JP5662971B2 - タイヤのシミュレーション方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ走行時のノイズ性能の評価精度を高め得るタイヤのシミュレーション方法に関する。
近年、タイヤ走行時のノイズ性能を、コンピュータを用いて評価するためのシミュレーション方法が提案されている。このシミュレーション方法では、コンピュータによって、路面モデルに接地したタイヤモデルの転動計算が行われ、該タイヤモデルの周囲に設定された空気が流れる音空間領域の空気の圧力等の物理量が計算される。これにより、ノイズ性能が評価される。関連する技術としては、次のものがある。
特開2002−007489号公報
しかしながら、従来の方法では、路面モデルの上面が平滑に形成されていた。このため、従来の方法では、音空間領域の物理量に、例えば、アスファルト路面等が具える凹凸によって変形及び振動するタイヤの外面形状が反映されていない。従って、従来の方法では、ノイズ性能の評価精度を十分に高めることができないという問題があった。
上記問題を解決するために、凹凸が設けられた路面モデルを用いて音空間領域の物理量を計算することも考えられる。しかしながら、このような方法では、凹凸によって、音空間領域の物理量の計算が複雑となり、計算時間が大幅に増大するという問題もあった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、凹凸路面モデルに接地したタイヤモデルの転動計算を行って、タイヤモデルの外面に現れる節点の座標データを時系列でコンピュータに記憶し、かつ座標データに基づいて、タイヤモデルの外面形状と、スムース路面モデルとの間に設定された音空間領域の物理量を計算することを基本として、ノイズ性能の評価精度を高め得るタイヤのシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、路面に接地する踏面と、該踏面から凹む溝とを有するタイヤのノイズ性能を、コンピュータを用いて評価するためのタイヤのシミュレーション方法であって、前記コンピュータに、前記タイヤを有限個の要素でモデル化して前記踏面と前記溝とが形成されたトレッド部を有するタイヤモデルを入力する工程、前記コンピュータに、凹凸が形成された路面を、有限個の要素でモデル化した凹凸路面モデルを入力する工程、前記コンピュータが、前記凹凸路面モデルに接地した前記タイヤモデルの転動計算を行う転動シミュレーション工程、前記転動シミュレーション工程で計算された回転する前記タイヤモデルの外面に現れる節点の座標データを、時系列でコンピュータに記憶する工程、前記コンピュータに、前記凹凸路面モデルとは別に、平滑面で形成された路面を、有限個の要素でモデル化したスムース路面モデルを入力する工程、前記コンピュータに、前記座標データで特定されるタイヤモデルの外面形状と、前記スムース路面モデルと、これら各々の少なくとも一部を囲む領域をなしかつ内部に空気が流れる音空間領域とを設定する工程及び、前記コンピュータが、前記座標データに基づいて、前記タイヤモデルの前記外面形状を回転させながら、前記音空間領域の物理量を計算するノイズシミュレーション工程を含むことを特徴とする

また、請求項2記載の発明は、前記ノイズシミュレーション工程は、前記タイヤモデルの外面形状の少なくとも接地面を、前記スムース路面モデルから微小距離だけ離間させてタイヤモデルの外面形状とスムース路面モデルとの間の隙間を形成する工程、及び前記隙間に前記音空間領域を設定する工程を含む請求項1に記載のタイヤのシミュレーション方法である。
また、請求項3記載の発明は、前記凹凸路面モデルは、前記凹凸の深さが1〜5mm、前記タイヤモデルの転動方向の前記凹凸の間隔が1〜20mm、前記転動方向と直交する幅方向の前記凹凸の間隔が1〜20mmである請求項1乃至2のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法である。
また、請求項4記載の発明は、前記凹凸路面モデルは、前記凹凸が、乱数によって設定される請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法である。
また、請求項5記載の発明は、前記凹凸路面モデルは、凹凸が形成された路面をスキャンした路面データを用いて、前記凹凸が設定される請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法であり、請求項6記載の発明は、前記隙間を形成する工程は、前記スムース路面モデルの表面から前記微小距離の範囲内に存在する前記タイヤモデルの外面の節点を検索する工程と、前記微小距離の範囲内に存在する前記節点を強制的に移動させることにより、前記隙間を形成する工程とを含む請求項2に記載のタイヤのシミュレーション方法である。

本発明のタイヤのシミュレーション方法は、コンピュータが、凹凸路面モデルに接地したタイヤモデルの転動計算を行う転動シミュレーション工程と、転動シミュレーション工程で計算された回転するタイヤモデルの外面に現れる節点の座標データを、時系列でコンピュータに記憶する工程とを含む。
さらに、本発明のタイヤのシミュレーション方法は、コンピュータに、座標データで特定されるタイヤモデルの外面形状と、スムース路面モデルと、これら各々の少なくとも一部を囲む領域をなしかつ内部に空気が流れる音空間領域とを設定する工程、及び、コンピュータが、座標データに基づいて、タイヤモデルの外面形状を回転させながら、音空間領域の物理量を計算するノイズシミュレーション工程を含む。
このようなタイヤのシミュレーション方法は、凹凸路面モデルを転動したタイヤモデルの座標データを用いて、音空間領域の物理量が計算されるため、ノイズの評価精度を向上させることができる。
また、ノイズシミュレーション工程では、凹凸路面モデルを走行したタイヤモデルの外面形状とスムース路面モデルとを囲む音空間領域の物理量が計算されるため、例えば、音空間領域が、タイヤモデルの外面形状と凹凸路面モデルとを囲んで設定される場合に比べて計算を簡素化でき、計算時間を短縮しうる。
本実施形態の処理を行うコンピュータ装置の斜視図である。 モデル化される空気入りタイヤを示す断面図である。 本実施形態のノイズシミュレーション方法を示すフローチャートである。 タイヤモデルの断面図である。 タイヤモデル及び凹凸路面モデルを視覚化して示す斜視図である。 図5のA−A断面図である。 転動シミュレーション工程を示すフローチャートである。 スムース路面モデルを視覚化して示す斜視図である。 タイヤモデル及びスムース路面モデルを視覚化して示す側面図である。 音空間領域を設定する工程を示すフローチャートである。 図9の部分拡大図である。 ノイズシミュレーション工程を示すフローチャートである。 隙間に音空間領域を設定する工程を説明する側面図である。 図13のB−B断面図である。 (a)は実施例のテスト結果を示すグラフ、(b)は比較例1のテスト結果を示すグラフである。 (a)は、台上試験(実験例1)の結果を示すグラフ、(b)は実車テスト(実験例2)の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のタイヤのシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある)は、タイヤのノイズ性能を、コンピュータを用いて評価するための方法である。
図1に示されるように、前記コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含む。この本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの記憶装置及びディスクドライブ装置1a1、1a2などが設けられる。なお、記憶装置には、本実施形態の設計方法を実行するための処理手順(プログラム)が予め記憶される。
図2に示されるように、前記タイヤ2は、例えば、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配されかつ内、外2枚のベルトプライ7A、7Bからなるベルト層7とを具えている。
前記トレッド部2aには、路面に接地する踏面9と、該踏面9から凹む溝10とが設けられる。溝10は、例えば、タイヤ周方向に連続してのびる縦溝10a及び該縦溝10aと交わる向きにのびる複数の横溝10bが設けられる。また、縦溝10aは、タイヤ周方向にのびるストレート溝である場合が示されるが、タイヤ周方向にジグザグ状にのびるものでもよい。これらの溝10a、10bは、例えば、溝幅W1が7〜12mm程度、溝深さD1が8〜12mm程度に設定される。
前記カーカス6は、少なくとも1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで構成される。このカーカスプライ6Aは、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。この本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が配される。また、カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道Cに対して、例えば75〜90度の角度で配列されたカーカスコードを有する。
前記ベルト層7は、ベルトコードを、タイヤ周方向に対して、例えば10〜35度の角度で傾けて配列した2枚のベルトプライ7A、7Bを、ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。
図3には、本実施形態のシミュレーション方法の具体的な処理手順が示される。
本実施形態では、先ず、コンピュータ1に、図2に示したタイヤ2をモデル化したタイヤモデル3(図4に示す)が入力される(工程S1)。
図4に示されるように、タイヤモデル3は、タイヤ2を数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Fでモデル化(離散化)することにより設定される。この数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用できるが、本実施形態では有限要素法が採用される。
前記工程S1では、先ず、図2に示したトレッドゴム等を含むゴム部分2g、カーカスプライ6A及びベルトプライ7A、7Bが要素Fを用いてモデル化される。これにより、ゴム部材モデル13、カーカスプライモデル14及びベルトプライモデル15を有するタイヤモデル3が設定される。
また、タイヤモデル3には、図2に示した踏面9及び溝10が再現された踏面16及び溝17が設けられる。図5に示されるように、本実施形態の溝17は、図2に示した縦溝10a及び横溝10bが再現された縦溝17a及び横溝17b(図5に示す)を含む。
前記要素Fとしては、例えば、複雑な形状を表現するのに適した4面体ソリッド要素が好ましいが、これ以外にも5面体ソリッド要素、又は6面体ソリッド要素などが用いられても良い。また、各要素Fには、要素番号、節点番号、全体座標系X−Y−Zの節点座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などの数値データが定義され、前記コンピュータ1に記憶される。
次に、コンピュータ1に、凹凸路面モデル21が入力される(工程S2)。図5と、該図5のA−A断面図である図6とに示されるように、本実施形態の工程S2では、先ず、円筒状の表面を有するドラム試験機の路面を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Gでモデル化して、スムース路面24が設定される。なお、本実施形態のスムース路面24は、面要素からなる要素Gでモデル化されるため、図6に示した断面において折れ曲がった連続した直線に形成されている。
そして、スムース路面24のドラム幅方向中央21c側において、各要素Gの節点22の座標を、ドラム半径方向内側及びドラム周方向の双方にランダムに移動させる。これにより、凹凸23を有する凹凸路面モデル21が設定される。このような凹凸路面モデル21は、アスファルト路面や、走行騒音試験に用いられる路面(以下、単に「ISO路面」ということがある)等に近似したものとして定義されるのが望ましい。前記要素Gは、変形不能に設定された剛表面要素からなり、要素番号や、節点座標値等の数値データが定義されて、コンピュータ1に記憶される。
本実施形態の凹凸23の設定方法としては、図6に示されるように、スムース路面24上の各節点22が、予め定めたドラム半径方向内側の深さD2を上限とする範囲で変化させる。各節点22のドラム半径方向の変化量は、例えば、乱数を用いてランダムに決定される。これにより、凹凸路面モデル21の外面には、深さD2の範囲内で不規則な凹凸23が形成される。また、凹凸23は、例えば、凹凸が形成された路面(例えば、アスファルト路面等)を三次元スキャンして入手した路面データから設定されてもよい。
また、凹凸路面モデル21の凹凸23の深さD2は、1〜5mmが望ましい。前記深さD2が1mm未満であると、アスファルト路面等に十分に近似させることができない。逆に、前記深さD2が5mmを超えると、凹凸が過度に大きくなるおそれがある。このような観点より、凹凸23の深さD2は、より好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以下とされる。
同様の観点より、タイヤモデル3の転動方向の凹凸23の間隔W2は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは1.0mm以上であり、好ましくは20mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。さらに、転動方向と直交する幅方向の凹凸23の間隔W3(図5に示す)も、転動方向の凹凸23の間隔W2と同一範囲が望ましい。
次に、図5に示されるように、コンピュータ1が、凹凸路面モデル21に接地したタイヤモデル3の転動計算を行う転動シミュレーション工程S3が行われる。転動シミュレーション工程S3では、コンピュータ1が、予め定められた走行速度v、内圧及び荷重の条件に基づいて、タイヤモデル3が凹凸路面モデル21上を転動する状態を計算(以下、「転動計算」という)する。図7には、転動シミュレーション工程S3の処理手順が示される。
本実施形態では、先ず、タイヤモデル3に内圧の条件を与えて、タイヤモデル3の変形計算が行われる(工程S31)。この工程S31では、先ず、図4に示したように、タイヤモデル3のリム接触域3r、3rを変形不能に拘束して、該タイヤモデル3のビード部2cの幅Wがリム幅に等しく強制変位される。また、タイヤモデル3の回転軸3s(図5に示す)とリム接触域3rとのタイヤ半径方向距離Rsが、常にリム半径と等しくなるように条件が定義される。さらに、タイヤモデル3の内腔面の全体に、内圧条件に相当する等分布荷重wが設定される。
そして、コンピュータ1は、これらの条件の下で、タイヤモデル3の釣り合い計算が行われることにより、該タイヤモデル3に内圧が充填されたときの各節点の変位が計算される。これにより、タイヤモデル3は、ゴム部材モデル13、カーカスプライモデル14及びベルトプライモデル15が膨張や伸長し、膨張変形後のタイヤモデル3が計算される。
次に、前記膨張変形後のタイヤモデル3に、荷重の条件が与えられて、タイヤモデル3の変形計算が行われる(工程S32)。本実施形態の工程32では、図5に示したように、タイヤモデル3が、凹凸路面モデル21の凹凸23に接地させられて、タイヤモデル3の回転軸3sに垂直方向に荷重Lが作用される。これにより、膨張変形後に、荷重Lが負荷されて変形したタイヤモデル3が計算される。荷重Lの値には、例えば前記タイヤ2(図2に示す)の規格最大荷重などが採用される。
次に、タイヤモデル3及び凹凸路面モデル21の回転が定義される(工程S33)。この工程S33では、タイヤモデル3及び凹凸路面モデル21に、走行速度vに対応する角速度がそれぞれ定義される。
次に、コンピュータ1が、タイヤモデル3及び凹凸路面モデル21に定義された回転に基づいて、タイヤモデル3の転動計算が行われる(工程S34)。これにより、アスファルト路面等の凹凸によって変形するタイヤの転動状態を、タイヤモデル3で再現することができる。
この転動計算は、各要素の形状及び材料特性などをもとに、各要素Fの質量マトリックス、剛性マトリックス及び減衰マトリックスがそれぞれ作成され、これらの各マトリックスを組み合わせて全体の系のマトリックスが作成される。そして、コンピュータ1が、前記各種の条件を当てはめて運動方程式を作成して、これらを単位時間Tx(x=0、1、…)ごと(例えば、1μ秒ごと)にタイヤモデル3の変形計算を行う。このような転動計算は、例えば、LSTC社製のLS-DYNAなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算できる。
次に、コンピュータ1は、タイヤモデル3の外面3t(図4に示す)に現れる節点の座標データを、単位時間Txごとに、時系列で記憶する(工程S35)。ここで、タイヤモデル3の外面3tとは、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cに連続する外表面とする。
さらに、コンピュータ1は、各節点において、時間T(x+1)の座標データと、時間Txの座標データとの差である変形データを、時系列で記憶する(工程S36)。この変形データは、タイヤモデル3の外面3t(図4に示す)に生じる振動(例えば、0.05mm以下の変形)が表現される。
次に、コンピュータ1は、予め定められた終了時間が経過したか判断する(工程S37)。この工程S37では、コンピュータ1が、終了時間が経過したと判断した場合、転動シミュレーション工程S3を終了させる。一方、終了時間が経過していないと判断した場合、単位時間Txを一つ進めて(工程S38)、タイヤモデル3の転動計算(工程S34)、座標データの記憶(工程S35)及び変形データの記憶(工程S36)が再度行われる。これにより、コンピュータ1は、転動開始から終了までのタイヤモデル3の座標データ及び変形データを、単位時間Txごとの時系列データとして記憶することができる。なお、前記終了時間は、実行するシミュレーションに応じて適宜定められる。
転動計算開始直後から凹凸路面モデル21を用いて転動計算を行なった場合、タイヤモデル3の変形が大きくなり、計算安定性が低下することがある。このため、転動計算開始直後からタイヤモデル3の転動計算が安定するまでの間、凹凸23を平坦にしたスムース路面(図示省略)で転動計算が行われても良い。また、計算安定性を確実に高めるには、スムース路面でのタイヤモデル3の転動計算が、計算開始から0.5回転以上行われるのが望ましく、より好ましくは1回転以上行われるのが望ましい。
また、凹凸路面モデル21を用いた転動計算の開始直後、凹凸23の入力により、タイヤモデル3の変形が大きくなりやすい。このため、座標データ及び変形データは、凹凸路面モデル21での転動計算開始から0.5回転以上経過してから取得されるのが望ましく、より好ましくは2回転以上経過してから取得されるのが望ましい。これにより、凹凸路面モデル21での転動計算が安定した後に、座標データ及び変形データを取得することができ、ノイズ性能の評価精度を高めることができる。
次に、コンピュータ1に、スムース路面モデルが入力される(工程S4)。図8に示されるように、この工程S4では、前記スムース路面24(図5に示す)と同様に、円筒状の平滑面を有するドラム試験機の路面を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Jでモデル化することにより、スムース路面モデル25が設定される。この要素Jも、凹凸路面モデル21の要素G(図5に示す)と同様に、変形不能に設定された剛表面要素からなり、要素番号や、節点座標値等の数値データが定義され、コンピュータ1に記憶される。
次に、図9に示されるように、前記コンピュータ1に、空気が流れる音空間領域26が設定される(工程S5)。図10には、工程S5の具体的な処理手順が示されている。
この工程S5では、先ず、図5に示した転動シミュレーション工程S3でのタイヤモデル3とは別に、図10に示したタイヤモデル3Aがモデル化される(工程S51)。この工程S51では、前記座標データ(例えば、座標データ取得開始時点(単位時間T0)の座標データ)を用いて、タイヤモデル3Aが定義される。即ち、このタイヤモデル3Aは、音空間領域26の空気に接触する可能性がある外面3tの形状を構成する要素Fのみからなり、内部構造の要素等は省略されている。このため、このタイヤモデル3Aは、図5に示したタイヤモデル3よりもデータ量を大幅に小さくすることができる。また、本実施形態のタイヤモデル3Aの各要素Fには、座標データとともに、変形データが定義される。
次に、タイヤモデル3Aを図8に示したスムース路面モデル25に接地させて(工程S52)、音空間領域26が設定される(工程S53)。本実施形態の音空間領域26は、タイヤモデル3A及びスムース路面モデル25の各々の一部を囲む立方体28の領域から、タイヤモデル3Aが占める体積及びスムース路面モデル25が占める体積が差し引かれた空間として決定される。また、音空間領域26は、内部に空気が定義される。このような音空間領域26は、タイヤモデル3Aの周囲で空気が流れるとともに、音が発生する空間として定義される。
前記音空間領域26は、図11に部分的に示されるように、前記立方体28の領域が、三次元の要素Kを用いて分割されたオイラーメッシュ(オイラー要素)からなる。本実施形態では、タイヤ半径方向、タイヤ軸方向及びタイヤ周方向に夫々複数の要素Kで構成される。そして、後述するノイズシミュレーション工程S6では、各要素Kの節点36(又は重心点37)において、音空間領域26の物理量が計算される。
また、前記要素Kは、ノイズの周波数に応じた空気の圧力変動を、十分に表現できる大きさの要素サイズに設定することが必要である。このため、要素Kのタイヤ半径方向の高さH4は、例えば0.1〜2.0mm程度が望ましい。
同様の観点より、前記要素Kは、タイヤ周方向の長さL4とタイヤ半径方向の高さH4との比であるアスペクト比は、好ましくは100以下、さらに好ましくは10以下であり、また、好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.1以上である。
次に、音空間領域26の境界条件等が設定される(工程S54)。この工程S54では、図9に示したように、音空間領域26の境界面が定義される。この境界面は、タイヤモデル3Aの前方に配置される前壁28f、タイヤモデル3Aの後方に配置される後壁28r、前壁28fと後壁28rとの間をのびる側壁28s、タイヤモデル3Aの外面3t及びスムース路面モデル25の外面からなる。
本実施形態では、前壁28f、後壁28r、側壁28s、タイヤモデル3A及びスムース路面モデル25が、音空間領域26の空気の通過を不能に定義される。このように、本実施形態では、シミュレーションの計算領域が限定されるため、計算時間を短縮するのに役立つ。
音空間領域26の各要素Kには、空気の初期の比重や、粘性、圧力及び温度といったパラメータが割り当てられる。また、タイヤモデル3Aとスムース路面モデル25との境界には、タイヤモデル3Aの外面3t及びスムース路面モデル25の外面の速度が割り当てられる。
また、タイヤモデル3Aの走行試験として評価される場合には、前壁28f及び後壁28rに要素Kの流入及び流出が定義される。なお、要素Kの流入及び流出は、例えば、前壁28f及び後壁28rからの出入りが定義される他、要素Kの圧力のみで定義されてもよい。一方、タイヤモデル3Aの台上試験として評価される場合には、前壁28f、後壁28r及び側壁28sに音反射のない壁面として定義される。また、音空間領域26が対称モデルである場合は、対称面に対称境界条件が定義される。
次に、コンピュータ1が、音空間領域26の物理量を計算するノイズシミュレーション工程S6が行われる。図12には、ノイズシミュレーション工程S6の具体的な処理手順が示されている。
本実施形態のノイズシミュレーション工程S6では、先ず、スムース路面モデル25の回転が定義される(工程S61)。この工程S61では、図9に示したように、スムース路面モデル25の回転軸25sに、走行速度vに対応する角速度ω2が定義される。
次に、単位時間Txごとのタイヤモデル3の外面3tの形状が定義される(工程S62)。この工程S62では、コンピュータ1に単位時間Txごとに入力された前記座標データに基づいて、任意の時刻のタイヤモデル3の外面形状が定義される。これにより、ノイズシミュレーション工程S6では、前述した転動シミュレーション工程S3のようなタイヤモデル3の転動計算(変形計算)を別途行うことなく、凹凸路面上を転動するタイヤモデル3の外面3tの形状を容易に定義することができる。
次に、図11に示されるように、タイヤモデル3Aの少なくとも接地面29を、スムース路面モデル25から微小距離Lsだけ離間させて、タイヤモデル3Aとスムース路面モデル25との間に隙間30が形成される(工程S63)。本工程S63では、接地面29及びそのタイヤ周方向両側の一部をZ軸方向に部分的に変形させて、接地面29を路面モデル4から微小距離Lsだけ離間させている。これにより、図13、図14に示されるように、凹凸路面モデル21(図5に示す)を転動することにより変形した凹部40のみならず、タイヤモデル3Aのトレッド部18の全幅に亘って、タイヤ周方向に連続する隙間30を形成することができる。
このような処理は、図11に示されるように、例えば、スムース路面モデル25の表面からZ軸方向に距離Ls以内の範囲に存在するタイヤモデル3の外面の節点を検索し、該当する節点の座標を強制的に移動させることにより容易に行うことができる。また、本実施形態では、前記微小距離Lsの最小値が、0.01〜0.1mm程度に設定される。
次に、図13及び図14に示されるように、タイヤモデル3Aとスムース路面モデル25との隙間30に、音空間領域26が設定される(工程S64)。本実施形態では、隙間30に設定された音空間領域26が、タイヤ半径方向に複数の要素Kでモデル化される。これにより、音空間領域26の各要素Kは、動きの異なるタイヤモデル3Aの踏面16とスムース路面モデル25との間において、踏面16側の要素K及びスムース路面モデル25側の要素Kの各流れを、独立して計算することができ、音空間領域26の物理量の計算精度を向上しうる。
このような作用を効果的に発揮させるために、隙間30の要素Kのタイヤ半径方の数は、2〜10個が望ましい。同様の観点より、図13及び図14に示したように、縦溝17a及び横溝17bの溝幅方向の要素Kの数も、隙間30の要素Kのタイヤ半径方向の数と同一範囲に設定されるのが望ましい。
図13に示したように、各要素Kは、タイヤ周方向両側に配される周方向側面31、31が、Z軸方向と平行であるのが望ましい。これにより、各要素Kは、直方体に近い形状に維持されるため、例えば、三角関数を用いた変形及び物理量の移動の計算時に生じがちな誤差を最小限に抑えることができ、計算精度を向上しうる。同様の観点より、図14に示したように、各要素Kのタイヤ軸方向外側を向く軸方向両側面32、32は、タイヤ周方向と平行にのび、かつタイヤモデル3A、又はスムース路面モデル25と直交するのが望ましい。
次に、音空間領域26の物理量が計算される(工程S65)。本実施形態では、空気の運動が、例えばナビエ・ストークスの式によって表される。このナビエ・ストークスの式は、例えばコンピュータ1で計算可能な近似式に変換して計算されることにより、空気の運動状態を表すパラメータ、即ち音空間領域26の各位置での圧力及び速度などが計算される。このような音空間領域26の計算は、CD-adapco社製のSTAR-CD又はANSYS社のFLUNETなどの市販の流体解析用のアプリケーションソフトを用いて計算できる。
図14に示したように、前記隙間30において、タイヤモデル3Aの踏面16とスムース路面モデル25との間の踏面領域26Aは、溝17と路面モデル4との間の溝領域26B及び隙間30の外側の領域26Cに比べて非常に薄いため、踏面領域26Aに空気が流入するために必要な圧力が相対的に大になる。このため、音空間領域26の踏面領域26Aは、音空間領域26の他の領域26B、26Cから空気が入り込むことができない事実上の壁、即ち、従来の接地面と同様の機能を発揮させることができる。従って、本実施形態では、従来のように、タイヤモデル3Aの接地面の形状等を単位時間毎に計算して、音空間領域26を設定する必要がないため、計算時間を大幅に低減しうる。
本工程S65では、音空間領域26の要素Kが、縦溝17a及び横溝17b(図13に示す)を通過することにより、図2に示したタイヤ2の縦溝10a及び横溝10bに形成される気柱管に起因した、所謂レゾナンスノイズを再現することができる。また、縦溝17a及び横溝17b内において、音空間領域26の要素Kの流動及び圧力変動が設定されることにより、所謂インパクトノイズ及びポンピングノイズが再現される。
本実施形態では、図5で示した凹凸路面モデル21で転動計算したタイヤモデル3の座標データが用いられるため、図13及び図14に示されるように、凹凸のないスムース路面モデル25が設定されても、アスファルト路面等の凹凸によって変形するタイヤの外面形状を音空間領域26に反映させることができる。本発明では、このような音空間領域26の物理量を計算することにより、アスファルト路面等を転動するタイヤのノイズを効果的に再現することができ、ノイズ性能の評価精度を向上することができる。
また、本実施形態では、ノイズシミュレーション工程S6において、スムース路面モデル25が用いられるため、該スムース路面モデル25側に配置される要素Kの形状を、該スムース路面モデル25に沿って滑らかに形成できる。従って、本実施形態の要素Kの形状は、例えば、凹凸路面モデル(図示省略)が用いられる場合に比べて簡素化でき、音空間領域26の物理量の計算時間を短縮しうる。
さらに、音空間領域26の要素Kには、タイヤモデル3Aの各要素Kの変形データに基づいて、音空間領域26に伝達される振動が定義される。このような振動は、縦溝17a及び横溝17bの溝内で発生するノイズを増幅させるが、とりわけ、レゾナンスノイズを増幅させる傾向がある。このため、本実施形態のノイズシミュレーション工程S6では、レゾナンスノイズをより正確に再現することができる。
本実施形態では、ノイズ性能を評価するために、例えば、予め設定された1乃至複数の観測点において、空気の物理量が計算される。この観測点は、タイヤモデル3Aの接地端付近やタイヤの側方など任意の位置に設定できる。ただし、観測点の位置がタイヤモデル3Aから離れ過ぎると、音空間領域26をその位置まで拡げて計算しなければならず、計算工数が増大するおそれがある。逆に、観測点の位置がタイヤモデル3Aに近すぎると、その部分の局部的な圧力変動のみが評価され、実際のノイズ性能が正しく評価できないおそれがある。このような観点より、観測点は、図13に示したように、タイヤモデル3Aのタイヤ赤道(図示省略)上において、タイヤモデル3Aの回転軸3s(図9に示す)から路面モデル4に立てた法線33とスムース路面モデル25との交点34から、放射方向に1m以下、より好ましくは0.5m以下の範囲で離間した位置に設けられるのが望ましい。
次に、コンピュータ1が、前記終了時間が経過したか判断する(工程S66)。この工程S66では、前記終了時間が経過したと判断した場合、ノイズシミュレーション工程S6を終了させ、音空間領域26の物理量が出力される(工程S7)。
一方、コンピュータ1が、終了時間が経過していないと判断した場合には、単位時間Txを一つ進めて(工程S67)、前記工程S62〜S66が行われる。これにより、タイヤモデル3Aを転動開始から終了まで単位時間Txごとに回転させ、かつ音空間領域26の物理量を計算することができる。なお、終了時間は、実行するシミュレーションに応じて適宜定めることができるが、本実施形態では、転動シミュレーション工程S3と同一のものが設定される。
本実施形態の工程S7では、前記物理量として、例えば観測点の空気圧力(音圧)の変化、流速、任意の時刻の音空間領域26の各部の空気圧力分布などが出力される。
次に、音空間領域26の物理量が許容範囲内であるかが判断される(工程S8)。この工程S8では、音空間領域26の物理量が許容範囲内である場合、上記タイヤモデル3Aに基づいてタイヤ2が設計される(工程S9)。一方、物理量が許容範囲内でない場合は、タイヤモデル3Aが変更され(工程S10)、再度シミュレーションが行われる(工程S1〜S8)。このように、本実施形態では、物理量が許容範囲内になるまで、タイヤモデル3Aが設計変更されるため、性能の優れたタイヤを効率良く設計することができる。
図4に示したように、本実施形態のタイヤモデル3(3A)は、その溝17が、縦溝17a及び横溝17bの双方からなるものが例示されたが、これに限定されるものではない。例えば、縦溝17a又は横溝17bのいずれかのみからなるものでもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図4に示した基本構造をなし、タイヤ周方向にジグザグ状にのびる縦溝を有するタイヤモデルAと、タイヤ周方向にのびるストレート溝をなす縦溝を有するタイヤモデルBとが夫々設定された。これらのタイヤモデルA、Bを使用して、図3に示した処理手順に従い、本実施形態のシミュレーション方法(実施例)が実施された。そして、図15(a)に示されるように、後述する観測点において測定された音圧(dB(A))と、周波数(Hz)との関係が出力された。なお、実施例の各パラメータは次の通りである。
タイヤサイズ:285/60 R18
縦溝及び横溝の溝幅W1:0.7〜1.0mm、溝深さD1:1.0mm
転動シミュレーションの計算時間:0.4秒(全現象時間)
走行速度v:80km/h
荷重:6.25kN
凹凸路面モデルの凹凸の深さD2:2mm
ノイズの測定位置:図13に示す交点34から水平方向前方に30cm、ドラム幅方向に17cm及びZ軸方向に3cmに離間させた位置
また、比較のために、上記タイヤモデルA、Bを使用し、かつスムース路面モデルを使用して転動計算した従来のシミュレーション方法(比較例1)が実施され、図15(b)に示すグラフが出力された。
さらに、上記タイヤモデルA、Bの基本構造を有する空気入りタイヤa、bが製造された。この空気入りタイヤa、bを下記リムにリム組みし、かつ下記内圧を充填して、荷重6.25kNの条件下にて、レプリカ路面が装着されたドラム試験機上において、上記速度で走行させたときのノイズが測定された(実験例1)。ノイズの測定位置は、実施例と同一である。そして、実験例1の測定結果が、図16(a)に示すグラフに出力された。
リムサイズ:8.0J×18
内圧:230kPa
また、上記空気入りタイヤa、bを上記リムにリム組みし、かつ上記内圧を充填して、排気量4700ccの国産4WD車に装着し、ISO路面のテストコースを上記速度で走行させたときのノイズが測定された(実験例2)。また、ノイズは、テストコースの中間点において、走行中心線から側方に7.5m、かつ路面から1.2mの位置に設置した定置マイクロフォンにより測定された。実施例2の測定結果が図16(b)に示すグラフに出力された。
実施例、比較例1及び実験例1、2のレゾナンスノイズ周波数(700〜1000Hz)の平均音圧(dB(A))を表1に示す。
Figure 0005662971
テストの結果、実施例のグラフ(図15(a)に示す)は、比較例1のグラフ(図15(b)に示す)に比べて、実験例1、2のグラフ(図16(a)、(b)に示す)に近似することが確認できた。
また、表1に示されるように、レゾナンスノイズ周波数において、実施例は、タイヤモデルAの平均音圧が、タイヤモデルBよりも大であるのに対し、比較例1のタイヤモデルAの平均音圧が、タイヤモデルBよりも小であった。これにより、実施例は、空気入りタイヤaの平均音圧が、空気入りタイヤbよりも大である実験例の傾向に近似させることができることが確認できた。
1 コンピュータ
3 タイヤモデル
10 溝
21 凹凸路面モデル
25 踏面モデル
26 音空間領域

Claims (6)

  1. 路面に接地する踏面と、該踏面から凹む溝とを有するタイヤのノイズ性能を、コンピュータを用いて評価するためのタイヤのシミュレーション方法であって、
    前記コンピュータに、前記タイヤを有限個の要素でモデル化して前記踏面と前記溝とが形成されたトレッド部を有するタイヤモデルを入力する工程、
    前記コンピュータに、凹凸が形成された路面を、有限個の要素でモデル化した凹凸路面モデルを入力する工程、
    前記コンピュータが、前記凹凸路面モデルに接地した前記タイヤモデルの転動計算を行う転動シミュレーション工程、
    前記転動シミュレーション工程で計算された回転する前記タイヤモデルの外面に現れる節点の座標データを、時系列でコンピュータに記憶する工程、
    前記コンピュータに、前記凹凸路面モデルとは別に、平滑面で形成された路面を、有限個の要素でモデル化したスムース路面モデルを入力する工程、
    前記コンピュータに、前記座標データで特定されるタイヤモデルの外面形状と、前記スムース路面モデルと、これら各々の少なくとも一部を囲む領域をなしかつ内部に空気が流れる音空間領域とを設定する工程及び、
    前記コンピュータが、前記座標データに基づいて、前記タイヤモデルの前記外面形状を回転させながら、前記音空間領域の物理量を計算するノイズシミュレーション工程を含むことを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
  2. 前記ノイズシミュレーション工程は、前記タイヤモデルの外面形状の少なくとも接地面を、前記スムース路面モデルから微小距離だけ離間させてタイヤモデルの外面形状とスムース路面モデルとの間の隙間を形成する工程、及び
    前記隙間に前記音空間領域を設定する工程を含む請求項1に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  3. 前記凹凸路面モデルは、前記凹凸の深さが1〜5mm、前記タイヤモデルの転動方向の前記凹凸の間隔が1〜20mm、前記転動方向と直交する幅方向の前記凹凸の間隔が1〜20mmである請求項1乃至2のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
  4. 前記凹凸路面モデルは、前記凹凸が、乱数によって設定される請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
  5. 前記凹凸路面モデルは、凹凸が形成された路面をスキャンした路面データを用いて、前記凹凸が設定される請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
  6. 前記隙間を形成する工程は、前記スムース路面モデルの表面から前記微小距離の範囲内に存在する前記タイヤモデルの外面の節点を検索する工程と、
    前記微小距離の範囲内に存在する前記節点を強制的に移動させることにより、前記隙間を形成する工程とを含む請求項2に記載のタイヤのシミュレーション方法。

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