JP2017156222A - タイヤの振動性能評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空洞モデルの要素つぶれを防ぐ。
【解決手段】 タイヤの振動性能を、コンピュータを用いて評価するための方法である。この評価方法は、リム組み前のタイヤを有限個の要素を用いてモデル化した第1タイヤモデルを、コンピュータに入力する工程S1と、コンピュータが、第1タイヤモデルを変形させることにより、リム組みされたタイヤの形状に近似する第2タイヤモデルを作成する工程S2と、第2タイヤモデルのタイヤ内腔に、タイヤ内腔内の空気の圧力を計算するための有限個の要素を有する空洞モデルが定義された第3タイヤモデルを、コンピュータに入力する工程S3と、コンピュータが、第3タイヤモデルを変形させて、タイヤの振動に関する物理量を計算する工程S4とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、タイヤの振動性能を、コンピュータを用いて評価する方法に関する。
従来、コンピュータを用いて、タイヤの振動性能を評価するための方法が種々提案されている。例えば、下記特許文献1には、タイヤモデルのタイヤ内腔に、タイヤ内腔内の空気の振動を計算するための空洞モデルを定義する工程と、空洞モデルが定義されたタイヤモデルを用いて転動計算を実施する工程とが記載されている。そして、タイヤモデルの転動計算結果から、タイヤの振動性能が評価される。
特許第4528293号公報
上記特許文献1のタイヤモデルは、タイヤ内腔に空洞モデルが定義された後に、リム組みされたタイヤの形状へと変形されている。このため、空洞モデルは、タイヤモデルの変形によって圧迫され、空洞モデルの要素がネガティブに変形(体積が負に変形)する所謂”要素つぶれ”が生じやすいという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、空洞モデルの要素つぶれを防ぎうるタイヤの振動性能評価方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、タイヤの振動性能を、コンピュータを用いて評価するための方法であって、リム組み前の前記タイヤを有限個の要素を用いてモデル化した第1タイヤモデルを、前記コンピュータに入力する工程と、前記コンピュータが、前記第1タイヤモデルを変形させることにより、リム組みされた前記タイヤの形状に近似する第2タイヤモデルを作成する工程と、前記第2タイヤモデルのタイヤ内腔に、前記タイヤ内腔内の空気の圧力を計算するための有限個の要素を有する空洞モデルが定義された第3タイヤモデルを、前記コンピュータに入力する工程と、前記コンピュータが、前記第3タイヤモデルを変形させて、前記タイヤの振動に関する物理量を計算する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤの振動性能評価方法において、前記空洞モデルの前記要素は、前記第3タイヤモデルのタイヤ内腔面に面して配される複数の外側要素と、前記外側要素で囲まれる複数の内側要素とを含み、少なくとも1つの前記外側要素の大きさは、前記内側要素のいずれより小さいのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤの振動性能評価方法において、前記外側要素は、前記第3タイヤモデルのサイドウォール部のタイヤ内腔面に面して配される少なくとも1つの第1外側要素を含み、前記第1外側要素の大きさは、前記内側要素のいずれよりも小さいのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤの振動性能評価方法において、前記外側要素は、前記第3タイヤモデルのトレッド部のタイヤ内腔面に面して配される少なくとも1つの第2外側要素を含み、前記第2外側要素の大きさは、前記内側要素のいずれよりも小さいのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤの振動性能評価方法において、前記空洞モデルには、密度及び体積弾性率が予め定義され、前記物理量を計算する工程は、前記空洞モデルの各要素の圧力を計算する工程を含むのが望ましい。
本発明のタイヤの振動性能評価方法は、コンピュータが、リム組み前のタイヤをモデル化した第1タイヤモデルを変形させることにより、リム組みされたタイヤの形状に近似する第2タイヤモデルを作成する工程と、第2タイヤモデルのタイヤ内腔に、タイヤ内腔内の空気の圧力を計算するための有限個の要素を有する空洞モデルが定義された第3タイヤモデルを変形させて、タイヤの振動に関する物理量を計算する工程とを含んでいる。
本発明は、上記特許文献1とは異なり、リム組みされたタイヤの形状に近似する第2タイヤモデルに、空洞モデルが定義されるため、空洞モデルの要素つぶれを確実に防ぐことができる。
本実施形態のタイヤの振動性能評価方法を実行するためのコンピュータの一例を示す斜視図である。 本実施形態のタイヤの振動性能評価方法によって振動性能が評価されるタイヤ2の一例を示す断面図である。 本実施形態のタイヤの振動性能評価方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の第1タイヤモデルの一例を示す断面図である。 第2タイヤモデル作成工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 リムモデル嵌合工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 リムモデルに嵌合された第2タイヤモデルを示す断面図である。 第3タイヤモデル作成工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 空洞モデルが定義された第3タイヤモデルの一例を示す断面図である。 三次元に展開された第3タイヤモデルの一部を示す図である。 物理量計算工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第3タイヤモデル及び路面モデルの一例を示す図である。 第3タイヤモデルの回転軸に作用する上下力の周波数分析値の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のタイヤの振動性能評価方法(以下、単に「評価方法」ということがある。)は、タイヤの振動性能を、コンピュータを用いて評価するための方法である。
図1は、本実施形態の評価方法を実行するためのコンピュータの一例を示す斜視図である。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んでいる。この本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。記憶装置には、本実施形態の評価方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。従って、コンピュータ1は、タイヤの振動性能を評価するためのシミュレーション装置として構成される。
図2は、本実施形態の評価方法によって振動性能が評価されるタイヤ2の一例を示す断面図である。本実施形態のタイヤ2は、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配されるベルト層7とが設けられている。
一対のビード部2c、2cは、タイヤ赤道Cに対してタイヤ軸方向の一方側に設けられる第1ビード部4Aと、タイヤ赤道Cに対してタイヤ軸方向の他方側に設けられる第2ビード部4Bとに区分される。各ビード部4A、4Bは、半径方向内面であるビード底面4Aa、4Ba、及び、各ビード底面4Aa、4Baのヒール側に連なってタイヤ半径方向外側にのびるビード側面4Ab、4Bbがそれぞれ設けられる。これらのビード部4A、4Bは、リム9に嵌合される。
図2に示されるように、カーカス6は、少なくとも1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで構成される。このカーカスプライ6Aは、トレッド部2aからサイドウォール部2b、2bを経てビード部2c、2c(第1ビード部4A及び第2ビード部4B)のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとが含まれる。
本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が配される。また、カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道Cに対して、例えば75〜90度の角度で配列されたカーカスコード(図示省略)が含まれる。また、カーカス6の内面には、タイヤ2のタイヤ内腔面2sをなすインナーライナーゴム10が、第1ビード部4A及び第2ビード部4B間に架け渡されている。
ベルト層7は、ベルトコードを、タイヤ周方向に対して例えば10〜35度の角度で傾けて配列した内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを含んで構成されている。これらのベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。
リム9は、タイヤ赤道Cに対してタイヤ軸方向の一方側に設けられる第1リム片9Aと、タイヤ赤道Cに対してタイヤ軸方向の他方側に設けられる第2リム片9Bとに区分される。
第1リム片9Aは、第1ビード部4Aのビード底面4Aaに接触するリムシート面9Aaと、第1ビード部4Aのビード側面4Abに接触するリムフランジ面9Abとが設けられている。第2リム片9Bは、第1リム片9Aと同様に、第2ビード部4Bのビード底面4Baに接触するリムシート面9Baと、第2ビード部4Bのビード側面4Bbに接触するリムフランジ面9Bbとが設けられている。このようなリム9は、第1ビード部4A及び第2ビード部4Bを嵌合しうる。
本実施形態のタイヤ2は、第1ビード部4A及び第2ビード部4Bへのリム嵌合性を高めるために、リム組み前の自然状態(即ち、タイヤに荷重等が作用していない状態)において、一対のビード側面4Ab、4Bb(2点鎖線で示す)間の距離L1が、リム幅W1よりも大に設定されている。なお、リム幅W1は、第1リム片9Aのリムフランジ面9Abと、第2リム片9Bのリムフランジ面9Bbとのタイヤ軸方向の長さを示している。
図3は、本実施形態の評価方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の評価方法では、先ず、コンピュータ1に、リム組み前のタイヤ2をモデル化した第1タイヤモデルが入力される(工程S1)。図4は、本実施形態の第1タイヤモデル12Aの一例を示す断面図である。
工程S1では、リム組み前のタイヤ2(図2に示す)に関する情報に基づいて、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素F(i)(i=1、2、…)を用いて離散化している。これにより、リム組み前のタイヤ2がモデル化された第1タイヤモデル12Aが設定される。
本実施形態の第1タイヤモデル12Aは、タイヤ子午線断面の二次元モデルとして設定されている。なお、第1タイヤモデル12Aは、三次元モデルとして設定されてもよい。また、本実施形態の第1タイヤモデル12Aの一対のビード部12c、12cは、タイヤ2の第1ビード部4A(図2に示す)に対応する第1ビード部14Aと、第2ビード部4B(図2に示す)に対応する第2ビード部14Bとに区分される。
第1ビード部14A及び第2ビード部14Bは、図2に示したタイヤ2と同様に、ビード底面14Aa、14Ba、及び、ビード側面14Ab、14Bbがそれぞれ設けられる。また、本実施形態の第1タイヤモデル12Aは、リム組み前のタイヤ2の一対のビード側面4Ab、4Bb(2点鎖線で示す)間の距離L1(図2に示す)と同様に、一対のビード側面14Ab、14Bb間のタイヤ軸方向の距離L2が、リム9のリム幅W1(図2に示す)よりも大に設定されている。
数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用できるが、本実施形態では有限要素法が採用されている。第1タイヤモデル12Aが二次元モデルとして設定される場合、要素F(i)としては、例えば、複雑な形状を表現するのに適した三角形要素や四辺形要素等の面要素が好ましいが、これに限定されることはない。また、第1タイヤモデル12Aが三次元モデルとして設定される場合、要素F(i)としては、例えば、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素又は6面体ソリッド要素等が好ましいが、これに限定されることはない。各要素F(i)には、複数個の節点18が設けられる。このような各要素F(i)には、要素番号、節点18の番号、節点18の座標値及び材料特性(例えば、密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などの数値データが定義される。第1タイヤモデル12Aは、コンピュータ1(図1に示す)に記憶される。
次に、本実施形態の評価方法では、コンピュータ1が、リム組みされたタイヤ2(図2に示す)の形状に近似する第2タイヤモデルを作成する(第2タイヤモデル作成工程S2)。第2タイヤモデル作成工程S2では、第1タイヤモデル12Aを変形させることにより、第2タイヤモデルが作成される。図5は、第2タイヤモデル作成工程S2の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の第2タイヤモデル作成工程S2は、先ず、コンピュータ1に、リム9(図2に示した)をモデル化したリムモデルが入力される(工程S21)。図4に示されるように、本実施形態のリムモデル19は、第1タイヤモデル12Aと同様に、二次元モデルとして設定されている。なお、第1タイヤモデル12Aが三次元モデルとして設定される場合、リムモデル19は、三次元モデルとして設定されてもよい。
工程S21では、リム9(図2に示す)に関する情報に基づいて、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素G(i)(i=1、2、…)を用いて離散化している。これにより、リム9がモデル化されたリムモデル19が設定される。要素G(i)は、要素F(i)の面要素とは異なり、線要素として設定されている。
各要素G(i)に適用される数値解析法は、第1タイヤモデル12Aの要素F(i)と同様のものが採用されうる。また、各要素G(i)には、要素番号、節点21の番号、節点21の座標値及び材料特性(例えば、密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などの数値データが定義される。
リムモデル19は、第1リム片9A(図2に示す)をモデル化した第1リム片モデル19Aと、第2リム片9B(図2に示す)をモデル化した第2リム片モデル19Bとが、分離可能に独立して設定されている。これらのリム片モデル19A、19Bは、図2に示したリム9と同様に、リムシート面19Aa、19Baと、リムフランジ面19Ab、19Bbとがそれぞれ設けられている。このような第1リム片モデル19A及び第2リム片モデル19Bは、図2に示したリム9の第1リム片9A及び第2リム片9Bとは異なり、第1タイヤモデル12Aに対して、独立して移動されうる。第1リム片モデル19A及び第2リム片モデル19Bは、コンピュータ1に入力される。
なお、本実施形態のリムモデル19は、第1リム片9A及び第2リム片9Bのみをモデル化したものに限定されるわけではなく、例えば、実際のホイール(図示省略)のように、リム部及びディスク部を再現したホイールモデル(図示省略)であってもよい。
次に、第2タイヤモデル作成工程S2は、コンピュータ1が、第1タイヤモデル12Aにリムモデル19を嵌合させる(リムモデル嵌合工程S22)。図6は、リムモデル嵌合工程S22の処理手順の一例を示すフローチャートである。図7は、リムモデル19に嵌合された第2タイヤモデルを示す断面図である。
本実施形態のリムモデル嵌合工程S22では、先ず、図4に示されるように、第1タイヤモデル12Aのビード部12cから、リムモデル19を離間して配置する(工程S221)。工程S221では、互いに独立して定義された第1リム片モデル19A及び第2リム片モデル19Bが、第1タイヤモデル12Aの第1ビード部14A及び第2ビード部14Bから離間して配置される。なお、この工程S221において、第1タイヤモデル12Aは、内圧が充填されていない自由状態として定義される。
本実施形態では、図7に示されるように、第1リム片モデル19Aのリムフランジ面19Ab(二点鎖線で示す)を、第1ビード部14Aのビード側面14Abのタイヤ軸方向外側に離間して配置する。さらに、工程S221では、第2リム片モデル19Bのリムフランジ面19Bb(二点鎖線で示す)を、第2ビード部14Bのビード側面14Bbのタイヤ軸方向外側に離間して配置する。
次に、本実施形態のリムモデル嵌合工程S22では、リムモデル19を、第1タイヤモデル12Aのビード部12cに当接させる(工程S222)。本実施形態では、第1リム片モデル19Aをタイヤ軸方向内側に移動させて第1ビード部14Aに当接させるとともに、第2リム片モデル19Bをタイヤ軸方向内側に移動させて第2ビード部14Bに当接させる。
工程S222では、一対のビード側面14Ab、14Bb間のタイヤ軸方向の距離L2が、図2に示したリム9のリム幅W1に等しくなるまで、第1リム片モデル19A及び第2リム片モデル19Bがタイヤ軸方向内側に移動される。これにより、第1リム片モデル19A及び第2リム片モデル19Bは、第1ビード部14A及び第2ビード部14Bをタイヤ軸方向内側に移動させ(変形させ)、かつ、距離L2がリム幅W1に等しくなる位置で第1ビード部14A及び第2ビード部14Bを拘束することができる。
第1タイヤモデル12Aの変形計算は、各要素F(i)の形状及び材料特性などをもとに、各要素F(i)の質量マトリックス、剛性マトリックス、及び、減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらの各マトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、コンピュータ1が、前記各種の条件を当てはめて運動方程式を作成し、これらを微小時間(単位時間Tx(x=0、1、…))ごとに第1タイヤモデル12Aの変形計算を行う。後述する第2タイヤモデル、及び、第3タイヤモデルの変形計算も同様である。このような変形計算(後述する転動計算を含む)は、例えば、Dassault Systems社製のAbaqus、LSTC社製のLS-DYNA、又は、MSC社製のNastranなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算されうる。なお、単位時間Txについては、求められるシミュレーション精度によって、適宜設定されうる。
一対のビード側面14Ab、14Bb間の距離L2をリム幅W1(図2に示す)に一致させると、第1リム片モデル19Aのタイヤ軸方向の内端19Ai、及び、第2リム片モデル19Bのタイヤ軸方向の内端19Biが当接する。これらの内端19Ai、19Biには、拘束条件が設定される。これにより第1リム片モデル19A及び第2リム片モデル19Bは、一体に連結される。
第1リム片モデル19A及び第2リム片モデル19Bを第1ビード部14A及び第2ビード部14Bに当接させるのに先立ち、第1リム片モデル19Aと第1ビード部14Aとの間、及び、第2リム片モデル19Bと第2ビード部14Bとの間に、摩擦係数がゼロに定義されるのが望ましい。これにより、第1リム片モデル19A及び第2リム片モデル19Bを、第1ビード部14A及び第2ビード部14Bにスムーズに当接させることができる。
次に、本実施形態のリムモデル嵌合工程S22では、タイヤ2に定められている第1内圧以下の第2内圧を負荷する変形計算を行う(工程S223)。第1内圧としては、例えば、タイヤ2(図2に示す)が基づいている規格を含む規格体系において、各規格が定めている空気圧が設定される。
工程S223では、第2内圧に相当する等分布荷重w2に基づいて、第1タイヤモデル12Aの変形が計算される。これにより、工程S223では、第1ビード部14Aと第1リム片モデル19Aとの間、及び、第2ビード部14Bと第2リム片モデル19Bとの間を密着させた状態を計算することができる。第2内圧は、第1内圧の20%〜90%が望ましい。
次に、本実施形態のリムモデル嵌合工程S22では、第1タイヤモデル12Aに、第2内圧よりも低い第3内圧を定義する(工程S224)。工程S224では、第3内圧に相当する等分布荷重(図示省略)に基づいて、第1タイヤモデル12Aの変形が計算される。これにより、実際のリム組みされたタイヤ2(図2に示す)の形状に近似する第2タイヤモデル12Bが作成される。第2タイヤモデル12Bは、コンピュータ1に入力される。
なお、第3内圧は、0kPaでもよいが、第1ビード部14A及び第2ビード部14Bが、第1リム片モデル19Aのリムシート面19Aa、及び、第2リム片モデル19Bのリムシート面19Baの傾斜に沿って、タイヤ軸方向内側に位置ずれするおそれがある。このような位置ずれを防ぐために、第3内圧は、例えば、10〜50kPaに設定されるのが望ましい。これにより、第1ビード部14Aと第1リム片モデル19Aとの間、及び、第2ビード部14Bと第2リム片モデル19Bとの間を密着した状態が維持されるため、第1ビード部14A及び第2ビード部14Bの位置ずれを防ぐことができ、後述の物理量計算工程S4及び工程S5において、タイヤの振動性能を安定して評価することができる。
また、工程S224では、第1ビード部14A及び第2ビード部14Bの位置ずれを防ぐために、第3内圧の定義に代えて、第1リム片モデル19Aと第1ビード部14Aとの間、及び、第2リム片モデル19Bと第2ビード部14Bとの間に、元の摩擦係数が設定されてもよい。また、前記摩擦係数に代えて、又は、前記摩擦係数とともに、第1ビード部14A及び第2ビード部14Bの動きを拘束する境界条件が設定されてもよい。
次に、本実施形態の評価方法では、コンピュータ1に、第2タイヤモデル12Bのタイヤ内腔12iに、空洞モデルが定義された第3タイヤモデルが入力(作成)される(第3タイヤモデル作成工程S3)。本実施形態の空洞モデルは、第3タイヤモデルのタイヤ内腔12i内の空気の圧力を計算するためのものである。図8は、第3タイヤモデル作成工程S3の処理手順の一例を示すフローチャートである。図9は、空洞モデル20が定義された第3タイヤモデル12Cの一例を示す断面図である。
本実施形態の第3タイヤモデル作成工程S3では、先ず、第2タイヤモデル12Bのタイヤ内腔12i(図7に示す)に、空洞モデル20が定義される(工程S31)。本実施形態の空洞モデル20は、第2タイヤモデル12Bのタイヤ内腔面12sとリムモデル19とで閉じられたタイヤ内腔12i(図7に示す)を、有限個の要素H(i)(i=1、2、…)を用いて離散化している。これにより、第2タイヤモデル12Bのタイヤ内腔12iに、空洞モデル20が定義された第3タイヤモデル12Cが作成される。
本実施形態の空洞モデル20の要素F(i)は、第3タイヤモデル12Cのタイヤ内腔面12sに面して配される複数の外側要素15(図9において、着色して示している)と、外側要素15で囲まれる複数の内側要素16とを含んで構成されている。本実施形態の外側要素15は、第3タイヤモデル12Cのサイドウォール部12bのタイヤ内腔面12sに面して配される少なくとも1つの第1外側要素15aと、第3タイヤモデル12Cのトレッド部12aのタイヤ内腔面12sに面して配される少なくとも1つの第2外側要素15bを含んでいる。
工程S31において、空洞モデル20は、第1タイヤモデル12Aと同様に、二次元モデルとして設定されている。なお、第2タイヤモデル12B(第1タイヤモデル)が三次元モデルとして設定される場合、空洞モデル20は、三次元モデルとして設定されてもよい。要素H(i)は、数値解析法により取り扱い可能であり、かつ、圧力計算が可能なものである。数値解析法は、図7に示した第2タイヤモデル12Bの要素F(i)やリムモデル19の要素G(i)と同様のものが採用されうる。また、各要素H(i)には、要素番号、節点22の番号、節点22の座標値及び材料特性(例えば、密度及び体積弾性率等)などの数値データが定義される。なお、空洞モデル20の密度及び体積弾性率の初期値は、上記特許文献1のとおりである。
また、空洞モデル20の各要素H(i)の初期圧力は、ゼロに設定される。本実施形態の要素H(i)は、メッシュが変形することはないオイラー要素が採用されている。なお、要素H(i)は、ラグランジェ要素が採用されてもよい。
このように、本実施形態の第3タイヤモデル作成工程S3では、リム組みされたタイヤの形状に近似する第2タイヤモデル12Bに、空洞モデル20が定義されている。これにより、本実施形態の第3タイヤモデル作成工程S3は、空洞モデル20が定義された後にリム組みタイヤの形状へと変形させる上記特許文献1とは異なり、空洞モデル20の要素つぶれ(即ち、空洞モデルの要素がネガティブに変形する)を確実に防ぐことができる。従って、本実施形態の評価方法は、後述の物理量計算工程S4及び工程S5において、タイヤの振動性能を安定して評価することができる。
しかも、本実施形態では、例えば、上記特許文献1のように、空洞モデル20の要素つぶれを防ぐことを目的として、外側要素15を内側要素16よりも大きくする必要がない。なお、外側要素15が内側要素16よりも大に設定されると、後述の物理量計算工程S4において、外側要素15の体積変化(圧力変化)が小さく計算されるおそれがある。従って、本実施形態では、外側要素15の体積変化(圧力変化)が小さく計算されるのを防ぐことができる。
次に、本実施形態の第3タイヤモデル作成工程S3では、空洞モデル20が定義された第3タイヤモデル12Cを三次元に展開させる(工程S32)。なお、第3タイヤモデル12C及び空洞モデル20が三次元モデルとして定義されている場合は、本工程S32は省略される。図10は、三次元に展開された第3タイヤモデル12Cの一部を示す図である。
工程S32では、先ず、第2タイヤモデル12Bの要素F(i)の各節点18、リムモデル19の要素G(i)の各節点21、及び、空洞モデル20の要素H(i)の各節点22が、所定の角度ピッチでタイヤ周方向に連続複写される。次に、タイヤ周方向で隣り合う節点18、18間、節点21、21間、及び、節点22、22間が相互に連結され、二次元の要素F(i)、G(i)、H(i)を三次元に再要素化(リメッシュ化)される。これにより、工程S32では、三次元の第3タイヤモデル12C及び空洞モデル20が設定される。このように、本実施形態では、図9に示した二次元の第3タイヤモデル12C及び空洞モデル20を三次元に展開させているため、三次元の第3タイヤモデル12C及び空洞モデル20を短時間で作成することができる。第3タイヤモデル12Cは、コンピュータに入力される。
次に、本実施形態の評価方法では、コンピュータ1が、第3タイヤモデル12Cを変形させて、タイヤの振動に関する物理量を計算する(物理量計算工程S4)。本実施形態の物理量計算工程S4では、三次元の第3タイヤモデル12Cを路面モデル上で転動させ、第3タイヤモデル12Cから振動に関する物理量が計算される。図11は、物理量計算工程S4の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の物理量計算工程S4では、先ず、コンピュータ1に、路面(図示省略)を、有限個の要素でモデル化した路面モデルが入力される(工程S41)。図12は、第3タイヤモデル12C及び路面モデル25の一例を示す図である。
路面モデル25は、例えば、単一の平面を構成する剛表面の要素Jでモデル化される。これにより、路面モデル25は、外力が作用しても変形不能に定義される。そして、路面モデル25を構成する要素Jの数値データが、コンピュータ1に記憶される。
本実施形態の路面モデル25は、凹凸のない平滑な表面を有しているが、凹凸が形成されてもよい。凹凸の大きさは、例えば、アスファルト路面のような微小凹凸、不規則な段差、窪み、うねり、又は、轍等の実走行路面に近似させてもよい。また、路面モデル25は、例えば、ドラム試験機のように円筒状表面に形成されても良い。
次に、本実施形態の物理量計算工程S4では、コンピュータ1に、境界条件が定義される(工程S42)。境界条件としては、第3タイヤモデル12Cを路面モデル25に接触させ、かつ、予め定められた速度で転動させて変形計算を行うのに必要な各種の条件を含んでいる。一例としては、第3タイヤモデル12Cの内圧条件(前記第1内圧)、負荷荷重条件Tw、スリップ角、キャンバー角、走行速度V、又は、第3タイヤモデル12Cと路面モデル25との間の摩擦係数などである。
次に、本実施形態の物理量計算工程S4では、コンピュータ1が、第3タイヤモデル12Cの第1内圧を充填した後の形状を計算する(工程S43)。工程S43では、第1内圧に相当する等分布荷重(図示省略)に基づいて、第3タイヤモデル12Cの変形が計算される。これにより、工程S43では、内圧充填後の第3タイヤモデル12Cが計算される。
工程S43では、第1内圧に相当する等分布荷重(図示省略)による第3タイヤモデル12Cの変形により、タイヤ内腔12i(図7に示す)の体積が大きくなる。このタイヤ内腔12iの増大により、タイヤ内腔面12sに面して配される外側要素15(図10に示す)が大きくなる。
体積が大きくなった外側要素15は、後述の空洞モデル20の圧力を計算する工程S46において、タイヤ内腔面12sから空洞モデル20に伝達される加速度(圧力)が小さく計算されるおそれがある。このため、本実施形態では、図9に示されるように、第1内圧充填後の第3タイヤモデル12Cにおいて、少なくとも1つの外側要素15の大きさは、内側要素16のいずれより小さくなるように設定されるのが望ましい。これにより、第3タイヤモデル12Cの内圧充填後の形状が計算された後も、タイヤ内腔面12sから空洞モデル20に伝達される加速度(圧力)を精度よく計算することができるため、タイヤの振動性能をより精度よく評価することができる。外側要素15の上記大きさの設定は、空洞モデル20を定義する工程S31において予め設定されていても良いし、本工程S43においてリメッシュされても良い。
また、第3タイヤモデル12Cの等分布荷重(図示省略)による変形は、サイドウォール部12b側で大きくなる傾向がある。このため、第3タイヤモデル12Cのサイドウォール部12bのタイヤ内腔面12sに面して配される少なくとも1つの第1外側要素15aの大きさが、内側要素16のいずれよりも小さいのが望ましい。これにより、サイドウォール部12b側の第1外側要素15aに限定して、その大きさを小さくできるため、モデル化に要する時間を短縮することができる。
本実施形態のように、第3タイヤモデル12Cのタイヤ内腔面12sに面して配される全ての外側要素15の大きさ(例えば、第1内圧充填後の第3タイヤモデル12Cにおいて、タイヤ内腔面12sに直交する方向に沿った外側要素15の長さL5)が、内側要素16のいずれよりも小さくてもよい。これにより、タイヤ内腔面12sの全域において、外側要素15の体積変化(圧力変化)が小さく計算されるのを、効果的に防ぐことができる。
次に、本実施形態の物理量計算工程S4では、図12に示されるように、コンピュータ1が、路面モデル25に対して荷重Twが定義された第3タイヤモデル12Cを計算する(工程S44)。工程S44では、先ず、第1内圧充填後の第3タイヤモデル12Cと、路面モデル25との接触が計算される。次に、工程S44では、荷重Tw、キャンバー角(図示省略)、及び、摩擦係数に基づいて、第3タイヤモデル12Cの変形が計算される。これにより、工程S44では、路面モデル25に接地した第3タイヤモデル12Cが計算される。
次に、本実施形態の物理量計算工程S4では、コンピュータ1が、路面モデル25上で転動する第3タイヤモデル12Cを計算する(工程S45)。工程S45では、先ず、第3タイヤモデル12Cに、走行速度Vに対応する角速度V1が設定される。次に、工程S45では、路面モデル25に、走行速度Vに対応する並進速度V2が設定される。これにより、路面モデル25の上を走行速度Vで転動する第3タイヤモデル12Cが、単位時間毎に計算される。この転動計算では、第3タイヤモデル12Cの各要素F(i)の密度又は硬さ等に基づいて、応力波伝達時間が計算される。
次に、本実施形態の物理量計算工程S4では、コンピュータ1が、図9に示した空洞モデル20の各要素H(i)の圧力を計算する(工程S46)。工程S46では、第3タイヤモデル12Cのタイヤ内腔面12sから空洞モデル20に入力される加速度に基づいて、空洞モデル20の各要素H(i)の圧力が計算される。空洞モデル20の各要素G(i)の圧力は、上記特許文献1の式(1)に基づいて計算されうる。なお、空洞モデル3の中の圧力変化は、空洞モデル3の初期圧力を基準とした相対的な圧力値で表現される。
次に、本実施形態の物理量計算工程S4では、コンピュータ1が、空洞モデル20の圧力変化に基づいて、空洞モデル20が第3タイヤモデル12Cに及ぼす力を計算する(工程S47)。これにより、物理量計算工程S4では、図2に示したタイヤ2のタイヤ内腔2iの空気の影響を考慮した転動計算を行うことができる。
工程S47では、図9に示されるように、第3タイヤモデル12Cの各要素F(i)の節点18、及び、空洞モデル20の各要素H(i)の節点22において、例えば、節点18、22の変位、速度、振動加速度、応力又はひずみ等の物理量が計算される。さらに、第3タイヤモデル12Cの回転軸に作用する上下力が計算される。これらの物理量は、単位時間毎に計算される。これらの物理量は、コンピュータ1に入力される。
次に、本実施形態の物理量計算工程S4では、コンピュータ1が、予め定められた転動終了時間が経過したか否かを判断する(工程S48)。転動終了時間については、求められるシミュレーションの精度、及び、コンピュータ1の性能等に応じて、適宜設定されうる。
工程S48において、転動終了時間が経過したと判断された場合(工程S48において、「Y」)、次の工程S49が実施される。他方、転動終了時間が終了していないと判断された場合(工程S48において、「N」)、単位時間を一つ進めて(工程S50)、工程S45〜工程S48が再度実施される。これにより、物理量計算工程S4では、転動開始から転動終了までの間、第3タイヤモデル12C及び空洞モデル20の物理量の時系列データを取得することができる。
次に、本実施形態の物理量計算工程S4では、コンピュータ1が、振動に関する物理量を計算する(工程S49)。本実施形態の振動に関する物理量としては、図13に示されるように、第3タイヤモデル12Cの回転軸に作用する上下力の周波数分析値である。図13において、周波数が200〜250Hz付近に鋭いピークPkが見られる。これは、一般にタイヤ2の空洞共鳴振動として知られている。このようなピークPkの大きさに基づいて、空洞共鳴振動を評価することができる。このような振動に関する物理量は、コンピュータ1に入力される。
次に、本実施形態の評価方法では、図3に示されるように、コンピュータ1が、振動に関する物理量が、許容範囲内であるか否かを判断する(工程S5)。本実施形態の振動に関する物理量としては、図13において、周波数が200〜250Hz付近に鋭いピークPkの値が用いられる。また、許容範囲については、評価されるタイヤ2(図2に示す)の構造等に応じて、適宜設定される。
工程S5において、振動に関する物理量が許容範囲内であると判断された場合(工程S5で、「Y」)、第3タイヤモデル21Cに基づいて、タイヤ2が製造される(工程S6)。他方、振動に関する物理量が許容範囲内ではないと判断された場合(工程S5で、「N」)、タイヤ2の設計因子が変更され(工程S7)、工程S1〜工程S5が再度実施される。このように、本実施形態の評価方法は、タイヤの振動性能を精度よく評価して、振動性能が良好なタイヤ2が確実に設計されうる。
本実施形態の物理量計算工程S4では、図12に示されるように、第3タイヤモデル12Cを路面モデル25に転動させて、振動に関する物理量が計算されたが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、図10に示した第3タイヤモデル12Cのトレッド部12aに、非接地状態で外力を与えて、振動に関する物理量が計算されてもよい。このような物理量計算工程S4においても、タイヤ2の振動、及び、タイヤ内腔2i内の空気の振動の双方を考慮できるため、図2に示したタイヤ2のトレッド部2aを加振するインパクト試験を再現して、タイヤの振動性能を精度よく評価することができる。
このような実施形態では、図10に示した外側要素15のうち、第3タイヤモデル12Cのトレッド部12aのタイヤ内腔面12sに面して配される少なくとも1つの第2外側要素15bの大きさが、内側要素のいずれよりも小さいのが望ましい。これにより、トレッド部12aのタイヤ内腔面12sから空洞モデル20に伝達される振動、圧力及び加速度等を、精度よく計算することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図2に示した基本構造を有するタイヤが製造された(実験例)。このタイヤを下記の条件に基づいて、直径1.7mのドラム試験機上を走行させ、タイヤの回転軸に作用する上下力の周波数分析値が求められた。そして、周波数が200〜250Hz付近の空洞共鳴振動の大きさが測定された。
図3、図5、図6及び図8に示した処理手順に従い、かつ、表1に示した仕様に基づいて、リム組みされたタイヤの形状に近似する第2タイヤモデルが作成された後に、空洞モデルが定義され、第3タイヤモデルが作成された(実施例1〜実施例3)。
実施例2及び実施例3は、リム組みされたタイヤの形状に近似する第2タイヤモデルの内圧(第3内圧)が20kPaに設定された。他方、実施例1は、リム組みされたタイヤの形状に近似する第2タイヤモデルの内圧(第3内圧)が0kPaに設定された。
実施例1及び実施例2の空洞モデルの外側要素は、内側要素と略同一の大きさに設定された。他方、実施例3の空洞モデルの外側要素が、内側要素のいずれよりも小さく設定された。
比較のために、表1に示した仕様に基づいて、タイヤ内腔に空洞モデルが定義された後に、リム組みされたタイヤの形状へと変形させたタイヤモデルが作成された(比較例1及び比較例2)。
比較例1では、リム組みされたタイヤの形状へと変形させる前の空洞モデルにおいて、外側要素及び内側要素が略同一の大きさに設定された。比較例2では、リム組みされたタイヤの形状へと変形させるのに先立ち、外側要素が、内側要素のいずれよりも大きく設定された。
そして、図11に示した処理手順に従って、実施例1〜実施例3の第3タイヤモデル、及び、比較例1及び比較例2のタイヤモデルを、上記路面に基づいて定義された路面モデルに走行させ、周波数が200〜250Hz付近の空洞共鳴振動の大きさが計算された。評価は、実験例の空孔共鳴振動を100とする指数で表示している。数値が100に近いほど、タイヤの振動性能を精度よく評価することができることを示しており、70以上であれば良好である。共通仕様は、次のとおりである。テスト結果を、表1に示す。
タイヤサイズ:195/65R15
リムサイズ:15×6J
内圧:
第1内圧:230kPa
第2内圧:100kPa
荷重:4.1kN
速度:20km/h
路面:ロードノイズ評価用路面(アスファルト路面)
第1内圧の第3タイヤモデルの最大幅W3の増加量:1.1mm
Figure 2017156222
テストの結果、実施例1〜実施例3は、空孔共鳴振動の指数がいずれも70以上であり、タイヤの振動性能を精度よく評価できた。また、実施例2及び実施例3は、リム組みされたタイヤの形状に近似する第2タイヤモデルの内圧(第3内圧)が20kPaに設定されたため、内圧(第3内圧)が0kPaに設定された実施例1に比べて、タイヤの振動性能を精度よく評価できた。さらに、実施例3は、空洞モデルの外側要素が、内側要素のいずれよりも小さく設定されたため、実施例2よりもタイヤの振動性能を精度よく評価できた。
また、比較例1のタイヤモデルは、リム組みされたタイヤの形状へと変形されると、空洞モデルの外側要素に要素つぶれが発生し、タイヤの振動性能を評価することができなかった。また、比較例2のタイヤモデルは、空洞モデルの外側要素の大きさが、内側要素のいずれよりも大きく設定されたため、振動に関する物理量が、実施例1〜3に比べて小さく計算された。このため、比較例2は、実施例1〜3に比べて、タイヤの振動性能を精度よく評価することができなかった。
S1 リム組み前の第1タイヤモデル入力する工程
S2 リム組みされた第2タイヤモデルを作成する工程
S3 空洞モデルが定義された第3タイヤモデルを入力する工程
S4 タイヤの振動に関する物理量を計算する工程

Claims (5)

  1. タイヤの振動性能を、コンピュータを用いて評価するための方法であって、
    リム組み前の前記タイヤを有限個の要素を用いてモデル化した第1タイヤモデルを、前記コンピュータに入力する工程と、
    前記コンピュータが、前記第1タイヤモデルを変形させることにより、リム組みされた前記タイヤの形状に近似する第2タイヤモデルを作成する工程と、
    前記第2タイヤモデルのタイヤ内腔に、前記タイヤ内腔内の空気の圧力を計算するための有限個の要素を有する空洞モデルが定義された第3タイヤモデルを、前記コンピュータに入力する工程と、
    前記コンピュータが、前記第3タイヤモデルを変形させて、前記タイヤの振動に関する物理量を計算する工程とを含むことを特徴とするタイヤの振動性能評価方法。
  2. 前記空洞モデルの前記要素は、前記第3タイヤモデルのタイヤ内腔面に面して配される複数の外側要素と、前記外側要素で囲まれる複数の内側要素とを含み、
    少なくとも1つの前記外側要素の大きさは、前記内側要素のいずれより小さい請求項1記載のタイヤの振動性能評価方法。
  3. 前記外側要素は、前記第3タイヤモデルのサイドウォール部のタイヤ内腔面に面して配される少なくとも1つの第1外側要素を含み、
    前記第1外側要素の大きさは、前記内側要素のいずれよりも小さい請求項2記載のタイヤの振動性能評価方法。
  4. 前記外側要素は、前記第3タイヤモデルのトレッド部のタイヤ内腔面に面して配される少なくとも1つの第2外側要素を含み、
    前記第2外側要素の大きさは、前記内側要素のいずれよりも小さい請求項2又は3に記載のタイヤの振動性能評価方法。
  5. 前記空洞モデルには、密度及び体積弾性率が予め定義され、
    前記物理量を計算する工程は、前記空洞モデルの各要素の圧力を計算する工程を含む請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤの振動性能評価方法。
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