JP2008262367A - タイヤモデルの作成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤモデル作成の時間及び労力を軽減しつつ計算精度の低下を防ぐ.
【解決手段】タイヤ周方向にのびる縦溝及び該縦溝と交わる向きにのびる横溝を含むトレッド溝が設けられたトレッドゴム部を有するタイヤの性能を評価するための数値解析用のタイヤモデルを作成する方法であって、トレッド溝の少なくとも一本を省略してタイヤを有限個の要素を用いて分割することによりタイヤモデルを設定するステップS2と、タイヤモデルのトレッドゴム部の各要素に物性値を定義するステップS4とを含むとともに、前記物性値は、前記解析対象のタイヤが有する物性値と、省略されたトレッド溝の容積とに基づいて計算される(S3)ことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、計算精度の低下を防止しつつ作成時間及び労力を軽減しうるタイヤモデルの作成方法に関する。
タイヤの開発効率を高めるために、試作や実験に要する労力を軽減することは重要である。そのために、近年では、有限要素法を用いた数値解析(コンピューターシミューション)が種々行われている。数値解析では、解析対象となるタイヤを有限個の要素で分割したタイヤモデル(これは「メッシュモデル」とも呼ばれることがある。)を設定し、該タイヤモデルに各種の走行条件などを与えて系全体の変形計算が行われる(例えば下記特許文献1参照)。そして、タイヤモデルの変形計算から時々刻々と変化する各種の物理量(例えば、力、圧力、ひずみ等)を出力させることにより、タイヤの性能を予測することができる。
ところで、タイヤのトレッドゴム部には、通常、タイヤ周方向にのびる縦溝と、この縦溝と交わる向きにのびる横溝とを含むトレッド溝が設けられる。精度の良い数値解析法を行うためには、前記トレッド溝を忠実にタイヤモデルに再現することが望ましい。しかしながら、このようなタイヤモデルを作るには、多大な手間と労力を必要とする。
特許第3314082号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、解析対象のタイヤのトレッド溝の少なくとも一本を省略してタイヤモデルを設定し、このタイヤモデルのトレッドゴム部に、本来の物性値ではなく、省略されたトレッド溝の容積に基づいて修正された物性値を定義することを基本として、計算精度の低下を生じることなく作成時間及び労力を軽減することができるタイヤモデルの作成方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、タイヤ周方向にのびる縦溝及び該縦溝と交わる向きにのびる横溝を含むトレッド溝が設けられたトレッドゴム部を有するタイヤの性能を解析するための数値解析用のタイヤモデルを作成する方法であって、前記トレッド溝の少なくとも一本を省略して前記タイヤを有限個の要素を用いて分割することによりタイヤモデルを設定するステップと、前記タイヤモデルのトレッドゴム部の各要素に物性値を定義するステップとを含むとともに、前記物性値は、前記解析対象のタイヤのトレッドゴム部が有する物性値と、省略されたトレッド溝の容積とに基づいて計算されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記タイヤモデルを設定するステップは、解析対象のタイヤの全てのトレッド溝を省略してタイヤモデルを設定する請求項1記載のタイヤモデルの作成方法である。
また請求項3記載の発明は、前記タイヤモデルを設定するステップは、解析対象のタイヤの全ての横溝を省略してタイヤモデルを設定する請求項1記載のタイヤモデルの作成方法である。
また請求項4記載の発明は、前記物性値は、トレッドゴム部の弾性率、密度又は減衰率の少なくとも一つを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤモデルの作成方法である。
また請求項5記載の発明は、前記タイヤモデルの各要素に定義される物性値は、前記解析対象のタイヤが有する物性値に、前記省略されたトレッド溝の容積に基づいた下式(1)で得られる定数αを乗じて計算される請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤモデルの作成方法である。
α=(1−a)/(1−b) …(1)
ここで、"a"は、前記解析対象のタイヤにおけるトレッドゴム部全体の容積に対するトレッド溝の合計容積の比率であり、"b"は、前記タイヤモデルにおけるトレッドゴム部全体の容積に対するトレッド溝の合計容積比率である。
また請求項6記載の発明は、前記タイヤモデルのトレッドゴム部の各要素には、0よりも大かつ0.50未満のポアソン比が定義される請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤモデルの作成方法である。
本発明のタイヤモデルの作成方法では、解析対象のタイヤから、そのトレッド溝の少なくとも一本を省略してタイヤモデルが設定される。従って、タイヤモデル作成時間及び手間が短縮される。例えば、全てのトレッド溝又は全ての横溝を省略する場合、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面形状をタイヤ周方向に展開し、同一断面形状がタイヤ周方向に連続するようなタイヤモデルを設定することが可能になる。従って、タイヤモデルの作成時間を大幅に短縮できる。
また、本発明のタイヤモデルの作成方法では、タイヤモデルのトレッドゴム部の各要素に物性値が定義されるが、該物性値には、解析対象のタイヤのトレッドゴム部が有する本来の物性値と、省略されたトレッド溝の容積とに基づいて計算された値が用いられる。このような物性値をタイヤモデルに定義することにより、省略されたトレッド溝の影響がトレッドゴム部の物性値に反映されるので、計算精度の低下を防止できる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本発明では、解析しようとするタイヤを数値解析が可能な有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを作成する方法を提供する。このような方法には、図1に示されるようなコンピュータ装置1を用いて行われる。
前記コンピュータ装置1は、本体1aと、入力手段としてのキーボード1b及びマウス1cと、出力手段としてのディスプレイ装置1dとから構成されている。前記本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー及び磁気ディスクといった大容量の記憶装置が内蔵されている他、ディスクドライブ装置1a1などが適宜設けられる。なお、記憶装置には後述する方法を実行するための処理手順(プログラム)が予め記憶されている。
図2には、本実施形態のタイヤモデルの作成方法の一例としてフローチャートを示す。先ず、本実施形態では、解析対象のタイヤが特定される(ステップS1)。該解析対象のタイヤとは、現実に存在するか否かは問わない。即ち、既に試作されたものでも良いし、設計段階のものでも構わない。
図3には、解析対象の空気入りタイヤの一例として、そのタイヤ回転軸を含む子午線断面図が示される。該空気入りタイヤ2は、路面と接地するトレッドゴム部Tgを有するトレッド部3と、その両側からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部4と、各サイドウォール部4の内方に設けられかつビードコア6が埋設されたビード部5とを有する。また、空気入りタイヤ2は、一対のビードコア6、6間を跨ってのびるカーカスコードの層からなるカーカス7と、そのタイヤ半径方向外側かつトレッド部3の内部に配置されたベルト層8とを具える。
図4には、前記トレッドゴム部Tgの展開図が示される。該トレッドゴム部Tgには、タイヤ周方向にのびる本実施形態では3本の縦溝9と、該縦溝9と交わる向きにのびる横溝10とを含むトレッド溝11が設けられる。本実施形態において、前記各縦溝9は、タイヤ周方向に直線状で連続してのびている。また、前記横溝10は、各縦溝9、9間や、最も外側の縦溝9とトレッドゴム端Teとの間を横切るようにのびている。ここで、前記縦溝9及び横溝10には、図示はしていないが、幅の狭いスロットやサイピング等も含まれる。
前記トレッドゴム端Teは、図3に示されるように、各縦溝9の溝底9bを通る滑らかな仮想溝底線BLをタイヤ外面まで延長させたときに該外面と交差する位置とする。そして、本明細書では、前記仮想溝底線BLよりも半径方向外側のゴム部分がトレッドゴム部Tgとして定義される。
次に、上述のような解析対象の空気入りタイヤ2に基づき、かつ、そのトレッド溝11の少なくとも一本を省略して該タイヤ2を有限個の要素eを用いて分割することにより、例えば図5ないし6に視覚化されるように、タイヤモデル13を設定する処理が行われる(ステップS2)。
前記タイヤモデル13は、前記コンピュータ装置1で取り扱いが可能な数値データとして特定される。具体的には、各要素eの節点座標値、要素番号、形状及び物性値(例えば密度、弾性率及び/又は減衰率等であり、これについては後述する。)が数値データとして定義される。これらの数値データは、コンピュータ装置1において、適宜、数値解析ソフトウエアを使用することにより視覚化される。
また、トレッド溝11を「省略」するとは、そのトレッド溝11が占めていた三次元空間をゴムで埋めてしまい、その部分を溝のないプレーントレッド面に置き換えることを意味する。従って、タイヤモデル13を設定するに際し、解析対象の空気入りタイヤ2からトレッド溝11の少なくとも一本を省略することにより、プレーンなトレッド面に比べて複雑な三次元の溝形状を設定する工程が減るため、タイヤモデル作成時間及び手間を短縮できる。なお、タイヤモデル13は、トレッド溝11を除いた他のタイヤ形状やタイヤの寸法に関しては、解析対象のタイヤモデル2と実質的に等しく設定される。
このようなモデリングは、種々の方法で行うことができる。例えば、図5には、解析対象のタイヤ2の全てのトレッド溝11(縦溝9及び横溝10)を省略したタイヤモデル13aが視覚化されている。また、図6には、解析対象のタイヤ2の全ての横溝10が省略されており、縦溝9だけを再現したタイヤモデル13bが視覚化されている(図7にはそのトレッドゴム部15が示される。)。とりわけ、これらの実施形態では、先ず、タイヤ回転軸を含む二次元のタイヤ子午線断面形状を作成し、これを小角度きざみでタイヤ周方向に展開複写して相互に連結することにより、三次元のモデルとして容易に設定可能なため、タイヤモデルの作成時間及び手間を大幅に短縮できる点で特に好ましい。
本実施形態の各タイヤモデル13は、解析対象のタイヤ2のトレッゴム部Tgを要素分割したトレッドゴムモデル部15と、前記仮想溝底線BLよりもタイヤ半径方向内方の部分であるタイヤボディ部Tbを要素分割したボディモデル部14とからなり、これらの互いに向き合う面を相対変位不能に結合することにより構成される。このようなタイヤモデル13は、例えば、トレッドパターンの変更や、タイヤ内部構造材(例えばカーカス7)の構造変更を行う際に、いずれか一方のモデル14又は15を交換することによって、仕様の異なるタイヤモデルを迅速に作ることができ、解析効率を高めうる点で望ましい。
また、本実施形態のタイヤモデル13では、トレッドゴムモデル部15が、ボディモデル部14よりも詳細にモデル化されている。具体的には、トレッドゴムモデル部15のタイヤ周方向の分割数は、ボディモデル部14のそれよりも大きく設定される。一般に、タイヤのトレッドゴム部Tgは、路面との接地及び開放に伴って大きな変形が生じるのに対し、タイヤボディ部Tbはトレッドゴム部Tgに比べると比較的変形が小さい。このため、変形の大きいトレッドゴム部Tgをより細かく分割してモデリングすることで、精度良く解析が行える。このようなタイヤモデル13は、それぞれの二次元断面形状を異なるタイヤ周方向のピッチで展開することにより作られたボディモデル部14及びトレッドゴムモデル部15を互いに結合することにより作ることができる。
ここで、前記ボディモデル部14のタイヤ周方向の分割数は、特に限定されるものではないが、小さすぎると、シミュレーションの計算精度が悪化するおそれがあり、逆に大きすぎると、変形計算に多くの時間を要するおそれがある。このような観点より、前記分割数は、好ましくは60以上、より好ましくは90以上が望ましく、また、好ましくは360以下、より好ましくは240以下が望ましい。同様に、トレッドゴムモデル部15のタイヤ周方向の分割数は、好ましくは120以上、より好ましくは180以上が望ましく、また、好ましくは540以下、より好ましくは360以下が望ましい。
前記要素eには、種々の形状の要素が用いられる。例えば、ゴム部分には、四面体要素又は六面体要素といった三次元のソリッド要素が好適に用いられる。また、カーカス7やベルト層8といったコード層には、二次元平面要素が好適に用いられる。さらに、ビードコア6には、変形しない剛要素などが好適に用いられる。そして、各要素eの種類やその節点座標などが、前記コンピュータ装置1の記憶装置に記憶される。
次に、タイヤモデル13のトレッドゴム部の各要素eに物性値を定義するために、その物性値を計算する処理が行われる(ステップS3)。
従来、有限要素法によるコンピュータを用いたタイヤの数値解析においては、タイヤモデルのトレッドゴム部に、解析対象のタイヤのトレッドゴムが有する物性値、例えばゴムの弾性率、密度及び/又は振動減衰率がそのまま定義されていた。
しかし、本実施形態で作られたトレッドゴムモデル部15は、解析対象のタイヤのトレッド溝11のいくつかが省略されているので、本来、縦溝9及び/又は横溝10が占めていた空間がゴムで置き換えられることになる。従って、トレッドゴムモデル部15は、本来の解析対象のタイヤのトレッドゴム部Tgとは形状が変わるとともに、それに起因して本来のタイヤよりも剛性が大きくなる。従って、このようなトレッドゴムモデル部15の各要素eに、本来のトレッドゴム部Tgの物性値(例えば、弾性率など)をそのまま定義したのでは、変形計算において、その部分の剛性が過大に評価され、ひいてはシミュレーション結果が、実際の試験結果から大きくかけ離れる。つまり、計算精度(シミュレーション精度)が低下する問題がある。
そこで、本発明では、トレッド溝11の少なくとも1本を省略して作られたタイヤモデル13については、そのトレッドゴムモデル部15の要素eの物性値(例えばゴムの弾性率)を、解析対象の空気入りタイヤ2のトレッドゴム部Tgが有する本来の物性値よりも小さくする。具体的には、要素eに定義される物性値は、解析対象の空気入りタイヤ2のトレッドゴム部Tgが有する本来の物性値と、省略されたトレッド溝11の容積とに基づいて計算される。そして、計算(修正)された物性値がタイヤモデル13のトレッドゴムモデル部15の各要素eに定義される(ステップS4)。
好ましい実施形態として、各要素eに定義される物性値は、前記解析対象の空気入りタイヤ2のトレッドゴム部Tgが有する物性値に、前記省略されたトレッド溝11の容積に基づいて下式(1)で得られる定数α(<1)を乗じて計算されることが望ましい。
α=(1−a)/(1−b) …(1)
ここで、"a"は、前記解析対象のタイヤにおけるトレッドゴム部Tg全体の容積(全てのトレッド溝11を埋めて特定されるもので、タイヤモデル13においても同様とする。)に対するトレッド溝11の合計容積の比率であり、"b"は、前記タイヤモデル13におけるトレッドゴム部全体の容積に対するトレッド溝の合計容積比率である。
より具体的に述べると、トレッドゴムモデル部15の各要素eの弾性率E’、密度ρ’及び振動減衰率δ’は、解析対象の空気入りタイヤ2におけるトレッドゴム部の弾性率E、密度ρ及び振動減衰率δと、前記定数αとを用いてそれぞれ下式で計算され得る。
E’=α・E
ρ’=α・ρ
δ’=α・δ
タイヤモデル13の設定に際して、トレッド溝11を省略するほど上記定数αは小さくなる。つまり、トレッド溝11を省略するほど、その省略されたトレッド溝11の容積に応じて弾性率等が小さく計算され、その値がトレッドゴムモデル部15の各要素eに定義される。従って、トレッド溝11の省略によってトレッドゴムモデル部15の高められた剛性は、その要素eに定義される弾性率や密度等を小さくすることにより相殺される。
また、本実施形態では、トレッドゴムモデル部15の全ての要素eに、上記にて計算された弾性率E’、密度ρ’及び減衰率δ’がそれぞれ定義される。従って、省略されたトレッド溝11の影響が、トレッドゴムモデル部15の各要素eの物性値に平均的に組み入れられる(平均特性)。
また、タイヤの数値解析においては、タイヤのトレッドゴム部Tgを含むゴム部分は、通常、弾性限界内において体積変化が生じない非圧縮性物質として取り扱われる。体積が変化しない物質では、例えば引張荷重を加えたときの荷重方向のひずみと、荷重と直角方向のひずみとの比であるポアソン比は0.5となる。従って、これまでのタイヤシミュレーション等では、ゴム部分に相当する要素に0.5のポアソン比が定義されていた。
しかし、本実施形態のタイヤモデル13では、いくつかのトレッド溝11が省略されているので、タイヤ走行中、本来ならばトレッド溝11を閉じるように生じる大きなトレッドゴムの変形が正確に再現できないおそれがある。そこで、ゴム部分に相当する要素であっても、例外的に体積変化が許容されるように、トレッドゴムモデル部15の全ての要素に、0よりも大かつ0.50未満のポアソン比を定義することもできる。
ここで、ポアソン比の具体的な値については、目的とするシミュレーションによって溝の容積変化を考慮して適宜定めることができる。しかし、その値が大きすぎると、要素の体積変化が十分表現できないおそれがあり、逆に小さすぎても体積変化が過度に大きくなり、計算精度が悪化するおそれがある。このような観点より、要素に定義されるポアソン比は、好ましくは0.499以下、より好ましくは0.495以下が望ましく、また、好ましくは0.480以上、より好ましくは0.485以上が望ましい。
なお、タイヤボディ部14については、これまでの有限要素法の慣例に従い、それが表している各ゴム又はコード層等の弾性率、密度及び振動減衰率といった物性値が解析対象のタイヤに基づいてそのまま定義することができる。
表1に示す仕様に基づいて作られたタイヤモデルを使用し、突起を有する路面を乗り越える際のタイヤ回転軸に作用する垂直力及び前後力の時刻歴がシミュレーション(計算)された。該シミュレーションでは、タイヤモデルは回転軸を回転自在の自由支持とし、接触する路面の移動による摩擦力により転動させた。また、モデル作成時間及び計算時間についても評価が行われた。各タイヤモデルは、サイズ205/65R15であり、評価対象のタイヤのトレッドパターンは図4に示した通りである。
また、実施例は、本発明方法により作られたタイヤモデルであり、図6に示したように、トレッド溝のうち縦溝のみがモデル化されており、全ての横溝が省略されたもである。また、トレッドゴムモデル部の各要素の物性値は、解析対象のタイヤのトレッドゴム部の物性値よりも小さく修正されている。
比較例1は、図8に示されるように、評価対象のタイヤのトレッド溝(縦溝及び横溝)を忠実に再現したタイヤモデルである。
さらに、比較例2は、実施例と同様に、全ての横溝が省略されているが、トレッドゴム部の物性値が本来の値のまま定義されたものである。
また、シミュレーション条件は次の通りである。
突起の高さ:10mm
突起の幅:10mm
走行速度:40km/h
タイヤモデルの内圧:200kPa
タイヤモデルへの縦荷重:4.41kN
ゴムのポアソン比:0.49
タイヤモデルと路面との間の摩擦係数:1.0
テストの結果を表1及び図9及び10に示す。
Figure 2008262367
テストの結果、表1より、実施例のものは、比較例1に比べてモデル作成時間及び計算時間を短縮していることが確認できた。また、図9及び10より、実施例のモデルは、比較例2と比べて、計算精度が優れており、比較例1と大差がないことが確認できた。このように、本発明のタイヤモデルの作成方法では、計算精度を低下させることなくモデル作成時間を短縮化できる。
コンピュータ装置の一例を示す斜視図である。 本発明の処理手順の一例を示すフローチャートである。 解析対象の空気入りタイヤの断面図である。 そのトレッドゴム部の展開図である。 タイヤモデルの一例を視覚化した部分斜視図である。 タイヤモデルの他の例を視覚化した部分斜視図である。 トレッドゴムモデル部の展開図である。 比較例1のタイヤモデルを視覚化した部分斜視図である。 シミュレーション結果を示し、タイヤ回転軸に作用する前後力の時刻歴を示す。 シミュレーション結果を示し、タイヤ回転軸に作用する垂直力の時刻歴を示す。
符号の説明
1 コンピュータ装置
2 タイヤ
9 縦溝
10 横溝
11 トレッド溝
13 タイヤモデル
14 ボディモデル部
15 トレッドゴムモデル部
Tg トレッドゴム部

Claims (6)

  1. タイヤ周方向にのびる縦溝及び該縦溝と交わる向きにのびる横溝を含むトレッド溝が設けられたトレッドゴム部を有するタイヤの性能を解析するための数値解析用のタイヤモデルを作成する方法であって、
    前記トレッド溝の少なくとも一本を省略して前記タイヤを有限個の要素を用いて分割することによりタイヤモデルを設定するステップと、
    前記タイヤモデルのトレッドゴム部の各要素に物性値を定義するステップとを含むとともに、
    前記物性値は、前記解析対象のタイヤのトレッドゴム部が有する物性値と、省略されたトレッド溝の容積とに基づいて計算されることを特徴とするタイヤモデルの作成方法。
  2. 前記タイヤモデルを設定するステップは、解析対象のタイヤの全てのトレッド溝を省略してタイヤモデルを設定する請求項1記載のタイヤモデルの作成方法。
  3. 前記タイヤモデルを設定するステップは、解析対象のタイヤの全ての横溝を省略してタイヤモデルを設定する請求項1記載のタイヤモデルの作成方法。
  4. 前記物性値は、トレッドゴム部の弾性率、密度又は減衰率の少なくとも一つを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤモデルの作成方法。
  5. 前記タイヤモデルの各要素に定義される物性値は、前記解析対象のタイヤが有する物性値に、前記省略されたトレッド溝の容積に基づいた下式(1)で得られる定数αを乗じて計算される請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤモデルの作成方法。
    α=(1−a)/(1−b) …(1)
    ここで、"a"は、前記解析対象のタイヤにおけるトレッドゴム部全体の容積に対するトレッド溝の合計容積の比率であり、"b"は、前記タイヤモデルにおけるトレッドゴム部全体の容積に対するトレッド溝の合計容積比率である。
  6. 前記タイヤモデルのトレッドゴム部の各要素には、0よりも大かつ0.50未満のポアソン比が定義される請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤモデルの作成方法。
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