JP6636707B2 - 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法及び半導体装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、電子部品の絶縁材料、並びに半導体装置におけるパッシベーション膜、バッファーコート膜、及び層間絶縁膜等のレリーフパターンの形成に用いられる感光性樹脂組成物又はパターン形成可能な感光性接着剤用組成物、それらを用いた硬化レリーフパターンの製造方法、並びに半導体装置に関するものである。
ポリイミド樹脂は優れた耐熱性、電気特性及び耐薬品性を持つため、電子部品の絶縁材料、半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜、層間絶縁膜等に用いられている。このポリイミド樹脂に感光性を付与した感光性ポリイミドは、ポリイミド前駆体と感光剤からなるワニスの形態で提供され、ワニスの塗布、露光、現像、及びキュアによる熱イミド化処理によって、ポリイミドのレリーフパターンを形成することができる。非感光性ポリイミドのレリーフパターン形成にはレジスト材料の塗布及び剥離が必要であるのに対し、このような感光性ポリイミド前駆体は、大幅な工程短縮を可能にするという特徴を有している。
近年では、半導体装置の微細化が進むことで、半導体装置の配線抵抗が無視できなくなってきている。したがって、これまで使用されてきた金又はアルミニウム配線から、より抵抗の低い銅又は銅合金の配線への変更が行われている。しかしながら、従来の感光性樹脂組成物では、組成物中の化合物が銅又は銅合金と反応し易い為に、銅又は銅合金の変色が発生するという問題があった。
上記を解決する手段としてポリイミド前駆体を含有する組成物にテトラゾールを添加することで、銅又は銅合金に発生する変色及び腐食を抑制する方法が開示されている(特許文献1参照)。
さらに近年では、自動車用途又は携帯電話用途において半導体装置の応用が目覚ましく、この分野での半導体装置は高い信頼性を要求されており、高温環境下における動作安定性試験が行われている。このため半導体装置の保護膜として使われる感光性ポリイミドにも、高温環境下に長時間暴露しても物性の変化がない事が求められている。
例えば、特許文献2には、高温かつ高湿度の環境下においても密着性、耐薬品性の性能が変化しない感光性ポリベンズオキサゾールが開示されている。
特開2005−99661号公報 国際公開第12/172793号
しかしながら、特許文献1及び2に記載の組成物は、銅基板上にワニスを塗布しパターンを形成し高温環境下で長時間晒すと、ポリイミド膜を透過した酸素が銅を酸化し、結果としてポリイミド膜と銅基板の接着が低下する問題があった。
本発明者らは、感光性樹脂組成物中にアルコール性水酸基を2つ以上もつ化合物を添加する事により、高温環境下で長時間晒しても、銅又は銅合金と硬化膜の接着が変化しない感光性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
「1」
(A)下記一般式(1):
Figure 0006636707
{式中、X1は、4価の有機基であり、Y1は、2価の有機基であり、n1は、2〜150の整数であり、そしてR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の飽和脂肪族基、下記一般式(2):
Figure 0006636707
(式中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてm1は、2〜10の整数である。)で表される1価の有機基、
又は下記一般式(3):
Figure 0006636707
(式中、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてm2は、2〜10の整数である。)で表される一価のアンモニウムイオン}
で表されるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸、ポリアミド酸エステル又はポリアミド酸塩、
あるいは下記一般式(4):
Figure 0006636707
{式中、X2は、炭素数6〜15の3価の有機基であり、Y2は、炭素数6〜35の2価の有機基であり、R9は、炭素数3〜20のラジカル重合性の不飽和結合基を少なくとも一つ有する有機基であり、そしてn2は、1〜1000の整数である。但し、複数あるX2とY2はそれぞれ異なる構造を有していてよい。}
で表される構造を有するポリアミドを少なくとも含む樹脂;
(B)感光材;並びに
(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物、を含むネガ型感光性樹脂組成物である。
「2」
前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、前記(A)の樹脂100質量部に対して、1〜50質量部である、「1」に記載のネガ型感光性樹脂組成物である。
「3」
前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物、その内少なくとも1つのアルコール性水酸基が下記一般式(5):
Figure 0006636707
{式中、Zは、置換基を有してもよい水素原子、炭素原子、及び酸素原子から構成される炭素数1〜30の脂肪族又は脂環式構造である。}で表される構造を有する1級水酸基
である「1」又は「2」に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
「4」
前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、3つ以上のアルコール性水酸基を持つ、「1」〜「3」のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物である。
「5」
前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、1級水酸基と2級水酸基をそれぞれ1つ以上持つ、「1」〜「4」のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物である。
「6」
前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、アルドース、ケトース、ピラノース、フラノース、及びアルジトールからなる群から選ばれる「1」〜「5」のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物である。
「7」
(D)含窒素複素環式化合物をさらに含む、「1」〜「6」いずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物である。
「8」
前記ネガ型感光性樹脂組成物から形成されたレリーフパターンを加熱処理することにより得られる硬化レリーフパターンを、大気圧空気雰囲気下、150℃で500時間及び1000時間の高温環境下保持後に、JIS K 5600−5−6規格のクロスカット法に準じて評価したとき、硬化レリーフパターンの基板に接着している格子数が50以上である、「1」〜「7」のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物である。
「9」
(1)「1」〜「8」のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって感光性樹脂層を前記基板上に形成する工程と、
(2)前記感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)前記露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
(4)前記レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法である。
「10」
前記基板が、銅又は銅合金から形成されている、「9」に記載の方法である。
「11」
「9」又は「10」に記載の方法により得られる硬化レリーフパターンである。
「12」
「11」に記載の硬化レリーフパターンを含む半導体装置である。
本発明によれば、感光性樹脂組成物中にアルコール性水酸基を2つ以上もつ化合物を添加する事により、高温環境下で長時間晒しても、銅又は銅合金と硬化膜の接着が変化しない感光性樹脂組成物が得られ、さらに、該感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する硬化レリーフパターンの製造方法、並びに半導体装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための例示の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。又、一般式において同一符号で表されている構造は、分子中に複数存在する場合に、互いに同一であるか、又は異なっていてもよい。
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下に具体的に説明する。
(A)樹脂
本発明に用いられる(A)樹脂について説明する。本発明の(A)樹脂は、ポリアミド又はポリイミド前駆体である、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸塩から成る群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする。ここで、主成分とは、これらの樹脂を全樹脂の60質量%以上含有することを意味し、80質量%以上含有することが好ましい。また、必要に応じて他の樹脂を含んでいてもよい。
これらの樹脂の重量平均分子量は、熱処理後の耐熱性、機械特性の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算で、1,000以上であることが好ましく、5,000以上がより好ましい。上限は100,000以下であることが好ましく、感光性樹脂組成物とする場合は、現像液に対する溶解性の観点から、50,000以下がより好ましい。
次に、本発明における(A)樹脂の詳細について述べる。
[ポリイミド前駆体]
本発明の感光性樹脂組成物としては、加熱又は適当な触媒による処理により、イミド環を有するポリマーとなる下記一般式(1):
Figure 0006636707
{式中、X1は、4価の有機基であり、Y1は、2価の有機基であり、n1は、2〜150の整数であり、そしてR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の飽和脂肪族基、下記一般式(2):
Figure 0006636707
(式中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてm1は、2〜10の整数である。)で表される1価の有機基、又は下記一般式(3):
Figure 0006636707
(式中、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてm2は、2〜10の整数である。)で表される一価のアンモニウムイオン}
で表される構造を有するポリイミド前駆体である。ポリマーが加熱処理後にイミド環を有する事で、機械物性、耐熱性及び耐薬品性が飛躍的に向上し、強靭な膜が得られる。
上記一般式(1)中、X1で表される4価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で、好ましくは炭素数6〜40の有機基であり、さらに好ましくは、−COOR1基及び−COOR2基と−CONH−基とが互いにオルト位置にある芳香族基、又は脂環式脂肪族基である。X1で表される4価の有機基として、好ましくは芳香族環を含有する炭素原子数6〜40の有機基であり、さらに好ましくは、下記式(6):
Figure 0006636707
で表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、X1の構造は1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。上記式(6)で表される構造を有するX1基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で特に好ましい。
上記一般式(1)中、Y1で表される2価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で、好ましくは炭素数6〜40の芳香族基であり、例えば、下記式(7):
Figure 0006636707
で表される構造、及び下記式(8):
Figure 0006636707
{式中、R23及びR24は、それぞれ独立に、メチル基(−CH3)、エチル基(−C25)、プロピル基(−C37)又はブチル基(−C49)を表す。}
で表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、Y1の構造は1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。上記式(7)及び(8)で表される構造を有するY1基は、耐熱性及び感光特性を両立するという点で特に好ましい。
1及びR2に関して、上記一般式(2)中のR3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、R4及びR5は、感光特性の観点から水素原子であることが好ましい。また、m1は、感光特性の観点から2以上10以下の整数、好ましくは2以上4以下の整数である。
(A)樹脂としてポリイミド前駆体を用いる場合に、感光性樹脂組成物に感光性を付与する方式としては、エステル結合型とイオン結合型とが挙げられる。前者は、ポリイミド前駆体の側鎖にエステル結合によって光重合性基、すなわちオレフィン性二重結合を有する化合物を導入する方法であり、後者は、ポリイミド前駆体のカルボキシル基と、アミノ基を有する(メタ)アクリル化合物のアミノ基とをイオン結合を介して結合させて、光重合性基を付与する方法である。
上記エステル結合型のポリイミド前駆体は、まず、前述の4価の有機基X1を含むテトラカルボン酸二無水物と、光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類及び任意に炭素数1〜30の飽和脂肪族アルコール類とを反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸エステルを調製した後、これと、前述の2価の有機基Y1を含むジアミン類とを重縮合させることによりポリアミド酸エステルが得られる。
(テトラカルボン酸エステルの調整)
本発明で、エステル結合型のポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、4価の有機基X1を含むテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)プロパン、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。又、これらは単独で用いることができるのは勿論のこと2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で、ポリアミド酸エステルを調製するために好適に用いられる、光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシ−3−プロピルアルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、1−メタクリロイルオキシ−3−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
上記アルコール類に、炭素数1〜30の飽和脂肪族アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール等を一部混合して用いることもできる。
上記の本発明に好適なテトラカルボン酸二無水物と上記のアルコール類とを、ピリジン等の塩基性触媒の存在下、適当な反応溶媒中、温度20〜50℃で4〜10時間撹拌溶解、混合することにより、酸無水物のエステル化反応が進行し、所望のテトラカルボン酸エステルを得ることができる。
上記反応溶媒としては、テトラカルボン酸エステル、及びこれとジアミン成分との重縮合生成物であるポリアミド酸エステルを完全に溶解するものが好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ガンマブチロラクトン等が挙げられる。
その他の反応溶媒としては、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類が挙げられ、そして炭化水素類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは必要に応じて、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
(ポリイミド前駆体の調製)
上記テトラカルボン酸エステル(典型的には上記反応溶媒中の溶液)に、氷冷下、適当な脱水縮合剤、例えば、ジシクロカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート等を投入混合してテトラカルボン酸エステルをポリ酸無水物とした後、これに、本発明で好適に用いられる2価の有機基Y1を含むジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下投入し、重縮合させることにより、目的のポリアミド酸エステルを得ることができる。
本発明で好適に用いられる2価の有機基Y1を含むジアミン類としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト−トリジンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、及びこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ハロゲン等で置換されたもの、例えば3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、並びにその混合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
又、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって基板上に形成される樹脂層と各種基板との密着性の向上を目的に、ポリアミド酸エステルの調製に際して、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等のジアミノシロキサン類を共重合することもできる。
重縮合反応終了後、当該反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を必要に応じて濾別した後、水、脂肪族低級アルコール、又はその混合液等の貧溶媒を、得られた重合体成分に投入し、重合体成分を析出させ、さらに、再溶解、再沈析出操作等を繰り返すことにより、重合体を精製し、真空乾燥を行い、目的のポリアミド酸エステルを単離する。精製度を向上させるために、陰イオン及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶媒で膨潤させて充填したカラムに、この重合体の溶液を通し、イオン性不純物を除去してもよい。
一方、上記イオン結合型のポリイミド前駆体であるポリアミド酸塩は、まず、テトラカルボン酸二無水物にジアミンを反応させてポリイミド前駆体であるポリアミド酸を得る。この場合、上記一般式(1)中のR1及びR2のうち少なくともいずれかはヒドロキシル基である。
テトラカルボン酸二無水物としては、上記式(6)の構造を含むテトラカルボン酸の無水物が好ましく、ジアミンとしては、上記式(7)又は(8)の構造を含むジアミンが好ましい。得られたポリアミド酸に、後述するアミノ基を有する(メタ)アクリル化合物を添加することで、ポリアミド酸のカルボキシル基とアミノ基を有する(メタ)アクリル化合物のアミノ基がイオン結合により塩を形成し、光重合性基が付与されたポリアミド酸塩となる。
アミノ基を有する(メタ)アクリル化合物として、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジエチルアミノブチルアクリレート、ジエチルアミノブチルメタクリレート、等のジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートが好ましく、中でも感光特性の観点から、アミノ基上のアルキル基が炭素数1〜10、アルキル鎖が炭素数1〜10のジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートが好ましい。
これらのアミノ基を有する(メタ)アクリル化合物の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、1〜20質量部であり、光感度特性の観点から2〜15質量部が好ましい。(B)感光剤として、アミノ基を有する(メタ)アクリル化合物を(A)樹脂100質量部に対し1質量部以上配合することで光感度に優れ、20質量部以下配合することで厚膜硬化性に優れる。
上記エステル結合型及び上記イオン結合型のポリイミド前駆体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量で測定した場合に、8,000〜150,000であることが好ましく、9,000〜50,000であることがより好ましい。重量平均分子量が8,000以上である場合機械物性が良好であり、150,000以下である場合現像液への分散性が良好で、レリーフパターンの解像性能が良好である。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン、及びN−メチル−2−ピロリドンが推奨される。又重量平均分子量は標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
[ポリアミド]
本発明の感光性樹脂組成物における好ましい(A)樹脂のさらに1つの例は、下記一般式(4):
Figure 0006636707
{式中、X2は、炭素数6〜15の3価の有機基であり、Y2は、炭素数6〜35の2価の有機基であり、R9は、炭素数3〜20のラジカル重合性の不飽和結合基を少なくとも一つ有する有機基であり、そしてn2は、1〜1000の整数である。但し、複数あるX2とY2はそれぞれ異なる構造を有していてよい。}
で表される構造を有するポリアミドである。このポリアミドはネガ型感光性樹脂組成物用として好適である。
上記一般式(4)中、R9で示される基としては、感光特性と耐薬品性とを両立するという点で、下記一般式(9)、
Figure 0006636707
{式中、R25は、炭素数2〜19のラジカル重合性の不飽和結合基を少なくとも一つ有する有機基である。}
で表される基であることが好ましい。
上記一般式(4)中、X2で示される3価の有機基としては、炭素数が6〜15の3価の有機基であることが好ましく、例えば下記式(10):
Figure 0006636707
で表される基の中から選ばれる芳香族基であることが好ましく、そしてアミノ基置換イソフタル酸構造からカルボキシル基及びアミノ基を除いた芳香族基であることがより好ましい。
上記一般式(3)中、Y2で示される2価の有機基としては、炭素数が6〜35の有機基であることが好ましく、そして置換されていてもよい芳香族環又は脂肪族環を1〜4個有する環状有機基、又は環状構造を持たない脂肪族基又はシロキサン基であることが更に好ましい。Y2で示される2価の有機基としては、下記一般式(11)及び下記一般式(12)、(13):
Figure 0006636707
Figure 0006636707
{式中、R26及びR27は、それぞれ独立に、水酸基、メチル基(−CH3)、エチル基(−C25)、プロピル基(−C37)又はブチル基(−C49)から成る群から選ばれる一つの基であり、そして該プロピル基及びブチル基は、各種異性体を含む}
Figure 0006636707
{式中、m4は、0〜8の整数であり、m5及びm6は、それぞれ独立に、0〜3の整数であり、m7及びm8は、それぞれ独立に、0〜10の整数であり、そしてR28及びR29は、メチル基(−CH3)、エチル基(−C25)、プロピル基(−C37)、ブチル基(−C49)又はこれらの異性体である。}が挙げられる。
環状構造を持たない脂肪族基又はシロキサン基としては、下記一般式(14):
Figure 0006636707
{式中、m9は、2〜12の整数であり、m10は、1〜3の整数であり、m11は、1〜20の整数であり、そしてR30、R31、R32及びR33は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基である。}が好ましいものとして挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂は、例えば、以下のように合成することができる。
(フタル酸化合物封止体の合成)
第一に、3価の芳香族基X2を有する化合物、例えばアミノ基で置換されたフタル酸、アミノ基で置換されたイソフタル酸、及び、アミノ基で置換されたテレフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも1つ以上の化合物(以下、「フタル酸化合物」という)1モルと、アミノ基と反応する化合物1モルとを反応させて、該フタル酸化合物のアミノ基を後述のラジカル重合性の不飽和結合を含む基で修飾、封止した化合物(以下、「フタル酸化合物封止体」という)を合成する。これらは単独でもよいし、混合して用いてもよい。
フタル酸化合物を上記ラジカル重合性の不飽和結合を含む基で封止した構造とすると、ポリアミド樹脂にネガ型の感光性(光硬化性)を付与することができる。
ラジカル重合性の不飽和結合を含む基としては、炭素数3〜20のラジカル重合性の不飽和結合基を有する有機基であることが好ましく、メタクリロイル基又はアクリロイル基を含む基が特に好ましい。
上述のフタル酸化合物封止体は、フタル酸化合物のアミノ基と、炭素数3〜20のラジカル重合性の不飽和結合基を少なくとも一つ有する酸クロライド、イソシアネート又はエポキシ化合物等とを反応させることで得ることができる。
好適な酸クロライドとしては、(メタ)アクリロイルクロリド、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]アセチルクロリド、3―[(メタ)アクリロイルオキシ]プロピオニルクロリド、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチルクロロホルメート、3−[(メタ)アクリロイルオキシプロピル]クロロホルメートなどが挙げられる。好適なイソシアネートとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルイソシアネート、2−[2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]エチルイソシアネートなどが挙げられる。好適なエポキシ化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよいが、メタクリロイルクロリド及び/又は2−(メタクリロイルオキシ)エチルイソシアネートを用いるのが特に好ましい。
更に、これらのフタル酸化合物封止体としては、フタル酸化合物が5−アミノイソフタル酸であるものが、感光特性に優れると同時に、加熱硬化後の膜特性に優れたポリアミドを得ることができるために好ましい。
上記封止反応は、ピリジンなどの塩基性触媒又はジ−n−ブチルスズジラウレートなどのスズ系触媒の存在下、フタル酸化合物と封止剤とを溶媒中で撹拌溶解、混合することにより進行させることができる。
反応溶媒としては、生成物であるフタル酸化合物封止体を完全に溶解するものが好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ガンマブチロラクトン等が挙げられる。
その他の反応溶媒としては、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類が挙げられ、そして炭化水素類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等が挙げられる。これらの溶媒は、必要に応じて、単独でも混合して用いることもできる。
酸クロライドなど、封止剤の種類によっては、封止反応の過程で塩化水素が副生するものがある。この場合は、以降の工程の汚染を防止する意味からも、一旦水再沈して水洗乾燥、イオン交換樹脂を充填したカラムを通してイオン成分を除去軽減するなど、適宜精製を行うことが好ましい。
(ポリアミドの合成)
上記フタル酸化合物封止体と2価の有機基Y2を有するジアミン化合物を、ピリジン又はトリエチルアミンなどの塩基性触媒の存在下、適当な溶媒中で混合し、重縮合させることにより、本発明のポリアミドを得ることができる。
重縮合方法としては、フタル酸化合物封止体を、脱水縮合剤を用いて対称ポリ酸無水物とした後にジアミン化合物と混合する方法、又はフタル酸化合物封止体を既知の方法により酸クロライド化した後にジアミン化合物と混合する方法、ジカルボン酸成分と活性エステル化剤を脱水縮合剤の存在下で反応させて活性エステル化させた後にジアミン化合物と混合する方法などが挙げられる。
脱水縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1’−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネートなどが好ましいものとして挙げられる。
クロロ化剤としては、塩化チオニルなどが挙げられる。
活性エステル化剤としては、N−ヒドロキシスクシンイミド又は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸エチル、2−ヒドロキシイミノ−2−シアノ酢酸アミドなどが挙げられる。
有機基Y2を有するジアミン化合物としては、芳香族ジアミン化合物、芳香族ビスアミノフェノール化合物、脂環式ジアミン化合物、直鎖脂肪族ジアミン化合物、シロキサンジアミン化合物からなる群から選択される少なくとも1つのジアミン化合物であることが好ましく、所望に応じて複数を併用することも可能である。
芳香族ジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、
3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト−トリジンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、並びにこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、及びハロゲン原子から成る群から選択される1つ以上の基で置換されたジアミン化合物が挙げられる。
このベンゼン環上の水素原子が置換されたジアミン化合物の例としては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニルなどが挙げられる。
芳香族ビスアミノフェノール化合物としては、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジアミノベンゼン、4,6−ジアミノレゾルシノール、1,1−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4−(α−メチルベンジリデン)−ビス(2−アミノフェノール)などが挙げられる。
脂環式ジアミン化合物としては、1,3−ジアミノシクロペンタン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、3,5−ジアミノ−1,1−ジメチルシクロヘキサン、1,5−ジアミノ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジアミノ−1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,2−ジアミノ−4−メチルシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−2,5−ジエチルシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2−(3−アミノシクロペンチル)−2−プロピルアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、1−シクロヘプテン−3,7−ジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ−[5,5]−ウンデカンなどが挙げられる。
直鎖脂肪族ジアミン化合物としては、1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンなどの炭化水素型ジアミン、又は2−(2−アミノエトキシ)エチルアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエチルアミン、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテルなどのアルキレンオキサイド型ジアミンなどが挙げられる。
シロキサンジアミン化合物としては、ジメチル(ポリ)シロキサンジアミン、例えば、信越化学工業製、商標名PAM−E、KF−8010、X−22−161Aなどが挙げられる。
反応溶媒としては、生成するポリマーを完全に溶解する溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ガンマブチロラクトン等が挙げられる。
反応溶媒としては、他にも、場合によってはケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類を反応溶媒として用いてもよい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
アミド重縮合反応終了後、反応液中に析出してきた脱水縮合剤由来の析出物等を必要に応じて濾別する。次いで、反応液中に、水若しくは脂肪族低級アルコール又はその混合液などのポリアミドの貧溶媒を投入してポリアミドを析出させる。更に、析出したポリアミドを溶媒に再溶解させ、再沈析出操作を繰り返すことによって精製し、真空乾燥を行い、目的のポリアミドを単離する。なお、精製度を更に向上させるために、このポリアミドの溶液を、イオン交換樹脂を充填したカラムに通してイオン性不純物を除去してもよい。
ポリアミドのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という)によるポリスチレン換算重量平均分子量は、7,000〜70,000であることが好ましく、そして10,000〜50,000であることがより好ましい。ポリスチレン換算重量平均分子量が7,000以上であれば、硬化レリーフパターンの基本的な物性が確保される。又、ポリスチレン換算重量平均分子量が70,000以下であれば、レリーフパターンを形成する際の現像溶解性が確保される。
GPCの溶離液としては、テトラヒドロフラン又はN−メチル−2−ピロリドンが推奨される。又、重量平均分子量値は標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求められる。標準単分散ポリスチレンとしては昭和電工製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
(B)感光剤
本発明に用いられる(B)感光剤について説明する。(B)感光剤は、特定の波長を吸収、分解する事でラジカルを発生する光重合開始剤および/又は光酸発生剤が用いられる。(B)感光剤の感光性樹脂組成物中の配合量は、(A)樹脂100質量部に対して、1〜50質量部である。1質量部以上の配合量の時、光感度又はパターニング性が発現し、50質量部以下の時、硬化後の感光性樹脂層の物性が良くなる。
光重合開始剤の場合、発生したラジカルが(A)樹脂の主査骨格と連鎖移動反応により、又は、(A)樹脂に導入された(メタ)アクリレート基とラジカル重合反応により、(A)樹脂が硬化する。
(B)感光剤としての光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましく、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、ベンゾイルパークロライド等の過酸化物類、芳香族ビイミダゾール類、チタノセン類、α−(n−オクタンスルフォニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド等の光酸発生剤類等が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記の光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、オキシム類がより好ましい。
ネガ型の感光性樹脂組成物に(B)感光剤として光酸発生剤を用いる場合は、紫外線の如き活性光線の照射によって酸性を呈すると共に、その作用により、後述する(D)成分である架橋剤を(A)成分である樹脂と架橋せしめる、又は架橋剤同士を重合せしめる作用を有する。この光酸発生剤の例としては、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、オキシムスルホン酸エステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ハロアルキル基含有炭化水素系化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物、ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルなどが用いられる。このような化合物は必要に応じて2種類以上併用したり、他の増感剤と組合せて使用したりすることができる。上記の光酸発生剤の中では、特に光感度の点で、芳香族オキシムスルホン酸エステル、芳香族N−オキシイミドスルフォネートがより好ましい。
(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物
本発明に用いられる(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物について説明する。(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物は、脂肪族又は脂環式化合物を構成する炭素に結合した水酸基であるアルコール性水酸基を2つ以上持つ化合物であり、その骨格から誘導される化合物を称してアルコール性水酸基を2つ以上含む化合物とする。
(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物を用いることにより、高温環境下に長時間晒しても銅又は銅合金との接着性が変化しない。この接着性が変化しない化学メカニズムは定かではないが、アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物の水酸基が銅又は銅合金と水素結合等で相互作用し、銅又は銅合金の表面を覆う事で、高温環境下においても銅又は銅合金の酸化が抑制され、(A)樹脂と銅又は銅合金銅との接着性が変化しないものと推察される。
(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物として、ブタンジオール、ノナンジオール、ピナコールなどの炭素数2〜30のジオール、グリセリンなどの炭素数3〜30トリオール、糖類などの多価アルコールが上げられる。
特に(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物として、1つ以上の1級水酸基持ち、かつ1級水酸基が下記一般式(5):
Figure 0006636707
{式中、Zは、置換基を有しても良い水素原子、炭素原子、酸素原子から構成される炭素数1〜30の脂肪族又は脂環式構造である。}の構造を持つ化合物は、1級水酸基の極性が高く、銅と配位し易いために本発明の効果が効果的に得られる。又、水酸基の数が多い程、本発明の効果が得られ易い。さらに、1級水酸基を持つ炭素原子が炭素数1〜30の脂肪族又は脂環式構造と結合すると、感光性樹脂組成物の塗膜を乾燥中に(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物による架橋反応を抑制することが出来るため好ましい。又、1級水酸基を持つ炭素原子に結合する脂肪族又は脂環式構造は炭素数1〜30であり、好ましくは炭素数3〜10であり、さらに好ましくは炭素数4〜8である。1級水酸基を持つ炭素原子に結合する脂肪族又は脂環式構造の炭素数が3以上である場合キュア膜の脱ガスが少なくなり、炭素数が30以下である場合(A)樹脂との相溶性が向上する。具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジプロピレングリコール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール等が挙げられる。
さらに、(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、1級水酸基と2級水酸基をそれぞれ1つ以上持つ化合物は、上記の1級水酸基による効果に加え、2級水酸基の適度な極性のために(A)樹脂と(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が相互作用し、密着性がより好ましくなる。具体例としては、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5‐ペンタントリオール、1,2,5‐ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げられる。
さらには、(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、アルドース、ケトース、ピラノース、フラノース、アルジトールからなる多価アルコール化合物であると高温環境下においても銅又は銅合金の酸化が特に抑制され密着性が保たれる。これは、1級水酸基と多数の2級水酸基を持ち、又、これらの化合物が高温時にも変性しないためと考えられる。アルドースの具体例として、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース等が挙げられる。なお、アルドースの内、分子内ヘミアセタール反応によりピラノース構造又はフラノース構造になりうる化合物は、ピラノース又はフラノースの構造で用いても本発明の効果がアルドース同様に得られる。ピラノースの具体例としては、アロピラノース、アルトロピラノース、グルコピラノース、マンノピラノース、グロピラノース、イドピラノース、ガラクトピラノース、タロピラノース等が挙げられる。フラノースの具体例としては、リボフラノース、アラビノフラノース、キシロフラノース、リキソフラノース等が挙げられる。ケトースの具体例としては、エリトルロース、キシルロース、リブロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、セドヘプツロース、コリオース等が挙げられる。アルジトールの具体例としては、グリセリン、エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、グルシトール、マンニトール、イジトール、ガラクチトール、タリトール等が挙げられる。この中でも特に、アルジトール類は両末端に1級水酸基があるために本発明の効果が顕著に得られる。
(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、0.1〜50質量部であり、好ましくは1〜30質量部である。さらに好ましくは3〜20質量部である。上記配合量が0.1質量部以上である場合、高温環境下においても銅又は銅合金との接着性に優れ、一方、50質量部以下である場合、リソ性に優れる。
本発明の感光性樹脂組成物には、アゾール類、プリン誘導体などの(D)含窒素複素環式化合物を加えると本発明の効果が顕著に発現する。これは、アゾール類又はプリン誘導体と(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物、及び銅又は銅合金間で強固なネットワーク構造を形成し、長時間の高温環境下においても銅又は銅合金の酸化を強く抑制するからと考えられる。
アゾール化合物としては、1H−トリアゾール、5−メチル−1H−トリアゾール、5−エチル−1H−トリアゾール、4,5−ジメチル−1H−トリアゾール、5−フェニル−1H−トリアゾール、4−t−ブチル−5−フェニル−1H−トリアゾール、5−ヒドロキシフェニル−1H−トリアゾール、フェニルトリアゾール、p−エトキシフェニルトリアゾール、5−フェニル−1−(2−ジメチルアミノエチル)トリアゾール、5−ベンジル−1H−トリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアゾール、1,5−ジメチルトリアゾール、4,5−ジエチル−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α―ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−1H−テトラゾール等が挙げられる。
特に好ましくは、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、及び4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−テトラゾールが挙げられる。又、これらアゾール化合物は、1種で用いても2種以上の混合物で用いても構わない。
プリン誘導体の具体例としては、プリン、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、イソグアニン、2,6−ジアミノプリン、9−メチルアデニン、2−ヒドロキシアデニン、2−メチルアデニン、1−メチルアデニン、N−メチルアデニン、N,N−ジメチルアデニン、2−フルオロアデニン、9−(2−ヒドロキシエチル)アデニン、グアニンオキシム、N−(2−ヒドロキシエチル)アデニン、8−アミノアデニン、6−アミノ‐8−フェニル‐9H−プリン、1−エチルアデニン、6−エチルアミノプリン、1−ベンジルアデニン、N−メチルグアニン、7−(2−ヒドロキシエチル)グアニン、N−(3−クロロフェニル)グアニン、N−(3−エチルフェニル)グアニン、2−アザアデニン、5−アザアデニン、8−アザアデニン、8−アザグアニン、8−アザプリン、8−アザキサンチン、8−アザヒポキサンチン等及びその誘導体が挙げられる。
感光性樹脂組成物が上記アゾール化合物又はプリン誘導体を含有する場合の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部である事が好ましく、光感度特性の観点から0.5〜5質量部がより好ましい。アゾール化合物の(A)樹脂100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合、本発明の感光性樹脂組成物を銅又は銅合金の上に形成し高温環境下に晒しても、銅又は銅合金との密着性に優れる、一方、20質量部以下である場合には光感度に優れる。
本発明の感光性樹脂組成物には、(E)架橋剤を含有させてもよい。架橋剤は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されたレリーフパターンを加熱硬化する際に、(A)樹脂を架橋し得るか、又は架橋剤自身が架橋ネットワークを形成し得る架橋剤であることができる。架橋剤は、感光性樹脂組成物から形成された硬化膜の耐熱性及び耐薬品性を更に強化することができる。
架橋剤としては、例えば、熱架橋性基を1つ有するものとしてML−26X、ML−24X、ML−236TMP、4−メチロール3M6C、ML−MC、ML−TBC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、P−a型ベンゾオキサジン(商品名、四国化成工業(株)製)等、2つ有するものとしてDM−BI25X−F、46DMOC、46DMOIPP、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、DML−OC、ジメチロール−Bis−C、ジメチロール−BisOC−P、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MB25、DML−MTrisPC、DML−Bis25X−34XL、DML−Bis25X−PCHP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)
B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、3つ有するものとしてTriML−P、TriML−35XL、TriML−TrisCR−HAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等、4つ有するものとしてTM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等、6つ有するものとしてHML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMW−390、ニカラックMW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。
これらのうち、本発明では熱架橋性基を少なくとも2つ含有するものが好ましく、特に好ましくは、46DMOC、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、TriML−P、TriML−35XL(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等、TM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)等が挙げられる。又、さらに好ましくは、ニカラックMX−290、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)、B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業(株)製)、ニカラックMW−390、ニカラックMW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)等が挙げられる。
耐熱性及び耐薬品性以外の諸性能との兼ね合いで、感光性樹脂組成物が架橋剤を含有する場合の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量部である。該配合量が0.5質量部以上である場合、良好な耐熱性及び耐薬品性が発現し、一方、20質量部以下である場合、保存安定性に優れる。
(F)有機チタン化合物
本発明の感光性樹脂組成物には、(F)有機チタン化合物を含有させてもよい。(F)有機チタン化合物を含有することにより、約200℃という低温で硬化した場合であっても耐薬品性に優れる感光性樹脂層を形成できる。
(F)有機チタン化合物として使用可能な有機チタン化合物としては、チタン原子に有機化学物質が共有結合又はイオン結合を介して結合しているものが挙げられる。
(F)有機チタン化合物の具体的例を以下のI)〜VII)に示す:
I)チタンキレート化合物:中でも、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレートが、ネガ型感光性樹脂組成物の保存安定性及び良好なパターンが得られることからより好ましく、具体的な例は、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)ビス(2,4−ペンタンジオネート、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等である。
II)テトラアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2−エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n−ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n−プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス[ビス{2,2−(アリロキシメチル)ブトキサイド}]等である。
III)チタノセン化合物:例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等である。
IV)モノアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキサイド等である。
V)チタニウムオキサイド化合物:例えば、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド等である。
VI)チタニウムテトラアセチルアセトネート化合物:例えば、チタニウムテトラアセチルアセトネート等である。
VII)チタネートカップリング剤:例えば、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート等である。
中でも、(F)有機チタン化合物が、上記I)チタンキレート化合物、II)テトラアルコキシチタン化合物、及びIII)チタノセン化合物から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが、より良好な耐薬品性を奏するという観点から好ましい。特に、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、及びビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムが好ましい。
(F)有機チタン化合物を配合する場合の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、0.05〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜2質量部である。該配合量が0.05質量部以上である場合良好な耐熱性及び耐薬品性が発現し、一方10質量部以下である場合保存安定性に優れる。
(G)その他成分
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(F)成分以外の成分をさらに含有してもよい。本発明の感光性樹脂組成物は、典型的には、上記各成分及び必要に応じてさらに使用される任意成分を溶剤に溶解してワニス状にした感光性樹脂組成物として使用するため、(G)その他成分としては溶剤を挙げることができる。溶剤としては、(A)樹脂に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
上記溶剤は、感光性樹脂組成物の所望の塗布膜厚及び粘度に応じて、(A)樹脂100質量部に対し、例えば30〜1500質量部の範囲、好ましくは100〜1000質量部の範囲で用いることができる。
更に、感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点から、アルコール類を含む溶剤が好ましい。好適に使用できるアルコール類は、典型的には、分子内にアルコール性水酸基を持ち、オレフィン系二重結合を有さないアルコールであり、具体的な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類、乳酸エチル等の乳酸エステル類、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−2−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテル、プロピレングリコール−2−(n−プロピル)エーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル等のモノアルコール類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、エチレングリコール、及びプロピレングリコール等のジアルコール類挙げることができる。これらの中では、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、及びエチルアルコールが好ましく、特に乳酸エチル、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、及びプロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテルがより好ましい。
溶剤が、オレフィン系二重結合を有さないアルコールを含有する場合、全溶剤中に占める、オレフィン系二重結合を有さないアルコールの含量は、5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。オレフィン系二重結合を有さないアルコールの上記含量が5質量%以上の場合、感光性樹脂組成物の保存安定性が良好になり、50質量%以下の場合、(A)樹脂の溶解性が良好になる。
又、銅表面上の変色を抑制するためにヒンダードフェノール化合物を任意に配合することができる。ヒンダードフェノール化合物としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4、4’−メチレンビス(2、6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−イソプロピルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−s−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[4−(1−エチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、
1,3,5−トリス[4−トリエチルメチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−フェニルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5,6−トリメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5−エチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−6−エチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−6−エチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5,6−ジエチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、
1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5‐エチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中でも、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が特に好ましい。
ヒンダードフェノール化合物の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、光感度特性の観点から0.5〜10質量部であることがより好ましい。ヒンダードフェノール化合物の(A)樹脂100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合、例えば銅又は銅合金の上に本発明の感光性樹脂組成物を形成した場合に、銅又は銅合金の変色・腐食が防止され、一方、20質量部以下である場合には光感度に優れる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記成分以外の成分を含有してもよい。例えば、光感度を向上させるために増感剤を任意に配合することができる。該増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N’−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−d)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられる。これらは単独で又は例えば2〜5種類の組合せで用いることができる。
光感度を向上させるための増感剤を感光性樹脂組成物が含有する場合の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、0.1〜25質量部であることが好ましい。
又、レリーフパターンの解像性を向上させるために、光重合性の不飽和結合を有するモノマーを任意に配合することができる。このようなモノマーとしては、光重合開始剤によりラジカル重合反応する(メタ)アクリル化合物が好ましく、特に以下に限定するものではないが、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートなどの、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、グリセロールのモノ、ジ又はトリアクリレート及びメタクリレート、シクロヘキサンジアクリレート及びジメタクリレート、1,4−ブタンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、ビスフェノールAのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、ベンゼントリメタクリレート、イソボルニルアクリレート及びメタクリレート、アクリルアミド及びその誘導体、メタクリルアミド及びその誘導体、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、グリセロールのジ又はトリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリスリトールのジ、トリ、又はテトラアクリレート及びメタクリレート、並びにこれら化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の化合物を挙げることができる。
レリーフパターンの解像性を向上させるための上記の光重合性の不飽和結合を有するモノマーを感光性樹脂組成物が含有する場合、光重合性の不飽和結合を有するモノマーの配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
又、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される膜と基材との接着性向上のために接着助剤を任意に配合することができる。接着助剤としては、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸、ベンゾフェノン−3,3’−ビス(N−[3−トリエトキシシリル]プロピルアミド)−4,4’−ジカルボン酸、ベンゼン−1,4−ビス(N−[3−トリエトキシシリル]プロピルアミド)−2,5−ジカルボン酸、3−(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−(トリアルコキシシリル)プロピルスクシン酸無水物等のシランカップリング剤、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤等が挙げられる。
これらの接着助剤のうちでは、接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。感光性樹脂組成物が接着助剤を含有する場合、接着助剤の配合量は、(A)樹脂100質量部に対し、0.5〜25質量部の範囲が好ましい。
又、特に溶剤を含む溶液の状態での保存時の感光性樹脂組成物の粘度及び光感度の安定性を向上させるために熱重合禁止剤を任意に配合することができる。熱重合禁止剤としては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。
感光性樹脂組成物に配合する場合の熱重合禁止剤の配合量としては、(A)樹脂100質量部に対し、0.005〜12質量部の範囲が好ましい。
<硬化レリーフパターンの製造方法及び半導体装置>
又、本発明は、(1)上述した本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって樹脂層を該基板上に形成する工程と、(2)該樹脂層を露光する工程と、(3)該露光後の樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程とを含む、硬化レリーフパターンの製造方法を提供する。以下、各工程の典型的な態様について説明する。
(1)感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって樹脂層を該基板上に形成する工程
本工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じてその後乾燥させて樹脂層を形成する。塗布方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
必要に応じて、感光性樹脂組成物から成る塗膜を乾燥させることができる。乾燥方法としては、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。具体的には、風乾又は加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で乾燥を行うことができる。以上の通り、基板上に樹脂層を形成できる。
(2)樹脂層を露光する工程
本工程では、上記で形成した樹脂層を、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して又は直接に、紫外線光源等により露光する。
この後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる露光後ベーク(PEB)及び/又は現像前ベークを施してもよい。ベーク条件の範囲は、温度は40〜120℃であり、そして時間は10秒〜240秒であることが好ましいが、本発明の感光性樹脂組成物の諸特性を阻害するものでない限り、この範囲に限らない。
(3)露光後の樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程
本工程においては、露光後の感光性樹脂層の露光部又は未露光部を現像除去する。ネガ型の感光性樹脂組成物である本発明の組成物は、未露光部が現像除去される。現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。又、現像の後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。
現像に使用される現像液としては、感光性樹脂組成物に対する良溶媒、又は該良溶媒と貧溶媒との組合せが好ましい。例えばアルカリ水溶液に溶解しない感光性樹脂組成物の場合、良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等が好ましく、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び水等が好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、感光性樹脂組成物中のポリマーの溶解性によって良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整することが好ましい。又、各溶媒を2種以上、例えば数種類組合せて用いることもできる。
(4)レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱することによって、硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化の方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば180℃〜400℃で30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱硬化の際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
<半導体装置>
本発明は又、上述した本発明の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを含む、半導体装置を提供する。本発明は、半導体素子である基材と、前記基材上に上述した硬化レリーフパターン製造方法により形成された樹脂の硬化レリーフパターンとを含む半導体装置も提供する。又、本発明は、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む半導体装置の製造方法にも適用できる。本発明の半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、既知の半導体装置の製造方法と組合せることで製造することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記のような半導体装置への適用の他、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、及び液晶配向膜等の用途にも有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例、比較例及び製造例においては、感光性樹脂組成物の物性を以下の方法に従って測定及び評価した。
<合成例1>ポリアミド酸エステル ポリマーA
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2l容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)131.2gとγ―ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3lのエチルアルコールに加えて粗ポリマーから成る沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5lに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28lの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリアミド酸エステルであるポリマーAを得た。ポリマーAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は20,000であった。
<合成例2>ポリアミド酸エステル ポリマーB
製造例1の4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gに代えて、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)147.1gを用いた以外は、前述の製造例1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリアミド酸エステルであるポリマーBを得た。ポリマーBの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は22,000であった。
<合成例3>ポリアミド酸 ポリマーC
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gを2l容量のセパラブルフラスコに入れ、N−メチルピロリドン(NMP)700mlを入れて室温下で攪拌し、完全に溶解させた。
次に、この溶液に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを撹拌しながら加え、室温で2時間撹拌した。このようにして得られたポリアミド酸反応溶液を水28Lに滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリアミド酸であるポリマーCを得た。ポリマーCの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は34,000であった。
<合成例4>ポリアミド ポリマーD
(フタル酸化合物封止体AIPA−MOの合成)
容量5lのセパラブルフラスコに、5−アミノイソフタル酸{以下、AIPAと略す。}543.5g、N−メチル−2−ピロリドン1700gを投入、混合撹拌し、ウォーターバスで50℃まで加温した。これに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート512.0g(3.3mol)をγ−ブチロラクトン500gで希釈したものを滴下ロートで滴下投入し、そのまま50℃で2時間ほど撹拌した。
反応の完了(5−アミノイソフタル酸の消失)を低分子量ゲルパーミエーションクロマトグラフィー{以下、低分子量GPCと記す。}で確認した後、この反応液を15リットルのイオン交換水に投入、撹拌、静置し、反応生成物の結晶化沈殿を待って濾別し、適宜水洗の後、40℃で48時間真空乾燥することにより、5−アミノイソフタル酸のアミノ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基が作用したAIPA−MOを得た。得られたAIPA−MOの低分子量GPC純度は約100%であった。
(ポリマーDの合成)
容量2lのセパラブルフラスコに、得られたAIPA−MOを100.89g(0.3mol)、ピリジンを71.2g(0.9mol)、GBLを400g投入、混合し、氷浴で5℃まで冷却した。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)125.0g(0.606mol)をGBL125gに溶解希釈したものを、氷冷下、20分ほどかけて滴下し、続いて4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル{以下、BAPBと記す。}103.16g(0.28mol)をNMP168gに溶解させたものを、20分ほどかけて滴下し、氷浴で5℃未満を維持しつつ3時間、次いで氷浴を外して室温で5時間撹拌した。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液に水840gとイソプロパノール560gの混合液を滴下し、析出する重合体を分離し、NMP650gに再溶解した。得られた粗ポリマー溶液を5lの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリアミドであるポリマーDを得た。ポリマーEの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は34,700であった。
(1)重量平均分子量
各樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。測定に用いたカラムは昭和電工(株)製の商標名「Shodex 805M/806M直列」であり、標準単分散ポリスチレンは、昭和電工(株)製の商標名「Shodex STANDARD SM−105」を選択し、展開溶媒はN−メチル−2−ピロリドンであり、検出器は昭和電工(株)製の商標名「Shodex RI−930」を使用した。
(2)感度
感光性樹脂組成物を6インチシリコンウエハー上にスピンコーター(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)を用いてスピン塗布し、ホットプレート上100℃で300秒の乾燥を行い、9μm厚の塗膜を形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いてi線ステッパーNSR1755i7B(ニコン社製)により、特定のウエハー位置にそれぞれ100〜700mJ/cm2のエネルギーを順次照射した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、シクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスして、ポリアミド酸エステルのパターンを得た。パターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて300℃で2時間熱処理することにより、5μm厚のポリイミドのパターンをシリコンウエハー上に得た。得られた各パターンについて、パターン形状及びパターン部の幅を光学顕微鏡下で観察し、350mJ/cm2露光時の解像度を求めた。
テストパターン付きレチクルを介して露光することにより複数の異なる面積の開口部を有するパターンを上記の方法で形成し、得られたパターン開口部の面積が、対応するパターンマスク開口面積の1/2以上であれば解像されたものとみなし、解像された開口部のうち最小面積を有するものに対応するマスクの開口辺の長さを解像度とした。解像度は以下の基準に基づき評価した。
○:解像度が30μm未満
△:解像度が30μ以上50μm未満
×:解像度が50μm以上
(3)高温環境下保持後の銅密着試験(基板接着格子数)
感光性樹脂組成物を銅基板上にスピン塗布し、乾燥して9μm厚の塗膜を感光性樹脂層として形成した後、昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて300℃で2時間加熱処理(キュア)することにより、5μm厚の硬化樹脂塗膜を得た。このキュア膜を不飽和型プレッシャークッカー(PC−R8D型、日本国、HIRAYAMA社製)を用いて、大気圧空気雰囲気下、150℃で500時間及び1000時間の高温環境下保持後、JIS K 5600−5−6規格のクロスカット法に準じて、キュア膜の高温環境下保持後の銅基板/硬化樹脂塗膜間の接着特性を以下の基準に基づき評価した。
「最良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が100のもの。
「良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が80〜99のもの。
「やや良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が50〜79のもの。
「やや不良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が20〜49のもの。
「不良」:基板に接着している硬化樹脂塗膜の格子数が20未満のもの。
(4)耐熱性試験
感光性樹脂組成物を銅基板上にスピン塗布し、乾燥して9μm厚の塗膜を感光性樹脂層として形成した後、昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて300℃で2時間加熱処理(キュア)することにより、5μm厚の硬化樹脂塗膜を得た。このキュア膜をウエハーから剥離し、5mgのキュア膜を熱量計測定装置(TGA)(TGA−50、日本国、島津製作所社製)を用いて、窒素雰囲気下にて室温から600℃まで5℃/minの昇温速度で加熱し、5%重量減少温度を測定した。
<実施例1>
ポリマーAを用いて以下の方法でネガ型感光性樹脂組成物を調製し、調製した感光性樹脂組成物の評価を行った。ポリアミド酸エステルであるポリマーA100gと((A)樹脂に該当)を、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム(表1には「PDO」と記載する)((B)感光剤に該当)4g、1,9−ノナンジオール((C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物に該当) 10g、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン1.5g、N−フェニルジエタノールアミン10g 、テトラエチレングリコールジメタクリレート8g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸1.5g、及び2−ニトロソ−1−ナフト−ル0.05gと共に、N−メチル−2−ピロリドン(以下ではNMPという)80gと乳酸エチル20gから成る混合溶媒に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の前記混合溶媒を更に加えることによって約35ポイズ(poise)に調整し、ネガ型感光性樹脂組成物とした。
<実施例2>
実施例1で用いた(A)樹脂であるポリマーAの代わりにポリマーB100gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例3>
実施例1で用いた(A)樹脂であるポリマーAの代わりにポリマーA50gとポリマーB50gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例4>
ポリアミド酸であるポリマーC100gと((A)樹脂に該当)を、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム(表1には「PDO」と記載する)((B)感光剤に該当)4g、1,9−ノナンジオール((C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物に該当) 10g、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン1.5g、ジエチルアミノエチルメタクリレート 72g、N−フェニルジエタノールアミン10g、テトラエチレングリコールジメタクリレート8g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸1.5g、及び2−ニトロソ−1−ナフト−ル0.05gと共に、N−メチル−2−ピロリドン(以下ではNMPという)80gと乳酸エチル20gから成る混合溶媒に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の前記混合溶媒を更に加えることによって約35ポイズ(poise)に調整し、ネガ型感光性樹脂組成物とした。
<実施例5>
実施例1で用いた(A)樹脂であるポリマーAの代わりにポリマーD100gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例6>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにノナンジオール0.1gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例7>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにノナンジオール1gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例8>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにノナンジオール30gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例9>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにノナンジオール50gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例10>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりに1級水酸基が4つ持つペンタエリスリトール10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例11>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりに1級水酸基を持つ炭素原子がベンゼン環と結合している1,4−ベンゼンジメタノール10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例12>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりに3級水酸基を持つα,α’−ジヒドロキシ−1,3−ジイソプロピルベンゼン10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例13>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりに3級水酸基を持つピナコール10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例14>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりに1級水酸基と2級水酸基を持つ1,3,5‐ペンタントリオール10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例15>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにアルドースであるD−キシロース10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例16>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにアルドースであるD−グルコース10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例17>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにケトースであるD−フルクトース10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例18>
実施例17で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるD−フルクトース10gの代わりにL体であるL−フルクトース10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例19>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにアルジトールであるエリトリトール10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例20>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにアルジトールであるキシリトール10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例21>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりにアルジトールであるマンニトール10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例22>
実施例1のネガ型感光性樹脂組成物に(D)含窒素複素環式化合物である5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール3gをさらに加えて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例23>
実施例1のネガ型感光性樹脂組成物に(D)含窒素複素環式化合物である5−メチル−1H−テトラゾール 3gをさらに加えて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例24>
実施例1のネガ型感光性樹脂組成物に(D)含窒素複素環式化合物である8−アザアデニン 3gをさらに加えて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例25>
実施例20のネガ型感光性樹脂組成物に(D)含窒素複素環式化合物である5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール3gをさらに加えて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例26>
実施例20のネガ型感光性樹脂組成物に(D)含窒素複素環式化合物である5−メチル−1H−テトラゾール 3gをさらに加えて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例27>
実施例201のネガ型感光性樹脂組成物に(D)含窒素複素環式化合物である8−アザアデニン 3gをさらに加えて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<実施例28>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりに、ノナンジオール70gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<比較例29>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりに、キシリトール70gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<比較例1>
ポリアミド酸エステルであるポリマーA100gと((A)樹脂に該当)を、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム(表3には「PDO」と記載する)((B)感光剤に該当)4g、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン1.5g、N−フェニルジエタノールアミン10g、テトラエチレングリコールジメタクリレート8g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸1.5g、及び2−ニトロソ−1−ナフト−ル0.05gと共に、N−メチル−2−ピロリドン(以下ではNMPという)80gと乳酸エチル20gから成る混合溶媒に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の前記混合溶媒を更に加えることによって約35ポイズ(poise)に調整し、ネガ型感光性樹脂組成物とした。
<比較例2>
比較例1で用いた(A)樹脂であるポリマーAの代わりにポリマーB100gを用いて、比較例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<比較例3>
比較例1で用いた(A)樹脂であるポリマーAの代わりにポリマーA50gとポリマーB50gを用いて、比較例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<比較例4>
ポリアミド酸であるポリマーC100gと((A)樹脂に該当)を、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム(表3には「PDO」と記載する)((B)感光剤に該当)4g、1,9−ノナンジオール((C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物に該当) 10g、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン1.5g、ジエチルアミノエチルメタクリレート 72g、N−フェニルジエタノールアミン10g、テトラエチレングリコールジメタクリレート8g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸1.5g、及び2−ニトロソ−1−ナフト−ル0.05gと共に、N−メチル−2−ピロリドン(以下ではNMPという)80gと乳酸エチル20gから成る混合溶媒に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の前記混合溶媒を更に加えることによって約35ポイズ(poise)に調整し、ネガ型感光性樹脂組成物とした。
<比較例5>
比較例1で用いた(A)樹脂であるポリマーAの代わりにポリマーD100gを用いて、比較例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<比較例6>
比較例1のネガ型感光性樹脂組成物に(D)含窒素複素環式化合物である8−アザアデニン 3gをさらに加えて、比較例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
<比較例7>
実施例1で用いた(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物であるノナンジオール10gの代わりに、水酸基が1つである1−オクタノール10gを用いて、実施例1と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。
Figure 0006636707
Figure 0006636707
Figure 0006636707
本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、例えば半導体装置、多層配線基板等の電気・電子材料の製造に有用な感光性材料の分野で好適に利用できる。

Claims (10)

  1. (A)下記一般式(1):
    Figure 0006636707
    {式中、X1は、4価の有機基であり、Y1は、2価の有機基であり、n1は、2〜150の整数であり、そしてR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の飽和脂肪族基、下記一般式(2):
    Figure 0006636707
    (式中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてm1は、2〜10の整数である。)で表される1価の有機基、
    又は下記一般式(3):
    Figure 0006636707
    (式中、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてm2は、2〜10の整数である。)で表される一価のアンモニウムイオン}
    で表されるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸、ポリアミド酸エステル又はポリアミド酸塩、
    あるいは下記一般式(4):
    Figure 0006636707
    {式中、X2は、炭素数6〜15の3価の有機基であり、Y2は、炭素数6〜35の2価の有機基であり、R9は、炭素数3〜20のラジカル重合性の不飽和結合基を少なくとも一つ有する有機基であり、そしてn2は、1〜1000の整数である。但し、複数あるX2とY2はそれぞれ異なる構造を有していてよい。}
    で表される構造を有するポリアミドを少なくとも含む樹脂;
    (B)感光材;並びに
    (C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物:
    を含む、ネガ型感光性樹脂組成物であって、
    前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物は、1つ以上の1級水酸基を有し、かつ前記1級水酸基が下記一般式(5):
    Figure 0006636707
    {式中、Zは、水素原子、炭素原子及び酸素原子から構成される炭素数3〜30の脂肪族又は脂環式構造である。}
    で表される構造を有する1級水酸基である、ネガ型感光性樹脂組成物。
  2. 前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、前記(A)の樹脂100質量部に対して、1〜50質量部である、請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、3つ以上のアルコール性水酸基を持つ、請求項1又は2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、1級水酸基と2級水酸基をそれぞれ1つ以上持つ、請求項1〜3のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  5. 前記(C)アルコール性水酸基を2つ以上含む化合物が、アルドース、ケトース、ピラノース、フラノース、及びアルジトールからなる群から選ばれる請求項1〜4のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  6. (D)含窒素複素環式化合物をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  7. 前記ネガ型感光性樹脂組成物から形成されたレリーフパターンを加熱処理することにより得られる硬化レリーフパターンを、大気圧空気雰囲気下、150℃で500時間及び1000時間の高温環境下保持後に、JIS K 5600−5−6規格のクロスカット法に準じて評価したとき、硬化レリーフパターンの基板に接着している格子数が50以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  8. (1)請求項1〜7のいずれか一項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって感光性樹脂層を前記基板上に形成する工程と、
    (2)前記感光性樹脂層を露光する工程と、
    (3)前記露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
    (4)前記レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程
    を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
  9. 前記基板が、銅又は銅合金から形成されている、請求項8に記載の方法。
  10. 半導体素子である基材上に、請求項8又は9に記載の硬化レリーフパターンの製造方法により、硬化レリーフパターンを提供することを含む、半導体装置の製造方法
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