えた他は実施例1と同様にしてネガ型感光性樹脂組成物を調製した。耐薬品性評価を行った結果、膜の膜厚変動±1%以内であり、クラックも観察されず「最良」であった。その他評価結果は、実施例1と同様であった。
本発明における(A)樹脂として、ポリマーA50g及びポリマーB50gに代えてポリマーA100gを用いた他は実施例10と同様にしてネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果は、実施例10と同様であった。
本発明における(A)樹脂として、ポリマーA50g及びポリマーB50gに代えてポリマーE100gを用いた他は実施例1と同様にしてネガ感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果は、実施例1と同様であった。
ポリマーFを用いて以下の方法でポジ型感光性樹脂組成物を調製し、調製した感光性樹脂組成物の評価を行った。ポリオキサゾール前駆体であるポリマーF100g((A)樹脂に該当)を、下記式(33):
本発明における(A)樹脂として、ポリマーF100gに代えてポリマーG100gを用いた他は実施例15と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例15と同様の評価を行った。評価結果は、実施例15と同様であった。
実施例1の組成から8−アザアデニンに代えて、ベンゾトリアゾールを表1に示す配合量で加えた他は実施例1と同様にしてネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。前述の方法に従ったシリコンウエハー及び銅基板への塗布、乾燥、露光、現像、及び加熱処理によって得たポリイミド塗膜は、耐薬品性の評価が「良」であったが、本発明の(B)プリン誘導体を含まないため銅変色の評価は「不良」であり、銅密着の評価は「やや不良」であった。
比較例1の組成にベンゾトリアゾールを配合せず、さらに本発明における(A)ポリイミド前駆体として、ポリマーA50g及びポリマーB50gに代えてポリマーC50g及びポリマーD50gを用いた他は比較例1と同様にしてネガ型感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。前述の方法に従ったシリコンウエハー及び銅基板への塗布、乾燥、露光、現像、及び加熱処理によって得たポリイミド塗膜は、耐薬品性の評価が「良」であったが、銅変色の評価は「不良」であり、銅密着の評価は「やや良」であった。
Claims (8)
- (A)ポリイミド前駆体であるポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリオキサゾール前駆体となり得るポリヒドロキシアミド、ポリアミノアミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、及びポリベンズチアゾールから成る群より選ばれる少なくとも一種の樹脂:100質量部、
(B)下記一般式(8):
(C)感光剤:該(A)樹脂100質量部を基準として1〜50質量部
を含む感光性樹脂組成物。 - 前記(A)樹脂は、下記一般式(1):
で表される構造を有するポリアミド、下記一般式(4):
で表される構造を有するポリオキサゾール前駆体、及び下記一般式(5):
で表される構造を有するポリイミドから成る群より選ばれる少なくとも一種の樹脂である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。 - (D)架橋剤:前記(A)樹脂100質量部を基準として0.5〜20質量部をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- (E)有機チタン化合物:前記(A)樹脂100質量部を基準として0.05〜10質量部をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(E)有機チタン化合物は、チタンキレート化合物、テトラアルコキシチタン化合物及びチタノセン化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
- (1)請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって感光性樹脂層を該基板上に形成する工程と、
(2)該感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)該露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程と
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。 - 前記基板が、銅又は銅合金から形成されている、請求項7に記載の硬化レリーフパターンの製造方法。
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