JP2003156413A - 車体振動のシミュレーション方法 - Google Patents

車体振動のシミュレーション方法

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JP2003156413A
JP2003156413A JP2001354392A JP2001354392A JP2003156413A JP 2003156413 A JP2003156413 A JP 2003156413A JP 2001354392 A JP2001354392 A JP 2001354392A JP 2001354392 A JP2001354392 A JP 2001354392A JP 2003156413 A JP2003156413 A JP 2003156413A
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vibration
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JP2001354392A
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English (en)
Inventor
Toshifumi Sakata
利文 坂田
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Toyo Tire Corp
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Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/82Elements for improving aerodynamics

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン側及び路面側から車体へと伝達する
振動を一体的に解析でき、統合的な防振システムの開発
が可能となる車体振動のシミュレーション方法、そのプ
ログラム、並びに防振システムの好適化方法を提供す
る。 【解決手段】 自動車における車体振動をシミュレーシ
ョンする方法であって、エンジン1、車体3、及び車軸
5を構造要素とし、マウント2、懸架機構4、及びタイ
ヤ6を弾性要素として各々がモデル支持点を介して結合
され、エンジンに対する外力と、路面からタイヤが受け
る力又は変位を入力とする要素結合モデルを設定する第
1手順と、それに基づいて各々の要素についての運動方
程式を作成する第2手順と、前記全ての運動方程式を連
立させた連立方程式を解くことで、状態量の数値解を微
小時間毎に求める第3手順と、それに基づいて、前記車
体の所定の位置における振動に関する状態量の変化をシ
ミュレーションする第4手順とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車における車
体の振動をシミュレーションする車体振動のシミュレー
ション方法、これを実行するプログラム、並びにこれを
利用する防振システムの好適化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な自動車は、概ねエンジンがマウ
ントを介して車体に支持され、その車体が懸架機構と車
軸を介してタイヤに連結された構造を有する。このよう
な自動車では、エンジンの回転による振動や路面から伝
達する振動によって、車体が振動しするため、この振動
を低減すべく、各種の防振材料や防振機構を含めた防振
システムの開発が行われてきた。
【0003】一方、近年のコンピュータを用いた解析技
術の進歩により、上記のような自動車におけるエンジン
マウントの設計やタイヤの設計の際に、各種のシミュレ
ーション(動的挙動解析)が利用されるようになってい
る。
【0004】例えば、エンジンの振動に関しては、エン
ジンがマウントに支持されたモデルに対してエンジン自
体の振動特性をシミュレーションしたり、マウントを介
して車体に伝達する振動をシミュレーションする方法が
試みられてきた。また、路面からの振動に関しては、突
起部を有する仮想路面上でタイヤを回転・走行させなが
ら、車軸に伝達する振動や発生するノイズをシミュレー
ションする方法や、タイヤ、懸架機構、車体を含むモデ
ルを作成して車体振動をシミュレーションする方法が知
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
シミュレーション方法では、エンジン側から車体へと伝
達する振動と、路面側から車体へと伝達する振動とを個
別に解析しており、各々別個に防振システムを開発して
いるため、次のような欠点があった。即ち、実際に生じ
る振動の伝達は、両者の振動が同時に車体に伝達するも
のであるため(例えばアクティブな防振作用や吸振作用
が生じる場合もある)、別個の解析結果に基づいて開発
した防振システムでは、実際に生じる振動を開発品に十
分反映させ難いという問題がある。そして、両者の振動
の一方を効果的に低減する防振システムが得られても、
他方の防振システムとの相性によって防振効果が変化す
るなど、両者の振動を同時に低減させるための統合的な
防振システムを構築するのが困難であった。
【0006】一方、振動系が複雑になるほど解析のため
のモデル化が難しくなり、またシミュレーションにおけ
る解の算出やそのプログラム作成も困難となり易い。例
えば、自動車全体をシミュレーションする場合のモデル
化に関して、最低限どの部品をどのように簡略化してモ
デル化すれば、動的解析の際の実用的な計算が可能でか
つ高精度に行えるか、といった問題が存在する。
【0007】そこで、本発明の目的は、エンジン側から
車体へと伝達する振動と、路面側から車体へと伝達する
振動とを一体的に解析でき、これにより統合的な防振シ
ステムの開発への有効な指針が得られる車体振動のシミ
ュレーション方法、これを実行するプログラム、並びに
これを利用する防振システムの好適化方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の如き
本発明により達成できる。即ち、本発明の車体振動のシ
ミュレーション方法は、エンジンがマウントを介して車
体に支持され、その車体が懸架機構と車軸を介してタイ
ヤに連結された自動車における前記車体の振動をシミュ
レーションする方法であって、エンジン、車体、及び車
軸を構造要素とし、マウント、懸架機構、及びタイヤを
弾性要素として各々がモデル支持点を介して結合され、
エンジンの回転で生じる反力をエンジンに対する外力と
し、路面からタイヤが受ける力又は変位をタイヤへの外
力又は変位とする要素結合モデルを設定する第1手順
と、 その要素結合モデルに基づいて、各々の構造要素
についてそれに伝達される力を変数とする運動方程式を
作成すると共に、各々の弾性要素について各々のモデル
支持点での位置に関する状態量から反力を求める運動方
程式を作成する第2手順と、設定される初期条件に基づ
いて、前記全ての運動方程式を力の釣り合いの仮定の下
で連立させた連立方程式を解くことで、前記車体に結合
したモデル支持点での位置に関する状態量又は前記車体
の重心位置に関する状態量の数値解を、微小時間毎に求
める第3手順と、この第3手順を実行しながら又はその
結果に基づいて、前記車体の所定の位置における振動に
関する状態量の変化をシミュレーションする第4手順と
を含むことを特徴とする。ここで、弾性要素とは少なく
とも弾性項(弾性機能)を含む要素であり、更に粘性項
(減衰機能)を含むものであってもよい。
【0009】上記において、前記第1手順における要素
結合モデルが、前記構造要素として更に人体を含み、前
記弾性要素として更にシートを含み、それら人体及びシ
ート、並びに前記車体がモデル支持点を介して結合され
たものであることが好ましい。
【0010】また、上記のシミュレーション方法におけ
る要素結合モデルとして、前記懸架機構を弾性要素とす
る代わりに、懸架機構の構成部材を弾性要素と構造要素
に分割して各々が連結したモデルとして要素結合モデル
を設定するものが好ましい。
【0011】一方、本発明のプログラムは、上記何れか
に記載の車体振動のシミュレーション方法における前記
第2手順で作成された各々の運動方程式の入力を許容
し、前記第3手順及び第4手順をコンピュータで実行す
るためのプログラムである。
【0012】他方、本発明の防振システムの好適化方法
は、上記何れかに記載の車体振動のシミュレーション方
法における処理手順を実行して、前記車体の所定の位置
における振動に関する状態量の変化をシミュレーション
した後、前記構造要素及び弾性要素のうちの1種以上の
特性を変更して前記処理手順によるシミュレーションを
順次繰り返すことにより、前記車体の振動を好適化する
条件を決定することを特徴とする。
【0013】[作用効果]本発明の車体振動のシミュレ
ーション方法によると、自動車の振動に影響する主な構
成部材について構造要素と弾性要素を組み合わせた統合
的な要素結合モデルとしてモデル化するため、エンジン
側から車体へと伝達する振動と、路面側から車体へと伝
達する振動とを一体的に解析できる。また、構造要素と
弾性要素とを分割して運動方程式を作成し、その運動方
程式を力の釣り合いの仮定の下で連立させた連立方程式
を解くことで、数値計算により微小時間ごとの解を求め
るため、ある程度の解析精度を維持しつつ実用的な速度
でシミュレーションを行うことができる。これにより統
合的な防振システムの開発への有効な指針が得られる。
【0014】また、前記第1手順における要素結合モデ
ルが、前記構造要素として更に人体を含み、前記弾性要
素として更にシートを含み、それら人体及びシート、並
びに前記車体がモデル支持点を介して結合されたもので
ある場合、人体及びシートがモデルに適切に組み込まれ
るため、人体に伝達する振動を更に現実に近い形でシミ
ュレーションすることができる。また、人体の振動を直
接的にシミュレーションすることも可能となる。
【0015】上記のシミュレーション方法における要素
結合モデルとして、前記懸架機構を弾性要素とする代わ
りに、懸架機構の構成部材を弾性要素と構造要素に分割
して各々が連結したモデルとして要素結合モデルを設定
する場合、懸架機構を一体として弾性要素と仮定する場
合に比べて、各種機構が存在する懸架機構に対して、そ
れらを忠実に再現してモデル化できるため、より精度が
高いシミュレーションを行うことができる。
【0016】一方、本発明のプログラムによると、上記
何れかに記載の車体振動のシミュレーション方法におけ
る前記第2手順で作成された各々の運動方程式の入力を
許容し、前記第3手順及び第4手順をコンピュータで実
行できるため、上記の如き作用効果により、エンジン側
から車体へと伝達する振動と、路面側から車体へと伝達
する振動とを一体的に解析でき、これにより統合的な防
振システムの開発への有効な指針が得られるようにな
る。
【0017】他方、本発明の防振システムの好適化方法
によると、本発明のシミュレーション方法における処理
手順を実行して、前記車体の所定の位置における振動に
関する状態量の変化をシミュレーションするため、統合
的な防振システムの開発への有効な指針が得られ、更に
前記構造要素及び弾性要素のうちの1種以上の特性を変
更して前記処理手順によるシミュレーションを順次繰り
返すことにより、前記車体の振動を好適化する条件を容
易かつ的確に決定することができるようになる。その結
果、防振システムを好適化することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。本発明のシミュレーショ
ン方法は、エンジンがマウントを介して車体に支持さ
れ、その車体が懸架機構と車軸を介してタイヤに連結さ
れた自動車について適用可能である。エンジンと車体と
の間、及び車体とタイヤとの間には、他の部材を介在し
てもよく、その性質により構造要素側又は弾性要素側に
モデル化することができる。また、マウントの形態や懸
架機構の形態には、種々のものが存在するが、種々の形
態に対応させて、モデル化や運動方程式を作成すること
で、いずれの形態を有する自動車に対しても、車体の振
動をシミュレーションすることができる。
【0019】例えばエンジンのマウントについては、通
常のゴムマウントの他、減衰力を高めた液体封入マウン
トや、可変特性マウントなどが存在するが、前者につい
ては、オリフィス内の流体振動を考慮して運動方程式を
作成すればよく、また後者については、可変される特性
に応じた運動方程式を作成すればよい。なお、マウント
の配置などはモデル支持点での位置に関する状態量とし
て運動方程式やそれを解くプロセスに反映される。
【0020】また、懸架機構については、概ねばねと減
衰機構の組合せにより車体と車軸とを連結する各種機構
が存在するが、これについてもその形態に応じたモデル
化や運動方程式の作成を行えばよい。例えば、これらは
車軸懸架式と独立懸架式に大別できるが、前者では左右
のタイヤが共通の車軸を有するため、前後2本の車軸で
モデル化を行い、後者では左右のタイヤが独立の車軸を
有するため、前後左右の4本の車軸でモデル化を行えば
よい。また、ショックアブソーバ(減衰機構)とコイル
スプリングの他、軸受け部のラバーブッシュ、ストラッ
トマウント、バウンドバンパなどを有する場合もある
が、これらについても、運動方程式などに反映させるこ
とができる。なお、各部材の配置や特性などはモデル支
持点での位置に関する状態量や係数として運動方程式や
それを解くプロセスに反映される。
【0021】以下、本発明の第1手順〜第4手順につい
て説明するが、説明の簡易化のために、図1に示すよう
に、上下方向(z方向の1自由度)の変位と力のみを考
慮し、構造要素の重心に対する他の方向(回転を含む)
の変位と力が生じない振動系を想定して、説明を行う。
【0022】本発明の第1手順では、エンジン1、車体
3、及び車軸5を構造要素とし、マウント2、懸架機構
4、及びタイヤ6を弾性要素として各々がモデル支持点
を介して結合され、エンジンの回転で生じる反力をエン
ジンに対する外力とし、路面からタイヤが受ける力又は
変位をタイヤへの外力又は変位とする要素結合モデルを
設定する。本実施形態では、路面からタイヤへの入力を
タイヤのモデル支持点での変位(ここでの変位は、モデ
ル支持点での位置に関する状態量を意味する)としてモ
デルを設定している。
【0023】これをz方向(上下方向)の1自由度で設
定したモデルが図1に示すものである。なお、図1
(a)はモデル化した自動車の正面図、図1(b)はモ
デル化した自動車の右側面図を示している。エンジン
1、車体3、及び車軸5(2本)には、各々の質量M1
〜M32と、各々の重心の変位x1 〜x32(以下、xn
略す場合がある:他の変数についても同様である)が与
えられている。また、マウント2(3箇所)、懸架機構
4(4箇所)、及びタイヤ6(4本)には、各々のばね
定数K11〜K34が与えられている。系外からの入力とし
ては、エンジンの回転で生じる反力をエンジンに対する
外力U1 とし、路面からタイヤが受ける変位を変位U2
としている。なお、タイヤのリムは車軸と一体的にモデ
ル化できる。
【0024】このモデルを3軸6自由度に拡張する場
合、構造要素の重心の変位x1 〜x32は、各々6つの変
数を持ち(6次元的に、x,y,z,θ,φ,ψで表す
ことができる)、また、ばね定数K11〜K34は、基本的
には各々36の定数を持つ(6自由度)ことになる。ま
た、質量M1 〜M32(質量マトリックス)に関しては、
重心の運動を3軸6自由度で把握する場合には、併進運
動に関する運動方程式の慣性項ではそのまま質量M1
32が用いられるが、回転運動に関する運動方程式の項
では各軸(x,y,z)に対する慣性モーメントが用い
られる。なお、重心の運動を3軸6自由度で把握する以
外の方法も可能であるが、計算の簡略化、計算速度など
の観点から、構造要素については3軸6自由度で運動方
程式を作成するのが好ましい。
【0025】このように3軸6自由度に拡張すること
で、複雑な構造における各部材の特性を、種々の形態の
マウントや懸架機構に対応して、運動方程式に反映させ
ることができる。
【0026】本発明の第2手順では、前記の要素結合モ
デルに基づいて、各々の構造要素についてそれに伝達さ
れる力(系外からの外力と弾性要素からの反力とを含
む)を変数とする運動方程式を作成すると共に、各々の
弾性要素について各々のモデル支持点での位置に関する
状態量から反力を求める運動方程式を作成する。ここ
で、モデル支持点での位置に関する状態量とは、モデル
支持点の変位、変位速度、及び変位加速度のいずれか1
種以上を指す。
【0027】図1のモデルと同じ仮定条件で、各々の構
造要素について運動方程式を作成すると、次の数式1の
ようになる。ここでY1 〜Y52を求める式は、モデル支
持点での位置に関する状態量であるYn を、構造要素の
重心についての位置に関する状態量Xn と両者の位置関
係とから算出する式(連立した運動方程式を解く際に使
用される)であり、位置関係により決定される係数αn
とβn とは、初期条件(自由度を含む)に基づいて決定
される。図1のモデルと同じ仮定条件では、z方向の1
自由度のみを考慮するため、係数αn とβn とは全て2
元単位行列として設定され、また、構造要素に伝達する
反力(重心への外力)を弾性要素の反力と等しい値とし
てFn で表している。
【0028】
【数1】 上記において、F1 はマウントからエンジン又は車体に
伝達する反力、F21及びF22は懸架機構から車軸又は車
体に伝達する反力、F31、F32、F33、F33、及びF34
は各タイヤから2本の車軸に伝達する反力を示す。な
お、ドット付きのxn は、各々の構造要素の重心の変位
n の速度を表し、重心の位置に関する状態量Xn はx
n の変位と速度を含む2行1列の行列であり、同様にド
ット付きのXn はxn の変位速度と加速度を含む行列で
ある。
【0029】この運動方程式を3軸6自由度に拡張する
場合、構造要素の重心の変位X1 〜X32、及びドット付
のX1 〜X32は、各々のxn 等について6つの変数を持
つ(6次元×2)ことになる。反力Fn 及び外力U1
ついては、基本的に3つの変数を持つ(3次元)ことに
なる。更に、構造要素に伝達する反力(重心への外力)
と弾性要素の反力とが異なるため、弾性要素の反力から
構造要素に伝達する反力を算出する変換式などが必要と
なる。この変換式は弾性要素の反力の方向(回転を含ん
でもよい)やモデル支持点と重心の位置関係から容易に
求めることができる。
【0030】また、反力Fn は、構造要素の重心に働く
力として運動方程式を作成しているが、3軸6自由度に
拡張する場合、反力Fn のモデル支持点での位置で決定
される係数が、運動方程式の併進項や回転項に導入され
て、解析に反映される。
【0031】数式1では、前述のように、エンジンの回
転で生じる反力をエンジンに対する外力U1 として、エ
ンジンの重心に働く力として運動方程式を作成してい
る。このような外力U1 は、図1のモデルと同じ仮定条
件では、例えば上下方向の振幅を有する正弦波として初
期条件を設定すればよい。但し、実際に生じる反力は、
更に複雑になり、ピストンの往復動による反力やクラン
ク軸が受ける駆動反力などを考慮する必要がある。
【0032】このような外力U1 の計算方法に関して
は、文献「自動車振動学」(図書出版社 小林明著)、
及び文献「内燃機関のねじり振動と疲れ強さ」(コロナ
社 富山修著)に詳細に説明されている。
【0033】一方、図1のモデルと同じ仮定条件で、各
々の弾性要素について運動方程式を作成すると、次の数
式2のようになる。ここでは、各々の弾性要素について
粘性項を考慮していないため、行列の1列目の係数が
「0」となっているが、粘性項を考慮する場合、当該係
数として減衰係数(cn )が使用される。
【0034】
【数2】 上記において、Y1 はマウントのエンジン側のモデル支
持点の位置に関する状態量、Y2 はマウントの車体側の
モデル支持点の位置に関する状態量、Y3 は懸架機構の
車体側のモデル支持点の位置に関する状態量、Y41〜Y
42は懸架機構の車軸側のモデル支持点の位置に関する状
態量、Y51〜Y52はタイヤの車軸側のモデル支持点の位
置に関する状態量を示す。なお、モデル支持点の位置に
関する状態量Yn は、Xn と同様にその位置に関する変
位(yn )と速度(yn ドット)を含む行列であり、変
位U2 についても同様である。
【0035】変位U2 については、主に路面の凹凸にお
けるうねり量を設定すればよいが、例えば路面の凹凸の
測定値に一定のフィルターをかけて、トレッドにより吸
収可能な凹凸成分を除去した変位量を設定してもよい。
【0036】上記の運動方程式を3軸6自由度に拡張す
る場合、モデル支持点の位置に関する状態量Y1 〜Y52
は、各々のyn 等について3つの変数を持つ(3次元×
2)ことになる。これは変位U2 についても同様であ
る。
【0037】上記のような弾性要素について運動方程式
を作成することにより、マウントやタイヤの各種依存性
(温度依存性、周波数依存性、又は変位量依存性など)
を反映させたシミュレーションが可能となり、解析精度
をより高めることができる。
【0038】本発明の第3手順では、設定される初期条
件に基づいて、前記全ての運動方程式を力の釣り合いの
仮定の下で連立させた連立方程式を解くことで、前記車
体に結合したモデル支持点での位置に関する状態量又は
前記車体の重心位置に関する状態量のうち何れか又は両
者の数値解を、微小時間毎に求める。微小時間の間隔
は、数値計算の解法によって、計算速度等との兼ね合い
で適宜決定されるが、ある程度間隔が小さい方がシミュ
レーションが高精度となる。
【0039】その際の運動方程式の入出力関係を示すも
のが図2である。図2の(a)は、各々の要素の配置を
変えずに入出力関係を示したものであり、(b)は各々
の要素を構造要素と弾性要素とに分けて配置して入出力
関係を示したものであり、(c)はこれを概念的に簡易
化したものである。
【0040】このような連立方程式の数値解を求める方
法は、各種の方法が周知であるが、理論解を求めずに微
小時間毎の数値解を求める方法のため、汎用性のある方
法で数値計算により解を求めることができる。
【0041】例えば、数式1のような連立2階の微分方
程式を解く場合、加速度応答と力積応答関数を畳み込み
積分する合積法と既知の応答値を利用した直接積分法を
用いることができる。直接積分法にはテイラー展開法や
差分法、ルンゲ・クッタ法などがあり、本発明ではこれ
らのいかなる手法を用いることも可能である。
【0042】図3には、第3手順において基本的にルン
ゲ・クッタ法を利用して数値解を求める際のフローチャ
ートの一例を示す。この計算の主な流れは、弾性要素の
形態や運動の自由度が変化しても特に変更させる必要が
ない。
【0043】この例では、まずモデルの初期化として、
モデルの設定(第1手順)や運動方程式の作成(第2手
順)の結果を入力する。これには、第3手順の計算のた
めの初期条件の設定が含まれる。
【0044】次いで第3手順が実行されるが、微小時間
毎に数値解を求める方法として、時間tn における計算
が繰り返してt1 から最終時間tend になるまで行われ
る。時間t1 と時間t2 の間隔が微小時間(Δt)に相
当し、最終時間tend はシミュレーションの目的や結果
に応じて適当に設定される。
【0045】フローチャートでは、第3手順は直列的な
ステップの流れとして記載されているが、通常、各構造
要素と各弾性要素とについて並列的に計算が行われる。
また、その際、図2に示すようなデータの入出力が相互
に行われながら計算が行われる。
【0046】時間tn において、構造要素の運動方程式
を解く際には、時間tn-1 で得られた反力Fn などを用
いて構造要素の状態量Xdn (Xn ドット)と構造要素
の状態量Xn を算出し、更にモデル支持点の位置に関す
る状態量Yn を出力量として算出する。また、時間tn
において、弾性要素の運動方程式を解く際には、時間t
n-1 で得られた状態量Yn などを用いて弾性要素からの
反力Fn を出力量として算出する。3軸6自由度の場合
には、反力Fn の代わりに構造要素の重心への外力が出
力量として算出される。
【0047】微小時間(ステップ時間Δt)は、一定に
固定して計算することも可能であるが、計算精度を維持
しつつ計算速度を高める上では、図3に示すフローチャ
ートのように、ステップ時間Δtを求めることで、ステ
ップ時間Δtを可変にするのが好ましい。具体的には、
過渡応答のような急激な変化に対してはステップ時間Δ
tを小さく設定し、定常振動に対してはステップ時間Δ
tを大きく設定するのが有利である。このようなステッ
プ時間Δtの計算のアルゴリズムは、振動解析における
微分方程式の計算用の市販のソフトウエアに組み込まれ
ていることが多く、本発明ではそれを使用することがで
きる。
【0048】時間tn における計算が終わると、次に時
間tn+1 における計算が行われ、時間t1 〜tend にお
ける結果が順次算出される。このような計算結果は、順
次更新してもよいが、順次コンピュータの記憶装置に記
憶しておくことが好ましい。
【0049】本発明の第4手順では、第3手順を実行し
ながら又はその結果に基づいて、前記車体の所定の位置
における振動に関する状態量の変化をシミュレーション
する。図3に示すフローチャートには、第4手順を示し
ていないが、車体の所定の位置における振動に関する状
態量を時間tn ごとに計算してもよく、また、別のシミ
ュレーション用プログラムによって、時間tn ごとに記
憶された結果を入力(導入)して、別途振動に関する状
態量を算出してもよい。
【0050】具体的には、車体の重心位置に関する状態
量(Xn 、xn など)の数値解を第3手順で求めた場合
には、そのまま車体の重心位置での振動をシミュレーシ
ョンすることができる。また、車体の重心位置以外での
振動をシミュレーションする場合、車体の重心位置に関
する状態量や車体に結合したモデル支持点での位置に関
する状態量と、求める対象位置の関係から、車体の所定
の位置における振動に関する状態量の変化を算出する計
算が行われる。
【0051】本発明のプログラムは、以上のようなシミ
ュレーション方法における前記第2手順で作成された各
々の運動方程式の入力を許容し、前記第3手順及び第4
手順をコンピュータで実行するためのプログラムであ
る。この発明において、プログラムの言語やOSの種
類、記録される媒体、処理手順を実行するハードウエア
などは、全く限定されない。また、市販のソフトウエア
を利用(カスタマイズ等)して、本発明のプログラムを
構成することも可能である。
【0052】一方、本発明の防振システムの好適化方法
は、以上のようなシミュレーション方法における処理手
順を実行して、前記車体の所定の位置における振動に関
する状態量の変化をシミュレーションした後、前記構造
要素及び弾性要素のうちの1種以上の特性を変更して前
記処理手順によるシミュレーションを順次繰り返すこと
により、前記車体の振動を好適化する条件を決定するも
のである。ここで、構造要素又は弾性要素の特性を変更
する方法には、各要素を構成する部材の特性の変更の
他、各要素の形態や個数の変更、モデル支持点の位置の
変更など、シミュレーション結果に影響を及ぼす全ての
要因の変更が含まれる。
【0053】車体振動の好適化については、その指標が
様々であるが、重心等の併進運動や車体に伝達する力の
振幅(絶対量、方向など)、周波数(特定帯域等)など
を基準として、従来と同様の指標が採用できる。好適化
の条件を決定するための判断は、人間が行ってもよい
が、上記の基準を数値化してシミュレーション結果と対
比させるプログラムを用いて、コンピュータで行うのが
好ましい。
【0054】[他の実施形態]以下、本発明の他の実施
の形態について説明する。
【0055】(1)前述の実施形態では、z方向(上下
方向)の1自由度でシミュレーションを行う例を示すと
共に、3軸6自由度に拡張する場合の実施形態を随時説
明したが、3軸6自由度(以下、6自由度と略称する)
でシミュレーションする例をエンジンとマウントの関係
について詳述すると、以下のようになる。図4は、当該
6自由度シミュレーション方法の一例に対応するフロー
チャートであり、図5は、6自由度シミュレーション方
法の概要を分割モデルと共に示す説明図である。
【0056】このような6自由度シミュレーション方法
では、図5に示すように、剛体としてのエンジン1が複
数のマウント2に荷重支持された構造体における剛体1
の重心の状態変化を6自由度でシミュレーションする。
【0057】まず初期条件として、時間t0 における剛
体の重心の剛体変位ベクトル及び剛体速度ベクトルを6
自由度で設定する第1手順を実行する(ステップ#1〜
3)。具体的には、剛体の重心のx,y,zの各軸方向
の変位量、θ,φ,ψの各軸に対する角変位量から剛体
変位ベクトルが決定され、同様に各軸方向の速度量、角
速度量から剛体速度ベクトルが決定される。なお、図4
及び図5では、表示の簡略化のため、変位ベクトル及び
速度ベクトルを併せて「位置ベクトル」として表示して
いる。剛体変位ベクトル及び剛体速度ベクトルは、後の
演算又は出力のために、各時間ごとに順次記憶される
(ステップ#4)。
【0058】次に、その剛体変位ベクトル及び剛体速度
ベクトルから各々のマウントのモデル支持点における絶
対変位ベクトル及び絶対速度ベクトルを3自由度で算出
する第2手順を実行する(ステップ#5)。具体的に
は、各々のマウントに1〜nの番号を付け、各々のマウ
ントのモデル支持点の座標(初期設定値)と剛体変位ベ
クトルから絶対変位ベクトル及び絶対速度ベクトルを3
自由度で算出することができる。剛体速度ベクトルとモ
デル支持点の座標とから絶対速度ベクトルを算出するこ
ともできる。これをn個のマウントについて行う。算出
された絶対変位ベクトル及び絶対速度ベクトルは、後の
演算又は出力のために、各時間ごとに順次記憶される
(ステップ#6)。
【0059】次に、その絶対変位ベクトル及び絶対速度
ベクトルを、前記各々のマウントの相対座標における相
対変位ベクトル及び相対速度ベクトルに変換する第3手
順を実行する(ステップ#7)。具体的には、最も計算
が容易なように、例えば、両座標系の方向が一致した関
係にあるように、絶対座標系から相対座標系に各々のベ
クトルを変換(In ,IIn , IIIn )し、これをn個の
マウントについて行う。変換された相対変位ベクトル及
び相対速度ベクトルは、後の演算又は出力のために、各
時間ごとに順次記憶される(ステップ#8)。
【0060】次に、その相対変位ベクトル及び相対速度
ベクトルを利用して、前記各々のマウントの相対荷重ベ
クトルを3自由度で算出する第4手順を実行する(ステ
ップ#9)。具体的には、図5中の式(2)のような、
相対変位ベクトル及び相対速度ベクトルを変数とする関
数により相対荷重ベクトルを算出することができる。式
(2)では、時間tとともに、上記以外にマウントの温
度依存性を内部変数として含むが、周波数依存性や変位
量依存性などを内部変数として導入することができる。
【0061】式(2)の最も基本的な形は、 W=kx+cx. 〔ここで、kはばね定数、xは変位量、cは減衰係数、
. は変位速度である〕であり、例えばkやcに対し
て、温度依存性、周波数依存性、変位量依存性などを内
部変数として導入したり、別項を設けることも可能にな
る。なお、減衰項を省略したW=kxを用いて、弾性体
によるマウント支持の場合を求めることもできる。
【0062】相対荷重ベクトルの算出は、n個のマウン
トについて行う(WIn,WIIn ,W IIIn)。算出された
相対荷重ベクトルは、後の演算又は出力のために、各時
間ごとに順次記憶される(ステップ#10)。
【0063】次に、その相対荷重ベクトルを絶対座標に
おける絶対荷重ベクトルに変換する第5手順を実行する
(ステップ#11)。具体的には、第3手順と逆の演算
を、n個のマウントについて行う(Wxn,Wyn,
zn)。変換された絶対荷重ベクトルは、後の演算又は
出力のために、各時間ごとに順次記憶される(ステップ
#12)。
【0064】次に、前記各々のマウントの前記絶対荷重
ベクトル、前記剛体の質量マトリックス及び前記剛体の
重心に作用する6自由度の外力ベクトルとから、前記剛
体の重心の加速度ベクトルを6自由度で算出する第6手
順を実行する(ステップ#13)。具体的には、図5中
の式(3)の運動方程式に基づいて、n個のマウントに
ついて算出した絶対荷重ベクトルの総和Wと剛体の質量
マトリックスM及び剛体の重心に作用する6自由度の外
力ベクトルFとから、剛体重心の加速度ベクトルX..
6自由度で算出することができる。この実施形態では、
エンジンの回転で生じる反力を考慮していないが、エン
ジンに対する外力U1 として、図5中の式(3)の運動
方程式の右辺に加算すればよい。
【0065】次に、その加速度ベクトルから数値積分に
より、微小時間後の前記剛体の重心の剛体変位ベクトル
及び剛体速度ベクトルを6自由度で算出する第7手順を
実行する(ステップ#14)。具体的には、微小時間前
の剛体変位ベクトルを利用した加速度ベクトルの数値積
分により剛体速度ベクトルを算出し、微小時間前の剛体
変位ベクトルを利用した加変位ベクトルの数値積分によ
り剛体位置ベクトルを算出することができる。算出され
た剛体変位ベクトル及び剛体速度ベクトルは、後の演算
又は出力のために、各時間ごとに順次記憶される(ステ
ップ#15)。
【0066】次に、算出された剛体変位ベクトル及び剛
体速度ベクトルに基づいて、前記第2手順から第7手順
を繰り返す。つまり、微小時間後の剛体変位ベクトル及
び剛体速度ベクトルに基づいて、微小時間後の状態(ス
テップ#16)について前記一連の演算が行われ、これ
が終了時間tend まで繰り返される(ループ1)+ステッ
プ#17)。
【0067】以上の実施形態の説明では、マウントから
車体に伝達する反力に言及していないが、マウントの荷
重ベクトルと同じ反力が車体に伝達する反力として生じ
ることになり、1自由度の例と同様にして全体をモデル
化することで、車体の振動を6自由度でシミュレーショ
ンすることができる。また、上記の実施形態では、マウ
ントの相対荷重ベクトルを3自由度で算出したが、これ
を6自由度で算出してもよく、特に懸架機構やタイヤの
場合には、6自由度で算出するのが有効になる。
【0068】(2)前述の実施形態では、要素結合モデ
ルに人体及びシートを含まない例を示したが、図6に示
すように、要素結合モデルが、構造要素として更に人体
7を含み、前記弾性要素として更にシート8を含み、そ
れら人体7及びシート8、並びに前記車体3がモデル支
持点を介して結合されたものでもよい。このようなモデ
ルによると、人体に伝達する振動を更に現実に近い形で
シミュレーションすることができる。
【0069】上記の場合、第2手順では、構造要素につ
いての運動方程式(数式1)に人体についての運動方程
式が追加され、弾性要素についての運動方程式(数式
2)にシートについての運動方程式が追加される。これ
らの運動方程式には、シートの車軸側のモデル支持点の
位置に関する状態量Y7 、シートの人体側のモデル支持
点の位置に関する状態量Y6 、シートから人体又は車体
に伝達する反力F4 などが含まれるが、基本的な考え方
は、前述の実施形態と同様である。
【0070】また、第3手順では、追加された運動方程
式を含めて連立させた連立方程式を解くことになる。第
4手順では、人体及びシートの影響が反映された形で車
体の所定の位置における振動に関する状態量の変化をシ
ミュレーションすることができるが、それに代えて又は
それに加えて、人体の重心での振動に関する状態量の変
化をシミュレーションしたり、人体のシート側のモデル
支持点の位置での振動に関する状態量の変化をシミュレ
ーションしてもよい。
【0071】(3)前述の実施形態では、路面からの入
力として、路面からタイヤが受ける変位U2 を設定する
例を示したが、路面からタイヤが受ける力をタイヤへの
外力として設定してもよい。その場合、同じ路面のうね
りに対して、車体重量、タイヤ剛性、懸架機構のばね定
数などによってタイヤへの外力が変動するため、これら
が近似する条件で実測された外力(外力の経時変化)
を、仮定した外力として設定するのが好ましい。また、
実測された外力を車体重量、タイヤ剛性、懸架機構のば
ね定数などを考慮して補正したものを外力として設定し
てもよい。
【0072】(4)前述の実施形態では、要素結合モデ
ルとして、前記懸架機構を一体として弾性要素としてモ
デル化する例を示したが、懸架機構の構成部材を弾性要
素と構造要素に分割して各々が連結したモデルとして要
素結合モデルを設定してもよい。
【0073】その場合、例えば、ショックアブソーバ
(減衰機構)とコイルスプリングの他、軸受け部のラバ
ーブッシュ、ストラットマウント、バウンドバンパなど
の構成部材を弾性要素とし、その他の構成部材を構造要
素して選択することができる。また、それらの結合形態
は、懸架機構の各種形態に応じてそれが忠実に再現でき
るようにモデル支持点の位置関係などを設定すればよ
い。
【0074】各々の弾性要素と構造要素に対する運動方
程式の作成については、前述の実施形態と同様であり、
第2手順において、各々の構造要素についてそれに伝達
される力を変数とする運動方程式を作成すると共に、各
々の弾性要素について各々のモデル支持点での位置に関
する状態量から反力を求める運動方程式が作成される。
また、それらの運動方程式は、第3手順において、他の
運動方程式と共に連立させた連立方程式として解が求め
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における要素結合モデルの一例(z方向
の1自由度でモデル化)を示すモデル図
【図2】本発明における運動方程式の入出力関係を示す
【図3】本発明のシミュレーション方法の一例に対応す
るフローチャート
【図4】本発明における6自由度シミュレーション方法
の一例に対応するフローチャート
【図5】本発明における6自由度シミュレーション方法
の概要を分割モデルと共に示す説明図
【図6】本発明における要素結合モデルの他の例を示す
モデル図
【符号の説明】
1 モデル化されたエンジン 2 モデル化されたマウント 3 モデル化された車体 4 モデル化された懸架機構 5 モデル化された車軸 6 モデル化されたタイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/50 680 G01M 7/00 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンがマウントを介して車体に支持
    され、その車体が懸架機構と車軸を介してタイヤに連結
    された自動車における前記車体の振動をシミュレーショ
    ンする方法であって、 エンジン、車体、及び車軸を構造要素とし、マウント、
    懸架機構、及びタイヤを弾性要素として各々がモデル支
    持点を介して結合され、エンジンの回転で生じる反力を
    エンジンに対する外力とし、路面からタイヤが受ける力
    又は変位をタイヤへの外力又は変位とする要素結合モデ
    ルを設定する第1手順と、 その要素結合モデルに基づいて、各々の構造要素につい
    てそれに伝達される力を変数とする運動方程式を作成す
    ると共に、各々の弾性要素について各々のモデル支持点
    での位置に関する状態量から反力を求める運動方程式を
    作成する第2手順と、 設定される初期条件に基づいて、前記全ての運動方程式
    を力の釣り合いの仮定の下で連立させた連立方程式を解
    くことで、前記車体に結合したモデル支持点での位置に
    関する状態量又は前記車体の重心位置に関する状態量の
    数値解を、微小時間毎に求める第3手順と、 この第3手順を実行しながら又はその結果に基づいて、
    前記車体の所定の位置における振動に関する状態量の変
    化をシミュレーションする第4手順とを含む車体振動の
    シミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 前記第1手順における要素結合モデル
    が、前記構造要素として更に人体を含み、前記弾性要素
    として更にシートを含み、それら人体及びシート、並び
    に前記車体がモデル支持点を介して結合されたものであ
    る請求項1記載の車体振動のシミュレーション方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の車体振動のシミュレー
    ション方法における要素結合モデルとして、前記懸架機
    構を弾性要素とする代わりに、懸架機構の構成部材を弾
    性要素と構造要素に分割して各々が連結したモデルとし
    て要素結合モデルを設定する車体振動のシミュレーショ
    ン方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の車体振動
    のシミュレーション方法における前記第2手順で作成さ
    れた各々の運動方程式の入力を許容し、前記第3手順及
    び第4手順をコンピュータで実行するためのプログラ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれかに記載の車体振動
    のシミュレーション方法における処理手順を実行して、
    前記車体の所定の位置における振動に関する状態量の変
    化をシミュレーションした後、前記構造要素及び弾性要
    素のうちの1種以上の特性を変更して前記処理手順によ
    るシミュレーションを順次繰り返すことにより、前記車
    体の振動を好適化する条件を決定する防振システムの好
    適化方法。
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