JP6990354B2 - 樹脂薄膜形成用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂薄膜形成用組成物に関し、より具体的には、特にフレキシブルディスプレイ基板等のディスプレイ基板の用途に適する樹脂薄膜を形成するための組成物に関する。
近年、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のエレクトロニクスの急速な進歩に伴い、デバイスの薄型化や軽量化、更には、フレキシブル化が要求されるようになってきた。
これらのデバイスにはガラス基板上に様々な電子素子、例えば、薄膜トランジスタや透明電極等が形成されているが、このガラス材料を柔軟かつ軽量な樹脂材料に替えることで、デバイス自体の薄型化や軽量化、フレキシブル化が図れる。そして、そのような樹脂材料の候補としては、ポリイミドが注目を集めており、ポリイミドフィルムに関する種々の報告が従来よりなされている(例えば特許文献1,2参照)。
特開昭60-188427号公報 特開昭58-208322号公報 特開2015-63655号公報 国際公開2011/149018号パンフレット 米国特許出願公開第2011/130495号明細書 国際公開2012/129422号パンフレット
ところで、ポリイミド樹脂材料をディスプレイの基板として用いるとき、その樹脂材料が透明性や柔軟性に優れるだけでなく、要求性能の一つとしてリタデーション(Retardation)が低い材料であることが望ましく、且つ要求される。加えて、ディスプレイの製造工程で基板上に他の部材等が設けられる際に溶剤に暴露されることもあるため、基板用途のポリイミド樹脂材料には、耐溶剤性も要求される(特許文献3)。
なお、リタデーション(位相差)とは、複屈折(直交する2つの屈折率の差)と膜厚との積をいうが、この数値、特に厚さ方向のリタデーションは視野角特性に影響する重要な数値である。大きなリタデーション値は、ディスプレイの表示品質の低下を招く原因となり得ることが知られている(例えば特許文献4参照)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、耐熱性及び柔軟性に優れるだけでなく、リタデーションが低いという特徴をも有し、さらに透明性にも優れ、耐溶剤性も有する、ディスプレイ基板のベースフィルムとして好適な、特にフレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして優れた性能を有する樹脂薄膜を与える樹脂薄膜形成用組成物を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ポリイミドに二酸化ケイ素と架橋剤とを配合した樹脂薄膜が、耐熱性に優れ、リタデーションが低く、さらに柔軟性及び溶剤耐性に優れるという特徴をも有すること、及び、当該二酸化ケイ素の配合量を所定の範囲とすることで、耐熱性に優れ、リタデーションが低く、柔軟性に優れ、さらに透明性にも優れる樹脂薄膜が実現できることを見出し、本発明を完成させた。
なお、特許文献5および6には、架橋剤を含む組成物が開示されている。しかしながら、いずれの文献にも、本発明の構成やそれによって奏される特有の効果を教示する記載や、それらを示唆する記載はない。
すなわち本発明は、第1観点として、
ポリイミド、
窒素吸着法により測定された比表面積値から算出される平均粒子径が100nm以下である二酸化ケイ素粒子、
水素原子、炭素原子、窒素原子および酸素原子のみから構成される化合物であって、ヒドロキシ基、エポキシ基および炭素原子数1~5のアルコキシ基からなる群から選ばれる基を2以上有し、且つ、環状構造を有する化合物からなる架橋剤、及び
有機溶媒
を含む樹脂薄膜形成用組成物に関する。
第2観点として、前記ポリイミドが、脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と含フッ素芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸をイミド化して得られるポリイミドである、第1観点に記載の樹脂薄膜形成用組成物に関する。
第3観点として、前記脂環式テトラカルボン酸二無水物が、式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含む、第2観点に記載の樹脂薄膜形成用組成物に関する。
Figure 0006990354000001
〔式中、Bは、式(X-1)~(X-12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。
Figure 0006990354000002
(式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)〕
第4観点として、前記含フッ素芳香族ジアミンが、式(A1)で表されるジアミンを含む、第2観点または第3観点に記載の樹脂薄膜形成用組成物に関する。
Figure 0006990354000003
(式中、Bは、式(Y-1)~(Y-34)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
Figure 0006990354000004
Figure 0006990354000005
Figure 0006990354000006
Figure 0006990354000007
Figure 0006990354000008
(式中、*は結合手を表す。)
第5観点として、前記ポリイミドと前記二酸化ケイ素粒子の質量比が、7:3~3:7である、第1観点乃至第4観点のうちいずれか一項に記載の樹脂薄膜形成用組成物に関する。
第6観点として、前記二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が、60nm以下である、第1観点乃至第5観点のうちいずれか一項に記載の樹脂薄膜形成用組成物に関する。
第7観点として、第1観点乃至第6観点のうちいずれか一項に記載の樹脂薄膜形成用組成物から形成される樹脂薄膜に関する。
本発明に係る樹脂薄膜形成用組成物によれば、低い線膨張係数を有し、耐熱性に優れ、高い透明性と低いリタデーションを有し、さらに柔軟性及び溶剤耐性に優れる樹脂薄膜を再現性よく形成することができる。
また本発明に係る樹脂薄膜は、低線膨張係数、高い透明性(高い光線透過率、低い黄色度)、低いリタデーションを示し、さらに柔軟性及び溶剤耐性にも優れることから、フレキシブルデバイス、特にフレキシブルディスプレイの基板として好適に用いることができる。
このような本発明に係る樹脂薄膜形成用組成物及び樹脂薄膜は、高い柔軟性、低い線膨張係数、高い透明性(高い光線透過率、低い黄色度)、低いリタデーション等の特性が求められるフレキシルデバイス用基板、特にフレキシブルディスプレイ用基板の分野における進展に十分対応し得るものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂薄膜形成用組成物は、下記特定のポリイミド、二酸化ケイ素粒子、架橋剤及び有機溶媒を含有する。
[ポリイミド]
本発明で使用するポリイミドは、好ましくは、脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と含フッ素芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸をイミド化して得られるポリイミドである。
中でも、前記脂環式テトラカルボン酸二無水物が、下記式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含むものであり、前記含フッ素芳香族ジアミンが、下記式(A1)で表されるジアミンを含むものであることが好ましい。
Figure 0006990354000009
〔式中、Bは、式(X-1)~(X-12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。
Figure 0006990354000010
(式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)〕
Figure 0006990354000011
(式中、Bは、式(Y-1)~(Y-34)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
Figure 0006990354000012
Figure 0006990354000013
Figure 0006990354000014
Figure 0006990354000015
Figure 0006990354000016
(式中、*は結合手を表す。)
上記式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の中でも、式中のBが式(X-1)、(X-4)、(X-6)、(X-7)で表される化合物であることが好ましい。
また上記(A1)で表されるジアミンの中でも、式中のBが式(Y-12)、(Y-13)で表される化合物であることが好ましい。
好適な例として、上記式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物と上記式(A1)で表されるジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸をイミド化して得られるポリイミドは、後述する式(2)で表されるモノマー単位を含む。
本発明の目的である低線膨張係数、低リタデーション及び高透明性の特性を有し、柔軟性に優れる樹脂薄膜を得るためには、テトラカルボン酸二無水物成分の全モル数に対して、脂環式テトラカルボン酸二無水物、例えば上記式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物が90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、特に全て(100モル%)が上記式式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物であることが最適である。
また同様に、上記低線膨張係数、低リタデーション及び高透明性の特性を有し、柔軟性に優れる樹脂薄膜を得るためには、ジアミン成分の全モル数に対して、含フッ素芳香族ジアミン、例えば式(A1)で表されるジアミンが90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましい。またジアミン成分の全て(100モル%)が上記式(A1)で表されるジアミンであってもよい。
好適な態様の一例として、本発明で使用するポリイミドは、下記式(2)で表されるモノマー単位を含む。
Figure 0006990354000017
上記式(2)で表されるモノマー単位としては、式(2-1)又は式(2-2)で表されるものが好ましく、式(2-1)で表されるものがより好ましい。
Figure 0006990354000018
本発明のポリイミドは、前述の式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含む脂環式テトラカルボン酸二無水物成分と、式(A1)で表されるジアミンを含むジアミン成分とから誘導されるモノマー単位以外にも、他のモノマー単位を含んでもよい。この他のモノマー単位の含有割合は、本発明の樹脂薄膜形成用組成物から形成される樹脂薄膜の特性を損なわない限りにおいて任意に定められる。その割合は、前述の式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含む脂環式テトラカルボン酸二無水物成分と、式(A1)で表されるジアミンを含むジアミン成分とから誘導されるモノマー単位の総モル数に対して、20モル%未満が好ましく、10モル%未満がより好ましく、5モル%未満であることがより一層好ましい。
このような他のモノマー単位としては、例えば式(3)で表される他のポリイミド構造を有するモノマー単位が挙げられるが、これに限定されるわけではない。
Figure 0006990354000019
式(3)中、Aは4価の有機基を表し、好ましくは下記式(A-1)~(A-4)のいずれかで表される4価の基を表す。また上記式(3)中、Bは2価の有機基を表し、好ましくは式(B-1)~(B-11)のいずれかで表される2価の基を表す。各式中、*は結合手を表す。なお、式(3)中、Aが下記式(A-1)~(A-4)のいずれかで表される4価の基を表す場合、Bは前述の式(Y-1)~(Y-34)のいずれかで表される2価の基であってもよい。或いは式(3)中、Bが下記式(B-1)~(B-11)のいずれかで表される2価の基を表す場合、Aは前述の式(X-1)~(X-12)のいずれかで表される4価の基であってもよい。
本発明のポリイミドにおいて式(3)で表されるモノマー単位が含まれる場合、A及びBは、例えば下記式で例示された基のうち一種のみで構成されるモノマー単位のみを含んでいてもよいし、A及びBの少なくとも一方が下記に例示された二種以上の基から選択される二種以上のモノマー単位を含んでいてもよい。
Figure 0006990354000020
Figure 0006990354000021
なお、本発明で用いるポリイミド中では、各モノマー単位は任意の順序で結合している。
また本発明で使用するポリイミドが、前述の式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を含む脂環式テトラカルボン酸二無水物成分と、式(A1)で表されるジアミンを含むジアミン成分とから誘導されるモノマー単位に加え、上記式(3)で表される他のモノマー単位を有する場合、各モノマー単位を含有するポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物成分として上記式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物に加え下記式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン成分として上記(A1)で表されるジアミンに加え下記式(6)で表されるジアミンとを有機溶媒中で重合させ、得られるポリアミック酸をイミド化することにより得られる。
Figure 0006990354000022
上記式(5)中のA及び式(6)中のBは、前述の式(3)中のA及びBとそれぞれ同じ意味を表す。
具体的には、式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、11,11-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ジフルオロ[3,4-b:3’,4’-i]キサンテン-1,3,7,9-(11H-テトラオン)、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)-[5,5’-ビイソベンゾフラン]-1,1’,3,3’-テトラオン、4,6,10,12-テトラフルオロジフロ[3,4-b:3’,4’-i]ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン-1,3,7,9-テトラオン、4,8-ビス(トリフルオロメトキシ)ベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジフラン-1,3,5,7-テトラオン、N,N’-[2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル-4,4’-ジイル]ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボアミド)等の芳香族テトラカルボン酸;1,2-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-テトラメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの中でも、式(5)中のAが前記式(A-1)~(A-4)のいずれかで表される4価の基であるテトラカルボン酸二無水物が好ましく、すなわち、11,11-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ジフルオロ[3,4-b:3’,4’-i]キサンテン-1,3,7,9-(11H-テトラオン)、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)-[5,5’-ビイソベンゾフラン]-1,1’,3,3’-テトラオン、4,6,10,12-テトラフルオロジフロ[3,4-b:3’,4’-i]ジベンゾ[b,e][1,4]ジオキシン-1,3,7,9-テトラオン、4,8-ビス(トリフルオロメトキシ)ベンゾ[1,2-c:4,5-c’]ジフラン-1,3,5,7-テトラオンを好ましい化合物として挙げることができる。
また式(6)で表されるジアミンとしては、例えば2-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,4-ジアミン、5-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,3-ジアミン、5-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,2-ジアミン、2,5-ビス(トリフルオロメチル)-ベンゼン-1,4-ジアミン、2,3-ビス(トリフルオロメチル)-ベンゼン-1,4-ジアミン、2,6-ビス(トリフルオロメチル)-ベンゼン-1,4-ジアミン、3,5-ビス(トリフルオロメチル)-ベンゼン-1,2-ジアミン、テトラキス(トリフルオロメチル)-1,4-フェニレンジアミン、2-(トリフルオロメチル)-1,3-フェニレンジアミン、4-(トリフルオロメチル)-1,3-フェニレンジアミン、2-メトキシ-1,4-フェニレンジアミン、2,5-ジメトキシ-1,4-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシ-1,4-フェニレンジアミン、2,5-ジヒドロキシ-1,4-フェニレンジアミン、2-フルオロベンゼン-1,4-ジアミン、2,5-ジフルオロベンゼン-1,4-ジアミン、2-クロロベンゼン-1,4-ジアミン、2,5-ジクロロベンゼン-1,4-ジアミン、2,3,5,6-テトラフルオロベンゼン-1,4-ジアミン、4,4’-(パーフルオロプロパン-2,2-ジイル)ジアニリン、4,4’-オキシビス[3-(トリフルオロメチル)アニリン]、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、2-メチルベンジジン、3-メチルベンジジン、2-(トリフルオロメチル)ベンジジン、3-(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’-ジメチルベンジジン(m-トリジン)、3,3’-ジメチルベンジジン(o-トリジン)、2,3’-ジメチルベンジジン、2,2’-ジメトキシベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、2,3’-ジメトキシベンジジン、2,2’-ジヒドロキシベンジジン、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2’-ジフルオロベンジジン、3,3’-ジフルオロベンジジン、2,3’-ジフルオロベンジジン、2,2’-ジクロロベンジジン、3,3’-ジクロロベンジジン、2,3’-ジクロロベンジジン、4,4’-ジアミノベンズアニリド、4-アミノフェニル-4’-アミノベンゾエート、オクタフルオロベンジジン、2,2’,5,5’-テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、2,2’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5,5’-テトラクロロベンジジン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-{[3,3”-ビス(トリフルオロメチル)-(1,1’:3’,1”-ターフェニル)-4,4”-ジイル]-ビス(オキシ)}ジアニリン、4,4’-{[(パーフルオロプロパン-2,2-ジイル)ビス(4,1-フェニレン)]ビス(オキシ)}ジアニリン、1-(4-アミノフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-1H-インデン-5(または6)アミン等の芳香族ジアミン;4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(3-メチルシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス-1,4-シクロヘキサンジアミン、シス-1,4-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6-ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8-ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3-ジアミノアダマンタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-プロパンジアミン、1,4-テトラメチレンジアミン、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
これらの中でも、式(6)中のBが前記式(B-1)~(B-11)のいずれかで表される2価の基である芳香族ジアミンが好ましく、すなわち、2,2’-ビス(トリフロオロメトキシ)-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン[別称:2,2’-ジメトキシベンジジン]、4,4’-(パーフルオロプロパン-2,2-ジイル)ジアニリン、2,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,4-ジアミン、2-(トリフルオロメチル)ベンゼン-1,4-ジアミン、2-フルオロベンゼン-1,4-ジアミン、4,4’-オキシビス[3-(トリフルオロメチル)アニリン]、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタフルオロ[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン[別称:オクタフルオロベンジジン]、2,3,5,6-テトラフルオロベンゼン-1,4-ジアミン、4,4’-{[3,3”-ビス(トリフルオロメチル)-(1,1’:3’,1”-ターフェニル)-4,4”-ジイル]-ビス(オキシ)}ジアニリン、4,4’-{[(パーフルオロプロパン-2,2-ジイル)ビス(4,1-フェニレン)]ビス(オキシ)}ジアニリン、1-(4-アミノフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-1H-インデン-5(または6)アミンを好ましいジアミンとして挙げることができる。
〈ポリアミック酸の合成〉
本発明で使用するポリイミドは、前述したように、上記式(C1)で表される脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と、上記式(A1)で表される含フッ素芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸をイミド化して得られる。
上記二成分からポリアミック酸への反応は、有機溶媒中で比較的容易に進行させることができ、かつ副生成物が生成しない点で有利である。
これらテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分との反応におけるジアミン成分の仕込み比(モル比)は、ポリアミック酸、さらにはその後イミド化させることにより得られるポリイミドの分子量等を勘案して適宜設定されるものではあるが、ジアミン成分1に対して、通常、テトラカルボン酸二無水物成分0.8~1.2程度とすることができ、例えば0.9~1.1程度、好ましくは0.95~1.02程度である。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリアミック酸の分子量は大きくなる。
上記テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分との反応の際に用いる有機溶媒は、反応に悪影響を及ぼさず、また生成したポリアミック酸が溶解するものであれば特に限定されない。以下にその具体例を挙げる。
例えば、m-クレゾール、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピルアミド、3-エトキシ-N,N-ジメチルプロピルアミド、3-プロポキシ-N,N-ジメチルプロピルアミド、3-イソプロポキシ-N,N-ジメチルプロピルアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピルアミド、3-sec-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピルアミド、3-tert-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピルアミド、γ-ブチロラクトン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール-tert-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n-へキサン、n-ペンタン、n-オクタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸メチルエチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン等があげられるがこれらに限定されない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、ポリアミック酸を溶解させない溶媒であっても、生成したポリアミック酸が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリアミック酸を加水分解させる原因となるので、有機溶媒はなるべく脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
上記テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを有機溶媒中で反応させる方法としては、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた分散液又は溶液を撹拌させ、ここにテトラカルボン酸二無水物成分をそのまま添加するか、又はその成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させたものを添加する方法、逆にテトラカルボン酸二無水物成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた分散液又は溶液にジアミン成分を添加する方法、そしてテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン化合物成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法であってもよい。
また、テトラカルボン酸二無水物成分及び/又はジアミン成分が複数種の化合物からなる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ高分子量体としてもよい。
上記のポリアミック酸合成時の温度は、上述した使用する溶媒の融点から沸点までの範囲で適宜設定すればよく、例えば-20℃~150℃の任意の温度を選択することができるが、-5℃~100℃、通常0~100℃程度、好ましくは0~70℃程度であるのがよい。
反応時間は、反応温度や原料物質の反応性に依存するため一概に規定できないが、通常1~100時間程度である。
また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な撹拌が困難となるので、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分との反応溶液中での合計濃度が、好ましくは1~50質量%、より好ましくは5~40質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することもできる。
〈ポリアミック酸のイミド化〉
ポリアミック酸をイミド化させる方法としては、ポリアミック酸の溶液をそのまま加熱する熱イミド化、ポリアミック酸の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリアミック酸を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100℃~400℃、好ましくは120℃~250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリアミック酸の化学(触媒)イミド化は、ポリアミック酸の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、-20~250℃、好ましくは0~180℃での温度条件にて系内を撹拌することにより行うことができる。
塩基性触媒の量はポリアミック酸のアミド酸基の0.5~30モル倍、好ましくは1.5~20モル倍であり、酸無水物の量はポリアミック酸のアミド酸基の1~50モル倍、好ましくは2~30モル倍である。
塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、1-エチルピペリジンなどを挙げることができ、中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。
酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。
触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
本発明に用いるポリイミド樹脂において、アミド酸基の脱水閉環率(イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整して用いることができる。特に好ましくは50%以上である。
本発明において、上記反応溶液をろ過した後、そのろ液をそのまま用い、又は、希釈若しくは濃縮し、これに後述する二酸化ケイ素等を配合して樹脂薄膜形成用組成物としてもよい。このようにろ過を経た場合、得られる樹脂薄膜の耐熱性、柔軟性あるいは線膨張係数特性の悪化の原因となり得る不純物の混入を低減できるだけでなく、効率よく樹脂薄膜形成用組成物を得ることができる。
また、本発明に用いるポリイミドは、樹脂薄膜の強度、樹脂薄膜を形成する際の作業性、樹脂薄膜の均一性等を考慮してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)が5,000乃至200,000であることが好ましい。
〈ポリマー回収〉
ポリアミック酸及びポリイミドの反応溶液から、ポリマー成分を回収し、用いる場合には、反応溶液を貧溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる貧溶媒としてはメタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、イソプロパノール、水などを挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。
また、沈殿回収した重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2から10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の貧溶媒として例えばアルコール類、ケトン類、炭化水素など3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
再沈殿回収工程において樹脂成分を溶解させる有機溶媒は特に限定されない。具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、2-ピロリドン、N-エチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグライム、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどが挙げられる。これらの溶媒は2種類以上を混合して用いてもよい。
[二酸化ケイ素]
本発明に用いる二酸化ケイ素(シリカ)は特に限定されないが、粒子形態の二酸化ケイ素、例えば平均粒子径が100nm以下、例えば5nm~100nm、好ましくは5nm~55nmであり、より高透明の薄膜を再現性よく得る観点から、好ましくは5nm~50nm、より好ましくは5nm~45nm、より一層好ましくは5nm~35nm、さらに好ましくは5nm~30nmである。
本発明において二酸化ケイ素粒子の平均粒子径とは、二酸化ケイ素粒子を用いて窒素吸着法により測定された比表面積値から算出される平均粒子径値である。
特に本発明では、上記平均粒子径の値を有するコロイダルシリカを好適に使用でき、該コロイダルシリカとしては、シリカゾルを用いることができる。シリカゾルとしては、ケイ酸ナトリウム水溶液を原料として公知の方法により製造される水性シリカゾル及び該水性シリカゾルの分散媒である水を有機溶媒に置換して得られるオルガノシリカゾルを使用する事が出来る。
また、メチルシリケートやエチルシリケート等のアルコキシシランを、アルコール等の有機溶媒中で触媒(例えば、アンモニア、有機アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒)の存在下において加水分解し、縮合して得られるシリカゾル、又はそのシリカゾルを他の有機溶媒に溶媒置換したオルガノシリカゾルも用いることができる。
これらの中でも本発明は分散媒が有機溶媒であるオルガノシリカゾルを用いることが好ましい。
上述のオルガノシリカゾルにおける有機溶媒の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等の低級アルコール;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の直鎖アミド類;N-メチル-2-ピロリドン等の環状アミド類;γ-ブチロラクトン等のエーテル類;エチルセロソルブ、エチレングリコール等のグリコール類、アセトニトリル等が挙げられる。この置換は、蒸留法、限外濾過法等による通常の方法により行うことができる。
上記のオルガノシリカゾルの粘度は、20℃で、0.6mPa・s~100mPa・s程度である。
上記オルガノシリカゾルの市販品の例としては、例えば商品名MA-ST-S(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MT-ST(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MA-ST-UP(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MA-ST-M(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MA-ST-L(メタノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA-ST-S(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA-ST(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA-ST-UP(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA-ST-L(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名IPA-ST-ZL(イソプロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名NPC-ST-30(n-プロピルセロソルブ分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名PGM-ST(1-メトキシ-2-プロパノール分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名DMAC-ST(ジメチルアセトアミド分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名XBA-ST(キシレン・n-ブタノール混合溶媒分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名EAC-ST(酢酸エチル分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名PMA-ST(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MEK-ST(メチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MEK-ST-UP(メチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)、商品名MEK-ST-L(メチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)及び商品名MIBK-ST(メチルイソブチルケトン分散シリカゾル、日産化学工業(株)製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明において二酸化ケイ素、例えばオルガノシリカゾルとして使用される上記製品に挙げたような二酸化ケイ素は、二種以上を混合して用いてもよい。
[架橋剤]
本発明で使用する架橋剤は、水素原子、炭素原子、窒素原子および酸素原子のみから構成される化合物であって、ヒドロキシ基、エポキシ基および炭素原子数1~5のアルコキシ基からなる群から選ばれる基を2つ以上有し、且つ、環構造を有する化合物からなる架橋剤である。ここで“水素原子、炭素原子、窒素原子および酸素原子のみから構成される”とは、上記4原子からなる群から選択される原子のみから構成されることを指し、すなわち、上記4原子を全て含みてそれら原子のみから構成されるだけでなく、上記4原子のうちの3原子のみ(例えば水素原子、炭素原子及び酸素原子、など)から構成されていてもよい。このような架橋剤を用いることで、耐溶剤性に優れる樹脂薄膜を再現性よく得ることができるだけでなく、保存安定性がより改善された樹脂組成物を実現することができる。
中でも、架橋剤における一化合物あたりのヒドロキシ基、エポキシ基および炭素原子数1~5のアルコキシ基の合計数は、得られる樹脂薄膜の耐溶剤性を再現性よく実現する観点から、好ましくは3以上であり、得られる樹脂薄膜の柔軟性を再現性よく実現する観点から、好ましく10以下、より好ましくは8以下、より一層好ましくは6以下である。
架橋剤が有する環構造の具体例としては、ベンゼン等のアリール環、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,3,5-トリアジン等の含窒素原子ヘテロアリール環、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等のシクロアルカン環、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリミジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン等の環状アミン等が挙げられる。
架橋剤における一化合物あたりの環構造の数は、1以上であれば特に限定されないが、架橋剤の溶媒への溶解性を確保して平坦性の高い樹脂薄膜を得る観点から、1または2が好ましい。
なお、環構造が2以上存在する場合、環構造同士が縮合していてもよく、メチレン基、エチレン基、トリエチレン基、プロパン-2,2-ジイル基等の炭素原子数1~5のアルカン-ジイル基等の連結基を介して環構造同士が結合していてもよい。
架橋剤の分子量は、架橋能を有し、且つ、用いる溶媒に溶解する限り特に限定されるものではないが、得られる樹脂薄膜の溶剤耐性、架橋剤自体の有機溶媒への溶解性、入手容易性や価格等を考慮すると、好ましくは100~500程度であり、より好ましくは150~400程度である。
架橋剤は、ケトン基、エステル基(結合)等、水素原子、炭素原子、窒素原子および酸素原子から誘導できる基を更に有していてもよい。
架橋剤として好ましい例としては、下記式(K1)~(K5)で表される化合物が挙げられ、式(K4)の好ましい態様の1つとしては、式(K4-1)で表される化合物が、式(K5)の好ましい態様の1つとしては、式(5-1)で表される化合物が、それぞれ挙げられる。
Figure 0006990354000023
上記式中、各AおよびAは、互いに独立して、メチレン基、エチレン基、トリエチレン基、プロパン-2,2-ジイル基等の炭素原子数1~5のアルカン-ジイル基を表し、中でもAとしては、メチレン基、エチレン基が好ましく、メチレン基がより好ましく、Aとしては、メチレン基、プロパン-2,2-ジイル基が好ましい。
各Xは、互いに独立して、ヒドロキシ基、エポキシ基(オキサ-シクロプロピル基)、またはメトキシ基、エトキシ基、1-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、1-ブチルオキシ基、t-ブチルオキシ基等の炭素原子数1~5のアルコキシ基を表す。
中でも、架橋剤の入手容易性、価格等を考慮すると、Xは、式(K1)および(K5)においてはエポキシ基が好ましく、式(K2)および(K3)においては炭素原子数1~5のアルコキシ基が好ましく、式(K4)においてはヒドロキシ基が好ましい。
式(K4)中、各nは、ベンゼン環に結合する-(A-X)基の数を示し、互いに独立して1~5の整数であるが、好ましくは2~3、より好ましくは3である。
各化合物において、各Aは、全て同一の基であることが好ましく、各Xは、全て同一の基であることが好ましい。
上記式(K1)~(K5)で表される化合物は、これら各化合物中の環構造と同一の環構造を有するアリール化合物、ヘテロアリール化合物、環状アミン等の骨格化合物と、エポキシアルキルハライド化合物、アルコキシハライド化合物等とを炭素-炭素カップリング反応やN-アルキル化反応によって反応させたり、結果物のアルコキシ部位を加水分解したりすることで、得ることができる。
架橋剤は、市販品を用いてもよく、公知の合成方法で合成したものを用いてもよい。
市販品としては、CYMEL(登録商標)300、同301、同303LF,同303ULF、同304、同350、同3745、同XW3106、同MM-100、同323、同325、同327、同328、同385、同370、同373、同380、同1116、同1130、同1133、同1141、同1161、同1168、同3020、同202、同203、同1156、同MB-94、同MB-96、同MB-98、同247-10、同651、同658、同683、同688、同1158、同MB-14、同MI-12-I、同MI-97-IX、同U-65、同UM-15、同U―80、同U-21-511、同U-21-510、同U-216-8、同U-227-8、同U-1050-10、同U-1052-8、同U-1054、同U-610、同U-640、同UB-24-BX、同UB-26-BX、同UB-90-BX、同UB-25-BE、同UB-30-B、同U-662、同U-663、同U-1051、同UI-19-I、同UI-19-IE、同UI-21-E、同UI-27-EI、同U-38-I、同UI-20-E同659、同1123、同1125、同5010、同1170、同1172、同NF3041、同NF2000等(以上、allnex社製);TEPIC(登録商標)V、同S、同HP、同L、同PAS、同VL、同UC(以上、日産化学工業(株)製)、TM-BIP-A(旭有機材工業(株)製)、1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(以下、TMGと略す)(東京化成工業(株)製)、4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)(Aldrich社製)等が挙げられる。
以下、架橋剤として好ましい具体例を挙げるが、これらに限定されない。
Figure 0006990354000024
架橋剤の配合割合は、前記ポリイミド及び前記二酸化ケイ素の合計質量に対して、0.1~200質量%、好ましくは、0.2~100質量%である。
[有機溶媒]
本発明の樹脂薄膜形成用組成物は、前記ポリイミド及び二酸化ケイ素に加えて、有機溶媒を含む。該有機溶媒は、特に限定されるものではなく、例えば、上記ポリアミック酸及びポリイミドの調製時に用いた反応溶媒の具体例と同様のものが挙げられる。より具体的には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-エチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、平坦性の高い樹脂薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトンが好ましい。
[樹脂薄膜形成用組成物]
本発明は、前記ポリイミドと二酸化ケイ素と有機溶媒とを含有する樹脂薄膜形成用組成物である。ここで本発明の樹脂薄膜形成用組成物は、均一なものであって、相分離は認められないものである。
本発明の樹脂薄膜形成用組成物において、前記ポリイミドと前記二酸化ケイ素の配合比は、質量比で、ポリイミド:二酸化ケイ素=10:1~1:10であることが好ましく、より好ましくは8:2~2:8、例えば7:3~3:7である。
本発明の樹脂薄膜形成用組成物において、架橋剤の配合割合は、前記ポリイミド及び前記二酸化ケイ素の合計質量に対して、0.1~200質量%、好ましくは0.2~100質量%である。
また本発明の樹脂薄膜形成用組成物における固形分量の配合量は、通常0.5~30質量%程度、好ましくは5~25質量%程度である。固形分濃度が0.5質量%未満であると樹脂薄膜を作製する上において製膜効率が低くなり、また樹脂薄膜形成用組成物の粘度が低くなるため、表面が均一な塗膜を得られにくい。また固形分濃度が30質量%を超えると、樹脂薄膜形成用組成物の粘度が高くなりすぎて、やはり成膜効率の悪化や塗膜の表面均一性に欠ける虞がある。なおここでいう固形分量とは、有機溶媒以外の成分の総質量を意味し、液状のモノマー等であっても固形分として重量に含めるものとする。
なお樹脂薄膜形成用組成物の粘度は、作製する樹脂薄膜の厚み等を勘案し適宜設定するものではあるが、特に5~50μm程度の厚さの樹脂薄膜を再現性よく得ること目的とする場合、通常、25℃で500~50,000mPa・s程度、好ましくは1,000~20,000mPa・s程度である。
本発明の樹脂薄膜形成用組成物には、加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、触媒、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、染料、可塑剤、微粒子、カップリング剤、増感剤等を用いることができる。例えば触媒は樹脂薄膜のリタデーションや線膨張係数を低下させる目的で添加され得る。なお、前記ポリイミド、二酸化ケイ素及び有機溶媒に加え、さらに触媒を含む樹脂薄膜形成用組成物も本発明の対象とすることができる。
本発明の樹脂薄膜形成用組成物は、上述の方法で得られたポリイミド並びに二酸化ケイ素を上述の有機溶媒に溶解して得ることができるし、ポリイミドの調製後の反応溶液に二酸化ケイ素を添加し、所望により前記有機溶媒を更に加えたものとしてもよい。
[樹脂薄膜]
以上説明した本発明の樹脂薄膜形成用組成物を基材に塗布して乾燥・加熱することで有機溶媒を除去し、高い耐熱性と、高い透明性と、適度な柔軟性と、適度な線膨張係数とを有し、しかもリタデーションの小さい樹脂薄膜を得ることができる。
そして上記樹脂薄膜、すなわち上記ポリイミドと、上記無機シリカ化合物とを含有する樹脂薄膜も本発明の対象である。さらに前記ポリイミド及び二酸化ケイ素に加え、さらに触媒を含む樹脂薄膜も本発明の対象である。
樹脂薄膜の製造に用いる基材としては、例えば、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン系樹脂等)、金属、ステンレス鋼(SUS)、木材、紙、ガラス、シリコンウェハ、スレート等が挙げられる。
特に、電子デバイスの基板材料として適用する場合においては、既存設備を利用することができるという観点から、適用する基材がガラス、シリコンウェハであることが好ましく、また得られる樹脂薄膜が良好な剥離性を示すことからガラスであることがさらに好ましい。なお、適用する基材の線膨張係数としては塗工後の基材の反りの観点から、30ppm/℃以下、さらに好ましくは、20ppm/℃以下あることがさらに好ましい。
基材への樹脂薄膜形成用組成物の塗布法は、特に限定されるものではないが、例えば、キャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等が挙げられ、目的に応じてこれらを適宜用いることができる。
加熱温度は、300℃以下が好ましい。300℃を超えると、得られる樹脂薄膜が脆くなり、特にディスプレイ基板用途に適した樹脂薄膜を得ることができない場合がある。
また、得られる樹脂薄膜の耐熱性と線膨張係数特性を考慮すると、塗布した樹脂薄膜形成用組成物を40℃~100℃で5分間~2時間加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させ、最終的に175℃超~280℃で30分~2時間加熱することが望ましい。このように、溶媒を乾燥させる段階と分子配向を促進する段階の2段階以上の温度で加熱することにより、低熱膨張特性を発現させることができる。
特に、塗布した樹脂薄膜形成用組成物は、40℃~100℃で5分間~2時間加熱した後に、100℃超~175℃で5分間~2時間、次いで、175℃超~280℃で5分~2時間加熱することが好ましい。
加熱に用いる器具は、例えばホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱雰囲気は、空気下であっても窒素等の不活性ガス下であってもよく、また、常圧下であっても減圧下であってもよく、また加熱の各段階において異なる圧力を適用してもよい。
樹脂薄膜の厚さは、特にフレキシブルディスプレイ用の基板として用いる場合、通常1~60μm程度、好ましくは5~50μm程度であり、加熱前の塗膜の厚さを調整して所望の厚さの樹脂薄膜を形成する。
なおこのようにして形成された樹脂薄膜を基材から剥離する方法としては特に限定はなく、該樹脂薄膜を基材ごと冷却し、薄膜に切れ目を入れ剥離する方法やロールを介して張力を与えて剥離する方法等が挙げられる。
このようにして得られる本発明の好ましい一の態様に係る樹脂薄膜は、波長400nmでの光透過率が75%以上という高い透明性を実現することができる。
更に、該樹脂薄膜は、例えば50℃乃至200℃における線膨張係数が60ppm/℃以下、特に10ppm/℃乃至35ppm/℃という低い値を有することができ、加熱時の寸法安定性に優れたものである。
特に該樹脂薄膜は、入射光の波長を590nmとした場合における複屈折(面内の直交する2つの屈折率の差)と膜厚との積で表される面内リタデーションR、並びに、厚さ方向の断面からみたときの2つの複屈折(面内の2つの屈折率と厚さ方向の屈折率との夫々の差)にそれぞれ膜厚を掛けて得られる2つの位相差の平均値として表される厚さ方向リタデーションRthが、いずれも非常に小さいことを特長とする。本発明の樹脂薄膜は、平均膜厚がおよそ15μm~40μmの場合に、厚さ方向のリタデーションRthが700nm未満、例えば300nm以下、例えば1nm~300nmであり、面内リタデーションRが4未満、例えば0.1~3.9であり、複屈折Δnが、0.01未満、例えば0.0003~0.009といった非常に低い値を有する。
以上説明した本発明の樹脂薄膜は、上記の特性を有することから、フレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして必要な各条件を満たすものであり、フレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして特に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、使用した試薬の略語並びに使用した装置及びその条件は、以下の通りである。
<数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定>
装置:昭和電工(株)製、Showdex GPC-101
カラム:KD803およびKD805
カラム温度:50℃
溶出溶媒:DMF、流量:1.5ml/分
検量線:標準ポリスチレン
<酸二無水物>
CBDA:1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BODAxx:ビシクロ[2,2,2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物
<ジアミン>
TFMB:2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
<有機溶媒>
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
GBL:γ-ブチロラクトン
[ポリイミド(I)の合成例]
窒素注入/排出口を有し、ディーンスターク装置とメカニカルスターラーが取り付けられた250mLの三口反応フラスコ内に、TFMB 12.8092g(0.04mol)、γ-ブチロラクトン(GBL)60.85gを加え、撹拌を開始した。ジアミン(TFMB)が溶媒に完全に溶解した後、BODAxx 5.001g(0.02モル)及びGBL 13.04gを加え、窒素雰囲気下にて90℃で20分間加熱した。その後、CBDA 3.922g(0.02mol)とGBL(γ-ブチロラクトン)13.04gを加え、窒素雰囲気下にて20分間反応させた。1-エチルピペリジン 0.87g(0.0076mol)を反応物に加え、温度180℃に昇温させ、7時間保持した。反応混合物にGBLを加えて、固形分濃度(有機溶媒を除いた成分の濃度)が10質量%となるように希釈した。その後、希釈した反応混合物をメタノール760gに加え、30分間撹拌し、そしてろ過によってろ物を回収した。この手順を3回繰り返した。
最後に、得られたろ物を真空オーブン下150℃で8時間乾燥し、目的とするポリイミド(I) 18.77gを得た。(収率86.4%、Mw:205,321、Mn:77,087)。
[シリカゾルの調製例(GBL-M)]
1000mLの丸底フラスコに、日産化学工業(株)製メタノール分散シリカゾル:MA-ST-M 350g(シリカ固形分濃度:40.4質量%)とγ-ブチルラクトン419gを入れた。そして、そのフラスコを真空エバポレーターと繋いでフラスコ内を減圧にし、約35℃の温水浴に20~50分間浸すことで、溶媒がメタノールからγ-ブチルラクトンに置換されたシリカゾル(GBL-M)約560.3gを得た(シリカ固形分濃度:25.25質量%)。
なお、上記シリカゾルにおいて、窒素吸着法により測定された比表面積値から算出される平均粒子径は22nmであった。なお具体的には、シリカゾルの乾燥粉末の比表面積をユアサアイオニクス社製、比表面積測定装置モノソーブMS-16を用いて測定し、測定された比表面積S(m/g)を用いてD(nm)=2720/Sの式で平均一次粒子径を算出した。
[樹脂薄膜形成用組成物の調製]
[実施例1-1]
室温で、合成例で調製した粉末ポリイミド(I)1gをGBLに溶解し、得られた溶液を5μmのフィルタを用いてゆっくりと加圧ろ過し、固形分濃度が8質量%の溶液(ポリイミド溶液(I))を調製した。このポリイミド(I)溶液中に、調製例で調製したGBL-Mシリカゾル(シリカ固形分濃度:25.25質量%)9.24gとサイメル(Cymel)303(純度100%) 1.428gを加え、一晩撹拌して、樹脂薄膜形成用組成物を得た。
[実施例1-2]
サイメル(Cymel)303 1.428gの代わりに、1,3,4,6-テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(TMG)(純度99%) 1.442gを用いた以外には、実施例1-1と同じ方法で樹脂薄膜形成用組成物を得た。
[実施例1-3]
GBL-Mシリカゾル 9.24gとサイメル(Cymel)303 1.428gの代わりに、GBL-Mシリカゾル 3.96gとTEPIC-L(純度99%) 0.866gを用いた以外には、実施例1-1と同じ方法で樹脂薄膜形成用組成物を得た。
[実施例1-4]
サイメル(Cymel)303 1.428gの代わりに、サイメル(Cymel)303(純度100%) 0.594gとTM-BIP-A(純度98%) 0.0396gを用いた以外には、実施例1-1と同じ方法で樹脂薄膜形成用組成物を得た。
[比較例1-A]
サイメル(Cymel)303 1.428gを使用しない以外には、実施例1-1と同じ方法で樹脂薄膜形成用組成物を得た。
[樹脂薄膜の作成]
[実施例2-1]
実施例1-1で得られた樹脂薄膜形成用組成物をガラス基板に塗布し、塗膜を大気下で50℃で30分間、140℃で30分間、200℃で60分間、続いて窒素雰囲気下で280℃で60分間順次加熱して樹脂薄膜を得た。
得られた薄膜を機械的切断にて剥がし、その後の評価に供した。
[実施例2-2~実施例2-4、比較例2-A]
実施例1-1で得られた樹脂薄膜形成用組成物の代わりに、実施例1-2~1-4及び比較例1-Aで得られた樹脂薄膜形成用組成物を用いた以外は、上記と同様の方法にて、各樹脂薄膜を得た。
[薄膜の評価]
上述の手順にて作製した各樹脂薄膜(評価試料)の耐熱性及び光学特性、すなわち、50℃乃至200℃における線膨張係数(CTE)、5%重量減少温度(Td5%)、光線透過率(T308nm、T400nm、T550nm)及びCIE b値(黄色評価)、リタデーション(Rth、R)並びに複屈折(Δn)に関して、下記手順に従いそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
1)線膨張係数(CTE)
TAインスツルメンツ社製 TMA Q400を用いて、薄膜を幅5mm、長さ16mmのサイズにカットし、まず10℃/minで昇温して50乃至300℃まで加熱(第一加熱)し、次いで10℃/minで降温して50℃まで冷却した後に、10℃/minで昇温して50乃至420℃まで加熱(第二加熱)した際の、第二加熱の50℃乃至200℃における線膨張係数(CTE[ppm/℃])の値を測定することで求めた。なお、第一加熱、冷却および第二加熱を通じて、荷重0.05Nを加えた。
2)5%重量減少温度(Td5%
5%重量減少温度(Td5%[℃])は、TAインスツルメンツ社製 TGA Q500を用い、窒素中、薄膜約5乃至10mgを50乃至800℃まで10℃/minで昇温して測定することで求めた。
3)光線透過率(透明性)(T308nm、T400nm、T550nm)及びCIE b値(CIE b
波長308nm、400nm及び550nmの光線透過率(T308nm、T400nm、T550nm[%])及びCIE b値(CIE b)は、日本電色工業(株)製 SA4000スペクトロメーターを用いて、室温にて、リファレンスを空気として、測定を行った。
4)リタデーション(Rth、R
厚さ方向リタデーション(Rth)及び面内リタデーション(R)を、王子計測機器(株)製、KOBURA 2100ADHを用いて、室温にて測定した。
なお、厚さ方向リタデーション(Rth)及び面内リタデーション(R)は以下の式にて算出される。
=(Nx-Ny)×d=ΔNxy×d
th=[(Nx+Ny)/2-Nz]×d=[(ΔNxz×d)+(ΔNyz×d)/2
Nx、Ny:面内の直交する2つの屈折率(Nx>Ny、Nxを遅相軸、Nyを進相軸とも称する)
Nz:面に対して厚さ(垂直)方向(垂直)の屈折率
d:膜厚
ΔNxy:面内の2つの屈折率の差(Nx-Ny)(複屈折)
ΔNxz:面内の屈折率Nxと厚さ方向の屈折率Nzの差(複屈折)
ΔNyz:面内の屈折率Nyと厚さ方向の屈折率Nzの差(複屈折)
5)膜厚(d)
得られた薄膜の膜厚は、(株)テクロック製 シックネスゲージにて測定した。
6)複屈折(Δn)
前述の<4)リタデーション>により得られた厚さ方向リタデーション(Rth)の値を用い、以下の式にて算出した。
ΔN=[Rth/d(フィルム膜厚)]/1000
[実施例3-1]
室温にて、実施例2-1で得られた薄膜(3cm×3cmの長方形フィルム)を、60乃至70℃の試験溶媒に3乃至5分間浸漬した。試験溶媒として、TOK106(東京応化工業(株)製)、NMP、溶媒A(NMP:PGME:脱イオン水:テトラヒドロフルフリルアルコール=30質量%:30質量%:20質量%:20質量%)、又は溶媒B(NMP:PGME:脱イオン水:テトラヒドロフルフリルアルコール=50質量%:10質量%:20質量%:20質量%)を用いた。
溶媒試験後、フィルムを脱イオン水で洗浄し、水滴を200℃の大気オーブンにて10分間乾燥させた。
本試験前後にフィルム質量を測定し、その変化率を算出して質量減少[%]として評価した(マイナス値は質量が減少したことを反映)。また本試験前後のフィルム外観を目視にて観察した。
[実施例3-2~3-4、比較例3-A]
実施例2-2~2-4及び比較例2-Aで得られた薄膜を用いて、実施例3-1と同様に溶媒浸漬試験を実施した。なお実施例3-3及び実施例3-4は試験溶媒としてTOK106のみを用いて試験を実施した。
各樹脂薄膜形成用組成物より得られた樹脂薄膜の耐熱性及び光学特性の評価を表1に、溶媒浸漬試験の結果を表2に、それぞれ示す。
Figure 0006990354000025
Figure 0006990354000026
表1及び表2に示すように、本発明の樹脂薄膜は、線膨張係数[ppm/℃](50~200℃)が低く(35ppm/℃未満)、光線透過率[%]が高く、さらに耐熱性も改善され、黄色度(CIE b)も低いという結果となった。さらに厚さ方向リタデーションRthが300nm未満と極めて低く、複屈折Δnも0.01未満という極めて低い値となり、また各種溶媒に対して溶剤耐性を有していた。
一方比較例の樹脂薄膜は、実施例と同様の耐熱性及び光学特性を有してはいたものの、耐溶剤性に劣る結果となった。
このように、本発明の樹脂薄膜形成用組成物をジアミンを用いて製造した樹脂薄膜は、低線膨張係数、高い透明性(高い光線透過率、低い黄色度)、低いリタデーション、優れた溶剤耐性という特性を有し、すなわちフレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして必要な要件を満たすものであり、フレキシブルディスプレイ基板のベースフィルムとして特に好適に用いることができることが期待できる。

Claims (3)

  1. 脂環式テトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸二無水物成分と含フッ素芳香族ジアミンを含むジアミン成分とを反応させて得られるポリアミック酸をイミド化して得られる、下記式(2)で表されるモノマー単位を含むポリイミドであって、
    前記テトラカルボン酸二無水物成分が、式(C1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を90モル%~100モル%含み、
    前記ジアミン成分が、式(A1)で表されるジアミンを90モル%~100モル%含むポリイミドと、
    窒素吸着法により測定された比表面積値から算出される平均粒子径が5nm~100nmである二酸化ケイ素粒子と、
    下記式(K1)、(K2)、(K3)、(K4)、(K5)、(K4-1)または(K5-1)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の架橋剤と、
    有機溶媒と、
    を含み、前記ポリイミドと前記二酸化ケイ素粒子の質量比が、7:3~3:7である、樹脂薄膜形成用組成物。
    Figure 0006990354000027

    Figure 0006990354000028
    (式中、B は、式(X-1)~(X-12)からなる群から選ばれる4価の基を表す。)
    Figure 0006990354000029
    (式中、複数のRは、互いに独立して、水素原子またはメチル基を表し、*は結合手を表す。)
    Figure 0006990354000030
    (式中、B は、式(Y-12)および(Y-13)からなる群から選ばれる2価の基を表す。)
    Figure 0006990354000031

    (式中、*は結合手を表す。)
    Figure 0006990354000032
    (式中、各AおよびAは、互いに独立して、炭素原子数1~5のアルカン-ジイル基を表し、各Xは、互いに独立して、ヒドロキシ基、エポキシ基(オキサ-シクロプロピル基)、または炭素原子数1~5のアルコキシ基を表し、式(K4)中、各nは、ベンゼン環に結合する-(A-X)基の数を示し、互いに独立して1~5の整数である。)
  2. 前記二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が、5nm~55nmである、請求項1に記載の樹脂薄膜形成用組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の樹脂薄膜形成用組成物から形成される樹脂薄膜。
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