JP2021120697A - ネガ型感光性樹脂組成物、並びにこれを用いたポリイミド及び硬化レリーフパターンの製造方法 - Google Patents

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竜也 平田
Tatsuya Hirata
竜也 平田
孝亘 藤岡
Takanobu Fujioka
孝亘 藤岡
建樹 清水
Kenju Shimizu
建樹 清水
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Abstract

【課題】本発明は、保存安定性、封止材との密着性、及び多層形成時の面内均一性及び耐クラック性が良好であるネガ型感光性樹脂組成物、又はそれを用いる硬化レリーフパターン形成方法を提供する。【解決手段】(A)下記一般式(1):で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、(B)ウレタン結合及び/又はウレア結合を含む化合物、(C)光重合開始剤、並びに(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーを含む、ネガ型感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ネガ型感光性樹脂組成物、並びにこれを用いたポリイミド及び硬化レリーフパターンの製造方法に関する。
従来、電子部品の絶縁材料、及び半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜並びに、層間絶縁膜等には、優れた耐熱性、電気特性、及び機械特性を併せ持つポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、フェノール樹脂等が用いられている。これらの樹脂の中でも、感光性樹脂組成物の形態で提供されるものは、該組成物の塗布、露光、現像、及び硬化による熱イミド化処理によって、耐熱性のレリーフパターン皮膜を容易に形成することができる。このような感光性樹脂組成物は、従来の非感光型材料に比べて、大幅な工程短縮を可能にするという特徴を有している。
半導体装置における半導体パッケージ手法には、様々な方法がある。半導体パッケージ手法としては、例えば、半導体チップを封止材(モールド樹脂)で覆って素子封止材を形成し、更に、半導体チップと電気的に接続する再配線層を形成するというパッケージング手法がある。半導体パッケージ手法の中でも、近年、ファンナウト(Fan−Out)という半導体パッケージ手法が主流となっている。
ファンナウト型の半導体パッケージでは、半導体チップを封止材で覆うことにより半導体チップのチップサイズよりも大きいチップ封止体を形成する。更に、半導体チップ及び封止材の領域にまで及ぶ再配線層を形成する。再配線層は、薄い膜厚で形成される。また、再配線層は、封止材の領域まで形成できるため、外部接続端子の数を多くすることができる。
例えば、ファンナウト型の半導体装置としては、下記の特許文献1に記載の装置が知られている。また、ポリイミド前駆体を低温で環化(硬化)させ得る感光性樹脂組成物として、特許文献2に記載の手段が知られている。
特開2011−129767号公報 国際公開第2019/189110号
しかしながら、硬化温度(熱イミド化処理温度)が低温化すると、モールド樹脂等の封止材と再配線層の密着性が低下する問題があった。また、再配線層は2層以上より構成されるところ、面内均一性が失われ易くなる、1層目にクラックが生じ易くなる、等の問題があった。また、特許文献2に記載の熱塩基発生剤を含む感光性樹脂組成物では、上記問題の解決が不十分であり、更に保存安定性が著しく低下する等の問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、保存安定性に優れ、モールド樹脂等の封止材との密着性が良好であり、多層として形成された場合の面内均一性及び耐クラック性が良好である、ネガ型感光性樹脂組成物(以下、本願明細書において単に「感光性樹脂組成物」ともいう。)を提供することを目的の一つとする。また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの形成方法を提供することも目的の一つである。
本発明者らは、特定のポリイミド前駆体と、特定の結合を含む化合物と、光重合開始剤と、特定の重合性不飽和モノマーとを組み合わせることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の実施形態の例を以下に列記する。
[1]
(A)下記一般式(1):
Figure 2021120697
{式中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、nは、2〜150の整数であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、そしてR及びRの少なくとも一方は、下記一般式(2):
Figure 2021120697
(式中、L、L及びLは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてmは、2〜10の整数である。)
で表される1価の有機基である。}
で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、
(B)ウレタン結合、及びウレア結合から成る群から選択される少なくとも1種を含む化合物、
(C)光重合開始剤、並びに
(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー
を含む、ネガ型感光性樹脂組成物。
[2]
前記(B)化合物は、ウレア結合を有する化合物である、項目1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[3]
前記(B)化合物は、下記一般式(3)又は(4):
Figure 2021120697
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、そしてR及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又はヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基である。}
Figure 2021120697
{式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、そしてR13は、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の2価の有機基である。}
で表される化合物である、項目1又は2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[4]
前記(B)化合物は、(メタ)アクリル基、水酸基、及びアミノ基から成る群から選択される少なくとも1種の官能基を含む、項目1〜3のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[5]
前記(D)重合性不飽和モノマーの重合性官能基は、(メタ)アクリル基である、項目1〜4のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[6]
前記(D)重合性不飽和モノマーの官能基当量(g/mol)は、50〜300である、項目1〜5のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[7]
前記(A)ポリイミド前駆体の一般式(1)におけるYは、下記一般式(5):
Figure 2021120697
{式中、R14及びR15はそれぞれ独立に、水素原子、又はハロゲン原子を含んでよい炭素数1〜10の1価の有機基である。}
で表される構造である、項目1〜6のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[8]
(E)防錆剤を更に含む、項目1〜7のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[9]
前記(E)防錆剤は、含窒素複素環化合物を含む、項目8に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[10]
前記含窒素複素環化合物は、アゾール化合物である、項目9に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[11]
前記含窒素複素環化合物は、プリン、又はプリン誘導体である、項目10に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[12]
(F)シランカップリング剤を更に含む、項目1〜11のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[13]
前記(A)ポリイミド前駆体の一般式(1)におけるXは、下記一般式(20a)、(20b)、及び(20c):
Figure 2021120697
{式中、R6は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、そしてlは、0〜2から選択される整数である。}
Figure 2021120697
{式中、R6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、そしてmは、それぞれ独立に、0〜3から選択される整数である。}
Figure 2021120697
{式中、R6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、そしてmは、それぞれ独立に、0〜3から選択される整数である。}
から成る群から選択される少なくとも1種を含む構造である、項目1〜12のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[14]
前記(A)ポリイミド前駆体と、
前記(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として0.1〜30質量部の前記(B)化合物と、
前記(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として0.1〜20質量部の前記(C)光重合開始剤と、
前記(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として1〜50質量部の前記(D)重合性不飽和モノマーと
を含む、項目1〜13のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
[15]
項目1〜14のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物に含まれる前記(A)ポリイミド前駆体をポリイミドに変換する工程を含む、ポリイミドの製造方法。
[16]
(1)項目1〜14のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を前記基板上に形成する工程と、
(2)前記感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)露光後の前記感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを形成する工程と、
(4)前記レリーフパターンを加熱処理して、硬化レリーフパターンを形成する工程と
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
本発明によれば、封止材との密着性及び保存安定性に優れ、多層として形成された場合に、面内均一性に優れるとともにクラック等の発生を抑制できる、ネガ型感光性樹脂組成物を提供することができ、また、該ネガ型感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの形成方法を提供することができる。また、本発明によれば、ファンアウト型半導体パッケージに用いられるモールド樹脂との密着性が良好であるネガ型感光性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお、本明細書を通じ、一般式において同一符号で表されている構造は、分子中に複数存在する場合に、互いに同一であるか、又は異なっていてもよい。
<ネガ型感光性樹脂組成物>
本実施形態に係るネガ型感光性樹脂組成物は、(A)ポリイミド前駆体;(B)ウレタン結合、及びウレア結合から成る群から選択される少なくとも1種を含む化合物;(C)光重合開始剤、並びに(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーを含む。なお、本明細書では、「ネガ型」とは、現像時に、未露光部が溶け、かつ露光部が残る感光性樹脂組成物をいう。
ネガ型感光性樹脂組成物は、高い耐薬品性を得るという観点から、(A)ポリイミド前駆体と、(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として0.1〜30質量部の(B)化合物と、(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として0.1〜20質量部の(C)光重合開始剤と、(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として1〜50質量部の(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーを含むことが好ましい。これにより、本発明の効果を奏し易くなる。
(A)ポリイミド前駆体
本実施形態における(A)ポリイミド前駆体は、ネガ型感光性樹脂組成物に含まれる樹脂成分であり、加熱環化処理を施すことによってポリイミドに変換される。ポリイミド前駆体は下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミドである。
Figure 2021120697
{式中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、nは、2〜150の整数であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、そしてR及びRの少なくとも一方は、下記一般式(2):
Figure 2021120697
(式中、L、L及びLは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてmは、2〜10の整数である。)
で表される1価の有機基である。}
一般式(1)におけるnは、2〜150の整数であればよく、ネガ型感光性樹脂組成物の感光特性及び機械特性の観点から、3〜100の整数が好ましく、5〜70の整数がより好ましい。一般式(1)中、Xで表される4価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立するという観点から、好ましくは炭素数6〜40の有機基であり、より好ましくは、−COOR基及び−COOR基と−CONH−基とが互いにオルト位置にある芳香族基、又は脂環式脂肪族基である。Xで表される4価の有機基として、具体的には、芳香族環を含有する炭素数6〜40の有機基、例えば、下記一般式(20)で表される構造を有する基が挙げられる。
Figure 2021120697
{式中、R6は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、lは、0〜2から選択される整数であり、mは0〜3から選択される整数であり、そしてnは0〜4から選択される整数である。}
の構造は1種でも2種以上の組み合わせでもよい。上記式(20)で表される構造を有するX基は、耐熱性と感光特性とを両立するという観点から特に好ましい。X基としては、上記式(20)で表される構造のなかでも、下記式(20a)、(20b)及び(20c)の少なくとも1種で表される構造は、耐薬品性、解像度、及び高温保存試験後のボイド抑制の観点から特に好ましい。
Figure 2021120697
{式(20a)〜(20c)中、R6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、lは、0〜2から選択される整数であり、そしてmは0〜3から選択される整数である。}
一般式(20a)〜(20c)のR6は、それぞれ、後述する一般式(21)のR6と同じであってもよく、又は異なってもよい。
上記一般式(1)中、Yで表される2価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立するという観点から、好ましくは炭素数6〜40の芳香族基であり、例えば、下記式(21)で表される構造が挙げられる。
Figure 2021120697
{式中、R6は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、そしてnは0〜4から選択される整数である。}
の構造は1種でも2種以上の組み合わせでもよい。上記式(21)で表される構造を有するY基は、耐熱性及び感光特性を両立するという観点から特に好ましい。Y基として、下式(5)で表される構造は、耐薬品性、及び多層として形成された時の面内均一性又はクラック抑制の観点から特に好ましい。
Figure 2021120697
{式中、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、又はハロゲン原子を含んでよい炭素数1〜10の1価の有機基である。}
これらの中で、硬化膜のガラス転移温度(Tg)又はヤング率の観点から、R14及びR15の少なくとも一方又は両方は、メチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましい。
上記一般式(2)中のLは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、L及びLは、感光特性の観点から水素原子であることが好ましい。また、一般式(2)において、mは、感光特性の観点から2以上10以下の整数であり、好ましくは2以上4以下の整数である。
一実施形態において、(A)ポリイミド前駆体は、下記一般式(8):
Figure 2021120697
{式中、R、R、及びnは、上記一般式(1)について定義したものである。}
で表される構造単位を有するポリイミド前駆体であることが好ましい。
一般式(8)において、R及びRの少なくとも一方は、上記一般式(2)で表される1価の有機基であることがより好ましい。(A)ポリイミド前駆体が、一般式(8)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体を含むことで、特に解像性が高くなる。
一実施形態において、(A)ポリイミド前駆体は、上記式(5)を含むことによる効果の観点から、下記一般式(9):
Figure 2021120697
{式中、R、R、及びnは、上記一般式(1)について定義したものである。}
で表される構造単位を有するポリイミド前駆体であることが好ましい。
一般式(9)において、R及びRの少なくとも一方は、上記一般式(2)で表される1価の有機基であることがより好ましい。
一般式(8)及び(9)において、一方の式中のR、R、及びnは、それぞれ、他方の式中のR、R、及びnと同じであってもよく、又は異なってもよい。
(A)ポリイミド前駆体の調製方法
(A)ポリイミド前駆体は、まず前述の4価の有機基Xを含むテトラカルボン酸二無水物と、光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類及び任意に不飽和二重結合を有さないアルコール類とを反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸(以下、アシッド/エステル体ともいう)を調製した後、これと、前述の2価の有機基Yを含むジアミン類とをアミド重縮合させることにより得られる。
(アシッド/エステル体の調製)
本実施形態で、(A)ポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、4価の有機基Xを含むテトラカルボン酸二無水物としては、上記一般式(20)に示されるテトラカルボン酸二無水物をはじめ、例えば、無水ピロメリット酸(PMDA)、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)プロパン、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。好ましくは、無水ピロメリット酸(PMDA)、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。また、これらは単独で用いることができ、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態で、(A)ポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−アクリロイルオキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシ−3−プロピルアルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、1−メタクリロイルオキシ−3−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
上記光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類に、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール等の不飽和二重結合を有さないアルコール類を一部混合して用いることもできる。
また、ポリイミド前駆体として、上記不飽和二重結合を有さないアルコール類のみで調製された非感光性ポリイミド前駆体を、感光性ポリイミド前駆体と混合して用いてもよい。解像性の観点から、非感光性ポリイミド前駆体は、感光性ポリイミド前駆体100質量部を基準として、200質量部以下であることが好ましい。
上記の好適なテトラカルボン酸二無水物と上記のアルコール類とを、ピリジン等の塩基性触媒の存在下、後述するような溶剤中、温度20〜50℃で4〜10時間撹拌溶解、混合することにより、酸無水物のエステル化反応が進行し、所望のアシッド/エステル体を得ることができる。
(ポリイミド前駆体の調製)
上記アシッド/エステル体(典型的には後述する溶剤中の溶液)に、氷冷下、適当な脱水縮合剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート等を投入混合してアシッド/エステル体をポリ酸無水物とした後、これに、本実施形態で好適に用いられる2価の有機基Yを含むジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下投入し、アミド重縮合させることにより、目的のポリイミド前駆体を得ることができる。代替的には、上記アシッド/エステル体を、塩化チオニル等を用いてアシッド部分を酸クロライド化した後に、ピリジン等の塩基存在下に、ジアミン化合物と反応させることにより、目的のポリイミド前駆体を得ることができる。
本実施形態で好適に用いられる2価の有機基Yを含むジアミン類としては、上記一般式(21)に示される構造を有するジアミンをはじめ、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−オキシジアニリン(ODA))、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト−トリジンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、及びこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ハロゲン等で置換されたもの、例えば3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン(m−TB))、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、4、4’−ジアミノ―2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−ビフェニル、及びその混合物等が挙げられる。
アミド重縮合反応終了後、当該反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を必要に応じて濾別した後、水、脂肪族低級アルコール、又はその混合液等の貧溶媒を、得られた重合体成分に投入し、重合体成分を析出させ、更に、再溶解、再沈析出操作等を繰り返すことにより、重合体を精製し、真空乾燥を行い、目的のポリイミド前駆体を単離する。精製度を向上させるために、陰イオン及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶剤で膨潤させて充填したカラムに、この重合体の溶液を通し、イオン性不純物を除去してもよい。
上記(A)ポリイミド前駆体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量で測定した場合に、8,000〜150,000であることが好ましく、9,000〜50,000であることがより好ましい。重量平均分子量が8,000以上である場合、機械物性が良好であり、150,000以下である場合現像液への分散性が良好で、レリーフパターンの解像性能が良好である。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン、及びN−メチル−2−ピロリドンが推奨される。また重量平均分子量は標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
(B)ウレタン結合、又はウレア結合を有する化合物
本実施形態に用いられる(B)化合物は、分子構造中にウレタン結合、及びウレア結合から成る群から選択される少なくとも1種を含む(以下、本実施形態において、「ウレタン/ウレア化合物」ともいう。)。この(B)化合物の中で、Cu表面ボイド抑制又は耐薬品性の観点から、ウレア結合を有する化合物が好ましい。
ウレア結合を有する化合物の中で、現像性の観点から、下記一般式(3)又は(4)で表される構造を有する化合物がより好ましい。
Figure 2021120697
{式中、R及びRは、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、そしてR及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又はヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基である。}
Figure 2021120697
{式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、そしてR13は、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の2価の有機基である。}
本実施形態に係るヘテロ原子は、酸素原子、窒素原子、リン原子、硫黄原子を挙げることができる。式(3)中、R及びRは、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であればよく、現像性の観点から酸素原子を含むことがより好ましい。R及びRの炭素数は、1〜20であればよく、耐熱性の観点から炭素数1〜10が好ましく、3〜10がより好ましい。
式(3)中、R及びR10は、水素原子、またはヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であればよく、現像性の観点から水素原子、または酸素原子を含むことがより好ましい。R及びR10の炭素数は1〜20であればよく、耐熱性の観点から炭素数1〜10が好ましく、3〜10がより好ましい。
式(4)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であればよく、現像性の観点から酸素原子を含むことがより好ましい。R11及びR12の炭素数は1〜20であればよく、耐熱性の観点から炭素数1〜10が好ましく、3〜10がより好ましい。式(4)中、R13は、ヘテロ原子を含んでよい、炭素数1〜20の2価の有機基であればよく、クラック発生の抑制の観点から、少なくとも1つの酸素原子を含むことがより好ましい。R13の炭素数は、1〜20であればよく、ヘテロ原子の含有の観点から2以上であることが好ましく、耐熱性の観点から1〜18であることが好ましい。
本実施形態において、(B)化合物は、(メタ)アクリル基、水酸基、及びアミノ基から成る群から選択される少なくとも1種の官能基を更に有することが好まし好ましく、(メタ)アクリル基を有することがより好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物が(B)化合物を含有することによって、モールド樹脂との密着性、又は多層として形成された時の面内均一性が良好である理由については明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。すなわち、一態様において、ネガ型感光性樹脂組成物は、180℃以下という低い温度で加熱硬化させる場合、ポリイミド前駆体のポリイミドへの変換が十分ではない傾向にある。特に、本実施形態で含有する(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーを含むと、その傾向がより顕著となる。一方、本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、ウレタン/ウレア化合物(B)を含有することにより、(B)化合物の一部が熱分解することで、アミン等が発生し、当該アミン等が、ポリイミド前駆体のポリイミドへの変換を促進すると考えている。また、好ましい態様において、化合物(B)が(メタ)アクリル基を更に有することにより、特にネガ型感光性樹脂組成物とした場合、光照射により化合物(B)がポリイミド前駆体の側鎖部分と反応し、架橋することで、よりポリイミド前駆体の近傍に存在し易く、変換効率を飛躍的に高めることができると考えている。
したがって、本実施形態に係るポリイミドの製造、又は硬化レリーフパターンの製造においては、低温での加熱硬化であるにも関わらず、ポリイミドへの変換がほぼ完結しているため、それ以上の環化反応が進行しないために、収縮応力の発生がなく、密着性が高い状態を保つことができる。
また、ポリイミドへの変換がほぼ完結しているため、1層目のポリイミド膜に対して2層目を形成するために感光性樹脂組成物をコート、プリベークする際に、1層目が十分に耐溶媒性を有しているために、面内均一性が十分に発現すると考えている。
本実施形態において、(B)化合物が(メタ)アクリル基を更に有する場合、(B)化合物の(メタ)アクリル当量は、150〜400g/molであることが好ましい。(B)化合物の(メタ)アクリル当量が150g/mol以上であることで、ネガ型感光性樹脂組成物の耐薬品性が良好となる傾向にあり、400g/mol以下であることで、現像性が良好となる傾向にある。(B)化合物の(メタ)アクリル当量の下限値は、より好ましくは200g/mol以上、210g/mol以上、220g/mol以上、又は230g/mol以上、更に好ましくは240g/mol以上、又は250g/mol以上であり、下限値は、より好ましくは350g/mol以下、又は330g/mol以下、更に好ましくは300g/mol以下である。(B)化合物の(メタ)アクリル当量は、より更に好ましくは210〜400g/mol、特に好ましくは220〜400g/molである。
本実施形態に用いられるウレタン/ウレア化合物(B)は、下記一般式(b3)で表される構造を有する、(メタ)アクリル基含有ウレタン/ウレア化合物であることが好ましい。
Figure 2021120697
{式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Aは−O−、−NH−、及び−NL−から成る群より選択される一つの基であり、Lは炭素数1〜12の1価の有機基であり、Zは炭素数2〜24のm価の有機基であり、Zは炭素数2〜8の2価の有機基であり、そしてmは1〜3の整数である。}
式(b3)中、Rは水素原子又はメチル基であればよく、現像性の観点からメチル基が好ましい。Zは炭素数2〜24のm価の有機基であればよく、その炭素数は2〜20であることが好ましい。ここで、Zは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等のヘテロ原子も含むことができる。Zの炭素数が2以上であれば、ネガ型感光性樹脂組成物の耐薬品性が良好な傾向にあり、炭素数20以下であれば現像性が良好な傾向にある。Zの炭素数は3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、また18以下がより好ましく、16以下がさらに好ましい。Zは炭素数2〜8の2価の有機基であればよい。ここで、Zは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等のヘテロ原子も含むことができる。Zの炭素数が2以上であれば、ネガ型感光性樹脂組成物の耐薬品性が良好な傾向にあり、炭素数8以下であれば耐熱性が良好な傾向にある。Zの炭素数は6以下が好ましく、4以下がより好ましい。Aは−O−、−NH−、及び−NL−{式中、Lは、炭素数1〜12の1価の有機基である。}から成る群より選択される一つの基である。耐薬品性の観点から、Aは、−NH−または−NL−が好ましい。
上記一般式(b3)の(メタ)アクリル基含有ウレア/ウレタン化合物の製造方法は、例えば下記一般式で表されるイソシアネート化合物と、アミン及び/又は水酸基含有化合物を反応させることによって得ることができる。
Figure 2021120697
上記で説明された(B)化合物の中でも、耐薬品性、ボイド抑制、及び現像性の観点から、下記式(b4)〜(b7)、及び(b11)〜(b16)から成る群から選択される少なくとも1種の化合物が特に好ましい。なお、下記式(b4)〜(b7)、及び(b11)〜(b16)で表される化合物も本発明の一実施形態である。
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
また、別の実施形態では、(B)ウレア結合を有する化合物として、テトラメチル尿素を使用することができる。
本実施形態における(B)化合物は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。(B)化合物の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上20質量部以下である。上記(B)の配合量は、光感度又はパターニング性の観点から0.1質量部以上であり、ネガ型感光性樹脂組成物の硬化後の感光性樹脂層の物性の観点から30質量部以下である。
(C)光重合開始剤
光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、及びフルオレノン等のベンゾフェノン誘導体;2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体;チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、及びベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体;ベンゾイン、及びベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体;1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、及び1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類;N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類;ベンゾイルパークロライド等の過酸化物類;芳香族ビイミダゾール類;チタノセン類;並びにα−(n−オクタンスルフォニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド等の光酸発生剤類等が挙げられる。上記の光重合開始剤の中では、特に光感度の観点から、オキシム類がより好ましい。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上8質量部以下である。上記配合量は、光感度又はパターニング性の観点から0.1質量部以上であり、ネガ型感光性樹脂組成物の硬化後の感光性樹脂層の物性の観点から20質量部以下である。
(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー
本実施形態では、感光性樹脂組成物が、(D)成分として、分子構造中に3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーを含有する。感光性樹脂組成物は、(D)重合性不飽和モノマーを含むことにより、保存安定性、及び耐薬品性を良好とすることができる。
本明細書にいう「重合性官能基」とは、他の官能基と結合を形成し得る官能基をいう。上記(D)重合性不飽和モノマーにおける、3つ以上の重合性官能基は、(メタ)アクリル基、水酸基、及びアミノ基から成る群から選択される少なくとも1種の官能基であることが好ましい。これにより、本発明による効果が得られ易くなる。
また、本実施形態では、重合性官能基は、現像性の観点から(メタ)アクリル基が好ましい。
このような(D)重合性不飽和モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、等を挙げることができる。
なお、(D)重合性不飽和モノマーにおいて、3つ以上の重合性官能基のうち、1つが(メタ)アクリル基であってよく、2つが(メタ)アクリル基であってよく、3つ以上が(メタ)アクリル基であってよく、そして4つ以上の重合性官能基を含む場合には、それらの4つ全ての重合性官能基が(メタ)アクリル基であってよい。3つ以上の重合性官能基に複数の(メタ)アクリル基が含まれる場合、その複数の(メタ)アクリル基は、互いに異なってもよく、同一でもよい。
本実施形態にかかる(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーは、その官能基当量(g/mol)が、50〜300であることが好ましい。また、(D)重合性不飽和モノマーが(メタ)アクリル基を含有する場合、その(メタ)アクリル当量が50〜300であることが好ましく、70〜250であることがより好ましい。これにより、本発明による効果が更に得られ易くなる。
なお、本実施形態にかかる官能基当量(g/mol)は、分子量を官能基数で除した値である。
本実施形態で使用される(D)重合性不飽和モノマーは、1種でも2種以上でもよい。
(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーの配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは1質量部以上50質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上45質量部以下である。上記配合量は、重合性の観点から5質量部以上が更に好ましく、ネガ型感光性樹脂組成物の硬化後の感光性樹脂層の物性の観点から40質量部以下が更に好ましい。
溶媒
本実施形態にかかる溶媒は、上記(A)ポリイミド前駆体、(B)ウレタン結合、又はウレア結合を有する化合物、(C)光重合開始剤、(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーを均一に溶解または懸濁させ得る溶媒であればよい。これらの溶媒としては、アミド類、スルホキシド類、ウレア類(ただし、上記(B)ウレア結合を含む化合物を除く。)、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、及びアルコール類等が挙げられる。より具体的には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、フェニルグリコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、モルフォリン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、アニソール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等を使用することができる。
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物において、溶媒の使用量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、好ましくは10〜1000質量部であり、より好ましくは100〜700質量部であり、更に好ましくは125〜500質量部の範囲である。
(E)防錆剤
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、防錆剤を更に含むことができる。防錆剤としては、金属を防錆できればよく、含窒素複素環化合物を挙げることができる。含窒素複素環化合物としては、アゾール化合物、及びプリン、又はプリン誘導体等が挙げられる。
アゾール化合物としては、例えば、1H−トリアゾール、5−メチル−1H−トリアゾール、5−エチル−1H−トリアゾール、4,5−ジメチル−1H−トリアゾール、5−フェニル−1H−トリアゾール、4−t−ブチル−5−フェニル−1H−トリアゾール、5−ヒドロキシフェニル−1H−トリアゾール、フェニルトリアゾール、p−エトキシフェニルトリアゾール、5−フェニル−1−(2−ジメチルアミノエチル)トリアゾール、5−ベンジル−1H−トリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアゾール、1,5−ジメチルトリアゾール、4,5−ジエチル−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、及び1−メチル−1H−テトラゾール等が挙げられる。
アゾール化合物としては、特に好ましくは、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、及び4−メチル−1H−ベンゾトリアゾールが挙げられる。また、これらのアゾール化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても構わない。
(E)防錆剤は、プリン、又はその誘導体を含むことができる。また、(E)防錆剤に含まれるプリン誘導体としては、例えば、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、イソグアニン、2,6−ジアミノプリン、9−メチルアデニン、2−ヒドロキシアデニン、2−メチルアデニン、1−メチルアデニン、N−メチルアデニン、N,N−ジメチルアデニン、2−フルオロアデニン、9−(2−ヒドロキシエチル)アデニン、グアニンオキシム、N−(2−ヒドロキシエチル)アデニン、8−アミノアデニン、6−アミノ‐8−フェニル‐9H−プリン、1−エチルアデニン、6−エチルアミノプリン、1−ベンジルアデニン、N−メチルグアニン、7−(2−ヒドロキシエチル)グアニン、N−(3−クロロフェニル)グアニン、N−(3−エチルフェニル)グアニン、2−アザアデニン、5−アザアデニン、8−アザアデニン、8−アザグアニン、8−アザプリン、8−アザキサンチン、及び8−アザヒポキサンチン等、並びにこれらの誘導体が挙げられる。
ネガ型感光性樹脂組成物がアゾール化合物、又はプリン若しくはプリン誘導体を含有する場合、その配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.05〜5質量部であることが好ましく、光感度特性の観点から0.1〜5質量部がより好ましい。アゾール化合物の(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する配合量が0.05質量部以上である場合、本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物を銅又は銅合金の上に形成した場合に、銅又は銅合金表面の変色が抑制され、一方、アゾール化合物が5質量部以下である場合には光感度に優れる。
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物が(E)防錆剤を含む場合、特にCu層のボイド形成が抑制される。効果を奏する理由は定かではないが、Cu表面に存在する防錆剤と、ウレタン/ウレア化合物の好ましい実施態様に含まれる(メタ)アクリル基、水酸基、アルコキシ基、又はアミノ基とが相互作用し、Cu界面近傍で緻密な層を形成する為と考えられる。
(F)シランカップリング剤
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤を更に含むことができる。シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸、ベンゾフェノン−3,3’−ビス(N−[3−トリエトキシシリル]プロピルアミド)−4,4’−ジカルボン酸、ベンゼン−1,4−ビス(N−[3−トリエトキシシリル]プロピルアミド)−2,5−ジカルボン酸、3−(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、及び3−(トリアルコキシシリル)プロピルスクシン酸無水物等のシランカップリング剤を挙げることができる。
シランカップリング剤として、より具体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:商品名 KBM803、チッソ株式会社製:商品名 サイラエースS810)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SIM6475.0)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:商品名 LS1375、アズマックス株式会社製:商品名 SIM6474.0)、メルカプトメチルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SIM6473.5C)、メルカプトメチルメチルジメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SIM6473.0)、3−メルカプトプロピルジエトキシメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルジエトキシメトキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシプロポキシシラン、2−メルカプトエチルメトキシジプロポキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリプロポキシシラン等が挙げられる。
また、シランカップリング剤としては、より具体的には、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア(信越化学工業株式会社製:商品名 LS3610、アズマックス株式会社製:商品名 SIU9055.0)、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ウレア(アズマックス株式会社製:商品名 SIU9058.0)、N−(3−ジエトキシメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジエトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリエトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルブチル)ウレア、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SLA0598.0)、m−アミノフェニルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SLA0599.0)、p−アミノフェニルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SLA0599.1)アミノフェニルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SLA0599.2)等が挙げられる。
また、シランカップリング剤としては、より具体的には、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン(アズマックス株式会社製:商品名 SIT8396.0)、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−(ジメトキシシリルメチルエチル)ピリジン、2−(ジエトキシシリルメチルエチル)ピリジン、(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバメート、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシシラン)、テトラキス(メトキシ−n−プロポキシシラン)、テトラキス(エトキシエトキシシラン)、テトラキス(メトキシエトキシエトキシシラン)、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタジエン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ジ−t−ブトキシジアセトキシシラン、ジ−i−ブトキシアルミノキシトリエトキシシラン、フェニルシラントリオール、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルシフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ−p−トリルシラン、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、及びトリフェニルシラノール等が挙げられる。上記で列挙されたシランカップリング剤は一種を単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
上記のシランカップリング剤の中でも、保存安定性の観点から、フェニルシラントリオール、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(p−トリル)シラン、ジフェニルシランジオール、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ−p−トリルシラン、トリフェニルシラノール、及び下記式:
Figure 2021120697
で表される構造を有するシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤を使用する場合の配合量としては、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物が(F)シランカップリング剤を含む場合、特にCu層のボイド形成が抑制される。効果を奏する理由は定かではないが、Cu表面に偏在するシランカップリング剤と、ウレタン/ウレア化合物の好ましい実施態様に含まれる(メタ)アクリル基、水酸基、アルコキシ基、又はアミノ基とが相互作用し、Cu界面近傍で緻密な層を形成する為と考えられる。
(G)その他の成分
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(F)成分以外の成分を更に含有していてもよい。(A)〜(F)成分以外の成分としては、ヒンダードフェノール化合物、有機チタン化合物、増感剤、上記(D)成分以外の重合性不飽和モノマー(例えば、その他の光重合性不飽和モノマー)、熱重合禁止剤等が挙げられる。
ヒンダードフェノール化合物
銅表面上の変色を抑制するために、ネガ型感光性樹脂組成物は、例えば、ヒンダードフェノール化合物を任意に含んでもよい。ヒンダードフェノール化合物としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチル−ハイドロキノン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4、4’−メチレンビス(2、6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
また、ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−イソプロピルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−s−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[4−(1−エチルプロピル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[4−トリエチルメチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−4−フェニルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5,6−トリメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5−エチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−6−エチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−6−エチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5,6−ジエチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、及び1,3,5−トリス(4−t−ブチル−5‐エチル−3−ヒドロキシ−2−メチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。上記で列挙されたヒンダードフェノール化合物の中でも、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等が特に好ましい。
ヒンダードフェノール化合物の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、光感度特性の観点から0.5〜10質量部であることがより好ましい。ヒンダードフェノール化合物の(A)ポリイミド前駆体100質量部に対する配合量が0.1質量部以上である場合、例えば銅又は銅合金の上に本実施形態の感光性樹脂組成物を形成した場合に、銅又は銅合金の変色・腐食が防止され、一方、20質量部以下である場合には光感度に優れる。
有機チタン化合物
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、有機チタン化合物を含有してもよい。有機チタン化合物を含有することにより、低温で硬化した場合であっても耐薬品性に優れる感光性樹脂層を形成できる。
使用可能な有機チタン化合物としては、チタン原子に有機化学物質が共有結合又はイオン結合を介して結合しているものが挙げられる。有機チタン化合物の具体的例を以下のI)〜VII)に示す:
I)チタンキレート化合物:中でも、ネガ型感光性樹脂組成物の保存安定性及び良好なパターンが得られることから、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレートがより好ましい。具体的な例は、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)ビス(2,4−ペンタンジオネート、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等である。
II)テトラアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2−エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n−ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n−プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス[ビス{2,2−(アリロキシメチル)ブトキサイド}]等である。
III)チタノセン化合物:例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等である。
IV)モノアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルホネート)イソプロポキサイド等である。
V)チタニウムオキサイド化合物:例えば、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド等である。
VI)チタニウムテトラアセチルアセトネート化合物:例えば、チタニウムテトラアセチルアセトネート等である。
VII)チタネートカップリング剤:例えば、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート等である。
中でも、有機チタン化合物は、上記I)チタンキレート化合物、II)テトラアルコキシチタン化合物、及びIII)チタノセン化合物から成る群から選択される少なくとも1種の化合物であることが、より良好な耐薬品性を奏するという観点から好ましい。特に、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、及びビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムが好ましい。
有機チタン化合物を配合する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.05〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜2質量部である。有機チタン化合物の配合量が0.05質量部以上である場合、良好な耐熱性及び耐薬品性が発現し、一方10質量部以下である場合、保存安定性に優れる。
増感剤
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、光感度を向上させるために、増感剤を任意に含んでもよい。増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N’−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、及び2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−d)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、又は複数を組み合わせて、例えば2〜5種類を組み合わせて用いることができる。
感光性樹脂組成物が増感剤を含有する場合の配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1〜25質量部であることが好ましい。
その他の光重合性不飽和モノマー
本実施形態にかかるその他の光重合性不飽和モノマーとして、分子構造中に重合性官能基を1つ又は2つ有する不飽和モノマーを含むことができる。
このような化合物として、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート等の、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールのモノ又はジアクリレート、シクロヘキサンジアクリレート及びジメタクリレート、1,4−ブタンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、ビスフェノールAのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、イソボルニルアクリレート及びメタクリレート、アクリルアミド及びその誘導体、メタクリルアミド及びその誘導体、並びにこれら化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の化合物を挙げることができる。
感光性樹脂組成物がその他の光重合性不飽和モノマーを含有する場合、その配合量は、(A)ポリイミド前駆体100質量部に対し、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下がより好ましく、10質量部以下が特に好ましい。
感光性樹脂組成物がその他の光重合性不飽和モノマーを含有する場合、その配合量は、上記(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーの配合量より多くてもよく、少なくてもよく、同一でもよい。
熱重合禁止剤
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、特に溶剤を含む溶液の状態での保存時のネガ型感光性樹脂組成物の粘度及び光感度の安定性を向上させるために、熱重合禁止剤を任意に含んでもよい。熱重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、及びN−ニトロソ−N(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。
<硬化レリーフパターンの製造方法及び半導体装置>
本実施形態の硬化レリーフパターンの製造方法は、以下の工程:
(1)上述した本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を上記基板上に形成する工程と、
(2)上記感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)露光後の上記感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
(4)上記レリーフパターンを加熱処理して、硬化レリーフパターンを形成する工程とを含む。
(1)感光性樹脂層形成工程
本工程では、本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、必要に応じてその後乾燥させて感光性樹脂層を形成する。塗布方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、及びスプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
必要に応じて、感光性樹脂組成物を含む塗膜を乾燥させることができる。乾燥方法としては、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。具体的には、風乾又は加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で乾燥を行うことができる。このようにして、基板上に感光性樹脂層を形成できる。
(2)露光工程
本工程では、上記で形成した感光性樹脂層を、紫外線光源等により露光する。露光方法としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いることができる。露光は、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して又は直接に行うことができる。
この後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる露光後ベーク(PEB)及び/又は現像前ベークを施してもよい。ベーク条件の範囲については、温度は40℃〜120℃であり、そして時間は10秒〜240秒であることが好ましい。
(3)レリーフパターン形成工程
本工程では、露光後の感光性樹脂層のうち未露光部を基板上から現像除去することにより、基板上にレリーフパターンを残す。露光(照射)後の感光性樹脂層を現像する現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば、回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。また、現像の後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。
現像に使用される現像液としては、例えば、ネガ型感光性樹脂組成物に対する良溶媒、又は該良溶媒と貧溶媒との組合せが好ましい。良溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、及びα−アセチル−γ−ブチロラクトン等が好ましい。貧溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、及び水等が好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、ネガ型感光性樹脂組成物中のポリマーの溶解性によって良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整することが好ましい。また、各溶媒を2種以上、例えば数種類組合せて用いることもできる。
(4)硬化レリーフパターン形成工程
本工程では、上記現像により得られたレリーフパターンを加熱して感光成分を希散させるとともに、(A)ポリイミド前駆体をイミド化させることによって、ポリイミドから成る硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化の方法としては、例えば、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば、170℃〜400℃で、好ましくは170℃〜300℃で、より好ましくは170℃〜250℃で、さらに好ましくは170℃〜200℃で、例えば30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱硬化時の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
<ポリイミド>
上記ポリイミド前駆体組成物から形成される硬化レリーフパターンに含まれるポリイミドの構造は、下記一般式(10)で表される。
Figure 2021120697
{一般式(10)中、X及びYは、それぞれ一般式(1)中のX及びYと同じであり、そしてmは正の整数である。}
一般式(1)中の好ましいXとYは、同じ理由により、一般式(10)のポリイミドにおいても好ましい。一般式(10)の繰り返し単位数mは、2〜150の整数であってもよい。また、上記で説明されたネガ型感光性樹脂組成物に含まれる(A)ポリイミド前駆体をポリイミドに変換する工程を含むポリイミドの製造方法も本発明の一態様である。
<半導体装置>
本実施形態では、上述した硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有する、半導体装置も提供される。従って、半導体素子である基材と、上述した硬化レリーフパターン製造方法により該基材上に形成されたポリイミドの硬化レリーフパターンとを有する半導体装置が提供されることができる。また、本実施形態は、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターンの製造方法を工程の一部として含む半導体装置の製造方法にも適用できる。本実施形態の半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、既知の半導体装置の製造方法と組合せることで製造することができる。
<表示体装置>
本実施形態では、表示体素子と該表示体素子の上部に設けられた硬化膜とを備える表示体装置であって、該硬化膜は上述の硬化レリーフパターンである表示体装置が提供される。ここで、当該硬化レリーフパターンは、当該表示体素子に直接接して積層されていてもよく、別の層を間に挟んで積層されていてもよい。例えば、該硬化膜として、TFT液晶表示素子及びカラーフィルター素子の表面保護膜、絶縁膜、及び平坦化膜、MVA型液晶表示装置用の突起、並びに有機EL素子陰極用の隔壁を挙げることができる。
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、上記のような半導体装置への適用の他、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、及び液晶配向膜等の用途にも有用である。
以下、実施例により本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。実施例、比較例、及び製造例においては、ポリマー又はネガ型感光性樹脂組成物の物性を以下の方法に従って測定及び評価した。
<測定及び評価方法>
(1)重量平均分子量
各樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)を用いて以下の条件下で測定した。
ポンプ:JASCO PU−980
検出器:JASCO RI−930
カラムオーブン:JASCO CO−965 40℃
カラム:昭和電工(株)製Shodex KD−806M 直列に2本、又は
昭和電工(株)製Shodex 805M/806M直列
標準単分散ポリスチレン:昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105
移動相:0.1mol/L LiBr/N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
流速:1mL/min
(2)ポリイミド膜を2層として形成した時のクラック評価
6インチシリコンウエハー(フジミ電子工業株式会社製、厚み625±25μm)上に、スパッタ装置(L−440S−FHL型、キヤノンアネルバ社製)を用いて200nm厚のTi、400nm厚のCuをこの順にスパッタした。続いて、このウエハー上に、後述の方法により調製したネガ型感光性樹脂組成物をコーターデベロッパー(D−Spin60A型、SOKUDO社製)を用いて回転塗布し、110℃で180秒間ホットプレートにてプリベークを行い、約7μm厚の塗膜を形成した。この塗膜に、テストパターン付マスクを用いて、プリズマGHI(ウルトラテック社製)により100〜500mJ/cmのエネルギーを照射した。次いで、この塗膜を、現像液としてシクロペンタノンを用いてコーターデベロッパー(D−Spin60A型、SOKUDO社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートで、リンスすることにより、Cu上のレリーフパターンを得た。Cu上に該レリーフパターンを形成したウエハーを、昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、表1に記載の硬化温度において2時間加熱処理することにより、Cu上に約4〜5μm厚の樹脂から成る硬化レリーフパターンを得た。
続いて、加熱処理後のレリーフパターンに、再度同じ条件にてコート、露光、及び硬化を行った。硬化後のポリイミド膜について、クラックが1ウエハー当たり4個以上発生したものを×(不良)、1ウエハー当たりクラック数が1〜3個のものを△(許容)、クラックが発生していないものを〇(良好)、とした。
(3)封止材との密着性試験
エポキシ系封止材として、長瀬ケムテックス社製のR4000シリーズを用意した。アルミスパッタしたシリコーンウエハー上に、封止材を厚みが約150μmになるようにスピンコートし、130℃で熱硬化させてエポキシ系封止材を硬化させた。上記エポキシ系硬化膜上に、各実施例、及び各比較例で作製した感光性樹脂組成物を最終膜厚が10μmになるように塗布した。塗布した感光性樹脂組成物を、アライナ(PLA−501F、キャノン社製)を用いて露光量600mJ/cmのghi線で全面を露光した。その後、露光した感光性樹脂組成物を180℃、及び2時間にて熱硬化させて、厚み10μmの1層目の硬化膜を作製した。
上記1層目の硬化膜上に、1層目の硬化膜形成で使用した感光性樹脂組成物を塗布し、1層目の硬化膜作製時と同じ条件で全面を露光した後、熱硬化させて、厚み10μmの2層目の硬化膜を作製した。封止材劣化試験で作製したサンプルにピンを立て、引取試験機(クワッドグループ社製、セバスチャン5型)を用いて密着性試験を行った。即ち、エポキシ系封止材と、各実施例及び各比較例で作製した感光性樹脂組成物から作製された硬化レリーフパターンとの接着強度を測定し、以下の基準で評価した。
評価:接着強度70MPa以上・・・密着力A
接着強度50MPa以上〜70MPa未満・・・密着力B
接着強度30MPa以上〜50MPa未満・・・密着力C
接着強度30MPa未満・・・密着力D
(4)保存安定性試験
下記実施例で作製した感光性樹脂組成物を、調合した直後と、23℃で1か月間静置した後と、の粘度をそれぞれ測定し、変化率を算出した。
変化率(%)=23℃で1か月間静置した後の粘度×100/調合した直後
なお、粘度は下記の方法にて測定した。
E型粘度計(RE−80H、東機産業株式会社製)を用い、測定温度23℃、回転数1〜10rpm、測定時間5分間、の条件で、感光性樹脂組成物の粘度測定を行った。なお、粘度計校正用標準液として、JS2000(日本グリース社製)を用いた。
変化率が、10%以下のものをA、10%を超えて20%以下であるものをB、20%を超えるものをCとして、評価した。
製造例1:(A)ポリイミド前駆体としてのポリマーA−1の合成
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2L容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)131.2gとγ−ブチロラクトン400mLを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に反応混合物を室温まで放冷し、16時間放置した。次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ−ブチロラクトン180mLに溶解した溶液を攪拌しながら40分掛けて反応混合物に加え、続いて4,4’−オキシジアニリン(ODA)93.0gをγ−ブチロラクトン350mLに懸濁したものを攪拌しながら60分掛けて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mLを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mLを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。得られた反応液を3Lのエチルアルコールに加えて粗ポリマーから成る沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5Lに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28Lの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリマーA−1)を得た。ポリマー(A−1)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は20,000であった。
製造例2:(A)ポリイミド前駆体としてのポリマーA−2の合成
製造例1の4,4’−オキシジアニリン(ODA)93.0gに代えて、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン(m−TB)98.6gを用いた以外は、前述の製造例1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリマー(A−2)を得た。ポリマー(A−2)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は21,000であった。
製造例3:MOI−Dの製造方法(化合物B−1)
ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル55.1g(0.25mol)を500mL容量のセパラブルフラスコに入れ、テトラヒドロフラン150mLを入れて室温下で攪拌した。次に、氷冷下において、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社品、製品名:カレンズMOI)77.6g(0.50mol)にテトラヒドロフラン150mLを加えた溶液を30分掛けて上記フラスコ内に滴下し、室温で5時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフランを留去し、化合物B−1を得た。
製造例4:MOI−AEEの製造方法(化合物B−7)
上記製造例4において、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル55.1gを2−(2−アミノエトキシ)エタノール26.3g(0.25mol)に代え、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社品、製品名:カレンズMOI)77.6gを38.8g(0.25mol)に代えた以外は実施例1と同様の方法で合成を行い、化合物B−7を得た。
製造例5:MOI−DOAの製造方法(化合物B−8)
上記製造例4において、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル55.1gをジ−n−オクチルアミン60.4g(0.25mol)に代え、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社品、製品名:カレンズMOI)77.6gを38.8g(0.25mol)に代えた以外は実施例1と同様の方法で合成を行い、化合物B−8を得た。
製造例6:(化合物B−11)
ジエタノールアミン2.10g(0.020mol)を100mL容量の三口フラスコに入れ、テトラヒドロフラン5.6gを入れて室温下で攪拌した。次に、氷冷下において、ヘキシルイソシアネート2.67g(0.021mol)にテトラヒドロフラン5.6gを加えた溶液を15分掛けて上記フラスコ内に滴下し、室温で4時間攪拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフランを留去し、化合物B−11を得た。
原料例:(化合物B−12)
後述される化合物B−12のとおりの化合物を用意した。
<実施例1>
ポリマーA−1を用いて以下の方法でネガ型感光性樹脂組成物を調製し、調製した組成物の評価を行った。(A)ポリイミド前駆体としてポリマーA−1:100g、(B)化合物として実施例1の化合物B−1:8g、(C)光重合開始剤としてエタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(OXE−02、光重合開始剤C−1に該当):3g、(D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマーとしてD−1化合物:8gを、γ−ブチロラクトン:120gとジメチルスルホキシド:30gの混合物に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量のγ−ブチロラクトンを更に加えることによって、約30ポイズに調整し、ネガ型感光性樹脂組成物とした。該組成物を、前述の方法に従って評価した。結果を表1に示す。
<実施例2〜7、比較例1>
表1に示すとおりの配合比で調製したこと以外は、実施例1と同様のネガ型感光性樹脂組成物を調製し、前述の方法に従って評価した。その結果を表1に示す。
表1に記載されている、化合物(B−1、7、8、11、12)と光重合開始剤(C−1)と3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー(D−1〜D−2)は、それぞれ以下の化合物である。
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
Figure 2021120697
C−1:エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(商標名:IRGACURE OXE−02(OXE−02))
D−1:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(共栄社化学社製、アクリル当量:88g/mol)
D−2:トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学社製、アクリル当量:99g/mol)
Figure 2021120697
本発明によるネガ型感光性樹脂組成物を用いることで、保存安定性が良好で、また、封止材との密着性が良好で、多層として形成された場合、面内均一性に優れるとともに耐クラック性にも優れる。本発明は、例えば半導体装置、多層配線基板等の電気・電子材料の製造に有用な感光性材料の分野で好適に利用することができる。

Claims (16)

  1. (A)下記一般式(1):
    Figure 2021120697
    {式中、Xは、4価の有機基であり、Yは、2価の有機基であり、nは、2〜150の整数であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、そしてR及びRの少なくとも一方は、下記一般式(2):
    Figure 2021120697
    (式中、L、L及びLは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてmは、2〜10の整数である。)
    で表される1価の有機基である。}
    で表される構造単位を有するポリイミド前駆体、
    (B)ウレタン結合、及びウレア結合から成る群から選択される少なくとも1種を含む化合物、
    (C)光重合開始剤、並びに
    (D)3つ以上の重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー
    を含む、ネガ型感光性樹脂組成物。
  2. 前記(B)化合物は、ウレア結合を有する化合物である、請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)化合物は、下記一般式(3)又は(4):
    Figure 2021120697
    {式中、R及びRは、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、そしてR及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又はヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基である。}
    Figure 2021120697
    {式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、そしてR13は、ヘテロ原子を含んでよい炭素数1〜20の2価の有機基である。}
    で表される化合物である、請求項1又は2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)化合物は、(メタ)アクリル基、水酸基、及びアミノ基から成る群から選択される少なくとも1種の官能基を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  5. 前記(D)重合性不飽和モノマーの重合性官能基は、(メタ)アクリル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  6. 前記(D)重合性不飽和モノマーの官能基当量(g/mol)は、50〜300である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  7. 前記(A)ポリイミド前駆体の一般式(1)におけるYは、下記一般式(5):
    Figure 2021120697
    {式中、R14及びR15はそれぞれ独立に、水素原子、又はハロゲン原子を含んでよい炭素数1〜10の1価の有機基である。}
    で表される構造である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  8. (E)防錆剤を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  9. 前記(E)防錆剤は、含窒素複素環化合物を含む、請求項8に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  10. 前記含窒素複素環化合物は、アゾール化合物である、請求項9に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  11. 前記含窒素複素環化合物は、プリン、又はプリン誘導体である、請求項10に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  12. (F)シランカップリング剤を更に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  13. 前記(A)ポリイミド前駆体の一般式(1)におけるXは、下記一般式(20a)、(20b)、及び(20c):
    Figure 2021120697
    {式中、R6は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、そしてlは、0〜2から選択される整数である。}
    Figure 2021120697
    {式中、R6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、そしてmは、それぞれ独立に、0〜3から選択される整数である。}
    Figure 2021120697
    {式中、R6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、及び炭素数1〜10の含フッ素炭化水素基から成る群から選択される少なくとも1つであり、そしてmは、それぞれ独立に、0〜3から選択される整数である。}
    から成る群から選択される少なくとも1種を含む構造である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  14. 前記(A)ポリイミド前駆体と、
    前記(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として0.1〜30質量部の前記(B)化合物と、
    前記(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として0.1〜20質量部の前記(C)光重合開始剤と、
    前記(A)ポリイミド前駆体100質量部を基準として1〜50質量部の前記(D)重合性不飽和モノマーと
    を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物に含まれる前記(A)ポリイミド前駆体をポリイミドに変換する工程を含む、ポリイミドの製造方法。
  16. (1)請求項1〜14のいずれか1項に記載のネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布して、感光性樹脂層を前記基板上に形成する工程と、
    (2)前記感光性樹脂層を露光する工程と、
    (3)露光後の前記感光性樹脂層を現像して、レリーフパターンを形成する工程と、
    (4)前記レリーフパターンを加熱処理して、硬化レリーフパターンを形成する工程と
    を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
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