JP2022037666A - タイヤのシミュレーション方法 - Google Patents

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Takaomi Ogawa
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Abstract

Figure 2022037666000001
【課題】 タイヤの振動性能の評価することができるタイヤのシミュレーション方法を提供する。
【解決手段】 タイヤの振動性能を評価するためのシミュレーション方法である。このシミュレーション方法は、タイヤをモデル化したタイヤモデル5と、タイヤモデル5の回転軸16を回転自在に支持する支持要素をモデル化した支持要素モデル6とからなる車輪モデル2をコンピュータに入力する工程と、路面モデル3をコンピュータに入力する工程と、コンピュータが、車輪モデル2のタイヤモデル5を路面モデル3上で転動させて、回転軸16に作用する物理量を取得する工程とを含む。支持要素モデル6は、三次元の直交座標系において、タイヤモデル5を6自由度で変位可能に支持する。
【選択図】図3

Description

本発明は、タイヤのシミュレーション方法に関する。
下記特許文献1には、タイヤを回転自在に支持する支持手段と、試験プレートの表面にタイヤを押し当てる第1移動手段とを備えたタイヤ試験装置が記載されている。この試験装置では、試験プレートに設けられた突起体にタイヤを通過させて、突起体から加えられた外力が測定される。
特許第5745574号公報
一般に、タイヤは、その回転軸が、サスペンションを介して車両に取り付けられているため、タイヤ半径方向やタイヤ軸方向などへの変位が許容されている。このため、タイヤの振動性能を評価するには、上記の変位が許容されたタイヤの回転軸に作用する物理量を取得することが重要である。
一方、上記の試験装置のタイヤは、回転軸が回転自在に支持されているものの、上記の変位が拘束されている。したがって、試験装置は、上記の物理量を取得することができず、タイヤの振動性能を評価できないという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤの振動性能の評価することができるタイヤのシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、タイヤの振動性能を評価するためのシミュレーション方法であって、前記タイヤをモデル化したタイヤモデルと、前記タイヤモデルの回転軸を回転自在に支持する支持要素をモデル化した支持要素モデルとからなる車輪モデルをコンピュータに入力する工程と、路面モデルを前記コンピュータに入力する工程と、前記コンピュータが、前記車輪モデルの前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させて、前記回転軸に作用する物理量を取得する工程とを含み、前記支持要素モデルは、三次元の直交座標系において、前記タイヤモデルを6自由度で変位可能に支持することを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記支持要素モデルは、バネ手段をモデル化したバネモデルを含んでもよい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記バネモデルのバネ定数は、前記タイヤの縦バネ定数の1/100以下であってもよい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記物理量を取得する工程は、前記タイヤモデルを前記路面モデルに接触させ、かつ、前記回転軸と前記路面モデルとを接近させることにより、前記回転軸に、第1荷重を与える第1工程と、前記バネモデルを弾性変形させることにより、前記バネモデルが、前記回転軸に、前記第1荷重と逆向きかつ同じ大きさの第2荷重を与える第2工程とが含まれてもよい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、少なくとも前記第2工程は、前記回転軸を拘束した後に実施されてもよい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記第2工程の後、前記回転軸の拘束を解除する工程がさらに含まれてもよい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記物理量を取得する工程は、前記タイヤモデル又は前記回転軸を加振する工程と、前記加振に対する前記回転軸の応答を計算する工程とが含まれてもよい。
本発明のタイヤのシミュレーション方法は、前記タイヤモデルが前記6自由度で変位可能に支持されている。これにより、本発明は、前記変位が許容された前記タイヤモデルの前記回転軸に作用する物理量を取得することができるため、前記タイヤの振動性能を評価することができる。
タイヤのシミュレーション方法を実行するためのコンピュータの一例を示す斜視図である。 タイヤのシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 車輪モデル及び路面モデルの一例を示す斜視図である。 タイヤモデルの断面図である。 物理量取得工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1工程の処理手順の一例を説明する車輪モデルの側面図である。 第2工程の処理手順の一例を説明する車輪モデルの側面図である。 X軸並進方向(左右方向)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。 Y軸並進方向(前後方向)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。 Z軸並進方向(上下方向)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。 Y軸回転方向(前後軸回り)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。 Z軸回転方向(上下軸回り)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。 実施例1~3の第1荷重に対する反力と、時間との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のタイヤのシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある。)では、タイヤの振動性能が評価される。解析対象のタイヤは、実在するか否かについては問われない。本実施形態のシミュレーション方法には、コンピュータが用いられる。図1は、シミュレーション方法を実行するためのコンピュータ1の一例を示す斜視図である。
コンピュータ1は、例えば、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成されている。本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。記憶装置には、本実施形態のシミュレーション方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。したがって、コンピュータ1は、タイヤの振動性能を評価するシミュレーション装置として構成される。
図2は、タイヤのシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のシミュレーション方法では、先ず、車輪モデルが、コンピュータ1に入力される(工程S1)。図3は、車輪モデル2及び路面モデル3の一例を示す斜視図である。
車輪モデル2は、タイヤモデル5と、支持要素モデル6とを含んで構成されている。本実施形態の車輪モデル2は、三次元の直交座標系において、三次元モデルとして定義される。図4は、タイヤモデル5の断面図である。
タイヤモデル5は、解析対象のタイヤ(図示省略)をモデル化したものである。図4に示されるように、タイヤモデル5は、例えば、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素F(i)(i=1、2、…)で、タイヤがモデル化(離散化)されることによって定義されうる。
数値解析法としては、例えば、有限要素法、有限体積法、差分法、又は、境界要素法(本実施形態では、有限要素法)が適宜採用されうる。要素F(i)には、例えば、三次元の4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は、6面体ソリッド要素などが用いられる。各要素F(i)は、複数の節点7と、隣接する節点7、7間をつなぐ直線状の辺8とを含んで構成されている。各要素F(i)には、要素番号、節点7の番号、節点7の座標値、及び、材料特性(例えば密度、ヤング率、又は、減衰係数等)などの数値データが定義される。
タイヤモデル5は、図示しないタイヤのトレッドゴム等を含むゴム部分、タイヤの骨格をなすカーカスプライ、及び、カーカスプライのタイヤ半径方向外側に配されるベルトプライが、要素F(i)でそれぞれモデル化(離散化)される。これにより、タイヤモデル5には、ゴム部材モデル11、カーカスプライモデル12、及び、ベルトプライモデル13が設定される。
工程S1では、内圧充填後のタイヤモデル5が計算される。本実施形態では、タイヤのリム(図示省略示す)がモデル化されたリムモデル14によって、タイヤモデル5のビード部5c、5cが拘束される。本実施形態のリムモデル14は、変形不能に設定された剛平面要素(図示省略)で定義される。
本実施形態の工程S1では、内圧条件に相当する等分布荷重wに基づいて、タイヤモデル5の変形が計算される。これにより、内圧充填後のタイヤモデル5が計算される。内圧には、例えば、解析対象のタイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格が定めている空気圧が設定されるのが望ましい。
タイヤモデル5の変形計算は、各要素F(i)の形状及び材料特性などをもとに、各要素F(i)の質量マトリックス、剛性マトリックス、及び、減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらのマトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、前記各種の条件を当てはめて運動方程式が作成され、これらが微小時間(単位時間T(x)(x=0、1、…))毎に計算される。これにより、タイヤモデル5の変形計算が行われて、内圧充填後のタイヤモデル5が取得されうる。
タイヤモデル5の変形計算(後述の物理量取得工程S3での変形計算を含む)には、例えば、LSTC社製の LS-DYNA などの市販の有限要素解析アプリケーションソフトが用いられうる。単位時間T(x)は、求められるシミュレーション精度によって、適宜設定されうる。
図3に示されるように、本実施形態のタイヤモデル5の回転軸16は、変形不能に定義された線要素Hで定義されている。本実施形態の線要素Hの両端には、一対の節点17、17が定義されている。なお、回転軸16は、解析対象のタイヤの回転軸(図示省略)が、要素F(i)で離散化されることによって定義されてもよい。回転軸16とリムモデル14(又は、図4に示したビード部5c)との間のタイヤ半径の距離L1は、一定となるように定義される。本実施形態では、回転軸16の回転とともに、リムモデル14及びタイヤモデル5の回転が計算される。
支持要素モデル6は、支持要素(図示省略)をモデル化したものである。支持要素は、図示しないタイヤの回転軸を、回転自在に支持するためのものである。本実施形態の支持要素は、図示しないサスペンションを含む場合が例示される。
支持要素モデル6としては、支持要素(図示省略)をモデル化したものであれば、適宜設定することができる。本実施形態の支持要素モデル6は、図示しないサスペンションの構成部材の一つであるバネ手段(コイルスプリング)について、そのバネ手段をモデル化したバネモデル21が含まれる。
本実施形態の支持要素モデル6は、バネモデル21のみで構成されている。したがって、本実施形態のシミュレーション方法では、支持要素(図示省略)を簡略化した支持要素モデル6が定義されるため、モデル作成時間、及び、計算コストの増大を抑制しうる。なお、支持要素モデル6には、例えば、サスペンションの構成部材の一つであるダンパーをモデル化したダンパーモデル(図示省略)が含まれてもよい。
本実施形態のバネモデル21は、伸縮可能に設定されたバネ要素Jで定義されている。このようなバネモデル21は、例えば、多数の要素で離散化(いわゆるメッシュ分割)する必要がないため、モデル作成時間を大幅に短縮することが可能となる。
バネモデル21(バネ要素J)は、結び付けられる2点(一端21a及び他端21b)が特定されているが、具体的な体積や形状は定義されていない。バネモデル21には、例えば、2点間の座標、距離及びバネ定数が定義される。このようなバネモデル21は、2点間の距離の変化より、フックの法則に従って、2点間に作用する力の計算が可能となる。
バネ定数については、適宜設定することができる。本実施形態のバネ定数は、図示しないタイヤ(タイヤモデル5)の縦バネ定数の1/100以下に設定されている。これにより、後述の物理量取得工程S3において、バネモデル21の縦バネ成分が、タイヤの縦バネ成分の固有振動数(共振周波数)に影響するのを防ぐことができる。したがって、本実施形態のシミュレーション方法は、タイヤの振動性能の評価精度を高めうる。なお、バネ定数は、タイヤの縦バネ定数の1/500以上に設定されるのが望ましい。これにより、後述の物理量取得工程S3において、サスペンションを考慮した物理量の取得が可能となる。
本実施形態の支持要素モデル6は、一対のバネモデル21、21を含んで構成されている。なお、支持要素モデル6は、一つのバネモデル21のみで構成されてもよいし、3つ以上のバネモデル21を含んで構成されてもよい。
各バネモデル21(バネ要素J)の一端21aは、タイヤモデル5の回転軸16に連結されている。本実施形態の一端21aは、回転軸16の線要素Hの各節点17、17に、回り対偶でそれぞれ連結されている。これにより、支持要素モデル6(バネモデル21)は、タイヤモデル5の回転軸16を回転自在(本例では、X軸回転方向θxに回転自在)に支持することができる。バネモデル21の他端21bは、一端21aに対して、路面モデル3側(図において下側)に配されている。このバネモデル21の他端21bには、後述の第2工程S33(図5に示す)において、路面モデル3側への荷重(図7の第2荷重F2)を、回転軸16(タイヤモデル5を含む)に与えるための質点22が定義される。本実施形態において、バネモデル21及び質点22と、路面モデル3との間には、互いの重なりが許容されている。
支持要素モデル6は、三次元の直交座標系において、タイヤモデル5を6自由度で変位可能に支持している。「6自由度」には、三次元の直交座標系において、X軸並進方向、Y軸並進方向及びZ軸並進方向の自由度(並進の自由度)、並びに、X軸回転方向θx、Y軸回転方向θy及びZ軸回転方向θzの自由度(回転の自由度)が含まれる。「6自由度で変位可能」とは、回転軸16を含むタイヤモデル5が、支持要素モデル6に対して、6自由度で変位できることを示している。
本実施形態では、図4に示したタイヤモデル5の各要素F(i)の節点7、及び、回転軸16の線要素Hの節点17について、6自由度の拘束条件が無効に設定される。これにより、支持要素モデル6は、回転軸16を含むタイヤモデル5を、6自由度で変位可能に支持しうる。
本実施形態の工程S1では、上述のように、タイヤモデル5と支持要素モデル6とが定義されることにより、車輪モデル2が定義されうる。車輪モデル2は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、図2に示されるように、コンピュータ1(図1に示す)に、路面モデル3が入力される(工程S2)。本実施形態の路面モデル3は、車輪モデル2と同様に、三次元の直交座標系において、三次元モデルとして定義される。
図3に示されるように、工程S2では、図示しない路面に関する情報に基づいて、路面が、数値解析法(本実施形態では、有限要素法)により取り扱い可能な有限個の要素G(i)(i=1、2、…)を用いて離散化される。これにより、工程S2では、路面モデル3が設定される。
要素G(i)は、変形不能に定義された剛平面要素として定義される。要素G(i)には、複数の節点23が設けられている。さらに、要素G(i)は、要素番号や、節点23の座標値等の数値データが定義される。
本実施形態の工程S2では、平滑な表面を有する路面モデル3が定義されているが、このような態様に限定されない。工程S2では、例えば、アスファルト路面のような微小凹凸、不規則な段差、窪み、うねり、又は、轍等の実走行路面に近似した凹凸などが設けられた路面モデル3が定義されてもよい。路面モデル3は、図1に示したコンピュータ1に入力される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、図2及び図3に示されるように、コンピュータ1(図1に示す)が、車輪モデル2のタイヤモデル5を路面モデル3上で転動させて、回転軸16に作用する物理量を取得する(物理量取得工程S3)。図5は、物理量取得工程S3の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の物理量取得工程S3では、先ず、回転軸16(図3に示す)が拘束される(工程S31)。本実施形態では、回転軸16の線要素Hの節点17について、6自由度の拘束条件が有効に設定されることによって、回転軸16の変位が拘束される。
次に、本実施形態の物理量取得工程S3では、回転軸16(図3に示す)に、第1荷重が与えられる(第1工程S32)。図6は、第1工程S32の処理手順の一例を説明する車輪モデル2の側面図である。
第1荷重F1については、適宜設定することができる。本実施形態の第1荷重F1は、解析対象のタイヤ(図示省略)に負荷される荷重が設定される。負荷される荷重の一例としては、前記各規格が定めている荷重等が挙げられる。
第1工程S32では、任意の手順に基づいて、回転軸16に、第1荷重F1が与えられうる。本実施形態の第1工程S32では、先ず、タイヤモデル5が路面モデル3に接触される。タイヤモデル5と路面モデル3との間には、予め定められた摩擦係数が定義されている。次に、第1工程S32では、タイヤモデル5と路面モデル3とが接触した状態で、回転軸16と路面モデル3とが接近される。これにより、第1工程S32では、路面モデル3に押圧されて弾性変形したタイヤモデル5を介して、回転軸16に荷重(第1荷重F1)が負荷されうる。本実施形態では、回転軸16に与えられる荷重が第1荷重F1と等しくなるまで、回転軸16と路面モデル3とが接近される。
本実施形態の第1工程S32では、回転軸16に向かって、路面モデル3が移動されているが、このような態様に限定されない。例えば、路面モデル3に対して、回転軸16が移動されてもよいし、回転軸16と路面モデル3との双方が、互いに向き合う方向に移動されてもよい。なお、第1工程S32において、回転軸16を移動させる場合には、回転軸16の6自由度のうち、回転軸16のZ軸並進方向(上下方向)の自由度の拘束条件が、一時的に無効に設定されてもよい。
次に、本実施形態の物理量取得工程S3では、バネモデル21が回転軸16に、第2荷重を与える(第2工程S33)。第2荷重は、第1荷重F1と逆向き、かつ、同じ大きさを有するものである。図7は、第2工程S33の処理手順の一例を説明する車輪モデルの側面図である。
本実施形態の第2工程S33では、先ず、バネモデル21が弾性変形される。第2工程S33では、任意の手順に基づいて、バネモデル21を弾性変形させることができる。本実施形態では、バネモデル21の他端21bに、第1荷重F1と逆向きの荷重(本例では、第2荷重F2)を与えるための質点22が定義される。
質点22は、バネモデル21を弾性変形させることにより、タイヤモデル5の回転軸16に、第2荷重F2を与えるためのものである。なお、複数のバネモデル21(本実施形態では、図3に示した一対のバネモデル21、21)を有する場合には、各バネモデル21の他端21bに、第1荷重F1をバネモデル21の個数で除した荷重(本例では、F1/2)を与える質点22がそれぞれ定義される。これにより、第2工程S33では、第1荷重F1が作用する方向とは逆向きに、バネモデル21を弾性変形(引張変形)させて、第1荷重F1と逆向きかつ同じ大きさの第2荷重F2を、回転軸16に与えることができる。
本実施形態では、バネモデル21の他端21bに質点22が定義されることによって、バネモデル21を弾性変形(引張変形)させたが、このような態様に限定されない。例えば、バネモデル21の他端21bが、一端21aに対して路面モデル3とは反対側(図において上側)に配されている場合には、バネモデル21が圧縮変形(弾性変形)されてもよい。
バネモデル21の他端21bには、質点22に代えて、荷重条件が定義されてもよい。この場合、第1荷重F1を、バネ定数(複数のバネモデル21が含まれる場合は、バネモデル21の個数とバネ定数と乗じた値)で除した値と、バネモデル21の変位量とが等しくなるように、荷重条件が定義されるのが望ましい。
本実施形態の第2工程S33は、回転軸16を拘束した後(工程S31の後)に実施されている。このため、第2工程S33では、弾性変形しているタイヤモデル5及びバネモデル21が、回転軸16を介して、互いに力を及ぼし合うのを防ぐことができる。したがって、物理量取得工程S3では、タイヤモデル5とバネモデル21との連成振動が生じるのを抑制することができる。
次に、本実施形態の物理量取得工程S3では、車輪モデル2のタイヤモデル5が、路面モデル3上で転動する状態が計算される(工程S34)。工程S34では、先ず、図3に示されるように、拘束されている回転軸16の6自由度のうち、回転軸16の回転方向(X軸回転方向θx)の拘束条件が無効に設定される。これにより、タイヤモデル5の回転軸16は、バネモデル21(支持要素モデル6)によって、回転自在(本例では、X軸回転方向θxに回転自在)に支持されうる。
次に、本実施形態の工程S34では、タイヤモデル5の回転軸16に、走行速度Vに対応する角速度V1が定義される。さらに、工程S34では、路面モデル3に、走行速度Vに対応する並進速度V2が設定される。これにより、工程S34では、路面モデル3上を転動するタイヤモデル5を計算することができる。
本実施形態の工程S34では、回転軸16の5自由度(X軸回転方向θxを除いた5つの自由度)が拘束されている。このため、工程S34では、タイヤモデル5とバネモデル21との連成振動が生じるのを抑制しつつ、タイヤモデル5を路面モデル3上で転動させることができる。
次に、本実施形態の物理量取得工程S3では、回転軸16の拘束が解除される(工程S35)。本実施形態の工程S35では、回転軸16の線要素Hの節点17について、6自由度の拘束条件が無効に設定される(本例では、X軸回転方向θxの拘束条件は既に無効に設定されている)。これにより、工程S35では、回転軸16の拘束が解除される。
本実施形態の物理量取得工程S3では、回転軸16に、第1荷重F1と逆向き、かつ、同じ大きさの第2荷重F2が定義される第2工程S33の後に、回転軸16の拘束が解除される。これにより、物理量取得工程S3では、第1荷重F1に対する反力R1と、第2荷重F2に対する反力R2とを釣り合わせることができるため、転動中のタイヤモデル5と、バネモデル21との連成振動が生じるのを抑制することができる。
工程S35では、転動開始直後のタイヤモデル5に生じる初期の微振動が減衰するタイミングで、回転軸16の拘束が解除されるのが望ましい。これにより、物理量取得工程S3では、転動中のタイヤモデル5と、バネモデル21との連成振動の発生を、効果的に抑制することが可能となる。
上記の作用を効果的に発揮させるために、工程S34でタイヤモデル5の転動が開始されてから、0.025秒が経過した後に、回転軸16の拘束が解除されるのが望ましい。なお、タイヤモデル5の転動が開始されてから長時間が経過した後に、回転軸16の拘束が解除されても、計算時間が増大するおそれがある。このような観点より、工程S34でタイヤモデル5の転動が開始されてから、0.1秒が経過する前に、回転軸16の拘束が解除されるのが望ましい。
次に、本実施形態の物理量取得工程S3では、図3に示したタイヤモデル5又は回転軸16が加振される(工程S36)。タイヤモデル5や回転軸16の加振する方法については、任意の手順が採用されうる。タイヤモデル5の加振は、例えば、路面モデル3に凸部(図示省略)を設定して、その凸部にタイヤモデル5を通過させてもよいし、タイヤモデル5のトレッド部5a(図4に示す)にインパクトが入力されてもよい。また、回転軸16の加振は、例えば、回転軸16に衝撃を与えるインパクトが入力されてもよい。凸部の大きさやインパクトの大きさ、及び、凸部の間隔やインパクトの間隔については、評価される振動性能等に応じて、適宜設定することができる。
次に、本実施形態の物理量取得工程S3では、加振に対する回転軸16の応答が計算される(工程S37)。回転軸16の応答については、適宜計算することができる。本実施形態では、回転軸16の応答として、回転軸16の伝達関数(アクセレランスやイナータンス)が取得される。
本実施形態のタイヤモデル5は、6自由度で変位可能に支持されているため、加振に対する回転軸16の応答も、6自由度で取得することができる。したがって、工程S37では、サスペンションを介して車両に取り付けられているタイヤ(図示省略)について、回転軸に作用する物理量を計算することが可能となる。
さらに、本実施形態では、バネモデル21のバネ定数が、タイヤ(図示省略)の縦バネ定数の1/100以下に設定されているため、タイヤの縦バネ成分の固有振動数(共振周波数)に、バネモデル21の縦バネ成分が影響するの防ぐことができる。したがって、後述の工程S4(図2に示す)において、共振周波数の評価が可能となる。回転軸16の応答は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法では、図2に示されるように、タイヤ(図示省略)の振動性能が、良好か否かが評価される(工程S4)。工程S4では、物理量取得工程S3で取得された回転軸16(図3に示す)に作用する物理量(本例では、加振に対する回転軸の応答)に基づいて、タイヤの振動性能が、良好か否かが判断される。なお、振動性能の良否は、コンピュータ1(図1に示す)によって判断されてもよいし、オペレータによって判断されてもよい。
工程S4において、タイヤの振動性能が良好であると判断された場合(工程S4で、「Y」)、図示しないタイヤの設計図(CADデータ)等に基づいて、タイヤが製造される(工程S5)。一方、工程S4において、タイヤの振動性能が良好でないと判断された場合(工程S4で、「N」)、タイヤの設計因子が変更されて(工程S6)、工程S1~工程S4が再度実施される。これにより、振動性能が良好なタイヤを設計することが可能となる。
図5に示されるように、これまでの実施形態において、回転軸16(図7に示す)を拘束する工程S31は、第1工程S32及び第2工程S33の前に実施されたが、特に限定されない。少なくとも第2工程S33が、回転軸16を拘束した後(すなわち、工程S31の後)に実施されれば、例えば、第1工程S32の後に、工程S31が実施されてもよい。この実施形態では、これまでの実施形態と同様に、弾性変形しているタイヤモデル5及びバネモデル21が、回転軸16を介して、互いに力を及ぼし合うのを防ぐことができる。
図3に示されるように、これまでの実施形態では、バネモデル21がバネ要素Jでモデル化されたが、このような態様に限定されない。バネモデル21は、例えば、サスペンションを構成するバネ手段(図示省略)が、有限個の要素で離散化されたものでもよい。このようなバネモデル21では、バネ手段が忠実に再現されるため、精度の高いシミュレーションが可能となる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図2に示した処理手順に基づいて、タイヤの振動性能が評価された(実施例1~3及び比較例)。実施例1~3では、三次元の直交座標系において、タイヤモデルを6自由度で変位可能に支持する支持要素モデルが定義された。実施例1~2は、バネモデルのバネ定数が、タイヤの縦バネ定数の1/100に設定された。一方、実施例3は、バネモデルのバネ定数が、タイヤの縦バネ定数の1/100よりも大きく(1/50)設定された。
実施例1及び実施例3では、図5に示した処理手順に基づいて、回転軸を拘束した後に、回転軸に第1荷重を与える第1工程と、バネモデルが回転軸に第2荷重を与える第2工程とが実施された。一方、実施例2では、回転軸を拘束させずに、第1工程及び第2工程が実施された。そして、実施例1~3について、路面モデルを転動中のタイヤモデルの回転軸に作用する物理量が計算された。
比較例では、特許文献1と同様に、三次元の直交座標系において、タイヤモデルの回転軸が、回転方向(X軸回転方向)のみ変位可能に定義された。そして、回転軸に、第1荷重と第2荷重とが与えられて、路面モデルを転動中のタイヤモデルの回転軸に作用する物理量が計算された。共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:195/65R15
リムサイズ:15×6J
内圧:230kPa
第1荷重F1及び第2荷重F2:4240N
走行速度V:60km/h
回転軸への加振(ハンマリング):
X軸並進方向(左右方向)
Y軸並進方向(前後方向)
Z軸並進方向(上下方向)
Y軸回転方向(前後軸回り)
Z軸回転方向(上下軸回り)
図8は、X軸並進方向(左右方向)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。図9は、Y軸並進方向(前後方向)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。図10は、Z軸並進方向(上下方向)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。図11は、Y軸回転方向(前後軸回り)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。図12は、Z軸回転方向(上下軸回り)の伝達関数と周波数との関係を示すグラフである。
テストの結果、実施例1~3は、図8~図12に示されるように、回転軸に加振された全ての方向に対して、伝達関数(イナータンス)を取得することができた。一方、比較例では、回転軸が、回転方向(X軸回転方向)のみ変位可能に定義されているため、図8~図12に示した伝達関数を取得することができなかった。
図13は、実施例1~3の第1荷重F1に対する反力R1と、時間との関係を示すグラフである。実施例1及び実施例3は、回転軸を拘束した後に、第2工程が実施されているため、回転軸が拘束されない実施例2に比べて、第1荷重F1に対する反力R1を早期に収束させることができた。このため、実施例1および実施例3は、実施例2に比べて、計算時間を短縮することができた。
実施例1~2は、バネモデルのバネ定数が、タイヤの縦バネ定数の1/100以下に設定されているため、1/100よりも大に設定された実施例3に比べて、タイヤの縦バネ成分の固有振動数に、バネモデルの縦バネ成分が影響するのを防ぐことができた。
2 車輪モデル
3 路面モデル
5 タイヤモデル
6 支持要素モデル
16 回転軸

Claims (7)

  1. タイヤの振動性能を評価するためのシミュレーション方法であって、
    前記タイヤをモデル化したタイヤモデルと、前記タイヤモデルの回転軸を回転自在に支持する支持要素をモデル化した支持要素モデルとからなる車輪モデルをコンピュータに入力する工程と、
    路面モデルを前記コンピュータに入力する工程と、
    前記コンピュータが、前記車輪モデルの前記タイヤモデルを前記路面モデル上で転動させて、前記回転軸に作用する物理量を取得する工程とを含み、
    前記支持要素モデルは、三次元の直交座標系において、前記タイヤモデルを6自由度で変位可能に支持する、
    タイヤのシミュレーション方法。
  2. 前記支持要素モデルは、バネ手段をモデル化したバネモデルを含む、請求項1記載のタイヤのシミュレーション方法。
  3. 前記バネモデルのバネ定数は、前記タイヤの縦バネ定数の1/100以下である、請求項2記載のタイヤのシミュレーション方法。
  4. 前記物理量を取得する工程は、前記タイヤモデルを前記路面モデルに接触させ、かつ、前記回転軸と前記路面モデルとを接近させることにより、前記回転軸に、第1荷重を与える第1工程と、
    前記バネモデルを弾性変形させることにより、前記バネモデルが、前記回転軸に、前記第1荷重と逆向きかつ同じ大きさの第2荷重を与える第2工程とを含む、請求項2又は3記載のタイヤのシミュレーション方法。
  5. 少なくとも前記第2工程は、前記回転軸を拘束した後に実施される、請求項4記載のタイヤのシミュレーション方法。
  6. 前記第2工程の後、前記回転軸の拘束を解除する工程をさらに含む、請求項5記載のタイヤのシミュレーション方法。
  7. 前記物理量を取得する工程は、前記タイヤモデル又は前記回転軸を加振する工程と、
    前記加振に対する前記回転軸の応答を計算する工程とを含む、請求項1ないし6のいずれかに記載のタイヤのシミュレーション方法。
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